JPH10309467A - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒

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JPH10309467A
JPH10309467A JP9120662A JP12066297A JPH10309467A JP H10309467 A JPH10309467 A JP H10309467A JP 9120662 A JP9120662 A JP 9120662A JP 12066297 A JP12066297 A JP 12066297A JP H10309467 A JPH10309467 A JP H10309467A
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JP
Japan
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zeolite
exhaust gas
catalyst
nox
nitrogen oxide
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JP9120662A
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Inventor
Toshihiro Takada
登志広 高田
Hiroaki Takahashi
宏明 高橋
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸素過剰雰囲気下の排気ガスを浄化する場合に
おいて、高いNOx浄化率を発揮し得る排気ガス浄化用
触媒を提供する。 【解決手段】酸素過剰雰囲気下における排気ガス中のC
O、HC及びNOxを同時に浄化して排気ガスを浄化す
る排気ガス浄化用触媒は、HC吸着能を有するゼオライ
トと、NOx吸着能を有するゼオライトと、貴金属とを
備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排気ガス浄化用触媒
に関する。この排気ガス浄化用触媒は、一酸化炭素(C
O)や炭化水素(HC)を酸化するのに必要な量より過
剰な酸素が含まれている排気ガス中における窒素酸化物
(NOx)を浄化する場合に好適である。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の排気ガス浄化用触媒
として、CO及びHCの酸化とNOxの還元とを同時に
行って排気ガスを浄化する三元触媒が用いられている。
このような触媒としては、例えばコージェライト等の耐
熱性担体基材にγ−アルミナからなる多孔質の担持層を
形成し、この担持層にPt、Pd、Rh等の貴金属を担
持させたものが広く知られている。
【0003】また、上記構成からなる三元触媒の前方に
さらにHC吸着体としてゼオライトを設けた排気ガス浄
化用触媒が知られている(特開平6−154538号公
報)。この公報記載の触媒では、三元触媒の活性が低い
排気ガスの低温時には、排気ガス中のHCをゼオライト
の細孔が吸着し、HCが外部に漏れることを防止する。
そして、三元触媒の活性が高まった排気ガスの高温時に
は、ゼオライトの細孔からHCが放出され、そのHCを
下流の三元触媒で浄化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記三元触媒
の浄化性能は、エンジンの空燃比(A/F)によっても
大きく異なる。すなわち、リーン側では、排気ガス中の
酸素量が多くなり、COやHCを浄化する酸化反応が活
発である反面、NOxを浄化する還元反応が不活発にな
る。逆に、リッチ側では、排気ガス中の酸素量が少なく
なり、酸化反応は不活発となるが、還元反応は活発にな
る。
【0005】一方、自動車の走行において、市街地走行
の場合には、発進・停止が頻繁に行われるため、A/F
はストイキ近傍からリッチ状態までの範囲内で頻繁に変
化する。このような走行における低燃費化の要請に応え
るためには、なるべく酸素過剰の混合気を供給するリー
ン側での運転が必要となる。したがって、リーン側にお
いてもNOxを十分に浄化できる触媒の開発が望まれて
いる。
【0006】ここで、上記公報記載の触媒においては、
低燃費化の要望により酸素過剰雰囲気下の排気ガスを浄
化するのであれば、NOx浄化率が低下傾向に移行して
しまうことが明らかとなった。すなわち、図4(A)に
示すように、排気ガス中のNOはNO2に酸化された形
で、またNO2はそのままの形でPt等の貴金属1に吸
着し、貴金属1による還元反応の活性化が低下する(貴
金属のガス被毒)。このため、貴金属1に吸着していた
これらのNO2は、図4(B)に示すように、排気ガス
の高温時にゼオライト2の細孔2aから放出されるHC
によりNOには還元され得るものの、N2までには還元
されず、NOの形で貴金属1から脱離し、そのまま外部
に排出されるのである。
【0007】本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされ
たものであって、酸素過剰雰囲気下の排気ガスを浄化す
る場合において、高いNOx浄化率を発揮し得る排気ガ
ス浄化用触媒を提供することを解決課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の排気ガス浄化
用触媒は、炭化水素吸着能を有するゼオライトと、貴金
属とを備え、酸素過剰雰囲気下における排気ガス中の一
酸化炭素、炭化水素及び窒素酸化物を同時に浄化して排
気ガスを浄化する排気ガス浄化用触媒において、前記ゼ
オライトは窒素酸化物吸着能をも有することを特徴とす
る。
【0009】請求項2の排気ガス浄化用触媒は、酸素過
剰雰囲気下における排気ガス中の一酸化炭素、炭化水素
及び窒素酸化物を同時に浄化して排気ガスを浄化する排
気ガス浄化用触媒において、陽イオンを水素イオンにイ
オン交換して炭化水素吸着能を持たせた第1ゼオライト
と、陽イオンをアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属
イオン、遷移金属イオン及び希土類金属イオンから選ば
れた少なくとも一種類以上にイオン交換して窒素酸化物
吸着能を持たせた第2ゼオライトと、貴金属と、を有す
ることを特徴とする。
【0010】請求項1に係るHC吸着能を有するゼオラ
イトとしては、市販のゼオライト(例えば、市販のモル
デナイト)の他、市販のゼオライトの陽イオンを水素イ
オンにイオン交換したもの(請求項2に係る第1ゼオラ
イト)を採用し得る。より望ましくは、市販のゼオライ
トに固体超強酸を担持したものを採用し得る。ここで、
市販のゼオライトの陽イオンを水素イオンにイオン交換
した第1ゼオライトは、特開平2−111438号公報
記載のように、市販のゼオライトが耐酸性の高いもので
あれば、直接塩酸等の酸にそれを浸漬し、その後乾燥す
ることによって得られるが、市販のゼオライトが耐酸性
の低いものであれば、陽イオンをNH4 +にイオン交換
し、さらにNH4 +をH+にイオン交換することによって
得られる。陽イオンをNH4 +にイオン交換した市販のゼ
オライトを用いる場合、焼成すれば、NH4 +がH+にな
る。
【0011】また、市販のゼオライトに固体超強酸を担
持したものは、市販のゼオライトに水溶性金属塩の水溶
液を吸着させた後、この水溶性金属塩をアルカリ処理し
て金属水酸化物を表出させ、その後この金属水酸化物を
酸処理することによって得られる。水溶性金属塩として
は、オキシ硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム等のジ
ルコニウム塩の他、同様のアルミニウム塩やチタニウム
塩を採用することができる。また、アルカリ処理にはア
ンモニア水溶液を採用することができる。吸着した水溶
性金属塩は、このアルカリ処理により、水酸化ジルコニ
ウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタニウムの金属水
酸化物となって表出する。そして、酸処理には硫酸、モ
リブデン酸、タングステン酸等を採用することができ
る。表出した金属水酸化物は、この酸処理により、硫酸
ジルコニウム、硫酸アルミニウム、硫酸チタニウム等の
固体超強酸となって担持される。
【0012】請求項1に係るNOx吸着能を有するゼオ
ライトは、市販のゼオライトの陽イオンをアルカリ金属
イオン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン及び
希土類金属イオンから選ばれた少なくとも一種類以上に
イオン交換したもの(請求項2に係る第2ゼオライト)
を採用し得る。ここで、第2ゼオライトのうち、市販の
ゼオライトの陽イオンをアルカリ金属イオンにイオン交
換したものは、市販のゼオライトをアルカリ金属塩水溶
液に浸漬した後、濾過、加熱することによって得られ
る。アルカリ金属としては、リチウム(Li)、ナトリ
ウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、
セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)の少なくとも
一種を採用することができる。これらのアルカリ金属は
NOx吸着能を有することは知られている。
【0013】また、第2ゼオライトのうち、市販のゼオ
ライトの陽イオンをアルカリ土類金属イオンにイオン交
換したものは、市販のゼオライトをアルカリ土類金属塩
水溶液に浸漬した後、濾過、加熱することによって得ら
れる。アルカリ土類金属としては、カルシウム(C
a)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラ
ジウム(Ra)、ベリリウム(Be)、マグネシウム
(Mg)の少なくとも一種を採用することができる。こ
れらのアルカリ土類金属は酸化物としてNOx吸着能を
有することは知られている(特開平5−317652号
公報)。
【0014】さらに、第2ゼオライトのうち、市販のゼ
オライトの陽イオンを遷移金属イオンにイオン交換した
ものは、市販のゼオライトを遷移金属塩水溶液に浸漬し
た後、濾過、加熱することによって得られる。遷移金属
としては、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(M
n)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Z
n)、鉛(Pb)等の少なくとも一種を採用することが
できる。これらの遷移金属はNOx吸着能を有すること
は知られている(特開平7−88363号公報)。
【0015】また、第2ゼオライトのうち、市販のゼオ
ライトの陽イオンを希土類金属イオンにイオン交換した
ものは、市販のゼオライトを希土類金属塩水溶液に浸漬
した後、濾過、加熱することによって得られる。希土類
金属としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム
(Y)、ランタノイドの少なくとも一種を採用すること
ができる。これらの希土類金属はNOx吸着能を有する
ことは知られている。
【0016】請求項1、2の触媒は、コージェライト等
からなる耐熱性ハニカム体を担体基材として用いること
ができる。この場合、このハニカム体に上記ゼオライト
を含んで担持層を形成するとともに、この担持層にさら
に貴金属を担持させる。また、上記ゼオライト自体をハ
ニカム形状あるいはペレット形状に形成し、これに貴金
属を担持してもよい。
【0017】貴金属としてはPt、Rh及びPdの1種
又は複数種を採用することができる。なお、上記ゼオラ
イトには、セリア等の酸素吸蔵放出材を担持したり、熱
的に安定なアルミナ等の酸化物を担持したりすることが
できる。熱的に安定な酸化物に貴金属を担持することが
好ましい。
【0018】請求項1、2の触媒では、ゼオライトがH
C吸着能を有しているため、排気ガス中のHCがこのゼ
オライトの細孔に吸着される。また、こればかりでな
く、ゼオライトはNOx吸着能をも有しているため、排
気ガス中のNOxもこのゼオライトの細孔に吸着され
る。このため、ゼオライトの細孔にNOxが吸着される
分だけ貴金属に吸着するNO2が減少し、貴金属のガス
被毒が緩和される。このため、貴金属に吸着したこれら
のNO2は、排気ガスの高温時にゼオライトの細孔から
放出されるHCによりN2まで還元されて貴金属から脱
離し、N2の形で外部に排出される。また、貴金属に吸
着していたNO2がNOの形で脱離する量も減少し、外
部に排出されるNOの量が減少する。
【0019】したがって、請求項1、2の触媒では、酸
素過剰雰囲気下の排気ガスを浄化する場合において、高
いNOx浄化率を発揮することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、請求項1、2の発明を具体
化した実施例1〜11を比較例とともに説明する。
【0021】
【実施例1】まず、HC吸着能を有するゼオライトとし
て、市販のモルデナイト(東ソー(株)社製:NH4
Mor30)を用意し、モルデナイトAとする。また、
モルデナイトAを濃度10%の酢酸リチウム水溶液に浸
漬した後、濾過し、120°Cで2時間乾燥し、さらに
300°Cで2時間焼成することにより。モルデナイト
Bとする。
【0022】次いで、市販のアルミナ粉末75部と、ジ
ニトロアンミン白金硝酸水溶液をPt量で2部と、純水
300部とを混合し、120°Cで2〜3時間乾燥し、
さらに300°Cで2〜3時間焼成する(蒸発乾固)こ
とにより、Pt担持のアルミナ粉末とする。これらモル
デナイトA75部と、モルデナイトB75部と、Pt担
持のアルミナ粉末75部と、純水295部と、SiO2
80部と、WD(CZS)90部とによりスラリーを調
製する。ここで、SiO2は担持層のバインダとして添
加したものであり、WD(CZS)はコート材として添
加したものである。この後、ハニカム形状のコージェラ
イト製担体基材(容量1.7リットル)を用意し、これ
をスラリー中に浸漬する。この後、これを引き上げて余
分なスラリーを吹き払い、100°Cで2時間の乾燥
後、500℃で1時間焼成する。こうして担体基材に担
持層を形成する。担持層の担持量は担体基材1リットル
当たり240gであった。
【0023】さらに、所定濃度のジニトロジアンミン白
金水溶液を用意し、上記担持層をもつ担体基材を浸漬
し、引き上げて余分な水分を吹き払い、250℃で乾燥
してPtを担持した。Ptの担持量は担体基材1リット
ル当たり2gであった。こうして、実施例1の触媒を得
た。
【0024】
【実施例2】実施例1の酢酸リチウム水溶液を酢酸ナト
リウム水溶液に代え、他は実施例1と同一の条件の下、
実施例2の触媒とする。
【0025】
【実施例3】実施例1の酢酸リチウム水溶液を酢酸マグ
ネシム水溶液に代え、他は実施例1と同一の条件の下、
実施例3の触媒とする。
【0026】
【実施例4】実施例1の酢酸リチウム水溶液を酢酸カル
シウム水溶液に代え、他は実施例1と同一の条件の下、
実施例4の触媒とする。
【0027】
【実施例5】実施例1の酢酸リチウム水溶液を酢酸セリ
ウム水溶液に代え、他は実施例1と同一の条件の下、実
施例5の触媒とする。
【0028】
【実施例6】実施例1の酢酸リチウム水溶液を酢酸ラン
タン水溶液に代え、他は実施例1と同一の条件の下、実
施例6の触媒とする。
【0029】
【実施例7】実施例1の酢酸リチウム水溶液を酢酸銅水
溶液に代え、他は実施例1と同一の条件の下、実施例7
の触媒とする。
【0030】
【実施例8】実施例1の酢酸リチウム水溶液を酢酸鉄水
溶液に代え、他は実施例1と同一の条件の下、実施例8
の触媒とする。
【0031】
【実施例9】ヘキサアンミンイリジウム水酸塩をIr量
で1部と、純水300部とを混合し、これに実施例1の
モルデナイトBを浸漬させた後、濾過し、120°Cで
2〜3時間乾燥し、さらに300°Cで2〜3時間焼成
する(蒸発乾固)。得られたものをモルデナイトCとす
る。
【0032】このモルデナイトCを実施例1のモルデナ
イトBの代わりに用い、他は実施例1と同一の条件の
下、実施例9の触媒とする。
【0033】
【実施例10】実施例1の酢酸リチウム水溶液を酢酸セ
リウム水溶液に代え、モルデナイトDとする。また、ヘ
キサアンミンイリジウム水酸塩をIr量で1部と、純水
300部とを混合し、これにモルデナイトDを浸漬させ
た後、濾過し、120°Cで2〜3時間乾燥し、さらに
300°Cで2〜3時間焼成する(蒸発乾固)。得られ
たものをモルデナイトEとする。
【0034】このモルデナイトEを実施例1のモルデナ
イトBの代わりに用い、他は実施例1と同一の条件の
下、実施例10の触媒とする。
【0035】
【実施例11】セリウム・ジルコニウム複合酸化物1部
を純水300部に混合し、これに実施例1のモルデナイ
トBを浸漬させた後、濾過し、120°Cで2〜3時間
乾燥し、さらに300°Cで2〜3時間焼成する(蒸発
乾固)。得られたものをモルデナイトFとする。
【0036】また、イリジウム1部を純水300部に混
合し、これにモルデナイトFを浸漬させた後、濾過し、
120°Cで2〜3時間乾燥し、さらに300°Cで2
〜3時間焼成する(蒸発乾固)。得られたものをモルデ
ナイトGとする。このモルデナイトGを実施例1のモル
デナイトBの代わりに用い、他は実施例1と同一の条件
の下、実施例11の触媒とする。
【0037】
【比較例】モルデナイトA150部と、純水295部
と、SiO280部と、WD(CZS)90部とにより
スラリーを調製する。そして、担体基材をスラリー中に
浸漬した後、これを引き上げて余分なスラリーを吹き払
い、乾燥後、500℃で1時間焼成する。こうして実施
例1と同様に担体基材に担持層を形成する。
【0038】また、実施例1と同様に担持層にPtを担
持する。こうして、比較例の触媒を得た。
【0039】
【評価1】実施例1〜11及び比較例で得られた触媒を
コンバータに装着し、2400cc直列4気筒のディー
ゼルエンジンに使用した600℃×50時間の耐久後、
評価試験を行った。この評価は、軽油を300〜120
0ppmC(平均1000ppmC)の範囲で触媒前に
添加し、回転数を1200rpmの一定としつつ、トル
クにより負荷を連続的に変化させた場合であって、入り
ガス温度を150〜450°Cまで変化させ、NOx浄
化率(%)を昇温特性及び降温特性により行った。結果
を図1に示す。
【0040】図1より、実施例1〜11の触媒は、比較
例の触媒に比して、昇温特性及び降温特性共に高いNO
x浄化率を発揮できることがわかる。このとき、実施例
1〜11の触媒では、図2(A)に示すように、ゼオラ
イトAがHC吸着能を有しているため、排気ガス中のH
CがこのゼオライトAの細孔1aの内部に吸着される。
また、こればかりでなく、ゼオライトBはNOx吸着能
をも有しているため、排気ガス中のNOxもこのゼオラ
イトBの細孔1bの内部に吸着される。このため、ゼオ
ライトBの細孔1bの内部にNOxが吸着される分だけ
Ptに吸着するNO2が減少し、Ptのガス被毒が緩和
される。このため、Ptに吸着したこれらのNO2は、
図2(B)に示すように、排気ガスの高温時にゼオライ
トAの細孔1aの内部から放出されるHCによりN2
で還元されてPtから脱離し、N2の形で外部に排出さ
れる。また、Ptに吸着していたNO2がNOの形で脱
離する量も減少し、外部に排出されるNOの量が減少す
る。
【0041】特に、実施例9、10の触媒では、Irが
Ptに吸着されない排気ガス中のNOをPtに吸着しや
すいNO2へと選択的に酸化することから、NOx強化
率のさらなる向上が得られることがわかる。こうして、
実施例1〜11の触媒は、比較例の触媒に比して、酸素
過剰雰囲気下の排気ガスを浄化する場合において、高い
NOx浄化率を発揮する。そして、これは低燃費化の要
望と低公害性との実現を可能ならしめる。
【0042】なお、実施例1〜11の触媒では、Ptの
担持量を増しておらず、低コストを実現している。ま
た、実施例1〜11の触媒では、ゼオライトA、Bを含
む担持層にPtを担持しているため、三元触媒の上流に
別にゼオライトを設けた上記公報記載の触媒より、簡易
なものとなっている。
【0043】
【評価2】実施例1で得られた触媒をコンバータに装着
し、2400cc直列4気筒のディーゼルエンジンに使
用する。そして、入りガス温度を150〜450°Cま
で変化させ、NOx浄化率(%)を昇温特性及び降温特
性について評価する。結果を図3に示す。
【0044】図3より、実施例1の触媒では、降温特性
に比して昇温特性が優れていることがわかる。
【0045】
【評価3】発明者らの試験結果によれば、排気ガス中の
NOxは、貴金属にNO2の形で吸着する温度域よりも
高い温度域でゼオライトの細孔に吸着するようであり、
そのゼオライトの細孔からNOxが放出される頃には、
貴金属の活性が充分に高められていることから、ゼオラ
イトの細孔から放出されるHCによりNOxが十分に還
元される。こうして、高いNOx浄化率を発揮する。
【0046】また、排気ガス中には燃料中に含まれる硫
黄(S)が燃焼して生成したSO2が含まれ、それが酸
素過剰雰囲気中で貴金属によりさらに酸化されてSO3
となる。つまり排気ガス中にはこれらサルフェートも含
まれる。ここで、上記ゼオライトの細孔の内径は約7.
4Åであり、NOの分子径は約1.55Å、NO2の分
子径は約1.74Åである一方、SO2 の分子径は約
2.33Å、SO3 の分子径は約4.42Åである。こ
のため、このゼオライトの細孔中には、NOxは吸着さ
れやすい一方、NOxと比較して分子径の大きなサルフ
ェートは入りにくい。他方、請求項2に係る第2ゼオラ
イトのうち、市販のゼオライトの陽イオンをアルカリ金
属イオン又はアルカリ土類金属イオンにイオン交換した
ものでは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が細孔中
に存在する。このため、第2ゼオライトに係るアルカリ
金属又はアルカリ土類金属はサルフェートによって被毒
劣化されにくいことがわかる。
【0047】さらに、アルカリ金属イオン、アルカリ土
類金属イオン、遷移金属イオン又は希土類金属イオンへ
のイオン交換を行わず、単にこれらの粉末を市販のゼオ
ライトに混合したにすぎない混合物では、NOxはアル
カリ金属等に吸着して硝酸塩等を形成してしまうため、
300°C付近以上でないとNOxが脱離しない。そし
て、排気ガス中のサルフェートが混合物中でアルカリ金
属等により硫酸塩等を形成してしまうと、その硫酸塩は
硝酸塩よりも結合力が強いために500°C以上でない
と分解せず、500°C以上まで混合物におけるNOx
の吸着・脱離機能が損なわれてしまう。この点、請求項
2に係る第2ゼオライトでは、アルカリ金属イオン、ア
ルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン又は希土類金属
イオンへのイオン交換により、単なる混合物に比して、
NOxの脱離温度が低温側に移行する。そして、排気ガ
ス中のサルフェートは上述のように第2ゼオライト中で
アルカリ金属等と反応しにくいために硫酸塩等を形成し
にくく、第2ゼオライトにおけるNOxの吸着・脱離機
能は損なわれない。このため、請求項2の触媒では、1
50〜350°Cにおいて、NOxがゼオライトの細孔
から放出されるHCによりN2に還元されやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜11及び比較例の触媒についての昇
温及び降温でのNOx浄化率を示すグラフである。
【図2】実施例1〜11の触媒に係り、(A)はHC吸
着時の模式拡大断面図、(B)はHC脱離時の模式拡大
断面図である。
【図3】実施例1〜11の触媒に係り、入りガス温度と
NOx浄化率との関係を示すグラフである。
【図4】比較例の触媒に係り、(A)はHC吸着時の模
式拡大断面図、(B)はHC脱離時の模式拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
A…第1ゼオライト 1a…細孔 B…第2ゼオライト 1b…細孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素吸着能を有するゼオライトと、貴
    金属とを備え、酸素過剰雰囲気下における排気ガス中の
    一酸化炭素、炭化水素及び窒素酸化物を同時に浄化して
    排気ガスを浄化する排気ガス浄化用触媒において、 前記ゼオライトは窒素酸化物吸着能をも有することを特
    徴とする排気ガス浄化用触媒。
  2. 【請求項2】酸素過剰雰囲気下における排気ガス中の一
    酸化炭素、炭化水素及び窒素酸化物を同時に浄化して排
    気ガスを浄化する排気ガス浄化用触媒において、 陽イオンを水素イオンにイオン交換して炭化水素吸着能
    を持たせた第1ゼオライトと、陽イオンをアルカリ金属
    イオン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン及び
    希土類金属イオンから選ばれた少なくとも一種類以上に
    イオン交換して窒素酸化物吸着能を持たせた第2ゼオラ
    イトと、貴金属と、を有することを特徴とする排気ガス
    浄化用触媒。
JP9120662A 1997-05-12 1997-05-12 排気ガス浄化用触媒 Pending JPH10309467A (ja)

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JP9120662A JPH10309467A (ja) 1997-05-12 1997-05-12 排気ガス浄化用触媒

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