JPH1030104A - 高炉操業方法 - Google Patents

高炉操業方法

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JPH1030104A
JPH1030104A JP20418896A JP20418896A JPH1030104A JP H1030104 A JPH1030104 A JP H1030104A JP 20418896 A JP20418896 A JP 20418896A JP 20418896 A JP20418896 A JP 20418896A JP H1030104 A JPH1030104 A JP H1030104A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微粉炭多量吹き込みの高炉操業を安定化させ
る。 【解決手段】 Al23 を2.0〜3.0mass%、S
iO2 を3.9〜4.9mass%、MgOを0.5〜1.
2mass%含有する高Al23 焼結鉱、およびAl2
3 を1.0〜1.7mass%、SiO2 を4.5〜6.0
mass%、MgOを0.8〜2.5mass%含有する低Al
23 焼結鉱を製造し、高炉スラグ中のAl23 成分
が高炉の操業管理値以下となるように前記高Al23
焼結鉱と低Al23 焼結鉱を配合し、高炉に装入する
ことを特徴とする高炉操業方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高Al23 鉱石
の多量使用と高炉スラグ比を低減する高炉操業方法、特
に微粉炭多量吹き込み時の高炉の安定操業に関する。
【0002】
【従来の技術】豪州、インドの鉄鉱石のAl23 量は
2.0mass%以上が主体であり、ブラジルなどの低Al
23 鉱石に対してAl23 量は倍以上もある。高炉
操業では高炉スラグ中のAl23 量を14.0〜1
5.5%に管理しており、鉱石のAl23 量が上昇す
ることは好ましくない。しかし日本は地理的に豪州とイ
ンドに近く、輸送費を下げるためにもこれらの地域の高
Al23 鉱石をより多く使用することが求められてい
る。
【0003】また、高炉に装入するコークスを代替し、
溶銑原価の低減を目的として高炉羽口から微粉炭を吹込
む技術はコークス炉の老朽化対策としても重要であり、
日本国内ではほぼ全高炉に採用され、微粉炭吹込み量は
150kg/t−p以上の例も報告されている。
【0004】例えば、「材料とプロセス」7(199
4),p126には、コークスDIの向上と高酸素富化
操業、低Al23 ・高被還元性焼結鉱の使用、局所的
な高O/C(鉱石/コークス比)部を形成させない装入
物分布制御により、1週間の微粉炭比200kg/t−
pの操業試験が達成できたと報告されている。これは融
着体厚み増加を装入物の低Al23 化で抑制したと考
えられる。
【0005】また、「材料とプロセス」8(199
5),p.319には炉下部通気・通液性の改善のため
にスラグ比を低下(320→280kg/t−p)さ
せ、HPS鉱の全面使用による塊成鉱の高RI(被還元
性)化、コークス強度向上を実施し、月間微粉炭比21
8kg/t−pの操業結果が得られたことが報告されて
いる。HPS鉱が低SiO2 ・低Al23 鉱であるの
はよく知られているので、融着帯厚み増加を装入物の低
SiO2 化と低Al23 化で抑制したと考えられる。
【0006】特開昭61−56211号公報には、高炉
操業において焼結鉱塩基度(C/S)を2以上とし、高
炉スラグの目標塩基度より上昇分は高炉にてSiO2
副原料の装入により調整し、軟化融着帯レベルを下降さ
せることにより溶銑中Si濃度を低下させることを特徴
とする高炉操業方法が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】高Al23 鉱石はブ
ラジルの低Al23 鉱石などより安価であるので、今
後は高Al23 焼結鉱の使用技術の確立が高炉操業の
重要課題の一つになると考えられる。しかし、高炉操業
においては高炉スラグ中のAl23 量を管理値以下に
押さえる必要があり、高Al23 鉱石を多量に配合す
るとカルシウムフェライト融液の融点上昇により融液生
成量が減少するため、焼結鉱の製造歩留り低下や品質
(特に強度とRDI)の悪化が問題となるので、従来は
高Al23鉱石の配合量を増加させることは困難であ
った。
【0008】高炉の安定操業のためには高炉炉底部の通
気性・通液性の改善が必要であり、特に高炉羽口から微
粉炭を150kg/t−p以上吹き込む際には微粉炭比
増加により炉頂から装入するコークス量が減少(コーク
ススリットの縮小)するので、高炉内のO/Cが高くな
り、融着帯厚み増加とそれ以下の炉芯部を含む炉下部の
通気性の悪化が問題となる。炉下部の通気性改善のため
には、高炉スラグ比の低減が必要である。
【0009】そこで、高炉スラグ比を低減するため、焼
結鉱のSiO2 成分の低減が検討されてきた。しかし、
高炉操業においては高炉スラグ中のAl23 量を高炉
操業の管理値以下にする必要があり、低SiO2 の鉱石
を多量に配合すると高炉スラグ中のAl23 量が高炉
操業の管理値以上になり、スラグ粘性が上昇してスラグ
流動性が悪化することが問題となっている。
【0010】特開昭61−56211号公報の方法は、
塩基度上昇で焼結鉱高温性状を改善して軟化融着帯の収
縮率や通気抵抗を改善しているが、塩基度を上昇させる
と高炉スラグ量を増加させる欠点があるので、炉下部の
通気性改善が必要な微粉炭多量吹き込み操業への適用は
困難である。
【0011】本発明法は、上記の問題点を解決するため
になされたもので、高炉での高Al23 鉱石の多量使
用を可能にし、特に微粉炭多量吹き込み時における高炉
スラグ比を低下して炉下部の通気性・通液性が改善でき
る高炉操業を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は以下を要旨とする。 (1) Al23 を2.0〜3.0mass%、SiO2
を3.9〜4.9mass%、MgOを0.5〜1.2mass
%含有する高Al23 焼結鉱、およびAl23
1.0〜1.7mass%、SiO2 を4.5〜6.0mass
%、MgOを0.8〜2.5mass%含有する低Al2
3 焼結鉱を製造し、高炉スラグ中のAl23 成分が高
炉の操業管理値以下となるように前記高Al23 焼結
鉱と低Al23 焼結鉱を配合し、高炉に装入すること
を特徴とする。
【0013】(2) SiO2 を3.9〜4.9mass
%、MgOを0.5〜1.2mass%含有し、C/Sを
2.0〜2.8とした高C/S焼結鉱、およびSiO2
を4.5〜6.0mass%、MgOを1.3〜2.5mass
%含有し、C/Sを0.5〜1.2とした低C/S焼結
鉱を製造し、高炉スラグ比が高炉の操業管理値以下とな
るように前記高C/S焼結鉱と低C/S焼結鉱を配合
し、高炉に装入することを特徴とする。
【0014】(3) 高炉羽口から150kg/t−p
以上の微粉炭を吹き込む高炉操業において、上記
(1)、(2)に記載の操業を行うことを特徴とする。
ここで、高炉スラグ比は銑鉄1t当りに生成するスラグ
量を示し、C/SはCaO/SiO2 で表せる塩基度で
ある。なお、高炉スラグ中にはCaO,SiO2 ,Al
23 ,MgOの他に0.2%程度のFeOやアルカリ
成分が含まれる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、高Al23 焼結鉱の
多量使用を可能にし、高炉スラグ量を低減して、特に高
微粉炭比操業における高炉操業を安定化するものであ
る。まず、本発明法1の方法を以下に説明する。従来、
焼結鉱中のAl23 量が2.0mass%以上となると、
融液生成量の減少、還元粉化しやすい「ヘマタイト+柱
状カルシウムフェライト」共存組織が増加し、また還元
時に生成する高FeO融液の融点を逆に下げて軟化しや
すくするため、焼結鉱の強度、RDI(還元粉化性)、
高温還元・軟化溶融性状が悪化する問題があった。
【0016】そこで、高Al23 鉱石を多量に配合し
ても優れた品質の焼結鉱を製造できる焼結原料の配合条
件を種々検討した結果、焼結鉱中のSiO2 が3.9〜
4.9mass%、MgOが0.5〜1.2mass%、Al2
3 が2.0〜3.0mass%となるように高Al23
鉱石と他の鉱石、副原料を配合して高Al23 焼結鉱
とすることにより、優れた強度、RDI(還元粉化
性)、JIS−RI(被還元性)、高温還元・軟化溶融
性状の焼結鉱が得られることを見出した。さらにSiO
2 が4.5〜6.0mass%、MgOが0.8〜2.5ma
ss%、Al23 が1.0〜1.7mass%である低Al
23 焼結鉱を前記高Al23 焼結鉱と配合し、高炉
に装入することにより高炉スラグの粘性に大きな影響を
及ぼす高炉スラグ中のAl23 量を容易に高炉操業の
管理値以下に調整できることを見出し、本発明に至っ
た。
【0017】ここで、高Al23 焼結鉱中のSiO2
を3.9〜4.9mass%、MgOを0.5〜1.2mass
%の範囲と規定したのは、Al23 量が2.0〜3.
0mass%と高い場合はSiO2 を4.9mass%以下、M
gOを1.2mass%以下に同時に低減することにより、
焼結鉱の強度に悪影響を及ぼすMgO量を低減すること
により、強度を維持しながらトータルのスラグ量を低減
することができる。また、高炉内の熱量は一定の条件下
であるため、スラグ量が低減すると炉内温度が上昇して
マグネタイトが増加し、気孔率も増加して還元性が改善
されるため、焼結鉱のRDI(還元粉化性)、JIS−
RI(被還元性)、高温還元・軟化溶融性状が改善でき
る。ただし、SiO2 を3.9mass%未満、MgOを
0.5mass%未満まで低下させると焼結鉱の強度とRD
Iが悪化するため好ましくない。この場合、Al23
量が通常焼結鉱より高いので、コークス配合比も通常焼
結鉱の場合より増加させるとRDIが向上し、MgOが
低い値であるので被還元性に悪影響を及ぼすFeOも大
幅には増加しない。
【0018】高炉スラグの粘性を一定に保つため、スラ
グ中のAl23 量は通常14.0〜15.5%に管理
する必要がある。そこで、上記の高Al23 焼結鉱を
高炉に多量に装入する場合、Al23 を1.0〜1.
7mass%に規定した低Al23 焼結鉱と混合して高炉
に装入することにより、高炉スラグ中のAl23 量を
操業管理値以下に調整する。さらに低Al23 焼結鉱
中のSiO2 を4.5〜6.0mass%、MgOを0.8
〜2.5mass%と高い値に規定するのは上記の高Al2
3 焼結鉱を装入する場合にスラグ中のSiO2 、Mg
O量を調節するためである。
【0019】低Al23 焼結鉱は品質が安定してお
り、SiO2 、MgOを上記の値に規定しても焼結鉱品
質上は問題ない。この場合、Al23 が1.0〜1.
7mass%と低レベルであるので、コークス配合比は通常
焼結鉱の場合より低くすることができる。なお、前記高
Al23 焼結鉱と低Al23 焼結鉱を混合する方法
としては、別々の鉱石槽からそれぞれの焼結鉱を設定し
た割合で輸送ベルト上に切り出す方法が最も簡便で良
い。
【0020】次に、本発明法2の高炉スラグ量を低減し
て操業を安定化する方法を以下に説明する。従来、焼結
鉱中のSiO2 を4.9%以下にすると強度やRDI
(還元粉化性)が悪化する問題があった。そこで、品質
の優れた低SiO2 焼結鉱を製造できる焼結原料の配合
条件を種々検討した結果、焼結鉱成分のSiO2 を3.
9〜4.9mass%、MgOを0.5〜1.2mass%、C
/Sを2.0〜2.8となるように鉱石、副原料を配合
して高C/S焼結鉱とすることにより、優れたRDI
(還元粉化性)、JIS−RI(被還元性)、高温還元
・軟化溶融性状の焼結鉱が得られることを見出した。さ
らに、SiO2 を4.5〜6.0mass%、MgOを1.
3〜2.5mass%、C/Sを0.5〜1.2とした低C
/S焼結鉱を製造し、高炉スラグ比が高炉の操業管理値
以下となるように前記高C/S焼結鉱と低C/S焼結鉱
を配合して高炉に装入すれば高炉スラグ量を低減して炉
底部の通気性・通液性の改善が可能になることを見出
し、本発明に至った。
【0021】ここで、焼結鉱中のMgOを0.5〜1.
2mass%、C/Sを2.0〜2.8の範囲に規定したの
は、焼結鉱中のSiO2 が3.9〜4.9mass%と低い
場合は、MgOを1.2mass%以下に低減し、C/Sを
2.0以上に増加させることにより、焼結鉱のRDI
(還元粉化性)、JIS−RI(被還元性)、高温還元
・軟化溶融性状が改善できる。ただし、MgOが0.5
mass%未満、C/Sが2.8超になると焼結鉱品質が悪
化するため好ましくない。
【0022】高炉のスラグ比を操業管理値以下にするた
めには、通常、スラグ中のMgOを6.0〜8.0%、
C/Sを1.2〜1.3に管理する必要がある。したが
って上記の高C/S焼結鉱を高炉に多量に装入する場
合、C/Sを0.5〜1.2に規定した低C/S焼結鉱
と上記高C/S焼結鉱とを混合して高炉に装入すること
により、高炉スラグ中のC/Sを操業管理値範囲に調整
することができる。C/Sが0.5〜1.2の低C/S
焼結鉱の場合は、SiO2 とMgO量は高い方が好まし
く、SiO2 は4.5〜6.0mass%、MgOは1.3
〜2.5mass%が適正である。ここで、SiO2 が6.
0mass%超ではJIS−RIと高温還元・軟化溶融性状
が悪化し、MgOが2.5mass%超では強度が低下する
ため好ましくない。なお、この場合の焼結鉱のコークス
配合比は通常の焼結鉱レベルの配合で良い。
【0023】次に、本発明法3の方法を説明する。安価
原燃料操業を志向して、高炉羽口から150kg/t−
p以上の微粉炭を吹き込む場合、粉率の上昇により高炉
炉底部の通気性・通液性の改善が従来にも増して顕在化
してきたため、炉下部の通気性に大きな影響を及ぼすス
ラグ成分の管理及び焼結鉱品質が特に重要になってき
た。
【0024】燃料比が500kg/t−pの前提で微粉
炭比が150kg/t−p(コークス比は350kg/
t−p)に増加すると、鉱石/コークス比(O/C)は
4.5レベルに上昇する。微粉炭比が200kg/t−
p(コークス比は300kg/t−p)になると、O/
Cは5.5まで上昇する。通常操業のO/Cは4.0未
満であるので、微粉炭比150kg/t−p以上では鉱
石層厚が大幅に増加することになり、融着帯形状が肥大
化することになる。
【0025】図1に微粉炭比60、200kg/t−p
吹き込み操業でのシミュレーション結果に基づく炉内融
着帯形状の変化を示す。微粉炭比が増加すると融着帯が
肥大化しているのが分かる。この融着帯の肥大化を抑制
できれば炉内通気性が改善される。
【0026】本発明法1の方法と微粉炭多量吹込み技術
との組み合わせは、安価な高Al23 鉱石を多量に使
用しても焼結鉱の高温還元性と軟化溶融性状が大幅に改
善できるので融着帯の肥大化を抑制して安定操業を実現
できるとともに、溶銑製造コストの低減効果が大きい。
また、本発明法2の方法との組み合わせでは特に高炉ス
ラグ比の低減効果が大きく、溶銑製造コストの低減にも
貢献できる。
【0027】
【実施例】微粉炭吹き込み量の少ない通常操業時に、本
発明法の「高Al23 焼結鉱と低Al23 焼結鉱」
または「高C/S焼結鉱と低C/S焼結鉱」を混合して
装入した場合、第3表の期間D,Eに示すように、従来
法(比較例3)に比較しても高炉操業上問題なく、スラ
グ比の低減効果が見られた。本発明法は特に微粉炭多量
吹き込み操業の場合に効果が大きいため、以下の実施例
では微粉炭多量吹込みの例で説明する。 (実施例1)まず、本発明法1の高Al23 焼結鉱と
低Al23 焼結鉱の焼結鉱品質について述べる。焼結
鉱は450m2 の焼結機で製造した。従来法と実施例1
の焼結鉱を比較して、焼結鉱の成分及びRDIとJIS
−RIの測定結果を表1に、高温還元・軟化溶融性状測
定結果を図2に示す。本発明法で使用する焼結鉱は、R
DIとJIS−RIに加えて高温還元性と軟化溶融性状
が大幅に改善されているのが分かる。本発明法1では、
高Al23 鉄鉱石(低SiO2 、低MgO)と、低A
23 鉄鉱石(高SiO2 、高MgO)の2種類の焼
結鉱を製造し、これらをスラグ中Al23 が15.5
%以下、MgOが6.0%以上となるように混合して高
炉に装入して使用することにより、高Al23 焼結鉱
の多量使用(焼結鉱比で40%)が可能となった。これ
らの焼結鉱を製造する方法として、複数の焼結機で造り
分ける方法または同一の焼結機で時間帯を分けて造り分
ける方法のいずれかを選択することができる。
【0028】
【表1】
【0029】(実施例2)次に、本発明法2の高C/S
焼結鉱と低C/S焼結鉱の焼結鉱品質について述べる。
実施例1と同様に、焼結鉱は450m2 の焼結機で製造
した。従来法と実施例2の焼結鉱を比較して、焼結鉱の
成分及びRDIとJIS−RIの測定結果を表1に、高
温還元・軟化溶融性状測定結果を図2に示す。実施例2
で使用する焼結鉱も、RDIとJIS−RIに加えて高
温還元性と軟化溶融性状が大幅に改善されているのが分
かる。実施例2では、高C/S鉄鉱石(低SiO2 、低
MgO)と、低C/S鉄鉱石(高SiO2 、高MgO)
の2種類の焼結鉱を製造し、これらを混合して高炉に装
入して使用することにより、高炉スラグ中のAl23
成分を15.5%以下、MgO成分を6.0%以上に調
整しながら、高炉スラグ比を280kg/t−p以下に
低減することが可能になった。これらの焼結鉱を製造す
る方法は実施例1と同様に、複数の焼結機で造り分ける
方法または同一の焼結機で時間帯を分けて造り分ける方
法のいずれかを選択することができる。
【0030】(実施例3)実施例1または2の焼結鉱を
使用して、微粉炭吹き込み量を180kg/t−pに増
加させたA高炉(内容積3800m3 )での実施例を説
明する。本発明法を従来法と比較して表2の期間B〜C
にまとめた。従来法では、微粉炭比130kg/t−p
の操業レベル(比較例1)から微粉炭比180kg/t
−p操業(期間A、比較例2)に多量使用する過程で通
気抵抗が増大し、スリップ頻度が増し、炉体放散熱も増
えた。これは、微粉炭比の増加によりO/Cが上昇し、
炉内全圧損が大きくなったためで、特に170kg/t
−p以上でその傾向が顕著であった。
【0031】一方、複数の焼結鉱をほぼ均等割合の混合
して同時に使用する本発明法1、2に切り換えると、微
粉炭吹き込み量が180kg/t−pでもむしろ炉内全
圧損値と炉体放散熱量は低下し、スリップ発生回数は激
減した。これはRDI値低下による炉上部の通気性改善
に加え、シャフト部での被還元性が向上し、さらに通気
抵抗を悪化させることを懸念した融着帯根部の肥大化も
高温性状の改善により防止したため、炉下部の異常も全
く見られなかった。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】以上のように、微粉炭吹き込み量を15
0kg/t−p以上に増加させても、本発明法により炉
内全圧損値を増加させることなく、高炉安定操業を長期
に継続することができた。本発明法は、高Al23
結鉱の多量使用や高炉スラグ量の低減を可能にし、特に
微粉炭多量吹き込み時の高炉の安定操業を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】高炉内融着帯をシミュレーションした図
【図2】本発明法の焼結鉱の高温性状測定結果
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】高炉の安定操業のためには高炉炉部の通
気性・通液性の改善が必要であり、特に高炉羽口から微
粉炭を150kg/t−p以上吹き込む際には微粉炭比
増加により炉頂から装入するコークス量が減少(コーク
ススリットの縮小)するので、高炉内のO/Cが高くな
り、融着帯厚み増加とそれ以下の炉芯部を含む炉下部の
通気性の悪化が問題となる。炉下部の通気性改善のため
には、高炉スラグ比の低減が必要である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】ここで、高Al焼結鉱中のSiO
を3.9〜4.9mass%、MgOを0.5〜1.2
mass%の範囲と規定したのは、Al量が2.
0〜3.0mass%と高い場合はSiOを4.9m
ass%以下、MgOを1.2mass%以下に同時に
低減することにより、焼結鉱の強度に悪影響を及ぼすM
gO量を低減することにより、強度を維持しながらトー
タルのスラグ量を低減することができる。また、焼結層
内の熱量は一定の条件下であるため、スラグ量が低減す
ると焼結層温度が上昇してマグネタイトが増加し、気孔
率も増加して還元性が改善されるため、焼結鉱のRDI
(還元粉化性)、JIS−RI(被還元性)、高温還元
・軟化溶融性状が改善できる。ただし、SiOを3.
9mass%未満、MgOを0.5mass%未満まで
低下させると焼結鉱の強度とRDIが悪化するため好ま
しくない。この場合、Al量が通常焼結鉱より高
いので、コークス配合比も通常焼結鉱の場合より増加さ
せるとRDIが向上し、MgOが低い値であるので被還
元性に悪影響を及ぼすFeOも大幅には増加しない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】次に、本発明法2の高炉スラグ量を低減し
て操業を安定化する方法を以下に説明する。従来、焼結
鉱中のSiOを4.9%以下にすると強度やRDI
(還元粉化性)が悪化する問題があった。そこで、品質
の優れた低SiO焼結鉱を製造できる焼結原料の配合
条件を種々検討した結果、焼結鉱成分のSiOを3.
9〜4.9mass%、MgOを0.5〜1.2mas
s%、C/Sを2.0〜2.8となるように鉱石、副原
料を配合して高C/S焼結鉱とすることにより、優れた
RDI(還元粉化性)、JIS−RI(被還元性)、高
温還元・軟化溶融性状の焼結鉱が得られることを見出し
た。さらに、SiOを4.5〜6.0mass%、M
gOを1.3〜2.5mass%、C/Sを0.5〜
1.2とした低C/S焼結鉱を製造し、高炉スラグ比が
高炉の操業管理値以下となるように前記高C/S焼結鉱
と低C/S焼結鉱を配合して高炉に装入すれば高炉スラ
グ量を低減して炉部の通気性・通液性の改善が可能に
なることを見出し、本発明に至った。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】次に、本発明法3の方法を説明する。安価
原燃料多量使用操業を志向して、高炉羽口から150k
g/t−p以上の微粉炭を吹き込む場合、高炉炉部の
通気性・通液性の改善が従来にも増して顕在化してきた
ため、炉下部の通気性に大きな影響を及ぼすスラグ成分
の管理及び焼結鉱品質が特に重要になってきた。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【実施例】微粉炭吹き込み量の少ない通常操業時に、本
発明法の「高Al焼結鉱と低Al焼結鉱」
または「高C/S焼結鉱と低C/S焼結鉱」を混合して
装入した場合、第3表の期間D,Eに示すように、従来
法(比較例3)に比較しても高炉操業上問題なく、スラ
グ比の低減効果が見られた。本発明法は特に微粉炭多量
吹き込み操業の場合に効果が大きいため、以下の実施例
では微粉炭多量吹込みの例で説明する。 (実施例1)まず、本発明法1の高Al焼結鉱と
低Al焼結鉱の焼結鉱品質について述べる。焼結
鉱は450mの焼結機で製造した。従来法と実施例1
の焼結鉱を比較して、焼結鉱の成分及びRDIとJIS
−RIの測定結果を表1に、高温還元・軟化溶融性状測
定結果を図2に示す。本発明法で使用する焼結鉱は、R
DIとJIS−RIに加えて高温還元性と軟化溶融性状
が大幅に改善されているのが分かる。本発明法1では、
高Al鉄鉱石(低SiO、低MgO)と、低A
鉄鉱石(高SiO、高MgO)の2種類の焼
結鉱を製造し、これらを高炉スラグ中Al 成分
が15.5%以下、MgO成分が6.0%以上となるよ
うに混合して高炉に装入して使用することにより、高A
焼結鉱の多量使用(焼結鉱比で40%)が可能
となった。これらの焼結鉱を製造する方法として、複数
の焼結機で造り分ける方法または同一の焼結機で時間帯
を分けて造り分ける方法のいずれかを選択することがで
きる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】一方、複数の焼結鉱をほぼ均等割合混合
して同時に使用する本発明法1、2に切り換えると、微
粉炭吹き込み量が180kg/t−pでもむしろ炉内全
圧損値と炉体放散熱量は低下し、スリップ発生回数は激
減した。これはRDI値低下による炉上部の通気性改善
に加え、シャフト部での被還元性が向上し、さらに通気
抵抗を悪化させることを懸念した融着帯根部の肥大化も
高温性状の改善により防止したためであり、炉下部の異
常も全く見られなかった。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al23 を2.0〜3.0mass%、S
    iO2 を3.9〜4.9mass%、MgOを0.5〜1.
    2mass%含有する高Al23 焼結鉱、およびAl2
    3 を1.0〜1.7mass%、SiO2 を4.5〜6.0
    mass%、MgOを0.8〜2.5mass%含有する低Al
    23 焼結鉱を製造し、高炉スラグ中のAl23 成分
    が高炉の操業管理値以下となるように前記高Al23
    焼結鉱と低Al23 焼結鉱を配合し、高炉に装入する
    ことを特徴とする高炉操業方法。
  2. 【請求項2】 SiO2 を3.9〜4.9mass%、Mg
    Oを0.5〜1.2mass%含有し、C/Sを2.0〜
    2.8とした高C/S焼結鉱、およびSiO2を4.5
    〜6.0mass%、MgOを1.3〜2.5mass%含有
    し、C/Sを0.5〜1.2とした低C/S焼結鉱を製
    造し、高炉スラグ比が高炉の操業管理値以下となるよう
    に前記高C/S焼結鉱と低C/S焼結鉱を配合し、高炉
    に装入することを特徴とする高炉操業方法。
  3. 【請求項3】 高炉羽口から150kg/t−p以上の
    微粉炭を吹き込む高炉操業において、請求項1または請
    求項2に記載の操業を行うことを特徴とする高炉操業方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003062473A1 (fr) * 2002-01-24 2003-07-31 Jfe Steel Corporation Procede de production de metal liquide a faible teneur en silicium
CN115404338A (zh) * 2022-09-13 2022-11-29 石横特钢集团有限公司 一种高硅高铝含铁料的烧结方法

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