JPH10300918A - カラーフィルタの製造方法及びカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタの製造方法及びカラーフィルタ

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JPH10300918A
JPH10300918A JP10637497A JP10637497A JPH10300918A JP H10300918 A JPH10300918 A JP H10300918A JP 10637497 A JP10637497 A JP 10637497A JP 10637497 A JP10637497 A JP 10637497A JP H10300918 A JPH10300918 A JP H10300918A
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JP
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colorant
nozzles
color
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JP10637497A
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English (en)
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Yasushi Nonaka
寧 野中
Naohiko Ishimaru
直彦 石丸
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェットヘッドのノズルの差により生じ
る列方向の帯状の色ムラを抑制する。 【解決手段】インクジェットヘッド9を走査して奇数行
21、23、…のみ1行飛ばしで着色剤を吐出し、次い
でインクジェットヘッド9を横方向にずらして、同じ列
が異なるノズルから着色剤の吐出を受けるようにして偶
数行22、24、…のみ1行飛ばしで着色剤を吐出し
て、カラーフィルタを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット法
によるカラーフィルタの製造方法及びカラーフィルタに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータの発達に
伴いカラー液晶表示装置の需要が増加する傾向にある。
さらなる需要喚起のためにはカラー液晶表示装置のコス
トダウンが重要であり、特にカラーフィルタは液晶表示
装置のカラー表示を可能とするために必要な部材であり
ながらも比較的コスト比重が高いため、カラーフィルタ
の生産性の向上に対する要求が高くなっている。
【0003】ここで用いられるカラーフィルタは、一般
的にはガラス等の透明基材上に加法混色の三原色である
赤、青、緑の着色層が長方形等の特定形状で画素を形成
し、その三原色の画素を一組とした画像単位を画像表示
に必要な数量及び形態で配置したものである。
【0004】従来より、このカラーフィルタ用の着色層
を形成するための方法として、電着法、染色法、顔料分
散法等の様々な手法が用いられてきた。しかしこれらの
方法では、着色層の形成のために材料利用効率の低いス
ピンコート工程、面倒なフォトリソグラフィ工程が必要
になることや、複雑なラインや大型の装置が必要になる
こと、工程数が多いことなどで、生産性が悪いという問
題点があった。
【0005】このカラーフィルタの生産性を向上させる
ために、原材料利用効率が低いスピンコート工程を、原
材料利用効率の高いインクジェット方式で透明基材上に
直接カラーパターンを形成する工程に置き換えたカラー
フィルタの製造方法(特開昭59−75205)が提案
されている。
【0006】このインクジェット方式で着色層を形成す
るには、あらかじめ遮光膜により画素の周辺に枠を形成
しておき、この画素の枠内にインクジェット方式で着色
剤の液滴を吐出する。この際に透明基材とインクジェッ
トノズルとを相対的に移動させて、所定の画素の枠内に
着色剤の液滴を供給する。これにより、所定のカラーフ
ィルタパターンが形成できる。
【0007】このとき、遮光膜に対する着色剤の着弾位
置を厳密に調整し、遮光膜により形づくられる画素に対
応する光透過開口部にのみ順次着色させていくが、着弾
位置の調整には特開平8−86913記載のような方法
が用いられる。
【0008】インクジェット方式の採用により、着色剤
を必要とする部分のみに直接着色層であるカラーパター
ンを形成できる。これにより、着色剤の利用効率が高く
なり、さらに面倒な着色層のフォトリソグラフィ工程も
不要となり、カラーフィルタの生産性が向上する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】カラーフィルタは、表
示領域全域にわたって均一に色表示をする性能が求めら
れる。すなわち、着色層の膜厚が均一であることが求め
られる。そのため、インクジェット方式で吐出ノズルを
使用してカラーフィルタを製造する際には、その吐出量
が一定で安定して均一膜厚に塗工されることに最も注意
が払われている。
【0010】しかし、そのような従来提案されてきたイ
ンクジェット方式によるカラーフィルタの製造方法で
は、1画面内の各画素の着色を1度に連続的に、又は隣
り合う画素ごとに順次に行っている。このため、ノズル
間での着色剤吐出量の差やインクの吐出の不可避的な誤
差や画素形状の微妙な差が色ムラとして目立ち、カラー
フィルタとしての品位が損なわれる問題があった。
【0011】このような問題を解決する方法として、1
0画素分以上の間隔を隔てた枠の一画素ごとにランダム
に着色剤を被覆していく方法(特開平8−24083)
も提案されている。しかし、全部を1ノズルで生産する
のであれば、生産性がきわめて悪くなる。また、複数ノ
ズルのインクジェットヘッドを用いるのであれば、これ
は1列又は1行を同一のノズルで生産するので、ノズル
間の吐出量差は補正できない難点があった。
【0012】そこで、着色画素の形状差がおこりにく
く、微妙な着色層の厚み変化が生じても表示領域全面に
わたって均一な色表示のできるカラーフィルタを効率良
く製造する方法が望まれていた。本発明は、これらの問
題点を解決する新規なカラーフィルタの製造方法の提供
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、着色剤を吐出
する複数のノズルを有するインクジェットヘッドを用い
て、インクジェットヘッドと基板とを相対的に走査して
カラーフィルタを形成するカラーフィルタの製造方法に
おいて、行及び列の両方向における一連の同色の画素群
が、夫々単一のノズルのみから吐出された着色層になら
ないように、複数のノズルから着色剤を吐出して形成さ
れるようにしたことを特徴とするカラーフィルタの製造
方法を提供する。
【0014】また、ほぼ行方向に整列した複数のノズル
を有するインクジェットヘッドが、列方向に走査され、
1〜10画素分着色剤を吐出させた後、1画素以上の画
素を飛ばして次の画素を1〜10画素分着色剤を吐出さ
せ、これを繰り返してノズルの整列方向以外の方向に同
一ノズルより着色剤を吐出着弾させ、その後飛ばした画
素をインクジェットヘッドの異なるノズルから着色剤を
吐出させて着色することを特徴とする前記カラーフィル
タの製造方法を提供する。また、上記製造方法により製
造された液晶表示用カラーフィルタを提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明では、インクジェットヘッ
ドを用いて、遮光膜に囲まれた各画素領域に対応した色
の着色剤を1画素ごとに吐出させて、着色層を形成して
カラーフィルタを製造する。この際に、行及び列の両方
向における一連の同色の画素群が、夫々単一のノズルの
みから吐出された着色層にならないように、複数のノズ
ルから着色剤を吐出して形成される。
【0016】本発明では、ある画素からみて、同一の行
又は列に並んでいる同色の画素が少なくとも2個のノズ
ルから着色剤を吐出して着色層を形成されている。複数
のノズルを有するインクジェットヘッドを用いているの
で、たとえばノズルが行方向に並んでいる場合には、行
方向では配置されたノズルの数だけ異なるノズルから吐
出されるので、上記の条件を満足する。
【0017】一方、もう1つの方向である列方向には、
インクジェットヘッドが走査されて着色剤が吐出され
る。本発明では特定のノズルで吐出する際に、一部で画
素を飛ばして走査し、次いでインクジェットヘッドの位
置をずらして前の特定のノズルとは異なるノズルから着
色剤を吐出させて走査を行う。これにより、少なくとも
2個のノズルからの吐出による着色層が同一の列に形成
される。
【0018】このようにして、行と列との両方の方向に
おいて、一連の同色の画素群が、夫々単一のノズルのみ
から吐出された着色層にならないように、複数のノズル
から着色剤を吐出して形成される。
【0019】図1は、本発明の製造方法における吐出ノ
ズルを示す平面図である。図2はこれを2工程に分けて
各工程における吐出状況を示す平面図である。図2
(A)は第1工程を示し、図2(B)は第2工程を示
す。
【0020】図1、図2において、1〜8はインクジェ
ットヘッド9に設けられたノズルを示す。10は画素を
示し、11Aは1A列、11Bは1B列、11Cは1C
列、………18Bは8B列を示し、21は1行、22は
2行、23は3行、24は4行を示す。各画素内の数字
は、着色剤を吐出するノズルの番号を示す。
【0021】列のABCは、3色の赤緑青(RGB)の
組を表している。たとえば、図1の例では、各色の画素
はストライプ状に配置されているので、3列毎に1直線
状に同一画素が配置されている。わかりやすくするため
に、各B列について同一の特定の色、たとえば緑色が配
置されているとして説明する。
【0022】図1のインクジェットヘッド9は8個のノ
ズルを有しており、そのノズルは行方向に配列されてい
る。このため、行方向には同時に8個の画素毎に着色剤
が吐出される。列方向にはこのインクジェットヘッドが
走査されて、1個置きに順次着色剤が吐出される。行方
向には、1列走査が終わるごとにインクジェットヘッド
が移動される。
【0023】このため、この例では行方向には8個のノ
ズルから吐出された着色剤で着色層が形成され、列方向
では2個のノズルから吐出された着色剤で着色層が形成
されていることになる。
【0024】図2を参照しながらさらに詳しく説明す
る。図2(A)は第1工程を示し、まず1行目では、ノ
ズル1は1B列11Bを、ノズル2は2B列12Bを、
ノズル3は3B列13Bを、ノズル4は4B列14B
を、ノズル5は5B列15Bを、ノズル6は6B列16
Bを、ノズル7は7B列17Bを、ノズル8は8B列1
8Bを描画する。
【0025】次いで2行目を飛び越し、3行目を再度1
行目と同じノズルから着色剤を吐出して描画する。これ
を1行置きに繰り返して最後の列まで走査する。これで
第1工程を終える。
【0026】その後、インクジェットヘッド9は右側に
4ノズル分ずらされる。この際にインクジェットヘッド
は上側(2行目側)に戻ってもよく、下側(最下行)に
いてもよい。ここでは2行目に戻って、再度下に向かっ
て走査するという例について説明する。
【0027】2行目では、ノズル1は5B列15Bを、
ノズル2は6B列16Bを、ノズル3は7B列17B
を、ノズル4は8B列18Bを描画する。この図からは
み出しているため表示されていないが、ノズル5は9B
列を、ノズル6は10B列を、ノズル7は11B列を、
ノズル8は12B列を描画する。これも1行置きに着色
剤を吐出させて順次走査を行う。
【0028】この際、最初の4列分については、図2の
第2工程に示したように着色剤が吐出されないが、これ
は後でノズル5、6、7、8を用いて吐出し着色層を形
成することにより、図1に示したように着色層が形成さ
れる。この飛び越し走査は、上記の例に限られず、種々
の方法がある。
【0029】本発明でカラーフィルタを形成する基板
は、ガラス、プラスチック等の透明基材が用いられる。
必要に応じて、ガス透過防止被膜、アルカリ溶出防止被
膜、接着性向上被膜等を表面処理で形成してあってもよ
い。
【0030】着色剤を吐出描画する画素位置の制御は、
遮光膜に囲まれた各画素領域を有する基板と相対位置が
可変なインクジェットノズルで形成される装置を用い
て、どちらか一方をX軸方向に他方をY軸方向に移動さ
せるか、又はヘッドもしくは基板を固定し、基板もしく
はヘッドをX−Y軸方向に移動させて行う。
【0031】このような装置を用いて、遮光膜に囲まれ
た領域に所定量の着色剤を吐出させカラーパターンを形
成する。本発明では、行及び列の両方向における一連の
同色の画素群が、夫々単一のノズルのみから吐出された
着色層にならないように、複数のノズルから着色剤を吐
出して形成する。ここでいう複数のノズルとは、1列に
2個のノズルが並んでいるよいう意味ではなく、他の列
を描画するノズルでその列も描画するという意味であ
る。
【0032】基本的には、前記したようにN個のノズル
(N≧2)を有するインクジェットヘッドを用いてN列
を同時に描画する装置の場合、行方向は必ずN個のノズ
ルで描画される。従来はそのまま列方向を描画していく
ので、各列は1個のノズルで描画されることになる。
【0033】本発明では、これを1〜10行は連続描画
しても、その後には他のノズルから描画された画素が来
るようにされる。最低2個のノズルで列方向も描画され
る。どの画素がどのノズルで描画されるかという描画方
法は前記した図1の方法に限られず、種々の方法があ
る。その代表的な方法を以下に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1は他の例の画素ごとの描画ノズルを示
す表であり、図1と同様に各色の画素はストライプ状に
配置されているので、3列毎に1直線状に同一画素が配
置されている。この場合にも、わかりやすくするため
に、各B列について同一の特定の色、たとえば緑色が配
置されているとして説明する。
【0036】この例では、列方向への走査は1行吐出
後、3行飛ばして次は5行目を同じノズルで描画する。
2行目はインクジェットヘッドを2ノズル分右側に移動
して着色剤の吐出を行い、以下4行置きに吐出を行う。
次に3行目はさらにをインクジェットヘッドを2ノズル
分右側に移動して着色剤の吐出を行い、以下4行置きに
吐出を行う。次に4行目はさらにインクジェットヘッド
を2ノズル分右側に移動して着色剤の吐出を行い、以下
4行置きに吐出を行う。
【0037】このため、この例では各行は8個のノズル
から、また、各列は4個のノズルから着色剤が吐出させ
られたこととなる。この例では、インクジェットヘッド
をノズル2個分ずつずらして4個のノズルで1列を描画
しているが、最低2個、最大インクジェットヘッドのノ
ズル数までの間の個数で1列を描くようにすればよい。
また、1行毎にずらすノズル数も1個以上とすればよ
い。
【0038】このため、20ノズル程度のインクジェッ
トヘッドを用いた場合には、1列で2〜20個のノズル
で描画するようにすればよい。この場合、表1の例のよ
うに、同じ方向に同じ数だけずらして行ってもよく、た
とえば表2の2行と3行とを入れ替えたようにずらす量
や方向が変わってもよい。
【0039】
【表2】
【0040】表2はさらに他の例の画素毎の描画ノズル
を示す表であり、図1と同様に各色の画素はストライプ
状に配置されているので、3列毎に1直線状に同一画素
が配置されている。この場合にも、わかりやすくするた
めに、各B列について同一の特定の色、たとえば緑色が
配置されているとして説明する。
【0041】この例では、列方向への走査は2行分吐出
後、2行飛ばして次は5行及び6行目を同じノズルで描
画する。3行及び4行目はインクジェットヘッドを1ノ
ズル分右側に移動して着色剤の吐出を行い、以下2行吐
出、2行飛ばしというように吐出を行う。
【0042】この複数行の連続吐出を行う場合には、最
大10行以下とすることが好ましい。1行吐出後には、
最低1行飛ばすことが最もムラが見えにくくなるが、1
0行以下であれば、見た目にはそれほど目立たない。ま
た、列を描画するノズルが1→2→3→4→4→3→2
→1→1→2というように一部のみ複数行連続、他は1
行ずつというようにしてもよい。
【0043】
【表3】
【0044】表3はさらに他の例の画素毎の描画ノズル
を示す表であり、図1と同様に各色の画素はストライプ
状に配置されているので、3列毎に1直線状に同一画素
が配置されている。この場合にも、わかりやすくするた
めに、各B列について同一の特定の色、たとえば緑色が
配置されているとして説明する。
【0045】この例では、列方向への走査は1行置きに
行われている。奇数行に対して偶数行はインクジェット
ヘッドを反転してノズル8が1列目に、ノズル1が8列
目に来るようにした。具体的には、奇数行を定位置で着
色剤の吐出を行い、インクジェットヘッドを反転して偶
数行の着色剤の吐出を行う。これにより、各列は2個の
ノズルで描画されることになる。
【0046】表3のインクジェットヘッドの反転操作
に、前記した表1のインクジェットヘッドの横方向への
ずらし、表2のインクジェットヘッドの複数行の連続吐
出のような操作を組合せてもよい。
【0047】
【表4】
【0048】表4はさらに他の例の画素毎の描画ノズル
を示す表であり、図1とは異なり各色の画素は行ごとに
位置がずらして配置されている。たとえば、緑の画素が
1行目では各列のBの位置に、2行目では各列のCの位
置に、3行目では各列のAの位置に配置され、3行毎に
その配置が繰り返されている。
【0049】この例では、1B列目で見ると、列方向へ
の走査は1行目で1番目のノズルで1行分描画後、5行
分を飛ばし、7行目で1行分描画後、5行分を飛ばすと
いうように操作される。次いで、4行目をノズルの位置
をずらして3番目のノズルで描画し、同様に5行を飛ば
し、次は10行目を描画する。
【0050】その後、1C列を1行描画、5行飛ばし
で、1番目と3番目のノズルで描画し、1A列を同様に
1行描画、5行飛ばしで、1番目と3番目のノズルで描
画する。これにより、1列目は全て2個のノズルで描画
され、行方向は8個のノズルで描画されることになる。
【0051】この例では、1列に1個のノズルを用いて
描画した例であるが、1列を3個のノズルで、すなわち
1列のABC個々にノズルを設けたインクジェットヘッ
ドで着色材を吐出して描画するようにしてもよい。
【0052】表4のような配置のカラーフィルタに、前
記した表1のインクジェットヘッドの横方向へのずら
し、表2のインクジェットヘッドの複数行の連続吐出、
表3のインクジェットヘッドの反転操作のような操作を
組合せてもよい。
【0053】本発明で用いられる着色剤には、吐出可能
な種々の着色剤が用いられる。この着色剤は、顔料又は
染料に、固着用の樹脂、溶剤、体質顔料等を混入したも
のが使用でき、用いるインクジェットヘッドや基板に適
した組成にする。発色のために用いる顔料又は染料とし
ては、耐久性からみて顔料を用いたものが好ましい。こ
の着色剤は、必要に応じて光硬化性、熱硬化性を付与し
たものも使用できる。
【0054】着色剤に顔料を用いる場合には、着色剤の
隣接画素への流出抑制のために、遮光膜による枠を設け
これに堰の役目をもたすことが好ましい。一方、着色剤
に染料を用いる場合には、基材上に吐出した着色剤の染
料を吸着するための多孔質シリカや多孔質アルミナ等の
被染色層を設けることが好ましい。
【0055】本発明では、基本的には液滴で吐出するイ
ンクジェット方式で用いるが、連続吐出するものも使用
できる。また、このインクジェットヘッドは、ピエゾ圧
電方式のものが好適であるが、熱により吐出するサーマ
ル方式でも使用できる。
【0056】遮光膜は、金属や黒色樹脂等で形成された
膜であり、画素の周辺からの光漏れを抑制する目的及び
画素の着色層を区切る目的で設けられる。通常は0.1
〜3μm程度の厚みの膜とされ、画素部分を枠で囲んだ
ように形成される。この枠で囲まれた画素部分に着色剤
が吐出されて堆積して着色層となる。
【0057】顔料を含む着色剤を用いる場合には、遮光
膜の厚みは0.5〜3μmとされることが好ましい。こ
の遮光膜は、具体的には着色剤の吐出時の堰の役目も果
たすため、感光性黒色樹脂を用いた厚膜のものが好まし
いが、クロム等をスパッタリングしてパターン形成した
薄膜のものや、そのような金属遮光膜と透明樹脂の組合
せたものであってもよい。
【0058】さらに、この遮光膜部分、特に遮光膜上面
には着色剤をはじくような撥インク性を付与しておくこ
とが好ましい。これにより、隣接画素内への着色剤の流
入が抑制される。この遮光膜の上面の撥インク性は上面
に着色剤が残存しにくくするために、遮光膜上面に対す
るインク(着色剤)の接触角が90°以上とすることが
好ましい。さらに、遮光膜の側面は、吐出された着色剤
をはじかないようにされていることが好ましい。これに
より、画素内で着色層が均一に広がり、画素内の色ムラ
が低減する。
【0059】この遮光膜は表示領域内では、画素部分を
光透過開口部になるように形成されている。その表示領
域の周辺領域では、表示領域と同様にパターニングされ
ていてもよく、遮光膜が全面に設けられていてもよい。
【0060】本発明の製造方法により形成されたカラー
フィルタは、その表面に平坦化や保護の目的のために樹
脂の平坦化層を形成し、その上にIn23 −SnO2
(ITO)や金属の電極を形成する。さらに、平坦化層
と電極との接着性を改善するために、SiO2 、TiO
2 等の無機物の層を設けることもできる。
【0061】この電極付きの基板を必要に応じて、電極
をパターニングし、さらに配向膜を形成する。具体的に
は、たとえばポリイミド樹脂やポリアミド樹脂をコート
し、それをラビングするとかSiOの斜め蒸着を行うな
どする。このようにして電極を設けた基板と、もう1枚
の基板とを組合せて周辺をシールし、内部に液晶を封入
して液晶表示素子を製造できる。
【0062】
【実施例】
「例1」インクジェットヘッドを基板に対して相対的に
移動させて、着色剤としての顔料インクの吐出を行っ
た。まず、ガラス製の基板の上に、感光性黒色樹脂を用
いてフォトリソグラフィ法により、厚さ1.5μmの遮
光膜を形成した。この遮光膜は、表示領域においては、
所定の画素パターンにRGB用の開口部(800×60
0×3色)を有し、その周辺領域においては全面ベタに
形成した。この遮光膜の撥インク性は接触角で100°
であった。
【0063】インクジェットヘッドを通して吐出される
着色剤は、顔料を混入したインクであり、この着色剤を
上記遮光膜にて形成される画素部分の開口部に吐出させ
て、着色層を形成させた。
【0064】インクジェットヘッドのインクジェットノ
ズルは、圧電素子により電気エネルギーを機械エネルギ
ーに変換し着色剤の吐出を行う構造のもの、すなわちピ
エゾ方式のインクジェットノズルを用いた。このノズル
は20本が直線状に所定の間隔で配置され、インクジェ
ットヘッドとして構成されている。
【0065】このインクジェットヘッドにより基板全面
にストライプパターンを1色毎に着色を行い、RGB3
色、すなわち3回繰り返して製造する。本例では、イン
クジェットヘッドはヘッド駆動機構によって図1の上下
方向に搬送され、また基板が搬送機構によって図1の横
方向に走査するようにされた。この走査搬送は、これに
限られず、インクジェットヘッドと基板とが相対的に移
動させられればよい。
【0066】本例では、インクジェットヘッドを各画素
において5回ずつ吐出を行うように駆動し、あらかじめ
着色剤層の色差が△E*uv で3以内になるように各着色
剤の吐出量を調節した。
【0067】20本のノズルが配置されたインクジェッ
トヘッドは、着色剤を図の上下方向に相対的に移動しな
がら吐出を行い、次いで基板の搬送により図の横方向に
位置をずらして再度吐出を行い、これを繰り返して80
0本の着色層(800×600画素)を形成した。
【0068】上記の20ノズルヘッドを用いて、図2
(A)に示すように上下方向奇数行の画素部に1行飛ば
しで着色剤を吐出付着させ、上下方向各300行の画素
にストライプ状に着色層を形成した。このヘッドを20
回往復させ1色800ラインの1行飛ばしの着色層を形
成した。ついで、ノズル位置を図の横方向に3ノズル分
ずらし上記の奇数行への吐出と同様の操作を偶数行でも
行い、図の上下方向偶数行の画素部に着色剤を吐出付着
させて残りの300行を印刷した。
【0069】さらに、着色剤を他の2色の顔料インクに
変えての吐出を行い、RGB3色のカラーフィルタを形
成した。このようにして作成された液晶表示素子用カラ
ーフィルタの隣接画素の色差dE*uv は3以内に収ま
り、列間での帯状の色ムラが目立たないほぼ均一な色表
示が可能なカラーフィルタであった。
【0070】「例2」例1と同じインクジェット装置を
用い、図1の上部から2行飛ばしで1、4、7行の画素
という順で着色剤を吐出付着させ、上下方向方向200
行の画素にストイプ状に着色層を形成した。このヘッド
を20回往復させ1色800ラインの着色層を形成し
た。
【0071】ついでノズル位置を図の横方向に3ノズル
分ずらし、図1の上部の2行目から2行飛ばしで2、
5、8行の画素の順で着色剤を順次吐出付着させて、上
下方向方向200行の画素にストライプ状に着色剤付着
させた。ついでノズルを図の横方向にさらに3ノズル分
(1行目からみれば6ノズル分)ずらし、図1の上部の
3行目から2行飛ばしで3、6、9行の画素の順で着色
剤を順次吐出付着させて、上下方向の残りの200行の
画素に着色剤を吐出付着させ、1面800×600画素
の着色層を形成させた。
【0072】さらに、着色剤を他の2色の顔料インクに
変えての吐出を行い、RGB3色のカラーフィルタを形
成した。このようにして作成された液晶表示素子用カラ
ーフィルタの隣接画素の色差dE*uv は3以内に収ま
り、列間での帯状の色ムラが例1よりも目立たないほぼ
均一な色表示が可能なカラーフィルタであった。
【0073】「例3(比較例)」例1、2と同じインク
ジェット装置を用い、各列を同一ノズルで連続的に着色
剤を吐出させRGB三色のストライプ状のカラーパター
ンを形成させ、面内色差と色ムラをを目視観察した。上
記方法で作成した液晶表示用カラーフィルタの隣接画素
の色差dE*uv は3以下であったが、特定のズルに対応
した着色層が帯状に薄いスジ状ムラとして視認された。
【0074】「例4」ガラス製の基板の上に、感光性黒
色樹脂を用いてフォトリソグラフィ法により、遮光膜を
フォトリソ工程により形成し、その遮光膜上にフッ素系
撥インク剤を付与した。その遮光膜に囲まれた部分に、
例1、2と同じインクジェット装置を用い、例2と同様
にして着色剤の吐出を行いカラーフィルタを製造した。
【0075】そのカラーフィルタ面にアクリル−エポキ
シ系の平坦化層を形成し、さらにITO(In23
SnO2 )による透明電極を形成した。このITOをス
トライプ状にパターニングして、SiO2 −TiO2
絶縁層を形成し、さらにポリイミド層を形成してラビン
グを行った。もう1枚の基板として、ITO付き基板の
ITOをストライプ状にパターニングして、SiO2
TiO2 の絶縁層を形成し、さらにポリイミド層を形成
してラビングを行った。
【0076】これら2枚の基板を電極面が対向し、スト
ライプ方向が直交するように配置して、周辺をシール
し、内部にネマチック液晶を封入した。その両側に位相
差板を配置して、さらに偏光膜を配置して、高品位な色
の表現が可能なカラーSTNLCDを作成した。
【0077】本発明では、上記例に限られず、たとえば
吐出ノズル形状は、チャンネル状のもののみならず、ス
リット状のものであってもよい。インクジェットヘッド
のノズル数を多くすることで、着色工程に要する時間が
短縮する。
【0078】また、本発明はこれのみに限定されず、3
色に限られず、2色や単色のカラーフィルタにも適用で
き、ノズル配置も種々構成の中から適宣選択できる。さ
らに、上記例ではSTN用を示したが、TFTやMIM
等を用いたものにも使用できる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、インクジェットヘッド
のノズルの差による列方向のわずかな色ムラが帯状に認
識されるのを抑制できる。このノズルの差による色ムラ
は、隣接画素1個同士の比較では目立たないが、列同士
となると帯状の色ムラになるので、目立ちやすくなる。
【0080】本発明の製造方法によれば、着色剤の吐出
の走査を変更するのみであるので、生産性をほとんど低
下させることなく、1つの列を複数のノズルで着色剤を
吐出して着色層を形成でき、この帯状の色ムラが生じに
くくなる。これにより、より均一性の高いカラーフィル
タが容易に形成できる。本発明は、本発明の効果を損し
ない範囲内で、種々の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法における吐出ノズルを示す平
面図。
【図2】本発明の製造方法の各工程における吐出状況を
示す平面図。(A)は第1工程、(B)は第2工程を示
す。
【符号の説明】
ノズル :1〜8 インクジェットヘッド:9 画素 :10 1A列 :11A 1B列 :11B 1C列 :11C 8B列 :18B 1行 :21 2行 :22 3行 :23 4行 :24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色剤を吐出する複数のノズルを有するイ
    ンクジェットヘッドを用いて、インクジェットヘッドと
    基板とを相対的に走査してカラーフィルタを形成するカ
    ラーフィルタの製造方法において、行及び列の両方向に
    おける一連の同色の画素群が、夫々単一のノズルのみか
    ら吐出された着色層にならないように、複数のノズルか
    ら着色剤を吐出して形成されるようにしたことを特徴と
    するカラーフィルタの製造方法。
  2. 【請求項2】ほぼ行方向に整列した複数のノズルを有す
    るインクジェットヘッドが、列方向に走査され、1〜1
    0画素分着色剤を吐出させた後、1画素以上の画素を飛
    ばして次の画素を1〜10画素分着色剤を吐出させ、こ
    れを繰り返してノズルの整列方向以外の方向に同一ノズ
    ルより着色剤を吐出着弾させ、その後飛ばした画素をイ
    ンクジェットヘッドの異なるノズルから着色剤を吐出さ
    せて着色することを特徴とする請求項1記載のカラーフ
    ィルタの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の製造方法により製造
    された液晶表示用カラーフィルタ。
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