JP2005298923A - 高炉における高鉱石/還元材比操業方法 - Google Patents

高炉における高鉱石/還元材比操業方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 長期的に安定して高鉱石/還元材比操業を行うことできる操業方法を提供する。
【解決手段】 鉄鉱石を主体とする主原料に、SiO2、MgO、CaOを単独または複合して含む副原料および還元材を所定の配合比率で混合した配合原料を焼結した焼結鉱を所定の高鉱石/還元材比にて高炉に装入し、高炉羽口から熱風と共に微粉炭を吹き込んで銑鉄を製造する高炉の操業方法において、通常使用される焼結鉱中のAl2O3量のレベルに応じて、前記副原料の配合比率を調整して高強度かつ高被還元性の焼結鉱を製造するとともに、この調整によって生じる高強度・高被還元性の焼結鉱と通常使用される焼結鉱との副原料の配合比率の差に相当する量の副原料を、高炉羽口より吹き込むことを特徴とする高炉における高鉱石/還元材比操業方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高炉操業方法に関し,高鉱石/還元材比での高炉操業において、長期的に安定な操業を実現する方法に関する。
高炉による銑鉄の製造は、90%と高い熱効率で大量の銑鉄を製造できる点で優れており,現在の銑鉄製造の主流となっている。しかしながら、高炉は巨大な向流移動層であるために、生産性および生産弾力性などに問題があり、安定した生産性と溶銑品質を確保するために一層の制御性の向上が望まれている。
また、最近では、コスト競争力を強化する観点から、安価な原燃料を多量に使用したり、微粉炭比を高くし、装入鉱石量(焼結鉱を含む)に対する装入還元材量の比を高め(以下、高鉱石/還元材比、高O/Cとも記載する)かつ高出銑比操業が行われている。
例えば、微粉炭比(溶銑トン当たりの微粉炭吹き込み量)が100kg/t以上の微粉炭を高炉の羽口から吹き込み、かつ、1チャージ当たりの鉱石とコークス(還元材)の装入重量比が4.0以上、出銑比が2.2t/d/m3以上であるような高微粉炭比、高鉱石/還元材比で、高出銑比操業が行われている。このような高微粉炭比、高鉱石/還元材比、高出銑比操業下では、微粉炭比の増加に伴う炉内紛率の上昇や鉱石/還元材比の増大に伴う装入物の還元の遅れにより融着帯の垂れ下がりなどが発生し、特に、高炉炉芯部での通気性や通液性が低下する。
この高炉炉芯炉心部での通気性や通液性の低下は、炉床での湯流れを不均一にして円滑な出銑、出滓を阻害し、操業を不安定にするため、長期的に安定した高出銑比操業を可能とする技術の確立が望まれている。
このためには、高炉に装入されるコークスや焼結鉱の品質を適正に維持する必要があり、特に焼結鉱については、強度と被還元性が要求されている。
すなわち、焼結鉱の強度が不十分であると炉内での焼結鉱の粉化量が増加し通気性を低下させる。また、被還元性が不十分であると炉内での還元の遅れが発生し、融着帯の垂れ下がりが多発する。このように焼結鉱の品質を適正に維持することが安定操業においては不可欠である。
従来、焼結鉱の強度を上昇させる方法としては、焼結原料への粉コークスの配合量を増やして強固に焼結する方法や、スラグ成分の配合量を増やしてスラグ結合を強化する方法などが採られてきた。
特許文献1には、高炉炉芯の表層部に蓄積された高CaO/SiO2による炉芯部の反応不活性を解消するために、高炉羽口から微粉炭と共にSiO2系フラックスを吹き込み、高CaO/SiO2の低融点化、低粘性化を図る技術が開示されている。しかしながらこれは、高炉スラグの組成を考慮したものではない。
特開平11−372113号公報
焼結原料への粉コークスの配合量を増やし熱量を大きくして強固に焼結する方法では、得られる焼結鉱の強度は上昇するが気孔率の低下により被還元性は大幅に低下するため、還元の遅れに伴う融着帯の垂れ下がりを十分抑制できないほか、焼結工程でのエネルギー原単位が増加するなどの問題がある。
また、スラグ成分の配合量を増やしてスラグ結合を強化する方法でも、焼結鉱の強度を向上させることはできるが、スラグにより反応界面が減少し被還元性を低下させる方向に作用するので、上記の場合と同様、還元の遅れに伴う融着帯の垂れ下がりを十分抑制することができない。
このように、従来の焼結鉱の強度を向上させる方法では、被還元性が犠牲になっており、このような焼結鉱では、高微粉炭比、高鉱石/還元材比、高出銑比操業を安定して行うことは困難である。
また、高炉のスラグ設計においては、高炉内の製錬において要求される融点や粘性などの物性、脱硫能(塩基度)などのスラグの製錬性能、或い排出されたスラグの利用性能などの観点から、必要な高炉スラグ組成(CaO,SiO2、Al23,MgOなど)を満足させる必要がある。この高炉スラグ組成は焼結鉱のスラグ組成により大きく決定づけられるため、焼結鉱のスラグ設計においては、高炉のスラグ組成も考慮することが要求され、鉄鉱石のほかに、一定量のスラグ成分、例えば,蛇紋岩、珪石、石灰石などの副原料が添加されており、同時に焼結鉱としての強度や被還元性を維持するようにすることが要求される。すなわち、高炉スラグ組成設計の一部を、焼結鉱のスラグ組成設計に負わせている。
しかしながら、上述のように、焼結鉱の強度を上昇させるためのスラグ設計と被還元性を向上させるためのスラグ設計とは異なるため、焼結鉱自体のスラグの組成範囲は狭い。
さらに、仮に、まず強度と被還元性の両特性を同時に満足させる焼結鉱のスラグ設計により所望の品質の焼結鉱は製造できたとしても、焼結鉱のスラグ設計において高炉下部でのスラグの製錬性能やスラグ利用性能として要求される上記の高炉スラグ品質をも同時に満たせるようなスラグ組成設計を満足する可能性は極めて小さい。
すなわち、上述のように、高鉱石/還元材比操業では、特に高強度、高被還元性の焼結鉱が求められている状況では、焼結鉱のスラグ設計において、焼結鉱の品質(強度、被還元性)と高炉下部での製錬能として要求されるスラグ品質、排出されたスラグの利用性能として要求されるスラグ品質を同時に満足すことは困難である。
本発明は、上記の問題に鑑み、長期的に安定して高鉱石/還元材比操業を行うことができ、高微粉炭比、高出銑比操業にも有利な操業方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされてものであり、その要旨とするところは以下のとおりである。
(1)鉄鉱石を主体とする主原料に、SiO2、MgO、CaOを単独または複合して含む副原料および還元材を所定の配合比率で混合した配合原料を焼結したや焼結鉱を所定の高鉱石/還元材比にて高炉に装入し、高炉羽口から熱風と共に微粉炭を吹き込んで銑鉄を製造する高炉の操業方法において、通常使用される焼結鉱中のAl2O3量のレベルに応じて、前記副原料の配合比率を調整して高強度かつ高被還元性の焼結鉱を製造するとともに、この調整によって生じる高強度・高被還元性の焼結鉱と通常使用される焼結鉱との副原料の配合比率の差に相当する量の副原料を、高炉羽口より吹き込むことを特徴とする高炉における高鉱石/還元材比操業方法。
(2)前記高強度・高被還元性の焼結鉱の強度(SI)が92%以上であり、被還元性指数(RI)が70%以上であることを特徴とする(1)に記載の高炉における高鉱石/還元材比操業方法。
(3)前記通常使用される焼結鉱のAl2O3量が1.8質量%以上の場合は、前記副原料のMgO、SiO2の配合比率を、通常使用される焼結鉱の配合比率よりも低減するように調整することを特徴とする(1)または(2)に記載の高炉における高鉱石/還元材比操業方法。
(4)前記通常使用される焼結鉱のAl2O3量が1.5質量%未満の場合は、前記副原料のSiO2の配合比率を、前記通常使用される焼結鉱の配合比率よりも低減するように調整することを特徴とする(1)または(2)に記載の高炉における高鉱石/還元材比操業方法。
(5)前記通常使用される焼結鉱のAl2O3量が1.5質量%以上、1.8質量%未満の場合は、焼結鉱生産設備の生産能力に対する生産負荷状況に応じて、前記副原料のMgOおよびSiO2の配合比率を前記通常使用される焼結鉱の配合比率よりも低減するか、または前記副原料のSiO2の配合比率を前記通常使用される焼結鉱の配合比率よりも低減するように調整することを特徴とする(1)または(2)に記載の高炉における高鉱石/還元材比操業方法。
(6)前記副原料のMgOの配合比率を、蛇紋岩の配合比率を低減することにより調整することを特徴とする(3)または(5)に記載の高炉における高鉱石/還元材比操業方法。
(7)前記副原料のSiO2の配合比率を、珪石の配合比率を低減することにより調整することを特徴とする(3)〜(5)のいずれか1項に記載の高炉における高鉱石/還元材比操業方法。
本発明により、多様な鉄鉱石の組成であっても、その組成変動の影響を最小限にして、高強度、高被還元性の焼結鉱を製造でき、これを高炉装入することにより、高炉炉芯部の反応を活性化することができるので、高炉の高鉱石/還元材比操業を長期的に安定して行うことができる。また、高微粉炭比、高出銑比での操業にも有利である。
発明者らは、強度や被還元性などの焼結鉱の品質に要求される焼結鉱のスラグ組成設計と、粘性や融点等の物性及び脱硫能などの高炉炉下部での製錬能やスラグ利用性能などの品質として要求される高炉のスラグ組成設計の差異を詳細に検討した。その結果、本発明においては、焼結鉱のスラグ組成設計は、焼結鉱に要求される品質の観点からのみ行い、高炉のスラグ組成設計は、高炉の備えている機能を利用して補うようにしたものである。
すなわち、焼結鉱のスラグ組成設計は、副原料の配合を調整して目標とする焼結鉱の品質、すなわち,所定の強度および被還元性を達成できるようにし(以下、これを焼結鉱新スラグ組成とも記載する)、従来、負わされていた高炉スラグ品質の一部を解放する。
一方、高炉スラグ設計は、焼結鉱のスラグ設計に負わせていた高炉スラグの品質の一部を含めて、高炉の炉下部でのスラグ物性や脱硫能などの製錬能および複合塩基度などのスラグ利用性能などの品質(以下、これを高炉スラグ組成とも記載する)を達成できるようにする。
このため、通常の焼結鉱のスラグ組成と、新たな焼結鉱のスラグ組成との差分、すなわち、通常の焼結鉱のスラグ組成に負わせていた高炉スラグ組成部分を、フラックスとして高炉において追加するものである。追加方法は、塊状のフラックスとして高炉炉頂から装入しても良いが、高鉱石/還元材比操業を指向する本発明においては、粉状のフラックスとして、高炉羽口から吹き込むものである。
これによって、焼結鉱のスラグ設計は、焼結鉱の品質として、特に高微粉炭吹き込み比、高鉱石/還元材比、高出銑比操業を行う際に要求される強度、被還元性の双方を広範囲に満たすものとすることができ、一方、高炉スラグ品質は、羽口からのフラックスの吹込みにより調整することによって確保することができる。
通常実施されている高炉操業において使用されている焼結鉱の組成、すなわち、高炉スラグ品質の確保も含めたスラグ組成を有する焼結鉱の組成を表1に示すが、表から判るように、強度(SI)、被還元性(RI)は、それぞれ91%前後、67%前後であり、安定した高鉱石/還元材比操業を行うには十分な焼結鉱品質となってはいない。
Figure 2005298923
また、通常、高炉操業において、必要とされている高炉スラグ品質は、例えば、塩基度CaO/SiO2が1.15〜1.25、融点が1300〜1400℃、粘性が2〜5poiseであり、その組成を表2に示す。
Figure 2005298923
通常の高炉操業においては、所定の鉱石/還元材比となるように装入された焼結鉱(鉱石)から得られる高炉下部でのスラグ組成と上記所要の高炉スラグ組成との差異は、高炉炉頂から石灰石や珪石などの副原料を追加装入することによって調整され、高炉操業としてスラグの物質バランスが図られている。
本発明においては、焼結鉱は、高強度、高被還元性のものとする。その強度、被還元性は、高炉の内容積、高炉操業における鉱石(焼結鉱を含む)/被還元材の比率などを考慮して設定すればよいが、鉱石(焼結鉱を含む)/被還元材の比が4.0以上とするような高鉱石/還元材比操業においては、焼結鉱の強度(SI)および、被還元性(RI)は、それぞれ、92%以上、70%以上とすることが好ましい。なお、SIはJIS M8711で、RIはJIS M8713で、それぞれ規定された測定法である。
従って、焼結鉱のスラグ設計においては、上記の設定値を満たすような焼結鉱となるように、鉄鉱石、副原料、還元材など配合比率を変更設定する。
表3には、このような焼結鉱の組成例を示す。
Figure 2005298923
上記表3の焼結鉱の組成は、表1に示したような通常の焼結鉱の組成、すなわち、高炉スラグ品質の確保も含めたスラグ組成を有する焼結鉱の組成からは変更され、高強度、高被還元性を備えたものとなっている。
一方、高鉱石/還元材比操業においても、高炉スラグとして要求される品質は、通常の通常の操業において要求されるのとものとほぼ同レベルを維持する必要がある。
上述のように、通常の高炉操業では、例えば、表1に示したような通常の組成を有する焼結鉱を所定の鉱石/還元材比で装入し、かつ所要の副原料を炉頂から投入することによってスラグの物質バランスをほぼ図っているので、そのバランスを維持するには、高鉱石/還元材比操業のために変更した焼結鉱の組成と通常の焼結鉱の組成との差分、高炉で補充すればよい。
すなわち、少なくとも焼結鉱の組成変更による差分を高炉羽口からフラックスとして吹き込むことによって補償するものである。
吹き込むフラックスの量や種類は、通常の焼結鉱のスラグ組成と変更した焼結鉱のスラグ組成との差、装入された焼結鉱の量などを勘案して決めればよい。
羽口から吹きむ際は、フラックス単独で吹き込んでも良いが、微粉炭と共に吹き込んでも良い。
なお、本発明のように、高鉱石/還元材比操業を効率的に実施する場合には、炉頂からの副原料の投入は、炉内装入物の粉率を上昇させることとなり、炉芯部における通液性、通気性を阻害する観点からも好ましくない。
従って、高炉炉頂から装入する副原料も、上記のフラックスと共に吹き混むようにしても良い。
上述のように、本発明においては、通常の焼結鉱の組成を変更し、高強度、高被還元性を備えた例えば表3に示すような組成の焼結鉱となるように、鉄鉱石に、珪石、蛇紋岩等の副原料、コークスなどの還元材を配合比率を変更設定するが、焼結鉱の強度や被還元性などの品質は、特に焼結鉱のAl23のレベルにより大きく変化する。
例えば、表1に示した通常の焼結鉱Aのように、焼結鉱のAl23が1.8質量%以上の場合は、焼結鉱の強度(SI)を92%以上に維持することが困難である。これは焼結配合原料中のAl23が増加すると、焼結工程で生成されるスラグの融点が上昇して流動性が低下するためである。
このような場合は、配合原料の副原料からはいるMgOの配合量(配合比率)を削減することによって、焼結鉱の組成を高強度、高被還元性焼結鉱組成、例えば、表3の組成となるように調整し、スラグの融点を低下させ、強度を上昇させる。これと共にスラグ量も減少するので被還元性も向上させることができる。このため具体的には、焼結工程におけるMgO原料としての蛇紋岩(3MgO・2SiO2・2H2O)の配合量を削減して、高強度、高被還元性焼結鉱の組成とする。すなわち、MgOを通常より削減した焼結鉱とすることによって、焼結鉱の強度、被還元性を所要の品質(強度(SI)≧92%、被還元性(RI)≧70%)とすることができる。
一方、焼結鉱におけるMgOの削減(蛇紋岩の削減)によって、高炉下部において生成、滴下する高炉スラグは、通常の焼結鉱を装入していた場合よりもスラグの塩基度(CaO/SiO2)が上昇するため炉芯部におけるスラグの流動性が低下し、トラップされやすくなる。このため、高強度・高被還元性焼結鉱とするため通常の焼結鉱よりも削減した少なくともMgO量に相当する量の蛇紋岩を粉末のフラックスとして高炉羽口から吹き込むものである。
これにより、炉芯内のスラグの塩基度(CaO/SiO2)および融点を低下させ、高炉スラグ品質を通常のレベルに維持することができる。その結果、高炉における通気性、通液性が確保される。
また、通常の焼結鉱のAl2O3量が1.5質量%未満の場合は、焼結鉱の強度(SI)は、93%以上に十分確保できるので、高強度、高被還元性の焼結鉱の組成とするためにMgO量を削減する必要はない。しかしながら、被還元性(RI)が69%とまだ低いので、これを目標であるRI70%まで上昇させる必要がある。
このためにSiO2量を低減することによって、焼結鉱の組成を高強度、高被還元性焼結鉱組成、例えば、表3の組成となるように調整し、焼結鉱のスラグ量を低減させることが好ましい。すなわち、具体的な手段として、焼結工程の配合原料中の副原料である珪石(珪酸質原料)を削減する。
これにより、焼結鉱の被還元性(RI)は70%以上を確保することができる。
一方、高強度・高被還元性の焼結鉱とするためのSiO2量の削減(珪石の削減)によって、高炉下部において生成、滴下する高炉スラグは、通常の焼結鉱を装入していた場合よりもスラグの塩基度(CaO/SiO2)が上昇するため、炉芯部におけるスラグの流動性が低下し、トラップされやすくなる。このため、高強度・高被還元性の焼結鉱とするために、焼結工程で通常の焼結鉱よりも削減したSiO2量に相当する量の珪石を粉末のフラックスとして高炉羽口から吹き込むものである。
これにより、炉芯内のスラグの塩基度(CaO/SiO2)および融点を低下させ、高炉スラグ品質を通常のレベルに維持することができる。その結果、高炉における通気性、通液性が確保される。
また、通常の焼結鉱のAl2O3量が1.5質量%以上、1.8質量%未満の場合は、上記の上述のMgO量を低減するか、SiO2量を低減するかのいずれかの手段を、焼結鉱生産設備の能力に対する生産量、すなわち負荷状況に応じて選択する。
すなわち、一般に、焼結鉱の生産量が多く、焼結鉱の生産設備能力の上限に近く、負荷が大きい場合は、焼結時間が最小限にしか確保できないこととなるため、焼結工程におけるスラグ生成、鉱石間の結合が最小となり、焼結鉱の強度が十分に確保できないこととなる。
このような場合においては、高強度・高被還元性の焼結鉱とするため、焼結鉱の強度を上昇させるために方策を講じる。すなわち、上述の焼結鉱のAl2O3量が1.8質量%以上の場合と同様に、MgOを通常の焼結鉱より削減して高硬度・高被還元性の焼結鉱とする。すなわち、配合原料中の副原料である蛇紋岩を削減する。これにより、焼結鉱の強度、非還元性を所要の品質(強度(SI)≧92%、被還元性(RI)≧70%とすることができる。
一方、焼結工程において削減したMgO量に相当する量の副原料(蛇紋岩の配合量)をフラックスとして高炉羽口より吹き込む。これにより、高炉炉芯部における通気性、通液性を確保することができると共に、高炉スラグ品質(精錬能、及び利用性能)を確保できる。
また、焼結鉱の生産量が少なく、焼結鉱の生産設備能力に余裕がある場合は、焼結時間を十分に確保できるので、焼結工程におけるスラグ生成、鉱石間の結合が十分となり、焼結鉱の所定の強度(SI)は92%以上は確保できるので、焼結鉱のMgO量を削減する必要はない。しかしながら、被還元性(RI)は65%と低いので、これを目標であるRI70%まで上昇させために焼結鉱のスラグ量を低減する。すなわち、上述の焼結鉱のAl2O3量が1.5質量%未満の場合と同様に、焼結鉱のSiO2量を低減する。すなわち、具体的な手段として、焼結工程の配合原料中の副原料である珪石(珪酸質原料)を削減する。
これにより、焼結鉱の被還元性(RI)は70%以上を確保することができる。
一方、焼結鉱におけるSiO2量の削減(珪石の削減)によって、高炉下部において生成、滴下する高炉スラグの塩基度(CaO/SiO2)が上昇するため炉芯部におけるスラグの流動性が低下し、トラップされやすくなる。このため、高強度・高被還元性の焼結鉱とするために、焼結工程で通常の焼結鉱よりも削減したSiO2量に相当する量の珪石を粉末のフラックスとして高炉羽口から吹き込むものである。
これにより、炉芯内のスラグの塩基度(CaO/SiO2)および融点を低下させ、高炉スラグ品質を通常のレベルに維持することができる。その結果、高炉における通気性、通液性が確保される。
なお、高鉱石/還元材比操業においては、通常操業にて実施した炉頂からの副原料の装入を基本的に実施しない。何故なら通気が厳しい高鉱石/還元材比条件での副原料の炉頂装入は、さらに通気性を悪化させて操業を不安定化させるからである。
実施例1
通常使用している焼結鉱、および、高強度・高被還元性の焼結鉱の組成、性状(強度、被還元性)を表4の上段に示す。通常使用している焼結鉱のAl2O3(%)が1.8%以上であったので、配合原料における蛇紋岩の配合量を、焼結鉱トン当り22Kgから10Kgと12kg削減し焼結鉱を製造した。
Figure 2005298923
その結果、表4の下段に示すように、強度が向上していることが判る。
この焼結鉱を、高炉内容積3280m3の高炉に装入すると共に、焼結工程において削減した蛇紋岩の量、焼結鉱トンあたり12kgを、高炉への焼結鉱の装入量に対応させて、粉末のフラックスとして高炉羽口より吹き込んだ。本法実施により、高炉操業の安定性を示す風圧変動が50g/cm3から25g/cm3に大幅に減少し、コークスと微粉炭を含めた還元材比が480kg/tから470kg/tに低下した。
(実施例2)
通常使用している焼結鉱、および、高強度・高被還元性の焼結鉱の組成、性状(強度、被還元性)を表5の上段に示す。通常使用している焼結鉱のAl2O3(%)が1.5%未満であったので、強度は93.5と十分であった。被還元性をさらに上昇させるために、配合原料における珪石の配合量を、焼結鉱トン当り3Kgから0Kgと3kg削減し焼結鉱を製造した。
Figure 2005298923
その結果、表5の下段に示すように、被還元性が向上していることが判る。
この焼結鉱を、高炉内容積3280m3の高炉に装入すると共に、焼結工程において削減した珪石の量、焼結鉱トンあたり3kgを、高炉への焼結鉱の装入量に対応させて、粉末のフラックスとして高炉羽口より吹き込んだ。本法実施により、高炉操業の安定性を示す風圧変動が45g/cm3から25g/cm3に大幅に減少し、コークスと微粉炭を含めた還元材比が475kg/tから465kg/tに低下した。
(実施例3)
通常使用している焼結鉱、および、高強度・高被還元性の焼結鉱の組成、性状(強度、被還元性)を表6の上段に示す。通常使用している焼結鉱のAl2O3(%)が1.5%以上、1.8%未満で、かつ焼結鉱生産量が設備能力の上限に近かったので、原料における蛇紋岩の配合量を、焼結鉱トン当り20Kgから12Kgと8kg削減し焼結鉱を製造した。
Figure 2005298923
その結果、表6の下段に示すように、強度が向上していることが判る。
この焼結鉱を、高炉内容積3280m3の高炉に装入すると共に、焼結工程において削減した蛇紋岩の量、焼結鉱トンあたり8kgを、高炉への焼結鉱の装入量に対応させて、粉末のフラックスとして高炉羽口より吹き込んだ。本法実施により、高炉操業の安定性を示す風圧変動が55g/cm3から30g/cm3に大幅に減少し、コークスと微粉炭を含めた還元材比が485kg/tから470kg/tに低下した。
(実施例4)
通常使用している焼結鉱、および、高強度・高被還元性の焼結鉱の組成、性状(強度、被還元性)を表7の上段に示す。通常使用している焼結鉱のAl2O3(%)が1.5%以上、1.8%未満で、かつ焼結鉱生産量が設備能力上限に遠いレベルであったので、原料における珪石の配合量を、焼結鉱トン当り3Kgから0Kgと3kg削減し焼結鉱を製造した。
Figure 2005298923
その結果、表7の下段に示すように、被還元性が向上していることが判る。
この焼結鉱を、高炉内容積3280m3の高炉に装入すると共に、焼結工程において削減した珪石の量、焼結鉱トンあたり3kgを、高炉への焼結鉱の装入量に対応させて、粉末のフラックスとして高炉羽口より吹き込んだ。本法実施により、高炉操業の安定性を示す風圧変動が40g/cm3から25g/cm3に大幅に減少し、コークスと微粉炭を含めた還元材比が475kg/tから465kg/tに低下した。

Claims (7)

  1. 鉄鉱石を主体とする主原料に、SiO2、MgO、CaOを単独または複合して含む副原料および還元材を所定の配合比率で混合した配合原料を焼結した焼結鉱を所定の高鉱石/還元材比にて高炉に装入し、高炉羽口から熱風と共に微粉炭を吹き込んで銑鉄を製造する高炉の操業方法において、通常使用される焼結鉱中のAl2O3量のレベルに応じて、前記副原料の配合比率を調整して高強度かつ高被還元性の焼結鉱を製造するとともに、この調整によって生じる高強度・高被還元性の焼結鉱と通常使用される焼結鉱との副原料の配合比率の差に相当する量の副原料を、高炉羽口より吹き込むことを特徴とする高炉における高鉱石/還元材比操業方法。
  2. 前記高強度・高被還元性の焼結鉱の強度(SI)が92%以上であり、被還元性指数(RI)が70%以上であることを特徴とする請求項1に記載の高炉における高鉱石/還元材比操業方法。
  3. 前記通常使用される焼結鉱のAl2O3量が1.8質量%以上の場合は、前記副原料のMgO、SiO2の配合比率を、通常使用される焼結鉱の配合比率よりも低減するように調整することを特徴とする請求項1または2に記載の高炉における高鉱石/還元材比操業方法。
  4. 前記通常使用される焼結鉱のAl2O3量が1.5質量%未満の場合は、前記副原料のSiO2の配合比率を、前記通常使用される焼結鉱の配合比率よりも低減するように調整することを特徴とする請求項1または2に記載の高炉における高鉱石/還元材比操業方法。
  5. 前記通常使用される焼結鉱のAl2O3量が1.5質量%以上、1.8質量%未満の場合は、焼結鉱生産設備の生産能力に対する生産負荷状況に応じて、前記副原料のMgOおよびSiO2の配合比率を前記通常使用される焼結鉱の配合比率よりも低減するか、または前記副原料のSiO2の配合比率を前記通常使用される焼結鉱の配合比率よりも低減するように調整することを特徴とする請求項1または2に記載の高炉における高鉱石/還元材比操業方法。
  6. 前記副原料のMgOの配合比率を、蛇紋岩の配合比率を低減することにより調整することを特徴とする請求項3または5に記載の高炉における高鉱石/還元材比操業方法。
  7. 前記副原料のSiO2の配合比率を、珪石の配合比率を低減することにより調整することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の高炉における高鉱石/還元材比操業方法。
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