JP2856813B2 - 対物レンズ駆動装置 - Google Patents

対物レンズ駆動装置

Info

Publication number
JP2856813B2
JP2856813B2 JP2842590A JP2842590A JP2856813B2 JP 2856813 B2 JP2856813 B2 JP 2856813B2 JP 2842590 A JP2842590 A JP 2842590A JP 2842590 A JP2842590 A JP 2842590A JP 2856813 B2 JP2856813 B2 JP 2856813B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotating body
objective lens
coil
magnetic circuit
rotating drum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2842590A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0386934A (ja
Inventor
章裕 笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Publication of JPH0386934A publication Critical patent/JPH0386934A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2856813B2 publication Critical patent/JP2856813B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は対物レンズ駆動装置に関する。
(従来の技術) 光ディスクあるいは光磁気ディスクのような光学的情
報記録媒体に対し、光学的に情報を記録したり、あるい
は光学的情報記録媒体から情報を再生したりする光ディ
スク装置は、その記録容量が磁気ディスク装置などと比
べて格段に大きいことから、現在では情報記録再生装置
の主流として利用されている。
こういった光ディスク装置は、光源からの光ビームを
光ディスク面の所定位置に集束させるための対物レンズ
を備えており、光ディスクの厚さ方向(フォーカス方
向)および光ディスクの面方向(ラジアル方向,トラッ
ク方向)にこの対物レンズを移動させるための対物レン
ズ駆動装置を制御することによって情報の記録再生を行
っている。
つまり、対物レンズをフォーカス位置に維持すること
によって光ビームを光ディスク面に集束し、また、対物
レンズをトラック位置に維持することによって光ディス
ク上の所望のトラック(トラッキングガイド,トラッキ
ングガイド列)を光ビームで追跡する。対物レンズがフ
ォーカス位置やトラック位置に維持されている状態で光
ビームを強度変調することにより、情報を光ディスク面
上に記録し、また対物レンズを介して戻された光ディス
クからの反射光を検出して情報が再生される。
対物レンズ駆動装置装置の従来技術としては、例えば
特開昭61-123030号公報に記載されたものがある。この
対物レンズ駆動装置では、対物レンズをフォーカス方向
に駆動する駆動力を発生するフォーカス磁気回路および
対物レンズをラジアル方向に駆動する駆動力を発生する
ラジアル磁気回路が共に固定部に設けられている。この
ような対物レンズ駆動装置においては、対物レンズのラ
ジアル方向への移動に伴い、フォーカスコイルがフォー
カス磁気回路内をラジアル方向に移動できるようにする
必要がある。このため、フォーカス磁気回路は必然的
に、ラジアル方向に延びた形状に形成される。したがっ
て、光学ヘッド装置全体が大形化するばかりでなく、フ
ォーカス磁気回路で発生する磁束のうちフォーカスコイ
ルと鎖交して有効に使われる磁束の割合が少ないため、
結果的に対物レンズをフォーカス方向に移動させる際の
駆動力を大きくすることができない。このように、従来
の対物レンズ駆動装置では、フォーカス磁気回路をラジ
アル方向に延びた形状にしなければならないため、装置
全体が大形となり、またフォーカス磁気回路で発生する
磁束のうち有効に使われるものの割合が少なく、対物レ
ンズの光軸方向の駆動力を大きくできないという問題が
ある。
また従来の対物レンズ駆動装置においては、光ディス
クに記録された多くの情報の中から所望の情報に素早く
アクセスする要求から、駆動部の駆動力を大きくして対
物レンズを高速で位置決めすることが求められている。
一般に、大きな駆動力を得るためには、駆動部に設けら
れたコイルに流す電流を増やすことによって、発生する
ローレンツ力を大きくする方法が知られている。しかし
ながら、この方法によれば、大きな駆動電流が要求され
ることから、消費電力が大きくなってしまう。また、電
流の増加によりコイルから発生する熱が必然的に増え、
装置内の温度が上昇し、他の部品への熱的な影響も考慮
しなければならないという問題がある。
また、従来の対物レンズ駆動装置においては、光軸と
平行な軸回りに回転する回転体の最外周に、回転体に対
し対物レンズを光軸方向に移動可能に支持するフォーカ
スユニットが固定された構造が提案されている。一般
に、略円盤状の物体が自由空間に浮いた状態では、ほぼ
円弧状の振動モードを有し、最外周位置と最内周位置と
ではその振幅が最大になる。回転体を球軸受などで支持
した場合にあっても対物レンズ駆動装置のように小さい
装置にあっては、1kHz以上の周波数帯域で特定の振動モ
ードの振動が現れ、その振動振幅は、軸受のガタと比較
してほぼ同じか、または小さく、その振動モードは、実
質的に回転体が自由空間に浮いている状態の振動モード
と同じ振動モードになる。そのため、フォーカスユニッ
トが最外周部で固定された構造を有する装置にあって
は、回転体の特定モードの振動の影響がフォーカスユニ
ットに大きく現れ、高精度な制御動作を実現することが
できないという問題がある。この振動の影響を避けるた
めには、回転体の剛性を上げればよいが、そのような手
法には限界があり、高密度記録または再生用の対物レン
ズ駆動装置に要求されるサーボ帯域を得るまでには至っ
ていない。
さらに、従来の対物レンズ駆動装置においては、光学
系が固定される回転ドラムは、光学部品を精度良く取り
付けるために通常アルミダイカストで成形されている。
しかしながら、アルミダイカスト製の回転ドラム内部に
光学系が収納されたものにあっては、ラジアルコイルが
発生する熱で装置内のレーザーダイオードやフォトディ
テクタが加熱され、レーザダイオードの寿命を短くした
り、レーザダイオードから発生されるレーザのノイズレ
ベルが大きくなるという問題がある。
(発明が解決しようとする課題) 以上のように従来の対物レンズ駆動装置においては、
フォーカス磁気回路をラジアル方向に延びた形状にしな
ければならないため、装置全体が大形となり、またフォ
ーカス磁気回路で発生する磁束のうち有効に使われるも
のの割合が少なく、対物レンズの光軸方向の駆動力を大
きくできないという問題がある。
また、従来の対物レンズ駆動装置においては、駆動部
に設けられたコイルに流す電流を増やすことによって大
きな駆動力を得ていたが、そのために消費電力も大きく
なってしまう。また、電流の増加によりコイルから発生
する熱が必然的に増え、装置内の温度が上昇し、他の部
品への熱的な影響も考慮しなければならないという問題
がある。
また、従来の対物レンズ駆動装置においては、回転体
の特定モードの振動の影響がフォーカスユニットに大き
く現れ、高精度な制御動作を実現することができないと
いう問題がある。
また、従来の対物レンズ駆動装置においては、光学系
が収納された回転ドラムがアルミダイカストで成形され
ていたので、トラッキングコイルが発生する熱で装置内
のレーザーダイオードやフォトディテクタが加熱され、
レーザダイオードの寿命を短くしたり、レーザダイオー
ドから発生されるレーザのノイズレベルが大きくなると
いう問題がある。
本発明は、上記した種々の問題点を解決することので
きる対物レンズ駆動装置の提供を目的としたものであ
る。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するために本発明においては、回転
軸を有する回転体と、前記回転体の円周上に前記回転軸
を中心として対称配置される一対のコイルと、前記回転
体の周囲に前記コイルをそれぞれ挿通する状態に配置さ
れ、前記コイルに磁力を付与することによって前記回転
体に回転駆動力を与える第1の磁気回路と、前記回転体
の円周上の一部でかつ前記一対のコイルの間に、前記回
転軸と直交する方向に突出した状態に形成され、前記第
1の磁気回路と接触することにより前記回転体の所定角
度以上の回転を規制する突出部と、前記突出部上に配置
される対物レンズと、前記回転体上に配置され、前記突
出部上に配置された前記対物レンズにその光軸方向への
駆動力を与える第2の磁気回路とを有する対物レンズ駆
動装置とした (作用) 以上のような構成とすることにより、光ディスクへの
情報の記録・再生を素早く行うことができる、制御性に
優れた対物レンズ駆動装置が実現する。
(実施例) 以下、図面を参照して本発明の対物レンズ駆動装置を
詳細に説明する。
第1図は本発明に係る対物レンズ駆動装置を示す斜視
図、第2図は、対物レンズ駆動装置の分解斜視図、第3
図および第4図は、対物レンズ駆動装置の平面図、また
第5図は対物レンズ駆動装置の断面図である。
第1図および第2図に示すように、ここでは図示しな
い半導体レーザなどの光源から発生された光ビームを光
ディスク200面の所定位置に集束する対物レンズ101は、
レンズホルダ102に保持され、レンズホルダ102は、二等
辺三角形を形成するように配置された2組の上部および
下部板バネ103A,103Bの一端に固定されている。この各
組の上部板バネおよび下部板バネ103A,103Bが、対物レ
ンズ101の光軸方向Z、すなわちフォーカス方向に対し
て略同一形状に変形することにより、対物レンズ101が
フォーカス方向に移動される。板バネ103A,103Bの他端
は、板バネ固定部材104を介し、振動モデルを考慮して
定められた回転体の振動モード節に相当する回転ドラム
(回転体)105の所定部に固定支持されている。ここ
で、回転ドラム105およびラジアルコイル114を固定した
状態で示される第6図の回転部は、第7図に示されるよ
うな振動モデルで振動される。
第6図において、回転体の最外周に相当するラジアル
コイル114の端と回転中心とを結ぶ長さをLとすると、
Lの1/4の長さであるR1の半径を有する円Cpと、Lの3/4
の長さであるR2の半径を有する円Cqとによって囲まれる
回転ドラム105上の円環状領域Hは、第7図からも明ら
かなように回転体の振動モードの節に相当し、本実施例
では板バネ固定部材104がこの領域H内に配置されてい
る。つまり、板バネ103A,103Bを含むフォーカスユニッ
トは、領域H内に固定されている。
このようなフォーカスユニットの取り付けをすると、
たとえ回転体に振動が発生したとしても、フォーカスユ
ニットは回転体の振動モードの節に相当する位置に固定
されていることから、回転体の変位を最も小さく抑える
ことができる。したがって、回転体の振動はフォーカス
ユニットに伝わらず、対物レンズ101には異常な振動が
発生し難く、高いサーボ帯域をとっても発振することが
なくなり、高密度記録または再生に必要な高精度な制御
を実現できる。すなわち、対物レンズ駆動装置に対して
高密度記録あるいは再生に要求されるサーボ帯域を与え
ることができる。
回転ドラム105は、第2図、第3図および第4図から
も明らかなように、その平面形状が略涙形に一体的に形
成され、円形の輪郭を有する円形部位105Aおよびこの円
形部位105Aの一部から延出される略二等辺三角形状の突
出部位105Bとからなっている。この回転ドラム105は、
その中心に設けられた軸受106を介して軸107に回転自在
に支持される。軸107の基端部は、固定ベース108に圧入
または接着などにより固定されている。なお、レンズホ
ルダ102は、回転ドラム105の突出部位105Bの先端上部に
配置されている。
回転ドラム105は第8図(a)に示すように、高剛性
なセラミックスで形成された回転ドラム上蓋15Aと、ア
ルミニウムで形成された回転ドラム下蓋15Bとが、一体
的に接着か、またはネジ止めと接着とにより接合される
ことによって形成されている。回転ドラム105の上蓋15A
内には、第8図(b)に示すように、光ディスク200に
向けて光ビームを発生するレーザダイオード202および
光ディスク200から反射された光ビームを検出するフォ
トディテクタ201などを含む光学部品の一部が収納さ
れ、この内部に固定されている。そして回転ドラム上蓋
15Aは、回転トラム下蓋15Bによって塞がれている。突出
部位105Bに対応するこの上蓋15Aの部分には、第2図に
示すように光ビームが通過する孔17が形成されている
が、この孔17は、光学系の光路を折り返すプリズム18の
一面によって上蓋15A内部から完全に塞がれている。従
って、回転ドラム105の内部は、外部からの塵などの流
入がない状態に維持されている。
レンズホルダ102は、プラスチックなどの樹脂によっ
て製作されており、第9図(a)の模式断面図に示すよ
うに、対物レンズ101の光軸をその中心軸に一致させて
巻装されたフォーカスコイル109がその内部に埋設され
ている。この第9図(a)に示されるような構造のレン
ズホルダ102は、あらかじめ巻装されたフォーカスコイ
ル109をまずレンズホルダ成形用の金型内に配置し、次
にこの金型内にプラスチックを充填することにより射出
形成される。
一般にフォーカスコイル109の表面には、コイルを構
成するワイヤを緊密に保持するとともに互いに絶縁する
ための自己融着層が塗布されているが、第9図(a)に
示されるようなレンズホルダ102とすれば、仮に大きな
駆動力を得るためにフォーカスコイル109に比較的大き
な電流を供給することによってこのフォーカスコイル10
9が発熱したとしても、自己融着層の融着剤がレンズホ
ルダ102外に飛散されることが防止される。従って、こ
のような構造のレンズホルダ102によれば、フォーカス
コイル109から蒸発した融着剤の粒子によって対物レン
ズ101が汚染されるようなことを防止することができ、
対物レンズ101の特性を初期特性に常に維持させること
ができる。
このレンズホルダ102は、フォーカスコイル109が完全
にその内部に埋設されなくてもよく、第9図(b)、あ
るいは第9図(c)に示すようにレンズホルダ102の外
面にフォーカスコイル109が露出されていてもよい。こ
のようなレンズホルダ102にあっては、仮にフォーカス
コイル109から融着粒子が蒸発されても対物レンズ101内
面に向かわず、外部に向かうため、対物レンズ101が汚
染されることが防止される。また、第9図(b)および
第9図(c)に示す構造では、フォーカスコイル109が
直接外部に露出されていることから、レンズホルダ102
内に熱がこもることがなく、効果的に冷却され、フォー
カスコイル109に十分に大きなフォーカス電流を供給す
ることができ、大きな駆動力を得ることができる。レン
ズホルダ102、すなわちフォーカスコイル109は、回転ド
ラム105の上蓋15A上に固定されたフォーカス磁気回路11
0内に配置されている。このフォーカス磁気回路110は、
リング状永久磁石111と、この永久磁石111の上に配置さ
れたリング状ヨーク112と、これらリング状の永久磁石1
11およひヨーク112の周面を取り囲み、かつ永久磁石111
の底面を支持するように形成されて回転ドラム105上に
固定された板状ヨーク113とからなっている。そしてレ
ンズホルダ102は、永久磁石111およびヨーク112の組み
合わせと、板状ヨーク113との間のギャップ内に配置さ
れている。なお、リング状永久磁石111はその半径方向
に着磁方向を有している。
フォーカスコイル109に対し、対物レンズ101のフォー
カス駆動量に応じた電流が通電されると、この電流と、
フォーカス磁気回路110が発生する磁束との電磁作用に
より、レンズホルダ102が光軸方向Zに移動され、これ
により対物レンズ101がレンズホルダ102と共に移動さ
れ、フォーカス制御される。このフォーカス磁気回路11
0は、レンズホルダ102中に巻装されたフォーカスコイル
109の内・外周を囲むように配置されているため、フォ
ーカス磁気回路110をラジアル方向に延ばした形状とし
た従来の対物レンズ駆動装置と比較して非常にコンパク
トな形状となり、装置全体が小形化される。しかも、こ
のフォーカス磁気回路110は従来の対物レンズ駆動装置
におけるフォーカス磁気回路と異なり、発生する磁束の
ほとんど全てがフォーカスコイル109と鎖交して有効に
使われるため、小形な形状でありながら対物レンズ101
を光軸方向に移動させるための駆動力を大きくすること
ができる。
一方、回転ドラム105の上蓋15Aの両端であって板バネ
固定部材104近傍には、回転ドラム105の軸107に対して
対称な位置に一対のラジアルコイル114が直接固定され
ている。また、回転ドラム105の外側には、固定ベース1
08上に一対のラジアル磁気回路120が配置されている。
ラジアル磁気回路120は湾曲形状をなし、固定ベース108
と板状永久磁石121,122とセンターヨーク123およびバッ
クヨーク124とにより構成されている。永久磁石121,122
間には、センターヨーク123が設けられ、永久磁石121上
にはバックヨーク124が設けられた積層構造となってい
る。永久磁石121,122は着磁の方向を光軸方向Zと一致
させているが、永久磁石121と永久磁石122とでは着磁の
向きは逆となっている。第10図に示すように、固定ベー
ス108には、バックヨーク124に相当するヨークを兼ねる
磁路としての部位が形成され、この部位上に永久磁石12
2が載置固定されている。また、第1図に示すように、
ラジアルコイル114はセンターヨーク123の周囲を囲むよ
うに挿通され、この状態でセンターヨーク123に沿って
移動可能である。
第1図に示した対物レンズ駆動装置においては、第8
図(a)を参照して説明したように、上蓋15Aが熱抵抗
が大きなセラミックで作られ、下蓋15Bがこれよりも熱
抵抗が小さいアルミニウムで作られている。そのため、
ラジアルコイル114への通電制御によってラジアルコイ
ル114が発熱したとしても、上蓋15Aは熱抵抗が大きいの
で、その内部のレーザダイオード202やフォトディテク
タ201におよぶ熱の影響が少なく、レーザダイオード202
やフォトディテクタ201が過度に加熱されることが防止
される。また、レーザダイオード202で発生した熱は、
熱抵抗が小さいアルミニウムからなる下蓋15Bを通して
ベース108側から素早く外部に発散されるため、熱が回
転ドラム105内部にたまることがなく、レーザダイオー
ド202の寿命を長期間安定に保つことができると共に、
フォトディテクタ201のノイズレベルが大きくなること
を防止することができる。
また、上蓋15Aの材料としてのセラミックスは、下蓋1
5Bの材料としてのアルミニウムに比べて熱膨張係数が小
さいが、本実施例のような対物レンズ駆動装置では、ラ
ジアルコイル114の発熱の影響が大きく作用するので、
アルミニウム製の下蓋15Bに比べてラジアルコイル114に
接触したセラミックス製の上蓋15Aの方が相対的に高温
となる。これにより両者の熱膨張の差が小さくなり、熱
的ひずみによって生じる回転ドラム105の悪影響はほと
んどない。
また、セラミックスは非電導物質であるため、コイル
固定板などの別なる非電導物質を中間固定部材として介
在させることなく、ラジアルコイル114を直接回転ドラ
ム上蓋15Aに固定することができる。これにより、ラジ
アルコイル114と回転ドラム105とにより構成される振動
系の共振周波数を、中間固定部材を除去した分だけ高く
することができるため、広いサーボ帯域を安定に確保で
き、精度の高い制御を可能にすることも期待できる。更
に、セラミックスの材料に多孔質のβセラミックスを用
いると、回転ドラム105の更なる軽量化が図れ、アクセ
ス時間がより短縮できる。
センターヨーク123およびバックヨ−ク124は、第11図
に示すようにそれぞれ2つの部位123A,123B,124A,124B
に分離可能に形成されている。そして、部位123A,123B
がラジアルコイル114内に挿通されて両部位123A,123B,1
24A,124Bが連結され、ベース108に固定されることによ
り、ラジアル磁気回路120が組み立てられる。つまり、
ラジアル磁気回路120は、ベース108と永久磁石122とか
らなる第1ユニット51と、センターヨーク123Aとバック
ヨーク124Aと永久磁石121Aとからなる一対の第2ユニッ
ト52と、センターヨーク123Bとバックヨーク124Bと永久
磁石121Bとからなる一対の第3ユニット53とからなって
いる。
ラジアル磁気回路120を組み立てる際は、一対の第2
ユニット52の一方および一対の第3ユニット53の一方が
治具を用いて第1ユニット51上に固定される。この時、
第2ユニット52と第3ユニット53は軸107を中心に対称
な位置に固定されている。次に、第1ユニット51のベー
ス108に嵌着した軸107に対し、回転ドラム105の軸受106
を挿通固定する。この時、回転ドラム105に固定された
一対のラジアルコイル114は、まだ固定されていない方
の第2,第3ユニット52,53が配置される空間に位置して
いる。そして、回転ドラム105を第3図から見て時計方
向もしくは反時計方向に回転させ、ラジアルコイル114
のそれぞれをセンターヨーク123A(または123B)に挿通
する。最後に、他方の第2,第3ユニット52,53を、既に
固定された第2,第3ユニット52、53に連結・接合し、第
1ユニット51上に固定される。
しかし、第2ユニット52と第3ユニット53は、その接
合部にて同極の磁極が対向することになり、接合の際に
反発力が生じてしまう。また同時に、第2ユニット52と
第3ユニット53は、その接合部が第1のユニット51に吸
引されて傾いてしまう。
従って、上記の組み立てを容易にするために、第11図
に示すようにセンターヨーク123A,123Bの一方に凸部54
が、他方に凹部56が設けられ、また、バックヨーク124
A,124Bの一方に凸部55が、他方に凹部57が設けられるこ
とが好ましい。ここで、凸部54,55と凹部56,57とが係合
するように固定すれば、上述した吸引や反発といった磁
気の作用により組み立てが困難になることが回避され、
ラジアル磁気回路120を精度良く容易に組み立てられ
る。つまり一方のユニットが正確に固定されればラジア
ル磁気回路120の組立ては非常に容易となる。また、磁
気の反発により接合部に空隙ができてしまうこともなく
なり、ラジアル磁気回路120の磁気ギャップでの磁束密
度分布の均一性を保つことができるようになるので、ラ
ジアルコイル114に発生する駆動力の変動が少なくな
り、安定した制御動作が可能となる。
以上のような組み立て方法を用いると、まずラジアル
コイルをセンターヨークに挿通し、次に永久磁石やバッ
クヨークを積層してラジアル磁気回路を形成し、最後に
ラジアルコイルを回転ドラムに固定するといった従来の
複雑な組み立て方法を採用する必要がなくなり、精密な
治具を用いる必要もなくなる。そして、前にも述べたよ
うに、コイル固定板などの中間固定部材を介することな
くラジアルコイルを直接回転ドラムに取り付けることが
でき、ラジアルコイルと回転ドラムとの接合部の剛性を
高くすることができるため、結果として広いサーボ帯域
を確保し、精密な位置決め制御をすることができる。
なお、ここでは凸部と凹部とで係合するものについて
説明したが、互いに係合する形状であればいかなる形状
であってもよい。
回転ドラム105内に配置したフォトディテクタ201やレ
ーザダイオード202などの電気部品には、第3図に示す
ようにフレキシブルプリントサーキット140により外部
から電力または信号が伝達される。ここでフレキシブル
プリントサーキット140は、軸107に対して対物レンズ10
1とほぼ対称な位置に配置され、その一端は、回転ドラ
ム105の円形部位105Aの上蓋15A側面にピン144によって
固定され、その他端は、ベース108に立設されたスタッ
ド141にピン143によって固定されている。スタッド141
の曲面は、軸107を中心とした円弧面となっている。そ
してフレキシブルプリントサーキット140は、その表面
を一部回転ドラム105側面もしくはスタッド141側面に接
触させた湾曲状態に維持されている。なお、第3図を除
く他の図面には、図面を簡略化する目的から、フレキシ
ブルプリントサーキット140、ピン143、144およびスタ
ッド141を省略している。
上述のようにフレキシブルプリントサーキット140を
用いていることから、回転ドラム105の上面あるいは下
面に配線の空間が不要となる。従って、配線が他の部品
と干渉して切断されるなどといった事態を避けるため
に、軸107を不必要に長くしたり、または板バネ固定部
材104の高さを高くする必要がなくなる。そのため、回
転ドラム105と軸107とで形成される振動系の傾き振動共
振周波数を高域に設定することができるので、対物レン
ズ101の位置決め制御の安定性を確保することができ
る。
また、フレキシブルプリントサーキット140が湾曲し
た状態で取り付けられているため、フレキシブルプリン
トサーキット140の復元力により球軸受106に直接ラジア
ル方向の力が作用し、スラスト方向の予圧を加えること
なくラジアル方向のがたを取り除くことができる。一般
に球軸受は、ラジアル方向の荷重に対する摩擦抵抗の増
加はスラスト方向の荷重に対する摩擦抵抗の増加に比べ
て極めて少ないため、回転抵抗を十分小さくすることが
でき、結果として精度の良い位置決め制御が可能とな
る。そして回転ドラム105が回転してもフレキシブルプ
リントサーキット140の復元力は、常に回転ドラム105に
作用することになる。
また、本実施例の対物レンズ駆動装置では、回転ドラ
ム105の移動量は、第3図に示す状態から左右に各30°
の角度だけ回転可能となるように設定されている。ここ
で、前記ピン144の取り付け位置は、対物レンズ101およ
び軸107の中心を通過するY軸を基準とした場合、第3
図においてこのY軸から15°以上30°以下の位置に設定
されていることが好ましい。また第3図の状態で、フレ
キシブルプリントサーキット140と回転ドラム150とが分
離している点からピン144までの距離は、フレキシブル
プリントサーキット140とスタッド141とが分離している
点からピン143までの距離とほぼ等しく設定されてい
る。
つまりここでは、回転ドラム105とフレキシブルプリ
ントサーキット140およびフレキシブルプリントサーキ
ット140とスタッド141は、回転ドラム105の最大回転角
度の1/2以上でかつ1/1以下の角度範囲にて、フレキシブ
ルプリントサーキット140が同一の湾曲動作を維持する
ことができるようになっている。
ここで、仮にピン144をY軸から15°以下の位置に取
り付けた場合を考えると、回転ドラム105が最大回転角
度に至る前にピン144がY軸と一致してしまう。する
と、回転ドラム105が更に回転しようとする際、フレキ
シブルプリントサーキット140に張力が作用してしま
い、復元力が非線系に変化し回転の位置決め精度を著し
く劣化させることになる。
また、仮にピン144をY軸から30°以上の位置に取り
付けた場合を考えると、フレキシブルプリントサーキッ
ト140の全長が長く設定されることになる。すると、フ
レキシブルプリントサーキット140は最も安定した湾曲
状態に変形しようとするので、フレキシブルプリントサ
ーキット140は、回転ドラム105の円弧部位105Aの側面に
沿って摺動したりあるいは浮き上がったりしてしまい、
結果としてやはり復元力が非線系に変化し、回転の位置
決め精度を著しく劣化させることになる。
したがって、本実施例のようにフレキシブルプリント
サーキット140が固定されない接触域を有するように設
定すれば、フレキシブルプリントサーキット140の湾曲
形状は常に一定となり、前記球軸受106に直接作用させ
るラジアル方向の力を安定なものとすることができる。
第1図に示される対物レンズ駆動装置においては、回
転ドラム105が最大回転角まで回転した状態において、
回転ドラム105の突出部位105Bの側面とそれに対向する
ラジアル磁気回路120のヨーク123,124とがほぼ面接触す
るように平行に形成されている。そして、弾性体からな
るストッパ22,23がヨーク123(もしくはヨーク124)の
接触部位に取り付けられている。また、回転ドラム105
に対する突出部位105Bの形状は、その先端部から回転中
心に向けてその断面積が徐々に大きくなる形状を有して
いる。突出部位105Bの側面は、回転ドラム105の円形部
位105Aの側面を接線方向に延長したものとなっている。
このような形状とした場合、回転ドラム105が最大に
回転されてその突出部位105Bがストッパ22,23に接触す
ると、回転ドラム105は、ストッパ22,23と接触する位置
から回転中心に向けて断面積が徐々に大きくなる形状を
有していることから、発生するモーメントもストッパ2
2,23に接触する位置から回転中心に向けて徐々に大きく
なる。そのため、回転ドラム105がストッパ22,23に衝突
したとしても、回転ドラム105には応力の集中する部分
がなく、その際の衝撃による回転ドラム105の変形が最
小限に抑えられる。また、回転ドラム105が最大回転角
まで回転した状態において、回転ドラム105の突出部位1
05Bの側面とそれに対向するラジアル磁気回路120のヨー
ク123(もしくはヨーク124)とがほぼ面接触するように
平行に形成されているため、回転ドラム105が最大回転
角まで回転された際の回転ドラム105とラジアル磁気回
路120との相対位置精度を向上させることができる。
また、ラジアル磁気回路120にストッパ22,23を設けれ
ば、突出部位105Bの側面とラジアル磁気回路120のヨー
ク123,124とが衝突しても、弾性による振動吸収の効果
により、変形がほとんど生じない。
このように、回転ドラム105の突出部位105Bの側面と
それに対向するラジアル磁気回路120のヨーク123,124と
が接触するように構成すれば、ヨーク123に挿通された
ラジアルコイル114が、回転ドラム105の回転駆動の際、
ラジアル磁気回路120端部の永久磁石121,122に衝突する
危険を回避することができ、ラジアルコイル114の変形
による駆動力の不安定を生じさせることがない。そし
て、回転ドラム105の可動範囲をぎりぎりまで大きく設
定することができる。
上述のように、ラジアル磁気回路120をベース108に設
け、フォーカス磁気回路110を回転ドラム105上に設置す
ることによって、フォーカス磁気回路110とラジアル磁
気回路120とをそれぞれ独立に設計できる。即ち、フォ
ーカスコイル109が対物レンズ101の光軸方向Zに移動で
きる形状となっていればよく、従来の装置におけるよう
にラジアル方向に延びた形状である必要はない。従っ
て、小形化された対物レンズ駆動装置が提供される。ま
た、フォーカス磁気回路110は、対物レンズ101の光軸方
向Zにおけるフォーカスコイル109の移動範囲のみに設
けられればよいので、発生する磁束がフォーカスコイル
109に対して有効に作用することになり、結果的にフォ
ーカスコイル109に作用する電磁力、すなわち対物レン
ズ101を光軸方向Zに移動させる駆動力が増大する。
第1図に示される対物レンズ駆動装置においては、ラ
ジアルコイル114の慣性モーメントは、回転ドラム105お
よび回転ドラム105と一体となって駆動する全ての部品
(但し、ラジアルコイル114を除く)の総慣性モーメン
トに等しくなるように定められている。対物レンズ駆動
装置をこのように構成することにより、従来に比べ回転
ドラム105の最大駆動加速度を大きくすることができ
る。以下にこの原理を説明する。
In[kg・m]の慣性モーメントを有する可動体(回転
ドラム105および回転ドラム105と一体となって駆動する
全ての部品)をmc[kg]のコイル(ラジアルコイル11
4)にて駆動した場合に得られる角加速度[rad/s2
は次式で表される。
Fc;コイルに発生する力 [kg・m/s2] rc;回転中心から力点までの距離 [m] It;コイルを含む全可動部の慣性モーメント [kg・m2] Ic;コイルの慣性モーメント [kg・m2] In;コイルを除く可動体の慣性モーメント [kg・m2] T;発生トルク [N・m] よって、対物レンズ101の加速度ar[m/s2]は次式で
表される。
r;回転中心から対物レンズ101の重心までの距離[m] よって、消費電力および対物レンズ101の取り付け位
置を一定とした場合、加速度はコイル質量とコイル取り
付け位置との関数になることがわかる。
加速度を最大とするためには、上記式(3),(4)
を0とおけばよい。
よって、回転ドラム105の最大加速度は、コイルの慣
性モーメントがコイルを除く可動体の慣性モーメントと
等しくなった時に得られ、コイルの取り付け位置とコイ
ル質量との間に式(5)(または式(6))の関係が保
たれれば、到達できる最大加速度は一定となる。
これにより、対物レンズ101から照射される光ビーム
を、光ディスクの必要なトラックへ高速で位置決めする
ことができる。また、ラジアルコイル114を軸107から離
れた位置に固定すれば、ラジアルコイル114の慣性モー
メントを一定としたままで質量を低減することもでき
る。
なお、上記の関係は本実施例の対物レンズ駆動装置に
のみ特有のものではなく、可動体を回転駆動する方式の
全てのロータリアクチュエータに適用することができ
る。
また本実施例においては、フォーカスコイル109の質
量は、対物レンズ101と一体となって駆動する全ての部
品(但し、フォーカスコイル109を除く)の質量に等し
くなるように定められている。(なお、ここで板バネ10
3A,103Bの質量については、約半分の質量を加算してい
る。)このように構成することにより、従来に比べ対物
レンズ101、レンズホルダ102および板バネ103A,103Bの
最大駆動加速度を大きくすることができるが、以下、そ
の原理を説明する。
一般に、コイルに発生する力Fcは次式で表される。
Fc=G・1・I・P …(7) G;磁束密度 [T] 1;コイル長さ [m] I;コイルに流れる電流 [A] P;コイル利用効率 (磁界中にあるコイルの割合) また、コイル消費電力Wcは次式で表される。
Wc=R・I2 …(8) また、コイル抵抗R[Ω]は次式で表される。
k;コイル素材抵抗率 [Ω・m] S;コイル断面積 [m2] ここで、コイル質量、コイル長さおよびコイル断面積
の間には次式の関係がある。
m;コイル質量 [kg] q;コイル素材密度 [kg/m3] e;コイル体積効率 V;コイル体積 [m3] よって、式(8),(9),(10)より次式が導き出
される。
式(7),(11)より結果として次式が得られる。
M[kg]の付加質量をm[kg]のコイル(フォーカス
コイル109)にて駆動した場合に得られる加速度al[m/s
2]は次式で表される。
但し、 よって、消費電力を一定とした場合、最大加速度はコ
イル質量を負荷質量と等しくした場合に得られ、いかな
る他の質量比にした場合よりも被駆動体を早く駆動する
ことができる。上述した従来技術ように、対物レンズ駆
動装置の消費電力を増加することなく可動体の駆動力を
最大にすることができ、より高速な位置決めをすること
が可能となる。
これにより、対物レンズ101から照射される光ビーム
を、光ディスクの情報記録面に高速で位置決めし集束す
ることができる。
なお、上記の関係は本実施例の対物レンズ駆動装置に
のみ特有のものではなく、可動体を直線駆動する方式の
全てのリニアアクチュエータに適用することができる。
回転ドラム105上には第12図に示すように、プリアン
プ220を搭載することもできる。プリアンプ220を搭載す
ることにより、フォトディテクタ201で検出された検出
信号が増幅され、フレキシブルプリントサーキット140
を介して図示しない外部信号処理系に送ることができ
る。ここで、プリアンプ220はフォーカス駆動系のカウ
ンターウエイトとしても作用しており、回転ドラム105
と一体となって駆動する部品の質量アンバランスを補正
している。
このフレキシブルプリントサーキット140およびプリ
アンプ220は、第13図に示すような断面形状の状態で回
転ドラム105上に固定される。ここで回転ドラム105に
は、回転ドラム105の回転軸107を中心として対物レンズ
101とほぼ対称な位置に突起221が立設され、フレキシブ
ルプリントサーキット140の一端には、穴222が設けら
れ、プリアンプ220には穴または凹部223が設けられてい
る。回転ドラム105に設けられた突起221にはフレキシブ
ルプリントサーキット140の穴222が挿通され、そしてそ
の上からプリアンプ220の穴または凹部223とが嵌合して
いる。結果的に回転ドラム105とプリアンプ220とが直接
結合されている。
仮に回転ドラム105に突起221を設けない構造とする
と、回転ドラム105上にフレキシブルプリントサーキッ
ト140が固定され、そしてフレキシブルプリントサーキ
ット140上にプリアンプ220が固定されるといった、層構
造の固定配置となり、合計で2か所の接着部位が必要と
なる。このように2か所の接着部位を設けると、プリア
ンプ220と接合部とで形成される共振周波数が10〜13KHz
以下となってしまい、対物レンズ101の位置決め制御の
点で好ましくないことが実験により確かめられている。
これは、光ディスクのトラック幅が1〜2μmと極めて
狭いため、1〜2KHz程度のサーボ帯域が必要になるから
である。
しかし、上記のように回転ドラム105に設けられた突
起221を利用することによって、回転ドラム105とプリア
ンプ220とを直接結合することが可能となることから、
回転ドラム105に対するプリアンプ220の接合強度を飛躍
的に強くすることができ、プリアンプ220と接合部とで
形成される共振周波数を10KHz以上にすることができ
る。そして、好ましくない共振周波数の共振が回転体内
で生じることが防止され、しかしも、必要十分なサーボ
帯域がとれ、外乱が作用してもトラックはずれを起さな
い対物レンズ駆動装置を実現することができる。
また、回転ドラム105の軸107を中心として、対物レン
ズ101とほぼ対称な位置にプリアンプ220が固定されてお
り、対物レンズ101とプリアンプ220とを結ぶ直線に対し
て対称な位置に一対のラジアルコイル114が固定されて
いるため、プリアンプ220の取り付け位置が回転ドラム1
05の一次の共振モードの節に相当することになる。従っ
て、回転ドラム105の共振振動によってプリアンプ220と
フレキシブルプリントサーキット140との間に電気的接
触不良などが生じることがなく、信頼性の高い安定した
制御動作が実現する。
第12図に示された対物レンズ駆動装置においては、回
転ドラム105に突起221、フレキシブルプリントサーキッ
ト140に穴222、プリアンプ220に穴または凹部223を設
け、回転ドラム105に設けられた突起221とフレキシブル
プリントサーキット140の穴222とプリアンプ220の穴ま
たは凹部223とが嵌合する場合を説明したが、回転ドラ
ム105に穴または凹部、フレキシブルプリントサーキッ
ト140に穴、プリアンプ220に突起を設け、回転ドラム10
5に設けられた穴または凹部とフレキシブルプリントサ
ーキット140の穴とプリアンプ220の突起とが嵌合しても
全く同様な効果を期待することができる。また、ここで
はプリアンプ220と回転ドラム105との固定について説明
したが、プリアンプ220以外の部品を同様の位置に配置
して回転ドラム105と嵌合してもよい。
上述した対物レンズ駆動装置の実施例においては、装
置の小型化のために、センターヨーク123およびバック
ヨーク124の両端部付近にこれらヨーク123,124に挟まれ
る状態で板状永久磁石121が配置されている。本発明で
はこのような構造に限らず、第14図に示すように、磁気
ギャップの一部を形成するようにセンターヨーク123お
よびバックヨーク124の一方に永久磁石121,122を配置し
てもよい。
なお、本発明の対物レンズ駆動装置の実施例では、特
願平1-290067号および特願平1-290068号に記載された発
明に関する構成要素も具備しており、それらの一部は図
面にも記載されている。ただしここでは、これらの詳細
な説明は省略する。詳細については、上記の明細書を参
考にされたい。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、光ディスクへの
情報の記録・再生を素早く行うことができる、制御性に
優れた対物レンズ駆動装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る対物レンズ駆動装置を示す斜視
図、第2図は対物レンズ駆動装置の分解斜視図、第3図
および第4図は対物レンズ駆動装置の平面図、第5図は
対物レンズ駆動装置の断面図、第6図および第7図は回
転ドラムの振動モードを示す図、第8図は回転ドラムの
構造を示す図、第9図はレンズホルダの構造を示す図、
第10図および第11図はトラック磁気回路を示す図、第12
図および第14図は対物レンズ駆動装置の他の実施例を示
す図、第13図はフレキシブルプリントサーキットの取り
付け状態を示す図である。 101……対物レンズ 102……レンズホルダ 103……板バネ 105……回転ドラム 108……ベース 109……フォーカスコイル 110……フォーカス磁気回路 112……永久磁石 114……ラジアルコイル 120……ラジアル磁気回路 121……永久磁石 122……永久磁石 140……フレキシブルプリントサーキット 200……光ディスク 201……フォトディテクタ 202……レーザダイオード 220……プリアンプ
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平1−81422 (32)優先日 平1(1989)4月3日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平1−81423 (32)優先日 平1(1989)4月3日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平1−137462 (32)優先日 平1(1989)6月1日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平1−148450 (32)優先日 平1(1989)6月13日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸を有する回転体と、 前記回転体の円周上に前記回転軸を中心として対称配置
    される一対のコイルと、 前記回転体の周囲に前記コイルをそれぞれ挿通する状態
    に配置され、前記コイルに磁力を付与することによって
    前記回転体に回転駆動力を与える第1の磁気回路と、 前記回転体の円周上の一部でかつ前記一対のコイルの間
    に、前記回転軸と直交する方向に突出した状態に形成さ
    れ、前記第1の磁気回路と接触することにより前記回転
    体の所定角度以上の回転を規制する突出部と、 前記突出部上に配置される対物レンズと、 前記回転体上に配置され、前記突出部上に配置された前
    記対物レンズにその光軸方向への駆動力を与える第2の
    磁気回路と、 を有することを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  2. 【請求項2】前記回転体は略涙形の形状をなしているこ
    とを特徴とする請求項1記載の対物レンズ駆動装置。
  3. 【請求項3】回転軸を有する回転体と、 前記回転体の円周上に前記回転軸を中心として対称配置
    される一対のコイルと、 前記回転体の周囲に前記コイルをそれぞれ挿通する状態
    に配置され、前記コイルに磁力を付与することによって
    前記回転体に回転駆動力を与える第1の磁気回路と、 前記回転体の円周上の一部でかつ前記一対のコイルの間
    に、前記回転軸と直交する方向に突出した状態に形成さ
    れ、前記第1の磁気回路と接触することにより前記回転
    体の所定角度以上の回転を規制する突出部と、 前記突出部上に配置される対物レンズと、 前記回転体上に配置され、前記突出部上に配置された前
    記対物レンズにその光軸方向への駆動力を与える第2の
    磁気回路と、 を有する対物レンズ駆動装置において、 前記コイルの慣性モーメントと、前記コイルを除いた前
    記回転体の慣性モーメントとが略等しくなるように構成
    したことを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  4. 【請求項4】回転軸を有する回転体と、 前記回転体上に固定されるコイルと、 前記回転体の周囲に前記コイルを挿通する状態に配置さ
    れ、前記コイルに磁力を付与することによって前記回転
    体に回転駆動力を与える磁気回路とを有するロータリア
    クチュエータにおいて、 前記磁気回路は、前記コイルが移動する方向と異なる方
    向に分割される構造をなしていることを特徴とするロー
    タリアクチュエータ。
  5. 【請求項5】分割された前記磁気回路が接合する部位に
    は、互いが係合する状態に係合部が設けられていること
    を特徴とする請求項4記載のロータリアクチュエータ。
  6. 【請求項6】第1のヨーク材と、 前記第1のヨーク材にN極を固定する少なくとも2個の
    永久磁石と、 前記永久磁石のS極に固定され、少なくとも前記永久磁
    石どうしにより挟まれる空間内にて前記第1のヨーク材
    との対向面の距離を略一定とする第2のヨーク材と、 からなる磁気回路を有することを特徴とする請求項4記
    載のロータリアクチュエータ。
JP2842590A 1989-02-10 1990-02-09 対物レンズ駆動装置 Expired - Lifetime JP2856813B2 (ja)

Applications Claiming Priority (14)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2960889 1989-02-10
JP8140389 1989-04-03
JP8142289 1989-04-03
JP8142389 1989-04-03
JP8142189 1989-04-03
JP13746289 1989-06-01
JP1-137462 1989-06-13
JP1-81422 1989-06-13
JP1-81421 1989-06-13
JP14845089 1989-06-13
JP1-29608 1989-06-13
JP1-81403 1989-06-13
JP1-148450 1989-06-13
JP1-81423 1989-06-13

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0386934A JPH0386934A (ja) 1991-04-11
JP2856813B2 true JP2856813B2 (ja) 1999-02-10

Family

ID=27564226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2842590A Expired - Lifetime JP2856813B2 (ja) 1989-02-10 1990-02-09 対物レンズ駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2856813B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0386934A (ja) 1991-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3775677B2 (ja) Memsミラー装置および光ディスク装置
US5140471A (en) Apparatus for driving objective lens
US6404728B1 (en) Apparatus and method for driving objective lens
JP3733183B2 (ja) 対物レンズ駆動装置
JP2856813B2 (ja) 対物レンズ駆動装置
JPH1114933A (ja) ガルバノミラーおよびこれを用いた光ディスク装置
JPH1021568A (ja) 光学ピックアップ装置及び光学ピックアップ装置の製造方法
JP4257341B2 (ja) 光路偏向装置
JPH056559A (ja) 光デイスク装置
JP2624663B2 (ja) 対物レンズ駆動装置
JP2001331956A (ja) 対物レンズ駆動装置
JP2897090B2 (ja) 対物レンズ駆動装置
JP2534840B2 (ja) 対物レンズ駆動装置
JPH07201054A (ja) 光学式ピックアップ装置
JP3415445B2 (ja) 光ピックアップのアクチュエータ装置の製造方法
JPH0677329B2 (ja) 光学式記録再生装置
JP2866081B2 (ja) 光学系駆動装置
JP3836926B2 (ja) 光路偏向装置
JP2006500709A (ja) 光ディスク装置
JPS58182139A (ja) 対物レンズ駆動装置
JPH10308030A (ja) ガルバノミラー装置およびこれを用いた光ディスク装置
JPH0772945B2 (ja) 対物レンズ駆動装置
JPH03201223A (ja) 光学ヘッド
JPH09146033A (ja) ガルバノミラーおよびこれを用いた光ディスク装置
JPS63138535A (ja) 情報再生装置