JPH10308030A - ガルバノミラー装置およびこれを用いた光ディスク装置 - Google Patents

ガルバノミラー装置およびこれを用いた光ディスク装置

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JPH10308030A
JPH10308030A JP9115804A JP11580497A JPH10308030A JP H10308030 A JPH10308030 A JP H10308030A JP 9115804 A JP9115804 A JP 9115804A JP 11580497 A JP11580497 A JP 11580497A JP H10308030 A JPH10308030 A JP H10308030A
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JP
Japan
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oscillator
plate portion
elastic body
galvanomirror
silicon
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JP9115804A
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English (en)
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Kiyotaka Uchimaru
丸 清 隆 内
Osamu Fujii
井 修 藤
Satoshi Izumi
聡 志 泉
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 揺動体の固有振動周波数が低い場合でも電極
から揺動体に供給される駆動トルクに対して揺動体が変
形せず、ビームスポットのトラックへのに追従を可能に
する。 【解決手段】 反射ミラーを含む揺動体1と、弾性体2
を介して揺動体1を支持すると共に揺動体1に対向する
電極部6a,6bを有するプレート部5と、を備え、電
極部6a,6bおよび揺動体1を帯電させて静電気力に
より揺動体1を回転駆動する。揺動体1はシリコンで形
成され、このシリコンの<1,1,1>方位または<
1,1,0>方位がプレート面12に平行な方向で、か
つ、前記弾性体を含む前記プレートの揺動体1の支持軸
15に直交にする方向である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を所定の
方向に反射するガルバノミラー装置およびこれを用いた
光ディスク装置に係り、特に、対物レンズへの入射光の
向きを変化させるガルバノミラー装置と、このガルバノ
ミラー装置により対物レンズへの入射光の入射方向を調
整しながら光ディスクに対する情報の記録再生を行なう
光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は従来のガルバノミラーを示す分
解斜視図である。図10に示されるように、従来のガル
バノミラー装置100は、装置の中核を構成する第1の
プレート101と、第1のプレート101の上下に配置
される第2および第3のプレート106,108と、を
備えている。第1のプレート101は、シリコン等の半
導体よりなり、反射ミラー102が形成される揺動体1
03と、2枚の弾性体104を介して前記揺動体103
を揺動自在に保持する中空部105aが形成された枠体
105と、を備えている。
【0003】前記第2のプレート106には、前記揺動
体103の反射ミラー102に相当する部位に透過孔1
06aが形成されており、また、第2のプレート106
の下面には一対の電極107a,107bが設けられて
いる。また、第3のプレート108にも対象な位置関
係,例えば前記弾性体104の支持方向を軸にして線対
称となるような位置関係となるように、電極109a,
109bが配置され、電極107a,107bと電極1
09a,109bは、それぞれ対向している。第2およ
び第3のプレート106,107は、それぞれ電気絶縁
された状態で前記第1のプレート101に接合されてい
る。
【0004】上記構成において、揺動体103を+極
(または−極)に帯電させ、また、電極107b,10
9aを−極(または+極)に帯電させるか、もしくは電
極107a,109bを−極(+極)に帯電させるかす
ると、揺動体103は2枚の弾性体104の捻れ変形を
伴いながら、図10の矢印A(または矢印B)方向に回
転(揺動)されることになる。
【0005】次に、上記構成・作用のガルバノミラー装
置を用いた従来の光ディスク装置について図11を参照
しながら説明する。
【0006】図11において、光ディスク装置110
は、スピンドルモータ111により回転されるディスク
112と、光ビームを出射する光学ユニット113と、
光ビームを反射する反射ミラーとしての図10に示され
た構成を備えるガルバノミラー装置100と、反射され
た光ビームを収束させてビームスポット114を形成す
る対物レンズ115と、を備えており、ガルバノミラー
装置100、光学ユニット113および対物レンズ11
5によりディスク112の半径方向に移動可能なキャリ
ッジ116が構成されている。
【0007】上記構成を備える光ディスク装置110に
おいては、光ディスクに対して情報の記録再生をするた
めに、数10nmの位置決め精度で、光学ユニット11
3より出射される光ビームをガルバノミラー装置100
により反射させ、対物レンズ115により形成されたビ
ームスポット114を制御する必要がある。さらに、デ
ィスク112は図示されない複数本のトラックを周方向
に有しており、各トラックはトラック曲がりを有してい
る。また、図示されないベースに固定された前記スピン
ドルモータ111の回転によって、ディスク112は、
通常数1000rpmの高速で回転させられている。
【0008】したがって、上記高速回転とトラック曲が
りとにより発生するトラックずれに対して前記ビームス
ポット114を追従させる必要がある。このため、ディ
スク112の半径方向に移動可能に支持されたキャリッ
ジ116を、図示しない磁気回路中のリニアモータコイ
ル(図示されず)に通電することにより移動させると共
に、前記キャリッジ116に搭載されたガルバノミラー
装置100の反射ミラー102を含む揺動体103を、
図10の矢印A(または矢印B)方向に高加速度で回転
運動させることにより、前記トラックに対しビームスポ
ット114を追従させている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ビームスポット114
をディスク112のトラックに追従させるためには、揺
動体103を高速で運動させなければならないが、揺動
体103の固有振動周波数が低い場合には、電極107
a,107b,109aおよび109bから供給される
静電力によって揺動体103に生じる駆動トルクが揺動
体103を変形させてしまい、ビームスポット114を
ディスク112のトラックに追従させることができない
という問題があった。
【0010】また、揺動体103の固有振動周波数を高
くしようとして、揺動体103の厚みを増加させると、
揺動体103の慣性モーメントが増加し、揺動体103
を高速で運動させることができないという問題があっ
た。
【0011】そこで本発明は、高速動作が可能となると
共に軽量なガルバノミラー装置を提供でき、かつ、この
ガルバノミラー装置を用いて高精度の位置決め動作およ
び高速シークが可能な光ディスク装置を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の請求項1に係るガルバノミラー装置は、反
射ミラーを含む揺動体と、この揺動体を支持する弾性体
と、前記揺動体に対向する電極部と、前記弾性体を支持
すると共に前記電極部が設けられたプレート部と、を備
えて静電気力により前記揺動体を回転駆動するガルバノ
ミラー装置において、前記揺動体がシリコンで形成さ
れ、このシリコンの<1,1,1>方位が前記プレート
部の面に対して平行な方向で、かつ、前記弾性体を含む
前記プレート部の揺動体の支持軸方向に直交にする方向
であることを特徴としている。
【0013】また、請求項2に係るガルバノミラー装置
は、上記ガルバノミラー装置において、前記揺動体を形
成しているシリコンの(1,1,2)面が、前記プレー
ト部に対して平行であることを特徴としている。
【0014】また、請求項3に係るガルバノミラー装置
は、請求項1に記載のガルバノミラー装置において、前
記揺動体を形成しているシリコンの(1,1,0)面
が、前記プレート部に対して平行であることを特徴とし
ている。
【0015】また、請求項4に係るガルバノミラー装置
は、反射ミラーを含む揺動体と、この揺動体を支持する
弾性体と、前記揺動体に対向する電極部と、前記弾性体
を支持すると共に前記電極部が設けられたプレート部
と、を備えて静電気力により前記揺動体を回転駆動する
ガルバノミラー装置において、前記揺動体がシリコンで
形成され、このシリコンの<1,1,0>方位が前記プ
レート部の面に対して平行な方向で、かつ、前記弾性体
を含む前記プレート部の揺動体の支持軸方向に直交にす
る方向であることを特徴としている。
【0016】また、請求項5に係るガルバノミラー装置
は、請求項4に記載のものにおいて前記揺動体を形成し
ているシリコンの(1,0,0)面が、前記プレート部
に対して平行であることを特徴としている。
【0017】また、請求項6に係る光ディスク装置は、
レーザ光を出射する光源と、この光源から出射されるレ
ーザ光の光軸を所定方向に変更するガルバノミラー装置
と、光軸方向を変更されたレーザ光を収束させて回転駆
動されるディスク上にスポットを形成する対物レンズと
を備えるものにおいて、前記ガルバノミラー装置は、反
射ミラーを含む揺動体と、この揺動体を支持する弾性体
と、前記揺動体に対向して設けられた電極部と、前記弾
性体を支持すると共に前記電極部が設けられるプレート
部と、を備えると共に、前記揺動体がシリコンで形成さ
れ、このシリコンの<1,1,1>方位が前記プレート
部の面に対して平行な方向で、かつ、前記弾性体を含む
前記プレート部の前記揺動体の支持軸方向に直交にする
方向となるように構成されて静電気力により前記揺動体
を回転駆動することを特徴としている。
【0018】また、請求項7に係る光ディスク装置は、
レーザ光を出射する光源と、この光源から出射されるレ
ーザ光の光軸を所定方向に変更するガルバノミラー装置
と、光軸方向を変更されたレーザ光を収束させて回転駆
動されるディスク上にスポットを形成する対物レンズと
を備えるものにおいて、前記ガルバノミラー装置は、反
射ミラーを含む揺動体と、この揺動体を支持する弾性体
と、前記揺動体に対向して設けられた電極部と、前記弾
性体を支持すると共に前記電極部が設けられるプレート
部と、を備えると共に、前記揺動体がシリコンで形成さ
れ、このシリコンの<1,1,0>方位が前記プレート
部の面に対して平行な方向で、かつ、前記弾性体を含む
前記プレート部の前記揺動体の支持軸方向に直交にする
方向となるように構成されて静電気力により前記揺動体
を回転駆動することを特徴としている。
【0019】以上のような構成を備える本発明によれ
ば、揺動体および電極に所定の電圧を印加することによ
り反射面を微妙に変化させることができるので、反射光
の光軸を高精度に位置決めさせることが可能となり、ま
た、軽量なガルバノミラーを実現できると共に、高速シ
ークが可能な光ディスク装置が実現できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて添付図面を参照しながら詳細に説明する。まず、
図1ないし図4を参照して、本発明の第1実施形態に係
るガルバノミラー装置10の具体的な構成について説明
する。図1は第1実施形態に係るガルバノミラー装置に
おけるシリコン結晶方位の関係を示す斜視図、図2はガ
ルバノミラー装置の揺動体が駆動力により変形している
状態を示す斜視図、図3は第2のプレートの表面を示す
斜視図、図4はガルバノミラー装置の全体構成を示す斜
視図ある。
【0021】ガルバノミラー装置10は、図1に示され
るように、第1のプレート3、第2のプレート4の2つ
のプレートが積層された構造のプレート部5を備えてい
る。第1のプレート3は、前記弾性体2を支持する固定
部7と、ミラー面が形成されている楕円状の揺動体1
と、2枚の弾性体2aおよび2bと、揺動体1を保護す
るためにミラー面を囲むように形成された4つのガード
部8a,8b,8c,8dと、を備えている。固定部7
は、第1のプレート3の外周部分に対応して形成された
ものであり、第2のプレート4に接合されることにより
第1のプレート3の全体を固定保持している。
【0022】楕円状に形成された揺動体1は、その全表
面に、後述する半導体レーザ等からのレーザ光を反射す
るべく鏡面加工によりミラー面に仕上げられている。な
お、ミラー面は鏡面加工により形成するとともに、揺動
体1の表面に金属薄膜や誘電体多層膜等を蒸着した反射
膜により構成することもできる。
【0023】弾性部2a,2bは、その一端が揺動体1
に、他端が固定部7にそれぞれ接続されることにより、
揺動体1と固定部7とを連結すると共に、揺動体1を吊
設支持している。なお、図3に示されるように、第2の
プレート4には、1ミクロンから20ミクロン程度の段
差9が形成されており、この段差9の長さ分の空隙部1
1が第1プレート3と第2のプレート4との間に形成さ
れている。また、揺動体1は、ガード部8a,8b,8
c,8dによって保護されている。
【0024】ここで、揺動体1を形成するシリコンは、
その結晶方位において、図1に示されるように、<1,
1,1>方位が第2のプレート4の平面12に平行で、
弾性体2a,2bによる支持軸15の方向と直交するよ
うに構成されている。また、揺動体1の質量重心は、2
枚の弾性部2a,2bを結ぶ線上の丁度中間付近となる
ように構成されている。
【0025】なお、第1のプレート3を構成する固定部
7、揺動体1、2枚の弾性体2a,2b、ガード部8
a,8b,8cおよび8dは、異方性を有するドライエ
ッチングにより一体的に形成されている。
【0026】一方、第2プレート4は、例えばガラス板
等の電気的絶縁材料により形成されるか、あるいは表面
に電気的絶縁材料(または酸化膜)がコーティングされ
たシリコンにより形成されており、第1のプレート3の
固定部7に対して静電接合や水ガラスを介した接合手法
により接合されている。また、図3に示すように、第2
プレート4上の揺動体1と対向する部位には、揺動体1
よりも大きく、揺動体1のほぼ全周にわたってはみ出し
ている電極6aおよび6bが形成されている。また、電
極6a,6bはそれぞれ、端子13a,13bにより電
気的に接続されている。そして、外部より端子13a,
13bに電圧を印加することにより、電極6a,6bに
電圧を印加することができるようになっている。
【0027】一方、固定部7上には、端子14a,14
bが形成されており、この端子14a,14bはグラン
ドに接続される。これにより揺動体1の電位は常にグラ
ンドと同じレベルになる。このように構成されている第
1実施形態に係るガルバノミラー装置10は、後述する
光学ヘッドの一部に設けられた端子とガルバノミラー装
置10に設けられた端子13a,13bとが半田などの
手段により電気的に接続されることにより電気的な駆動
が可能となるよう構成される。
【0028】上記構成において、揺動体1を+極(また
は−極)に帯電させ、また、電極13a,14bを−極
(または+極)に帯電させるか、もしくは電極13b,
14aを−極(+極)に帯電させるかすると、揺動体1
は2枚の弾性体2a,2bの捻れ変形を伴いながら、図
4の矢印A(または矢印B)方向に回転(揺動)される
ことになる。
【0029】次に、上記構成を有する第1実施形態に係
るガルバノミラーの具体的な駆動方法を説明する。ま
ず、端子13aと14a、さらに端子13bと14bの
間に電圧を印加し、印加する電圧を変化させると、揺動
体1と電極6a,6bがクーロン力により引き合う力の
バランスが崩れるので、揺動体1には回転トルクが作用
し、2枚の弾性部2a,2bがねじれ変形し、揺動体1
は図4中のAまたはB方向に回転する。
【0030】図4中の矢印Aまたは矢印B方向の回転に
より、光ディスクのトラッキング制御がなされるが、前
述のように、揺動体1は電極6a,6bのクーロン力に
より吸引されて駆動されるので、図2のように揺動体1
の形状が変化すると、高速で揺動体1を駆動することが
不可能になり、結果として、回転により高速で運動する
光ディスクのトラックにビームスポットを追従すること
ができない。
【0031】ところで、シリコンは共有結合体であるの
で、金属材料とは異なり、結晶方位により材料の剛性が
変化することは一般によく知られており、等価的なヤン
グ率が最も高い結晶方位は、シリコンの場合、<1,
1,1>方位であることも一般に知られている。これ
は、例えば、J.J.Wortman らにより、Young′s Modulu
s,Shear Modulus,and Poisson′s Ratio in Silicon an
dGermanium Journal of Applied Physics Volume 36,Nu
mber 1 January 1965に報告されている。
【0032】特に、本発明においては、揺動体1を形成
するシリコンの結晶方位において、<1,1,1>方位
が第2のプレート4の平面12に平行で、弾性体2a,
2bの支持軸15の方向に直交する方向に形成されてい
るので、揺動体1を図2に示す方向に変形させる力に対
しても、最も剛性が高くなり、高速で揺動体1を駆動す
ることが可能になる。
【0033】また、揺動体1を形成するシリコンの結晶
方位において、(1,1,2)面を面12と平行にし、
かつ<1,1,1>方位を弾性部2a,2bの延直方向
に垂直に形成すると、揺動体1を図2に示す方向に変形
させる力に対して、最も剛性が高くなるだけでなく、シ
リコンの結晶方位の対称性と、ガルバノミラーの形状の
対称性が一致するので、弾性部2a,2bのねじり剛性
が図4における矢印A方向のどちら側にも対称になり、
電極6a,6bに加える印加電圧に対して、揺動体1の
偏角がより線形になる。
【0034】このような構成のガルバノミラー装置10
によれば、揺動体27の剛性が高いので、例えば高速で
運動する光ディスクのトラックに対して、より高い精度
でビームスポットを追従させることができる。このよう
な構成のガルバノミラー10によれば、シリコン等の半
導体の材料によって全体が構成されているので、ヨー
ク、磁石、コイルなど質量の大きい要素を具備していな
い。したがって、従来に比べて大幅な軽量化を図ること
が可能となる。そのため、例えば光ディスク装置の光学
ヘッド等にこのガルバノミラー装置10を搭載し多場合
には、光学ヘッドを軽量・小型にすることができ、ま
た、光学ヘッドの高速シークが可能となる。次に、本発
明の第2実施形態に係るガルバノミラー装置について説
明する。なお、以下に説明する各実施形態においては、
前述の第1実施形態と同一構成要素には同一符号を付し
て重複する説明を省略する。図5は図1と同じく、第2
実施形態に係るガルバノミラー装置を構成する揺動体1
Bとシリコン結晶方位の関係を示す斜視図である。
【0035】本第2実施形態が第1実施形態と異なる点
は、シリコン結晶方位にある。すなわち、図5に示すよ
うに、第2実施形態のガルバノミラー装置10Aにおい
ては揺動体1Bを形成するシリコンは、その結晶方位に
おける<1,1,0>方位が弾性体2a,2bの支持軸
15の方向と直交する方向に構成されている。
【0036】ガルバノミラー装置10Aの第1のプレー
ト3、第2のプレート4はシリコンウェハをダイシング
することにより得られるが、半導体用途として一般に用
いられるウェハは(1,0,0)面をウェハ面とするウ
ェハであり、第1の実施形態に示した(1,1,2)面
をウェハ面とするウェハは、流通量が少なく高価であ
る。そこで、この(1,0,0)ウェハを用いることに
より、ガルバノミラー装置10Aを構成すると、材料コ
ストを低減させることができる。
【0037】図5のように、(1,0,0)ウェハを用
いる際に、<1,1,0>方位が弾性体2a,2bの支
持軸方向と直角になるように構成されたガルバノミラー
装置においては、揺動体1Bを図5に示す矢印Aおよび
矢印Bの方向に変形させる力に対して、剛性が高いだけ
でなく、シリコンの結晶方位の対称性と、ガルバノミラ
ーの形状の対称性が一致するので、弾性体2a,2bの
ねじり剛性が図5中A方向のどちら側にも対称になり、
電極6a,6bに加える入力電圧に対して、揺動体1B
の偏角がより線形になる。
【0038】次に、上記第1および第2実施形態に係る
ガルバノミラー装置を用いた光ディスク装置について説
明する。まず、図6から図9を用いて本発明のガルバノ
ミラーを搭載した光ディスク装置について説明する。こ
こで、図6は光ディスク装置の内部構造を示す断面図、
図7は光学ヘッドを含む駆動系の平面図、図8は光学ヘ
ッドの断面図、図9は光学ユニットの断面図である。
【0039】図6において、ガルバノミラー装置10を
用いた光ディスク装置20は、情報の記録再生に供され
る光ディスクや光磁気ディスク等のディスク21と、ベ
ース(図示されず)に固定されたスピンドルモータ22
と、を備えている。ディスク21は、スピンドルモータ
22に対してマグネットチャック等のチャッキング手段
により保持されており、記録再生時にはこのスピンドル
モータ22によって安定に回転駆動される。
【0040】ディスク21に照射するためのレーザ光を
生成する半導体レーザ23は、図9に詳細に示すよう
に、フォトディテクタ24およびHOE(Holographic
Optical Element )素子25と共に光学ユニット26を
構成しており、この光学ユニット26は光学ヘッド27
に固定されている。なお、光学ユニット26には放熱性
を高める目的で複数の凹凸が形成されている。
【0041】半導体レーザ23より発せられたレーザ光
は、ガラス面に形成されたHOE素子25を通過し、コ
リメートレンズ28により平行光束29とされる。ガル
バノミラー装置10は、この平行光束29と対物レンズ
30の光軸がなす角をθとすると、平行光束29、対物
レンズ30の光軸と共に角度θ/2で交わる平面31に
固定される。
【0042】平行光束29は、上述したガルバノミラー
装置10によって角度θだけ向きを変え、絞り32によ
り対物レンズ30の有効領域に入射されるよう平行光束
33となり、対物レンズ30よりディスク21の記録ト
ラック上に集光され、焦点を形成する。
【0043】また、ディスク21からの反射光は、対物
レンズ30に戻り、絞り32を通過し、ガルバノミラー
装置10、コリメートレンズ28を経由し、HOE素子
25で向きを変えてフォトディテクタ24に戻される。
フォトディテクタ24に取り込まれた反射光から、記録
情報信号、フォーカスエラー信号、トラックエラー信号
等が生成される。そして、フォーカスエラー信号を用い
ることにより対物レンズ30のフォーカス方向の位置ズ
レが検出され、この位置ズレを補正するようにフォーカ
スコイル34に電流を流す制御動作を行なう。
【0044】また、図7に示すように、トラックエラー
信号を用いることにより対物レンズ30のトラック方向
の位置ズレが検出され、この位置ズレを補正するように
リニアモータコイル35とガルバノミラー装置10に電
圧を加えて制御動作を行なうようにしている。このよう
にしてディスク21の記録トラック上に情報が記録さ
れ、またディスク21の記録トラック上から情報が読み
取られる。
【0045】対物レンズ30は、図8に示すように、プ
ラスチックマグネットで形成された対物レンズホルダ3
6に保持されている。また平行板バネ37の一端が対物
レンズホルダ36に固定され、平行板バネ37の他端は
光学ヘッド27に固定されることにより、対物レンズ3
0はその光軸方向に移動可能に支持されている。プラス
チックマグネットからなる対物レンズホルダ36と、光
学ヘッド27に巻装固定されたフォーカスコイル34に
流れる電流との間に電磁力が作用して、対物レンズ30
にフォーカス駆動力を発生させる。
【0046】リニアモータコイル35は筒状に形成され
ており、光学ヘッド27の両側面に各1個が固定されて
いる。光学ヘッド27のリニアモータコイル35を挟ん
で両側には、計3個の滑り軸受38が形成されており、
ディスク21の径方向に延設された2本のガイドシャフ
ト39とそれぞれ係合している。これにより光学ヘッド
27はディスク21の半径方向に移動できるように支持
されている。
【0047】ガイドシャフト39は磁性体で形成されて
おり、磁気回路のヨークとしての役割も果たしている。
そして、ガイドシャフト39の両側にはコ字形のバック
ヨーク41が固定されている。また磁気ギャップを挟ん
でリニアモータコイル35と対向する位置にはラジアル
磁石42が配置され、バックヨーク41に固定されてい
る。これらガイドシャフト39、バックヨーク41、ラ
ジアル磁石42がラジアル磁気回路40を形成してお
り、リニアモータコイル35に磁界を作用させ、リニア
モータコイル35に流れる電流との電磁作用により、光
学ヘッド27にディスク21の半径方向への駆動力を発
生させている。
【0048】上記構成を備える第3実施形態に係る光デ
ィスク装置によれば、光源からの光軸を対物レンズ方向
に反射させるガルバノミラー装置により光源からの光軸
を高精度に微調整して対物レンズ方向に出射させること
ができ、高速シークが可能な光ディスク装置を実現でき
る。なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変
形変更が可能なことは言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
精度に光軸の位置決め動作が可能となると共に半導体材
料により軽量なガルバノミラー装置を提供することがで
き、さらにこれを用いて光ディスクの情報記録トラック
上に光スポットを形成する際の高速シークが可能な光デ
ィスク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るガルバノミラー装
置におけるミラーとシリコン結晶方位との関係を示す斜
視図。
【図2】第1実施形態に係るガルバノミラー装置の揺動
体が駆動力により変形している状態を示す斜視図。
【図3】第1実施形態に係るガルバノミラー装置におけ
る第2のプレートの表面を示す斜視図。
【図4】第1実施形態に係るガルバノミラー装置の全体
を示す斜視図。
【図5】本発明の第2実施形態に係るガルバノミラー装
置におけるミラーとシリコン結晶方位との関係を示す斜
視図。
【図6】本発明の第3実施形態に係る光ディスク装置の
内部構造を示す断面図。
【図7】第3実施形態に係る光ディスク装置における光
学ヘッドを含む駆動系を示す平面図。
【図8】第3実施形態における光学ヘッドを示す断面
図。
【図9】第3実施形態における光学ユニットを示す断面
図。
【図10】従来のガルバノミラー装置を示す斜視図。
【図11】従来のガルバノミラー装置を用いた光ディス
ク装置の内部構造を示す断面図。
【符号の説明】
1 揺動体 2 弾性体(支持手段) 3 第1のプレート 4 第2プレート 5 プレート部 6a,6b 電極 10 ガルバノミラー 12,31 平面 13a,13b 端子 14a,14b 端子 15 支持軸 21 ディスク 23 半導体レーザ 26 光学ユニット 27 光学ヘッド 30 対物レンズ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反射ミラーを含む揺動体と、この揺動体を
    支持する弾性体と、前記揺動体に対向して設けられた電
    極部と、前記弾性体を支持すると共に前記電極部が設け
    られるプレート部と、を備えて静電気力により前記揺動
    体を回転駆動するガルバノミラー装置において、 前記揺動体がシリコンで形成され、このシリコンの<
    1,1,1>方位が前記プレート部の面に対して平行な
    方向で、かつ、前記弾性体を含む前記プレート部の前記
    揺動体の支持軸方向に直交にする方向であることを特徴
    とするガルバノミラー装置。
  2. 【請求項2】前記揺動体を形成しているシリコンの
    (1,1,2)面が、前記プレート部に対して平行であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のガルバノミラー装
    置。
  3. 【請求項3】前記揺動体を形成しているシリコンの
    (1,1,0)面が、前記プレート部に対して平行であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のガルバノミラー装
    置。
  4. 【請求項4】反射ミラーを含む揺動体と、この揺動体を
    支持する弾性体と、前記揺動体に対向して設けられた電
    極部と、前記弾性体を支持すると共に前記電極部が設け
    られるプレート部と、を備えて静電気力により前記揺動
    体を回転駆動するガルバノミラー装置において、 前記揺動体がシリコンで形成され、このシリコンの<
    1,1,0>方位が前記プレート部の面に対して平行な
    方向で、かつ、前記弾性体を含む前記プレート部の前記
    揺動体の支持軸方向に直交にする方向であることを特徴
    とするガルバノミラー装置。
  5. 【請求項5】前記揺動体を形成しているシリコンの
    (1,0,0)面が、前記プレート部に対して平行であ
    ることを特徴とする請求項4記載のガルバノミラー装
    置。
  6. 【請求項6】レーザ光を出射する光源と、この光源から
    出射されるレーザ光の光軸を所定方向に変更するガルバ
    ノミラー装置と、光軸方向を変更されたレーザ光を収束
    させて回転駆動されるディスク上にスポットを形成する
    対物レンズと、を備える光ディスク装置において、 前記ガルバノミラー装置は、反射ミラーを含む揺動体
    と、この揺動体を支持する弾性体と、前記揺動体に対向
    して設けられた電極部と、前記弾性体を支持すると共に
    前記電極部が設けられるプレート部と、を備え、前記揺
    動体がシリコンで形成され、このシリコンの<1,1,
    1>方位が前記プレート部の面に対して平行な方向で、
    かつ、前記弾性体を含む前記プレート部の前記揺動体の
    支持軸方向に直交にする方向となるように構成されて静
    電気力により前記揺動体を回転駆動することを特徴とす
    る光ディスク装置。
  7. 【請求項7】レーザ光を出射する光源と、この光源から
    出射されるレーザ光の光軸を所定方向に変更するガルバ
    ノミラー装置と、光軸方向を変更されたレーザ光を収束
    させて回転駆動されるディスク上にスポットを形成する
    対物レンズと、を備える光ディスク装置において、 前記ガルバノミラー装置は、反射ミラーを含む揺動体
    と、この揺動体を支持する弾性体と、前記揺動体に対向
    して設けられた電極部と、前記弾性体を支持すると共に
    前記電極部が設けられるプレート部と、を備え、前記揺
    動体がシリコンで形成され、このシリコンの<1,1,
    0>方位が前記プレート部の面に対して平行な方向で、
    かつ、前記弾性体を含む前記プレート部の前記揺動体の
    支持軸方向に直交にする方向となるように構成されて静
    電気力により前記揺動体を回転駆動することを特徴とす
    る光ディスク装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6459523B2 (en) 2000-03-03 2002-10-01 Fujitsu Limited Galvano-micromirror and its manufacture process

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6459523B2 (en) 2000-03-03 2002-10-01 Fujitsu Limited Galvano-micromirror and its manufacture process
US6650459B2 (en) 2000-03-03 2003-11-18 Fujitsu Limited Galvano-micromirror and its manufacture process

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