JPH10304812A - パンの製造方法及びそのパン生地片 - Google Patents
パンの製造方法及びそのパン生地片Info
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- JPH10304812A JPH10304812A JP13440497A JP13440497A JPH10304812A JP H10304812 A JPH10304812 A JP H10304812A JP 13440497 A JP13440497 A JP 13440497A JP 13440497 A JP13440497 A JP 13440497A JP H10304812 A JPH10304812 A JP H10304812A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、生地片の巻き込みが均一になるク
ロワッサンの製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 偏平状のパン生地片1の巻き上げ端部
に、巻き上げを容易にするための直線状の溝1aを設
け、その後、該溝1aが設けられたパン生地片1を巻き
上げるパンの製造方法。 【効果】 偏平な生地片に設けた直線状の溝が、初期の
巻き込み作用を誘発して、且つ、巻き上げを生地片の幅
方向に一定にすることができ、結果的に均一な巻き上が
りが可能となる。しかも、原料となる生地片に対して、
前もって、簡単な溝を付与することで均一な巻き上げが
でき、また大がかりな装置も不要となり効率的である。
ロワッサンの製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 偏平状のパン生地片1の巻き上げ端部
に、巻き上げを容易にするための直線状の溝1aを設
け、その後、該溝1aが設けられたパン生地片1を巻き
上げるパンの製造方法。 【効果】 偏平な生地片に設けた直線状の溝が、初期の
巻き込み作用を誘発して、且つ、巻き上げを生地片の幅
方向に一定にすることができ、結果的に均一な巻き上が
りが可能となる。しかも、原料となる生地片に対して、
前もって、簡単な溝を付与することで均一な巻き上げが
でき、また大がかりな装置も不要となり効率的である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パンの製造方法に
関し、特にクロワッサン等の巻き上げ工程を通して形成
されるパンの製造方法に関する。
関し、特にクロワッサン等の巻き上げ工程を通して形成
されるパンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、パン生地を巻き上げることにより
作られるパン、例えば、クロワッサン等のパンは根強い
人気化がある。このようなクロワッサン等の巻き上げら
れたパンを作る場合、先ず、パン生地を1枚のパン生地
片に切断し、これをロール状に丸めることで1個のクロ
ワッサンができあがる。
作られるパン、例えば、クロワッサン等のパンは根強い
人気化がある。このようなクロワッサン等の巻き上げら
れたパンを作る場合、先ず、パン生地を1枚のパン生地
片に切断し、これをロール状に丸めることで1個のクロ
ワッサンができあがる。
【0003】このように巻き上げる方法として、例え
ば、従来から特公昭63−52858号公報に開示され
た方法や、可撓性帯体を使って巻き上げる方法がある。
前者の方法は、図8に示されるように、生地片1が、一
対のローラ101,102により圧接供給されて、次の
上下一対のベルトコンベヤ体103,104を有する巻
き上げ部で巻き上げが行われるものである。具体的に
は、生地片1が、上下一対のベルトコンベヤ体103,
104の間に入ろうとする際、生地片1の先が先端軸1
04により跳ね上げられて上向きとなる。
ば、従来から特公昭63−52858号公報に開示され
た方法や、可撓性帯体を使って巻き上げる方法がある。
前者の方法は、図8に示されるように、生地片1が、一
対のローラ101,102により圧接供給されて、次の
上下一対のベルトコンベヤ体103,104を有する巻
き上げ部で巻き上げが行われるものである。具体的に
は、生地片1が、上下一対のベルトコンベヤ体103,
104の間に入ろうとする際、生地片1の先が先端軸1
04により跳ね上げられて上向きとなる。
【0004】そして、生地辺1の先(下底辺)が、反対
側に移動する上側のベルトコンベヤ体103に接触し
て、戻り方向への力を受ける。更に、そのまま送られる
と、生地片は、上下のベルトコンベヤ体の間を通過しな
がら、上側のベルトにより戻り方向に巻き込み力を受
け、巻き上げが進行していくのである。
側に移動する上側のベルトコンベヤ体103に接触し
て、戻り方向への力を受ける。更に、そのまま送られる
と、生地片は、上下のベルトコンベヤ体の間を通過しな
がら、上側のベルトにより戻り方向に巻き込み力を受
け、巻き上げが進行していくのである。
【0005】一方、後者の方法は、コンベヤベルトによ
り搬送される生地片が、可撓性帯体に接することによ
り、巻き込み力を受け巻き上げられる方法である。とこ
ろで、両者の方法とも、巻き上げに際し、必ずしも生地
片の巻き上げが幅方向に一定にならない。
り搬送される生地片が、可撓性帯体に接することによ
り、巻き込み力を受け巻き上げられる方法である。とこ
ろで、両者の方法とも、巻き上げに際し、必ずしも生地
片の巻き上げが幅方向に一定にならない。
【0006】例えば、前者の方法においては、ベルトに
より跳ね上げられた生地片の先は反対方向に移動する無
端ベルトにより最初の巻き込みが行われる。この最初の
巻き込みはクロワッサンの芯となる部分で全体を形成す
る上で極めて重要な部分である。しかし、最初の巻き込
みの切っ掛けとなる跳ね上げのタイミングが、幅方向に
不揃いとなる。そのため、芯部の巻き上げ状態が1個の
生地片の中においても一定しないのである。当然、個々
の生地片同志の芯部の巻き上げ状態も異なってくること
となる。
より跳ね上げられた生地片の先は反対方向に移動する無
端ベルトにより最初の巻き込みが行われる。この最初の
巻き込みはクロワッサンの芯となる部分で全体を形成す
る上で極めて重要な部分である。しかし、最初の巻き込
みの切っ掛けとなる跳ね上げのタイミングが、幅方向に
不揃いとなる。そのため、芯部の巻き上げ状態が1個の
生地片の中においても一定しないのである。当然、個々
の生地片同志の芯部の巻き上げ状態も異なってくること
となる。
【0007】一方、後者の方法においては、ベルト上の
生地片が、可撓性帯体に接して先端が僅かに引き上げら
れることにより、最初の巻き込みのきっかけを掴むが、
そのタイミングが、前者の方法の場合と同様に一定して
いない。従って、1個の生地片内においても、また個々
の生地片同志においても巻き上げ状態が不均一となる。
このような現象は巻き上がりが終わった商品の品質を低
下させるものである。
生地片が、可撓性帯体に接して先端が僅かに引き上げら
れることにより、最初の巻き込みのきっかけを掴むが、
そのタイミングが、前者の方法の場合と同様に一定して
いない。従って、1個の生地片内においても、また個々
の生地片同志においても巻き上げ状態が不均一となる。
このような現象は巻き上がりが終わった商品の品質を低
下させるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点の解決を意図したものである。すなわち、本発明
は、生地片の巻き込みが均一になるクロワッサンの製造
方及びそれに使用するパン生地片を提供することを目的
とする。
問題点の解決を意図したものである。すなわち、本発明
は、生地片の巻き込みが均一になるクロワッサンの製造
方及びそれに使用するパン生地片を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明者等
は、このような課題に対して、鋭意研究を重ねた結果、
パン生地片に直線状の溝を付与することで、初期の巻き
上げ状態が揃うことを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成させたものである。
は、このような課題に対して、鋭意研究を重ねた結果、
パン生地片に直線状の溝を付与することで、初期の巻き
上げ状態が揃うことを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成させたものである。
【0010】即ち、本発明は、(1)、偏平状のパン生
地片の巻き上げ端部に、巻き上げを容易にするための直
線状の溝を設け、その後、該溝が設けられたパン生地片
を巻き上げるパンの製造方法に存する。
地片の巻き上げ端部に、巻き上げを容易にするための直
線状の溝を設け、その後、該溝が設けられたパン生地片
を巻き上げるパンの製造方法に存する。
【0011】そして、本発明は、(2)、偏平状のパン
生地片の巻き上げ端部に、巻き上げを容易にするための
直線状の溝を設け、その後、巻き上げ方向に沿って水を
塗布し、水が塗布されたパン生地片を巻き上げるパンの
製造方法に存する。
生地片の巻き上げ端部に、巻き上げを容易にするための
直線状の溝を設け、その後、巻き上げ方向に沿って水を
塗布し、水が塗布されたパン生地片を巻き上げるパンの
製造方法に存する。
【0012】そしてまた、本発明は、(3)、パン生地
片が台形状で、前記溝が台形状の底辺に沿って設けられ
ている上記(1)又は(2)のパンの製造方法に存す
る。
片が台形状で、前記溝が台形状の底辺に沿って設けられ
ている上記(1)又は(2)のパンの製造方法に存す
る。
【0013】そしてまた、本発明は、(4)、パン生地
片を押圧することにより溝を設ける上記(1)又は
(2)のパンの製造方法に存する。
片を押圧することにより溝を設ける上記(1)又は
(2)のパンの製造方法に存する。
【0014】そしてまた、本発明は、(5)、偏平状の
パン生地に対して巻き上げを容易にするための溝を付与
する工程と、溝を付与されたパン生地を生地片に切断す
る工程と、切断された生地片を溝が前方になるように配
置変えする工程と、配置変えされた生地片を溝の付与さ
れた側から巻き上げる工程とよりなるパンの製造方法に
存する。
パン生地に対して巻き上げを容易にするための溝を付与
する工程と、溝を付与されたパン生地を生地片に切断す
る工程と、切断された生地片を溝が前方になるように配
置変えする工程と、配置変えされた生地片を溝の付与さ
れた側から巻き上げる工程とよりなるパンの製造方法に
存する。
【0015】そしてまた、本発明は、(6)、偏平状の
パン生地に対し巻き上げを容易にするための溝を付与す
る工程と、溝を付与されたパン生地を生地片に切断する
工程と、切断された生地片を溝が前方になるように配置
変えする工程と、配置変えされた生地片に対して水を塗
布する工程と、水が塗布されたパン生地片を溝の付与さ
れた側から巻き上げる工程とよりなるパンの製造方法に
存する。
パン生地に対し巻き上げを容易にするための溝を付与す
る工程と、溝を付与されたパン生地を生地片に切断する
工程と、切断された生地片を溝が前方になるように配置
変えする工程と、配置変えされた生地片に対して水を塗
布する工程と、水が塗布されたパン生地片を溝の付与さ
れた側から巻き上げる工程とよりなるパンの製造方法に
存する。
【0016】そしてまた、本発明は、(7)、パン生地
片がクロワッサン用の三角状のパン生地片である上記
(5)又は(6)のパンの製造方法に存する。
片がクロワッサン用の三角状のパン生地片である上記
(5)又は(6)のパンの製造方法に存する。
【0017】そしてまた、本発明は、(8)、パンの製
造方法の際の巻き上げの対象となるパン生地片であっ
て、該パン生地片の端部に巻き上げが容易になるための
直線状のする溝を設けたパン生地片に存する。
造方法の際の巻き上げの対象となるパン生地片であっ
て、該パン生地片の端部に巻き上げが容易になるための
直線状のする溝を設けたパン生地片に存する。
【0018】
【作用】本発明によれば、パン生地片に溝を付けること
で、巻き上げのきっかけを掴み易くして、しかも、生地
幅に沿って均一な巻き上げを行うことができる。
で、巻き上げのきっかけを掴み易くして、しかも、生地
幅に沿って均一な巻き上げを行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図5に基づき、本発
明のパン(クロワッサン等)の製造方法を説明する。先
ず、本発明に使用する生地片1は、偏平状の生地片1で
あり、原則的に最終的に仕上がるクロワッサンの形状の
設定の仕方により、種々の形状のものが選択される。
明のパン(クロワッサン等)の製造方法を説明する。先
ず、本発明に使用する生地片1は、偏平状の生地片1で
あり、原則的に最終的に仕上がるクロワッサンの形状の
設定の仕方により、種々の形状のものが選択される。
【0020】ここでは、例えば、図1に示すように台形
状の生地片1を例として説明する。この生地片1には、
下底辺(下底)に沿って一定の深さ及び幅を有する直線
状の溝1aが設けられている。この溝1aは、後述する
ように、生地片1を巻き上げる際、その切っ掛けを積極
的に誘発し、且つ巻き上げを生地片1の幅方向に一定に
する機能を有する部分である。
状の生地片1を例として説明する。この生地片1には、
下底辺(下底)に沿って一定の深さ及び幅を有する直線
状の溝1aが設けられている。この溝1aは、後述する
ように、生地片1を巻き上げる際、その切っ掛けを積極
的に誘発し、且つ巻き上げを生地片1の幅方向に一定に
する機能を有する部分である。
【0021】この、直線状の溝1aの断面形状は、三角
状、四角状、弧状等の種々な形状が適用されるが、要
は、ここを基点として曲げ込みが行い易くなるような溝
1aがであればよい。生地片1の下底辺からの距離は、
使用する生地片1の腰の強さ、厚さ、巻き上げ芯付近の
硬さ具合、生地片1の搬送速度、等により最適な長さが
設定される。
状、四角状、弧状等の種々な形状が適用されるが、要
は、ここを基点として曲げ込みが行い易くなるような溝
1aがであればよい。生地片1の下底辺からの距離は、
使用する生地片1の腰の強さ、厚さ、巻き上げ芯付近の
硬さ具合、生地片1の搬送速度、等により最適な長さが
設定される。
【0022】図1に、偏平な台形状(寧ろ、下記の寸法
関係では、頂点が少しくカットされた略2等辺3角形に
近い)の生地片1における溝1aの付与態様を示した。
具体的な一つの例として、生地片は、上底(上辺)が1
0mm、下底(下辺)が110mm、高さが140m
m、厚さが5mmとする。また、溝1aは、下底から4
mmの位置にあり、溝1aの深さ及び幅は3mmとす
る。生地片1は粘弾性を有することから、その特性を利
用して、円板の周端を押し付けたり、板材の端で押さえ
たりすることで、容易に溝1aを設けることができる。
円板や板材の厚さにより、生地片1の溝1aの厚みが設
定され、また押し付ける強さにより溝1aの深さが決定
される。
関係では、頂点が少しくカットされた略2等辺3角形に
近い)の生地片1における溝1aの付与態様を示した。
具体的な一つの例として、生地片は、上底(上辺)が1
0mm、下底(下辺)が110mm、高さが140m
m、厚さが5mmとする。また、溝1aは、下底から4
mmの位置にあり、溝1aの深さ及び幅は3mmとす
る。生地片1は粘弾性を有することから、その特性を利
用して、円板の周端を押し付けたり、板材の端で押さえ
たりすることで、容易に溝1aを設けることができる。
円板や板材の厚さにより、生地片1の溝1aの厚みが設
定され、また押し付ける強さにより溝1aの深さが決定
される。
【0023】さて次に、クロワッサンの製造において、
連続して搬送されてくる偏平状の生地を独立した台形状
の生地片1に形成し、一定の配置に並べ替えるまでの一
連の工程を示す。図2は、このような一連の工程を説明
するための概略図である。
連続して搬送されてくる偏平状の生地を独立した台形状
の生地片1に形成し、一定の配置に並べ替えるまでの一
連の工程を示す。図2は、このような一連の工程を説明
するための概略図である。
【0024】先ず、クロワッサン用のパン生地として油
層を含む複数の層からなる一定の厚さの生地10が常法
により成形される。一定の厚さの生地10は、圧延ロー
ラを使って延伸されてより偏平な生地10に形成される
〔図2(A)〕。形成された偏平状の生地10は、溝付
け手段、例えば溝付け用の回転板2を使って所定の場所
に直線状の溝10aが設けられる〔図2(B)〕。
層を含む複数の層からなる一定の厚さの生地10が常法
により成形される。一定の厚さの生地10は、圧延ロー
ラを使って延伸されてより偏平な生地10に形成される
〔図2(A)〕。形成された偏平状の生地10は、溝付
け手段、例えば溝付け用の回転板2を使って所定の場所
に直線状の溝10aが設けられる〔図2(B)〕。
【0025】図3は、溝付け用の回転板2を回転させ
て、搬送ベルト上の生地10に対して不連続、すなわち
飛び飛びに溝10aを付与していく方法を示す。溝10
aの深さは、回転板2の押し付け強さにより、また溝幅
は回転板2の厚みにより決定される。この例では、回転
板2の周囲には切欠部2aが設けられており、この切欠
部2aのあるところは、生地10に溝10aが付与され
ない。
て、搬送ベルト上の生地10に対して不連続、すなわち
飛び飛びに溝10aを付与していく方法を示す。溝10
aの深さは、回転板2の押し付け強さにより、また溝幅
は回転板2の厚みにより決定される。この例では、回転
板2の周囲には切欠部2aが設けられており、この切欠
部2aのあるところは、生地10に溝10aが付与され
ない。
【0026】従って、図2に示す如く、台形の生地片1
を作るには、このような切欠部2aのある回転板2を使
うことで溝10aを不連続に付与することができる。一
方、図4は、溝付け用の回転板2を使って連続的に溝1
0aを付与していく方法である。
を作るには、このような切欠部2aのある回転板2を使
うことで溝10aを不連続に付与することができる。一
方、図4は、溝付け用の回転板2を使って連続的に溝1
0aを付与していく方法である。
【0027】この例では、生地表面には連続的に溝10
aが形成されていくので、例えば矩形の生地片1を作る
のに適用される。さて、溝10aが付与された偏平状の
生地は、所定の形(ここでは、台形の場合を示す)に切
断される。この切断の際は、最初に第1のローラカッタ
を使って台形の両側辺10b(上底と下底を除く2つの
辺)が、同時に切断される〔図2(C)〕。
aが形成されていくので、例えば矩形の生地片1を作る
のに適用される。さて、溝10aが付与された偏平状の
生地は、所定の形(ここでは、台形の場合を示す)に切
断される。この切断の際は、最初に第1のローラカッタ
を使って台形の両側辺10b(上底と下底を除く2つの
辺)が、同時に切断される〔図2(C)〕。
【0028】次に、第2のローラカッタを使って、台形
の上底辺(上底)10cと下底辺10cとが、同時に切
断される〔図2(D)〕。なお、この切断の仕方は、こ
のような方法だけに限定されるものではない。
の上底辺(上底)10cと下底辺10cとが、同時に切
断される〔図2(D)〕。なお、この切断の仕方は、こ
のような方法だけに限定されるものではない。
【0029】次に、台形状に切断された個々の生地片1
は、拡開手段を使って配置変えされる。すなわち、生地
片の各々の間隔が広げられ、且つ方向転換(いわゆる拡
開ターン)が行われることで、所定位置に配置変えされ
る〔図2(E)〕。
は、拡開手段を使って配置変えされる。すなわち、生地
片の各々の間隔が広げられ、且つ方向転換(いわゆる拡
開ターン)が行われることで、所定位置に配置変えされ
る〔図2(E)〕。
【0030】ここで使用される拡開手段としては、下部
に針体(ピン)を有する移動板が使用され、生地片1を
針体で刺し押さえて各々の生地片1を拡開ターンすると
いうものである。このように配置変えされた生地片1
は、搬送方向に沿って、必要に応じてその表面に水が塗
布される。
に針体(ピン)を有する移動板が使用され、生地片1を
針体で刺し押さえて各々の生地片1を拡開ターンすると
いうものである。このように配置変えされた生地片1
は、搬送方向に沿って、必要に応じてその表面に水が塗
布される。
【0031】水を塗布する手段としては、スプレー塗
布、へら塗り、歯車等を使った方法が採用される。水を
塗布するのは、偏平状の生地片1が巻き上げられた後、
それが解けることがないように層相互間の粘着力を強く
するためである。もっとも、生地10に水を付与すると
軟かくなることから、最低限必要な量だけとする。
布、へら塗り、歯車等を使った方法が採用される。水を
塗布するのは、偏平状の生地片1が巻き上げられた後、
それが解けることがないように層相互間の粘着力を強く
するためである。もっとも、生地10に水を付与すると
軟かくなることから、最低限必要な量だけとする。
【0032】そのため、水を塗布する範囲は、搬送方
向、すなわち巻き上げられる方向に沿って限定された一
定の幅の領域だけあればよい。その意味では、一定の歯
幅を有する歯車を使って水を塗布する方法が好適である
が、この方法については本出願人は、同時に別途出願し
ている。水の塗布が終わった偏平な生地片1は、次に巻
き上げ手段を使って巻き上げが行われる。
向、すなわち巻き上げられる方向に沿って限定された一
定の幅の領域だけあればよい。その意味では、一定の歯
幅を有する歯車を使って水を塗布する方法が好適である
が、この方法については本出願人は、同時に別途出願し
ている。水の塗布が終わった偏平な生地片1は、次に巻
き上げ手段を使って巻き上げが行われる。
【0033】この巻き上げ方法としては、例えば、従来
から行われている図5や図8に示すような方法が採用さ
れる。例えば、図5の巻き上げ方法は、偏平状の生地片
1を載置して移送する移送ベルト体4と、移送ベルト体
上に垂らして配置された偏平状の生地片1を巻き上げる
ための可撓性基布体3とを使って巻き上げるものであ
る。
から行われている図5や図8に示すような方法が採用さ
れる。例えば、図5の巻き上げ方法は、偏平状の生地片
1を載置して移送する移送ベルト体4と、移送ベルト体
上に垂らして配置された偏平状の生地片1を巻き上げる
ための可撓性基布体3とを使って巻き上げるものであ
る。
【0034】この方法では、先ずパン生地片1は移送ベ
ルト体4によって移送されてくる。そして、図のよう
に、パン生地片1の先端部(台形の下底辺)が可撓性基
布体3に当接し、これにより巻き上げが開始する。そし
て、生地片1は移送ベルト体4の移動に伴って可撓性基
布体3により巻き上げ力を受けながら次第に巻き上げら
れていく。
ルト体4によって移送されてくる。そして、図のよう
に、パン生地片1の先端部(台形の下底辺)が可撓性基
布体3に当接し、これにより巻き上げが開始する。そし
て、生地片1は移送ベルト体4の移動に伴って可撓性基
布体3により巻き上げ力を受けながら次第に巻き上げら
れていく。
【0035】ところで、本発明においては、台形状をし
た生地片1の下底辺に沿って、直線状の溝1aを設ける
ことで均一な巻き上げができる点が大きな特徴である。
それは、生地片1において、溝1aの位置にて生地片1
の曲げ込み作用を誘発させるからである。その意味で、
図8に示すような巻き上げ方法においても、生地片1の
溝1aが曲げ込みの起点となり曲げ込み作用を誘発して
いき、均一な巻き上げとなる。
た生地片1の下底辺に沿って、直線状の溝1aを設ける
ことで均一な巻き上げができる点が大きな特徴である。
それは、生地片1において、溝1aの位置にて生地片1
の曲げ込み作用を誘発させるからである。その意味で、
図8に示すような巻き上げ方法においても、生地片1の
溝1aが曲げ込みの起点となり曲げ込み作用を誘発して
いき、均一な巻き上げとなる。
【0036】図6は、溝を付与したことによる曲げ込み
原理を説明したものである。最初の(A)の状態にある
生地片1が、その先端にて、例えば図示しない可撓性基
布体3により巻き込み力を受けると、溝aの部分で曲げ
込みが誘発される〔(A)→(B)〕。すなわち、最初
の巻き込みの切っ掛けは、この直線状の溝1aを起点と
して生ずることになる。しかも、この溝1aは生地片1
の下底辺に沿って走っているため、生地片1の幅方向に
渡ってその端辺から一定の位置で巻き込みが行われる。
原理を説明したものである。最初の(A)の状態にある
生地片1が、その先端にて、例えば図示しない可撓性基
布体3により巻き込み力を受けると、溝aの部分で曲げ
込みが誘発される〔(A)→(B)〕。すなわち、最初
の巻き込みの切っ掛けは、この直線状の溝1aを起点と
して生ずることになる。しかも、この溝1aは生地片1
の下底辺に沿って走っているため、生地片1の幅方向に
渡ってその端辺から一定の位置で巻き込みが行われる。
【0037】更に、可撓性基布体3により巻き込み力を
受けると、その先部の巻き込みが進行していく〔(C)
→(D)〕。以上のように、生地片1に溝1aを設ける
ことで、芯部を形成する初期段階の巻き上げ状態が極め
て良好に行われる。
受けると、その先部の巻き込みが進行していく〔(C)
→(D)〕。以上のように、生地片1に溝1aを設ける
ことで、芯部を形成する初期段階の巻き上げ状態が極め
て良好に行われる。
【0038】従って、巻き上げられて製造されたロール
パン(例えばクロワッサン)の形状が安定する。一枚の
偏平状の生地片1において、幅方向の巻き上げが均一に
なるだけでなく、各個々の生地片同志においても、巻き
上げの不揃いはなくなり、高品質のものが得られる。
パン(例えばクロワッサン)の形状が安定する。一枚の
偏平状の生地片1において、幅方向の巻き上げが均一に
なるだけでなく、各個々の生地片同志においても、巻き
上げの不揃いはなくなり、高品質のものが得られる。
【0039】以上、本発明を説明してきたが、本発明は
実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質から
逸脱しない範囲で、他の種々な変形が可能であることは
言うまでもない。例えば、本発明の対象となる偏平な生
地片1は、主にクロワッサンの原料としての台形状の生
地片1を例に示したが、その他に、矩形、角形等の種々
のものが採用可能である。その場合、線状の溝1aの位
置は、その巻き上げの基準点を何処に置くかによって異
なってくる。
実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質から
逸脱しない範囲で、他の種々な変形が可能であることは
言うまでもない。例えば、本発明の対象となる偏平な生
地片1は、主にクロワッサンの原料としての台形状の生
地片1を例に示したが、その他に、矩形、角形等の種々
のものが採用可能である。その場合、線状の溝1aの位
置は、その巻き上げの基準点を何処に置くかによって異
なってくる。
【0040】図7(A)、(B)、(C)、(D)は、
種々の偏平状の生地片1の変形例を示すものである。
(A)は、三角形、(B)は長方形、(C)は小判形、
(D)は円形の場合を示す。本発明の溝を付与した生地
片は、実施の形態で述べたような巻き上げ手段に限ら
ず、手巻きも含め、種々の巻き上げ手段に適応すること
ができる。
種々の偏平状の生地片1の変形例を示すものである。
(A)は、三角形、(B)は長方形、(C)は小判形、
(D)は円形の場合を示す。本発明の溝を付与した生地
片は、実施の形態で述べたような巻き上げ手段に限ら
ず、手巻きも含め、種々の巻き上げ手段に適応すること
ができる。
【0041】一方、溝1aを付与する工程は、生地片1
の切断工程の後に行うことも可能であり、更には、配置
変えの後に行ってもよい。偏平生地片への水の塗布は、
必ずしも行う必要があるとは限らなく、解け防止を確実
にしたい場合は好適である。
の切断工程の後に行うことも可能であり、更には、配置
変えの後に行ってもよい。偏平生地片への水の塗布は、
必ずしも行う必要があるとは限らなく、解け防止を確実
にしたい場合は好適である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、偏
平な生地片に設けた直線状の溝が、初期の巻き込み作用
を誘発して、且つ、巻き上げを生地片の幅方向に一定に
することができ、結果的に均一な巻き上がりが可能とな
る。しかも、原料となる生地片に対して、単に、前もっ
て簡単な溝を付与することで均一な巻き上げができ、ま
た大がかりな装置も不要となり効率的である。
平な生地片に設けた直線状の溝が、初期の巻き込み作用
を誘発して、且つ、巻き上げを生地片の幅方向に一定に
することができ、結果的に均一な巻き上がりが可能とな
る。しかも、原料となる生地片に対して、単に、前もっ
て簡単な溝を付与することで均一な巻き上げができ、ま
た大がかりな装置も不要となり効率的である。
【図1】図1は、本発明の台形状の生地片を示す図であ
る。
る。
【図2】図2は、クロワッサンを製造において、連続し
た偏平状の生地から独立した台形状の生地片に形成し一
定の配置に並べ替えるまでの一連の工程を示す。
た偏平状の生地から独立した台形状の生地片に形成し一
定の配置に並べ替えるまでの一連の工程を示す。
【図3】図3は、溝付け用の回転板を使った溝付け方法
を示し、(A)は立面図、(B)は正面図である。
を示し、(A)は立面図、(B)は正面図である。
【図4】図4は、別の溝付け用の回転板を使った溝付け
方法を示し、(A)は立面図、(B)は正面図である。
方法を示し、(A)は立面図、(B)は正面図である。
【図5】図5は、生地片の巻き上げ方法において、巻き
上がり状態の変化を示す図である。
上がり状態の変化を示す図である。
【図6】図6は、生地片の曲げ込み原理を説明した図で
ある。
ある。
【図7】図7は、偏平生地片の種々の例を示すものであ
る。
る。
【図8】図8は、従来の巻き上げ方法を示す図である。
1…生地片 1a…溝 2…回転板 2a…切欠部 3…可撓性基布体 4…ベルト体 10…生地 10a…溝 10b…両側辺 10c…上底辺 10c…下底辺
Claims (8)
- 【請求項1】 偏平状のパン生地片の巻き上げ端部に、
巻き上げを容易にするための直線状の溝を設け、その
後、該溝が設けられたパン生地片を巻き上げることを特
徴とするパンの製造方法。 - 【請求項2】 偏平状のパン生地片の巻き上げ端部に、
巻き上げを容易にするための直線状の溝を設け、その
後、巻き上げ方向に沿って水を塗布し、水が塗布された
パン生地片を巻き上げることを特徴とするパンの製造方
法。 - 【請求項3】 パン生地片が台形状で、前記溝が台形状
の底辺に沿って設けられていることを特徴とする請求項
1又は2記載のパンの製造方法。 - 【請求項4】 パン生地片を押圧することにより溝を設
けることを特徴とする請求項1又は2記載のパンの製造
方法。 - 【請求項5】 偏平状のパン生地に対して巻き上げを容
易にするための溝を付与する工程と、溝を付与されたパ
ン生地を生地片に切断する工程と、切断された生地片を
溝が前方になるように配置変えする工程と、配置変えさ
れた生地片を溝の付与された側から巻き上げる工程とよ
りなることを特徴とするパンの製造方法。 - 【請求項6】 偏平状のパン生地に対し巻き上げを容易
にするための溝を付与する工程と、溝を付与されたパン
生地を生地片に切断する工程と、切断された生地片を溝
が前方になるように配置変えする工程と、配置変えされ
た生地片に対して水を塗布する工程と、水が塗布された
パン生地片を溝の付与された側から巻き上げる工程とよ
りなることを特徴とするパンの製造方法。 - 【請求項7】 パン生地片がクロワッサン用の三角状の
パン生地片であることを特徴とする請求項5又は6記載
のパンの製造方法。 - 【請求項8】 パンの製造方法の際の巻き上げの対象と
なるパン生地片であって、該パン生地片の端部に巻き上
げが容易になるための直線状のする溝を設けたことを特
徴とするパン生地片。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13440497A JPH10304812A (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | パンの製造方法及びそのパン生地片 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13440497A JPH10304812A (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | パンの製造方法及びそのパン生地片 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10304812A true JPH10304812A (ja) | 1998-11-17 |
Family
ID=15127601
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13440497A Pending JPH10304812A (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | パンの製造方法及びそのパン生地片 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10304812A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190024996A (ko) * | 2016-08-05 | 2019-03-08 | 레온 지도키 가부시키가이샤 | 롤 푸드제품을 제조하는 방법 및 장치 |
EP3925448A1 (en) * | 2020-06-15 | 2021-12-22 | Radie B.V. | Method and a device for moisturizing pieces of dough |
-
1997
- 1997-05-07 JP JP13440497A patent/JPH10304812A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190024996A (ko) * | 2016-08-05 | 2019-03-08 | 레온 지도키 가부시키가이샤 | 롤 푸드제품을 제조하는 방법 및 장치 |
EP3494793A4 (en) * | 2016-08-05 | 2019-06-12 | Rheon Automatic Machinery Co., Ltd. | METHOD AND DEVICE FOR MANUFACTURING A ROLLED FOOD PRODUCT |
EP3925448A1 (en) * | 2020-06-15 | 2021-12-22 | Radie B.V. | Method and a device for moisturizing pieces of dough |
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