JPH10304820A - チルド流通対応の加熱調理さや付き緑色野菜 - Google Patents

チルド流通対応の加熱調理さや付き緑色野菜

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JPH10304820A
JPH10304820A JP7140398A JP7140398A JPH10304820A JP H10304820 A JPH10304820 A JP H10304820A JP 7140398 A JP7140398 A JP 7140398A JP 7140398 A JP7140398 A JP 7140398A JP H10304820 A JPH10304820 A JP H10304820A
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pods
green vegetable
chilled
oxygen
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JP7140398A
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Asami Itou
麻美 伊藤
Masahito Kosaka
方人 小坂
Takeshi Koriyama
剛 郡山
Naoki Yamauchi
直樹 山内
Etsunori Ueda
悦範 上田
Kazuo Chiyachin
和雄 茶珍
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Nissui Corp
Original Assignee
Nippon Suisan Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱処理、凍結、解凍、照明下のチルド流通
と、さや付き緑色野菜の色、風味に影響する環境の変化
に耐性をもった加熱処理さや付き緑色野菜の提供。 【解決手段】 緑色野菜がさや付きのものであって、そ
の加熱調理品がさやの中を無酸素または微酸素状態にし
て包装されていることを特徴とするチルド流通対応の加
熱調理さや付き緑色野菜。緑色野菜がさや付きのもの、
好ましくは枝豆であって、加熱前、加熱時および/また
は加熱後に酸化防止剤を添加して加熱されたもの、また
はその凍結品を解凍し、真空吸引およびガス置換により
さやの中を無酸素または微酸素状態にして、好ましくは
透明な包装材により、必要により酸素吸収剤を同封し
て、包装されていることを特徴とするチルド流通対応の
加熱調理さや付き緑色野菜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の属する技術分野】本発明は、変色が防止されか
つ風味が保持されたチルド流通対応の加熱調理さや付き
緑色野菜に関する。より詳細には本発明は、加熱調理
し、凍結し、解凍した後に照明下にチルド流通するさや
付き緑色野菜を、変色防止かつ風味保持状態に維持する
包装品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、加熱された緑色野菜はその簡便性
から流通量が増加している。しかし加熱緑色野菜はその
緑色が変色しやすい。これは緑色成分であるクロロフィ
ルが極めて分解しやすいためであり、変色した加熱緑色
野菜は商品価値が著しく低下するため製造および流通上
の大きな問題となっている。クロロフィルの分解の主な
原因が光であることは従来より知られているが、遮光す
ることはすなわち内部を目で確認できなくなり、品質判
断の基準が失われるものである。また、遮光せずに店頭
で陳列する場合は終日照明下に置かれることになり、緑
色の変色は著しい。
【0003】ガス置換、真空包装は非常に一般的であ
り、O2による酸化、変質を防ぐ(N2、CO2)、微生
物による変質を防ぐ(CO2)、血色素安定化(O2)、
青果物呼吸抑制(N2、CO2)等を目的とする。要する
に添加物を使用せずに食品の保存期間を延長する技術で
ある。その効果と対象物としては、パン、菓子類〔主に
酵母の抑制、フライ菓子の脂質酸化抑制(N2、C
2)〕、チーズ、肉類〔生肉での血色素の退色防止
(O2)、静菌、風味維持(N2、CO2)〕、鮮魚、干
物〔鮮度保持、脂質酸化抑制(N2、CO2)血合いの退
色防止(O2)〕、生鮮野菜、果実〔鮮度保持(O2、N
2、CO2)〕、ナッツ類〔脂質酸化抑制(N2、C
2)〕、緑茶〔香りの維持、タンニン酸化抑制(N2
CO2)〕である。
【0004】緑色保持については温度と水分の影響が大
きいとされている(機能性食品包装技術ハンドブックよ
り)。加熱野菜の変色防止には、これまでにプロタミン
水溶液を用いる方法(特開平6−7083号)、コウジ
酸等を添加する方法(特開平8−56610号)などが
発明されているが、いずれも効果は充分でなく、さらな
る技術開発が求められている。また、緑色冷凍野菜の変
色防止方法として、真空包装またはガス置換包装による
方法(特開昭56−1864号)が開発されている。こ
の方法は冷凍保存中の変色防止に限られており、冷凍=
反応温度が低いため実際にはほとんど退色が問題になっ
ておらず、その効果は冷凍時ショーケースの中での緑色
保持といった程度のものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、チルドで流
通される加熱調理さや付き緑色野菜の変色防止および風
味保持を課題とする。本発明は、加熱処理、凍結、解
凍、照明下のチルド流通と、さや付き緑色野菜の色、風
味に影響する環境の変化に耐性をもった加熱処理さや付
き緑色野菜の提供を目的とする。すなわち、本発明は、
変色が防止されかつ風味が保持されたチルド流通対応加
熱処理さや付き緑色野菜の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは鋭意研究し、緑色野菜の加熱処理品の
包装商品は、チルド流通させた場合、特にさやつきのも
のでは、凍結状態での流通では見られない著しい退色現
象や香りの消失が発生すること、また、面白いことに含
気包装でもフィルムと枝豆が接触している部分では緑色
が保持されることに気づき、その原因が、雰囲気酸素に
よるものであり、枝豆のような豆類では、さやと豆の間
に間隙があり、真空包装またはガス置換包装を行っても
間隙に酸素が残存し、保存中に拡散し変色の原因となる
のではないかとの仮説を立て、それを実験で証明すると
共にその解決手段を開発し、また、酸素は風味の劣化に
も関与しており、加熱緑色野菜の変色防止と併せて香り
の保持効果を可能とする本発明を完成させたものであ
る。
【0007】本発明は、緑色野菜がさや付きのもの、好
ましくは枝豆であって、その加熱調理品がさやの中を無
酸素または微酸素状態にして包装されていることを特徴
とするチルド流通対応の加熱調理さや付き緑色野菜を要
旨としている。さらに詳細には本発明は、緑色野菜がさ
や付きのものであって、必要に応じ加熱前、加熱時およ
び/または加熱後に酸化防止剤を添加して加熱されたも
の、またはその凍結品を解凍したものであって、真空吸
引およびガス置換によりさやの中を無酸素または微酸素
状態にして、好ましくは透明な包装材により、必要に応
じ酸素吸収剤を同封して、包装されていることを特徴と
するチルド流通対応の加熱調理さや付き緑色野菜を要旨
としている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明が対象とする野菜はクロロ
フィルを含有するさや付きのもの、すなわちさや付き緑
色野菜であり、特に枝豆を挙げることができる。枝豆は
脂質含量が高く、リノール酸が多く含まれているという
特徴に基づき、クロロフィルの光酸化において発生した
ラジカルの受容体が多く、さらに脂質二次酸化生成物で
あるアルデヒドやケトンが多く生じる。つまり光による
二次的な変性である風味の変化が大きい。本発明はこの
ような枝豆を対象とする。
【0009】本発明が対象とするさや付き緑色野菜はそ
の加熱調理品である。加熱調理の方法は、調理としての
加熱の他に、ブランチング処理も含むものである。ブラ
ンチング後凍結される冷凍野菜も対象とする。調理は通
常の方法で実施されるものであれば特に限定されない。
ブランチングはボイルまたはスチームにより通常の方法
で実施されるものであれば特に限定されない。ブランチ
ング液を用いるボイルは、ブランチング液として、好ま
しくは水または食塩水が用いられる。
【0010】上記加熱調理品をさやの中を無酸素または
微酸素状態にして包装するため、加熱野菜から酸素を遮
断する方法は何でも良いが、操作性や経済性を考慮する
と真空包装またはガス置換包装が良い。包装フイルムは
ガスバリア性の高いものであれば何でも良く、置換に用
いるガスは限定されないが、食品へ使用する点から窒素
ガスまたは炭酸ガスが好ましい。
【0011】真空包装及びガス置換包装を行うに際し、
残存酸素を吸収するために酸素吸収剤を加熱野菜と同封
することが最も好ましい。この場合使用する酸素吸収剤
は食品用途のものであれば特に限定されない。真空包装
及びガス置換包装を行うに際し、残存酸素の影響を抑制
するために野菜を加熱する前、加熱時もしくは加熱後に
酸化防止剤を添加することができる。この場合使用する
酸化防止剤は限定されないが、弱アルカリ性で安定であ
るクロロフィルの性質からアスコルビン酸ナトリウム、
エリソルビン酸ナトリウムが好ましい。
【0012】本発明はチルド流通対応の加熱調理さや付
き緑色野菜であり、照明下での温度帯は少なくともチル
ド以上の温度帯である。クロロフィルと光の反応は化学
反応でありより高温で進行するため、本発明は常温で最
も効果を発揮することができる。
【0013】
【作用】本発明は酸素を遮断することにより、酸素が直
接関与するType2の経路を抑制することで、クロロ
フィルの分解を防止し、さらに風味の保持を可能とす
る。クロロフィルの分解には光のほかに酸素も関係して
おり、酸素を遮断することによりさや付き加熱緑色野菜
の変色を防止し、風味を維持する。
【0014】光と酸素及びクロロフィルの関係を説明す
ると、光とクロロフィルの反応は化1で示されるTyp
e-1の経路、化2で示されるType-2の経路があ
る。ただし、化1、化2中、Pはクロロフィル(ポルフ
ィリン環含有物質)、RHは脂質、R・はラジカル、R
OOHはハイドロパーオキサイドを表している。
【化1】
【化2】 クロロフィル(1p)は光(hν)によって励起(1
*)し、励起三重項増感物質(3p*)になる。Typ
e1では、この増感物質が油脂分子(RH)から水素ラ
ジカル(H・)を引き抜き、油脂にラジカル(R・)が
生成された自動酸化が開始する。一方Type2では増
感物質が酸素(32)と反応し、励起一重項酸素(12
*)が生成し、これが油脂分子と反応してハイドロパー
オキサイド(ROOH)ができる。生成したラジカルや
励起一重項酸素はクロロフィルを含む他の物質も酸化す
る。さらにハイドロパーオキサイドが分解するとアルデ
ヒド等になり、不快臭を発する。〔(株)光琳発行「食品
の変色の化学」参照〕。
【0015】本発明は、真空包装によってはつぶれてし
まうなどの複雑な構造を有するさや付きの緑色野菜にお
いて、野菜の形をつぶすことなくさやの中を無酸素また
は微酸素状態にすることにより、冷凍、なおかつより高
い温度帯すなわち未凍結及び凍結解凍後での緑色退色を
防止し、さらに風味保持を可能とした。酸化防止剤の添
加または/さらに酸素吸収剤の同封して、包装時に残存
した微量の酸素の影響を完全に抑制することにより、一
層効果的に、複雑な構造を有する緑色野菜の、冷凍、な
おかつより高い温度帯すなわち未凍結及び凍結解凍後で
の緑色退色を防止し、さらに風味保持を可能とした。
【0016】ブランチングした枝豆を散光下保存する
際、真空包装、ガス置換包装、ガス置換+抗酸化剤(エ
リソルビン酸塩)、ガス置換+酸素吸収剤することによ
り、クロロフィル量の減少、脂質劣化(TBA値増加が
少ない)、官能的には緑色と香りを維持した枝豆を提供
することができる。ブランチング後、冷凍し、解凍して
も良い。さや付きの加熱緑色野菜に酸化防止剤を添加も
しくは/さらに酸素吸収剤を同封し、真空包装またはガ
ス置換包装することにより、照明下での加熱野菜の変色
防止及び風味保持を達成することができる。
【0017】効果としては残存酸素量に依存する。つま
り、ガス置換+酸素吸収剤が最も有効であり、ガス置換
+抗酸化剤(エリソルビン酸塩またはアスコルビン酸
塩)、真空包装、ガス置換包装がそれに続く。真空包装
(ガス置換)のみでは、やや効果低いのは枝豆特有の組
織、すなわち、鞘部と豆部の間隙の酸素を取り除く(パ
ージする)ことが難しいからである。この枝豆特有の間
隙の酸素を除去するために酸素吸収剤が効果を発揮す
る。または間隙の酸素による酸化をエリソルビン酸塩
(アスコルビン酸塩)が防止する。 抗酸化剤のみでは
枝豆組織への浸透が充分でなく効果はない。酸素吸収剤
のみでは吸収剤の量が多く必要となることが予想され
る。真空包装はその構造上、枝豆(鞘部)の形状が変化
する。組み合わせる抗酸化剤としては今のところエリソ
ルビン酸塩、アスコルビン酸塩が最も効果が高い。遊離
型ではほとんど効果がないばかりか逆に退色を促進す
る。保存のレベルとしては6000ルクス5℃24時間
でガス置換+酸素吸収剤(又はアスコルビン酸塩)によ
りクロロフィルはほとんど残存し、TBA値の増加もな
い。一般的なショーウィンドーを換算すると2000ル
クスで5℃では72時間、10℃では36時間、15℃
では24時間に相当する。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を記すが、本発明はこ
れによりなんら制限されるものではない。
【0019】参考例1 N2置換包装の効果 枝豆の退色と他の野菜の比較 《方法》枝豆、ししとうがらし、あさつき、いんげん、
キャベツ、きぬさや、ブロッコリー、ピーマン、ほうれ
んそう、にら、しゅんぎくのそれぞれ約100gを2%
食塩水2リットルで、枝豆のみ2.5分間、他は1分間
ボイル → 放冷後、含気/N2+酸素吸収剤包装し4
℃、6200ルックスで約18時間保存→ 保存前/後
で緑色の指標である|b/a|を測定した。|b/a|
は、色彩色差計(MINOLTA CR-200)にてL,a,bを測
定したもので、|b/a|が小さいほど緑が強いと判断
される。
【0020】
【表1】
【0021】表1より、N2の包装の効果は主に2つに
分類される。 1.N2の効果大(△|b/a|≧1) 枝豆、キャベツ、きぬさや、いんげん、ししとうがらし 2.N2の効果小(△|b/a|<1) ほうれんそう、にら、しゅんぎく、あさつき、ブロッコ
リー これらの結果から、傾向として、N2の効果の大きいも
のは構造が複雑、または緑色が(もともと)うすい、と
考えられる。
【0022】参考例2 O2拡散試験 枝豆が構造上N2置換されにくいならば、N2置換後の保
存によりO2濃度の上昇がみられると考えられるので、
以下の方法で実験した。 《方法》ボイル枝豆(2%食塩水で2.5分ボイル)1
00g → 枝豆を以下(イ)(ロ)のようにし、N2
置換包装。(イ)そのまま(さや付き)(ロ)分解(豆
を出し、さやは2分する。) → 4℃、遮光して約1
8時間保存 →保存前および保存後にO2測定。結果を
表2に示す。通常の構造を有する枝豆では保存によるO
2の増加(%)が確認された。
【0023】
【表2】
【0024】参考例3 枝豆と他の野菜の比較−不快臭の指標であるTBA値の
増加散光下保存によるTBA値の増加について枝豆と他
の野菜で比較した。 《方法》枝豆、いんげん、きぬさや、キャベツ、ブロッ
コリー、ピーマン、ししとうがらし、にら、あさつき、
ほうれんそう、しゅんぎくのそれぞれ約100gを2%
食塩水2リットルで、枝豆のみ2.5分間、他は1分間
ボイル → 法令後含気包装し4℃、6200ルックス
で約18時間保存 → 保存前/保存後にTBA値を測
定した。結果を表3に示す。保存前/保存後で増加した
TBA値をマロンジアルデヒド換算した。
【0025】
【表3】
【0026】TBA値の増加が大きいものとしては、キ
ャベツ、枝豆、いんげんであった。TBA値の増加が大
きいものは香りの変化も大きい傾向にあった。また、△
TBA値(増加マロンジアルデヒドng/100g)と△|b
/a|の関係は、それぞれのサンプリングの部位が異な
るものであるため(例えば、枝豆のTBA値は可食部=
豆、|b/a|はさや)、明らかな相関はみられない
が、全体的に変色が激しいものは△TBA値も大きい傾
向にあった。
【0027】参考例4 枝豆間隙O2測定 参考例2で枝豆はN2置換時に、枝豆内部の空気が置換
されずに残り、保存中に拡散(酸素O2濃度の上昇)す
ることを明らかにした。参考例4では直接N2置換後の
枝豆間隙部ガス濃度測定を試みた。 《方法》枝豆(2%食塩水で2.5分間ボイル)100
g → N2置換包装(脱気→窒素吹き込みを2回繰り
返す) → 雰囲気ガスサンプリング → 枝豆を取り
出しすぐに水上置換で内部ガス捕集 → ガス濃度測
定。結果を表4に示す。雰囲気ガスは約99%N2置換
されていたが枝豆内部にはO2がまだ残存していること
が確認された。
【0028】
【表4】
【0029】参考例5 チルドと冷凍の退色速度 チルドと冷凍での緑色退色を比較した(4℃/−20
℃,5500〜6000ルックスで6日保存)。結果を
図1に表した。チルドでは保存1日で緑色が退色してい
るが、冷凍ではほぼ緑色が保たれている。
【0030】参考例6 必須ガス置換率について 《目的》微量のO2が色調・風味に与える影響について
検討し、残存O2の許容範囲を明らかにする。 《方法》市場より生鮮枝豆を購入し、10%食塩水で
2.5分ボイル後流水冷却した。水切り後、O2を1.
0、1.5、2.0、2.5%混合したN2ガスを用い
てガス置換包装(容積約350mlのトレー当たり枝豆
40g)し、10℃・2000Lux・72hr保存後
の色調(L.a.b)を測定し、|b/a|を求めた。
結果を図2に示した。 《結果》図2に示すとおり、ガスパック・散光下保存に
おいて生じる緑色・風味の劣化は、残存するO2濃度に
比例した。すなわち、残存O2が少ないほど緑色保持、
風味保持が可能であった。残存ガスは少ないほど良い
が、10℃・72hr・2000lux保存後に商品価
値(|b/a|≦2.4)を保持するためには、残存の
2濃度1.5%以下(ガス置換率約95%以上)が好
ましい。(ただし、残存O2量の許容範囲は、保存条件
や包装量・ヘッドスペース量により多少変化すると思わ
れる。)
【0031】参考例7 ガス置換による静菌効果について 《目的》チルド流通において微生物制御も重要な課題で
ある。枝豆をガス置換包装した場合の微生物の増殖につ
いて、特に微量O2の影響について検討した。 《方法》市販の冷凍枝豆を用い、含気、置換率95%、
置換率95%+酸素吸収剤包装(包装は上記トレー包装
と同様)し、10℃、72hr保存した。経時的に一般
生菌数(SPC)を測定した。結果を図3に示した。 《結果》図3に示すとおり、ガス置換しO2を除去する
ことで、色調・風味保持だけではなく、微生物の増殖抑
制も可能であった。この場合も、残存O2濃度が低いほ
ど静菌効果は高いことが明らかとなった。これは好気性
菌の増殖抑制によるものと考えられる。
【0032】参考例8 置換ガス組成について 《目的》ガスパックにおいて静菌効果があるCO2ガス
をN2ガスと混合して使用することがある。枝豆の場合
では、30%以上混合するとCO2が枝豆に溶解して異
味を生じることがあるため、使用するガス組成はN2
み、またはCO2を30%以下で混合したN2ガスが好ま
しい。
【0033】参考例9 嫌気性菌・特にボツリヌス菌について 食品を脱O2包装酸することで、嫌気性菌の増殖による
食中毒の可能性が考えられる。特にボツリヌス菌は危険
性が高く、その増殖防止は必須であると考えられる。し
かし本特許の対象とする食品は加熱調理されているこ
と、また、食品の水分活性の低下、温度管理等により解
決されると考えられる(食品衛生調査会食中毒部会食中
毒サーベイランス分科会の検討概要、平成9年7月10
日付け、ボツリヌス菌による食中毒及び上気道感染症様
症状が初感染症である食中毒等について参照)。
【0034】実施例1 市場より購入した枝豆を枝より切り落とし、10%食塩
水で3分ボイルした後流水冷却した。水切り後以下のよ
うに包装、4℃4200ルックスで18時間保存後、
(1)色調評価、(2)残存クロロフィル量測定を行っ
た。酸化防止剤添加区には、エリソルビン酸ナトリウム
を2%になるようにボイル液に添加した。結果を表5に
示す。
【0035】
【表5】
【0036】通常包装で照明下に保存したものは変色が
激しく、クロロフィルは保存前の44%に減少してい
た。一方真空包装及び窒素置換包装したものはほとんど
変色せず商品価値が認められ、クロロフィルも81%が
残存していた。さらに酸素吸収剤を同封または酸化防止
剤を添加することにより、完全に変色を防止したクロロ
フィル分解を抑制することが可能となった。
【0037】実施例2 市場より購入した枝豆を枝より切り落とし、10%食塩
水で3分ボイルした後流水冷却した。水切り後以下のよ
うに包装、4℃4200ルックスで18時間保存後、
(1)風味評価、(2)TBA値測定を行った。酸化防
止剤添加区には、エリソルビン酸ナトリウムを2%にな
るようにボイル液に添加した。結果を表6に示す。な
お、TBA値はマロンジアルデヒド(ng/100g)
に換算し、保存前を0とし、増加分を示した。
【0038】
【表6】
【0039】風味も色調と同様の傾向を示し、窒素置換
包装+酸素吸収剤区や酸化防止剤添加+窒素置換包装区
では、TBA値の上昇が完全に抑えられていた。真空包
装や窒素置換包装ではややTBA値の増加がみられた
が、風味は保持されていた。一方通常包装では、風味が
失われ、TBA値も大きく上昇していた。
【0040】
【発明の効果】本発明は、チルドから常温度帯で照明下
に保存された場合、変色が防止されておりかつ風味が保
持されているさや付き加熱緑色野菜を提供することがで
きる。加熱処理、凍結、解凍、照明下のチルド流通と、
さや付き緑色野菜の色、風味に影響する環境の変化に耐
性をもった加熱処理さや付き緑色野菜を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】枝豆をチルド保存した場合と冷凍保存した場合
の退色速度を表した図面である。
【図2】微量のO2が色調・風味に与える影響を表した
図面である。
【図3】ガス置換による静菌効果を表した図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 直樹 山口県山口市吉田1677−1 山口大学農学 部内 (72)発明者 上田 悦範 大阪府堺市学園町1−1 大阪府立大学農 学部内 (72)発明者 茶珍 和雄 大阪府堺市学園町1−1 大阪府立大学農 学部内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緑色野菜がさや付きのものであって、そ
    の加熱調理品がさやの中を無酸素または微酸素状態にし
    て包装されていることを特徴とするチルド流通対応の加
    熱調理さや付き緑色野菜。
  2. 【請求項2】 透明な包装材で包装されている請求項1
    のチルド流通対応の加熱調理さや付き緑色野菜。
  3. 【請求項3】 加熱調理後凍結された凍結品を解凍した
    加熱調理品である請求項1または2のチルド流通対応の
    加熱調理さや付き緑色野菜。
  4. 【請求項4】 さや付き緑色野菜が枝豆であるの請求項
    1、2または3のチルド流通対応の加熱調理さや付き緑
    色野菜。
  5. 【請求項5】 加熱前、加熱時および/または加熱後に
    酸化防止剤を添加して加熱調理された加熱調理品である
    請求項1ないし4のいずれかのチルド流通対応の加熱処
    理さや付き緑色野菜。
  6. 【請求項6】 ブランチングもしくは調理により加熱調
    理されたものである請求項5のチルド流通対応の加熱調
    理さや付き緑色野菜。
  7. 【請求項7】 ボイルまたはスチームによるブランチン
    グである請求項6のチルド流通対応の加熱調理さや付き
    緑色野菜。
  8. 【請求項8】 酸化防止剤としてアスコルビン酸ナトリ
    ウムおよび/またはエリソルビン酸ナトリウムを添加し
    たブランチング液を用いるボイルである請求項7のチル
    ド流通対応の加熱調理さや付き緑色野菜。
  9. 【請求項9】 ブランチング液が水または食塩水である
    請求項8のチルド流通対応の加熱調理さや付き緑色野
    菜。
  10. 【請求項10】 真空吸引してさやの中を無酸素または
    微酸素状態にしたものである請求項1ないし9のいずれ
    かのチルド流通対応の加熱調理さや付き緑色野菜。
  11. 【請求項11】 ガスで置換してさやの中を無酸素また
    は微酸素状態にしたものである請求項1ないし10のい
    ずれかのチルド流通対応の加熱調理さや付き緑色野菜。
  12. 【請求項12】 窒素ガスまたは炭酸ガスによるガス置
    換である請求項11のチルド流通対応の加熱調理さや付
    き緑色野菜。
  13. 【請求項13】 酸素吸収剤を同封して包装されている
    請求項1ないし12のいずれかのチルド流通対応の加熱
    調理さや付き緑色野菜。
JP7140398A 1997-03-06 1998-03-05 チルド流通対応の加熱調理さや付き緑色野菜 Pending JPH10304820A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1388296A1 (en) * 2002-08-06 2004-02-11 Nippon Suisan Kaisha, Ltd. Green soybeans whose green color is prevented from discoloring
JP2006525008A (ja) * 2003-05-08 2006-11-09 アグロイノーバ・ソシエダッド・リミターダ 保存した後に蒸す生鮮食品の準備と包装の方法および対応する包装容器

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