JPH10309265A - 眼科撮影装置 - Google Patents

眼科撮影装置

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Publication number
JPH10309265A
JPH10309265A JP9121123A JP12112397A JPH10309265A JP H10309265 A JPH10309265 A JP H10309265A JP 9121123 A JP9121123 A JP 9121123A JP 12112397 A JP12112397 A JP 12112397A JP H10309265 A JPH10309265 A JP H10309265A
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JP
Japan
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eye
photographing
camera
video signal
moving
Prior art date
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Application number
JP9121123A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ishibe
博史 石部
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KONAN KK
Original Assignee
KONAN KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のトノメータでは、反射光の反射角の変
化量は圧平による角膜中央部のへこみ量のみによって定
まる。被検眼は、患者によって角膜厚さ、曲率半径等の
個体差が大きく、ある2つの被検眼のへこみ量が同一で
あっても眼圧が異なるような場合もある。よって、上記
装置では眼圧を正確に測定することができない。また、
上記装置は眼圧の異常を検知できても、その他の種々の
被検眼に関する異常は検知できない。 【解決手段】 被検眼90を正面から圧平する圧平手段
たる空気噴射装置18と、被検眼90の前眼部断面を撮
影する撮影カメラ4aが設けられている。また被検眼9
0には照明手段19からスリット光が照射されている。
そして、撮影カメラ4aは、被検眼90の前眼部断面の
時間的変化を撮影する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願に係る発明は、眼科
医療において患者の被検眼の眼圧や眼圧異常、角膜異常
等を検出するために被検眼を撮影する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、眼科医療において従来使用さ
れてきた、患者の被検眼190の眼圧を測定するための
非接触式の眼圧測定装置(トノメータ)の概略構成を示
すものである。ランプ106による光がスリット105
aを介してスリット光となり、光軸130に沿ってレン
ズ107aを通過して被検眼190に斜めから照射され
ている。被検眼190で反射したスリット光は光軸13
0Aに沿ってレンズ107bを通過して、スリット10
5b上のA点を照射する。この状態から空気噴射装置1
18により被検眼190の正面から空気を噴射する。そ
うすると被検眼190の角膜表面が噴射された空気の圧
力によって圧平され、スリット光はその反射角度を変化
させ、反射光は光軸130Bに沿うこととなり、圧平検
知用光センサー104がこの反射光を受光面Bで受光す
ることとなる。そして、A点から受光面Bまで反射光軸
が変化するまでの時間に基づいて、または、反射光の反
射角が変化して反射光軸が受光面Bに照射されるときの
空気噴射装置からの空気圧に基づいて、眼圧値が判断さ
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
装置では、反射光の反射角の変化量は圧平による角膜中
央部のへこみ量のみによって定まる。被検眼は、患者に
よって角膜厚さ、曲率半径等の個体差が大きく、ある2
つの被検眼の中央部のへこみ量が同一であっても眼圧が
異なる場合もある。よって、上記装置では眼圧を正確に
測定することができない。
【0004】また、上記装置は眼圧を正確に検知できな
いし、その他の種々の被検眼に関する情報や異常は検知
できない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の眼科撮影装置
は、被検眼を正面から圧平する圧平手段と、該被検眼の
前眼部断面を撮影する第1の撮影手段とを具備してい
る。圧平手段により圧平された被検眼の前眼部断面を撮
影し、その断面を観察することにより、角膜厚さやその
分布、曲率半径など、種々の情報を得ることができ、こ
れらを総合的に用いることにより、より正確な眼圧値を
判断できる。また、眼圧のみならず、角膜厚さ、形状な
どに関する種々の情報や異常も検出できる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に係る眼科撮影装置は、被
検眼を正面から圧平する圧平手段と、該被検眼の前眼部
断面を撮影する第1の撮影手段とを具備している。よっ
て、撮影された断面像を観察することによって正確な眼
圧値を判断でき、また、角膜厚さ、形状などに関する種
々の情報や異常を検出することもできる。
【0007】ここで、前記圧平手段を前記被検眼に正面
から流体を噴射する流体噴射装置とし、前記第1の撮影
手段が、前記被検眼にスリット光を照射する照明手段
と、該照明手段によって光切断された被検眼の前眼部断
面を撮影する撮影カメラとを有するように構成してもよ
い。ここで、流体噴射装置としては、空気や窒素などの
気体を噴射するものや水等の液体を噴射するものを採用
することができる。また、この照明手段の光源として
は、連続的に光線を照射する通常のランプを採用しても
よいし、後述するようにフラッシュランプを採用しても
よい。
【0008】また、前記撮影カメラが、該被検眼の前眼
部断面の時間的変化を撮影するように構成してもよい。
このようにすると、時間的変化を観察することによって
初めて明らかになる被検眼に関する情報を得ることがで
き、被検眼の眼圧や異常をより正確に検知できる。
【0009】上述した時間的変化を撮影するために、前
記照明手段の光源を連続閃光型のフラッシュランプと
し、前記撮影カメラが、バルブ状態にされている間に連
続閃光する該フラッシュランプの照明によって多重露光
されることにより前記被検眼の前眼部断面の時間的変化
を撮影するように構成してもよい。
【0010】また上述した時間的変化を撮影するため
に、前記照明手段の光源を連続閃光型のフラッシュラン
プとし、前記撮影カメラが、連続閃光する該フラッシュ
ランプに同期して前記被検眼の前眼部断面の時間的変化
を撮影するように構成してもよい。この場合、前記撮影
カメラを高速度カメラとするのが好ましい。
【0011】また、前記流体噴射装置と前記照明手段と
前記撮影カメラとが載置されたテーブルをベース部に対
して相対的に移動させることにより該撮影カメラを被検
眼に対して移動させる第1の移動手段を設けてもよい。
このようにすると、観察カメラの位置を被検眼に対して
容易に調整でき、微調整も容易になる。
【0012】また、前記流体噴射装置を前記テーブルに
対して相対的に移動させる第2の移動手段や、前記照明
手段を前記テーブルに対して相対的に移動させる第3の
移動手段や、前記撮影カメラを前記テーブルに対して相
対的に移動させる第4の移動手段を設けてもよい。流体
噴射手段、照明手段、撮影カメラをテーブルに対して独
立して移動可能とすることにより、撮影条件、測定条件
についてのより細かな調整ができる。
【0013】また、前記被検眼を正面から撮影する第2
の撮影手段と、画像処理手段と、映像信号合成手段とを
具備し、前記第2の移動手段は操作盤を備え、この操作
盤からの制御信号によってその移動量が決定され、該画
像処理手段は、該第2の撮影手段からの映像信号と該操
作盤からの制御信号に基づいて、被検眼の圧平位置を算
出し、その圧平位置のマークを該第2の撮影手段からの
映像信号に合成し、該映像信号合成手段は、前記第1の
撮影手段から出力される映像信号と該画像処理手段によ
り合成された映像信号と合成して、該第1の撮影手段に
より撮影された前眼部断面の映像と該画像処理手段が合
成した映像とを含む映像信号を生成するように構成して
もよい。このように構成すると、映像信号合成手段が生
成した映像を観察することにより、前眼部断面の表示と
ともに、被検眼のどの位置が圧平されたかが表示され
る。
【0014】
【実施例】この出願発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。
【0015】図1は、本願発明にかかる眼科撮影装置の
一実施例の概略構成を示すものである。被検眼90の直
前に位置する眼科撮影装置1のベース部2には、ベース
部2に対して移動可能にテーブル3が設けられている。
テーブル3には、フラッシュランプ20とスリット5a
とから構成された照明手段19、撮影カメラ4a、第2
の撮影手段を構成する撮影カメラ4b、空気噴射装置1
8、発光ダイオード6a、6b、レンズ7a、7b、7
c、7d、7e、ハーフミラー8a、8b、スリット5
bが設けられている。ここでの空気噴射装置18が請求
項にいう流体噴射装置、圧平手段に相当する。また、照
明手段19と撮影カメラ4aなどが第1の撮影手段を構
成している。なお、空気噴射装置18は透明である。
【0016】ベース部2にはモータ9a、9b、9cが
固定されており、これらモータが駆動されると、これに
連動する駆動機構(図示せず)によって、テーブル3は
X、Y、Z軸方向に移動される。ここで、図中の上下方
向がX軸方向、左右方向がZ軸方向、紙面に垂直な方向
がY軸方向である。そして、モータ9aはX軸方向駆動
用、モータ9bはY軸方向駆動用、モータ9cはZ軸方
向駆動用のモータである。これらのモータはモータ駆動
回路10から発生される駆動信号によって駆動される。
モータ駆動回路10は、操作スイッチ等が配された操作
盤12からの出力信号によっても、また、制御回路11
からの出力信号によっても制御される。制御回路11
は、撮影カメラ4a、4bからの映像信号を入力する。
このモータ9a、9b、9c、モータ駆動回路10など
が請求項にいう第1の移動手段に相当する。
【0017】また、撮影カメラ4aからの映像信号は、
映像記録手段たる映像信号合成回路15にも送出されて
いる。撮影カメラ4bからの映像信号は画像処理手段た
る画像処理回路25に送出され、この画像処理回路25
の出力信号は映像信号合成回路15に送出されている。
そして、映像信号合成回路15の出力信号は映像記録手
段たる映像記録装置16とモニターディスプレイ17に
送出されている。この映像記録装置16としては、例え
ば、ビデオテープレコーダーなどを用いることができ
る。
【0018】図2は、空気噴射装置18をテーブル3に
対して移動可能とするための第2の移動手段の概略構成
を示したものである。空気噴射装置18は基台24の上
に固定されており、この基台24がテーブル3に対して
移動可能に設けられている。テーブル3にはモータ23
a、23bが固定されており、これらのモータが駆動さ
れるとこれと連動する駆動機構(図示せず)により基台
24が駆動される。モータ23aはX軸方向駆動用、モ
ータ23bはZ軸方向駆動用のモータである。これらの
モータを駆動する駆動信号はモータ駆動回路21から発
せられるのであるが、このモータ駆動回路21は操作ス
イッチなどが配された操作盤22からの信号によって制
御される。なお図示していないが、さらにもう一つモー
タおよび駆動装置を設けて基台24をテーブル3に対し
てY軸方向にも移動可能となるように構成してもよい。
また、モータによって基台24をテーブル3に対して回
転可能に構成してもよい。これにより、撮影カメラ4
a、照明手段19の、被検眼90に対する設定位置を固
定したまま、様々な位置、角度から被検眼に対して空気
を噴射できるようになる。ここでの、操作盤22、モー
タ駆動回路21、モータ23a、モータ23bなどが、
請求項にいう第2の移動手段に相当する。
【0019】また、図示されていないが、照明手段19
用にも同様の移動手段が設けられており、照明手段19
をテーブル3に対して移動可能となるように構成されて
いる。この移動手段が請求項にいう第3の移動手段に相
当する。
【0020】また、図示されていないが、撮影カメラ4
a用にも同様の移動手段が設けられており、撮影カメラ
4aをテーブル3に対して移動可能となるように構成さ
れている。この移動手段が請求項にいう第4の移動手段
に相当する。
【0021】次に図1を参照しながらこの眼科撮影装置
1の作用を説明すると、まず、被検眼90の前眼部断面
を撮影する前に、撮影カメラ4aの被検眼90に対する
アライメントを調整する必要がある。発光ダイオード6
a、6bはアライメントのために用いられるものであ
る。
【0022】XY方向のアライメント調整は、発光ダイ
オード6bにより、次のようになされる。発光ダイオー
ド6bから発せられた光はレンズ7eを通過して光軸3
1に沿って進行しハーフミラー8bを通過し、さらに光
軸32に沿って進行しハーフミラー8aで反射され、光
軸33に沿って進行し透明の空気噴射装置18を通過し
て被検眼90を正面から照射する。そして被検眼90の
角膜表面で反射して、光軸33に沿って進行しハーフミ
ラー8aで反射され、光軸32に沿って進行しハーフミ
ラー8bで再度反射され、光軸34に沿って進行しレン
ズ34を通過して撮影カメラ4bに入射される。撮影カ
メラ4bに写った像は撮影カメラ4bの出力信号として
制御回路11に入力される。そして、制御回路11は、
この映像信号に基づいて、撮影カメラ4bの映像のほぼ
中央に発光ダイオード6bが写るようにテーブル3をX
Y方向に移動させるべく、モータ駆動回路10に対して
制御信号を送出する。モータ駆動回路10はこの制御信
号を受けてモータ9a、9bに対して駆動信号を送出
し、これによりテーブル3のXY方向のアライメントが
完了する。
【0023】Z軸方向のアライメント調整は、発光ダイ
オード6aにより、次のようになされる。発光ダイオー
ド6aから発せられた光はスリット5bを通過してスリ
ット光となりレンズ7cを通過して光軸30に沿って被
検眼90に斜めから照射される。このスリット光の反射
光は光軸30Aに沿ってレンズ7aを通過し撮影カメラ
4aに入射される。撮影カメラ4aに写った像は撮影カ
メラ4aの出力信号として制御回路11に入力される。
そして、制御回路11は、この映像信号に基づいて、撮
影カメラ4aの映像のほぼ中央にスリット光が写るよう
にテーブル3をZ軸方向に移動させるべく、モータ駆動
回路10に対して制御信号を送出する。モータ駆動回路
10はこの制御信号を受けてモータ9cに対して駆動信
号を送出し、これによりテーブル3のZ軸方向のアライ
メントが完了する。
【0024】なお、アライメント完了後に、操作盤12
の操作スイッチを操作してテーブル3の位置を微調整し
たり、第2〜第4の移動手段を操作して、空気噴射装置
18、撮影カメラ4a、照明手段19のテーブル3に対
する設定位置を微調整して、様々な撮影条件、測定条件
を設定するようにしてもよい。例えば、第2の移動手段
の操作盤22を操作して空気噴射装置18をX軸方向に
所定距離Lだけ移動させる場合、操作盤22からの距離
Lに関する情報を含んだ制御信号がモータ駆動回路21
に送出され、モータ23aが基台24をLだけ移動させ
るように駆動される。操作盤22からの制御信号はモー
タ駆動回路21に送出されるとともに、図示しない配線
によって画像処理回路25にも送出される。画像処理回
路25に送出されたこの制御信号の作用については後述
する。
【0025】こうしてXYZ軸方向のアライメントや空
気噴射装置18の設定位置の微調整等が完了した後、連
続閃光型のフラッシュランプ20を発光させる。この光
はスリット5aを介してスリット光となり光軸35に沿
って進行しレンズ7b、ハーフミラー8aを通過し、さ
らに光軸33に沿って進行し透明の空気噴射装置18を
通過して被検眼90を正面から照射して光切断する。こ
のようにすると、撮影カメラ4aに被検眼90の前眼部
断面が写る。そして次に、空気噴射装置18で空気を被
検眼90に噴射する。これにより、被検眼90は圧平さ
れて、被検眼90の前眼部表面がへこむ。撮影カメラ4
aは、被検眼90が圧平されていない状態から圧平され
るまでの状態の時間的変化を撮影する。この時間的変化
を撮影するためには、撮影カメラ4aをバルブ状態にし
ておき、その間にフラッシュランプ20を連続閃光させ
て、撮影カメラを多重露光させるようにしてもよい。ま
たは、時間的変化を撮影するために、撮影カメラ4aを
高速度カメラとし、連続閃光するフラッシュランプ20
に撮影カメラ4aを同期させて撮影するようにしてもよ
い。このようにして撮影された前眼部断面の像は撮影カ
メラ4aから映像信号として出力され映像信号合成回路
15に入射される。
【0026】一方、撮影カメラ4bからの映像信号は画
像処理回路25にも送出される。前述したように画像処
理回路25には操作盤22からの制御信号も入力されて
いる。そして、撮影カメラ4bからの映像に写った発光
ダイオード6bの像(プルキンエ像)の位置と、操作盤
22からの制御信号の情報とに基づき、被検眼90の圧
平位置を算出する。そして、その圧平位置のマークを撮
影カメラ4bからの映像信号に重ね合わせる。そして画
像処理回路25は、この重ね合わされた(合成された)
映像信号を映像信号合成回路15に送出する。映像信号
合成回路15は、入力された二つの映像信号を合成し
て、前眼部断面の像と被検眼90を正面から見た像とが
共に含まれた一つの映像を生成する。そしてこの合成映
像信号を映像記録装置16とモニターディスプレイ17
に送出する。映像記録装置16はこの合成映像信号を記
録し、モニターディスプレイ17はこの合成映像を画面
上に再現する。
【0027】図3はこのモニターディスプレイ17の画
像を示すものである。左側には角膜40や水晶体41な
どの前眼部の断面が写っている。また、右側には被検眼
90を正面から写した像が写っている。42は発光ダイ
オード6bの像(プルキンエ像)である。また、43の
三角形のマークが、画像処理回路25により重ね合わさ
れた、圧平位置のマークである。このように発光ダイオ
ード6bが画面上の被検眼90のどの位置に写っている
かによって、被検眼90のどの位置における前眼部断面
像が撮影されたかがわかるとともに、マーク43によっ
て圧平位置もわかる。
【0028】図4〜図9は圧平によって徐々に角膜がへ
こむ状態を、時間tに沿った変化状態として示したもの
である。t1は圧平初期の状態、t3は最終の状態、t
2はその中間の状態を示すものである。撮影カメラ4a
はこのような時間的変化を撮影する。角膜撮影に際して
は、その個体差の要素や噴射された空気の当たり方
((以下、これらを撮影情報要素という)によって、撮
影した映像に特徴が表れることに留意すべきであるが、
その撮影情報要素としては、眼圧の値、角膜厚さ、
角膜強度分布、角膜形状、角膜の曲率半径、角
膜に対する噴射空気の当たり方、前房、水晶体、後房
の異常などがある。実際に患者の被検眼を測定すると、
上記〜までの要素の値が平均的な値からずれている
場合が多い。よって、これらの要素から総合的に被検眼
の状態を診断するのが望ましい。以下、図4から図9に
ついて、各図毎に詳細に説明する。
【0029】図4は、角膜厚さがその中心部で510ミ
クロン(平均値的)、角膜の強度分布が均一、角膜の形
状が正常、角膜の曲率半径が上皮で7.7mm、内皮で
6.6mm(平均値的)、空気噴射装置18からの空気
の噴射位置が角膜中央という条件のもとで、眼圧の高い
被検眼(a)、適正な眼圧の被検眼(b)、眼圧の低い
被検眼(c)についての変化状態を比較したものであ
る。このときは眼圧値を主に角膜の後退する量で判断す
ればよいが、上記した種々の情報要素(角膜厚さなど)
が平均値からずれているような場合は、その情報によっ
て眼圧値を補正することができる。
【0030】図5は、上記撮影情報要素のうちの角膜厚
さ以外は平均的な値であるという条件のもとで、角膜厚
さが厚い被検眼(a)、適正な角膜厚さの被検眼
(b)、角膜厚さが薄い被検眼(c)についての変化状
態を比較したものである。
【0031】図6は、上記撮影情報要素のうちの角膜強
度分布以外は平均的な値であるという条件のもとで、角
膜上部が柔らかい被検眼(a)、角膜中央部が柔らかい
被検眼(b)、角膜の上部と下部が柔らかい被検眼
(c)についての変化状態を比較したものである。
【0032】図7は、上記撮影情報要素のうちの角膜形
状以外は平均的な値であるという条件のもとで、上部が
厚い角膜形状の被検眼(a)、正常な角膜形状の被検眼
(b)、中央部が厚い角膜形状の被検眼(c)について
の変化状態を比較したものである。
【0033】図8は、上記撮影情報要素のうちの角膜の
曲率半径以外は平均的な値であるという条件のもとで、
角膜の曲率半径が小さな被検眼(a)、角膜の曲率半径
が平均的な被検眼(b)、角膜の曲率半径が大きな被検
眼(c)についての変化状態を比較したものである。
【0034】図9は、上記撮影条件要素のうちの噴射空
気の当たり方以外は平均的な値であるという条件のもと
で、角膜上部に噴射空気が当たった場合(a)、角膜中
央に噴射空気が当たった場合(b)、角膜下部に噴射空
気が当たった場合(c)についての変化状態を比較した
ものである。
【0035】図4〜図9からわかるように、圧平による
角膜のへこみ方は上記〜の要素の違いによって種々
であり、へこみ量のみによっては正確に被検眼を診断す
ることができないということがわかる。
【0036】このような(図4〜図9に示されたよう
な)前眼部断面の形状等を知ることにより、より正確な
眼圧値を判断できるし、また、その他の、例えば角膜厚
さ等の異常なども総合的に判断できる。
【0037】図10は、角膜表面が圧平されていく状態
の時間的変化を示したものである。
【0038】時間tがt1、t2、t3と進行するにつ
れて、角膜表面が徐々にへこんで行くのがわかる。ここ
で、(a)は角膜が厚くて眼圧が低い被検眼についての
時間的変化を示し、(b)は角膜が薄くて眼圧が高い被
検眼についての時間的変化を示している。この(a)
(b)を比較すると、共にt3における表面形状はよく
似ている。しかし、t3に至るまでのt1、t2の時点
での形状が異なる。
【0039】図11も、図10と同様に角膜表面が圧平
されていく状態の時間的変化を示したものである。時間
tがt1、t2、t3と進行するにつれて、角膜表面が
徐々にへこんで行くのがわかる。ここで、(a)は眼圧
は高く、角膜強度分布は角膜中心強度が弱い被検眼につ
いての時間的変化を示し、(b)は眼圧が低く、角膜強
度分布は角膜全体に渡って一定である被検眼についての
時間的変化を示している。この(a)(b)を比較する
と、共にt3における表面形状はよく似ている。しか
し、t3に至るまでのt1、t2の時点での形状が異な
る。
【0040】図10、図11の例からもわかるように、
最終的な変化状態(t3における状態)のみを観察した
のでは、両者に差はなく、被検眼の特徴の違いはわから
ないが、時間的変化状態を追うことによって、被検眼に
ついてのより詳細な情報が得られる。
【0041】図1で示された実施例に係る眼科撮影装置
1では、被検眼90の正面から照明手段19によるスリ
ット光を当て、被検眼90に対して斜め方向に1台の撮
影カメラ4aを設けている。しかし、前眼部断面を撮影
する撮影カメラを1台に限定する必要はなく、例えば、
正面軸(光軸33,35に相当)を中心として、両側に
1台づつの撮影カメラを設け、両者で前眼部断面を撮影
するようにしてもよい。このようにすると、より立体的
に被検眼前眼部をとらえることができる。また、例えば
照明手段19を被検眼90の中心軸よりもX軸の正の方
向に若干移動させて設定して撮影するようなときは、移
動方向側にある撮影カメラでは前眼部の奥部が撮影しに
くくなるが、移動方向と反対側の撮影カメラでは奥部ま
で十分に撮影できる。
【0042】また、図1で示された実施例に係る眼科撮
影装置1ではテーブル3をベース部2に対してXYZ軸
方向に移動可能となるように構成しているが、照明手段
19によるスリット光を被検眼の中心部に照射しつつ、
そのスリット光の被検眼上の照射点を中心にテーブル3
を例えば180度の範囲で回転移動させることができる
ように構成してもよい。そして、前述のように前眼部断
面を撮影するための撮影カメラを複数設けるようにして
もよい。このように構成すると、スリット光を挟む、双
方から見た断面によりお互いを補完し、より正確な前眼
部の立体像を得ることができる。
【0043】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0044】本発明の眼科撮影装置では、圧平状態の前
眼部断面像を撮影でき、これを観察することによって正
確な眼圧を算出でき、また、角膜厚さ、形状などに関す
る種々の異常を検出することもできる。
【0045】また、撮影カメラが、該被検眼の前眼部断
面の時間的変化を撮影するように構成してもよい。この
ようにすると、時間的変化を観察することによって初め
て明らかになる被検眼に関する情報を得ることができ
る。すなわち、このような動的な前眼部断面変化をとら
えることにより、角膜形状等の変化過程を情報として得
ることができるので、より総合的な前眼部診断に寄与す
る。
【0046】また、流体噴射装置と照明手段と撮影カメ
ラとが載置されたテーブルをベース部に対して相対的に
移動させることにより、撮影カメラを被検眼に対して移
動させる第1の移動手段を設けると、観察カメラの位置
を被検眼に対して容易に調整でき、微調整も容易にな
る。
【0047】また、流体噴射装置をテーブルに対して相
対的に移動させる第2の移動手段や、前記照明手段を前
記テーブルに対して相対的に移動させる第3の移動手段
や、前記撮影カメラを前記テーブルに対して相対的に移
動させる第4の移動手段を設けると、流体噴射手段、照
明手段、撮影カメラをテーブルに対して独立して移動可
能とすることにより、撮影条件、測定条件についてのよ
り細かな調整が可能となる。
【0048】また、圧平位置のマークを第2の撮影手段
からの映像信号に合成した映像信号と、前眼部断面の映
像とを含む映像信号を生成するように構成されている
と、この映像を観察することにより、前眼部のどの位置
の断面を第1の撮影手段が撮影したか、また、被検眼の
どの位置が圧平されたかを知ることができ、後の分析、
診断に便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる眼科撮影装置の一実施例の概
略構成を示す図である。
【図2】空気噴射装置をテーブルに対して移動可能とす
るための移動手段の概略構成を示す図である。
【図3】モニターディスプレイの画像を示す図である。
【図4】眼圧の高い被検眼(a)、適正な眼圧の被検眼
(b)、眼圧の低い被検眼(c)についての変化状態を
比較した図である。
【図5】角膜厚さが厚い被検眼(a)、適正な角膜厚さ
の被検眼(b)、角膜厚さが薄い被検眼(c)について
の変化状態を比較した図である。
【図6】角膜上部が柔らかい被検眼(a)、角膜中央部
が柔らかい被検眼(b)、角膜の上部と下部が柔らかい
被検眼(c)についての変化状態を比較した図である。
【図7】上部が厚い角膜形状の被検眼(a)、正常な角
膜形状の被検眼(b)、中央部が厚い角膜形状の被検眼
(c)についての変化状態を比較した図である。
【図8】角膜の曲率半径が小さな被検眼(a)、角膜の
曲率半径が平均的な被検眼(b)、角膜の曲率半径が大
きな被検眼(c)についての変化状態を比較した図であ
る。
【図9】角膜上部に噴射空気が当たった場合(a)、角
膜中央に噴射空気が当たった場合(b)、角膜下部に噴
射空気が当たった場合(c)についての変化状態を比較
した図である。
【図10】角膜が厚くて眼圧が低い被検眼(a)と角膜
が薄くて眼圧が高い被検眼(b)についての圧平時の時
間的変化を比較した図である。
【図11】眼圧が高く、角膜強度分布は角膜中心強度が
弱い被検眼(a)と、眼圧が低く、角膜強度分布は角膜
全体に渡って一定である被検眼(b)についての圧平時
の時間的変化を比較した図である。
【図12】従来の非接触式の眼圧測定装置(トノメー
タ)の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1…眼科撮影装置 2…ベース部 3…テーブル 4a、4b…撮影カメラ 5a、5b…スリット 6a、6b…発光ダイオード 7a、7b、7c、7d、7e…レンズ 8a、8b…ハーフミラー 9a、9b、9c…モータ 10…モータ駆動装置 11…制御回路 12…操作盤 15…映像信号合成回路 16…映像記録装置 17…モニタディスプレイ 18…空気噴射装置 19…照明手段 20…フラッシュランプ 21…モータ駆動回路 22…操作盤 23a、23b…モータ 24…基台 25…画像処理回路 30、30A、31、32、33、34、35…光軸 90…被検眼

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検眼を正面から圧平する圧平手段と、
    該被検眼の前眼部断面を撮影する第1の撮影手段とを具
    備した眼科撮影装置。
  2. 【請求項2】 前記圧平手段が前記被検眼に正面から流
    体を噴射する流体噴射装置であり、 前記第1の撮影手段が、前記被検眼にスリット光を照射
    する照明手段と、該照明手段によって光切断された被検
    眼の前眼部断面を撮影する撮影カメラとを有する、請求
    項1記載の眼科撮影装置。
  3. 【請求項3】 前記撮影カメラが、該被検眼の前眼部断
    面の時間的変化を撮影する、請求項1又は2記載の眼科
    撮影装置。
  4. 【請求項4】 前記照明手段の光源が連続閃光型のフラ
    ッシュランプであり、 前記撮影カメラは、バルブ状態にされている間に連続閃
    光する該フラッシュランプの照明によって多重露光され
    ることにより前記被検眼の前眼部断面の時間的変化を撮
    影する、請求項3記載の眼科撮影装置。
  5. 【請求項5】 前記照明手段の光源が連続閃光型のフラ
    ッシュランプであり、 前記撮影カメラは、連続閃光する該フラッシュランプに
    同期して前記被検眼の前眼部断面の時間的変化を撮影す
    る、請求項3記載の眼科撮影装置。
  6. 【請求項6】 前記流体噴射装置と前記照明手段と前記
    撮影カメラとが載置されたテーブルをベース部に対して
    相対的に移動させることにより該撮影カメラを被検眼に
    対して移動させる第1の移動手段を具備した、請求項2
    から5のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  7. 【請求項7】 前記流体噴射装置を前記テーブルに対し
    て相対的に移動させる第2の移動手段を具備した、請求
    項6記載の眼科撮影装置。
  8. 【請求項8】 前記照明手段を前記テーブルに対して相
    対的に移動させる第3の移動手段を具備した、請求項6
    または7記載の眼科撮影装置。
  9. 【請求項9】 前記撮影カメラを前記テーブルに対して
    相対的に移動させる第4の移動手段を具備した、請求項
    6から8のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  10. 【請求項10】 前記被検眼を正面から撮影する第2の
    撮影手段と、画像処理手段と、映像信号合成手段とを具
    備し、 前記第2の移動手段は操作盤を備え、この操作盤からの
    制御信号によってその移動量が決定され、 該画像処理手段は、該第2の撮影手段からの映像信号と
    該操作盤からの制御信号に基づいて、被検眼の圧平位置
    を算出し、その圧平位置のマークを該第2の撮影手段か
    らの映像信号に合成し、 該映像信号合成手段は、前記第1の撮影手段から出力さ
    れる映像信号と該画像処理手段により合成された映像信
    号と合成して、該第1の撮影手段により撮影された前眼
    部断面の映像と該画像処理手段が合成した映像とを含む
    映像信号を生成する、請求項7から9のいずれか1項に
    記載の眼科撮影装置。
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