JPH10303745A - Pll回路 - Google Patents

Pll回路

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JPH10303745A
JPH10303745A JP9114074A JP11407497A JPH10303745A JP H10303745 A JPH10303745 A JP H10303745A JP 9114074 A JP9114074 A JP 9114074A JP 11407497 A JP11407497 A JP 11407497A JP H10303745 A JPH10303745 A JP H10303745A
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JP
Japan
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coefficient
value
circuit
register
signal
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JP9114074A
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Inventor
Hirobumi Ishii
博文 石井
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Fujitsu General Ltd
Original Assignee
Fujitsu General Ltd
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Publication date
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  • Synchronizing For Television (AREA)
  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】係数乗算器をVCOの後段に配置し、係数を適
宜制御する方式のPLL回路において、最適設定値を選
択するために、VCO制御電圧レベルを監視し、最もセ
ンター電圧に近い電圧でロックする設定値を選択するよ
うにする。 【解決手段】第1の基準信号に同期した整数倍の周波数
を有するクロック出力を生成するPLL回路において、
第1の基準信号と比較信号との位相差に応じた制御信号
を出力する位相比較回路と、制御周波数帯内の周波数を
有する発振器と、発振器からの信号の周波数に係数を乗
算する係数乗算回路と、ロックはずれ検出信号とはずれ
方向検出信号を出力するロックはずれ検出回路と、ロッ
クインすべき係数設定信号を出力する係数Q制御回路
と、VCO制御電圧レベルを監視するA/Dコンバータ
とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ・ディス
プレイ・パネル(PDP)や液晶表示パネル(LCD)
等の表示装置に関し、特に、水平同期信号から所定の周
波数のシステムクロックを生成するフェイズ・ロックド
・ループ回路(以下PLL回路とする)の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】PDPやLCDを用いた表示装置は、ビ
デオ再生装置等から出力される映像信号、水平同期信号
および垂直同期信号を含むコンポジット信号を入力し、
それぞれの信号に分離し、水平同期信号をもとにN倍
(Nは2以上の整数)したシステム・クロックをPLL
回路により生成し画像処理に使用している。
【0003】このシステム・クロックは、例えば、アナ
ログRGB信号のサンプリング用のクロック信号として
利用されたり、表示部での表示クロック信号として利用
されたりする。従って、このシステム・クロックの周波
数の乱れは、表示画面の乱れにつながることになる。
【0004】図9は、従来のPLL回路の概略を示すブ
ロック図である。基本的な構成は、位相比較回路20、
ローパスフィルタ(LPF)21、電圧制御発振器(V
CO:Voltage−controlled Osc
illator)22、1/N分周器24からなる。
【0005】このPLL回路では、コンポジット信号か
ら同期分離された水平同期信号である基準信号H.RE
FのN倍の周波数のクロックfout が生成される。そし
て、クロックfout をN分の1に分周した比較信号H.
VARIがフィードバックされて、位相比較回路20に
て基準信号H.REFとの位相差が検出される。
【0006】位相比較回路20の出力の位相差検出パル
スは、位相差に応じたパルス幅を有し、ローパスフィル
タ21によって積分され、そのパルス幅に応じた値のV
CO制御電圧30が電圧制御発振回路22に入力され
る。
【0007】そして、基準信号H.REFと比較信号
H.VARIとの位相差に応じて電圧制御発振回路22
の周波数が変更され、最終的にクロックfout が基準信
号H.REFと同期するよう制御される。
【0008】図10は電圧制御発振器22の一般的特性
を示す。VCO制御電圧が、V1 からV2 に変化する
と、VCO出力周波数はf1 からf2 に変化する。ま
た、VCO制御電圧がVs の場合は、VCO出力周波数
はfs となる。
【0009】更に従来のPLL回路では、ロック制御可
能なクロックfout の周波数範囲を見かけ上拡張するた
めに、図9に示すように係数乗算器23を電圧制御発振
回路22の後段に設け、その係数Qをロックはずれ検出
回路25と係数Q制御回路26により生成される係数設
定信号29により可変設定している。
【0010】ロックはずれ検出回路25からはクロック
fout が基準信号H.REFの位相からはずれて制御不
可能になったことを検出するロックはずれ検出パルス2
7とそのはずれ方向(基準信号H.REFに対して比較
信号H.VARIの位相が進みか遅れか、又はクロック
fout が高い周波数か低い周波数か)を検出するはずれ
方向検出パルス28とが出力される。
【0011】図11にて、ロック制御可能なクロックf
out の周波数範囲を見かけ上拡張している点について説
明する。例えば、今仮に係数がQn の場合で、ローパス
フィルタ21の出力であるVCO制御電圧がVs である
とする。基準信号H.REFの周波数が変動したり、あ
るいはPLL回路特有の揺らぎが生じたとしても、VC
O制御電圧がVs を中心にして変動することで出力クロ
ックfout の位相も追従することになる。
【0012】そして、基準信号H.REFと比較信号
H.VARIとの位相が大きくずれた場合には、ロック
はずれが検出され、係数Q制御回路26によりその上の
係数Qn+1 が選択され、より高い周波数帯fs ×Qn+1
での制御に切り替わる。従って、ロックはずれの検出に
伴い係数を適宜選択していけば、VCO制御電圧の範囲
が限られていても見かけ上制御可能な周波数帯を広くす
ることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】図11に示した通り、
隣接する制御直線が共通の周波数帯を持つように係数乗
算器の係数が設定されている。これは方式上さけられな
いことである。その結果、図12に示すように任意の周
波数に対してA点とB点のいずれでもロックされる場合
がある。
【0014】仮に、PLL回路がロックインされている
定常状態から、PLL回路に入力される基準信号H.R
EFが異なる周波数に変更されてロックはずれが生じた
とする。PLL回路は、上記のロックはずれ検出パルス
27等により別のロックされうる係数に設定値が変更さ
れる。
【0015】この場合、仮にB点でロックされたとする
と、VCO制御電圧の電圧値VL の前後には制御周波数
帯が存在するので、基準信号H.REFと比較信号H.
VARIとの位相差の変動に追従してロック状態を維持
することができる。
【0016】一方、A点でロックされたとする。PLL
回路は回路上の問題からジッタと呼ばれる微小な揺らぎ
を持っている。ところがA点でロックインされている
と、VCO制御電圧の上限点V2 であるため、その上側
の範囲ではPLL回路はロック制御できなくなる。これ
は、例えば、ローパスフィルタ21の出力のVCO制御
電圧が電源電圧値以上を出力できないこと等に起因す
る。その為、A点でロックインする場合は、前記の揺ら
ぎに伴ってPLL回路の出力のクロックfout が追従で
きなくなる。
【0017】かかる現象が発生すると、例えばクロック
fout をアナログ映像信号のサンプリングクロックとし
て使用する場合には、サンプリング点が不安定になり、
画面上では映像が揺れる等の不都合を招くことになる。
【0018】そこで、本発明の目的は、上記問題点を解
決したPLL回路を提供することにある。更に、本発明
の目的は、ある設定係数での周波数可変範囲の上限点ま
たは下限点でロックすることを回避することができるP
LL回路を提供することにある。
【0019】更に、本発明の目的は、ロックはずれが生
じた場合にVCO制御電圧の中央値付近でロックイン制
御が可能なPLL回路の係数乗算器の係数に設定するこ
とができるPLL回路を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
よれば、第1の基準信号を入力し第1の基準信号に同期
した整数倍の周波数を有するクロック出力を生成するP
LL回路において、第1の基準信号とクロック出力を前
記整数分の1に分周した比較信号との位相差に応じた制
御信号を出力する位相比較回路と、位相比較回路の制御
信号に応答して所定の制御周波数帯内の周波数を有する
信号を出力する発振器と、発振器からの信号の周波数に
係数を乗算した周波数を有するクロック出力を出力する
係数乗算回路と、第1の基準信号と比較信号を入力し、
この両信号の位相がずれるロックはずれを検出した時に
ロックはずれ検出信号とはずれ方向検出信号を出力する
ロックはずれ検出回路と、ロックはずれ検出信号とはず
れ方向検出信号とを入力し、制御電圧が発振器の制御電
圧範囲の基準値付近に位置する係数に対応する係数設定
信号を係数乗算回路に供給する係数制御回路とを有する
ことを特徴とするPLL回路を提供することにより達成
される。
【0021】上記発明によれば、ロックはずれが発生し
た場合に、新たに設定される係数は、VCO制御電圧が
制御電圧範囲の基準値付近に位置するため、乗算制御周
波数帯の中央部にクロック出力が位置するような係数が
選択されるので、従来の如く制御周波数帯の上限または
下限値付近でロックインされることが防止される。
【0022】また、本発明のPLL回路における係数制
御回路は、クロック出力の任意の周波数に対して、ロッ
クイン可能な異なる複数の係数を予め有し、ロックはず
れ検出信号に応答して、クロック出力の周波数でロック
イン可能な複数の係数のうち、制御電圧が前記発振器の
制御電圧範囲の基準値付近になる係数を選択し、選択さ
れた係数に対応する係数設定信号を係数乗算回路に供給
することを特徴とする。
【0023】従って、ロックイン可能な異なる複数の係
数のうちの最適設定値、即ち、VCO制御電圧範囲の基
準値付近になる係数を選択することができるので、乗算
制御周波数帯の中央部にクロック出力が位置するような
係数を選択することができる。
【0024】また、本発明のPLL制御回路における係
数制御回路は、ロックイン可能な複数の係数を連続的に
記憶する係数メモリと、ロックはずれでイネーブル状態
となり、はずれ方向検出信号に従ってカウントアップま
たはカウントダウンし、カウント値を係数メモリの入力
アドレスとして供給するアップ・ダウン・カウンタとを
有し、ロックはずれ検出信号に応答して、カウント値を
アップまたはダウンすることで係数メモリ内の複数の係
数をスキャンし、制御電圧が基準値付近でロックできる
カウント値を選ぶことを特徴とする。
【0025】従って、ある設定値での周波数可変範囲の
上限点あるいは下限点でロックすることを回避するため
に、周波数可変範囲のオーバーラップ範囲が広くなるよ
うな設定値を準備し、一つのロック周波数に対応できる
(引き込める)設定値を全て検索し、また、そのときの
VCO制御電圧を監視し、基準値に最も近い電圧でロッ
クする設定値を選択することができる。
【0026】また、本発明のPLL回路における係数制
御回路は、スキャンごとにロックインする第1、第2の
制御電圧を記憶する第1、第2のレジスタと、第1及び
第2のレジスタの値を比較し、第1のレジスタの値が第
2のレジスタの値より基準値に近い時に、第2のレジス
タに第1のレジスタの値を記憶させる比較回路と、第2
のレジスタの値に対応するカウント値を記憶する記憶手
段とを有することを特徴とする。
【0027】従って、スキャンごとに異なる制御電圧を
記憶する第1のレジスタの値と、前回のスキャン時の制
御電圧を記憶する第2のレジスタの値を比較し、基準値
に近い値を第2のレジスタに保存し、第2のレジスタの
値に対応するアップ・ダウン・カウンタのカウント値を
記憶することができる。このため、このカウント値に対
応する係数を係数乗算器の係数として選択すれば、制御
周波数帯の上限または下限値付近でロックインされるこ
とを防止することができる。
【0028】また、本発明のPLL回路における係数制
御回路は、比較回路を有し、この比較回路は、第1及び
第2のレジスタ値と基準値との差を比較し、第2のレジ
スタの値と基準値との差が、第1のレジスタの値と基準
値との差より大きい時に、第2のレジスタに第1のレジ
スタの値を記憶させることを特徴とする。
【0029】従って、VCO発振器を安定に制御できる
基準値との差を監視し、その差が最も小さい設定値を選
択することで、PLL回路の乗算制御周波数帯の中央部
にクロック出力が位置するような係数を選択することが
できる。
【0030】また、本発明のPLL回路における係数制
御回路は、係数メモリ内の複数の係数をスキャンして最
後にロックインするカウント値を検出した後に再度ロッ
クはずれを検出すると、記憶手段のカウント値をアップ
・ダウン・カウンタにロードすることを特徴とする。
【0031】従って、一つのロック周波数に引き込める
設定値を全て検索し、そのうちの最適設定値をアップ・
ダウン・カウンタにロードすることにより、PLL回路
は、最も安定な制御範囲でロックすることができる。
【0032】また、本発明のPLL回路における係数制
御回路は、第1又は第2の基準信号に同期したタイミン
グでスキャンし、制御電圧に対応する値を第1のレジス
タに記憶することを特徴とする。
【0033】従って、PLL回路が要求される制御応答
性に応じて、スキャンするタイミングを設定でき、ロッ
クはずれが発生してからロックインするまでの時間を選
択することができる。
【0034】また、本発明のPLL回路の係数制御回路
は第2のレジスタを有し、この第2のレジスタは、ロッ
クはずれ検出回路によりアンロックが検出された時点で
所定の初期値に設定されることを特徴とする。
【0035】従って、VCO制御電圧を比較し基準値に
近い値を選択する場合に、比較する一方の値を所定の初
期値に設定しておくことにより、誤った値が選択される
ことを防止することができる。
【0036】また、本発明のPLL回路の係数制御回路
は、VCO制御電圧の基準値が、VCO制御電圧のほぼ
中央の値であることを特徴とする。
【0037】従って、VCO発振器の出力周波数は制御
電圧に対し線形特性を有するため、基準値がVCO制御
電圧のほぼ中央の値であれば、出力周波数も周波数制御
範囲のほぼ中央の値となるため、PLL回路の制御周波
数帯の上限または下限値付近でロックインされることが
防止される。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例に
ついて図面に従って説明する。しかしながら、かかる実
施の形態例が本発明の技術的範囲を限定するものではな
い。
【0039】[PLL回路の構成]図1は、本発明の実
施の形態例によるPLL回路の全体のブロック図で、従
来例で示した図9と比較すると、アナログ値であるVC
O制御電圧をディジタル値である制御電圧データに変換
し、係数Q制御回路26に出力するA/Dコンバータ4
0が付属している点で異なる。
【0040】[ロックはずれ検出回路の動作]図2は、
本発明の実施の形態例によるロックはずれ検出回路25
の詳細回路図であり、図5は、そのタイミングチャート
である。図2の1と7はそれぞれ基準信号H.REFと
比較信号H.VARIの立ち上がりエッジを検出する回
路である。
【0041】図2のロックはずれ検出回路25の基本的
な動作は、比較信号H.VARIの立ち上がりエッジの
パルス信号の前後一定幅のゲートパルス期間内に基準信
号H.REFの立ち上がりエッジパルスが入っているか
どうかを検出することにより、ロックはずれの検出を行
なうことにある。この場合、比較信号H.VARIの立
ち上がりエッジのパルス信号(エッジ検出回路7の出
力)からaカウントした信号とbカウントした信号をR
Sフリップフロップ5に入力することにより、その反転
出力にゲートパルス33が生成される。
【0042】そして、図5中の比較信号H.VARIの
2つめのパルスの位相が早くなった結果、時刻TL にお
いて、3つめのゲートパルス33は基準信号H.REF
の立ち上がりエッジのパルスからずれることになる。そ
の状態が図2のDフリップフロップ回路6にて検出され
る。このDフリップフロップ回路6の出力Qはロック状
態の時にHレベルが出力され、反転出力Qバーはロック
はずれ状態の時にHレベルが出力される。
【0043】従って、図5中の時刻TL でロックはずれ
状態が始まると、図2の第1の基準信号H.REFのエ
ッジパルス34が、Dフリップフロップ回路6の出力Q
バーのHレベルにより、論理積回路8を経由して、積算
カウンタ10に入力される。そして、積算カウンタ10
によりその第1の基準信号H.REFのエッジパルス3
4がカウントされ、所定値(図5の場合Xカウント)ま
でカウントが続くとXカウントデコーダ11からロック
はずれの検出を知らせる信号がRSフリップフロップ回
路14に伝えられ、ロックはずれ検出回路25はロック
はずれ検出パルス27をHレベルにする。
【0044】一方、ロックインの状態になると、上記し
たゲートパルス33のHレベル期間内に水平同期信号
H.REFのエッジパルス34が検出され、フリップフ
ロップ6の出力QがHレベルとなり、論理積回路9が開
き、エッジパルス34が積算カウンタ12でカウントさ
れる。そして、ロックはずれ状態から一定期間(図5の
場合Xカウント)ロック状態になると、Xカウントデコ
ーダ13がロック状態を知らせる信号をRSフリップフ
ロップ回路14のR入力に伝え、ロックはずれ検出パル
ス27をLレベルに戻す。
【0045】以上のようにロックはずれ検出回路25
は、第1の基準信号(水平同期信号)H.REFと比較
信号H.VARIとの位相ずれが一定期間(図5の場合
は、論理積回路8の出力をXカウント、即ちX×HSYNC
の期間)続いた場合にのみ、ロックはずれ検出パルス2
7をHレベルにして係数Q制御回路26の係数設定信号
29を変更している。これにより判別が敏感すぎて誤判
別する可能性が高くなるのを防止している。
【0046】一方、はずれ方向検出パルス28は、カウ
ンタ2の最上位ビットのMSBが比較信号H.VARI
に同期してLレベルとHレベルを交互に出力することを
利用して、論理積回路8によってロックはずれが検出さ
れたタイミング時のカウンタのMSB信号のレベルを遅
延フリップフロップ17が取り込むことで、比較信号
H.VARIの位相が進んでいるか遅れているかを検出
するようにしている。従って、はずれ方向検出パルス2
8がLレベルの場合には、図5に示されるように比較信
号H.VARIの位相は進み方向(クロック周波数が高
い側にアンロック)であり、Hレベルの場合は遅れ方向
(クロック周波数が低い側にアンロック)である。
【0047】一方、図3の係数Q制御回路26では、後
で詳細に説明するが、ロックはずれ検出パルス27がH
レベルの時にアップ・ダウンカウンタ3がはずれ方向検
出パルス28の状態に応じてカウントアップまたはカウ
ントダウンし、その出力信号をアドレス信号として入力
する係数ROM4から選定された係数が、設定データフ
ォーマット変換回路5にて所定のフォーマット変換の
上、係数設定信号29として図1の係数乗算器23に与
えられる。
【0048】[係数ROMの設定値]図4は、本発明の
実施の形態例によるPLL回路の係数ROMにあらかじ
め書き込むデータにより、VCOの出力周波数の可変範
囲が拡張される様子を示す説明図である。
【0049】VCOの可変範囲を拡大するための係数Q
の設定値は、ROMアドレスで指定された場所にQ1 か
らQn まで書き込まれている。ただし、データの書き込
みはROMには限定されず、RAMによっても可能であ
る。また、RAMの場合は、外部制御又は内部制御の2
方式が考えられる。尚、ROMの下位アドレスにはfou
t が低くなるような設定値が、また上位アドレスにはf
out が高くなるような設定値が予め書き込まれている。
【0050】[係数ROMの設定値選択方式]図6、図
7は、本発明の実施の形態例に従う設定値選択方式につ
いて説明するための図である。
【0051】本実施の形態例では、ロックはずれが生じ
た時に、新たな係数乗算器の係数を設定するに際して、
ロックイン制御可能な複数の係数の内、VCO発振器2
2の制御電圧30が、制御電圧範囲の中央付近で制御可
能な係数を選択するようにしている。
【0052】つまり、図6に示すように、あるクロック
周波数fnnに対して、ロックイン設定可能な係数Qを増
やし、周波数fnnに対してオーバラップしている制御直
線を複数にしておく。図6では、周波数fnnは、係数Q
n+6 ,Qn+7 ,Qn+8 ,Qn+9 ,Qn+10のいずれでもロ
ックイン可能である。一方、周波数を横軸に取ると、図
7に示したようになる。この場合、fnnを引き込める設
定値範囲Qn+6 ,Qn+7 ,Qn+8 ,Qn+9 ,Qn+10のう
ち、VCO制御電圧が制御電圧範囲の中で、最もセンタ
ー電圧Vs に近くなる設定値(図7の場合はQn+8 )を
選択するようにする。
【0053】従って、今仮に、係数設定値がQn でロッ
クインしている状態からクロック周波数がfnnに変動し
てロックはずれが発生したとすると、前述した通り、ロ
ックはずれ検出回路25によりロックはずれ検出パルス
27が出力され、図3に示したアップ・ダウン・カウン
タ3によりはずれ方向パルス28の情報に基づいてカウ
ントアップまたはカウントダウンして設定係数がスキャ
ンされる。即ち、図7でいうと、係数Qn からQn+1,Q
n+2,Qn+3 の如くスキャンされる。
【0054】従来の回路では、係数がQn+6 に設定され
た瞬間に、周波数fn に対してロックイン可能であるた
め、ロックはずれ検出パルス27がLレベルになってア
ップ・ダウン・カウンタ3によるスキャン動作が停止す
ることになる。その結果、前述の制御範囲の上限値また
は下限値でのロックイン制御の事態が生じることにな
る。
【0055】そこで、本実施の形態例では、ロックはず
れが発生したら、VCO制御電圧範囲の中央付近でロッ
クインされる係数を選んで設定する様にして、制御周波
数帯の上限値または下限値でのロックイン制御の事態を
避ける様にしている。
【0056】具体的な手法としては、ロックはずれが発
生したら、ロックインできる係数に対応するVCO制御
電圧を全てスキャン動作により検出し、検出した複数の
VCO制御電圧のうちセンター電圧Vs に最も近い電圧
に対応する係数に設定値を決めるようにする。
【0057】図7で説明すると、クロック周波数fnnに
対しては、係数Qn+6 からQn+10までがロックイン制御
(周波数fnnに引き込める)ができることになる。その
場合に、設定値としてはfnnが周波数可変範囲のセンタ
ーに最も近い設定値Qn+8 が選択されることになる。
【0058】このことは、図6で説明すると、係数Qn+
6 ,Qn+7 ,Qn+8 ,Qn+9 ,Qn+10の合計5本の内、
VCO制御電圧がセンター電圧Vs に最も近い係数Qn+
8 が選択されることを意味する。こうすることで、上限
値または下限値でロックインされる状況を避けることが
でき、従来の如き不安定なロックイン状態を回避するこ
とができる。
【0059】[係数Q制御回路の動作]図3は、本実施
の形態例による係数Q制御回路26の詳細回路図で、図
8は、そのタイミングチャートである。ロックはずれ検
出パルス27とはずれ方向検出パルス28は、図1、図
2、図5で説明したように生成されて、係数Q制御回路
26に入力される。
【0060】この係数Q制御回路26には、アップ・ダ
ウン・カウンタ3と係数ROM4及び設定データフォー
マット変換部5等が設けられて、係数ROM4には、前
述した通り係数の種類が多く準備されている。また、こ
の係数Q制御回路26では、垂直同期信号の立ち下がり
エッジを検出する回路2を設けて、アップ・ダウン・カ
ウンタ3のカウントアップまたはダウン用のクロック信
号に利用している。
【0061】図3の回路の概略は次の通りである。図8
のタイミングチャート図に示される通り、定常状態から
アンロック状態に移ると、一定時間アンロック状態が継
続したことが検出されてロックはずれ検出パルス27が
Hレベルになる時刻T1 の時に、アップ・ダウン・カウ
ンタ3をイネーブル状態にして、はずれ方向検出パルス
28のHまたはLレベルに従った方向にカウンタのアッ
プまたはダウン動作を開始させる。即ち、図7でいうと
係数Qn でアンロックになり、係数のスキャン動作を開
始する。
【0062】やがて、図8の時刻T2 にて、ロックイン
できる係数までスキャンされるとロックはずれ検出パル
ス27がLレベルに戻る。図7でいうと係数Qn+6 が係
数ROM4の出力となった時である。但し、図3の回路
ではロックイン状態になったとしてもカウンタ3のスキ
ャン動作を停止せずに、さらに、再度ロックはずれにな
るまでスキャン動作を続ける。やがて、時刻T3 でロッ
クはずれになったことがロックはずれ検出パルス27に
より検出される。
【0063】そこで、スキャン動作中のカウンタ出力
(係数ROM4のアドレス)の値をそれぞれレジスタ9
と11に記憶しておくと同時に、スキャン動作中のVC
O制御電圧の最適設定値を検出し、時刻T4 のタイミン
グで最適設定値に対応するレジスタ11の値をカウンタ
3に強制的にロードする。
【0064】更に詳細に動作を説明する。図3のDフリ
ップフロップ1は、最初にロックはずれを起こした時刻
T1 におけるはずれ方向検出パルス28の情報を保持す
るための回路であり、時刻T2 にてロックインされても
カウンタ3にあたえるカウントアップまたはダウンの指
示情報は変更されない。
【0065】もう一つのDフリップフロップ6は、ロッ
クはずれ検出パルス27が立ち上がる度に出力QをL,
H,Lと変化し、最初にロックはずれが検出されて時刻
T1でカウンタ3をイネーブル状態にして、次にロック
インする時刻T2 でもイネーブル状態を保持し、再度ロ
ックはずれが検出される時刻T3 でイネーブル状態を解
除してカウントアップまたはカウントダウンを停止する
ようにしている。
【0066】一方、A/D変換されたVCO制御電圧デ
ータを垂直同期信号VSYNCごとにレジスタ13に保存
し、Vs データ回路12に予めもっているVCO制御電
圧のセンター値Vs との差分を|差|回路14にて検出
する。尚、遅延回路10は、垂直同期信号VSYNCの立ち
下がりエッジ検出回路2の出力を一定時間遅延し、VC
O制御電圧をA/D変換した後に制御電圧データが十分
に確定する時間を与えている。また、レジスタ16は、
アンロックが検出された時点で、例えばFF(H)に初
期化され、やはりVCO制御電圧のセンターVs 値との
差分を|差|回路17にて検出する。
【0067】そして、大小比較回路15にて|差|回路
14と|差|回路17の値を比較し、|差|回路17の
方が大きい場合に、レジスタ16をイネーブル状態と
し、レジスタ13のデータをレジスタ16に取り込み保
存する。またこれと同時に、レジスタ11をイネーブル
状態とし、その時のカウンタ3のカウント値を保持して
いるレジスタ9のデータをレジスタ11に取り込み保存
する。このようにして、設定値の検索期間における、最
適設定値(VCO制御電圧が最もセンター電圧Vs に近
くなるもの)を検出する。
【0068】[ロック状態のタイミングチャート]ここ
で、図3、7、8により検索期間における各回路の値に
ついて説明する。図8の定常状態では、カウンタ出力3
はQn であり、図7における設定値Qn に対応するクロ
ック周波数fn でロックしているとする。この場合、V
CO制御電圧30はセンター電圧Vs となっており、こ
のセンター電圧Vs がA/D変換された後のディジタル
値CEN が、制御電圧データ31としてレジスタ13に格
納されている。また、レジスタ出力16は、ロック状態
に入る以前のロック範囲検出期間の終了時のロックはず
れ検出パルス27の立ち上がりエッジパルス8によりセ
ットされており、初期値としてディジタル値MAX となっ
ている。
【0069】また、図3の|差|回路14の出力は、V
s データ回路12の固定値をセンター電圧Vs としてい
る場合で、クロック周波数fn でロックしている場合
は、レジスタ13もセンター電圧Vs となっており、そ
の差は0Vとなっている。また,|差|回路17の出力
は、レジスタ出力16がMAX 、即ち、VCO制御電圧3
0の上限または下限に対応するディジタル値にセット又
はリセットされているため、VCO制御電圧範囲(図6
のV1 〜V2 間電圧でこの場合5V)の半分、即ち2.
5Vとなっている。
【0070】更に、レジスタ9は、垂直同期信号のエッ
ジ検出2の遅延出力10ごとに、カウンタ3の出力を取
り込んでおり、この場合はfn でロックされているの
で、設定値Qn となっている。また、レジスタ11は、
定常状態に入る前の履歴により異なり、図8では不定X
となっている。
【0071】[ロックはずれの時のタイミングチャー
ト]次に、PLL回路がロックインされている定常状態
から、PLL回路に入力される基準信号H.REFが異
なる周波数に変更されて、ロックはずれが生じた場合を
説明する。
【0072】図8においてアンロックとなると、図2で
説明したように、アンロックから一定時間経過後の時刻
T1 にロックはずれ検出パルス27がHレベルとなる。
D/F・F6は、ロックはずれ検出パルス27の立ち上
がりエッジ検出回路8の出力により反転され、Hレベル
となる。このHレベルは、立ち上がりエッジ検出回路8
の出力が次ぎに出力される時刻T3 まで維持され、カウ
ンタ3のイネーブル入力となっている。
【0073】また、図8では、周波数が低い側にアンロ
ックとなった場合としており、はずれ方向検出パルス2
8は、Hレベルとなっている。このHレベルは、D/F
・F1により、ロック範囲検出期間中維持され、図3の
カウンタ3のU/D入力に与えられ、カウンタ3をカウ
ントアップさせることになる。従って、カウンタ3は、
D/F・F6によりイネーブル状態にされているので、
D/F・F1のHレベルにより、カウントアップされ、
カウンタ3の出力はQn+1 ,Qn+2 ,Qn+3 ・・・とス
キャンされる。なお、このスキャンは、図3の垂直同期
信号のエッジ検出回路2の出力をカウンタ3へのクロッ
ク信号として入力することで行われる。
【0074】このことは、図8においては、カウンタ3
の出力のQn+5 までのスキャン期間が、アンロックとな
っており、VCO制御電圧30は、その制御範囲の上
限、即ち、図6の電圧V2 に張り付いている。従って、
制御電圧データ31及びレジスタ13はMAX となってお
り、|差|回路出力14は、VCO制御電圧V2 とセン
ター値Vs の差であり、2.5Vとなっている。一方、
|差|出力17も、レジスタ16がMAX にセットされて
いるので、センター値Vs との差である2.5Vとなっ
ている。この場合、大小比較回路15は、|差|回路1
4の出力Aと差回路17の出力Bを比較し、B>Aの場
合に、Hレベルとなるが、今の時点では、A,B共に
2.5Vであり、大小比較回路15の出力はLレベルと
なっている。
【0075】一方、時刻T2 になると、カウンタ出力は
Qn+6 となり、ロックインとなる。時刻T2 でロックは
ずれ検出パルス27はLレベルに戻り、はずれ方向検出
パルス28は不定となるが、前述のように、D/F・F
6及びD/F・F1にその情報は保存されており、カウ
ンタ3のスキャン動作は継続される。
【0076】カウンタ3がQn+6 となると、図6に示す
ように、VCO制御電圧の上限に近い点で周波数fnn
にロックインとなる。この状態は、図8のVCO制御電
圧30にもとして示されている。また、図8では、こ
のVCO制御電圧値のA/D変換値である制御電圧デー
タ31及びレジスタ13は、ディジタル値D1 で示され
ている。従って、Vs データ回路12のVs (センター
値)とレジスタ13との差は2.3Vであり、この値が
|差|回路14の出力A値となっている。
【0077】この時、レジスタ16はまだMAX のままで
あり、Vs データ(センター値)との差は2.5Vのま
まであり、|差|回路17の出力B値は2.5Vとなっ
ている。従って、B>Aが成立し、大小比較回路17の
出力はHレベルとなり、レジスタ16へのイネーブル信
号として送られる。このレジスタ16の入力は、レジス
タ13の出力に接続されており、このイネーブル信号に
より、次ぎのクロック入力(垂直同期信号のエッジ検出
出力8を遅延した出力10)の時、レジスタ16の値
は、レジスタ13の値に置き替わる。
【0078】一方、大小比較回路15の出力は、レジス
タ11のイネーブル入力ともなっており、このレジスタ
11の値は、レジスタ9の値に置き替わる。従って、レ
ジスタ11は、ロックインした係数Qn+6 に置き替わる
ことになる。
【0079】係数Qn+6 でロックインしても、上述によ
うにスキャン動作は継続され、カウンタ3は次ぎのQn+
7 の値をとる。図6に示すように、係数Qn+7 でもfnn
にロックイン可能であり、この場合は点でロックする
ことになる。この時のVCO制御電圧30は、図8でも
同様にで示され、制御電圧データ31及びレジスタ1
3は、ディジタル値D2 で示されている。
【0080】この場合は、|差|回路14の出力Aは、
レジスタ13の電圧とVs データとの差であり2Vと
なる。一方、|差|回路17の出力Bは、レジスタ16
のD1 (つまり、一つ前のロックインの係数Qn+6 に対
応するディジタル値)とVsデータとの差であり2.3
Vとなる。従って、この場合もB>Aが成立し、レジス
タ16はレジスタ13の値に置き替わり、レジスタ11
の値はレジスタ9の値に置き替わる。つまり、よりセン
ター電圧Vs に近い値に置き替わることになる。
【0081】更にスキャン動作は継続し、カウンタ3は
Qn+8 となると、図6及び図8に示すように、fnnは
点でロックインされる。この場合も、よりセンター電圧
Vsに近いので、上述と同様にレジスタ16とレジスタ
11は、Qn+8 に対応する値に置き替わる。
【0082】更にスキャン動作が継続し、カウンタ3が
Qn+9 になると、図6及び図8に示すように点でロッ
クされるものの、センター電圧Vs から遠ざかる位置と
なる。この場合は、制御電圧データ31及びレジスタ1
3はディジタル値D4 となり、|差|回路14の出力A
は、レジスタ13の電圧とセンター電圧Vs との差で
ある1Vとなる。一方、|差|回路17の出力Bは、デ
ィジタル値D3 (つまりアナログ値では電圧)とセン
ター値との差である0.5Vとなっている。従って、こ
の場合はB<Aとなり、大小比較出力15はLレベルと
なり、レジスタ16及びレジスタ11へのイネーブル信
号は消滅し、レジスタ16及びレジスタ11はQn+9 に
対応する値に置き替わらず、最もセンター電圧Vs に近
い値であるQn+8 に対応する値のままとなる。
【0083】スキャン動作は更に継続し、カウンタ3は
Qn+10となり、この場合も図6の点に示すようにfnn
でロックされるが、センター電圧から更に遠ざかってお
り、レジスタ16及びレジスタ11は、最適設定値であ
るQn+8 に対応する値を保存したままである。
【0084】一方、スキャン動作により、カウンタ3が
Qn+11となると、図6に示すようにロックがはずれる。
この場合は、図8において、ロックはずれ検出パルス2
7は、時刻T3 において、再びHレベルとなる。そし
て、はずれ方向検出パルス28は、周波数が高い側にア
ンロックとなるので、Lレベルとなっている。
【0085】このロックはずれ検出パルス27の立ち上
がりエッジ検出出力8により、D/F・F6は反転し、
カウンタ3へのイネーブル信号をLレベルに戻すが、D
/F・F1は、はずれ方向検出パルス28のLレベルを
保持している。また、VCO制御電圧30は、制御電圧
の下限値(図6における電圧V1 )に張り付いており、
制御電圧データ31は電圧V1 に対応するディジタル値
D6 となっている。この場合も、大小比較回路15の出
力はLレベルであり、レジスタ16及びレジスタ11は
最適設定値であるQn+8 に対応する値を保存している。
【0086】[最適設定値をロードするときのタイミン
グチャート]時刻T3 の経過後、垂直同期信号が入力さ
れると、その立ち下がりエッジ検出回路2の出力が、時
刻T4 に論理積回路7に入力される。従って、ロックは
ずれ検出パルス27がHレベルであり、D/F・F6の
Qバー出力もHレベルであるので、T4 におけるエッジ
検出回路2の出力は、論理積回路7を通過する。この論
理積回路7の出力は、カウンタ3のロードパルスとなっ
ており、カウンタ3はレジスタ11に保存されていた最
適設定値Qn+8 をカウンタ3にロードする。
【0087】Qn+8 がカウンタ3にロードされると、P
LL回路は、図6の点の位置でfnnにロックされ、定
常状態に移行する。このため図8においては、ロックは
ずれ検出パルス27は、Lレベルに戻り、VCO制御電
圧30は点に対応した値となり、制御電圧データ31
及びレジスタ13はディジタル値D3 となる。また、レ
ジスタ16は、時刻T4 でロックはずれ検出パルス27
の立ち上がりエッジ検出回路8の出力でセットされてお
りディジタル値MAX となる。
【0088】この結果、係数乗算器23の係数が設定値
Qs (図7の例ではQn+8 )に設定される。従って、新
たな係数の下でのロックイン状態は、ロック周波数fnn
を中心とする制御直線上で実現されることになり、従来
のように上限値または下限値でのロックイン状態を回避
することができる。
【0089】尚、本実施の形態例では、第2の基準信号
である垂直同期信号VSYNCごとに係数をスキャンしてい
るが、それよりも周波数が高い第1の基準信号である水
平同期信号HSYNCごとにスキャンすることもできる。H
SYNCごとにスキャンすれば、ロックはずれが発生してか
らロックインするまでの時間を短縮することができ、P
LL回路の応答性を向上させることができる。
【0090】また、Vs データ回路12の基準値を制御
電圧範囲の中央値としたが、VCO発振器の制御電圧特
性が非線形等の場合に、最も制御範囲が広くなるように
基準値を設定したい場合がある。従って、Vs データを
RAM又はROM等により可変設定可能にすれば、VC
O発振器の特性に応じて、PLL回路の制御特性を向上
させることができる。
【0091】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、係
数乗算器をVCOの後段に配置し、係数を適宜制御する
方式のPLL回路において、最適設定値を選択するため
に、VCO制御電圧レベルを監視し、最も制御電圧帯の
基準値Vs に近い電圧でロックする設定値を選択でき
る。
【0092】従って、かかるPLL回路が表示装置のサ
ンプリング・パルスの生成回路として使用された場合、
画像の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPLL回路のブロック図である。
【図2】本発明のロックはずれ検出回路25の回路図で
ある。
【図3】本発明の係数Q制御回路26の回路図である。
【図4】本発明の係数ROMにあらかじめ書き込むデー
タの説明図である。
【図5】本発明のロックはずれ検出のタイミングチャー
トである。
【図6】本発明の設定値選択方式の説明図(1)であ
る。
【図7】本発明の設定値選択方式の説明図(2)であ
る。
【図8】本発明の係数Q制御回路26のタイミングチャ
ートである。
【図9】従来のPLL回路のブロック図である。
【図10】VCOの特性図である。
【図11】係数乗算器によるVCOの可変範囲拡大を説
明する特性図である。
【図12】H.REF×Nがオーバーラップ範囲にある
場合の説明図である。
【符号の説明】
20 位相比較回路 21 ローパスフィルタ 22 電圧制御発振回路 23 係数乗算器 24 分周器 25 ロックはずれ検出回路 26 係数Q制御回路 27 ロックはずれ検出信号 28 はずれ方向検出信号 29 係数Q設定信号 30 VCO制御電圧 31 制御電圧データ 40 A/Dコンバータ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の基準信号を入力し該第1の基準信号
    に同期した整数倍の周波数を有するクロック出力を生成
    するPLL回路において、 該第1の基準信号と該クロック出力を前記整数分の1に
    分周した比較信号との位相差に応じた制御電圧を出力す
    る位相比較回路と、 該位相比較回路の制御電圧に応答して所定の制御周波数
    帯内の周波数を有する信号を出力する発振器と、 該発振器からの信号の周波数に係数を乗算した周波数を
    有する前記クロック出力を出力する係数乗算回路と、 前記第1の基準信号と前記比較信号を入力し、当該両信
    号の位相がずれるロックはずれを検出した時にロックは
    ずれ検出信号とはずれ方向検出信号を出力するロックは
    ずれ検出回路と、 前記ロックはずれ検出信号とはずれ方向検出信号とを入
    力し、前記制御電圧が前記発振器の制御電圧範囲の基準
    値付近に位置する係数に対応する係数設定信号を前記係
    数乗算回路に供給する係数制御回路とを有することを特
    徴とするPLL回路。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記係数制御回路は、 前記クロック出力の任意の周波数に対して、ロックイン
    可能な異なる複数の係数を予め有し、 前記ロックはずれ検出信号に応答して、当該クロック出
    力の周波数でロックイン可能な複数の係数のうち、前記
    制御電圧が前記発振器の制御電圧範囲の基準値付近にな
    る係数を選択し、 該選択された係数に対応する係数設定信号を前記係数乗
    算回路に供給することを特徴とするPLL回路。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記係数制御回路は、 前記ロックイン可能な複数の係数を連続的に記憶する係
    数メモリと、 前記ロックはずれでイネーブル状態となり、前記はずれ
    方向検出信号に従ってカウントアップまたはカウントダ
    ウンし、当該カウント値を前記係数メモリの入力アドレ
    スとして供給するアップ・ダウン・カウンタとを有し、 前記ロックはずれ検出信号に応答して、前記カウント値
    をアップまたはダウンすることで係数メモリ内の複数の
    係数をスキャンし、前記制御電圧が前記基準値付近でロ
    ックできるカウント値を選ぶことを特徴とするPLL回
    路。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記係数制御回路は、 前記スキャンごとにロックインする第1、第2の制御電
    圧を記憶する第1、第2のレジスタと、 該第1及び第2のレジスタの値を比較し、該第1のレジ
    スタの値が該第2のレジスタの値より前記基準値に近い
    時に、該第2のレジスタに該第1のレジスタの値を記憶
    させる比較回路と該第2のレジスタの値に対応する前記
    カウント値を記憶する記憶手段とを有することを特徴と
    するPLL回路。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記比較回路は、 前記第1及び第2のレジスタ値と前記基準値との差を比
    較し、 前記第2のレジスタの値と該基準値との差が、前記第1
    のレジスタの値と該基準値との差より大きい時に、該第
    2のレジスタに該第1のレジスタの値を記憶させること
    を特徴とするPLL回路。
  6. 【請求項6】請求項4又は5において、前記係数制御回
    路は、 前記の係数メモリ内の複数の係数をスキャンして最後に
    ロックインするカウント値を検出した後に再度ロックは
    ずれを検出すると、 前記記憶手段のカウント値を前記アップ・ダウン・カウ
    ンタにロードすることを特徴とするPLL回路。
  7. 【請求項7】請求項4から6のいずれかの請求項におい
    て、前記係数制御回路は、 前記第1の基準信号より周波数の低い第2の基準信号に
    同期したタイミングでスキャンし、前記制御電圧に対応
    する値を前記第1のレジスタに記憶することを特徴とす
    るPLL回路。
  8. 【請求項8】請求項4から6のいずれかの請求項におい
    て、前記係数制御回路は、 前記第1の基準信号に同期したタイミングでスキャン
    し、前記制御電圧に対応する値を前記第1のレジスタに
    記憶することを特徴とするPLL回路。
  9. 【請求項9】請求項4から8のいずれかの請求項におい
    て、前記第2のレジスタは、 前記ロックはずれ検出回路によりアンロックが検出され
    た時点で所定の初期値に設定されることを特徴とするP
    LL回路。
  10. 【請求項10】請求項3から9のいずれかの請求項にお
    いて、 前記基準値は、前記発振器の制御電圧のほぼ中央の値で
    あることを特徴とするPLL回路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007116662A (ja) * 2005-10-20 2007-05-10 Honeywell Internatl Inc ロックの喪失後にフェーズ・ロックド・ループをリセットするための回路

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JP2007116662A (ja) * 2005-10-20 2007-05-10 Honeywell Internatl Inc ロックの喪失後にフェーズ・ロックド・ループをリセットするための回路

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