JP2004211350A - ドアシステム及び自動復帰ヒンジ - Google Patents

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勲 増田
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    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05DHINGES OR SUSPENSION DEVICES FOR DOORS, WINDOWS OR WINGS
    • E05D15/00Suspension arrangements for wings
    • E05D15/28Suspension arrangements for wings supported on arms movable in horizontal plane
    • E05D15/30Suspension arrangements for wings supported on arms movable in horizontal plane with pivoted arms and sliding guides
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05YINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES E05D AND E05F, RELATING TO CONSTRUCTION ELEMENTS, ELECTRIC CONTROL, POWER SUPPLY, POWER SIGNAL OR TRANSMISSION, USER INTERFACES, MOUNTING OR COUPLING, DETAILS, ACCESSORIES, AUXILIARY OPERATIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, APPLICATION THEREOF
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    • E05Y2900/132Doors

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Closing And Opening Devices For Wings, And Checks For Wings (AREA)

Abstract

【課題】任意の位置に設定されたドアの復帰位置に精度良く復帰する、コンパクトで、建付け工事や保守点検が容易なスライド・スイング式ドアシステムを提供する。
【解決手段】一方の縦枠に固設された支柱131と、この支柱131内部に回動自在に配置された回転軸体132と、この回転軸体132の上下端夫々に一端が固着され且つ夫々の他端が前記ドアパネル23の所定位置に回動自在に支持された上部回転アーム18及び下部回転アーム19とを備え、ダブルの山形カム部60と、復帰ばね部40及びこの両者を連通嵌挿する多段多角形軸48とからなる自動復帰ヒンジ機構を、ドアパネル23上部の、上部回転アーム18先端下に備える。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアパネルをその幅(横)方向にスライドさせながらその前後方向にスイングさせて開閉するスライド・スイング式ドアシステムに係り、特に任意の位置に設定されたドアの復帰位置に精度良く復帰する自動復帰ヒンジを有するドアシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スライド方式とスイング方式を併用した形式のスライド・スイング方式のドアシステムが提供され始めている。このドアシステムの例として、例えば竪軸回転式のもの(例えば、特許文献1参照。)や、回転軸体内装式のもの(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
【0003】
この竪軸回転式のドアシステムは、ドアパネルと、縦枠に沿って回転可能に設けられそのドアパネルの少なくとも半分の荷重を保持可能な強度を有した回転竪柱と、この回転竪柱の上端部及び下端部とドアパネルの上端面所定位置及び下端面所定位置との間に夫々取り付けた上部回転アーム及び下部回転アームと、上枠とドアパネル及び回転竪柱との間に設けた吊りレールと、ドアパネルの少なくとも半分の荷重を保持可能で且つこのドアパネルを吊りレールに沿ってスライド自在に吊持する吊り車とを支持機構として備える構造のものである。
【0004】
また、回転軸体内装式のドアシステムは、枠体の一方の縦枠に沿って固設された支柱と、この支柱の内部にその長手方向に沿って配置された軸体と、前記支柱の内部にて前記軸体をその軸周りに回動自在に支持する支持手段と、この回転軸体の上下端夫々に一端が固着され且つ夫々の他端が前記ドアパネルの上端面及び下端面の所定位置に回動自在に支持された上部回転アーム及び下部回転アームとを備える構造のものである。
【0005】
これらのスライド・スイング方式のドアシステムは、スイング方式のドアに比べ開閉時に必要な占有面積が小さく車椅子の前後移動も最小限ですむこと、折畳み方式のドアのように大きな通過幅を必要としないこと、床面にガイドレール等が不要なため車椅子の通過に支障を来たす段差がないこと等から、近年バリアフリーの観点からも脚光を浴びている。
【0006】
しかしながら、ドアを通過した後に、このドアを閉じるという作業は、車椅子生活者にとっては、車椅子を180度回転させて向きを変えてドアを閉じ、前へ進むためにはもう一度車椅子を180度回転させて向きを変えなければならず、負担は小さくない。特に、トイレや廊下等の狭小な場所ではことさら難渋な作業となる(このスライド・スイング方式のドアシステムは、元来このような狭小な場所に設けられることを想定している)。したがって、スライド・スイング方式のドアシステムが持つバリアフリーの面でのメリットをより効果的なものとするためには、このドアシステムを自閉式とすることが求められる。
【0007】
また、自閉式のスライド・スイング方式のドアシステムの中でも、全開後直ちに元の位置に復帰し始めるのではなく、全開状態で停止して開いた状態を保ち、必要時に僅かな力を加えることによってドアを閉じることができるものが好適な場合がある。
【0008】
一方、例えば公共施設のトイレブースのドアのように、不使用時には空いていることが一目で判るように開いていることが望ましいが、常時全開にして便器がトイレブースの外から丸見えになるのは美観上好ましくないという場合がある。そのような場合に、不使用時にはドアを全開と全閉との中間の所定の位置で静止でき、使用時にはそのドアを押すまたは引くことによりドアを閉じ、ラッチを掛けることにより閉じた状態を保ちまたはサムターンで施錠し、使用後にラッチを外しまたはサムターンを解錠すれば自動的にドアが元の所定の位置に戻るようにできれば便宜である。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−248822号公報
【0010】
【特許文献2】
特開2002−242524号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、スライド・スイング方式のドアシステムに係り、任意の位置に設定されたドアの復帰位置に精度良く復帰するドアシステムを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明の他の目的は、上記第1の目的を、コンパクトで、建付け工事や保守点検が容易な構造で達成するドアシステムを提供することにある。
【0013】
さらに、本発明の他の目的は、上記ドアシステムにおいて、さらに全開状態を保持し得る機構を備えるドアシステムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るドアシステムは、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、開口部を形成する枠体に、当該開口部の幅方向にスライドしながら且つその前後方向にスイングして開閉するようにドアパネルを設けたスライド・スイング式ドアにおいて、前記枠体の一方の縦枠に沿って固設された支柱と、この支柱の内部にその長手方向に沿って回動自在に配置された回転軸体と、この回転軸体の上下端夫々に一端が固着され且つ夫々の他端が前記ドアパネルの上端面及び下端面の所定位置に回動自在に支持された上部回転アーム及び下部回転アームとを備えたものである。
【0015】
次に、上述した課題を解決するために、請求項2に係る回転軸体は、アルミニウム系材料を用いて、中空円筒状に形成されたものである。
【0016】
そして、上述した課題を解決するために、請求項3に係る回転軸体は、内周にその長手方向に沿って上端から下端まで連続する複数の長ナットが付設されたものである。
【0017】
また、上述した課題を解決するために、請求項4に係る上部回転アーム及び下部回転アームは、前記回転軸体との固着部分にさらビス頭部が嵌合する複数の取付孔を有し、複数のさらビスを用いて前記回転軸体にねじ結合されたものである。
【0018】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項5に係るドアシステムは、開口部を形成する枠体に、この開口部の幅方向にスライドしながら且つその前後方向にスイングして開閉するようにドアパネルを設け、前記枠体の一方の縦枠に沿って回転可能に設けられ且つ前記ドアパネルの少なくとも半分の荷重を保持可能な強度を有した回転竪柱と、この回転竪柱の上端部に一端が剛結され且つ前記ドアパネルの上端面所定位置に他端を回転自在に取り付けた上部回転アームと、前記回転竪柱の下端部に一端が剛結され且つ前記ドアパネルの下端面所定位置に他端を回転自在に取り付けた下部回転アームと、前記枠体の上枠と前記ドアパネル及び回転竪柱との間に前記開口部の幅方向に沿って設けた吊りレールと、前記ドアパネルの少なくとも半分の荷重を保持可能で且つこのドアパネルを前記吊りレールに沿ってスライド自在に吊持する吊り車とからなる支持機構を備えたスライド・スイング式ドアシステムにおいて、前記ドアパネルは、前記上部回転アームに吊持される位置に、ドア側に取り付けられた筐体内に自動復帰ヒンジ機構を備え、このヒンジ機構は、上部に嵌挿されたダブルの山形カム部と、その下部に嵌挿され下端が固定された復帰ばね部と、この両者を連通嵌挿する多段多角形軸とを備え、前記カム部は、前記筐体内に嵌挿され、ドアの開閉に伴い回転する前記筐体と回転一体に設けられた上側カムと、前記多段多角形軸に上下動可能かつ回転不能に外嵌されるとともに前記上側カムにカム結合され、前記上側カムの回転に従って下方へ摺動する下側カムとから成り、前記多段多角形軸は、前記筐体の上部に突出する円筒状頭部がドア枠側に設けられた軸調整金具に、任意の回転位置で固定されたものである。
【0019】
さらにまた、上述した課題を解決するために、請求項6に係るドアシステムは、開口部を形成する枠体に、この開口部の幅方向にスライドしながら且つその前後方向にスイングして開閉するようにドアパネルを設け、前記枠体の一方の縦枠に沿って固設された支柱と、この支柱の内部にその長手方向に沿って回動自在に配置された回転軸体と、この回転軸体の上下端夫々に一端が固着され且つ夫々の他端が前記ドアパネルの上端面及び下端面の所定位置に回動自在に支持された上部回転アーム及び下部回転アームとを備えたスライド・スイング式ドアシステムにおいて、前記ドアパネルは、前記上部回転アームに吊持される位置に、ドア側に取り付けられた筐体内に自動復帰ヒンジ機構を備え、このヒンジ機構は、上部に嵌挿されたダブルの山形カム部と、その下部に嵌挿され下端が固定された復帰ばね部と、この両者を連通嵌挿する多段多角形軸とを備え、前記カム部は、前記筐体内に嵌挿され、ドアの開閉に伴い回転する前記筐体と回転一体に設けられた上側カムと、前記多段多角形軸に上下動可能かつ回転不能に外嵌されるとともに前記上側カムにカム結合され、前記上側カムの回転に従って下方へ摺動する下側カムとから成り、前記多段多角形軸は、前記筐体の上部に突出する円筒状頭部がドア枠側に設けられた軸調整金具に、任意の回転位置で固定されたものである。
【0020】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項7に係るドアシステムは、ドアが全開状態において、前記吊りレール内における前記吊り車の上部ピボット側端部に当接する位置にマグネットを取着し、前記吊り車をマグネットの引力により駐止し、前記ドアを全開位置で保持するものである。
【0021】
また、上述した課題を解決するために、請求項8に係る自動復帰ヒンジは、ドア側に取り付けられた筐体内に自動復帰ヒンジ機構を備え、この自動復帰ヒンジ機構は、前記筐体に嵌挿されたダブルの山形カム部と、その下部に嵌挿され下端が固定された復帰ばね部と、この両者を連通嵌挿する多段多角形軸とを備え、前記カム部は、前記筐体内に嵌挿され、ドアの開閉に伴い回転する前記筐体と回転一体に設けられた上側カムと、前記多段多角形軸に上下動可能かつ回転不能に外嵌されるとともに前記上側カムにカム結合され、前記上側カムの回転に従って下方へ摺動する下側カムとから成り、前記多段多角形軸は、前記筐体の上部に突出する円筒状頭部がドア枠側に設けられた軸調整金具に、任意の回転位置で固定されたものである。
【0022】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項9に係る多段多角形軸は、横断面が六角形に形成されたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明に係るドアシステムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態では、全閉時を復帰位置に設定して説明する。
【0024】
まず、本実施の形態に係るドアシステムの全体の構成を説明する。なお、本ドアシステムの説明において、ドアパネルを開閉する開口部の横幅方向を単に「幅方向」と、開口部の縦(上下)方向を単に「縦方向」と、開口部の開口面に直交する方向を単に「前後方向」と称し、それぞれ、図1に表したX,Y,Z軸の方向に対応させる。
【0025】
本実施形態に係るドアシステム1において、図1に示すように、3方枠体11及び床面12により部屋の出入り口を成す開口部OPが画成される。3方枠体11は、上枠11uと、その両側の縦枠11s,11sとが一体に形成されて成る。
【0026】
このドアシステム1は、3方枠体11の他、支柱部分を一体化させた扉体13と、この扉体13をスライド・スイング可能に支持する支持機構21とを備える。この支持機構21は、吊りレール14、上部ピボット15、下部ピボット16、6輪吊り車17、上部回転アーム18、及び下部回転アーム19を含む。
【0027】
3方枠体11の上枠11uは、図1に示すように、その幅方向の2/3以上の所定領域を一部切除し、この切除部分に吊りレール14を埋め込んでいる。
【0028】
このドアシステム1において、扉体13は、支柱部分としての回転竪柱22と、ドアパネル23(ドア体、戸体)とから成る。ドアパネル23及び回転竪柱22は、互いにフラットな側面を所定隙間を持って1枚板状に併置させてなる一体化形状を有する。すなわち、扉体13は、ドアパネル23及び回転竪柱22によってドア閉時には所定厚さを有する略長方形を成し、そのサイズは開口部OPの矩形形状に適宜なマージンで収まるように形成されている。
【0029】
この内、ドアパネル23は開口部OPを開閉する開閉体の主要部を成すものであり、その幅方向の長さは開閉に十分なサイズに設定されている。ドアパネル23は、アルミニウム材、ステンレス鋼などの金属材のほか、木材、樹脂、ガラスなど、適宜な材質の部材で形成される。勿論、ドアパネル23の中央にガラス面を入れることもできる。
【0030】
他方、回転竪柱22は、上部回転アーム18及び下部回転アーム19によりドアパネル23をスイング可能に支持する機能を担うものである。なお、ドアパネル23の吊り荷重は上部回転アーム18(すなわち回転竪柱22)及び6輪吊り車17により支持する2点支持構造になっている。
【0031】
図1において、吊りレール14の左端部内に上部ピボット15が固設される一方、この上部ピボット15の真下の対向する床面12上に下部ピボット16が埋設される。上部ピボット15はピボット構造に構成され、その軸15aが回転竪柱22の上端面の回転軸22aに脱着自在に連結される。この回転軸22aには上部回転アーム18が剛結されている。
【0032】
そして、上部回転アーム18の、上部ピボット15とは反対側の端部には上部回転アーム18と自動復帰ヒンジ30とを連結する連結部50を構成する軸調整金具51が固設され、この軸調整金具51がドアパネル上端に埋設された自動復帰ヒンジ30の多段六角軸48頭部に適宜な距離をおいて外嵌されている。この自動復帰ヒンジ30は、上部回転アーム18を介して回転竪軸22とドアパネル23とを接続する機能の他、開閉されたドアを自動的に元の位置に復帰させる機能を有している。
【0033】
また、上枠11uとドアパネル23との間に生じる隙間で、ドアパネル23の戸先側(回転竪柱22の反対側)の縦枠11sと上部回転アーム18の自動復帰ヒンジ30側端部までの間については、目隠しのためにカバー25で塞がれる。ただし、このカバーは必須のものではない。
【0034】
一方、回転竪柱22の下端面には、下部ピボット16がピボット構造に構成され、その軸16aが回転竪柱22の下端面の回転軸22aに脱着自在に連結される。この回転軸22aには下部回転アーム19が剛結されている。
【0035】
回転竪柱22と上部回転アーム18及び下部回転アーム19の3者は溶接またはボルト等で固定したコ字状を成す一体構造になっている。このため、上部ピボット15及び下部ピボット16を支点とした回転運動が両アーム18、19に狂い無く同時に伝達される。
【0036】
下部回転アーム19にはドアパネル23の吊り荷重(垂直荷重)を掛けない構造であり、このアーム19はスイング動作をスムーズに案内する機能を担う。このため、下部回転アーム19は薄い鋼材でも長年の使用に十分耐え得る。ただし、この下部回転アーム19の厚さ自体は薄くても(数ミリ程度)、スイング動作に耐え得る十分な強度を有している。勿論、上部回転アームと同じ形状のものを使用しても構わない。
【0037】
下部回転アーム19は図1に示すように、ドアパネル23の回転竪柱22側の端部を所定長さにわたって切除した直方体状の切除部23cに収まるようになっている。切除部23cのドアパネル23底面からの高さは約10mmに抑えられ、美観的に影響の無いように配慮されている。
【0038】
この切除部23cを設けたことにより、回転竪柱22がドア面に垂直な面内でスイングすると、これと一体に上部回転アーム18及び下部回転アーム19もスイングし、ドアパネル23の回転竪柱22側の端部が室内側及び室外側のいずれにも開くことができる。ただし、このような切除部23cを設けず、ドアパネル23の底面を平坦なままに残し、その下で下部回転アーム19を回動させることも可能である。
【0039】
ドアパネル23及び回転竪柱22は、吊りレール14の真下の位置、すなわち上部回転アーム18の真下の位置にそれらのレール及びアームと前後方向の中心位置を合わせて設置される。
【0040】
一方、下部回転アーム19の、下部ピボット16とは反対側の端部には、下部回転軸26が上向きに垂設され、この下部回転軸26がドアパネル下端の切除部23cの下面に埋設された取付け板27の孔に適宜なマージンで遊挿されている。この孔には、ドアパネル22の回転を滑らかにするため含油性合金50が嵌合されている。この含油性合金50はなくてもよい。
【0041】
このため、ドアパネル23と回転竪柱22は、回転竪柱22と一体に回転する上部回転アーム18及び下部回転アーム19を介して連結され、ドアパネル23をスライド動作させると、その動きは上部回転アーム18及び下部回転アーム19によりスイングしながらスライド動作に変換される。
【0042】
さらに、6輪吊り車17は図1に示す如く吊りレール14内に収容され、その長手方向に沿って自在に移動できるように配設されている。この6輪吊り車17からは回動自在な車軸17aが垂下されている。この車軸17aはドアパネル23の上端面の所定の位置に固設されている。この固設位置も、回転竪柱22とは反対側の側端部からみて、回転竪柱22及びドアパネル23を合わせたドア幅の略1/3に設定されている。この6輪吊り車17は、少なくとも、ドアパネル23の約半分の吊り荷重を支持できる強度を有している。ドアパネル23の幅方向の移動に伴って、6輪吊り車17も吊りレール14内を摺動して移動し、ドアパネル23のスライド動作を許容するとともに、車軸17aの回転がドアパネル23のスイング動作を許容する。
【0043】
ドアパネル23の、回転竪柱22とは反対側の側端部寄りの所定高さ位置で、室外側、室内側の所定位置にドアノブ20a、20b(図4参照)が取り付けられる。
【0044】
本実施形態のドアシステム1は以上のように構成され、機能する。このため、ドアを開くときには、一方のドアノブ20aを手動で押すかまたは他方のドアノブ20bを引けばよい。これにより、図2において仮想線Iに示すように、ドアパネル23(イ)が回転竪柱22側にスライドしながら(ロ)、かつ前後方向にスイングしてドア開状態(ハ)となる。ドアはその後、自動復帰機構の働きにより自動的に、同図の仮想線IIに示す経路を戻ってドア閉状態になる。
【0045】
またこのドアは、室内側にも室外側にも開くことができるので、上記とは逆に、他方のドアノブ20bを手動で押すかまたは他方のドアノブ20aを引いてもよい。これにより、ドアパネル23は、図4の(ニ)に示す方向にも開閉される。
【0046】
このように開閉するときのドアパネル23の移動に伴う占有スペースは、通常のスイングドアに比べて小さくて済む。したがって、車椅子の利用者などにとっても容易に開閉操作できる。
【0047】
次に、本実施の形態に係るスライド・スイング式ドアシステムの自動復帰機構の構成について、図3〜図6を参照して説明する。
【0048】
自動復帰機構29は、ドアパネル23内に収納された自動復帰ヒンジ30と、この自動復帰ヒンジ30を上部回転アーム18に連結する連結部50とから構成される。
【0049】
図3は、ドアパネル23が、全閉状態、すなわち、所定の復帰位置にある場合の自動復帰ヒンジ30の内部を示し、図4は、ドアパネル23がスライド・スイングし、所定の復帰位置から概90度回転した全開状態をとる場合の自動復帰ヒンジ30の内部を示している。また、図5は、自動復帰ヒンジ30の分解斜視図である。
【0050】
自動復帰ヒンジ30は、図3〜図5に示すように、大別して、金属製例えば鋳鉄製の円筒状あるいはスリーブ状筐体33中にダブルの山形カム部60、復帰ばね部40及びこれらを連通貫挿する多段多角形軸48を組込んだヒンジ本体31と、ヒンジ本体31の頂部から水平に突設され、ドアパネル23の上端に接続する2枚のパネル体取付アーム32,32とから構成される。ヒンジ本体31は、パネル体取付アーム32,32によりドアパネル23の上端に固定される。なお、この取付アーム32は、自動復帰ヒンジ30をドアパネル23に十分な強度で取り付けることができるものであれば片方の1枚であってもよい。また、ドアパネル23の、自動復帰ヒンジ30が挿入される部分は補強板等により適切に補強される。
【0051】
円筒状の筐体33は下方が開いたままに形成される一方、頂面は一旦閉じられたうえで、ダブルの山形カム部60の上側カム61頂部に突設された正四角柱状の凸部64を嵌合挿入するための正方形状の孔34が穿設される。また、パネル体取付アーム32には、円筒状の筐体33をドアパネル23に取り付けるためにビス孔35が複数穿設されている。
【0052】
ダブルの山形カム部60は、図5〜図7に示すように、上側カム61と下側カム65とから成り、内周側及び外周側にダブルのカム面を備え、ダブルカム機構を構成している。
【0053】
上側カム61は、図6に示すように、外周層62と内周層63の2層に構成される。また上側カム61の上端面には、例えば正四角柱状の凸部64が形成され、この凸部64が円筒状筐体33の頂部に穿設された正四角形状の孔34に嵌合しており、上側カム61は、円筒状の筐体33と一体となって回動せしめられる。
【0054】
上側カム61の円筒状の外周層62は、下端面に傾斜カム面70が形成され、円筒状の外周層62の内側に形成される内周層63の下端面には、上記傾斜カム面70,70に交差する方向に傾斜する傾斜カム面71が形成される。上側カム61の軸芯側に円形中心孔72が軸孔として形成される。この円形中心孔72は、多段多角形軸48と接することなく回動可能に遊挿するよう多段多角形軸の外径より大きな直径を有する。外周層62の傾斜カム面70,70は対称形で最も低い底部73から左右に振分けて最も高い頂部74まで連続するなだらかなカム面が通常直線勾配状に形成される。底部73は境界が直線であり、頂部74には下向きに溝75が穿設されている。また、内周層63の傾斜カム面71,71も対称形で最も低い底部76から左右に振分けて最も高い頂部77まで連続するなだらかなカム面が直線勾配状に形成される。底部76は境界が直線であり、頂部77には下向きに溝78が穿設されている。ここで頂部74,77の溝75,78は、下側カム65の製品精度、変形及び摩耗等による影響を防ぐ逃げのために設けられている。
【0055】
下側カム65も同様に、外周層と内周層の同心円状の2層構造に構成され、下端面は、復帰ばね部40のばね受け上部固定リング41と当接するように平面に形成される。
【0056】
下側カム65は、上端面に傾斜カム面80,80をもった円筒状の外周層66と、円筒状の外周層66の内側に上端面に傾斜カム面81,81を持ち軸芯部に多段多角形軸48が嵌挿される多角形の中心孔82を有する円筒状の内周層67とが一体に形成されている。ここで下側カム65は多段多角形軸48と回転一体となって、上側カム61がドアの開閉に伴って回転しても回転は抑止され、多段多角形軸48に沿って上下に摺動するものであるため、中心孔82は、多段多角形軸48とスライド可能に係合している。外周層66の傾斜カム面80,80は対称形で最も高い頂部83から左右に振分けて最も低い底部84まで連続するなだらかなカム面が通常直線勾配状に形成され、頂部83は直線の稜線にとられ底部84には上向きの溝85が穿設されている。また、内周層の傾斜カム面71,71は対称形で最も高い頂部86から左右に振分けて最も引き低い底部87まで連続するなだらかなカム面が通常直線勾配状に形成され、頂部86は直線の稜線を成し、底部87には上向きの溝88が穿設されている。外周層66の傾斜カム面80,80と内周層67の傾斜カム面81,81とは頂点が対峙するように、位相が180度ずれて配設されている。ここで底部84,87の溝85,88は、下側カム65の製品精度、変形及び摩耗等による影響を防ぐ逃げのために設けられている。
【0057】
山形カム部60の下側カム65の下方には、復帰ばね部40が設けられる。この復帰ばね部40は、ばね受け上部固定リング41、コイルばね43及びばね受け下部固定リング44から構成される。
【0058】
ばね受け上部固定リング41は、基部41aと基部41aから下側へ突設された突起部41bとから成り、軸芯部には、多段多角形軸48に遊挿される余裕を持って外接する直径の円形中心孔42を有し、下面にばね受け部を形成している。基部41aは下側カム65底面と当接し、下側カム65が下方へ摺動する時の圧力を受け止め、この圧力をコイルばね43に伝達する。突起部41bは、コイルばね43の内側へ嵌挿され、コイルばね43が左右へぶれて円筒状筐体33の内壁に接触することを防止し、また、下側カムからの圧力がばね受け部に正しく真下に伝わるようにするものである。
【0059】
ばね受け下部固定リング44は、基部44aと基部44aから上側へ突設された突起部44bとから成り、その上面にばね受け部を構成している。軸芯部には、多段多角形軸48のボルト部48dが遊挿する直径の円形中心孔45を有する。ばね受け下部固定リング44は、多段多角形軸48のボルト部48dに螺合された長ナット46及びナット47により底面が支持され、下方への移動が拘束され、コイルばね43の復元力を確保する。それと同時に、長ナット46及びナット47の位置を調整することによりコイルばね43の反発力を調整することができる。基部44aの底面は直接自動復帰ヒンジ本体31の底面を形成する。突起部44bは、コイルばね43の内側へ嵌挿され、コイルばね43が左右へぶれて円筒状筐体33の内壁に接触することを防止する。
【0060】
ばね受け上部固定リング41とばね受け下部固定リング44とに挟持されたコイルばね43は、ドアパネル23の回動と一体に回動する上側カム61に従動して下降してくる下側カム65をその復元力を利用して押し戻す方向へばね付勢するものである。このコイルばね43のばね作用及び上側カム61と下側カム65とのダブルカム機構のカム作用により、ドアパネル23は元の位置に復帰する方向へ、すなわち、全閉位置側に自動的にばね付勢される。
【0061】
多段多角形軸48は上から円形部48a、面取り多角形部48b、多角形部48c及びボルト部48dに分けられ、上端には軸調整金具51をビスを用いて取り付けるためのねじ孔49が螺設されている。そして、この軸調整金具51が、上部回転アーム18に、取付用スペースを設けるために挿入されたナットを介して固定されることから、多段多角形軸48はドアパネル23が開閉されても回動することはない。
【0062】
多段多角形軸48の最上部に位置する円形部48aは、軸調整金具51の軸受孔52に遊挿され、これを六角穴付止めねじ53を用いて固定する。このように、軸受け孔52に遊挿される部分が円形であるため、軸受け孔52内で多段多角形軸48を自由に回動させて、復帰位置を任意の位置に設定することが可能となる。
【0063】
円形部48aの直下に位置する面取り多角形部48bは、横断面が多角形であるが、ベアリング部54を外嵌するために、多角形の角部は面取りがされている。ベアリング部54の中心孔58の直径は上記円形部48aよりは大きく、多角形部48cに外接する外接円の直径よりは小さく穿設されているので、多段多角形軸48をベアリング部54の中心孔58に挿通すると、円形部48aと面取り多角形部48bとは挿通可能であるが、下に位置する多角形部48cにまで挿入することはできない。したがって、取付け作業が容易となり、効率が良くなる。
【0064】
面取り多角形部48bの下の多角形部48cは、多段多角形軸48の主要部を成すものであり、具体的には、ドアパネル23が、延いては山形カム部60の上側カム61が回動しても、この多段多角形軸48は下側カム65と一体となって下側カム65の回転を阻止し、それでいて回動する上側カム61に押された下側カム65を上下に摺動させるものである。したがって、例えば多角形部48cの断面形状が八角形では回転させようとする上側カム61の力の方が強くなり下側カム65の中心孔82と多段多角形軸48表面とで滑りを生じ易く、下側カム65が回転するおそれがある。一方、多角形部48cの断面形状が四角形では、下側カムの中心孔82と多段多角形軸48表面との上下方向の滑りが悪くなり、摺動がスムーズに行き難くなる。したがって、多角形部48cの断面計上は、多角形の中でも六角形前後が好適である。また、かかる目的から、下側カム65の中心孔82の大きさは、多段多角形軸48の多角形部48cと密着するものであってはならず、また、ルーズであってもいけない。
【0065】
最下部に位置するボルト部48dは、多角形部48c等よりは細い棒状に形成され、復帰ばね部40に内挿された端部において長ナット46及びナット47を螺合するようにねじが螺刻されている。
【0066】
ダブルの山形カム部60と復帰ばね部40及びこれらを連通貫挿する多段多角形軸48はこのように構成されているので、これを筐体33に組込むには、筐体33の下方より、上側カム61、下側カム65、ばね受け上部固定リング41、コイルばね43、ばね受け下部固定リング44の順に挿入し、多段多角形軸48をこれに挿通させて、上側カム61上部の凸部64を筐体33上部に穿設された正方形状の孔34に嵌合させた後、長ナット46及びナット47のダブルナットで多段多角形軸48のボルト部48dに緩みが生じないように螺合させる。これにより、上側カム61は筐体33に従って回動可能なように筐体33内に嵌合され、下側カム65は多段多角形軸48により回動が防止されつつ上下に摺動可能に筐体33内に嵌合され、コイルばね43に圧力を加え、その反発力によって下側カムを押し戻す方向に付勢され、その力により上側カム61に回転が与えられた方向とは逆方向に回転する力を加えることによって、このドアパネル23を元の位置に復帰させるものである。
【0067】
続いて、この自動復帰ヒンジ30を上部回転アーム18に連結する連結部50について、図を参照して説明する。連結部50は、ドアパネル23の復帰位置を設定する軸調整金具51と、この軸調整金具51と自動復帰ヒンジ30の筐体33の上部とに挟装されるベアリング部54と、軸調整金具51とベアリング部54との間に距離を設けて上部回転アーム18がドアパネル23と接触することを防止するナット97とから構成される。また、上部回転アーム18は、十分な強度を持たせるために、縦断面がU字状に形成された例えばステンレス鋼等の金属材料でできている。
【0068】
軸調整金具51は、図5及び図7に示すように、平たい直方体の金属ブロックで、平面上の一方の短辺側に偏った位置の上下方向に、多段多角形軸48の円形部48aを挿通させる軸受孔52が穿設される。そして、この軸受孔52に近接する3つの側面から軸受孔52の中心へとねじ孔59が穿設されている。このねじ孔59に六角穴付止めねじ53を螺嵌し、挿通された多段多角形軸48の円形部48aを三方から押圧し、回転できないように固定する。これにより、ドアパネル23の復帰位置を任意に定めることが可能となる。
【0069】
この軸調整金具51の長辺方向の両側面には、多段多角形軸48を挿通させる軸受孔52側とは反対側の短辺に偏った位置に、軸調整金具51を上部回転アーム18に取り付ける取付孔90が複数穿設される。一方、上部回転アーム18のドアパネル23を吊持する端部側の両側面には、六角穴付止めねじ53を挿通させる孔98及び軸調整金具51をねじ92によりねじ結合するための取付孔98が穿設されている。
【0070】
軸調整金具51は、上部回転アームにこのように取り付けられるので、軸調整金具51及びこれに固設された多段多角形軸48は、ドアパネル23が開閉されて、上部回転アーム18とドアパネル23とが成す角度が変化しても、上部回転アーム18との相対的な角度は変化することなく同一の角度を保持する。
【0071】
すなわち、通常の開き戸や折り戸の吊り元に設置される従来の自動復帰ヒンジは、自らの存在位置を変化させることはないのに対し、本発明の自動復帰ヒンジ30は回転アームの先端に位置するため、ドアパネル23のスイング・スライドに伴って自らの存在位置を移動させながらドアパネルを元の位置に復帰させる機能を果たす点で、従来のものと大きく異なるものである。
【0072】
ベアリング部54は、この回転しない軸調整金具51と、ドアパネル23の開閉に伴って回動する自動復帰ヒンジ30の筐体33頂部との間に挟装されて、自動復帰ヒンジ30の筐体33の回動を滑らかにするものであり、上下のワッシャ55,57とそれらに挟装されたスラストベアリング56とから成る。
【0073】
本実施の形態に係るドアシステム1の自動復帰機構29は、このように回転しない軸調整金具51、多段多角形軸48及び下側カム65と、ドアパネル23の開閉に伴って回動する自動復帰ヒンジ30の筐体33及び上側カム61とに大別され、この両者の相互作用によって復帰ばね部40のコイルばね43が圧縮され、そのコイルばね43の復元力によってドアパネル23が自動的に元の位置に復帰されるように構成されている。
【0074】
本実施の形態に係る自動復帰ヒンジを用いたドアシステム1は上記のように構成されており、以下その動作について説明する。
【0075】
ドアパネル23を押して、ドアパネル23を開くと、ドアパネル23に固定されたパネル体取付アーム32が回転する。このパネル体取付アーム32の回転により、自動復帰ヒンジ30の筐体33が同じ角度だけ同じ方向に回転する。この筐体33頂部に穿設された正方形状の孔34に頂部の凸部64が嵌合された山形カム部60の上側カム61もそれに従動して同様に回転する。
【0076】
一方、山形カム部60の下側カム65は、多段多角形軸48に上下摺動可能、回転不能に外嵌されており、多段多角形軸48は、軸調整金具51に固定されており、その軸調整金具51は、ねじ92等を介して上部回転アーム18に固定されているため、上部回転アーム18に対して相対的には回転しない。そこで、上側カム61は、回転することにより下側カム65と当接する傾斜カム面を介して下側カム65に圧力を加える。ここで下側カム65は回転運動が拘束されて回転できず、下方へと摺動する。
【0077】
下側カム65が下方に摺動すると、復帰ばね部40をコイルばね43のばね力に抗して押し下げる圧力が加えられることになるが、復帰ばね部40は下部がナット57等で固定されているため、コイルばね43が収縮して下側カム65の下部を押圧する。
【0078】
したがって、ドアパネル23を押す力が解除されると、復帰ばね部40のコイルばね43に蓄えられたエネルギーが解放され、コイルばね43の復元力によって、ばね受け上部固定リング41を介して下側カム65が上方へ押し上げられる。この下側カム65の押し上げ力により、ドアパネル23を開く場合とは逆にカム作用し、上側カム61の傾斜カム面を介して上側カム61を元に復帰させる力が作用する。
【0079】
上側カム61は上部を固定されているため、下側カム65と当接する傾斜カム面のダブルカム作用によりドアパネル23を開く場合とは反対の向き、すなわち、閉じる方向に回転し、元の位置に戻ろうとする。
【0080】
この場合、上下のカムの内外周層の傾斜カム面の頂部及び底部は先端が凸または凹に尖っており、ずれることなく咬合する。例えば、上側カム61の外周層の底部73は凹に尖っており、下側カム65の外周層の頂部83は凸に尖っている。
【0081】
そして、所定の復帰位置にあるとき、両者は咬合し、コイルばね43に付勢されているため、図3に示すように、下側カム65は移動が拘束されて咬合がずれることはない。この状態からパネル体を押す或いは引くと、上側カム61の回転により、上側カム61と下側カム65は傾斜カム面70,80に沿って滑り、図4に示すように、上側カム61の外周層の底部73と下側カム65の外周層の頂部83とは離れていく。
【0082】
ここで、ドアパネル23を押す或いは引く力を解除すると、コイルばね43の復元力により、上側カム61は逆方向に回転し、上側カム61と下側カム65は傾斜カム面70,80に沿って先ほどとは逆方向に滑り、上側カム61の外周層の底部73と下側カム65の外周層の頂部83とは確実に元の咬止した位置に戻り、それ以上行き過ぎることはない。すなわち、たとえ最初は復帰力が大きいために加速がついて行き過ぎることがあっても、この力はやがて減衰し、ばねの強さにも拠るが、極く短時間のうちに元の位置に確実かつ精度良くスムーズに復帰する。
【0083】
これにより、本実施の形態に係るドアシステム1によれば、例えば一般住宅のトイレのようなところにも、不使用時に内部が見えるというようなことがない自閉式ドアを提供することができる。
【0084】
また、例えば公共施設のトイレのように幾つものトイレブースが並んでいる場合に、トイレブースのドアを不使用時にはドアを全開と全閉との中間の所定の位置で静止させるようにしたときでも、本実施の形態に係るドアシステムによれば、不使用のトイレブースのドアが、ばらつくことなく同一の角度で開いた状態に保たれ、整然とした印象を与えることができる。
【0085】
次に、本発明に係る自動復帰ヒンジを用いたドアシステムの第2の実施形態について、図8を参照して説明する。
【0086】
本実施の形態のドアシステムは、図8に示すように、全開状態を保持し得る機構を備える点で、第1の実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は第1の実施形態と実質的に同じであり、同じ符号を付して説明を省略する。
【0087】
図8は、本実施の形態に係るドアシステム1Aのドアパネル23が全開状態にある場合の、6輪吊り車17廻りの断面を示すものである。
【0088】
本実施の形態によれば、図2に示すように、全開時においては、ドアパネル23は回転竪柱22と接触するまで近づき、したがって、6輪吊り車17も、吊りレール14内をこれ以上縦枠11s側に摺動することができない。この6輪吊り車17は、前後に2列並んだ垂直に配置された車17bと、その下部に水平に取り付けられた車17c及びこれらの車を一体に結合するシャーシ17dとから構成される。この内、垂直及び水平の車17b,17cはプラスティック等の材料でできており、シャーシ17dは、例えば垂直断面がU字状に形成された磁性体でできている。
【0089】
ここで、全開状態に開いたドアパネル23に加えている力を解除すれば、ドアパネル23は自動的に予め設定された所定の復帰位置へと戻る。しかし、引き続いて人がこのドアを通過する場合や、このドア廻りで作業をする場合等、ドアを開放状態に保っておきたい場合がある。このような場合に、マグネット95をマグネット取付金具96を介して、吊りレール14の、ドア全開位置にある6輪吊り車17の上部ピボット15側の端部に当接する位置に取り付ければ、簡易に全開状態を保持することが可能となる。また、マグネット95は吊りレール14内に収められているので、外部からは見えず、美観を損なうこともない。
【0090】
最後に、本発明に係る自動復帰ヒンジを用いたドアシステムの第3の実施形態について、図9〜図11を参照して説明する。
【0091】
本実施の形態のドアシステム1Bは、図9に示すように、ドアパネル23の回転方式が回転軸体内装式である点で、竪軸回転式による第1の実施形態と基本的に相違し、他の構成は第1の実施形態と実質的に同じであり、同じ符号を付して説明を省略する。
【0092】
このドアシステム1Bは、三方枠体11の他、ドアパネル23と、このドアパネル23をスライド・スイング可能に支持するドアパネル支持機構121とを備える。このドアパネル支持機構121は、吊りレール14、支持装置115、6輪吊り車17、上部回転アーム18、および下部回転アーム19を含む。
【0093】
支持装置115は、上部回転アーム18及び下部回転アーム19によりドアパネル23をスイング可能に支持する機能を担うもので、その幅方向のサイズは短く(例えば25mm)形成されている。この支持装置115の支柱131部分は、以下に説明するように、外観上、常に静止したままであり、ドアパネル23を開閉させても、これ自体が回転することはない。
【0094】
この支持装置115は、図10に示す如く、金属材料(例えば、アルミニウムなど)で成る支柱131と、この支柱131の内側のスペースにその長手方向に沿って配置された軸体としての棒状で金属製(例えばアルミニウムなど)の回転軸体132とを備える。
【0095】
なお、回転軸体132は、支柱131の断面方向における中心位置に配置されている。また、ドアパネル23及び支柱131(回転軸体132)は、吊りレール14の真下の位置、すなわち上部回転アーム18の真下の位置にそれらレール及びアームと前後方向の中心位置を合わせて配置される。
【0096】
支柱131は、下部回転アーム19から上部回転アーム18まで到達する長さを有し、その上端と吊りレール14の下端との間に上部回転アーム18が設けられるスペースを残し、また、その下端と床面12との間は、下部回転アーム19が設けられるスペースを残している。すなわち、床面から吊りレール14下端までの全長に渡って存在するものではない。また、前後方向の厚さ(建付け時の奥行き:例えば25mm)はドアパネル23のそれと同じ又は略同等に形成されている。なお、支柱131の表面塗装、仕上げ色、模様、面材なども、ドアパネル23のそれと調和させることが望ましい。
【0097】
この支柱131は、図10に示すように、吊り元側の縦枠11sに固着される支柱本体131aと、その内部を外部から目隠しする支柱カバー131bとを備える。支柱本体131aは、その横方向断面が略コ字状を成すように形成される。つまり、支柱131のドアパネル23に面する側面はその長手方向全域に渡って開放され、この開放された面を介してビス止めなどの作業を行うことにより、支柱131が図10に示すように、吊り元側の縦枠11sに沿って隙間無く固着される。また、この開放面から回転軸体132が容易に支柱131内に格納することができる。
【0098】
支柱本体131a及び支柱カバー131bは夫々アルミ押出成形により形成され、上端部から下端部まで均質な形状を有している。また、支柱本体131a及び支柱カバー131bは、図11に示すように、ともに内部側に弧状の凹面を有し、回転軸体132はこの両者の凹面間に遊挿される。
【0099】
回転軸体132は、支柱131と同じく、下部回転アーム19から上部回転アーム18まで到達する長さを有し、その下端及び上端の高さも支柱131と一致する。
【0100】
回転軸体132もアルミ押出成形により形成された、薄肉円筒であり、その直径は、支柱131内に必要なマージンを残して収まる大きさに設定され、圧縮及び曲げに対しても一定以上の強度を有し、上部回転アーム18を介してドアパネル23の略半分の吊り荷重を支えるに十分な剛性が確保される。したがって、回転軸体132は、長さ方向の中間に補強材や支持材を設けることなく自立することができる。
【0101】
このように回転軸体132は上から下まで均質であり、また、強度は十分であっても、材質がアルミであるため、その切断は比較的容易である。したがって、そのドア高さによって回転軸体132の高さを如何様にも加工可能であり、また、部材数が少ないため作業性が向上する。
【0102】
また、上部及び下部回転アーム18,19は、この回転軸体132のみに支持されるため、特に下部回転アーム19にあっては、ドアシステム1Bの建付け時に床面12にピボット取付用の孔を穿設する必要がなく、現場での作業が低減される。
【0103】
また、回転軸体132の内部には、小さな概円筒形のリブ134が複数設けられている。このリブ134は上端から下端まで連続するものであり、この存在により更に強度が高まるほか、上部及び下部回転アームをビス止めするときのビス受けとしての長ナットの役割も果たす。
【0104】
回転軸体132の上端部には、図9に示すように、回転軸体132に対して真横方向に延びるように、上部回転アーム18の一端が固設されている。これにより、回転軸体132が回動すると、この回動に応じて上部回転アーム18も水平面内で回動できる(図10、矢印a,b参照)。この上部回転アーム18は例えばステンレス鋼、アルミニウム材などの金属製の部材から成り、且つドアパネル23の略半分の吊り荷重を支えるため、比較的肉厚に形成されている。
【0105】
同様に、回転軸体132の下端部には、図9に示すように、回転軸体132に対して真横方向に延びるように、下部回転アーム19の一端が固設されている。これにより、回転軸体132が回動すると、この回動に応じて下部回転アーム19も水平面内で回動できる(図10、矢印a,c参照)。なお、下部回転アーム19は、ドアパネル23の振れ止めに対する安定した回動軌道の確保が主要な機能であるので、これに耐え得る肉厚があれば十分で、ドアパネル23と床面12との間の隙間を狭小化させるため、許容範囲内でできるだけ肉薄に形成されている。または、上部回転アームと同じ部材を採用することも勿論可能である。
【0106】
上部及び下部回転アーム18,19の、回転軸体132の直上または直下の部分には、上部及び下部回転アーム18,19を回転軸体132に取り付けるためのビスを挿通させるための取付孔135が、回転軸体132のリブ134に対向する位置に複数穿設されている。そして、上部及び下部回転アーム18,19を取り付けるビスは、この取付孔135を貫挿しリブ134をセルフタッピングして上部及び下部回転アーム18,19を回転軸体132に固設する。この場合、リブ134は上端から下端まで連続するものであるため、上部回転アーム18と下部回転アーム19とが相互に水平方向にねじれて取り付けられるということがなく、ドアパネル23を精度よく垂直に取り付けることができる。
【0107】
さらに、取付孔135を、さらビスの頭部を嵌合できる形状に形成して、さらビスを用いて上部及び下部回転アーム18,19を取り付ければ、回転軸体132と上部または下部回転アーム18,19とに遊びが生じることがなく、がたつくことなく固定することができる。
【0108】
回転軸体132には、上部及び下部回転アーム18,19を固設する前に、その外周廻りの上部には上部スリーブ133a、下部には下部スリーブ133c、そして、中間には中間スリーブ133bが外嵌される(以下、総称するときは「スリーブ133」という。)。中間スリーブ133bは、必用に応じて複数個あってもよい。上部スリーブ133aの上部にはツバが設けられ、そのツバが支柱131上に載置されるので、スリーブ133aが回転軸体132の外周廻りで、頂部から支柱131内部に落下するのが防止される。また、下部スリーブ133cにはその下部にツバが設けられ、やはり支柱131内に埋没するのを防止している。
【0109】
スリーブ133の内面は、回転軸体132の外面と遊びがなく、且つ回動可能に接している。また、スリーブ133の外面は、支柱131の弧状の凹面に遊びなく、且つ回動可能に接している。このように、回転軸体132は支柱131とはその全長のごく一部でのみ接するので、摩擦抵抗が大きくならず、スムーズに回転することができる。
【0110】
スリーブ133は、例えばプラスティックや含油合金等の摩擦抵抗の小さい材料でできている。中でも上部スリーブ133aは、上部回転アーム18からの荷重を受けるものであるため、十分な強度を持たせるべく、含油合金製であることが望ましい。
【0111】
このように、回転軸体132は、スリーブ133及び上部及び下部回転アーム18,19が取り付けられてはじめて、縦枠11sに固着された支柱本体131aに嵌め込むことができる。この場合、支柱131aの前面は全長に渡ってほぼ全幅が開放されているので、回転軸体132をこの中に挿入することは非常に容易である。
【0112】
そして、回転軸体132が支柱本体131aに挿入された後、支柱カバー131bを支柱本体131aにビス止めすれば支持装置115の組立が完了する。
【0113】
この結果、回転軸体132がその軸中心の周りにスイングすると、これと一体に上部回転アーム18及び下部回転アーム19もスイングする。
【0114】
上述した支柱131と回転軸体132によれば、図10に示すように、支柱131から回転軸体132を自在に脱着することができる。このため、建付け時や保守点検時には非常に便利であり、作業効率は格段に向上する。
【0115】
以上に説明した実施態様は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものによって置換した実施態様を採用することが可能であるが、これらの実施態様も本発明の範囲に含まれる。
【0116】
【発明の効果】
本発明に係るスライド・スイング方式のドアシステムによれば、任意の位置に設定されたドアの復帰位置に精度良く復帰するドアシステムを提供することができる。
【0117】
また、以上述べたように、本発明に係るドアシステムにおいては、上記の自動復帰を、コンパクトで、建付け工事や保守点検が容易な構造で達成するドアシステムが得られる効果がある。
【0118】
さらに、本発明に係るドアシステムにおいては、さらに全開状態を保持し得る機構を備えるドアシステムを提供するが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態のドアシステムの一例を示す正面図。
【図2】ドアパネルの開閉動作の軌跡を示す図。
【図3】ドアパネルが所定の復帰位置にある場合の自動復帰ヒンジの内部を示す図。
【図4】ドアパネルを所定の復帰位置から概90度回転させた場合の自動復帰ヒンジの内部を示す図。
【図5】自動復帰ヒンジの分解斜視図。
【図6】ダブルの山形カムを説明する図であり、(a)は上側カムの平面図、(b)は同正面図、(c)は同底面図、(d)から(f)は下側カムのそれぞれ平面図、側面図、底面図。
【図7】軸受け調整金具の平断面図。
【図8】本発明に係る第2の実施形態の全開保持機構を示す図。
【図9】本発明に係る第3の実施形態のドアシステムの一例を示す正面図。
【図10】第3の実施形態の支持機構の分解斜視図。
【図11】図10の支柱及び回転軸の横断面図。
【符号の説明】
1,1A,1B ドアシステム
11 3方枠体
11u 上枠
11s 縦枠
12 床面
13 扉体
14 吊りレール
15 上部ピボット
15a 軸
16 下部ピボット
17 6輪吊り車
17a 車軸
18 上部回転アーム
19 下部回転アーム(ドアパネル取付アーム)
20a,20b ドアノブ
21 支持機構
22 回転竪柱
23 ドアパネル
26 回転軸
25 室内側カバー
27 取付け板
29 自動復帰機構
30 自動復帰ヒンジ
31 ヒンジ本体
33 円筒状筐体
40 復帰ばね部
43 コイルばね
48 多段多角形軸
51 軸調整金具
54 ベアリング部
56 スラストベアリング
60 山形カム部
61 上側カム
65 下側カム
95 マグネット
131 支柱
132 回転軸体
133 スリーブ
134 リブ

Claims (9)

  1. 開口部を形成する枠体に、当該開口部の幅方向にスライドしながら且つその前後方向にスイングして開閉するようにドアパネルを設けたスライド・スイング式ドアにおいて、前記枠体の一方の縦枠に沿って固設された支柱と、この支柱の内部にその長手方向に沿って回動自在に配置された回転軸体と、この回転軸体の上下端夫々に一端が固着され且つ夫々の他端が前記ドアパネルの上端面及び下端面の所定位置に回動自在に支持された上部回転アーム及び下部回転アームとを備えたことを特徴とするスライド・スイング式ドアシステム。
  2. 前記回転軸体は、アルミニウム系材料を用いて、中空円筒状に形成されたことを特徴とする請求項1記載のスライド・スイング式ドアシステム。
  3. 前記回転軸体は、内周にその長手方向に沿って上端から下端まで連続する複数の長ナットが付設されたことを特徴とする請求項2記載のスライド・スイング式ドアシステム。
  4. 前記上部回転アーム及び下部回転アームは、前記回転軸体との固着部分にさらビス頭部が嵌合する複数の取付孔を有し、複数のさらビスを用いて前記回転軸体にねじ結合されたことを特徴とする請求項2記載のスライド・スイング式ドアシステム。
  5. 開口部を形成する枠体に、この開口部の幅方向にスライドしながら且つその前後方向にスイングして開閉するようにドアパネルを設け、前記枠体の一方の縦枠に沿って回転可能に設けられ且つ前記ドアパネルの少なくとも半分の荷重を保持可能な強度を有した回転竪柱と、この回転竪柱の上端部に一端が剛結され且つ前記ドアパネルの上端面所定位置に他端を回転自在に取り付けた上部回転アームと、前記回転竪柱の下端部に一端が剛結され且つ前記ドアパネルの下端面所定位置に他端を回転自在に取り付けた下部回転アームと、前記枠体の上枠と前記ドアパネル及び回転竪柱との間に前記開口部の幅方向に沿って設けた吊りレールと、前記ドアパネルの少なくとも半分の荷重を保持可能で且つこのドアパネルを前記吊りレールに沿ってスライド自在に吊持する吊り車とからなる支持機構を備えたスライド・スイング式ドアシステムにおいて、前記ドアパネルは、前記上部回転アームに吊持される位置に、ドア側に取り付けられた筐体内に自動復帰ヒンジ機構を備え、このヒンジ機構は、上部に嵌挿されたダブルの山形カム部と、その下部に嵌挿され下端が固定された復帰ばね部と、この両者を連通嵌挿する多段多角形軸とを備え、前記カム部は、前記筐体内に嵌挿され、ドアの開閉に伴い回転する前記筐体と回転一体に設けられた上側カムと、前記多段多角形軸に上下動可能かつ回転不能に外嵌されるとともに前記上側カムにカム結合され、前記上側カムの回転に従って下方へ摺動する下側カムとから成り、前記多段多角形軸は、前記筐体の上部に突出する円筒状頭部がドア枠側に設けられた軸調整金具に、任意の回転位置で固定されたことを特徴とするドアシステム。
  6. 開口部を形成する枠体に、この開口部の幅方向にスライドしながら且つその前後方向にスイングして開閉するようにドアパネルを設け、前記枠体の一方の縦枠に沿って固設された支柱と、この支柱の内部にその長手方向に沿って回動自在に配置された回転軸体と、この回転軸体の上下端夫々に一端が固着され且つ夫々の他端が前記ドアパネルの上端面及び下端面の所定位置に回動自在に支持された上部回転アーム及び下部回転アームとを備えたスライド・スイング式ドアシステムにおいて、前記ドアパネルは、前記上部回転アームに吊持される位置に、ドア側に取り付けられた筐体内に自動復帰ヒンジ機構を備え、このヒンジ機構は、上部に嵌挿されたダブルの山形カム部と、その下部に嵌挿され下端が固定された復帰ばね部と、この両者を連通嵌挿する多段多角形軸とを備え、前記カム部は、前記筐体内に嵌挿され、ドアの開閉に伴い回転する前記筐体と回転一体に設けられた上側カムと、前記多段多角形軸に上下動可能かつ回転不能に外嵌されるとともに前記上側カムにカム結合され、前記上側カムの回転に従って下方へ摺動する下側カムとから成り、前記多段多角形軸は、前記筐体の上部に突出する円筒状頭部がドア枠側に設けられた軸調整金具に、任意の回転位置で固定されたことを特徴とするドアシステム。
  7. ドアが全開状態において、前記吊りレール内における前記吊り車の上部ピボット側端部に当接する位置にマグネットを取着し、前記吊り車をマグネットの引力により駐止し、前記ドアを全開位置で保持することを特徴とする請求項3及び請求項4のいずれかに記載のドアシステム。
  8. ドア側に取り付けられた筐体内に自動復帰ヒンジ機構を備え、この自動復帰ヒンジ機構は、前記筐体に嵌挿されたダブルの山形カム部と、その下部に嵌挿され下端が固定された復帰ばね部と、この両者を連通嵌挿する多段多角形軸とを備え、前記カム部は、前記筐体内に嵌挿され、ドアの開閉に伴い回転する前記筐体と回転一体に設けられた上側カムと、前記多段多角形軸に上下動可能かつ回転不能に外嵌されるとともに前記上側カムにカム結合され、前記上側カムの回転に従って下方へ摺動する下側カムとから成り、前記多段多角形軸は、前記筐体の上部に突出する円筒状頭部がドア枠側に設けられた軸調整金具に、任意の回転位置で固定されたことを特徴とする自動復帰ヒンジ。
  9. 前記多段多角形軸は、横断面が六角形に形成されたことを特徴とする請求項1記載の自動復帰ヒンジ。
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