JPH10305115A - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール

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JPH10305115A
JPH10305115A JP9136014A JP13601497A JPH10305115A JP H10305115 A JPH10305115 A JP H10305115A JP 9136014 A JP9136014 A JP 9136014A JP 13601497 A JP13601497 A JP 13601497A JP H10305115 A JPH10305115 A JP H10305115A
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golf ball
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core
ball
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Kohei Takemura
光平 竹村
Akihiko Hamada
明彦 浜田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高反発性能で、飛距離が大きく、かつ耐フラ
イヤー性が良好で、ラフからのショットでもフライヤー
が生じにくいゴルフボールを提供する。 【解決手段】 コアと該コアを被覆するカバーを有する
ゴルフボールにおいて、上記カバーを、昇温速度4℃/
分で測定される周波数10Hzでの動的粘弾性の温度分
散曲線において動歪5%における−10℃の複素弾性率
が50〜1500kgf/cm2 で、かつトリプソメー
ターによる反発弾性が50%以上の材料で構成する。上
記カバーの基材ポリマーとしては、該基材ポリマー中に
熱可塑性エラストマーを30重量%以上含有することが
好ましく、また、該熱可塑性エラストマーとしては、ハ
ードセグメントにポリスチレン、ソフトセグメントにポ
リブタジエン、ポリイソプレンまたはポリオレフィンを
もつブロックコポリマーからなるスチレン系熱可塑性エ
ラストマーが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフボールに関
し、さらに詳しくは、高反発性能で、飛距離が大きく、
かつ耐フライヤー性が良好で、ラフからのショットでも
フライヤーが生じにくいゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ラウンド用ゴルフボールとし
ては、ポリブタジエンを主材とするゴム組成物の加硫成
形体からなるソリッドコアをカバーで被覆したソリッド
ゴルフボールや、ゴム系または液系のセンターに糸ゴム
を巻き付けることによって形成した糸巻きコアをカバー
を被覆した糸巻きゴルフボールが多用されてきたが、ボ
ールの種類にかかわらず、プレー中にボールが深い芝生
に入り込むことがしばしばあった。
【0003】その深い芝生からのショットでは、芝がク
ラブフェースとボールとの間に噛み込むため、バックス
ピン量が減少してボールが高くあがってしまう、フライ
ヤーと呼ばれる現象が生じ、アプローチショットでのコ
ントロール性を損なわせる原因の一つとなっていた。
【0004】このフライヤーはソリッドゴルフボール、
糸巻きゴルフボールのいずれにも生じるが、その生じや
すさをカバー別で検討してみると、アイオノマー系カバ
ーはフライヤーが生じやすく、バラタ系カバーはフライ
ヤーが生じにくかった。しかし、このバラタ系カバーは
アイオノマー系カバーに比べて反発性能が低いという問
題があった。たとえば、アイオノマー系カバーを用いた
ツーピースソリッドゴルフボールの反発係数は一般に6
0〜65であるが、バラタ系カバーを用いた糸巻きゴル
フボールの反発係数は一般に40〜45と低く、そのた
め、バラタ系カバーを用いた糸巻きゴルフボールは、ア
イオノマー系カバーを用いたツーピースソリッドゴルフ
ボールに比べて、飛距離が劣るという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術における問題点を解決し、高反発性能で、飛
距離が大きく、かつ耐フライヤー性が良好で、フライヤ
ーが生じにくいゴルフボールを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ゴルフボールの
カバーを、昇温速度4℃/分で測定される周波数10H
zでの動的粘弾性の温度分散曲線において動歪5%にお
ける−10℃の複素弾性率が50〜1500kgf/c
2 で、かつトリプソメーターによる反発弾性が50%
以上の材料で構成するときは、上記課題を解決できるこ
とを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0007】これを詳しく説明すると、本発明者らは、
まず、ゴルフのラウンドプレー中にフライヤーが生じる
原因を追求し、フライヤーが生じるのを防止するために
は、特定の動歪量で測定したカバー材料の動的硬さ、つ
まり、複素弾性率が特定の範囲内にあることが必要であ
ることを見出した。すなわち、カバー材料の複素弾性率
が低いほど、ラフからのショットでもスピン量が保持さ
れてフライヤーが生じにくくなり、昇温速度4℃/分で
測定される周波数10Hzでの動的粘弾性の温度分散曲
線において動歪5%における−10℃の複素弾性率が5
0〜1500kgf/cm2 の範囲内にあるときは、フ
ライヤーが生じるのを抑制することができ、また、ゴル
フボールとして必要な反発性能を保持するためには、複
素弾性率が50kgf/cm2 以上に保たれていると共
に、トリプソメーターによる反発弾性が50%以上必要
であることを見出した。
【0008】
【発明の実施の形態】上記のように、カバーは、粘弾性
スペクトロメーターを用いての測定で、昇温速度4℃/
分で測定される周波数10Hzでの動的粘弾性の温度分
散曲線において動歪5%における−10℃の複素弾性率
が50〜1500kgf/cm2 であることが必要であ
る。カバーの上記条件下での複素弾性率が1500kg
f/cm2 より大きくなると、従来のゴルフボールのカ
バーの複素弾性率と変わらなくなり、フライヤーが生じ
るのを防止することができなくなり、フライヤーが生じ
るのをより好適に防止するには、カバーの複素弾性率は
上記条件下で1200kgf/cm2 以下が好ましく、
910kgf/cm2 以下がより好ましく、640kg
f/cm2 以下がさらに好ましい。また、上記条件下で
の複素弾性率が50kgf/cm2 より小さい場合は、
反発性能が低下して飛距離が低下するので、カバーの複
素弾性率は上記条件下で65kgf/cm2 以上が好ま
しく、165kgf/cm2 以上がより好ましい。
【0009】本発明においていう複素弾性率は、粘弾性
スペクトロメーターによって昇温速度4℃/分、周波数
10Hz、動歪5%で、引っ張りモードで測定した際の
−10℃における複素弾性率であり、下記の数式(I)
より求められる。
【0010】
【数1】
【0011】ゴルフボールのように打球時に常温で高周
波数になるような場合と、粘弾性スペクトロメーターで
の低温の周波数10Hzで測定した複素弾性率とが相関
性を有することは、温度周波数換算則から導くことがで
きる。
【0012】本発明では、このことと動歪量を5%と実
際のアプローチショットに近い変形量にすることによ
り、動歪5%で測定した−10℃の複素弾性率がフライ
ヤーの生起と相関性があることを明らかにした。
【0013】現象的には、カバーの複素弾性率が低くな
れば、アプローチショット時にカバーがクラブフェース
に追随して変形できるようになり、スピン量が多くなっ
て、たとえボールとクラブフェースとの間に芝が挟まっ
たとしても必要なスピン量が確保されるようになるもの
と考えられる。
【0014】また、カバーはトリプソメーターによる反
発弾性が50%以上であることが必要である。反発弾性
が50%より小さい場合は、スピンが多くかかり、フラ
イヤーは生じにくくなるが、反発性能が低下して、飛距
離が出なくなる。このトリプソメーターによる反発弾性
は上記のように50%以上であることが必要であるが、
より一層の飛距離の向上を達成するためには、反発弾性
が65%以上が好ましい、さらに70%以上がより好ま
しい。しかし、反発弾性が大きくなりすぎると、複素弾
性率を1500kgf/cm2 としても、フライヤーが
生じやすく、従って、反発弾性は90%以下が好まし
く、さらに85%以下がより好ましい。
【0015】ここで、従来のアイオノマー系カバーとバ
ラタ系カバーの複素弾性率および上記アイオノマー系カ
バーを用いたツーピースソリッドゴルフボールと上記バ
ラタ系カバーを用いた糸巻きゴルフボールの反発係数に
ついて示すと次の表1の通りである。
【0016】
【表1】
【0017】飛距離の大きいゴルフボールを得るには、
上記のように反発係数の大きいアイオノマー系カバーと
同程度の高い反発性能を持ち、かつ耐フライヤー性を高
め、フライヤーが生じるのを防止するためには、アイオ
ノマー系カバーより複素弾性率を低くする必要がある。
【0018】そのためには、ハードセグメント(硬質
相)とソフトセグメント(軟質相)とからなる熱可塑性
エラストマーを用いることが好ましく、特にスチレン系
熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。このス
チレン熱可塑性エラストマーは、熱可塑性エラストマー
の中でも、最も加硫ゴムに近い物性を有していて、複素
弾性率が低く、耐フライヤー性が最善となる。
【0019】上記熱可塑性エラストマーはカバーの基材
ポリマー(すなわち、カバーを構成する基材となるポリ
マー)中に30重量%以上含有されていることが好まし
く、耐フライヤー性をより確実に向上させるためには、
熱可塑性エラストマーを50重量%以上、さらに60重
量%以上、さらに70重量%以上含有していることが好
ましく、基材ポリマーのすべて、すなわち、100重量
%が熱可塑性エラストマーであってもよい。
【0020】この熱可塑性エラストマーを他の樹脂と組
み合わせて用いる場合、該樹脂としてはアイオノマーが
高反発性能であることから好ましい。このアイオノマー
としては、たとえば、α−オレフィンとα,β−不飽和
カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物、α−
オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽
和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中
和物またはこれらの混合物など、種々のものを用いるこ
とができるが、高反発性能を得るためには、α−オレフ
ィンとα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金
属イオン中和物が適している。これらのアイオノマーの
市販品を商品名で例示すると、たとえば、三井デュポン
ポリケミカル(株)製の「ハイミラン」、デュポン社製
の「サーリン」、エクソンケミカル社製の「アイオテッ
ク」などが挙げられ、それぞれ異なる品番が付されたも
のが何種類かずつ市販されている。
【0021】上記熱可塑性エラストマーについて詳しく
説明すると、熱可塑性エラストマーの一般的な構造は、
ハードセグメントとソフトセグメントとからなり、ソフ
トセグメントが熱可塑性エラストマー特有のゴム状弾性
を発現させ、成形加工にあたってはハードセグメントが
溶融・可塑化して成形加工性を発現させ、成形が終了す
ると硬化して、塑性変形を防止する拘束成分としての機
能を発揮する。
【0022】この熱可塑性エラストマーの好適な例とし
ては、スチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられ、こ
のスチレン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメン
トにポリスチレン、ソフトセグメントにポリブタジエ
ン、ポリイソプレンまたはポリオレフィンをもつブロッ
クコポリマーであって、ポリスチレン相(S)を両末端
相にもち、中間相にポリブタジエン相(B)をもつもの
がSBSで、ポリスチレン相(S)を両末端相にもち、
中間相にポリイソプレン相(I)をもつものがSIS
で、ポリスチレン相(S)を両末端相にもち、中間相に
ポリオレフィン相(エチレン/ブチレン=EBまたはエ
チレン/プロピレン=EP)をもつものがSEBSまた
はSEPSである。上記SEBSはSBSを、SEPS
はSISを水素添加により飽和して二重結合をなくした
ものに相当する。これらSBS、SIS、SEBS、S
EPSなどの好適な具体例をその商品名で例示すると、
SBSの市販品としては、たとえば日本合成ゴム(株)
製の「TR」シリーズがあり、SISの市販品として
は、たとえば日本合成ゴム(株)製の「SIS」シリー
ズがあり、SEBSの市販品としては、たとえば旭化成
工業(株)製の「タフテック」シリーズがあり、SEP
Sの市販品としては、たとえばクラレ(株)製の「セプ
トン」シリーズがある。
【0023】本発明において、熱可塑性エラストマーと
しては、上記スチレン系熱可塑性エラストマーが適して
いるが、それのみに限られることなく、複素弾性率が5
0〜1500kgf/cm2 の範囲内にあり、かつトリ
プソメーターによる反発弾性が50%以上のものであれ
ば用いることができるし、また、単一材料でなくても2
種以上の材料の混合によるものでも複素弾性率が50〜
1500kgf/cm2 の範囲内にあり、かつトリプソ
メーターによる反発弾性が50%以上のものであれば用
いることができる。さらに上記熱可塑性エラストマー以
外の樹脂を混合したものでも上記条件を満たすものであ
れば用いることができる。
【0024】本発明において用いるカバーには、上記基
材ポリマー以外に、必要に応じて、種々の添加剤、たと
えば顔料、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤などを添加することができる。カバーをコアに被覆す
る方法は特に限られるものではなく、たとえば、カバー
用組成物で半球殻状のハーフシェルを成形し、それを2
枚用いてコアを被覆し、加圧下で加熱成形する方法によ
ってもよいし、また、コア上にカバー用組成物を直接射
出成形する方法によってもよい。カバーの厚みは特に限
定されるものではないが、通常0.8〜3.5mm程度
が適している。
【0025】上記コアはソリッドコア、糸巻きコアのい
ずれであってもよい。ソリッドコアは、1層構造のもの
はもとより、2層構造以上のものであってもよく、たと
えば、ポリブタジエンを主材とするゴム組成物の加硫成
形体が用いられる。また、糸巻きコアは、センターと該
センターの周囲に糸ゴムを延伸状態で巻き付けることに
よって形成された糸ゴム層とで構成されるが、この糸巻
きコアとしては、ゴム組成物の加硫成形体からなるソリ
ッドセンターを用いたものであってもよいし、また、
水、ペーストなどのリキッドを加硫ゴム製のセンターカ
バー内に封入したリキッドセンターを用いたものであっ
てもよい。
【0026】カバーを被覆した後のゴルフボールは、そ
のボールコンプレッションが2.2〜4.5mm、特に
2.5〜4.0mmであることが好ましい。このボール
コンプレッションは、ボールに初荷重10kgfを負荷
した状態から終荷重130kgfを負荷した時までのボ
ールの変形量をmm単位で表したものであり、このボー
ルコンプレッションが2.2mmより小さい場合は打球
時の感触が硬いものになり、逆にボールコンプレッショ
ンが4.5mmより大きい場合は、ボールが軟らかくな
りすぎ、反発性能が低下して、飛距離が小さくなるおそ
れがある。
【0027】つぎに、本発明のゴルフボールの代表的な
一例を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明のゴル
フボールの一例を模式的に示す断面図であり、この図1
に示すゴルフボールは、ゴム組成物の加硫成形体からな
るコア1と該コア1を被覆するカバーとからなるソリッ
ドゴルフボールである。コア1はソリッドコアと呼ばれ
るものであるが、特に特定のものに限られることはな
く、たとえば、ポリブタジエンを主材とするゴム組成物
の球状加硫成形体が用いられる。
【0028】カバー2は、昇温速度4℃/分で測定され
る周波数10Hzでの動的粘弾性の温度分散曲線におい
て動歪5%における−10℃の複素弾性率が50〜15
00kgf/cm2 で、トリプソメーターによる反発弾
性が50%以上の物性をもつものであり、その表面には
ディンプル2aが設けられている。このディンプル2a
は、必要に応じ、あるいは所望とする特性が得られるよ
うに、適した個数、態様でカバー2の表面に設けられ、
また、ボール表面には必要に応じてペイントやマーキン
グなどが施される。この図1にゴルフボールでは、コア
1は1層構造のゴム組成物の加硫成形体からなるが、そ
れに代えて、たとえば、ポリブタジエンを主材とするゴ
ム組成物の加硫成形体からなる内部コアの周囲にさらに
ポリブタジエンを主材とするゴム組成物の加硫成形体か
らなる外部コアを形成した2層構造のソリッドコアであ
ってもよいし、また、糸巻きコアを用いて糸巻きゴルフ
ボールとしてもよい。
【0029】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0030】実施例1〜5 つぎの〜に示す工程を経て、実施例1〜5のゴルフ
ボールを作製した。コアの作製: ポリブタジエン〔日本合成ゴム(株)
製、BR−11(商品名)〕100重量部に対して、ア
クリル酸亜鉛30重量部、酸化亜鉛20重量部、ジクミ
ルパーオキサイド1重量部および老化防止剤〔吉富製薬
(株)製、ヨシノックス425(商品名)〕0.5重量
部を配合したゴム組成物を金型に充填し、150℃で3
0分間加硫して直径39.0mmのソリッドコアを作製
した。
【0031】カバー用組成物の調製:表2に示す組成
の配合材料を二軸混練型押出機により160〜180℃
でミキシングして、ペレット状のカバー用組成物を調製
した。表中に記載の各材料の配合量は重量部である。ま
た、表中には使用した材料をSBS、SIS、SEBS
などの略号やアイオノマーという総称名で表示している
ので、それらの詳細を先に説明する。
【0032】SBS:日本合成ゴム(株)製のTR27
87(商品名)、両末端相にポリスチレン相をもち、中
間相にポリブタジエン相をもつブロックコポリマー SIS:日本合成ゴム(株)製のSIS5000(商品
名)、両末端相にポリスチレン相をもち、中間相にポリ
イソプレン相をもつブロックコポリマー SEPS:クラレ(株)製のセプトン2002(商品
名)、両末端相にポリスチレン相をもち、中間相にポリ
オレフィン相をもつブロックコポリマー アイオノマー:三井デュポンポリケミカル(株)製のハ
イミラン1706(商品名)、エチレン−メタクリル酸
共重合体のナトリウムイオン中和物
【0033】上記のようにして調製したカバー用組成物
の複素弾性率および反発弾性を測定した。その結果も表
2に示す。複素弾性率、反発弾性の測定方法はそれぞれ
次の通りある。
【0034】複素弾性率:粘弾性スペクトロメーターと
して島津製作所(株)社製DVA−200を用い、周波
数10Hz、昇温速度4℃/分で動的粘弾性を測定し、
その温度分散曲線を作成し、動歪5%(ただし、片振
幅)における−10℃の複素弾性率を求める。
【0035】反発弾性:ダンロップトリプソメーターに
より温度23℃での反発弾性を測定する。
【0036】
【表2】
【0037】ゴルフボールの作製:前記で作製した
ソリッドコアに上記で調製したカバー用組成物を射出
成形して、外径42.7mmのゴルフボールを作製し
た。
【0038】得られたゴルフボールについて、飛距離、
ボールコンプレッションおよび耐フライヤー性を調べ
た。その結果を後記の表3に示す。なお、表3には使用
したカバー材料の概略、カバー物性(複素弾性率および
反発弾性)についても示す。上記飛距離、ボールコンプ
レッションおよび耐フライヤー性の測定方法はそれぞれ
次の通りである。
【0039】飛距離:ツルーテンパー社製スイングロボ
ットにウッド1番クラブを取り付け、ボールをヘッドス
ピード45m/secで打撃して落下点までの距離を測
定する。飛距離の測定は8個のボールについて行い、そ
の平均値を求める。
【0040】ボールコンプレッション:ボールに初荷重
10kgfをかけた時から終荷重130kgfをかけた
時までの変形量を測定する。
【0041】耐フライヤー性:ピッチングウェッジによ
りティーにボールを乗せてショットした場合のショット
直後のスピン量P1 と深さ4cmのラフでショットした
場合のショット直後のスピン量P2 を測定し、P2 /P
1 ×100を耐フライヤー性とする。この値が100に
近いほど耐フライヤー性が良く(つまり、フライヤーが
生じにくい)、この値が0に近いほど耐フライヤー性が
悪い(つまり、フライヤーが生じやすい)ことを示す。
この耐フライヤー性は上級プレイヤー10人が実打した
場合の平均点で表す。
【0042】比較例1〜3 アイオノマー系カバーを用いた市販のツーピースソリッ
ドゴルフボール、アイオノマー系カバーを用いた市販の
糸巻きゴルフボールおよびバラタ系カバーを用いた市販
の糸巻きゴルフボールを入手し、それぞれを比較例1、
比較例2および比較例3とした。
【0043】これらの比較例1〜3のゴルフボールにつ
いても、前記実施例1と同様にカバーの複素弾性率、反
発弾性およびボール特性(飛距離、ボールコンプレッシ
ョンおよび耐フライヤー性)を調べ、その結果を表4に
示した。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】表3に示す実施例1〜5のボール特性と表
4に示す比較例1〜3のボール特性との対比から明らか
なように、実施例1〜5は、耐フライヤー性を示す数値
が高く、アイオノマー系カバーを用いた市販のツーピー
スソリッドゴルフボールである比較例1やアイオノマー
系カバーを用いた市販の糸巻きゴルフボールである比較
例2に比べて、耐フライヤー性が優れており、バラタ系
カバーを用いた市販の糸巻きゴルフボールである比較例
3と同等またはそれ以上の耐フライヤー性を有してい
た。また、実施例1〜5は、アイオノマー系カバーを用
いた市販のツーピースソリッドゴルフボールである比較
例1やアイオノマー系カバーを用いた市販の糸巻きゴル
フボールである比較例2と同等の飛距離を有していて、
実施例1〜5は、高反発性能で、飛距離が大きく、かつ
耐フライヤー性が良好で、ラフからのショットでもフラ
イヤーが生じにくいことを示していた。
【0047】これに対して、アイオノマー系カバーを用
いた市販のツーピースソリッドゴルフボールである比較
例1やアイオノマー系カバーを用いた市販の糸巻きゴル
フボールである比較例2は、耐フライヤー性が悪く、バ
ラタ系カバーを用いた市販の糸巻きゴルフボールである
比較例3は、耐フライヤー性は良好であるものの、飛距
離が実施例1〜5のゴルフボールに比べて劣っていた。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、高反
発性能で、飛距離が大きく、かつ耐フライヤー性が良好
で、ラフからのショットでもフライヤーが生じにくいゴ
ルフボールを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴルフボールの一例を模式的に示す断
面図である。
【符号の説明】
1 コア 2 カバー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアと該コアを被覆するカバーを有する
    ゴルフボールであって、上記カバーが、昇温速度4℃/
    分で測定される周波数10Hzでの動的粘弾性の温度分
    散曲線において動歪5%における−10℃の複素弾性率
    が50〜1500kgf/cm2 であり、かつトリプソ
    メーターによる反発弾性が50%以上であることを特徴
    とするゴルフボール。
  2. 【請求項2】 カバーの基材ポリマーが、該基材ポリマ
    ー中に熱可塑性エラストマーを30重量%以上含有する
    ものである請求項1記載のゴルフボール。
  3. 【請求項3】 熱可塑性エラストマーが、スチレン系熱
    可塑性エラストマーである請求項2記載のゴルフボー
    ル。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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