JPH10302551A - 止水テープ - Google Patents

止水テープ

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JPH10302551A
JPH10302551A JP9108968A JP10896897A JPH10302551A JP H10302551 A JPH10302551 A JP H10302551A JP 9108968 A JP9108968 A JP 9108968A JP 10896897 A JP10896897 A JP 10896897A JP H10302551 A JPH10302551 A JP H10302551A
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JP
Japan
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water
resin particles
absorbing layer
tape
binder
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JP9108968A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Watanabe
博 渡辺
Kazuhiko Tsuji
和彦 辻
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Fujikura Composites Inc
Original Assignee
Fujikura Rubber Ltd
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Publication date
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/14Extreme weather resilient electric power supply systems, e.g. strengthening power lines or underground power cables
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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    • Y02P20/141Feedstock

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  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
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  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来公知の止水テープよりも、高濃度イ
オン水に対する止水性能に優れた止水テープの提供。
水中に含まれる金属イオンに影響されにくい、優れた
止水性能を有する止水テープの提供。 【解決手段】 N−ビニルアセトアミドを(共)重合し
て得られる吸水樹脂粒子と、バインダーとを含有する吸
水層を備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバーケー
ブルなどに実装される止水テープに関し、さらに詳しく
は、イオン濃度の高い水溶液に対しても優れた止水性能
を発揮することができる止水テープに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光ファイバーケーブルなどの
外皮部材が破損してそこから水が浸入したときに、ケー
ブルの長手方向に移動しようとする水を吸収することに
より、当該水の移動を抑止(止水)する止水テープが知
られている(例えば特開平3−200206号公報参
照)。
【0003】図1は、止水テープが実装された光ファイ
バーケーブルの断面構造を示す説明図である。同図に示
す光ファイバーケーブルは、抗張体11の周面に、長手
方向(紙面の奥行き方向)に伸びる溝12が形成された
ロッド13が設けられ、このロッド13の周面に止水テ
ープ14が巻き付けられ、この止水テープ14の周面に
外皮部材15が形成されて構成されており、前記溝12
内には、光ファイバーの心線16が収容されている。
【0004】図2は、図1に示した光ファイバーケーブ
ルに実装されている止水テープ14の断面構造の一例を
示す説明図である。この止水テープ14は、織物または
不織布からなる支持体17と、この支持体17の表面に
形成された吸水層18と、この吸水層18の表面に設け
られたカバークロス19とにより構成されている。支持
体17の表面に形成された吸水層18は、有機高分子系
のバインダー中に吸水樹脂粒子が分散されてなる。この
吸水樹脂粒子は、水を吸収して膨潤粒子となり、その一
部は吸水層18から離脱して外部に移行し、ケーブル内
の隙間に充填されて止水効果を発揮する。吸水層18の
表面におけるカバークロス19は、テープ表面のベタツ
キ、テープのブロッキングなどを防止するために設けら
れ、吸水樹脂粒子(膨潤粒子)の移行を阻害しないよう
に目の粗い布地より形成されている。
【0005】上記のような構成の止水テープ14は、カ
バークロス19を内側(溝12側)にして、ロッド(1
3)に巻き付けられることにより実装される。そして、
ケーブルの外皮部材(15)が破損して内部に水が浸入
すると、破損部分における止水テープ14の吸水層18
が、浸入してきた水を吸収することにより膨潤して溝
(12)内の隙間を封止する。また、これと共に、吸水
樹脂粒子(膨潤粒子)の一部が、バインダーによる固着
力に打ち勝って、吸水層18から溝(12)内に移行
し、当該溝(12)内の微小隙間を封止する。
【0006】しかして、ケーブルが敷設される環境によ
っては、海水など、イオン濃度の高い水溶液(以下「高
濃度イオン水」ともいう。)がケーブル内に浸入するこ
ともある。このため、このような高濃度イオン水に対し
ても良好な止水性能を発揮することができる止水テープ
の開発が望まれている。
【0007】高濃度イオン水に対して良好な止水性能を
発揮させるためには、止水テープの吸水層を構成する吸
水樹脂粒子として、高濃度イオン水の吸収力の高い樹脂
粒子を使用することが好ましい。
【0008】従来において、高濃度イオン水の吸収性の
良好とされる吸水樹脂粒子として、イソブチレン・無水
マレイン酸共重合体架橋物、スルホアルキル(メタ)ア
クリレート・(メタ)アクリル酸系共重合体架橋物な
ど、アニオン性の親水基を有する高分子(以下、「アニ
オン性高分子」という。)からなる樹脂粒子が知られて
おり、例えば特公平7−119335号公報には、上記
の吸水樹脂粒子を使用してなる止水テープが開示されて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アニオ
ン性高分子からなる上記の樹脂粒子は高濃度イオン水に
対する吸収性が未だ不十分であり、そのような樹脂粒子
を使用してなる止水テープは、高濃度イオン水に対して
良好な止水性能を発揮するに至っていない。
【0010】すなわち、アニオン性高分子からなる樹脂
粒子によって高濃度イオン水を吸収させる場合におい
て、 高濃度イオン水中に存在する金属イオンによっ
てアニオン性高分子のイオン解離(アニオン性の発現)
が阻害され、網状の高分子鎖の電気的反発による網目構
造の拡大(膨潤)が生じにくくなり、また、 多価の
金属イオン(例えばCa2+)が、高分子鎖中の複数のア
ニオン(例えば−COO - )と結合することによっても
網目構造の拡大(膨潤)が妨げられる。この結果、アニ
オン性高分子からなる樹脂粒子は、高濃度イオン水に対
して十分な吸収性を有するものとならない。
【0011】このような事情から、金属イオンの影響を
受けない非イオン性の基を主として有する高分子(以
下、「非イオン性高分子」ともいう。)からなる樹脂粒
子を使用することも考えられる。しかしながら、非イオ
ン性高分子からなる樹脂粒子は、脱イオン水に対しても
吸水性が低く、アニオン性高分子からなる樹脂粒子より
も優れた吸水性を有するものは知られていない。
【0012】本発明は以上のような事情に基いてなされ
たものである。本発明の第1の目的は、上記のアニオン
性高分子からなる樹脂粒子などによる従来公知の止水テ
ープよりも、高濃度イオン水に対する止水性能に優れた
止水テープを提供することにある。本発明の第2の目的
は、水中に含まれる金属イオンに影響されにくい、優れ
た止水性能を有する止水テープを提供することにある。
本発明の第3の目的は、製造段階において、吸水層を形
成するためのバインダー成分および小径の吸水樹脂粒子
が支持体から漏れ出ることがない止水テープを提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の止水テープは、
N−ビニルアセトアミドを(共)重合して得られる吸水
樹脂粒子(以下、「PNVA樹脂粒子」ともいう。)
と、バインダーとを含有する吸水層を備えてなることを
特徴とする。また、本発明の止水テープは、織物または
不織布からなる支持体(1)、この支持体(1)の表面
に形成された目止層(2)、およびこの目止層(2)の
表面に形成された吸水層(3)を有してなる止水テープ
であって、前記目止層(2)は、バインダー100重量
部と、無機充填剤50〜400重量部とを含有してな
り、前記吸水層(3)は、PNVA樹脂粒子100重量
部と、バインダー2〜300重量部とを含有してなるこ
とを特徴とする。
【0014】
【作用】
〔1〕N−ビニルアセトアミドを(共)重合して得られ
るPNVA樹脂粒子は、非イオン性高分子からなるもの
でありながら、高濃度イオン水に対する吸収力がきわめ
て高い。従って、PNVA樹脂粒子による吸水層を備え
た本発明の止水テープは、後述する実施例の結果からも
明らかなように、従来公知の止水テープよりも高濃度イ
オン水に対する止水性能に優れている。
【0015】〔2〕非イオン性の基(アセトアミド基)
を分子鎖中に有するPNVA樹脂粒子の吸水性能は、ア
ニオン性高分子からなる樹脂粒子の吸水性能と比較し
て、水中に含まれる金属イオンの影響を受けにくい。こ
れにより、当該PNVA樹脂粒子による吸水層を備えた
本発明の止水テープによれば、脱イオン水、低濃度イオ
ン水〔例えば生理食塩水(0.9重量%のNaCl水溶
液)〕および高濃度イオン水(例えば人工海水)の全て
に対して安定した止水効果を発揮することができる。
【0016】〔3〕支持体表面に目止層が形成されてい
るので、製造段階(吸水層の形成工程)において、粘度
の低い形成用組成物を塗布しても、当該組成物中のバイ
ンダー成分および小径のPNVA樹脂粒子が支持体から
漏れ出ることがない。また、目止層を介在させることに
より、支持体表面と吸水層との間の接着性を向上させる
ことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の止水テープについ
て詳細に説明する。図3は、本発明の止水テープの断面
構造の一例を示す説明図である。同図に示す止水テープ
は、織物または不織布からなる支持体1と、この支持体
1の表面に形成された目止層2と、この目止層2の表面
に形成された吸水層3と、この吸水層3の表面に設けら
れたカバークロス4とにより構成されている。
【0018】〔支持体〕本発明の止水テープを構成する
支持体(1)としては、ロッドに巻き付ける際の張力に
よって破断されることがなく、微生物によって分解され
ない合成繊維、例えばポリエステル、ナイロン、ポリプ
ロピレン、レーヨン、ビニロン;ポリエステル/ポリエ
チレン複合体、ポリエステル/アラミド複合体等の複合
材料などの織物および不織布からなるものを好適に使用
することができる。
【0019】〔目止層〕本発明の止水テープを構成する
目止層(2)は、バインダーと、無機充填剤とを含有し
てなる。なお、この目止層中には、界面活性剤、老化防
止剤などが含有されていてもよい。
【0020】目止層を構成するバインダーとしては、例
えばスチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプ
レンゴム、クロロプレンゴム、イソブチレンゴム、ブチ
ルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポ
リエチレンゴム、シリコーンゴム、トリフロロクロロエ
チレンゴム、ビニリデンフロライドゴム、ジヒドロパー
フロロアルキルアクリレートゴム、ポリウレタンゴム、
ビニル系ゴム、ニトリルゴム、アクリルゴムなどのゴム
系バインダー、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
ポリエステル系樹脂、エチレン系共重合体樹脂、ポリア
ミド樹脂、シリコーン系樹脂などの樹脂系バインダーな
どを挙げることができ、これらは、単独でまたは2種以
上を組み合わせて使用することができる。
【0021】目止層を構成する無機充填剤としては、例
えば炭酸カルシウム、含水ケイ酸カルシウム、酸化アル
ミニウム、水酸化アルミニウム、含水ケイ酸アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグ
ネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜
鉛、シリカ、ベントナイト、カオリナイト、カーボンブ
ラック、ゼオライト、活性白土、クレー、タルクなどの
粉末を挙げることができ、これらは、単独でまたは2種
以上を組み合わせて使用することができる。
【0022】無機充填剤の粒子径としては、バインダー
への分散性および十分な目止効果を図る観点から1〜1
0μmであることが好ましい。
【0023】目止層中における無機充填剤の含有割合と
しては、バインダー100重量部に対して、通常50〜
400重量部とされ、好ましくは100〜300重量部
とされる。この割合が50重量部未満である場合には、
十分な目止効果を図ることができず、この割合が400
重量部を超えると、支持体および吸水層に対する目止層
の接着性が損なわれることがある。
【0024】支持体表面に目止層が形成されていること
により、止水テープの製造段階(吸水層の形成工程)に
おいて、粘度の低い形成用組成物を塗布する場合であっ
ても、当該組成物中のバインダー成分が支持体を透過し
て漏れ出ることはない。また、小径(例えば50μm以
下)のPNVA樹脂粒子を使用する場合であっても、当
該小径のPNVA樹脂粒子が支持体を透過して漏れ出る
ことを防止することができる。また、目止層を介在させ
ることにより、支持体表面と吸水層との間の接着性を向
上させることができる。
【0025】〔吸水層〕本発明の止水テープを構成する
吸水層(3)は、PNVA樹脂粒子(吸水樹脂粒子)
と、バインダーとを必須成分として含有してなる。
【0026】吸水層を構成するPNVA樹脂粒子は、
下記の構造式で表されるN−ビニルアセトアミドを単
独で重合させることにより、あるいは N−ビニルア
セトアミドと共重合性の単量体とを共重合させることに
より調製される。
【0027】
【化1】
【0028】ここに、共重合性の単量体としては、N−
ビニルアセトアミドと共重合可能な不飽和結合を有する
単量体の中から選択することができ、例えば架橋性の単
量体、アニオン性親水基含有ビニル単量体、カチオン性
親水基含有ビニル単量体などを例示することができる。
なお、共重合性の単量体の使用割合としては、得られる
PNVA樹脂粒子による好ましい吸水性能が損なわれな
い範囲、例えばN−ビニルアセトアミド100モルに対
して0〜230モルとされる。
【0029】吸水層を構成するPNVA樹脂粒子には、
架橋構造が導入されていてもよく、架橋構造を導入する
方法としては、 上記のように、N−ビニルアセトア
ミドと、架橋性単量体とを共重合させる方法、 N−
ビニルアセトアミドを(共)重合させて得られる重合体
に架橋剤を反応させる方法などを挙げることができる。
また、PNVA樹脂粒子の有するアセトアミド基の一部
が加水分解されていてもよい。
【0030】PNVA樹脂粒子の市販品としては、「P
NVA NA」(昭和電工(株)製)を挙げることがで
きる。
【0031】PNVA樹脂粒子は、非イオン性の基であ
るアセトアミド基(アセチルアミノ基)を分子鎖中に有
し、水に不溶で、微生物に分解されない合成樹脂粒子で
ある。このPNVA樹脂粒子は、自重の650倍程度の
脱イオン水、自重の55〜60倍程度の生理食塩水(低
濃度イオン水)、自重の30倍程度の人工海水(高濃度
イオン水)を吸収することができ、これらの水(溶液)
を吸収して高粘度の膨潤粒子となる。
【0032】PNVA樹脂粒子の粒子径としては、全て
の粒子が1〜300μmの粒子径を有すること、特に1
0〜250μmの粒子径を有することが好ましい。
【0033】PNVA樹脂粒子の粒子径が過大である場
合には、バインダーによって当該粒子を十分に固着保持
することができず、止水テープの裁断時および施工時に
おいてPNVA樹脂粒子の脱落を生じやすくなる。一
方、粒子径が過小である場合には、バインダー中に当該
粒子が埋没して止水性能の低下を招く。
【0034】吸水層を構成するバインダーとしては、目
止層を構成するものとして例示したゴム系バインダーお
よび樹脂系バインダーを挙げることができ、これらのう
ち、ハロゲン原子を含有しないゴム系バインダーが好ま
しく、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴムおよびブチ
ルゴム・エチレンプロピレンゴムのブレンドゴムが特に
好ましい。
【0035】吸水層中におけるバインダーの含有割合と
しては、PNVA樹脂粒子100重量部に対して、通常
2〜300重量部とされ、好ましくは5〜20重量部と
される。バインダーの含有割合が過小である場合には、
当該吸水層を備えてなる止水テープにおいて、PNVA
樹脂粒子の脱落、支持体表面(目止層表面)からの吸水
層の剥離、吸水層表面からのカバークロスの剥離などの
不具合を招く。一方、バインダーの含有割合が過大であ
る場合には、PNVA樹脂粒子による優れた吸水作用
(止水性能)を十分に発揮することができない。
【0036】本発明の止水テープを構成する吸水層中に
は、界面活性剤、イソシアネート化合物、老化防止剤、
その他の成分が含有されていてもよい。
【0037】任意成分として吸水層を構成する界面活性
剤としては、脂肪酸石鹸、直鎖アルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホネート、アルコ
ールサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテルサルフェート、アルキルメチルタウライド、ジ
アルキルスルホサクシネートなどのアニオン系界面活性
剤;エーテル型、アルキルフェノール型、エステル型、
ソルビタンエステル型、ソルビタンエステルエーテル
型、アルキルアミン型、オキシエチレン−オキシプロピ
レンブロックポリマーなどのノニオン系界面活性剤を挙
げることができる。界面活性剤の含有割合としては、P
NVA樹脂粒子100重量部あたり0.1〜5重量部と
される。
【0038】任意成分として吸水層を構成するイソシア
ネート化合物としては、1または2以上のイソシアネー
ト基(NCO)を有する化合物およびその誘導体の中か
ら選択することができる。かかるイソシアネート化合物
の具体例としては、例えばエチルイソシアネート、フェ
ニルイソシアネートなどのモノイソシアネート化合物;
ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジイソシ
アネート、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジ
イソシアネート、1−メチルエチレンジイソシアネー
ト、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレン
ジイソシアネート、2−メチルブタン−1,4−ジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタ
メチレンジイソシアネート、2,2’−ジメチルペンタ
ン−1,5−ジイソシアネート、オクタメチレンジイソ
シアネート、2,5−ジメチルヘキサン−1,6−ジイ
ソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタン−1,
5−ジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネー
ト、2,2’,4−トリメチルヘキサンジイソシアネー
ト、2,4,4’−トリメチルヘキサンジイソシアネー
ト、デカメチレンジイソシアネート、ウンデカメチレン
ジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、
トリデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレ
ンジイソシアネート、ペンタデカメチレンジイソシアネ
ート、ヘキサデカメチレンジイソシアネート、ブテンジ
イソシアネート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソ
シアネート、2−ブチニレン−1,4−ジイソシアネー
トなどのジイソシアネート化合物;1−メチルベンゾー
ル−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−ト
リメチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネー
ト、ナフタリン−1,3,7−トリイソシアネート、ビ
フェニル−2,4,4’−トリイソシアネート、ジフェ
ニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、メチ
ルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネー
ト、トリフェニルメタン−4,4’,4’−トリイソシ
アネート、ポリメリック−ジフェニルメタン−4,4’
−ジイソシアネートなどのトリイソシアネート化合物;
4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,
5’−テトライソシアネートなどのテトライソシアネー
ト化合物を例示することができ、ブロック型のイソシア
ネート化合物も使用することができる。これらのイソシ
アネート化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて
用いることができる。
【0039】吸水層中にイソシアネート化合物が含有さ
れていることにより、少量のバインダーによってもPN
VA樹脂粒子を確実に固着保持することができ、この結
果、止水テープの裁断時および施工時において、PNV
A樹脂粒子が脱落することを確実に防止することができ
る。更に、イソシアネート化合物を含有してなる吸水層
は、支持体(目止層)およびカバークロスに対して良好
な接着性を有するものとなる。吸水層中におけるイソシ
アネート化合物の含有割合としては、PNVA樹脂粒子
100重量部に対して、通常20重量部以下とされ、好
ましくは1〜10重量部とされる。イソシアネート化合
物の含有割合が20重量部を超える場合には、吸水層が
脆化して止水テープの施工性が損なわれる傾向がある。
【0040】任意成分として吸水層を構成する老化防止
剤としては、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化
ジフェニルアミン、4,4’−(α,α−ジメチルベン
ジル)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル
−P−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−
ブチル−4−エチルフェノール、モノ(α−メチルベン
ジル)フェノール、ジ(α−メチルベンジル)フェノー
ル、トリ(α−メチルベンジル)フェノール、2,2’
−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6
−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデ
ンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert
−ブチルフェノール)、2,5−ジ−tert−ブチル
ハイドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハイド
ロキノン、2−メルカプトベンツイミダゾール、2−メ
ルカプトベンツイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプト
メチルベンツイミダゾール、2−メルカプトメチルベン
ツイミダゾールの亜鉛塩、1,3−ビス(ジメチルアミ
ノプロピル)−2−チオ尿素、トリブチルチオ尿素、ト
リス(ノニルフェニル)ホスファイト、チオツプロピオ
ン酸ジラウリルなどを挙げることができ、これらは、単
独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができ
る。老化防止剤の含有割合としては、PNVA樹脂粒子
100重量部あたり0.2〜2重量部とされる。
【0041】〔カバークロス〕本発明の止水テープにお
いては、吸水層の表面にカバークロス(4)が設けられ
ていることが好ましく、これにより、高湿度環境下にお
ける吸水層のベタツキが抑制され、テープのブロッキン
グを防止することができる。このカバークロスは、吸水
時において、吸水樹脂粒子(膨潤粒子)が透過すること
を阻害しないように、目の粗い布地、例えば合成繊維か
らなる低目付(例えば、線径20〜30μmの糸からな
る場合において8〜15g/m2 )の不織布からなるも
のを好適に用いることができる。
【0042】〔止水テープの製造方法〕本発明の止水テ
ープは、支持体の表面に目止層を形成し、この目止層の
表面に吸水層を形成することにより製造することができ
る。
【0043】本発明の止水テープを構成する目止層は、
バインダーと、無機充填剤と、有機溶剤とを含む組成物
(以下、「目止層形成用組成物」ともいう。)を支持体
の表面に塗布し、塗膜を乾燥して前記有機溶剤を除去す
ることにより形成することができる。
【0044】ここに、目止層形成用組成物中に含有され
る有機溶剤としては、当該組成物中に含有されているバ
インダーを溶解できるものであれば特に制限されるもの
ではなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
n−ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ジオキサ
ン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシド、ジエチルエーテル、二塩化エチレン、四塩
化炭素、クロロホルムなどを挙げることができる。
【0045】目止層形成用組成物の塗布方法としては、
特に限定されるものではなく、フローティングナイフコ
ーター、ナイフオーバーロールコーター、リバースロー
ルコーターなどによる公知の塗布方法を採用することが
できる。また、その塗布量は、乾燥付着量(目止層とし
ての付着量)で10〜30g/m2 とされる。
【0046】本発明の止水テープを構成する吸水層は、
PNVA樹脂粒子と、バインダーと、有機溶剤とを含む
組成物(以下、「吸水層形成用組成物」ともいう。)を
前記目止層の表面に塗布し、塗膜を乾燥することにより
形成することができる。
【0047】ここに、吸水層形成用組成物中に含有され
る有機溶剤としては、当該組成物中に含有されているバ
インダーを溶解できるものであれば特に制限されるもの
ではなく、具体的には、目止層形成用組成物中に含有さ
れるものとして例示した有機溶剤を挙げることができ
る。なお、吸水層形成用組成物中にイソシアネート化合
物が含有されている場合には、当該イソシアネート化合
物との反応性を有するアルコール類以外の有機溶剤を使
用することが必要である。
【0048】吸水層形成用組成物の粘度(25℃)は、
通常20ポイズ以下とされ、好ましくは3〜10ポイズ
とされる。組成物の粘度が20ポイズを超える場合に
は、当該組成物の塗布特性が低下し、均質で表面平滑性
に優れた吸水層を形成することが困難となる。ここに、
吸水層形成用組成物の粘度は有機溶剤の含有割合を調整
することによって容易に制御することができる。吸水層
形成用組成物の塗布方法としても、特に限定されるもの
ではなく、フローティングナイフコーター、ナイフオー
バーロールコーター、リバースロールコーターなどによ
る公知の塗布方法を採用することができる。また、その
塗布量は、乾燥付着量(吸水層としての付着量)で5〜
150g/m2 とされる。
【0049】吸水層の表面にカバークロスを設ける方法
としては、吸水層とカバークロスとの間の剥離強度を高
める観点から、吸水層形成用組成物を塗布した後、塗膜
を乾燥処理する前に、テープ材料(支持体・目止層・湿
潤状態の塗膜)とカバークロスとを貼り合わせる、いわ
ゆるウエットラミネート法を採用することが好ましい。
ここに、吸水層とカバークロスとの間の剥離強度は、2
0gf/25mm以上であることが好ましく、更に好ま
しくは30gf/25mm以上とされる。
【0050】上記のような製造方法によれば、吸水層形
成用組成物を支持体表面に直接塗布するのではなく、支
持体表面に形成された目止層の表面に塗布して吸水層を
形成するので、吸水層の形成工程において、粘度の低い
形成用組成物を塗布しても、当該組成物中のバインダー
成分が支持体から漏れ出ることがない。これにより、P
NVA樹脂粒子の固着保持および支持体やカバークロス
との接着性を確保するために十分な量のバインダーを吸
水層の構成成分として含有させることができる。従っ
て、吸水層内においてPNVA樹脂粒子が確実に固着保
持されるとともに、当該吸水層は、支持体およびカバー
クロスに対して良好な接着性を有するものとなる。さら
に、吸水層形成用組成物中に小径(例えば50μm以
下)のPNVA樹脂粒子が含有されていても、当該小径
のPNVA樹脂粒子が支持体を透過して漏れ出ることも
防止することができ、これにより、優れた止水性能を発
揮するために十分な量のPNVA樹脂粒子を吸水層の構
成成分として含有させることができる。
【0051】〔止水テープの実装方法〕本発明の止水テ
ープは、図1に示した止水テープ14と同様にしてロッ
ド(13)の周面に巻き付けられることにより、光ファ
イバーケーブルに実装される。
【0052】そして、PNVA樹脂粒子は、高濃度イオ
ン水に対する吸収力が高い(例えば人工海水に対して自
重の30倍程度)ので、当該PNVA樹脂粒子による吸
水層を備えてなる本発明の止水テープによれば、従来公
知の止水テープよりも、高濃度イオン水に対して優れた
止水効果を奏することができる。また、PNVA樹脂粒
子の有するアセトアミド基は非イオン性であるので、当
該PNVA樹脂粒子による吸水層を備えてなる本発明の
止水テープによれば、脱イオン水、生理食塩水などの低
濃度イオン水、人工海水などの高濃度イオン水の全てに
対して安定した止水効果を発揮することができる。
【0053】以上、本発明の止水テープの一実施形態を
説明したが、本発明はこれらの形態に限定されるもので
はなく、種々の変更が可能である。例えば、支持体の両
面に、それぞれ、目止層と吸水層とが形成されていても
よい。また、本発明の止水テープは、光ファイバーケー
ブルのみならず、各種の通信ケーブルや電力ケーブルな
どの防水対策(止水対策)のためにも好適に使用するこ
とができる。
【0054】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
がこれらによって限定されるものではない。なお、以下
において、「部」は「重量部」を意味するものとする。
【0055】以下の実施例および比較例において、支持
体を構成する不織布としては、ポリエステルスパンボン
ド不織布「マリックス7045」〔ユニチカ(株)製:
目付45g/m2 〕を使用した。また、カバークロスを
設ける場合(実施例1〜2,比較例1〜3)において、
当該カバークロスを構成する不織布としては、ポリエス
テルスパンボンド不織布「エルベスS0153WGE」
〔ユニチカ(株)製:目付15g/m2 〕を使用した。
【0056】<実施例1> (1)目止層形成用組成物の調製:ブチルゴム(ゴム系
バインダー)100部と、炭酸カルシウム(平均粒子径
2.5μm)300部とをロールにて混練し、得られた
ゴム組成物をトルエン300部に溶解して、粘度(25
℃)が300ポイズの目止層形成用組成物を調製した。
【0057】(2)吸水層形成用組成物の調製:ブチル
ゴム(ゴム系バインダー)15部と、PNVA樹脂粒子
「PNVA NA」(昭和電工(株)製:粒子径分布の
中央値110μm:粒子径分布を図4に示す。)100
部と、アニオン系界面活性剤「ニッコール OTP−1
00」〔日光ケミカルズ(株)製〕1部とをトルエン約
100部に溶解して、20ポイズ(25℃)の粘度に調
整された吸水層形成用組成物を調製した。
【0058】(3)止水テープの製造:不織布からなる
支持体の表面に目止層形成用組成物を塗布し、塗膜を1
00℃で5分間乾燥することにより、前記支持体の表面
に目止層(目付20g/m2 )を形成した。次いで、形
成された目止層の表面に吸水層形成用組成物を塗布し、
不織布からなるカバークロスをウエットラミネート法に
より貼り合わせた後、吸水層形成用組成物の塗膜を10
0℃で5分間乾燥して吸水層(目付100g/m2 )を
形成することにより、支持体と、目止層と、吸水層と、
カバークロスとからなり、厚みが0.33mmである本
発明の止水テープを製造した。
【0059】<実施例2>実施例1と同様にして調製し
た吸水層形成用組成物にメチレンジイソシアネート5部
を添加し、この吸水層形成用組成物を塗布したこと以外
は実施例1と同様にして、支持体と、目止層と、吸水層
と、カバークロスとからなり、厚みが0.33mmであ
る本発明の止水テープを製造した。
【0060】<比較例1>ポリアクリル酸ナトリウムか
らなり、篩分けにより実施例1で使用したPNVA樹脂
粒子と同様の粒子径分布に調整された吸水樹脂粒子10
0部を、PNVA樹脂粒子に代えて使用したこと以外は
実施例1と同様にして吸水層形成用組成物を調製し、得
られた吸水層形成用組成物を塗布したこと以外は実施例
1と同様にして、支持体と、目止層と、吸水層と、カバ
ークロスとからなり、厚みが0.33mmである比較用
の止水テープを製造した。
【0061】<比較例2>イソブチレン・無水マレイン
酸共重合体架橋物からなり、篩分けにより実施例1で使
用したPNVA樹脂粒子と同様の粒子径分布に調整され
た吸水樹脂粒子100部を、PNVA樹脂粒子に代えて
使用したこと以外は実施例1と同様にして吸水層形成用
組成物を調製し、得られた吸水層形成用組成物を塗布し
たこと以外は実施例1と同様にして、支持体と、目止層
と、吸水層と、カバークロスとからなり、厚みが0.3
3mmである比較用の止水テープを製造した。
【0062】<比較例3>スルホアルキルアクリレート
・アクリル酸系共重合体架橋物からなり、篩分けにより
実施例1で使用したPNVA樹脂粒子と同様の粒子径分
布に調整された吸水樹脂粒子100部を、PNVA樹脂
粒子に代えて使用したこと以外は実施例1と同様にして
吸水層形成用組成物を調製し、得られた吸水層形成用組
成物を塗布したこと以外は実施例1と同様にして、支持
体と、目止層と、吸水層と、カバークロスとからなり、
厚みが0.33mmである比較用の止水テープを製造し
た。
【0063】<実施例3>実施例1と同様にして支持体
の表面に目止層(目付20g/m2 )を形成し、この目
止層の表面に、実施例1と同様にして調製した吸水層形
成用組成物を塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して
吸水層(目付50g/m2 )を形成することにより、支
持体と、目止層と、吸水層とからなり、厚みが0.29
mmである本発明の止水テープを製造した。
【0064】<実施例4>実施例1と同様にして調製し
た吸水層形成用組成物にメチレンジイソシアネート5部
を添加し、この吸水層形成用組成物を塗布したこと以外
は実施例3と同様にして、支持体と、目止層と、吸水層
とからなり、厚みが0.29mmである本発明の止水テ
ープを製造した。
【0065】<比較例4>ポリアクリル酸ナトリウムか
らなり、篩分けにより実施例1で使用したPNVA樹脂
粒子と同様の粒子径分布に調整された吸水樹脂粒子10
0部を、PNVA樹脂粒子に代えて使用したこと以外は
実施例1と同様にして吸水層形成用組成物を調製し、得
られた吸水層形成用組成物を塗布したこと以外は実施例
3と同様にして、支持体と、目止層と、吸水層とからな
り、厚みが0.29mmである比較用の止水テープを製
造した。
【0066】<比較例5>イソブチレン・無水マレイン
酸共重合体架橋物からなり、篩分けにより実施例1で使
用したPNVA樹脂粒子と同様の粒子径分布に調整され
た吸水樹脂粒子100部を、PNVA樹脂粒子に代えて
使用したこと以外は実施例1と同様にして吸水層形成用
組成物を調製し、得られた吸水層形成用組成物を塗布し
たこと以外は実施例3と同様にして、支持体と、目止層
と、吸水層とからなり、厚みが0.29mmである比較
用の止水テープを製造した。
【0067】<比較例6>スルホアルキルアクリレート
・アクリル酸系共重合体架橋物からなり、篩分けにより
実施例で使用したPNVA樹脂粒子と同様の粒子径分布
に調整された吸水樹脂粒子100部を、PNVA樹脂粒
子に代えて使用したこと以外は実施例1と同様にして吸
水層形成用組成物を調製し、得られた吸水層形成用組成
物を塗布したこと以外は実施例3と同様にして、支持体
と、目止層と、吸水層とからなり、厚みが0.29mm
である比較用の止水テープを製造した。
【0068】<止水テープの評価試験>上記の実施例1
〜4および比較例1〜6により得られた止水テープの各
々について、下記(1)〜(3)の試験を行うことによ
り、吸水性能・止水性能を評価した。また、実施例1〜
2および比較例1〜3により得られた止水テープの各々
について、下記(4)の試験(カバークロスの剥離力の
測定)を行うことにより、吸水層とカバークロスとの間
の接着性を評価した。また、実施例3〜4および比較例
4〜6により得られた止水テープの各々について、下記
(5)の試験(磨耗量の測定)を行うことにより、吸水
樹脂粒子の固着保持性を評価した。さらに、実施例3お
よび比較例4により得られた止水テープの各々につい
て、下記(6)の試験を行うことにより、吸水性能の金
属イオン濃度依存性を評価した。(1)〜(5)の評価
結果を後記表1に示し、(6)の評価結果を後記表2に
示す。
【0069】(1)吸水離脱量:止水テープを5cm×
5cmに裁断して試験片を作製し、この試験片の吸水層
に人工海水0.2ml注入し、5分間経過後、表面に移
行した吸水樹脂粒子(膨潤粒子)をスクレーパーを用い
て掻き落とし、当該吸水樹脂粒子の重量を測定した。
【0070】(2)吸水倍率:止水テープ約1gを精秤
し(このときの重量をAとする)、この止水テープを2
0℃の人工海水中に浸漬した。10分間経過後、止水テ
ープを取り出して秤量し(このときの重量をB1 とす
る)、さらに、止水テープの吸水層から離脱して人工海
水中に移行している吸水樹脂粒子を濾別採取して秤量し
(このときの重量をB2 とする)、下記式に従って、吸
水倍率(W)を算出した。
【0071】
【数1】
【0072】(3)走水距離:図5(イ)は、走水距離
を測定するために使用した装置の正面図であり、図5
(ロ)は、同図(イ)におけるA−A断面図である。こ
の装置は、合成樹脂板20(幅10cm,長さ20m)
の長手方向に伸びるよう形成された溝21〜25の各々
に、光ファイバーテープ心線(図示省略)を収納し、次
いで、前記溝21〜25を塞ぐように、カバークロスま
たは吸水層を溝側(下側)に向けて止水テープTを載置
し、さらに、この止水テープTの上に合成樹脂板28
(幅10cm,長さ20m)を載置固定することにより
構成されている。なお、合成樹脂板(20,28)間の
液密性は、長手方向に伸びる側板26,27を設けるこ
とにより確保されている。このような構成の装置を使用
し、対向配置された合成樹脂板(20,28)と側板2
6,27とにより区画され、止水テープTが収容されて
いる装置内路S内に連通するように、装置の一端20A
に配管29を接続し、この配管29から装置内路S内に
人工海水を浸入させた。ここに、人工海水の水圧は0.
1kgf/cm2 とした。この状態を24時間保持した
後、この装置を解体して、当該装置の一端20Aから他
端20Bに向かって装置内路S内を移動した人工海水の
距離(走水距離)を測定した。なお、合成樹脂板20に
形成された溝21〜25の大きさ、溝21〜25内に収
納した光ファイバーテープ心線の芯数および収納枚数は
以下のとおりである。
【0073】<溝21〜25の大きさ> 幅3.0mm,深さ4.5mm,長さ20m(実施
例1〜2および比較例1〜3に係る止水テープの試験
用) 幅1.5mm,深さ2.5mm,長さ20m(実施
例3〜4および比較例4〜6に係る止水テープの試験
用)
【0074】<テープ心線の芯数および収納枚数> 芯数8,収納枚数10(実施例1〜2および比較例
1〜3に係る止水テープの試験用) 芯数4,収納枚数 1(実施例3〜4および比較例
4〜6に係る止水テープの試験用)
【0075】(4)カバークロスの剥離力:止水テープ
を25mm×300mmに裁断して試験片を作製し、引
張試験機を用い、引張速度200mm/minの条件で
カバークロスの剥離力(gf/25mm)を測定した。
【0076】(5)固着保持性(磨耗量):止水テープ
を3cm×22cmに裁断して試験片を作製し、学振型
摩擦試験機を用い、100回の摩擦回転による試験片の
重量変化から磨耗量(吸水樹脂粒子の脱落量)を測定し
た。なお、摩擦用の基布としては、縦糸および横糸がそ
れぞれ250デニールのポリエステル糸からなり、打込
みが縦横50本/インチであるものを使用した。
【0077】(6)吸水性能の金属イオン濃度依存性:
上記(2)の方法と同様にして、脱イオン水および塩化
ナトリウム水溶液(5重量%,10重量%,15重量
%,20重量%)に10分間浸漬したときの止水テープ
の吸水倍率をそれぞれ測定し、吸水性能のナトリウムイ
オン濃度依存性を評価した。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】表1に示す結果から、PNVA樹脂粒子を
含有する吸水層を備えてなる実施例1〜4に係る止水テ
ープは、比較例1〜6に係る止水テープ(従来におい
て、高濃度イオン水の吸収性が良好であるとされていた
吸水樹脂粒子を含有する吸水層を備えてなる止水テー
プ)よりも、人工海水に対する止水性能に優れているこ
とが理解される。また、メチレンジイソシアネートが吸
水層に含有されている実施例2に係る止水テープは、実
施例1に係る止水テープと比較して、吸水層とカバーク
ロスとの間の接着性に優れていることが理解される。ま
た、メチレンジイソシアネートが吸水層に含有されてい
る実施例4に係る止水テープは、実施例3に係る止水テ
ープと比較して、PNVA樹脂粒子の固着保持性に優れ
ていることが理解される。
【0081】更に、表2に示す結果から、PNVA樹脂
粒子を含有する吸水層を備えてなる実施例3に係る止水
テープは、比較例4に係る止水テープ(アニオン性高分
子からなる樹脂粒子を含有する吸水層を備えてなる止水
テープ)よりも塩化ナトリウム水溶液の吸収性に優れ、
しかも、実施例3に係る止水テープの吸水性能は、比較
例4に係る止水テープの吸水性能と比較して、水中に含
まれるナトリウムイオンの影響を受けにくいことが理解
される。
【0082】
【発明の効果】本発明の止水テープによれば、高濃度イ
オン水の吸収性が良好であるとされていた吸収樹脂粒子
による従来公知の止水テープよりも、高濃度イオン水に
対して優れた止水効果を発揮することができる。また、
本発明の止水テープによる吸水性能は水中に含まれる金
属イオンに影響されにくく、従って、本発明の止水テー
プによれば、脱イオン水、低濃度イオン水および高濃度
イオン水の全てに対して安定した止水効果を発揮するこ
とができる。さらに、目止層を介して吸水層が支持体表
面に形成されてなる本発明の止水テープによれば、製造
段階において、吸水層形成用組成物中のバインダー成分
や小径のPNVA樹脂粒子が漏れ出ることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバーケーブルの断面構造を示す説明図
である。
【図2】従来の止水テープの断面構造の一例を示す説明
図である。
【図3】本発明の止水テープの断面構造の一例を示す説
明図である。
【図4】実施例で使用した吸水樹脂粒子の粒子径分布を
示すグラフである。
【図5】(イ)は走水距離の測定に使用する装置の正面
図であり、(ロ)は、(イ)におけるA−A断面図であ
る。
【符号の説明】
1 支持体 2 目止層 3 吸水層 11 抗張体 12 溝 13 ロッド 14 止水テープ 15 外皮部材 16 光ファイバーの心線 17 支持体 18 吸水層 19 カバークロス 20 合成樹脂板 21〜25 溝 26,27 スペーサ 28 合成樹脂板 29 配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02B 6/44 381 G02B 6/44 381

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−ビニルアセトアミドを(共)重合し
    て得られる吸水樹脂粒子と、バインダーとを含有する吸
    水層を備えてなることを特徴とする止水テープ。
  2. 【請求項2】 織物または不織布からなる支持体
    (1)、この支持体(1)の表面に形成された目止層
    (2)、およびこの目止層(2)の表面に形成された吸
    水層(3)を有してなる止水テープであって、 前記目止層(2)は、バインダー100重量部と、無機
    充填剤50〜400重量部とを含有してなり、 前記吸水層(3)は、N−ビニルアセトアミドを(共)
    重合して得られる吸水樹脂粒子100重量部と、バイン
    ダー2〜300重量部とを含有してなることを特徴とす
    る止水テープ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010106049A (ja) * 2008-10-28 2010-05-13 Sanyo Chem Ind Ltd 光ファイバー止水テープ用吸水性樹脂粒子
CN110343480A (zh) * 2019-07-26 2019-10-18 王佳胶带科技(南通)有限公司 一种防水胶带及其制备方法

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