JP5369848B2 - 竪型溶解炉の操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄廃棄物等の鉄源を溶解、又は、溶解及び還元して銑鉄を製造する竪型溶解炉の操業方法に関する。
鉄鉱石及び焼結鉱を主体とする鉄源を用いて銑鉄の製造する高炉法では、炉頂から装入した鉄源が炉内を降下する間に、鉄鉱石及び焼結鉱中の酸化鉄を、羽口から吹き込む熱風中の酸素(O2)とコークス(C)との反応(C+O2→CO2、CO2+C→2CO)で生成し、炉内を上方に流れる高温還元ガス(CO)で間接還元する。
高炉法では、約60%以上の間接還元率を確保するため、送風温度を1000℃以上とし、かつ、送風速度を高めて、炉内の羽口前にレースウエイを形成し、この領域でのガス利用率:ηCO(=CO2/(CO+CO2))が0となるように、還元ガス(CO)を生成する。
一方、キュポラ法では、高炉法に比べて内容積が小さい竪型溶解炉を用い、鉄鉱石及び焼結鉱に比べて金属化率の高い、鉄屑、鋳物屑、銑鉄等を主体とする鉄源を溶解して、銑鉄を製造する。このように、キュポラ法では、還元を必要としない金属化率の高い鉄源を使用するので、炉内において、還元ガス(CO)の必要性は乏しく、鉄源を十分に溶融し得る熱量を確保する必要がある。
キュポラ法における竪型溶解炉の操業において、高炉法のように、羽口前にレースウエイを形成すると、送風中の酸素(O2)とコークス(C)の燃焼反応(C+O2→CO2)で発熱した後、CO2ガスとコークス(C)のソルーションロス反応(CO2+C→2CO)による吸熱で、炉内熱量が低下し、鉄源を十分に溶融することが困難となる。
したがって、キュポラ法で金属化率の高い鉄源を溶融する場合、竪型溶解炉の羽口から、酸素富化した冷風や、600℃以下の熱風を、羽口前にレースウェイを形成しないような、低い送風速度で、炉内に吹き込み、さらに、炉内熱量の低下を抑制するため、鋳物用コークスを固体燃料として使用する。
鋳物用コークスは、高炉用コークスに比べて粒径が大きいので、ソルーションロス反応(吸熱反応)を起こし難いコークスである。また、鋳物用コークスは、強度が高く、灰分が少ないので、炉内での粉化量、及び、スラグの発生量が少なく、炉内通気性の維持に寄与するコークスである。それ故、キュポラ法における竪型溶解炉の操業においては、主に、鋳物用コークスが使用されている。
しかし、鋳物用コークスは、高炉用コークスに比べて高価であり、銑鉄の製造コストを上昇させる原因となるので、キュポラ法における竪型溶解炉の操業においては、高炉用コークスを多く用いて、銑鉄の製造コストを下げることが強く望まれている。
また、近年、キュポラ法における竪型溶解炉の操業において、鉄源として、製鉄プロセスで発生する製鉄ダストを多量に使用する傾向にあるが、製鉄ダストは、酸化鉄を多く含有し、銑鉄屑に比べ金属化率が低いので、竪型溶解炉には、鉄源を溶解する溶解機能に加え、鉄源中の酸化鉄を還元する還元機能が求められるようになってきた。
このような背景の下で、近年、鉄源として、焼結プロセスで発生する鉄屑、鋳物屑、銑鉄等の還元を必要としない鉄源(金属化率の高い鉄源)の他に、ダスト塊成鉱、自己還元性鉱塊(炭材含有率の高い塊成鉱)などの鉄源(金属化率が低く、還元が必要な鉄源)を用いる竪型溶解炉の操業方法が、いくつか提案されている(特許文献1〜3、参照)。
上記提案の操業方法においては、還元機能を確保するため、鋳物用コークスに比べて粒径が小さい小径コークスを、鉄源と混合して炉内に装入し、また、ベッドコークスとして使用する。ベッドコークスは、溶銑への浸炭機能をも有していて、消耗するので、溶銑中のC量を所望のレベルに維持するため、所要のベッド高さが必要である。
しかし、小径コークスとして、高炉用コークスを用いると、浸炭と同時に、高炉用コークス中のSが溶銑に侵入し、S濃度が上昇する。高炉用コークスは、鋳物用コークスに比べてSを比較的多く含有しているので、浸炭に伴うSの溶銑への侵入は、溶銑の品質を下げることとなる。
また、鉄源として、製鉄所で発生する鉄屑等の低炭素の鉄廃棄物を用いると、溶銑中のC量は、所望のレベルに達しない。C量の不足分は、コークスベッドから浸炭で補うことができるが、コークスベッドを高炉用コークスで構築すれば、浸炭とともに、高炉用コークス中のSが溶銑へ侵入し、溶銑中のS量が上昇する。
即ち、キュポラ法における竪型溶解炉の操業において、高炉用コークスを、固体燃料用及び/又はコークスベッド用として用いる場合、溶銑中のS量の増加という品質上の課題を抱えることになる。
しかし、高炉用コークスは安価であり、鉄廃棄物等の鉄源を原料として、低価格の銑鉄を製造する場合、高炉用コークスの使用は不可欠である。したがって、キュポラ法における竪型溶解炉の操業において、鋳物用コークスに替えて高炉用コークスを用いても、高品質(高C量、低S量)の銑鉄を、安定的に製造することが求められている。
特表平01−501401号公報 特開平10−036906号公報 特開平09−203584号公報
本発明者らは、上記要望に鑑み、低炭素鉄廃棄物を含む鉄源を溶解、又は、溶解及び還元して銑鉄を製造する竪型溶解炉の操業において、高炉用コークスを用いて、高品質(高C量、低S量)の銑鉄を、安定的に製造することを課題とする。そして、上記課題を解決する竪型溶解炉の操業方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、高炉用コークスを用いて、高品質(高C量、低S量)の銑鉄を、安定的に製造することができる竪型溶解炉の操業方法について鋭意検討した。
その結果、(X)コークスベッドの高さを、標準高さより高くして、低C量の溶銑に、充分なCを補給し、かつ、(Y)スラグ塩基度(%CaO)/(%SiO2)を、所要の範囲に維持し、炉内脱硫を促進すると、高品質(高C量、低S量)の銑鉄を、安定的に製造することができることが判明した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)高炉用コークスを配合した固体燃料を用い、炭素含有量0.25質量%以下の鉄屑を含む鉄源を溶解、又は、溶解及び還元して銑鉄を製造する竪型溶解炉の操業方法において、
(x)コークスベッドの高さH(mm)を、下記式(1)の範囲に維持し、かつ、
(y)CaO含有副原料の装入により、スラグ塩基度(%CaO)/(%SiO2)を、下記式(2)の範囲に維持し、
(z)高C・低Sの高品質銑鉄を製造する
ことを特徴とする竪型溶解炉の操業方法。
1.10・h≦H(mm)≦1.20・h ・・・(1)
h:コークスベッドの標準高さで1000〜1300(mm)、
1.00≦(%CaO)/(%SiO2)≦1.20 ・・・(2)
(%CaO):スラグ中のCaO量(質量%)、
(%SiO2):スラグ中のSiO2量(質量%)
(2)前記固体燃料が、高炉用コークスを70〜100質量%配合した固体燃料であることを特徴とする上記(1)に記載の竪型溶解炉の操業方法。
(3)前記コークスベッドを、高炉用コークスで構築することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の竪型溶解炉の操業方法。
(4)前記コークスベッドを、高炉用コークスと鋳物用コークスで構築することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の竪型溶解炉の操業方法。
)前記CaO含有副原料として、石灰石、蛇紋岩、ドロマイト、及び、転炉スラグの1種又は2種以上を装入し、スラグ塩基度(%CaO)/(%SiO2)を、上記式(2)の範囲に維持することを特徴とする上記(1)〜()のいずれかに記載の竪型溶解炉の操業方法。
)前記高C・低Sの高品質銑鉄のC量が、4.0〜4.8質量%であることを特徴とする上記(1)〜()のいずれかに記載の竪型溶解炉の操業方法。
)前記高C・低Sの高品質銑鉄のS量が、0.3〜0.7質量%であることを特徴とする上記(1)〜()のいずれかに記載の竪型溶解炉の操業方法。
本発明によれば、低炭素鉄廃棄物を含む鉄源を溶解、又は、溶解及び還元して銑鉄を製造する竪型溶解炉の操業において、高炉用コークスを用いて、高品質(高C量、低S量)の銑鉄を、安定的に製造することができる。
本発明を実施する竪型溶解炉の一態様を示す図である。 本発明を実施する竪型溶解炉の炉底部におけるコークスベッドの態様を示す図である。
本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1に、本発明を実施する竪型溶解炉の一態様を示す。
竪型溶解炉1は、基本的に、炉本体2の下部に設けた羽口6と、炉本体2の上部に設けたガス吸引部4、及び、このガス吸引部4内に貫通して設けた炉頂部3とで構成されている。
羽口6は、基本的には、上段羽口6a及び下段羽口6bが、炉の高さ方向で、2段に設けられている。上段羽口6aは、炉下部に構築されたコークスベッド8の表面直上の高さ位置に設けられ、下段羽口6bは、コークスベッド8内の高さ位置に設けられている。
羽口径は、羽口先でレースウエイを作らないように、高炉に比べて、送風速度が遅くなるように設定される。なお、本発明の実施は、2段羽口の竪型溶解炉に限られるものではなく、送風条件により、1段羽口の竪型溶解炉でも可能である。
上段羽口6aと下段羽口6bから送風するときは、下段羽口6bから、室温又は600℃以下の空気を吹き込んで、主として、コークスを燃焼させ、上段羽口6aから室温の空気を吹き込んで、燃焼ガス(CO2)の一部とコークス(C)のソルーションロス反応(吸熱反応)で生成したCOガスを燃焼させて、ソルーションロス反応で生じた溶融熱量の低下を補償する。
なお、1段の羽口から送風する場合は、羽口を、下段羽口6bと同じ高さ位置に設け、コークスの燃焼を促進し、鉄源の溶融熱量を高めるために、下段羽口6bから吹き込む室温又は600℃以下の空気中に酸素を富化し、酸素濃度を高めることが必要となる。
一方、図1に示す2段の羽口から送風する場合は、上段羽口6aからの送風により、熱量を補償できるので、下段羽口6bから吹き込む室温又は600℃以下の空気に酸素を富化することは、必ずしも必要でない。
低炭素鉄廃棄物と固体燃料を含む原燃料10は、それぞれの原料ホッパーから切り出され、それぞれ、秤量器で秤量された後、装入装置のバケット7内に収容される。低炭素鉄廃棄物と固体燃料を含む原燃料10は、バケット7を介して、竪型溶解炉1の炉頂部3から、竪型溶解炉1の下部に構築したコークスベッド8上に、低炭素鉄廃棄物を含む鉄源と固体燃料が層状又は混合の状態で堆積するように装入される。
コークスベッド8は、高炉用コークスで構築することができる。また、鉄源とともに炉内に装入する固体燃料として、高炉用コークスを使用することができる。
原燃料10の炉内堆積高さ(ストックレベル)は、炉頂部3内の上部の高さ位置に調整され、炉頂部3内のガス吸引部4から上方の炉内を、原燃料10を充填した状態とすることで、炉頂最上部(開口部)を封止している(これを、マテリアルシールという)。
なお、当然のことながら、操業中、原燃料10の溶融による原燃料の降下に伴い、原燃料10のストックレベルは低下する。このため、炉頂部3を封止しながら、安定した原燃料の溶解、又は、溶解及び還元を行うために、炉頂部3の内側にレベル計(図示なし)を取り付けて、原燃料10のストックレベルを計測し、ストックレベルを所定レベルに維持するように、原燃料10の装入タイミングを制御する。
竪型溶解炉1の炉頂部から装入された原燃料10中の鉄源は、炉内を降下する間に、羽口6から吹き込む空気中の酸素とコークス(C)の反応熱により溶解されるとともに、鉄源中に一部含まれている酸化鉄は、還元ガス(CO)、固体炭素(C)、及び、溶銑中炭素([C])で還元される。溶解及び還元で生成した溶銑は、コークスベッド8を降下して、炉底部に貯留する。
炉底部の炉底底盤上面には、炉外に設けた貯銑滓部12と連通する連結管11が設けられていて、炉内の炉底部に溜まった溶銑滓が、連結管11を通って貯銑滓部12に流れ出る。溶銑滓は、上層部の溶滓(スラグ)と下層部の溶銑に分離し、分離後、下層部の溶銑は、出銑口9から取り出される。
なお、鉄源の溶解及び一部還元が行われる溶融還元領域は、主として、コークスベッド8の表面から、上方、約1〜2.5mの範囲(体積にして、バケット7内に収容された原燃料の約1〜2.5チャージに相当)に形成される。
本発明においては、固体燃料として、高炉用コークスを70〜100質量%配合した固体燃料を用いる。高炉用コークスは、鋳物用コークスに比べて安価であり、製鉄プロセスで製造されるので、所定の量を、安定的に入手することが可能である。
高炉用コークスを70質量%以上配合した固体燃料を用いると、銑鉄コストを大幅に引き下げることができるので、高炉用コークスの配合率は、70質量%以上が好ましい。
高炉用コークスは、通常の鋳物用コークスに比べて、粒度が小さく、灰分が多く、強度が低い。通常、鋳物用コークスは、最大粒径が300mm以下、平均粒径が80mm以上で、灰分が9質量%以下である。本発明では、最大粒径が72mm以下、平均粒径が60mm以下で、灰分が9質量%超の高炉用コークスを使用することが好ましい。
本発明において、溶解、又は、溶解及び還元の対象とする鉄源は、低炭素鉄廃棄物を含む鉄源である。
鉄源としては、金属化率が、例えば、95%以上で、溶解のみが必要(還元が不要)な鉄屑、銑鉄、鋳物屑、ホットブリケット鉄(MBI)、直接還元鉄(DRI)があり、また、金属化率が95%未満で、還元が必要なダスト塊成鉱、自己還元性鉱塊(炭材含有率の高い塊成鉱)があり、これらを適宜配合して用いることができるが、本発明は、鉄源中のC量が少ない場合に、顕著な効果を発現する。
通常、鉄源中のC量が少ないと、溶解、又は、溶解及び還元で生成する溶銑中のC量も低減し、溶銑の溶融温度が上昇する。溶銑の溶融温度の上昇は、竪型溶解炉に対する熱的負荷を増大することになるので、溶銑中のC量が少ない場合、コークスベッドにて、不足分のCを補給することになる。
コークスベッドは、溶銑にCを補給することで消耗するので、本発明では、コークスベッドの高さを高くして、コークスベッドの体積を増大する。図2に、コークスベッドの態様を示す。図に示すように、本発明においては、コークスベッドの高さHを、標準的なコークスベッドの高さhよりも高くして、コークスベッドの体積を増大する。
本発明者らは、鉄源中のC量と、コークスベッドの消耗率との関係について調査した。コークスベッドの消耗率は、コークスベッドの高さH(mm)を推定し、その低下割合から算出した。
その結果、コークスベッドの高さH(mm)を、下記式(1)の範囲に維持する必要があることが判明した。この点が、本発明の第一の特徴である。
1.10・h≦H(mm)≦1.20・h ・・・(1)
h:コークスベッドの標準高さ(mm)
コークスベッドの標準高さh(mm)は、炭素含有スクラップを30〜50%配合した鉄源を用いるキュポラ法による竪型溶解炉の標準的な操業を行う時のコークスベッドの高さである。hは、通常、1000〜1300mmであるが、本発明を実施する場合、1200〜1500mmが好ましい。
操業時のコークスベッドの高さH(mm)が、1.10・h未満であると、コークスベッドから溶銑へのCの補給量が不足し、溶銑品質が低下するので、H(mm)の下限を、1.10・hとする。
操業時のコークスベッドの高さH(mm)が、1.20・h超であると、ソリューションロス反応(CO2+C→2CO)の吸熱反応が顕著となり、コークス比の増加及び炉内の熱不足を招くので、H(mm)の上限を、1.20・hとする。H(mm)の好ましい範囲は、1.13・h以上1.17・h以下である。
しかし、高炉用コークスは、鋳物用コークスに比べて灰分が高く、灰分を9質量%超含有しているため、灰分中のSが、コークスベッドで溶銑に浸入し、溶銑中のS量が増加する。Sは、銑鉄の材質に悪影響を及ぼすので、できるだけ低減することが好ましい。
本発明者らは、溶銑中のS量を、スラグ塩基度(%CaO)/(%SiO2)を調整することにより低減することとして、溶銑中のS量と、スラグ塩基度の関係を調査した。なお、スラグ塩基度は、石灰石又は珪石を、鉄源とともに炉内に装入して調整した。
その結果、スラグ塩基度(%CaO)/(%SiO2)を、下記式(2)の範囲に維持し、炉内脱硫を促進すると、溶銑中のS量を抑制できることが判明した。この点が、本発明の第二の特徴である。
1.00≦(%CaO)/(%SiO2)≦1.20 ・・・(2)
(%CaO):スラグ中のCaO量(質量%)、
(%SiO2):スラグ中のSiO2量(質量%)
キュポラ法における竪型溶解炉の標準的な操業では、高炉用コークスに比べて灰分が少ない鋳物用コークスを主体とする固体燃料を用いるため、スラグ塩基度(%CaO)/(%SiO2)が1.00未満となる条件で操業する。
本発明では、高炉用コークスが70〜100質量%を含有する固体燃料を用いるため、スラグ塩基度が1.00未満であると、溶銑中へのSの侵入を抑制するのが難しいので、スラグ塩基度の下限を1.00とする。
一方、スラグ塩基度が1.20超であると、S抑制効果が飽和するとともに、石灰石、生石灰などのCaO含有副原料を多く用い、製造コストの上昇を招くので、スラグ塩基度の上限を1.20とする。スラグ塩基度の好ましい範囲は、1.05〜1.15である。
なお、スラグ塩基度を上記式(2)の(%CaO)/(%SiO2)の範囲内に維持するために、低炭素鉄廃棄物を含む鉄源とともに、CaO含有副原料を装入する。CaO含有副原料としては、石灰石、蛇紋岩、ドロマイト、及び、転炉スラグの1種又は2種以上を用いる。
そして、上記式(1)及び(2)を満たす条件の下で竪型溶解炉を操業すれば、低炭素鉄廃棄物を含む鉄源を、溶解、又は、溶解及び還元して、高C・低Sの高品質銑鉄を製造することができる。
高C・低Sの高品質銑鉄のC量は、4.0〜4.8質量%が好ましく、S量は、0.3〜0.7質量%が好ましい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例の条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例)
表1に示す配合割合の原燃料を、図1に示す竪型溶解炉に装入し、表2に示す操業条件で、溶解、及び、溶解及び還元を行った。製造した銑鉄のC量とS量を測定した。その結果を、表2に併せて示す。
Figure 0005369848
Figure 0005369848
本発明の式(1)及び式(2)を満たす条件で操業して製造した銑鉄は、他の条件で操業して製造した銑鉄に比べ、C量が多く、S量が少ないものであることが解る。
なお、溶銑量は、鉄源量から下記の計算式で計算することができる。
鉄源1t当りの溶銑の生成量(kg/t)
=1(t)×Σ(各鉄源の配合割合×各鉄源中の[T.Fe%])/(溶銑中の[T.Fe%])
溶銑中の[T.Fe%]:溶銑中の[C%]、[S%]の残分から計算される値。
前述したように、本発明によれば、低炭素鉄廃棄物を含む鉄源を、溶解、又は、溶解及び還元して銑鉄を製造する竪型溶解炉の操業において、高炉用コークスを用いて、高品質(高C量、低S量)の銑鉄を、安定的に製造することができる。したがって、本発明は、鉄鋼産業において利用可能性が大きいものである。
1 竪型溶解炉
2 炉本体
3 炉頂部
4 ガス吸引部
5 ガス吸引口
6a 上段羽口
6b 下段羽口
7 バケット
8 コークスベッド
9 出銑口
10 原燃料(鉄源、固体燃料)
11 連通管
12 貯銑滓部

Claims (7)

  1. 高炉用コークスを配合した固体燃料を用い、炭素含有量0.25質量%以下の鉄屑を含む鉄源を溶解、又は、溶解及び還元して銑鉄を製造する竪型溶解炉の操業方法において、
    (x)コークスベッドの高さH(mm)を、下記式(1)の範囲に維持し、かつ、
    (y)CaO含有副原料の装入により、スラグ塩基度(%CaO)/(%SiO2)を、下記式(2)の範囲に維持し、
    (z)高C・低Sの高品質銑鉄を製造する
    ことを特徴とする竪型溶解炉の操業方法。
    1.10・h≦H(mm)≦1.20・h ・・・(1)
    h:コークスベッドの標準高さで1000〜1300(mm)
    1.00≦(%CaO)/(%SiO2)≦1.20 ・・・(2)
    (%CaO):スラグ中のCaO量(質量%)、
    (%SiO2):スラグ中のSiO2量(質量%)
  2. 前記固体燃料が、高炉用コークスを70〜100質量%配合した固体燃料であることを特徴とする請求項1に記載の竪型溶解炉の操業方法。
  3. 前記コークスベッドを、高炉用コークスで構築することを特徴とする請求項1又は2に記載の竪型溶解炉の操業方法。
  4. 前記コークスベッドを、高炉用コークスと鋳物用コークスで構築することを特徴とする請求項1又は2に記載の竪型溶解炉の操業方法。
  5. 前記CaO含有副原料として、石灰石、蛇紋岩、ドロマイト、及び、転炉スラグの1種又は2種以上を装入し、スラグ塩基度(%CaO)/(%SiO2)を、上記式(2)の範囲に維持することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の竪型溶解炉の操業方法。
  6. 前記高C・低Sの高品質銑鉄のC量が、4.0〜4.8質量%であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の竪型溶解炉の操業方法。
  7. 前記高C・低Sの高品質銑鉄のS量が、0.3〜0.7質量%であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の竪型溶解炉の操業方法。
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