JPH10305094A - 送血カニューレおよび送血器具 - Google Patents

送血カニューレおよび送血器具

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JPH10305094A
JPH10305094A JP9119835A JP11983597A JPH10305094A JP H10305094 A JPH10305094 A JP H10305094A JP 9119835 A JP9119835 A JP 9119835A JP 11983597 A JP11983597 A JP 11983597A JP H10305094 A JPH10305094 A JP H10305094A
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blood
cannula
feeding
supply
balloon
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JP9119835A
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Shoji Eguchi
昭治 江口
Nobumasa Tsutsui
宣政 筒井
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BUAAYU KK
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BUAAYU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送血時には十分な量の血液を送出可能で、送
血停止時には血管内へ挿入した状態のままでも患者の自
己血流を妨げにくい送血カニューレと、この送血カニュ
ーレを容易に血管内へ挿入可能とした送血器具を提供す
ること。 【解決手段】 送血器具1は、送血カニューレ2と支持
体3とで構成され、送血カニューレ2は、柔軟なチュー
ブ部10とチューブ部10に固定されたコネクタ部12
からなる。チューブ部10の肉厚は、約0.03〜0.
1mmというきわめて薄いもので、外圧によって容易に
押し潰される。支持体3は、送血カニューレ2の内部に
挿入され、支持体3の先端部22が送血カニューレ2の
血液放出口16から突出する位置まで挿入され、送血カ
ニューレ2の血液放出口16付近に引っかかっている。
また、支持体3の内腔26には、ガイドワイヤ30を挿
通可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液の体外循環を
実施する際に使用される送血カニューレに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、患者の呼吸不全や循環不全へ
の対応処置として、PCPS(経皮的人工心肺装置)が
使われている。このPCPSは、人工心肺を用いて血液
の体外循環を行うことにより、患者の心臓および肺にか
かる負荷を軽減するものである。
【0003】ところで、PCPSでは、通常、患者の血
液が、経皮的に挿入される脱血カニューレを使って右心
房付近から取り出され、人工肺を経由させた後、経皮的
に挿入される送血カニューレを使って大動脈内へと戻さ
れていた。しかし、PCPSでは、患者の心臓および肺
の機能をすべて代行してしまうため、例えば右心機能の
みが低下しているような症例であっても、強制的に肺や
左心の機能まで補助されてしまうという欠点があった。
また、PCPSによって患者の肺や左心への送血量が相
対的に低下すると、その分だけ、肺から左心にかけての
範囲では血液が滞留しやすくなるため、血栓の発生要因
になる恐れもあった。
【0004】そこで、本発明者は、脱血カニューレを使
って右心房から吸入した血液を、送血カニューレを使っ
て肺動脈内に送出することにより、右心系の補助のみを
行うことを考えた。このような補助循環を実施できれ
ば、右心に対する補助だけが効果的に行われ、肺や左心
に対する過剰な補助は行われなくなり、また、肺から左
心にかけての範囲における血液の滞留も防止できるもの
と期待される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如き右心系に対する補助循環を実現するには、以下に述
べるような問題があった。まず、このような補助循環を
実施するに当たっては、送血カニューレの血液放出口を
肺動脈内に配置する必要が生じる。そのため、送血カニ
ューレを経皮的に挿入しようとすれば、例えば大静脈側
から右心房、右心室を経て肺動脈内に到達させざるを得
ず、あまり細い送血カニューレでは十分な量の血液を肺
動脈内へ送出できないため、有意な補助を実施できない
という問題があるものの、あまり太い送血カニューレを
挿入すると、右心系における自己血流を妨げることにな
って、場合によっては、かえって右心機能の回復を阻害
する恐れがあった。
【0006】また、既存の送血カニューレは、一般に、
湾曲させても容易には内腔が押し潰されない程度の強度
を備えているが、それ故、大静脈側から右心房、右心室
を経て肺動脈に至るような形状に湾曲さ得るほどの柔軟
性がなく、このような送血カニューレを無理に使用する
と、右心房や右心室内において心臓内壁を傷つけるなど
の問題を招く恐れもあった。
【0007】本発明は、上記諸問題を解決するためにな
されたものであり、その目的は、送血時には十分な量の
血液を送出可能で、しかも、送血停止時には血管内へ挿
入した状態のままでも患者の自己血流を妨げにくい送血
カニューレを提供すること、また、きわめて柔軟に湾曲
させることができて、大静脈側から肺動脈内に到達させ
ることも容易な送血カニューレを提供すること、更に、
このような送血カニューレを備えるとともに容易に血管
内へ挿入可能な送血器具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段、および発明の効果】上述
の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、長尺
で柔軟な管状体で、近位端を体外に残して血管内に挿入
され、近位端の血液注入口から注入される血液を、遠位
端の血液放出口から放出可能な送血カニューレにおい
て、血液を注入すると外部からの圧力に抗して拡張する
一方、血液の注入を停止すると外部からの圧力によって
押し潰される構造とされていることを特徴とする。
【0009】この送血カニューレは、血液を注入すると
外部からの圧力に抗して拡張する一方、血液の注入を停
止すると外部からの圧力によって押し潰される構造とさ
れている点に特徴があるが、そのような構造については
種々のものが考えられる。より具体的には、例えばカニ
ューレの肉厚を薄くすることにより柔軟性を向上させる
ことができ、特に本発明者が実験的に検討した結果によ
れば、テフロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイ
ロン、ポリウレタン、塩化ビニルなどの医療器具に適し
た樹脂材料でカニューレを作製した場合には、請求項2
記載のように、血管内へ挿入される部分は、外径が3m
m〜12mmで、管をなす壁面の肉厚が、0.03mm
〜0.1mmとされていると、きわめてスムーズに十分
な量の血液を送出することができ、しかも血液の送出を
停止すると、きわめて柔軟に外圧によって押し潰される
ことが確認された。ちなみに、既存の送血カニューレ
は、一般に外圧を受けても内腔が閉塞されないような強
度とされるため、かなり肉厚の薄いものでも0.3mm
を超える肉厚があり、送血を停止しても押し潰されるこ
とはない。
【0010】もちろん、この他にも、例えばカニューレ
を形成するための樹脂材料自体についてより柔軟な材料
を選択する、カニューレの外面または内面の一部に溝状
の折り目をつけておいてその折り目で折り畳まれやすい
ものとする、あるいは、内部に圧力がかからない状態で
は内腔が閉塞されてしまうような形状にあらかじめ成形
しておいて血液注入時の圧力によって拡張するといった
構造を、単独であるいは適宜組み合わせて採用すれば、
血液を注入すると外部からの圧力に抗して拡張する一
方、血液の注入を停止すると外部からの圧力によって押
し潰される構造となるものと期待される。
【0011】以上のように構成された送血カニューレに
よれば、内部に血液を注入すると、その血液の圧力によ
ってカニューレ本体が拡張するため、必要時には十分な
量の血液を送出することができる。一方、血液の注入を
停止した際には、カニューレ本体が挿入されている血管
内の圧力(患者の血圧)によってカニューレ本体が押し
潰されるため、カニューレ外周と血管内周との間隙が広
がることになり、送血カニューレによって送血を行って
いる時よりも患者の自己血流を妨げにくくなる。また、
カニューレが外圧によって容易に押し潰される程度の強
度しか備えておらず、その分きわめて柔軟性に富んでい
るため、既存の送血カニューレに比べると、比較的大き
く湾曲した経路であっても問題なく通過させることがで
きる。
【0012】したがって、このような送血カニューレ
を、例えば大腿静脈などから挿入して、大静脈、右心
房、右心室を経て肺動脈内に到達させれば、十分な量の
血液を肺動脈内へ送出することができ、右心房から脱血
を行う脱血カニューレと組み合わせて使用することによ
り、上述の如き右心系に対する補助循環のみを実施する
ことができる。また、送血カニューレによる送血を停止
すれば、その時は、送血カニューレが押し潰されて、右
心系における自己血流を妨げることがない状態になるの
で、ある程度の割合で送血カニューレによる送血を停止
したり、患者の容態の回復を見ながら送血カニューレに
よる送血を停止すれば、直ちに送血カニューレを抜去し
なくても、右心機能の回復を阻害することはない。ま
た、この送血カニューレは、大静脈側から右心房、右心
室を経て肺動脈に至るような形状に湾曲させることが容
易であるので、送血カニューレの使用時に右心房や右心
室内において心臓内壁を傷つけるといった問題も招きに
くい。
【0013】ところで、本発明の送血カニューレは、上
述のようにかなり柔軟なものであるため、手元側の操作
によってカニューレ本体のみを血管内へ押し込んでも、
カニューレが血管内で折れ曲がる恐れがある。したがっ
て、このようなカニューレをうまく血管内へ挿入するた
めには、例えばスタイレットなど、カニューレ本体に挿
入可能な支持体を備えているとよい。但し、送血カニュ
ーレを大静脈側から挿入して、右心房、右心室を通して
肺動脈内に到達させるには、かなり湾曲した経路を誘導
する必要があるので、単なる棒状のスタイレットでは、
かなり操作が難しくなるとも考えられる。
【0014】そこで、例えば請求項3記載の送血器具の
ように、請求項1または請求項2記載の送血カニューレ
と、該送血カニューレよりも長尺な可撓性を有する部材
であって、内部にはガイドワイヤを挿通可能な内腔が形
成され、前記送血カニューレの血液注入口から当該送血
カニューレ内へ挿入され、先端部付近が前記送血カニュ
ーレの血液放出口を通過不能な形状で前記送血カニュー
レの血液注入口側からのみ抜去可能な支持体とを備えて
いるとよい。
【0015】このような送血器具は、支持体を送血カニ
ューレ内に挿入した状態で血管内へ挿入される。血管内
への挿入に当たっては、ガイドワイヤをあらかじめ送血
カニューレの挿入部位から挿入して目的とする位置に到
達させ、そのガイドワイヤを支持体の内腔に導入しつ
つ、ガイドワイヤに沿わせて血管内へ挿入される。支持
体の先端部付近は、送血カニューレの遠位端側の血液放
出口を通過不能な形状にされているため、手元側におい
て支持体を押し進めれば、支持体の先端部付近が送血カ
ニューレの遠位端に引っかかり、送血カニューレは支持
体の進行方向へと引っ張られることになる。したがっ
て、この送血器具の進行経路が湾曲していても、送血器
具はガイドワイヤに沿ってスムーズに誘導される。ま
た、送血器具が目的とする位置に到達したら、支持体は
送血カニューレから抜去される。したがって、この状態
では、送血カニューレの内腔を介して送血を行うことが
でき、送血を停止すれば送血カニューレの内腔が押し潰
されて、自己血流の妨げとならない状態になる。
【0016】また、請求項4記載の送血器具のように、
請求項1または請求項2記載の送血カニューレと、該送
血カニューレよりも長尺な可撓性を有する部材であっ
て、内部にはガイドワイヤを挿通可能な第1内腔および
流体の給排路となる第2内腔が形成され、前記送血カニ
ューレ内へ挿入され、先端部には前記第2内腔を介して
給排される流体により拡張および収縮するバルーンが配
設された支持体を備え、前記バルーンを拡張させた際
に、該バルーンが前記送血カニューレ内部に圧接し、前
記支持体が前記送血カニューレに対して移動不能となる
ものでもよい。
【0017】このような送血器具も、請求項2記載のも
のと同様に、支持体を送血カニューレ内に挿入した状態
で血管内へ挿入されるが、特に第2内腔を介してバルー
ン内に流体を供給してバルーンを拡張させることによ
り、バルーンを送血カニューレの内部に圧接させて、支
持体と送血カニューレとが相対的に移動不能とされる。
血管内への挿入に当たっては、請求項2記載のものと同
様に、ガイドワイヤをあらかじめカニューレの挿入部位
から挿入して目的とする位置に到達させ、そのガイドワ
イヤを支持体の第1内腔に導入しつつ、ガイドワイヤに
沿わせて血管内へ挿入される。支持体は、バルーンが圧
接することにより、送血カニューレに対して移動しない
状態にあるため、手元側において支持体を押し進めれ
ば、支持体とともに送血カニューレは支持体の進行方向
へと進められることになる。したがって、送血器具の進
行経路が湾曲していても、送血器具はガイドワイヤに沿
ってスムーズに誘導される。また、送血器具が目的とす
る位置に到達したら、第2内腔を介してバルーン内から
流体を排出させてバルーンを収縮させ、支持体は送血カ
ニューレから抜去される。したがって、この状態では、
送血カニューレの内腔を介して送血を行うことができ、
送血を停止すれば送血カニューレの内腔が押し潰され
て、自己血流の妨げとならない状態になる。
【0018】更に、請求項3または請求項4に記載した
ような支持体を用いることなく血管内へ挿入するには、
請求項5記載の送血器具のように構成してもよい。すな
わち、請求項5記載の送血器具は、請求項1または請求
項2記載の送血カニューレと、該送血カニューレの近位
端側から遠位端側へと延び、近位端側から供給される流
体を遠位端側へと給送可能な流体給排路と、該送血カニ
ューレの遠位端に配設され、前記流体給排路を介して給
排される流体により拡張および収縮するバルーンとを備
えたことを特徴とする。
【0019】このような送血器具は、血管内への挿入後
に流体給排路を介してバルーン内に流体を供給してバル
ーンを拡張させ、その状態で順次血管内へと押し込まれ
る。これにより、バルーンは血流に押し流されることに
なり、その結果、送血器具の進行経路が湾曲していて
も、送血器具は血流に乗ってスムーズに誘導される。ま
た、送血器具が目的とする位置に到達したら、流体給排
路を介してバルーン内から流体を排出させ、バルーンは
収縮させられる。この状態では、送血カニューレの内腔
を介して送血を行うことができ、送血を停止すれば送血
カニューレの内腔が押し潰されて、自己血流の妨げとな
らない状態になる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
一例を挙げて説明する。図1(a)に示すように、送血
器具1は、送血カニューレ2と、送血カニューレ2の内
部に挿入された支持体3とを備えてなる。
【0021】送血カニューレ2は、図1(b)に示すよ
うに、遠位端側が僅かに絞り込まれたポリエチレン製の
柔軟なチューブ部10と、チューブ部10の近位端側に
固定されたポリカーボネート製のコネクタ部12からな
り、コネクタ部12の端面には、チューブ部10の血液
注入口14が形成され、一方、チューブ部10の端面に
は、血液放出口16が形成されている。チューブ部10
は、同一形状が連続する部分を省略して図示してある
が、実際は、全長が約500mm〜1000mmとされ
ている。また、チューブ部10は、最も太い部分の外径
が約3mm〜12mmで、管を形成するフィルムの肉厚
は、約0.03〜0.1mmというきわめて薄いもので
ある。そのため、従来の送血カニューレとは異なり、内
圧がかからない状態においては、その断面形状を維持で
きない程度の強度しか有しておらず、きわめて柔軟に湾
曲ないし屈曲するとともに、外圧によって容易に押し潰
される。
【0022】一方、支持体3は、ポリエチレン製で、図
1(c)に示すように、送血カニューレ2よりも僅かに
長い軸部20と、血管内での前進をよりスムーズにする
ために、軸部20の遠位端側を細く絞り込んで形成され
た先端部22と、軸部20の近位端側に設けられた操作
端部24とからなり、これらの内部を長手方向に貫通す
る形で内腔26が形成されている。
【0023】この支持体3は、送血カニューレ2の内部
に送血カニューレ2の近位端側から挿入され、図2に示
すように、支持体3の先端部22が送血カニューレ2の
血液放出口16から突出する位置まで挿入され、その位
置まで挿入されたところで送血カニューレ2の血液放出
口16付近に引っかかる。また、支持体3の内腔26に
は、図示のようにガイドワイヤ30を挿通可能である。
【0024】次に、この送血器具1の使用方法について
説明する。まず、準備作業として、大腿静脈をシースに
て穿刺し、スワンガンツカテーテルをシースより挿入す
る。スワンガンツカテーテルは、先端部に小気球を有す
るカテーテルで、その先端部の小気球が血流に乗って血
管内を移動することにより、大腿静脈から下大静脈、右
心房、右心室を経て肺動脈にまで誘導される。スワンガ
ンツカテーテルの先端部が確実に肺動脈内に入ったら、
スワンガンツカテーテルを固定し、スワンガンツカテー
テルの内腔にガイドワイヤを挿入する。ガイドワイヤ
は、スワンガンツカテーテルの内腔に沿って押し進めら
れ、最終的には先端部が肺動脈内に入る。この状態にお
いて、スワンガンツカテーテルを抜き去ると、ガイドワ
イヤだけが血管内に残され、送血器具1を挿入する準備
が完了する。
【0025】以上の準備作業が完了したら、図3に示す
ように、支持体3の内腔26にガイドワイヤ30を通し
つつ、送血器具1を大腿静脈FV内に挿入する。送血器
具1は、ガイドワイヤ30に沿って押し進められ、下大
静脈IVCから右心房RA、右心室RVを経て肺動脈P
Aにまで誘導される。そして、送血器具1の先端が確実
に肺動脈内に入ったら、送血カニューレ2だけを残し
て、支持体3およびガイドワイヤ30を体外へ抜去す
る。
【0026】一方、こうして留置される送血カニューレ
2とは別に、図4に示すように、脱血カニューレ32を
上大静脈SVC側から挿入して、その先端を右心房RA
に到達させる。なお、この脱血カニューレ32について
は、従来よりPCPS等において使用されているものを
用いればよい。また、送血カニューレ2および脱血カニ
ューレ32は、血液ポンプ34に接続される。血液ポン
プ34は、図4中に矢印で示したように、脱血カニュー
レ32を介して吸入した血液を送血カニューレ2を介し
て送出する装置であり、本実施形態においては、心臓の
収縮期に血液を送出する一方、心臓の拡張期には血液の
送出を停止するように、心電図に同期させて駆動され
る。これにより、肺動脈PA内における血圧パターン
を、右心本来の動きによって発生するパターンと一致さ
せることができる。
【0027】以上のような送血カニューレ2によれば、
血液ポンプ34から血液が注入されると、その血液の圧
力によって拡張するため、必要時には十分な量の血液を
送出することができる。一方、血液ポンプ34からの血
液の注入を停止した際には、図5に示すように、患者の
血圧によって送血カニューレ2が押し潰されるため、カ
ニューレ外周と血管内周との間隙が広がることになり、
送血カニューレ2によって送血を行っている時よりも、
図示矢印方向への患者の自己血流を妨げにくくなる。
【0028】したがって、このような送血カニューレ2
を脱血カニューレ32および血液ポンプ34と組み合わ
せて使用することにより、右心系に対する補助循環を実
施することができる。また、この送血カニューレ2は、
きわめて柔軟性に富んでいて、既存の送血カニューレに
比べると、下大静脈IVC側から右心房RA、右心室R
Vを経て肺動脈PAに至るような形状に湾曲させること
が容易であり、送血カニューレ2の使用時に右心房RA
や右心室RV内において心臓内壁を傷つけるといった問
題も招きにくい。
【0029】更に、送血器具1は、ガイドワイヤ30を
挿通可能な支持体3を備えているので、送血カニューレ
2自体の剛性がきわめて低いにもかかわらず、送血カニ
ューレ2をガイドワイヤ30沿いに誘導でき、しかも、
送血カニューレ2による送血を行う際には、支持体3だ
けを抜去することで、支持体3が送血の障害となること
もない。
【0030】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明の実施形態については上記一例以外にも種々
考えられる。以下、有用な変形例について説明する。例
えば、上記送血器具1では、支持体3の先端部22の付
近が送血カニューレ2の血液放出口16を通過不能な形
状とされ、この部分を送血カニューレ2に引っかけて送
血カニューレ2を血管内へ押し込むように構成されてい
たが、これ以外の支持体を使っても構わない。
【0031】より具体的には、例えば図6に示す送血器
具40のように、上記同様の送血カニューレ2と、送血
カニューレ2よりも長尺な可撓性を有する部材であっ
て、内部にはガイドワイヤ30を挿通可能な第1内腔4
2および流体の給排路となる第2内腔44が形成され、
先端部には第2内腔44を介して給排される流体により
拡張および収縮するバルーン46が配設された支持体5
0とを備えていてもよい。 このような送血器具40
も、支持体50を送血カニューレ2内に挿入した状態で
血管内へ挿入されるが、特に第2内腔44を介してバル
ーン46内に流体を供給してバルーン46を拡張させる
ことにより、バルーン46を送血カニューレ2の内部に
圧接させて、支持体50と送血カニューレ2とが相対的
に移動不能とすることができる。したがって、手元側に
おいて支持体50を押し進めれば、支持体50とともに
送血カニューレ2を支持体50の進行方向へと押し進め
ることができる。
【0032】また、これらの支持体3、50を用いるこ
となく、送血カニューレ2を血管内へ挿入可能に構成す
ることもできる。より具体的には、例えば図7に示す送
血器具60のように、上記同様の送血カニューレ62
と、送血カニューレ62の近位端側から遠位端側へと延
び、近位端側から供給されるガスを遠位端側へと給送可
能な流体給排路をなす給排気チューブ64と、送血カニ
ューレ62の遠位端に配設され、給排気チューブ64を
介して給排されるガスにより拡張および収縮するバルー
ン66とを備えていればよい。 このような送血器具6
0によれば、図8に示すように、血管内への挿入後に、
シリンジ68を使って給排気チューブ64を介してバル
ーン66内にガスを供給することにより、バルーン66
を拡張させ、その状態で順次血管内へと押し込むことに
より、バルーン66を図示矢印方向へ流れる血流に乗せ
て、送血カニューレ62の遠位端を肺動脈PAに到達さ
せることができる。したがって、きわめて柔軟な送血器
具60であっても、支持体を使うことなく血管内に挿入
することができる。なお、送血カニューレ62の遠位端
が肺動脈PAに到達したら、給排気チューブ64を介し
てバルーン66内からガスを排出させれば、バルーン6
6を収縮させることができるので、バルーン66が血流
を妨げることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態として例示した送血器具であり、
(a)は送血器具全体の側面図、(b)は送血カニュー
レの側面図、(c)支持体の側面図である。
【図2】 送血器具の遠位端側の縦断面図である。
【図3】 送血器具の使用方法を説明する第1の模式図
である。
【図4】 同じく送血器具の使用方法を説明する第2の
模式図である。
【図5】 同じく送血器具の使用方法を説明する第3の
模式図である。
【図6】 第1の変形例として例示した送血器具の遠位
端側の縦断面図である。
【図7】 第2の変形例として例示した送血器具の遠位
端側の縦断面図である。
【図8】 第2の変形例として例示した送血器具の使用
方法を説明する模式図である。
【符号の説明】
1,40,60・・・送血器具、2,62・・・送血カ
ニューレ、3,50・・・支持体、10・・・チューブ
部、12・・・コネクタ部、14・・・血液注入口、1
6・・・血液放出口、20・・・軸部、22・・・先端
部、24・・・操作端部、26・・・内腔、30・・・
ガイドワイヤ、42・・・第1内腔、44・・・第2内
腔、46,66・・・バルーン、64・・・給排気チュ
ーブ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺で柔軟な管状体で、近位端を体外に
    残して血管内に挿入され、近位端の血液注入口から注入
    される血液を、遠位端の血液放出口から放出可能な送血
    カニューレにおいて、 血液を注入すると外部からの圧力に抗して拡張する一
    方、血液の注入を停止すると外部からの圧力によって押
    し潰される構造とされていることを特徴とする送血カニ
    ューレ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の送血カニューレにおい
    て、 血管内へ挿入される部分は、外径が3mm〜12mm
    で、管をなす壁面の肉厚が、0.03mm〜0.1mm
    とされていることを特徴とする送血カニューレ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の送血カニ
    ューレと、 該送血カニューレよりも長尺な可撓性を有する部材であ
    って、内部にはガイドワイヤを挿通可能な内腔が形成さ
    れ、前記送血カニューレの血液注入口から当該送血カニ
    ューレ内へ挿入され、先端部付近が前記送血カニューレ
    の血液放出口を通過不能な形状で前記送血カニューレの
    血液注入口側からのみ抜去可能な支持体とを備えたこと
    を特徴とする送血器具。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載の送血カニ
    ューレと、 該送血カニューレよりも長尺な可撓性を有する部材であ
    って、内部にはガイドワイヤを挿通可能な第1内腔およ
    び流体の給排路となる第2内腔が形成され、前記送血カ
    ニューレ内へ挿入され、先端部には前記第2内腔を介し
    て給排される流体により拡張および収縮するバルーンが
    配設された支持体を備え、 前記バルーンを拡張させた際に、該バルーンが前記送血
    カニューレ内部に圧接し、前記支持体が前記送血カニュ
    ーレに対して移動不能となることを特徴とする送血器
    具。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2記載の送血カニ
    ューレと、 該送血カニューレの近位端側から遠位端側へと延び、近
    位端側から供給される流体を遠位端側へと給送可能な流
    体給排路と、 該送血カニューレの遠位端に配設され、前記流体給排路
    を介して給排される流体により拡張および収縮するバル
    ーンとを備えたことを特徴とする送血器具。
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