JPH1030373A - 蝶 番 - Google Patents

蝶 番

Info

Publication number
JPH1030373A
JPH1030373A JP17799496A JP17799496A JPH1030373A JP H1030373 A JPH1030373 A JP H1030373A JP 17799496 A JP17799496 A JP 17799496A JP 17799496 A JP17799496 A JP 17799496A JP H1030373 A JPH1030373 A JP H1030373A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
knuckle
hinge
screw
mounting plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17799496A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Yagi
克巳 八木
Hayato Yagi
隼人 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yagi KK
Original Assignee
Yagi KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yagi KK filed Critical Yagi KK
Priority to JP17799496A priority Critical patent/JPH1030373A/ja
Publication of JPH1030373A publication Critical patent/JPH1030373A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Hinges (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 扉を取り付けたのちに取り付けの心合せを、
3次元方向に自在に調整しうる蝶番を提供する。 【解決手段】 第1蝶番1は、下部2と、上部3と下部
ホルダー4とからなる。下部2は、端縁に下ナックル1
8が形成された取付板15と、上端軸部17を有する下
部軸11と、該下部軸11を支持する下部擬宝珠13
と、第1調整ネジ12と、第2調整ネジ14とからな
り、第1調整ネジ12を回転させると下部軸11は、下
支点ピン16を中心にして矢印6方向に揺動し、第2調
整ネジ14を回転させると下部軸11は、上下方向(矢
印7方向)に移動する。また、上部3は、前記上端軸部
17を受けるための下端軸受部55を有する上部軸51
と、該上部軸51を支持する上部擬宝珠53と、第3調
整ネジ52とからなる。第3調整ネジ52を回転させる
と上部軸51は、上支点ピン56を中心にして矢印8方
向に揺動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蝶番に関する。さら
に詳しくは扉、窓その他の開閉されるものを静止部材に
取り付けるための蝶番に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、図17に示されるような蝶番150が一般的に使
用されている。この蝶番150は、それぞれの端縁にナ
ックル153、154が形成されている2枚の取付板1
51、152と、それぞれのナックル153、154を
貫いて挿入され、その両端頭部156がかしめられて2
枚の取付板151、152を回転自在に支持する軸ピン
155とからなる。157は取付孔である。
【0003】この蝶番150を用いて、図18および図
19に示されるように扉Dを建具枠Fなどに取りつけた
ばあい、扉Dが建具枠Fの内部にきちんと納まらず、建
具枠Fとのあいだの心合せが狂うことがある。
【0004】このばあい、図19に示されるように建具
枠Fとのあいだの隙間が不ぞろいになり不体裁であるば
かりでなく、扉Dの開閉に支障が生ずるという問題があ
る。
【0005】しかも、前述のような従来の蝶番150で
は、心合せの狂いを調節できないので、いったん扉Dを
取りつけた後は、心合せの修正ができないという問題が
ある。
【0006】そこで、図20に示されるような、蝶番1
60が提案されている。この蝶番160は、矢印161
および矢印162方向の心合わせの修正が可能である。
【0007】すなわち、図20において、一方の取付板
171のナックル173の底端には、擬宝珠176がピ
ン177で固定されている。このナックル173には、
2本のねじ棒178、179がナックル173の軸方向
に間隔をおき、かつ半径方向に貫通するように取りつけ
られている。そして、各ねじ棒178、179は、ナッ
クル173から抜けることなく、しかも回転自在に取り
付けられている。
【0008】軸ピン180は下端部181と上端部18
2とからなり、下端部181はナックル173に挿入さ
れている。この下端部181は、その外径がナックル1
73の内径よりも細く、ナックル173の内部で半径方
向に動く余地がある。そして、この下端部181は、前
記ねじ棒178、179に螺合されて、支持されてい
る。
【0009】軸ピン180の上端部182には、他方の
取付板172のナックル174が挿入されている。この
ナックル174の上端には、擬宝珠183が固定されて
おり、その内部には雌ねじ部184が形成されている。
そして、雌ねじ部184には調節ねじ185が螺合され
ている。この調節ねじ185は、ねじ込めばナックル1
74内へ進入し、ねじ戻せばナックル174内から上昇
する。そして、調節ねじ185の先端は、滑り板186
を介して軸ピン180の上端に当接している。
【0010】この蝶番160は、取付孔175にビスを
通して建具枠と扉に固定した後で、心合せを行うことが
できる。
【0011】すなわち、ねじ棒178、179を回転さ
せれば、軸ピン180の下端部181をナックル173
内で、そして、中心位置から偏寄させたり、また中心位
置に戻したりすることができる。そして、ねじ棒17
8、179を互いに反対向きに回転させて、軸ピン18
0の軸心をナックル173に対して傾斜させることもで
きる。この操作により、建具枠Fに取りつけられた扉D
の上端部または下端部(図19参照)の横方向の心ズレ
を修正しうる。
【0012】つぎに、調整ねじ185をねじ込めば、調
整ねじ185の先端が軸ピン180の上端に当接してい
るので、ナックル174が上昇する。逆に調整ねじ18
0をねじ戻せば、ナックル174が下降する。これによ
り、取付板172が上昇下降するので、扉Dの高さ方向
の心ズレを修正することができる。
【0013】この蝶番160によれば、扉などを建具枠
に取りつけたのちに、扉と建具枠間の心合せを調整しう
るので、不体裁な隙間の狂いなどを解消することができ
る。
【0014】しかしながら、図20に示されるような蝶
番160でも、まだ調整しうる方向が矢印161、16
2を含む平面内に限られており、矢印163方向の調整
はできず、微妙な調整をすることができないという問題
を残していた。
【0015】本発明はかかる事情に鑑み、扉を取り付け
たのちに取り付けの心合せを、3次元方向に自在に調整
しうる蝶番を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の蝶番は、
(a)先細りの上端軸部と、径方向に貫通した第1ネジ
孔を有する胴部と、該胴部の下方にあって前記第1ネジ
孔の軸方向と直交する方向に突起状に設けられる下支点
ピンを有する脚部とからなる下部軸と、(b)該下部軸
の第1ネジ孔に螺入される第1調整ねじと、(c)前記
下部軸を揺動可能に内包するための略U字形状の溝を形
成するとともに、前記下支点ピンを上下方向移動可能お
よび回転可能に支持するための長孔が形成された1対の
側壁部と、前記略U字形状の溝の底の中心から下方に向
けて貫通した第2ネジ孔を有する円筒台とからなる下部
擬宝珠と、(d)該下部擬宝珠の第2ネジ孔に螺入され
る第2調整ネジと、(e)前記下部擬宝珠が挿入される
とともに、前記第1調整ネジを螺入するための器具の先
端を挿入するための孔が形成された下ナックルをその端
縁に有する下部取付板と、(f)前記下部軸の上端軸部
が挿入される釣鐘状の下端軸受部と、径方向に貫通した
第3ネジ孔を有する胴部と、該胴部の上方にあって前記
第3ネジ孔の軸方向と直交する方向に突起状に設けられ
る上支点ピンを有する頭部とからなる上部軸と、(g)
該上部軸の第3ネジ孔に螺入される第3調整ネジと、
(h)前記上部軸を揺動可能に内包するための下向きの
略U字形状の溝を形成するとともに、前記上支点ピンを
回転可能に支持するための円孔が形成された一対の側壁
部と、該側壁部の上方に設けられる円柱状の蓋部からな
る上部擬宝珠と、(i)前記上部擬宝珠が挿入されると
ともに、前記第3調整ネジの穴に前記器具を挿入するた
めの孔が形成された上ナックルをその端縁に有する上部
取付板を備えてなることを特徴としている。
【0017】また、請求項2記載の蝶番は、請求項1記
載の蝶番において、前記第2ネジ孔および第2調整ネジ
を、それぞれスプリング支持部およびスプリングに代
え、当該スプリングの付勢力に抗して前記下部軸が下方
に移動し、その上端軸部を前記下ナックルの内部に引っ
込ませうるよう構成してなることを特徴としている。
【0018】そして、前記下部取付板の上端が、前記上
部取付板の下端よりも下にあり、取付板同士が干渉する
ことなく全回転することができることが好ましい。
【0019】また、前記第1調整ネジまたは第3調整ネ
ジが、両端に前記器具用の穴または溝を有しており、ど
ちらからでも操作することができることが好ましい。
【0020】さらに、前記下ナックルおよび上ナックル
が、少なくともいずれか一方がその内部で移動可能なよ
うに収納しうるキャップ内に収納されていることが好ま
しい。
【0021】さらにまた、前記先細りの上端軸部と、前
記下端軸受部の内面とのあいだに遊びが設けられてなる
ことが好ましい。
【0022】さらに、請求項7記載の蝶番は、(a)上
ナックルがその端縁に形成される上部取付板と、(b)
下ナックルがその端縁に形成される下部取付板と、
(c)下向きの釣鐘状の下端軸受部を有するとともに、
その上方に設けられた上支点ピンを支点として左右方向
に揺動しうるように前記上ナックルの内部に配設される
上部軸と、(d)前記下端軸受部に遊嵌される上端軸部
を有するとともに、その下方に設けられた下支点ピンを
支点として前後方向に揺動しうるように前記下ナックル
の内部に配設される下部軸と、(e)前記上部軸の上支
点ピンと下端軸受部のあいだであって、揺動可能な方向
に貫通するよう穿設されたネジ孔に螺入される左右位置
調整ネジと、(f)前記下部軸の下支点ピンと上端軸部
のあいだであって、揺動可能な方向に貫通するよう穿設
されたネジ孔に螺入される前後位置調整ネジと、(g)
少なくとも前記上部軸または前記下部軸のうちの一方を
上下動可能に支持するとともに、それを上下方向に押圧
しうるよう設けられる上下位置調整ネジを備えてなるこ
とを特徴としている。
【0023】また、請求項8記載の蝶番は、請求項7記
載の蝶番において、前記上下位置調整ネジの代わりに上
下方向に押圧しうるスプリングを設けてなることを特徴
としている。
【0024】請求項7または8記載の蝶番において、前
記上部軸の上端軸部が先細りであることが好ましい。
【0025】または、請求項7または8記載の蝶番にお
いて、前記下部軸の下端軸受部の内部の空洞が、下端か
ら奥部に向けて径が広がるように構成されてなることが
好ましい。
【0026】さらに、請求項7または8記載の蝶番にお
いて、前記上下ナックルが、2つの向かい合う同心の円
弧部と、それぞれの内部に揺動可能に収納される下部軸
または上部軸の揺動方向に平行な、2つの向かい合う平
坦部から構成されてなることが好ましい。
【0027】また、前記下部取付板の上端が、前記上部
取付板の下端よりも下にあり、取付板同士が干渉するこ
となく全回転することができ、前記上下取付板に設けら
れるネジ止め用の取付孔の形状が、厚さの中心線に対し
て対称に、ネジの頭部を受ける頭部当接部を前後に2つ
有しており、前後どちらからネジを挿入しても頭部の一
部または全部を取付板内に埋設させうるよう構成されて
なることが好ましい。
【0028】さらに、前記前後位置調整ネジが、両端に
それらを操作するための器具用の穴または溝を有してお
り、どちらからでも操作することができることが好まし
い。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の蝶番を詳細に説明する。図1は請求項1記載の蝶
番の一実施例を示す斜視説明図、図2は図1の蝶番にお
ける縦断面説明図、図3は図1の蝶番の要部の組立説明
図、図4は図1の蝶番における下部の上面図、図5は請
求項2記載の蝶番の一実施例を示す斜視説明図、図6〜
図8は図5の蝶番の動作説明図、図9は本発明の蝶番の
他の実施例の説明図、図10〜12は請求項7記載の蝶
番の一実施例を示す全体斜視図、側断面図および組立斜
視図、図13および図14は請求項8記載の蝶番の一実
施例を示す側断面図および組立斜視図、図15は本発明
の蝶番の他の実施例を示す要部側断面図、図16は本発
明の蝶番のさらに他の実施例を示す要部横断面図であ
る。
【0030】図1は請求項1記載の蝶番の一実施例を示
しており、第1蝶番1は、下部2と、上部3と、それら
のあいだに挿入される下部ホルダー4とからなる。ま
た、下部2は、下部軸11、第1調整ネジ12、下部擬
宝珠13、第2調整ネジ14および下部取付板15から
構成され、一方、上部3は、上部軸51、第3調整ネジ
52、上部擬宝珠53および上部取付板54から構成さ
れている。上部3および下部2の各部材は、鉄、ステン
レス、アルミニウム、真ちゅうなどの金属から製造され
ることが、強度が確保できるという点から好ましい。ま
た、下部ホルダー4は、ABSなどの合成樹脂製である
ことが、弾力性に富んでいる点より好ましい。
【0031】第1蝶番1は、棒スパナ5によって3方向
に調整が可能である。すなわち、第1調整ネジ12を回
転させると下支点ピン16を中心にして下部軸11は矢
印6方向に揺動する。下部軸11の上端軸部17は、上
部軸51の下端軸受部55に挿入されて上部3を回転自
在に支持している。第2調整ネジ14を回転させると上
下方向(矢印7方向)に下部軸11は移動する。第3調
整ネジ52を回転させると上部軸51は、上支点ピン5
6を中心にして矢印8方向に揺動する。
【0032】下部取付板15の端縁には下ナックル18
が形成されており、取付孔19に取付ネジを挿入して取
付枠側に取り付ける。また、上部取付板54の端縁には
上ナックル58が形成されており、扉側に取り付ける。
下ナックル18および上ナックル58は、同径の円筒形
であり、ともに棒スパナ5を挿入するための孔20、お
よび孔59、60を有している。
【0033】また、下部取付板15の上端15aは、上
部取付板54の下端54aよりも下にある(図2参
照)。これによって、取付板15、54は、それぞれ干
渉し合うことなく360度の回転ができるため、取付位
置の自由度が大きくなる。たとえば、図2では、左側が
取付枠、右側が扉であること想定して、左側に下部取付
板15、右側に上部取付板54を配置しているが、これ
を逆にすることもできる。すなわち、左側が扉、右側が
取付枠であったとしても、常に取付枠側に下部取付板1
5が、扉側に上部取付板54が、それぞれ取り付けられ
るように配置することができる。すなわち、扉の重量を
受ける上部3を、取付枠側に取り付けられた下部2で回
転自在に支えるように取り付けることができる。なお、
下部取付板15の下端15b(図2参照)の位置は規制
されないので、図よりも下方に延設し、支持する扉の重
量に応じて取付孔19の数を増やし、適当な太さと本数
のネジを用いて取付枠に取り付けることができる。上部
取付板54の上端54aについても同様のことがいえ
る。
【0034】つぎにまず、第1蝶番1の下部2のうち、
下ナックル18内に内設される下部軸11、第1調整ネ
ジ12、下部擬宝珠13および第2調整ネジ14の構成
について順次説明する。
【0035】下部軸11は、図3に示されるように、下
部擬宝珠13に内包される。下部軸11は、上端軸部1
7と、第1ネジ孔21を有する胴部22と、下支点ピン
16を有する脚部23とからなる。図2に示されるよう
に、上端軸部17は、釣鐘状の下端軸受部55内に挿入
される。また、上端軸部17は先細りとなっており、下
端軸受部55に対し挿入された状態で傾斜させることが
できる。第1ネジ孔21は、径方向に貫通している。な
お、上端軸部17と下端軸受部55の内面とのあいだに
は、互いの傾斜を吸収しうる程度に、遊びが適宜設けら
れる。
【0036】図4は第1蝶番1の下部2の上面図であ
る。図4に示されるように、下部軸11は、第1ネジ孔
21の軸方向と平行に、かつ下ナックル18の内径に合
わせて面取りされている。面24と面25のあいだの最
大距離は、下ナックル18の内径よりも小さいので、そ
の差の分だけ、下部軸11は矢印6方向に移動可能であ
る。また、面取りされた他の面26、27は平行であ
り、下部擬宝珠13の側壁部28、29の内面を摺動
し、ガイドされる。
【0037】下部軸11の脚部23には下支点ピン16
が突起状に設けられる(図3参照)。この下支点ピン
は、その長さが下ナックル18の内径にほぼ等しいもの
を用い、脚部23に形成された孔に嵌着させ、両端が脚
部より出るようにして突起状に設けられている。下支点
ピン16の軸方向は、第1ネジ孔21の軸方向と直交し
ており、下部擬宝珠13の側壁部に設けられた長孔30
に挿入される。これにより、下部軸11は矢印6方向に
揺動可能に支持されるばかりでなく、上下方向(矢印7
方向)にも移動可能に支持される。
【0038】また、下部軸11の下端面40には第2調
整ネジ14の先端が当接する(図2参照)。第2調整ネ
ジ14の押圧によって、下部軸11は上下方向に移動す
る。この下端面40は、図2に示されるように、揺動す
る方向に合わせて円弧を描く曲面となっている。
【0039】第1調整ネジ12は、図4に示されるよう
に、下ナックル18の内径よりもわずかに小さい長さを
有しており、下部軸11の第1ネジ孔21に螺入されて
いる。第1調整ネジ12は棒スパナ5を差し込むための
穴31を有しており、第1調整ネジ12を外部から操作
して回転させると、下部軸11が矢印6方向に移動す
る。図2に示されるように、下部軸11の下支点ピン1
6は長孔30に挿入されており、下部軸11は下支点ピ
ン16を中心に揺動する。なお、棒スパナ5を差し込め
るような四角または六角の穴付きネジでなく、通常の頭
部に十または一の穴または溝を有するネジなどを用いる
こともできる。そのばあい、棒スパナに代えて適宜ドラ
イバーなどでネジを螺入させる。第2調整ネジ14また
は第3調整ネジ52についても同様である。
【0040】下部擬宝珠13は、一対の側壁部28、2
9と、円筒台32とからなり(図3参照)、下ナックル
18の内部に嵌着されるため、外径は下ナックル18の
内径に等しい略円筒形を呈している。一対の側壁部2
8、29は略U字形の溝33を形成するものである。こ
の溝33は、下部軸11の胴部22の平面26、27に
面して、下部軸11の揺動をガイドする。また、側壁部
28、29の下方には長孔30が形成されている。この
長孔30は、下部軸11の下支点ピン16を回転自在に
支持するものであり、また、下部軸11が上下方向に移
動できるように縦に長くなっている。円筒台32の中心
には、軸方向に貫通した第2ネジ孔34が形成されてい
る。
【0041】第2調整ネジ14は、穴付きの頭部を下に
して第2ネジ孔34に螺入される。図2に示されるよう
に、棒スパナ5を下から穴34に差し込んで回転させる
ことにより第2調整ネジ14は上下方向(矢印7方向)
に移動する。第2調整ネジ14の先端には下部軸11の
下端面40が当接しており、下部軸11を押し上げた
り、押し下げたりすることができる。
【0042】下部ホルダー4は、下ナックル18の上部
を覆うものであり、下部ホルダー4の内径は、下ナック
ル18の外径にほぼ等しい。また、下部ホルダー4の上
面には、下部軸11の上端軸部17を貫通させるととも
に、下部軸11の肩11aが上面の裏側に当接するよう
な大きさの孔4aが形成されている。したがって、下部
ホルダー4は、下部軸11の上下動に伴って上下に移動
する。そして、第一蝶番1の下部2と上部3のあいだの
隙間を隠し、外観を美しくする。側面には、棒スパナ5
を貫通させるための孔4bが形成されている。
【0043】つぎに、第1蝶番1の上部3のうち、上ナ
ックル58内に内設される上部軸51、第3調整ネジ5
2および上部擬宝珠53の構成について順次説明する。
【0044】上部軸51は、図2に示されるように、釣
鐘状の下端軸受部55と、第3ネジ孔61を有する胴部
62と、上支点ピン56が突起状に設けられた頭部63
からなる。
【0045】上部軸51の下端軸受部55は、下部軸1
1の上端軸部17が挿入されるものである。この上端軸
部17が挿入される孔は、その内径が上端軸部17の最
大径にほぼ等しいか、それよりも大きく、その高さが、
上端軸部17の高さよりも大きい円柱形状である。その
ほか、下端軸受部55、胴部62および頭部63の外形
はそれぞれ下部軸11の胴部22および脚部23に等し
く、上支点ピン56を中心とした揺動の構造も、下部軸
11の下支点ピン16を中心とした揺動の構造に等し
く、第3調整ネジ52によって揺動する。しかしなが
ら、配置される向きが90度異なっており、図1に示さ
れるように、下部軸11は矢印6方向に揺動し、上部軸
51は矢印8方向に揺動する。
【0046】第3調整ネジ52は、機能において、第1
調整ネジ12と同様であるが、両端に穴64(図2参
照)が設けられており、両側から操作ができる。具体的
には、図1において、第3調整ネジ52の軸方向は上部
取付板54の面に垂直であるため、上部取付板54に干
渉されずに棒スパナ5用の孔59、60を上ナックル5
8に形成することができる。そのため、両側から操作し
うるように、両端に穴64が2つ設けられている。
【0047】なお、下ナックル18においても、第1調
整ネジ12の軸方向の向きを下部取付板15の面に対し
角度をもつように変えることができる(それに合わせて
第3調整ネジの軸方向の向きも上部取付板54面内に含
まれない範囲で変更してもよい)。そのばあい、下ナッ
クル18にもう1つ、孔20に対向する孔を設けること
ができ、第1調整ネジ12の両端に穴を形成して、両端
側から操作するようにできる。
【0048】上部擬宝珠53は、図2に示されるよう
に、下向きの略U字形状の溝を形成する一対の側壁部6
5、66および円柱状の蓋部67からなる。上部擬宝珠
53も、上部軸51を揺動可能に内包する機能におい
て、下部擬宝珠13と同様であり、側壁部65、66の
内面は、上部軸51をガイドする。しかし、上部軸51
に上下動の機能はないため、上支点ピン56を回転自在
に支持する孔は円孔68である。
【0049】なお、図1に示される実施例では、上部軸
51は上下方向に移動しないが、上部3の上部擬宝珠5
3を、下部2の下部擬宝珠13の上下を逆にしたような
構成にすることにより、上部軸51も上下方向に移動し
うるよう構成することができる。また、下部2の下部擬
宝珠13と上部3の上部擬宝珠53を入れ代えて、上部
3のみが上下方向に移動可能であるような構成とするこ
ともできる。
【0050】つぎに、図5に基づいて、請求項2記載の
蝶番を説明する。図5において、請求項2記載の蝶番の
一実施例である、第2蝶番80は、大体において図1に
示される第1蝶番1の構成と同様であるが、下部擬宝珠
93は、第2調整ネジ14を支持するかわりに、スプリ
ング94を支持しており、また下部軸91が下方に大き
く移動しうるような構造となっている(図8参照)。そ
してまた、下部軸91の下端面90には、スプリング9
4を嵌着させるため、突起95が設けられている。
【0051】第2蝶番80は、第1蝶番1と異なり、自
ら移動しうる方向は、矢印6方向と矢印7方向の2方向
のみである。しかしながら、下部82と上部83は、連
結されていないので、結果として上下方向(矢印85方
向)に移動可能であり、第1蝶番1のような上下方向の
移動が可能な蝶番と組み合わせて用い、3方向の調整を
可能とする。また、第2蝶番80は、図8に示されるよ
うに、下部82の下部軸91の上端軸部97を、下ナッ
クル98の内部に引っ込めさせることができる。したが
って、下部82を柱に、上部83を扉に取り付けたあと
で、扉を平行に移動させつつ下部82を上部83に嵌め
ることができる。なお、84は上部ホルダーであり、上
ナックル88側に設けられている。
【0052】図6〜図8は、第2蝶番80の動作を説明
するものである。下部軸91は、第1調整ネジ92を回
転させることによって図6の位置から図7の位置まで揺
動可能である。揺動の中心は、下支点ピン96である
(このような機能および構成は、第1蝶番1の下部軸1
1および下部擬宝珠13と同様である)。
【0053】また、下部擬宝珠93には、縦溝99が形
成されており、図8に示されるように、下部軸91は、
縦溝99にガイドされて、上端軸部97が下ナックル9
8の内部に完全に引っ込むまで下方に移動することがで
きる。また、スプリング94の付勢力により上端軸部9
7は元の位置に戻ることができる。したがって、取り付
けは、上部83が取り付けられている扉を一度上方に持
ち上げるような手間を掛ける必要はなく、下部92の上
端軸部97を押さえつつ、扉を(上部83を)真横から
スライドさせることにより行うことができる。したがっ
て、簡単に取り付けることができるばかりでなく、扉の
上端面と天井とのあいだに距離がないため、扉を持ち上
げるスペースがなく、従来では取り付けられなかったよ
うな所にも、簡単に取り付けることができる。
【0054】図9は本発明の蝶番の他の実施例を示すも
のである。この蝶番100は、キャップ101を有して
おり、上ナックル102および下ナックル103を完全
に収納し、継ぎ目を隠すため、外観を美しくすることが
できる。このキャップ101は、ABSなどの合成樹脂
製であることが弾力性、加工性およびコストの点から好
ましい。キャップ101は、上キャップ104と下キャ
ップ105とから構成され、上キャップ104に形成さ
れた環状溝106に、下キャップ105に形成された環
状突起107を嵌め込めんで固定するようになってい
る。なお、嵌合によらず接着剤などにより上下キャップ
を固定してもよい。
【0055】上キャップ104は肉厚で、その内径は上
ナックル102の外径とほぼ等しい。これに対し、下キ
ャップ105の肉薄で、その内径は、下ナックル103
の外径よりも大きい。したがって、下キャップ105内
で下ナックル103は移動可能であり、3次元の調整を
行ったあと、上ナックル102の軸と、下ナックル10
3の軸がずれていても、下キャップ105内でこれを吸
収し、外部からはそのようなずれを見ることができな
い。なお、上キャップ104には、上部取付板108を
貫通させるための切欠110が、下キャップ105に
は、下部取付板109を貫通させる切欠111がそれぞ
れ形成されている。
【0056】さらに、図10〜16に基づいて、本発明
の蝶番の他の態様をいくつか説明する。第3蝶番201
(図12参照)および第4蝶番230(図14参照)
は、上下ナックル206、207の形状に特徴があり、
第1蝶番1(図1参照)および第2蝶番80(図5参
照)の円筒形の上下ナックル58、18(88、98)
と異なっている。したがって、第3蝶番201および第
4蝶番230は、図3、図4に示されるような側壁部2
8、29を有する下部擬宝珠13、および側壁部65、
66(図2参照)を有する上部擬宝珠13を必要としな
い。上下ナックル206、207が上部軸216、下部
軸208を直接にガイドするからである。
【0057】なお、請求項に用いた前後方向および左右
方向という記載は、揺動方向が2つの相互作用により2
次元になることを表わしている。したがって、これらの
方向は交換可能であり、また、正確に90度交差してい
る必要はなく、理論上は平行でなければよい。
【0058】図10はキャップ200を請求項7記載の
蝶番(第3蝶番)201に取り付けた状態を示す。キャ
ップ200は、図11に示されるように、上ナックル2
07および下ナックル206を内包するものである。上
部取付板205は、主に扉側に取り付けられ、下部取付
板204は、主に、取付枠側に取り付けられる。上キャ
ップ271と下キャップ272は、凹部276および凸
部277(図11参照)によって回転可能に嵌着されて
おり、上部取付板205の回動に従って回動する。
【0059】第3蝶番201は、図11および図12に
示されるように、下部202および上部203からな
る。また、下部202は、下部取付板204とその端縁
に設けられた下ナックル206と、下ナックル206内
に配設された、下部軸208、前後位置調整ネジ209
および下支点ピン210からなる。上部203は、上部
取付板205とその端縁に設けられた上ナックル207
と、上ナックル207内に配設された、左右位置調整ネ
ジ212、上下位置調整ネジ213、上部擬宝珠21
4、上支点ピン215および上部軸216から構成され
ている。上部3および下部2の各部材は、鉄、ステンレ
ス、アルミニウム、真ちゅうなどの金属から製造される
ことが、強度が確保できるという点から好ましい。
【0060】第3蝶番201は、棒スパナ5によって3
方向に調整が可能である。すなわち、前後位置調整ネジ
209を回転させると下支点ピン210を支点にして下
部軸208は揺動する。下部軸208の上端軸部211
は、上部軸216の下端軸受部217に挿入されて上部
203を回転自在に支持している。左右位置調整ネジ2
12を回転させると、上支点ピン215を中心に上部軸
216は揺動する。下部軸208の揺動方向と上部軸2
16の揺動方向(左右方向または前後方向)はちょうど
90度異なっており、上下位置調整ネジ213の調整方
向(上下方向)とあわせて、3次元方向に調整が可能で
ある。上下位置調整ネジ213は、上ナックル207の
上方に嵌入され、ピン229で固定されている上部擬宝
珠214の中心に設けられたネジ孔226に螺入されて
いる。また、下支点ピンは210は下ナックル206に
形成された円孔に嵌入され、上支点ピンは、上ナックル
207に形成された長孔225に挿入されている。
【0061】上ナックル207の形状は、図16に示さ
れるように、2つの向かい合う同心の円弧部219と、
平行に向かい合う2つの平坦部221からなる。上ナッ
クル207の平坦部221は、上ナックル207内に収
納されている上部軸216の揺動方向に平行である。ま
た、下ナックル206の形状も、図12に示されるよう
に、2つの同心の円弧部218と、平行な2つの平坦部
220からなる。平坦部220は、下ナックル206内
に収納される下部軸208の揺動方向に平行であり、上
部取付板205と下部取付板204を上下に揃えておい
たばあい、上ナックル207の平坦部221の下に、下
ナックル206の円弧部218がくるようになってい
る。一方、下部軸208の側面の形状も、円弧部と平坦
部を組み合わせたものとなっており、平坦部222は、
下ナックル206の平坦部220の内面にガイドされ
て、円弧部方向に形成される隙間の分だけ、揺動するこ
とができる。上部軸216も同様の構成となっている
が、前述したように揺動方向が90度異なっており、そ
れに合わせた形状となっている。
【0062】棒スパナ5を挿入するための孔223、2
24、226は、それぞれ下ナックル206の側面、上
ナックル207の側面、および上部擬宝珠214に設け
られている。孔223は、図12において前後どちらか
らでも棒スパナを差し込めるように、前後に2つ設けら
れている。図12において、孔224の対面側には、上
部取付板205が存在しており、棒スパナ15を差し込
むのは無理であるが、角度をずらすことにより可能とな
る。また、それに対応させて、左右位置調整ネジ212
または前後位置調整ネジ209の両端に棒スパナ5用の
六角穴または四角穴を設けておくことが好ましい。
【0063】また、図示しないが、これらの孔223、
224、226のまわりに、それぞれ、図10のキャッ
プ200の上面に設けられた矢印282のようなものを
刻印などの方法により設けておくことが好ましい。この
矢印は、各調整ネジ209、212、213に挿入され
る棒スパナ5の回転方向と、上下取付板204、205
の調整方向との関係を示すものであり、それぞれのネジ
に対応して、孔223のまわりに設けられる矢印には、
「前」および「後」を、孔224のまわりに設けられる
矢印には、「左」および「右」を、孔226のまわりに
設けられる矢印には、「上」および「下」をそれぞれ付
しておくことが好ましい。
【0064】また、図11に示されるように、下部取付
板204の上端204aは、上部取付板205の下端2
05aよりも下にあり、取付板204、205は、それ
ぞれ干渉し合うことなく360度の回転ができるように
なっている。そこで、上下取付板205、204に設け
られるネジ止め用の取付孔240は、図16に示される
ような形状とすることが好ましい。取付板の左右を変え
ると、取付板の表と裏も変わるからである。
【0065】この取付孔240は、頭部当接部241を
厚さの中心線を対称にして2つ有している。中央の円環
部242は、ネジの首部にあたる円筒部が当接するとこ
ろである。図16に示される例では、平頭ネジで止める
ばあいを想定して、頭部当接部241がテーパ孔になっ
ているが、径が円環部242の径よりも大きな円環状の
座ぐりにしてもよい。このような形状の取付孔240と
することにより、平頭ネジを前後、どちらから挿入して
も、その頭部の一部または全部を上下取付板の面内に埋
没させることができ、安全で仕上がりが美しくなる。
【0066】図13および図14に示される第4蝶番2
30は、図10〜図12に示される第3蝶番201と対
になって使用されると効果的なものである。第4蝶番2
30は、第3蝶番201の上ナックル207内に設けら
れる、上下位置調整ネジ213と上部擬宝珠214のか
わりに、スプリング231と台座232が設けられてな
るものである。
【0067】台座232はピン233によって上ナック
ル207に固定される。スプリング231は、上部軸2
16の上端に形成された突部234にその下端が嵌入さ
れ、上端は台座232に固定される。このスプリング
は、その下端から上端にかけて径が大きくなる台形スプ
リングであることが、ストロークを長くとれる点より好
ましいが、コイルスプリングなどであってもよい。
【0068】第4蝶番230は、第3蝶番201の上下
方向の調整に伴って、上部取付板205と下部取付板2
04の上下方向の相対的な位置が変化するばあいがある
が、スプリング231の付勢によって、下部軸208と
上部軸216の嵌着を常に強固なものとすることができ
る。
【0069】つぎに、図15に基づいて、本発明の蝶番
の他の実施例を説明する。本発明では、上部軸の上端に
設けられる上端軸部の形状を先細りとする代わりに、下
部軸の下端に設けられる下端軸受部の形状をテーパ状と
してもよい。これらは、下部軸に対して上部軸を傾けさ
せて接合できるようにするために必要な形状である。つ
まり、接触する面のうちのいづれか一方または両方の側
面が、軸中心線に対して傾いていればよい。
【0070】図15に示される例では、下部軸250の
上端軸部251が、根本から先端まで同径の円柱(側面
が軸中心線に対して平行)である一方で、上部軸252
の下端軸受部253の内部の空洞が、下端254から最
深部255にかけて広がって(軸中心線に対して傾い
て)おり、下部軸250と上部軸252は傾けた状態で
係合しあうことができる。
【0071】下端軸受部253の形状を、図15のよう
にすることによって、上下位置を調整しても、下端軸受
部253の径が下端254の内径と同じであるので、ガ
タが生じないという効果を奏しうる。
【0072】このほか、上端軸部を先細りにして、図1
5に示される下端軸受部253と組み合わせることも可
能である。
【0073】つぎに、キャップ200を図10および図
11に基づいて説明する。第3蝶番201は、図11に
示されるように、上部取付板205と下部取付板204
のあいだの距離K(縦方向のずれ)を調整しうるもので
あり、上下位置調整ネジ213を有している。キャップ
200はこの距離Kが広がることによってできる、上ナ
ックル207と下ナックル206のあいだの隙間を隠す
ことができる。同様に、前後位置調整ネジ209および
左右位置調整ネジ212で扉Dの取付位置を調整したあ
とにできる、上ナックル207と下ナックル206の中
心軸の傾き(横方向のずれまたは段差)を隠すこともで
きる。
【0074】キャップ200は、図10に示されるよう
に、上キャップ271および下キャップ272から構成
される。上キャップ271は上部取付板205を通すた
めの上部縦溝273を有しており、上部縦溝273内に
はくびれ部279が形成されている。下キャップ272
は、下部取付板204を通すための下部縦溝(図示せ
ず)を有している。また、図11に示されるように上キ
ャップ271の下端部外周には、円環状の凹部276が
形成されるとともに、下キャップ272の上端部内周に
は円環状の凸部277が形成される。凹部276および
凸部277は係合し合い、上キャップ271に下キャッ
プ272を回転可能に固定する。上キャップ271およ
び下キャップ272は、ABSなどの合成樹脂製である
ことが弾力性、加工性およびコストの点から好ましい。
【0075】また、上キャップ271の上面には、棒ス
パナ5を挿入するための孔278が設けられており(図
10参照)、その回りに矢印282が刻印されている。
矢印282は棒スパナ5の回転方向と、上部取付板20
5の移動方向の関係を示している。くびれ部279は上
部取付板205からキャップ200が上に抜けることが
ないように固定するものである。
【0076】さらに、図9のキャップ101では、上キ
ャップ104を肉厚とし、下キャップ105を肉薄とす
ることにより、下キャップ105内でのみ下ナックル1
03が移動しうるようになっている。図示しないが、こ
のほかに、上キャップのみを肉厚にするかわりに、厚さ
を同じにして、上キャップの内面にのみ、突条などの突
起物を設けても同様の効果を奏しうる。このような突起
物は、上キャップ1を、上ナックル207の外側に固定
するものであり、上ナックル207に対して上キャップ
1の中心が偏らないように、適宜突起物を配設すること
が好ましい。
【0077】図10のキャップは以下の手順により装着
される。キャップ200を嵌めたまま、取付板205を
扉側に、下部取付板204を取付枠に取付用のネジを介
して取り付ける。なお、取付位置を正確に位置決めすれ
ば、キャップ200を外して、上部取付板205と下部
取付板204をばらばらにして取り付けることも可能で
ある。つぎに扉を持ち上げて、上ナックル207内の釣
鐘状の下端軸受部217(図11参照)を、下ナックル
206内の上端軸部211に差し込み、棒スパナ5(図
12参照)で前後位置調整ネジ209および左右位置調
整ネジ212を回転させ、上部軸216と下部軸208
の傾きを調整し、扉と取付枠が平行になるようにする。
扉の上下の微調整は、上下位置調整ネジ213を操作す
ることによって行われる。上ナックル207に上キャッ
プ271を被せ、くびれ部279で上キャップ271が
固定されるまで押し込む。下キャップ272を下方より
下ナックル206に被せ、上端の凸部277が、上キャ
ップ271の凹部276に完全に係合するまで押し込
む。
【0078】また、上キャップ271は、孔278を有
しており、キャップ200を嵌めたあとでも、上下方向
の調整はできる。棒スパナ5をどちら向きに回転させた
らよいかは、矢印282(図10参照)をみればよい。
なお、上キャップ271および下キャップ272の側面
の適宜な位置に、孔278と同様な孔を設けることによ
って、左右、前後の調整もキャップをしたままでできる
ようになる。そのばあい、孔の付近に矢印282と同様
な刻印をしておくことが好ましい。
【0079】
【発明の効果】本発明の蝶番は、3つの調整ネジによっ
て3方向に微調整が可能である。したがって、扉を取り
付けたあとに、取付の心合わせを3次元方向に行うこと
ができ、正確な調整を行うことができる。そして、取付
後の見た目が綺麗であるとともに、扉の開閉をスムーズ
にすることができる。
【0080】また、軸をナックル内に引っ込めることが
できるので、軸を引っ込めさせて真横にスライドさせる
ことにより上半分(上部)と下半分(下部)を嵌着させ
ることができる。したがって、取付時に扉を持ち上げる
必要はなく、天井と扉上端との距離があまりないときの
取付も簡単に行うことができる。
【0081】さらに、上部取付板と下部取付板が互いに
干渉しないため、左右逆に取り付けることができ、取付
場所の選択の自由度が大きい。
【0082】上下取付板に設けられるネジ止め用の取付
孔の形状を、厚さの中心線に対して対称な2つの頭部当
接部を有する形状にすることにより、前後どちら側から
ネジを挿入しても、ネジの頭部の全部または一部を取付
板に埋設させることができ、安全で美しい仕上がりにす
ることができる。
【0083】また、調整ネジの両端に棒スパナ用の穴を
設け、両方から操作しうるので、取付位置の自由度が大
きく、操作もしやすい。
【0084】さらに、上下ナックルの形状を単純な円筒
形ではなく、平行な平坦部を有する形状にすることによ
り、内部の部品点数を減らして、上部軸または下部軸の
揺動をガイドすることができる。
【0085】また、上部軸の下端軸受部の内部の空洞を
下端から最奥部に向けて、径が広がるようにし、下部軸
の上端軸部を円柱にすることにより、上下位置を調整し
ても、下端軸受部の径が下端の内径と同じであるので、
ガタが生じない。
【0086】さらにキャップを被せることにより、ナッ
クル部分に異物が挟まるのを防ぐことができ、仕上がり
も美しくなる。
【0087】なお、本発明の蝶番の上部取付板および下
部取付板は、建具枠(柱など)および扉のいずれにも取
り付け可能であり、現場の状況に応じて選定することが
できるものであって、本発明においてその取付部位がと
くに限定されるものではない。さらに、上部取付板また
は下部取付板という名称にかかわらず、図示した姿勢と
は上下に逆にして扉または柱などに取り付けることもで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の蝶番の一実施例を示す斜視説明
図である。
【図2】図1の蝶番における縦断面説明図である。
【図3】図1の蝶番の要部の組立説明図である。
【図4】図1の蝶番における下部の上面図である。
【図5】請求項2記載の蝶番の一実施例を示す斜視説明
図である。
【図6】図5の蝶番の動作説明図である。
【図7】図5の蝶番の動作説明図である。
【図8】図5の蝶番の動作説明図である。
【図9】本発明の蝶番の他の実施例の説明図である。
【図10】本発明の蝶番のさらに他の実施例の斜視図で
ある。
【図11】図10の蝶番の側断面図である。
【図12】図10の蝶番のキャップを取った状態の組立
斜視図である。
【図13】請求項9記載の蝶番の一実施例を示す側断面
図である。
【図14】図13の蝶番のキャップを取った状態の組立
斜視図である。
【図15】本発明の蝶番のさらに他の実施例を示す要部
断面図である。
【図16】本発明の蝶番のまたさらに他の実施例を示す
要部断面図である。
【図17】従来の蝶番の正面図である。
【図18】従来の蝶番の取付状態の水平面説明図であ
る。
【図19】従来の蝶番の取付状態の正面説明図である。
【図20】従来の蝶番の一部断面斜視説明図である。
【符号の説明】
1 第1蝶番 5 棒スパナ 11、91 下部軸 12、92 第1調整ネジ 13、93 下部擬宝珠 14 第2調整ネジ 15 上部取付板 16、96 下支点ピン 17、97 上端軸部 18、98 下ナックル 20、59、60 棒スパナを挿入するための孔 21 第1ネジ孔 22 下部軸の胴部 23 下部軸の脚部 28、29 下部擬宝珠の側壁部 30 長孔 32 下部擬宝珠の円筒台 33 下部擬宝珠の略U字形状の溝 34 第2ネジ孔 51 上部軸 52 第3調整ネジ 53 上部擬宝珠 54 上部取付板 55 下端軸受部 56 上支点ピン 58、88 上ナックル 61 第3ネジ孔 62 上部軸の胴部 63 上部軸の頭部 65、66 上部擬宝珠の側壁部 67 上部擬宝珠の蓋部 68 円孔 80 第2蝶番 94 スプリング 100 蝶番 101 キャップ 102 上ナックル 103 下ナックル 108 上部取付板 109 下部取付板 200 キャップ 201 第3蝶番 204 下部取付板 205 上部取付板 206 下ナックル 207 上ナックル 208 下部軸 209 前後位置調整ネジ 210 下支点ピン 211 上端軸部 212 左右位置調整ネジ 213 上下位置調整ネジ 215 上支点ピン 216 上部軸 217 下端軸受部 218、219 円弧部 220、221 平坦部 230 第4蝶番 231 スプリング 240 取付孔 241 頭部当接部

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)先細りの上端軸部と、径方向に貫
    通した第1ネジ孔を有する胴部と、該胴部の下方にあっ
    て前記第1ネジ孔の軸方向と直交する方向に突起状に設
    けられる下支点ピンを有する脚部とからなる下部軸と、
    (b)該下部軸の第1ネジ孔に螺入される第1調整ねじ
    と、(c)前記下部軸を揺動可能に内包するための略U
    字形状の溝を形成するとともに、前記下支点ピンを上下
    方向移動可能および回転可能に支持するための長孔が形
    成された1対の側壁部と、前記略U字形状の溝の底の中
    心から下方に向けて貫通した第2ネジ孔を有する円筒台
    とからなる下部擬宝珠と、(d)該下部擬宝珠の第2ネ
    ジ孔に螺入される第2調整ネジと、(e)前記下部擬宝
    珠が挿入されるとともに、前記第1調整ネジを螺入する
    ための器具の先端を挿入するための孔が形成された下ナ
    ックルをその端縁に有する下部取付板と、(f)前記下
    部軸の上端軸部が挿入される釣鐘状の下端軸受部と、径
    方向に貫通した第3ネジ孔を有する胴部と、該胴部の上
    方にあって前記第3ネジ孔の軸方向と直交する方向に突
    起状に設けられる上支点ピンを有する頭部とからなる上
    部軸と、(g)該上部軸の第3ネジ孔に螺入される第3
    調整ネジと、(h)前記上部軸を揺動可能に内包するた
    めの下向きの略U字形状の溝を形成するとともに、前記
    上支点ピンを回転可能に支持するための円孔が形成され
    た一対の側壁部と、該側壁部の上方に設けられる円柱状
    の蓋部からなる上部擬宝珠と、(i)前記上部擬宝珠が
    挿入されるとともに、前記第3調整ネジの穴に前記器具
    を挿入するための孔が形成された上ナックルをその端縁
    に有する上部取付板を備えてなることを特徴とする蝶
    番。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の蝶番において、前記第2
    ネジ孔および第2調整ネジを、それぞれスプリング支持
    部およびスプリングに代え、当該スプリングの付勢力に
    抗して前記下部軸が下方に移動し、その上端軸部を前記
    下ナックルの内部に引っ込ませうるよう構成してなるこ
    とを特徴とする蝶番。
  3. 【請求項3】 前記下部取付板の上端が、前記上部取付
    板の下端よりも下にあり、取付板同士が干渉することな
    く全回転することができる請求項1または2記載の蝶
    番。
  4. 【請求項4】 前記第1調整ネジまたは第3調整ネジ
    が、両端に前記器具用の穴または溝を有しており、どち
    らからでも操作することができる請求項1、2または3
    記載の蝶番。
  5. 【請求項5】 前記下ナックルおよび上ナックルが、少
    なくともいずれか一方がその内部で移動可能なように収
    納しうるキャップ内に収納されている請求項1、2、3
    または4記載の蝶番。
  6. 【請求項6】 前記先細りの上端軸部と、前記下端軸受
    部の内面とのあいだに遊びが設けられてなる請求項1、
    2、3、4または5記載の蝶番。
  7. 【請求項7】 (a)上ナックルがその端縁に形成され
    る上部取付板と、(b)下ナックルがその端縁に形成さ
    れる下部取付板と、(c)下向きの釣鐘状の下端軸受部
    を有するとともに、その上方に設けられた上支点ピンを
    支点として左右方向に揺動しうるように前記上ナックル
    の内部に配設される上部軸と、(d)前記下端軸受部に
    遊嵌される上端軸部を有するとともに、その下方に設け
    られた下支点ピンを支点として前後方向に揺動しうるよ
    うに前記下ナックルの内部に配設される下部軸と、
    (e)前記上部軸の上支点ピンと下端軸受部のあいだで
    あって、揺動可能な方向に貫通するよう穿設されたネジ
    孔に螺入される左右位置調整ネジと、(f)前記下部軸
    の下支点ピンと上端軸部のあいだであって、揺動可能な
    方向に貫通するよう穿設されたネジ孔に螺入される前後
    位置調整ネジと、(g)少なくとも前記上部軸または前
    記下部軸のうちの一方を上下動可能に支持するととも
    に、それを上下方向に押圧しうるよう設けられる上下位
    置調整ネジを備えてなることを特徴とする蝶番。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の蝶番において、前記上下
    位置調整ネジの代わりに上下方向に押圧しうるスプリン
    グを設けてなることを特徴とする蝶番。
  9. 【請求項9】 前記上部軸の上端軸部が先細りである請
    求項7または8記載の蝶番。
  10. 【請求項10】 前記下部軸の下端軸受部の内部の空洞
    が、下端から奥部に向けて径が広がるように構成されて
    なる請求項7または8記載の蝶番。
  11. 【請求項11】 前記上下ナックルが、2つの向かい合
    う同心の円弧部と、それぞれの内部に揺動可能に収納さ
    れる下部軸または上部軸の揺動方向に平行な、2つの向
    かい合う平坦部から構成されてなる請求項7、8、9ま
    たは10記載の蝶番。
  12. 【請求項12】 前記下部取付板の上端が、前記上部取
    付板の下端よりも下にあり、取付板同士が干渉すること
    なく全回転することができる請求項7、8、9、10ま
    たは11記載の蝶番。
  13. 【請求項13】 前記上下取付板に設けられるネジ止め
    用の取付孔の形状が、厚さの中心線に対して対称に、ネ
    ジの頭部を受ける頭部当接部を前後に2つ有しており、
    前後どちらからネジを挿入しても頭部の一部または全部
    を取付板内に埋設させうるよう構成されてなる請求項1
    2記載の蝶番。
  14. 【請求項14】 前記前後位置調整ネジが、両端にそれ
    らを操作するための器具用の穴または溝を有しており、
    どちらからでも操作することができる請求項7、8、
    9、10、11、12または13記載の蝶番。
  15. 【請求項15】 前記上下ナックルのうちの少なくとも
    いずれか一方を、その内部で移動可能に収納しうるキャ
    ップを、前記上下ナックルの外周に設けてなる請求項
    7、8、9、10、11、12、13または14記載の
    蝶番。
JP17799496A 1996-05-16 1996-07-08 蝶 番 Pending JPH1030373A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17799496A JPH1030373A (ja) 1996-05-16 1996-07-08 蝶 番

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12184396 1996-05-16
JP8-121843 1996-05-16
JP17799496A JPH1030373A (ja) 1996-05-16 1996-07-08 蝶 番

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1030373A true JPH1030373A (ja) 1998-02-03

Family

ID=26459112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17799496A Pending JPH1030373A (ja) 1996-05-16 1996-07-08 蝶 番

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1030373A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000065185A1 (en) * 1999-04-23 2000-11-02 Steelfinne Fabrications Pty Ltd An improved hinge
AU757990B2 (en) * 1999-04-23 2003-03-13 Esi Companies, Inc. An improved hinge
WO2004067888A1 (en) * 2003-01-23 2004-08-12 Stanley Chung Three directional adjustable hinge
CN101929284A (zh) * 2009-06-23 2010-12-29 上海泰铝机械设备有限公司 合页组件
AU2013202517B1 (en) * 2013-04-04 2013-11-07 Allegion (Australia) Pty Ltd Adjustable hinge

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000065185A1 (en) * 1999-04-23 2000-11-02 Steelfinne Fabrications Pty Ltd An improved hinge
AU757990B2 (en) * 1999-04-23 2003-03-13 Esi Companies, Inc. An improved hinge
US6725504B1 (en) 1999-04-23 2004-04-27 Steelfinne Fabrications Pty. Ltd. Hinge
WO2004067888A1 (en) * 2003-01-23 2004-08-12 Stanley Chung Three directional adjustable hinge
CN101929284A (zh) * 2009-06-23 2010-12-29 上海泰铝机械设备有限公司 合页组件
AU2013202517B1 (en) * 2013-04-04 2013-11-07 Allegion (Australia) Pty Ltd Adjustable hinge

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS644152Y2 (ja)
US6212734B1 (en) Adjustable hinge
CA2310314C (en) Hinge for an opening door or window frame
US3974994A (en) Universally adjustable housing apparatus
US20040163211A1 (en) Hinge
US4692964A (en) Concealed self-closing hinge
JPH1030373A (ja) 蝶 番
JPH10259681A (ja) 蝶 番
JP3020457B2 (ja) 蝶 番
JP4331669B2 (ja) 三次元調整型ピボットヒンジ
JP2005105678A (ja) 抜き差し型蝶番及びドアの蝶番構造
JP3841920B2 (ja) 蝶番
JP2004211350A (ja) ドアシステム及び自動復帰ヒンジ
JPH10331508A (ja) 蝶 番
JP4583405B2 (ja) 扉取り付け金具
JP2511639Y2 (ja) ピポットヒンジ
JP2560528Y2 (ja) 戸当り
JPH08284515A (ja) 折り戸類の軸受け装置
JP2021063368A (ja) ラッチ錠
JPH07610Y2 (ja) 扉用ヒンジ部材
JPH06189229A (ja) チルトスタンド
JPH07293093A (ja) 蝶 番
JPH043103Y2 (ja)
JP2509764Y2 (ja) ライト取付装置
JPH0235985Y2 (ja)