JP3558312B2 - ガルバノミラーおよびこれを用いた光ディスク装置 - Google Patents

ガルバノミラーおよびこれを用いた光ディスク装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を所定の方向に反射するためのガルバノミラー、およびこのガルバノミラーを搭載した、対物レンズへの入射光の向きを変化させながら光ディスクへの情報の記録再生を行う光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のとおり、コンパクトディスク(CD)やレーザディスク(LD)に代表されるように、レーザ光を用いて情報の再生を行う光ディスク装置が広く普及している。また最近では、光ディスク装置はコンピュータの記憶装置として利用されるようになっている。
【0003】
また、併せてデータの高速記録再生が可能となるように、光学系を搭載する光学ヘッドの高速移動が要求されるようになった。
このような光学ヘッドの高速移動の要求に対し、光学ヘッドの質量をできるだけ小さくして素早いシークを実現する方式が提案されている。このような方式として、半導体レーザ(光源)やフォトディテクタ(検出器)などを光学ヘッドに搭載せず、光ディスクに焦点を形成する対物レンズのみを光学ヘッドに搭載して移動させる分離光学方式が採用されている。
【0004】
以下、分離光学方式の一例を図10を参照して説明する。
半導体レーザ111 やフォトディテクタ112 などの固定光学系113 は、図示しないベースなどに固定されている。半導体レーザ111 から照射されたレーザ光L は、同じく固定配置されたガルバノミラー114 を介して光学ヘッド115 内に搭載された対物レンズ116 に与えられている。対物レンズ116 は光ディスクD 上のピットに焦点を形成し、その反射光を再び逆の経路でフォトディテクタ112 に導く。光学ヘッド115 は図示しない駆動手段によってトラッキング方向Xおよびフォーカシング方向Yにそれぞれ駆動される。
【0005】
このような方式によれば、光学ヘッド115 をトラッキング方向Xへ駆動する際に発生する微小な光路の傾き(対物レンズ116 へのレーザ光の入射角度の変化)を、固定配置されたガルバノミラー114 の揺動角度の制御によって補正することができる。そのため対物レンズ116 自体を傾ける手段などを光学ヘッド115 に搭載する必要がなくなり、光学ヘッド115 全体の質量を低減することができ、素早いシークを実現している。
【0006】
このようにして利用される従来のガルバノミラー114 は、具体的には図11乃至図13に示す構造となっている。ここで、図11はガルバノミラー114 の平面図、図12は図11中のA−A線断面図、図13は図11中のB−B線断面図である。
【0007】
ガルバノミラー114 は、レーザ光を反射するための反射ミラー117 と、この反射ミラー117 を固定した揺動体118 と、この揺動体118 を固定部119 に対して支持する2枚の支持体120a,120b とを備えている。固定部119 は、ヨーク121 と磁石122 とから構成されており、揺動体118 の側面に固定されたコイル123 に対して磁界を作用させることにより、反射ミラー117 を支持体120a,120b の軸回りに揺動させることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガルバノミラー114 の反射ミラー117 表面は、温度変化や経年変化によって徐々に傾いてしまう危険性がある。このような傾きが発生すると、ガルバノミラー114 からの反射光を正確に対物レンズ116 へ導くことが困難となってしまうため、トラッキングオフセットの要因となり、正確なトラッキング動作を阻害してしまう危険性がある。また、この傾きの影響は、ガルバノミラー114 から対物レンズ116 までの距離に応じて変化するため、ガルバノミラー114 の揺動角度の補正を光学ヘッド115 の現在位置によってさらに補正するといった複雑な制御が必要となってしまう。
【0009】
したがって、ガルバノミラー114 のみ光学ヘッド115 に搭載し、ガルバノミラー114 と対物レンズ116 との距離を一定に保った状態の固定光学方式が望まれている。
【0010】
ところが、上述のとおり、従来のガルバノミラー114 はヨーク121 ,磁石122 ,コイル123 などを備えているため質量が大きく、光学ヘッド115 に搭載すると光学ヘッド115 の高速シークが阻害されてしまい実質的には不可能であった。
そこで本発明は、軽量・小形な構成のガルバノミラー、および高速シークが可能な光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明では、反射ミラーを備えた揺動体と、一端が前記揺動体に接続され、前記揺動体を揺動可能に吊設支持する一対の支持部材と、前記支持部材の他端が接続される第1のプレートと、前記第1のプレートに接合され前記揺動体と対向配置される第2のプレートと、前記揺動体を静電気力で駆動するため前記第2のプレートに配置される電極とを有するガルバノミラーにおいて、前記電極は、前記一対の支持部材を結ぶ軸に対して対称な位置に配置された第1および第2の電極を備え、これら第1および第2の電極にほぼ同一の初期電位を与えることにより前記揺動体が前記軸回りにバランスするように吸引力を発生させた状態で、前記第1および第2の電極のうち一方の電位を前記初期電位より大きくし、他方の電位を前記初期電位よりも小さくすることにより前記揺動体が前記軸回りに揺動するように吸引力を変化させることを特徴とするガルバノミラーとした。
【0012】
また、レーザ光を発生する光源と、前記光源からのレーザ光を反射するガルバノミラーと、前記ガルバノミラーにより反射したレーザ光を受け、光ディスクに焦点を形成する対物レンズと、前記ガルバノミラーおよび前記対物レンズを搭載するキャリッジと、前記キャリッジを前記光ディスクの径方向に駆動する駆動手段と、前記レーザ光の前記光ディスクからの反射光を処理して前記駆動手段への駆動信号および前記光ディスクからの再生信号を生成する信号処理手段とを有する光ディスク装置において、前記ガルバノミラーは、反射ミラーを備えた揺動体と、一端が前記揺動体に接続され、前記揺動体を揺動可能に吊設支持する一対の支持部材と、前記支持部材の他端が接続される第1のプレートと、前記第1のプレートに接合され前記揺動体と対向配置される第2のプレートと、前記揺動体を静電気力で駆動するため前記第2のプレートに配置される電極とを有し、前記電極は、前記一対の支持部材を結ぶ軸に対して対称な位置に配置された第1および第2の電極を備え、これら第1および第2の電極にほぼ同一の初期電位を与えることにより前記揺動体が前記軸回りにバランスするように吸引力を発生させた状態で、前記第1および第2の電極のうち一方の電位を前記初期電位より大きくし、他方の電位を前記初期電位よりも小さくすることにより前記揺動体が前記軸回りに揺動するように吸引力を変化させることを特徴とする光ディスク装置とした。

【0015】
以上のような本発明によれば、ヨーク,磁石,コイルなど質量の大きい要素を含むことなく、軽量・小形な構成のガルバノミラー、および高速シークが可能な光ディスク装置が実現する。
【0016】
また本発明では、前記揺動体に対して所定の電位差を持つように独立して電位制御されているため、反射ミラー面と直交する方向の静的な変位に加えて、動的な回転変位が発生する。この場合、反射ミラー面と直交する方向の動的な変位は励起されていない。そのため、信号の記録動作や再生動作を行っている間は高精度のトラッキング動作を維持することが可能となり、良好な記録再生特性を得ることができるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
まず、図1から図4を用いて本発明のガルバノミラーを搭載した光ディスク装置について説明する。ここで、図1は光ディスク装置の内部構造を示す断面図、図2は光学ヘッドを含む駆動系の平面図、図3は光学ヘッドの断面図、図4は光学ユニットの断面図である。
【0018】
情報の記録再生に供されるディスク1 (光ディスク,光磁気ディスクなど)は、図示しないベースに固定されたスピンドルモータ2 に対してマグネットチャック等のチャッキング手段により保持されており、記録再生時にはこのスピンドルモータ2 によって安定に回転駆動される。
【0019】
ディスク1 に照射するためのレーザ光を生成する半導体レーザ3 は、フォトディテクタ4 とHOE(Hologramic Optical Element) 素子5 などと共に光学ユニット6 を構成しており、この光学ユニット6 は光学ヘッド7 の下部に固定されている。なお、光学ユニット6 の下部には放熱性を高める目的で複数の凹凸が形成されている。
【0020】
半導体レーザ3 より発せられたレーザ光は、ガラス面に形成されたHOE 素子5 を通過し、HOE 素子5 の反対面に固定されたプリズム8 で90゜向きを変え、ガルバノミラー9 (詳細は後述する)で再び90゜向きを変え、光学ヘッド7 の上部に配置された対物レンズ10に導かれる。そして、この対物レンズ10よりディスク1 の記録トラック上にレーザ光を集光させ焦点を形成する。
【0021】
またディスク1 からの反射光は、対物レンズ10に戻り、ガルバノミラー9 ,プリズム8 を経由し、HOE 素子5 で向きを変えてフォトディテクタ4 に戻される。フォトディテクタ4 に取り込まれた反射光から、記録情報信号,フォーカスオフセット信号,トラックオフセット信号等が生成される。そして、フォーカスオフセット信号を用いることにより対物レンズ10のフォーカス方向の位置ズレが検出され、この位置ズレを補正するようにフォーカスコイル11に電流を流す制御動作を行う。また、トラックオフセット信号を用いることにより対物レンズ10のトラック方向の位置ズレが検出され、この位置ズレを補正するようにリニアモータコイル12とガルバノミラー9 に電圧を加えて制御動作を行う。
【0022】
対物レンズ10は、プラスチックマグネットで形成された対物レンズホルダ13に保持されている。また平行板バネ14の一端が対物レンズホルダ13に固定され、平行板バネ14の他端は光学ヘッド7 に固定されることにより、対物レンズ10はその光軸方向に移動可能に支持されている。プラスチックマグネットからなる対物レンズホルダ13と、光学ヘッド7 に巻装固定されたフォーカスコイル11に流れる電流との間に電磁作用が作用し、対物レンズ10にフォーカス駆動力を発生させる。
【0023】
リニアモータコイル12は筒状に形成されており、光学ヘッド7 の両側面に各1個が固定されている。光学ヘッド7 のリニアモータコイル12を挟んで両側には、計4個の滑り軸受15が形成されており、ディスク1 の径方向に延設された2本のガイドシャフト16とそれぞれ係合している。これにより光学ヘッド7 はディスク1 の半径方向に移動できるように支持されている。
【0024】
ガイドシャフト16は磁性体で形成されており、磁気回路のヨークとしての役割も果たしている。そして、ガイドシャフト16の両端にはコ字形のバックヨーク17が固定されている。また磁気ギャップを挟んでリニアモータコイル12と対向する位置にはラジアル磁石18が配置され、バックヨーク17に固定されている。これらガイドシャフト16,バックヨーク17,ラジアル磁石18がラジアル磁気回路19を形成しており、リニアモータコイル12に磁界を作用させ、リニアモータコイル12に流れる電流との電磁作用により、光学ヘッド7 にディスク1 の半径方向への駆動力を発生させている。
【0025】
図5は、前述のトラックオフセット信号の処理手順を示すブロック図である。まず、トラックオフセット信号は第1のフィルタ41および第2のフィルタ42にそれぞれ入力される。ここで第1のフィルタ41は一種のローパスフィルタが採用されている。したがって、第1のフィルタ41を通過する信号は低周波数領域の信号となり、リニアモータドライバ43およびリニアモータコイル12のための信号として利用される。また、第2のフィルタ42を通過する信号は高周波数領域の信号となり、ガルバノミラーユニットドライバ44およびガルバノミラー9 のための信号として利用される。このように処理された信号は、リニアモータコイル12を付勢して光学ヘッド7 の駆動信号として、またガルバノミラー9 の揺動角度の制御信号として、それぞれ利用される。このようにしてディスク1 の記録トラック上に情報が記録され、またディスク1 の記録トラック上から情報が読み取られる。
【0026】
続いて図6乃至図8を参照してガルバノミラー9 の具体的な構造を説明する。図6はガルバノミラーの第1実施例を示す分解斜視図、図7はその断面図、図8は第2のプレートの平面図である。
【0027】
ガルバノミラー9 は図5に示されるように、第1のプレート21と第2のプレート22が積層された構造をなしている。
第1のプレート21は、ロ字形をなす中空構造を有している。この中空部には、半導体レーザ3 からのレーザ光を反射するための反射ミラー24と、この反射ミラー24を表面に形成してなる揺動体25と、この揺動体25を第1のプレート21に接続する2枚の弾性体(支持部材)26とが配置されている。
【0028】
ここで、反射ミラー24と揺動体25を合計した可動部分の質量の重心は、ちょうど2枚の弾性体26を結ぶ線上の中間付近となるように構成されている。
そして、これら反射ミラー24,揺動体25,弾性体26は、シリコンを主体とする半導体の異方性エッチングにより一体的に形成されており、反射ミラー24の部分は半導体の鏡面加工により揺動体25上に直接的に製作されている。
【0029】
なお、反射ミラー24は、揺動体25に対して2〜3μm 突出して形成されている。また、弾性体26は、揺動体25と第1のプレート21とを電気的に絶縁する材料で形成されている。
【0030】
第2のプレート22は、第1のプレート21に対して拡散接合、あるいは陽極酸化接合等の手段によって接合されている。第2のプレート22はガラス系の部材で形成されており、第1のプレート21に対して電気的に絶縁されている。
【0031】
また、第1のプレート21および揺動体25と第2のプレート22とは、熱膨張係数のほぼ同じ材料で形成されており、これによって温度変化が揺動体25に与える熱歪みの影響を極力防止できるようにしてある。すなわち第2のプレート22としては、第1のプレート21とほぼ同じ熱膨張係数を持ったガラス系の部材が選択される。
【0032】
一方、第2のプレート22の揺動体25と対向する部位には、2枚の弾性体26を結ぶ線(第1のプレート21の中心線)に対して対称な関係に、計2枚の電極28,29 が設けられている。これらの電極28,29 は第2のプレート22に対して蒸着やスパッタなどの手段により形成されている。なお、電極28,29 は透明電極で構成されていてもよい。
【0033】
続いて、図9を参照して本発明のガルバノミラー9 の駆動方法について説明する。なお、以下の説明においては電極28を「第1の電極」、電極29を「第2の電極」と記載する。
【0034】
まず、半導体で形成された揺動体25を例えば+に帯電させ、第1の電極28および第2の電極29を−でかつ同じ初期電位V0 に帯電させる。この場合、第1の電極28で発生する吸引力と第2の電極29で発生する吸引力とがバランスするため、揺動体25には揺動軸回りの回転トルクは発生しない。
【0035】
ここで、揺動体25に回転トルクを作用させる場合には、第1の電極28の電位をV0 よりdVだけ大きくし、第2の電極29の電位は逆にV0 よりdVだけ小さくする。すると、第1の電極28で発生する吸引力と第2の電極29で発生する吸引力とのバランスが崩れ、揺動体25と第1の電極28が近接する方向に2枚の弾性体26がねじれ変形することにより揺動体25が回転する。
【0036】
また、揺動体25をこの方向と逆向きの方向に回転させる場合は、今度は第1の電極28の電位をV0 よりdVだけ小さくし、第2の電極29の電位をV0 よりdVだけ大きくすればよい。ここで、dVとしては揺動体25を回転させるのに必要な回転トルクに比例した値を設定する。
【0037】
もしもdVがV0より大きくなった場合(すなわちdV=2V0となった場合)には、電位の小さくなった方の電極の電位を図9に示すように0に設定し、逆向きの電位を与えることはしない。逆向きの電位を与えてしまうと揺動体25と電極28または電極29とが同じ極性になってしまうため、吸引力が発生しなくなってしまうからである。
【0038】
また、V0 の値としては、通常のトラッキング動作時(リニアモータコイル12による対物レンズ10のトラッキング方向位置決めを補助するためのガルバノミラーによる反射角制御時)に必要なdVの値より大きく設定しておくことが好ましい。このように設定しておくことにより、トラッキング動作時には電位と偏差との間の線形性が保たれる。
【0039】
そしてこのように電極の制御方法を採用することにより、反射ミラー24面と直交する方向の静的な変位に加えて、動的な回転変位が発生する。一方、反射ミラー24面と直交する方向の動的な変位は励起されないものとなる。そのため、信号の記録動作や再生動作を行っている間は高精度のトラッキング動作を維持することが可能となり、良好な記録再生特性を得ることができるようになる。
【0040】
また、最大印加電圧を初期電位より大きく設定することにより、シーク動作終了時のトラック引き込み範囲を広げることができる。
なお、上述の例では、揺動体25を+に帯電させ、第1の電極28および第2の電極29を−に帯電させる場合を説明したが、例えば揺動体25を−に帯電させ、第1の電極28および第2の電極29を+に帯電させても同様の効果が得られる。さらに、揺動体25をグランドに接続して電位ゼロの状態に設定した場合には、電極28,29 は共に+に帯電させるか、あるいは共に−に帯電させても同様の効果が得られる。
【0041】
また、揺動体25と電極28,29 の間の静電容量を測定することにより、揺動体25と第2プレート22とのギャップ長を検出することができ、これによって揺動体25の回転(揺動)角度を正確に検出することができる。そして、その検出値を用いてトラッキングオフセットを電気的に補正するすることにより、ガルバノミラー特有の回転角度の制約をほとんどなくすことができ、安定かつ精度の高いトラッキング制御を行うことができる。
【0042】
また、静電容量の変化から測定された揺動体25と第2のプレート22とのギャップ長の変化を用いて、温度上昇や経時変化による反射ミラー24面の傾きを補正することもできる。
【0043】
このような構成を採用した本発明のガルバノミラー9 によれば、ヨーク,磁石,コイルなど質量の大きい要素を具備していないために従来よりも大幅に軽量化が図られている。そのため、光学ヘッド7 にガルバノミラー9 を搭載しても光学ヘッド7 は軽量・小形を維持することができ、光学ヘッド7 の高速シークが可能となる。
【0044】
また、静電力を利用して駆動力を発生する構成であるため、消費電力を少なくすることができ、光学ヘッド7 に搭載される光学ユニット6 や対物レンズ10などに与える熱的悪影響を極力回避することができる。
【0045】
また、揺動体25の回転軸上、すなわち2枚の弾性体26を結ぶ線上に揺動体25の重心が配置され、これら弾性体26のねじれ変形により回転(揺動)が実現しているため、外乱加速度が作用しても回転変形に影響を及ぼすことがない。
【0046】
さらに、対物レンズ10を駆動するために用いられているコイルや磁石といった電磁駆動要素に対して、電磁力を全く必要としない静電駆動要素からなるガルバノミラーを用いている。すなわち、電磁力と静電力とを用いることにより、互いの駆動力が干渉し合うなどといった不具合をほぼ完全に防止することができる。そのため、ガルバノミラー9 を光学ヘッド7 へ搭載することによる悪影響が排除できるとともに、ガルバノミラー9 と対物レンズ10とを極めて近接した位置(例えば図1に示すように対物レンズの真下など)に配置することも容易となり、装置設計の自由度が大幅に改善される。そして、ガルバノミラーを揺動し傾けることによる光軸中心の対物レンズ位置での移動を抑制することが可能となり、結果としてトラッキングおよびフォーカス制御信号に発生するオフセットを小さくすることができ、スポット位置をより高精度に定めることが可能となる。
【0047】
また、従来はガルバノミラーと揺動体との接合、およびコイルと揺動体との接合が接着剤などで行われていたが、本発明では接着剤などの介在物が一切用いられていない。そのため、コイルや磁石などで発生するトルクが接着層を介して伝達されることがなく、振周波数を極めて高く設定することが可能となる。つまり、接着部分の剛性不足によってガルバノミラーの駆動周波数特性が劣化すること(例えば20kHz 付近に共振点を持ち、高域までサーボをかけることができなくなってしまうというような不都合)がないため、高周波帯域まで制御動作を行うことが極めて容易となり、精度の高い位置決め動作が可能になる。
【0048】
また、揺動体25の回転軸と弾性体26の長手方向とがほぼ一致しており、しかも揺動部25(可動部分)の質量の重心がちょうど2枚の弾性部26を結ぶ線上の中間付近となるように構成されている。そのため、装置に外乱加速度が作用したとしても、揺動体25の回転動作に影響を及ぼすことがない。
【0049】
なお、上述した実施例においては、第2のプレート22はガラス板等の電気的絶縁材料で形成されているが、例えばシリコンを主体とする半導体の表面に酸化膜による絶縁層を設けたものを用いてもよい。このような構成であっても同様な効果が得られる。
なお、本発明は上述した各実施例および変形例に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、軽量・小形な構成のガルバノミラー、および高速シークが可能な光ディスク装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスク装置の内部構造を示す断面図。
【図2】光学ヘッドを含む駆動系の平面図。
【図3】光学ヘッドを含む駆動系の平面図。
【図4】光学ユニットの断面図。
【図5】トラックオフセット信号の処理手順を示すブロック図。
【図6】本発明に係るガルバノミラーを示す分解斜視図。
【図7】ガルバノミラーの断面図。
【図8】第2のプレートの平面図。
【図9】ガルバノミラーの電極に与える電位と偏差との関係を示すグラフ。
【図10】従来の分離光学方式の一例を示す構成図。
【図11】従来のガルバノミラーを示す平面図。
【図12】図11中のA−A線断面図。
【図13】図11中のB−B線断面図。
【符号の説明】
1…ディスク
2…スピンドルモータ
3…半導体レーザ
4…フォトディテクタ
5…HOE素子
6…光学ユニット
7…光学ヘッド
8…プリズム
9…ガルバノミラー
10…対物レンズ
11…フォーカスコイル
12…リニアモータコイル
13…対物レンズホルダ
14…平行板バネ
15…滑り軸受
16…ガイドシャフト
17…バックヨーク
18…ラジアル磁石
19…ラジアル磁気回
21…第1のプレート
22…第2のプレート
24…反射ミラー
25…揺動体(支持部材)
26…弾性体
28,29 …電極
41…第1のフィルタ
42…第2のフィルタ
43…リニアモータドライバ
44…ガルバノミラーユニット

Claims (6)

  1. 反射ミラーを備えた揺動体と、
    一端が前記揺動体に接続され、前記揺動体を揺動可能に吊設支持する一対の支持部材と、
    前記支持部材の他端が接続される第1のプレートと、
    前記第1のプレートに接合され前記揺動体と対向配置される第2のプレートと、
    前記揺動体を静電気力で駆動するため前記第2のプレートに配置される電極と、
    を有するガルバノミラーにおいて、
    前記電極は、前記一対の支持部材を結ぶ軸に対して対称な位置に配置された第1および第2の電極を備え、これら第1および第2の電極にほぼ同一の初期電位を与えることにより前記揺動体が前記軸回りにバランスするように吸引力を発生させた状態で、前記第1および第2の電極のうち一方の電位を前記初期電位より大きくし、他方の電位を前記初期電位よりも小さくすることにより前記揺動体が前記軸回りに揺動するように吸引力を変化させることを特徴とするガルバノミラー。
  2. 前記揺動体と前記電極との間の静電容量を測定することにより、前記揺動体と前記第2のプレートとのギャップ長を検出することを特徴とする請求項1記載のガルバノミラー。
  3. 前記ギャップ長の変化を用いて、前記反射ミラーの傾きを補正することを特徴とする請求項2記載のガルバノミラー。
  4. レーザ光を発生する光源と、
    前記光源からのレーザ光を反射するガルバノミラーと、
    前記ガルバノミラーにより反射したレーザ光を受け、光ディスクに焦点を形成する対物レンズと、
    前記ガルバノミラーおよび前記対物レンズを搭載するキャリッジと、
    前記キャリッジを前記光ディスクの径方向に駆動する駆動手段と、
    前記レーザ光の前記光ディスクからの反射光を処理して前記駆動手段への駆動信号および前記光ディスクからの再生信号を生成する信号処理手段と、
    を有する光ディスク装置において、
    前記ガルバノミラーは、
    反射ミラーを備えた揺動体と、
    一端が前記揺動体に接続され、前記揺動体を揺動可能に吊設支持する一対の支持部材と、
    前記支持部材の他端が接続される第1のプレートと、
    前記第1のプレートに接合され前記揺動体と対向配置される第2のプレートと、
    前記揺動体を静電気力で駆動するため前記第2のプレートに配置される電極と、
    を有し、
    前記電極は、前記一対の支持部材を結ぶ軸に対して対称な位置に配置された第1および第2の電極を備え、これら第1および第2の電極にほぼ同一の初期電位を与えることにより前記揺動体が前記軸回りにバランスするように吸引力を発生させた状態で、前記第1および第2の電極のうち一方の電位を前記初期電位より大きくし、他方の電位を前記初期電位よりも小さくすることにより前記揺動体が前記軸回りに揺動するように吸引力を変化させることを特徴とする光ディスク装置。
  5. 前記揺動体と前記電極との間の静電容量を測定することにより、前記揺動体と前記第2のプレートとのギャップ長を検出することを特徴とする請求項4記載の光ディスク装置。
  6. 前記ギャップ長の変化を用いて、前記反射ミラーの傾きを補正することを特徴とする請求項5記載の光ディスク装置。
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