JPH10300832A - 超伝導システム - Google Patents

超伝導システム

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JPH10300832A
JPH10300832A JP9107686A JP10768697A JPH10300832A JP H10300832 A JPH10300832 A JP H10300832A JP 9107686 A JP9107686 A JP 9107686A JP 10768697 A JP10768697 A JP 10768697A JP H10300832 A JPH10300832 A JP H10300832A
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JP
Japan
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superconducting
squid
coil
connection
detection coil
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Application number
JP9107686A
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English (en)
Inventor
Katashi Adachi
確 足立
Yoichi Takada
洋一 高田
Shigeharu Oyu
重治 大湯
Katsuo Takahashi
克夫 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】検出コイルとSQUIDとを簡単にかつ安定し
て超伝導接続でき、接続作業時間の短縮を図り、製造コ
ストの低減化に寄与するとともに、信頼性のある超伝導
システムを提供する。 【解決手段】SQUID21と検出コイル22とを超伝
導接続する構造を備えたSQUID磁束計。検出コイル
22をNbTi線で形成し、この検出コイル22を、少
なくとも液体ヘリウム温度で超伝導特性を示す超伝導接
続材で検出コイル22をSQUID21に接続する。超
伝導接続材は半田であり、この半田を用いた半田付けに
より超伝導接続する構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SQUID(超伝
導量子干渉素子)を有する超伝導システムに関する。と
くに、好適には、生体から発生する微弱磁界(磁場)を
計測する生体磁場計測装置のSQUIDを用いた磁場検
出部に係り、この磁場検出部として搭載されている、超
伝導リングであるSQUIDの配線と微弱磁界を検出す
る検出コイルの配線とを超伝導接続する接続構造、およ
び、かかる接続を容易にするためのSQUIDのICパ
ッケージ化に関する。
【0002】なお、本発明における「超伝導接続」は、
液体ヘリウム温度またはそれ以下の低温温度で超伝導特
性を示す超伝導材を接続媒体として用いた接続を言う。
【0003】
【従来の技術】生体磁場計測装置は、SQUIDを用い
た超伝導システムの代表格として知られており、例えば
人体の脳から発生する微弱の脳磁界や、心臓から発生す
る微弱の心磁界を計測する装置である。この装置は、近
年、検出磁界に基づき機能診断を行うモダリティとして
注目されている。
【0004】この生体磁場計測装置はSQUID磁束計
として実施される。SQUID磁束計は、生体からの微
弱な磁界を検出コイルで検出して、SQUIDに一体に
含まれる磁束インプットコイルを介して当該SQUID
に導く磁場検出部を有する。検出コイルには超伝導線と
して、従来より、手巻きまたはプリント配線基板を用い
たNbTi線やNbTiCu線が用いられていた。
【0005】(1)検出コイルがNbTi線で形成され
ている場合、図13(a),(b)に示す如く、SQU
IDのチップキャリアに用意されている超伝導接続用の
パッドにネジ止めされていた。つまり、圧着により接続
されていた。このパッドには超伝導材料として、例えば
PbInAuが使用されている。
【0006】(2)また検出コイルがNbTiCu線で
形成されている場合、その接続は例えば公開特許公報、
特開平05−283116号に記載されている如くの方
法で行われていた。具体的には、この接続方法の一つと
して、超伝導ストランド(NbTi)を支持する複数の
銅導体の端部が溶媒液体金属で処理され、この超伝導線
から銅が選択的に除去された後、その除去部分を利用し
て、図14に示す如く、SQUIDのチップキャリアに
用意されている超伝導接続用のパッドに半田付けされ、
これにより、検出コイルとSQUIDとがPbInAu
により超伝導接続される。また、別の接続方法として
は、この超伝導線から銅が選択的に紙やすりで除去さ
れ、同じく、パッドに半田付けされる。
【0007】なお、SQUIDへのバイアス電流入力端
子、出力電圧端子(4端子法による端子)、およびフィ
ードバック端子は通常の常伝導の電気的接続が行われ
る。つまり、SQUIDのチップキャリアに用意されて
いる常伝導接続用のパッドにおいて銅線とマンガニン線
との半田付け接続が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の接続方法には、種々の不都合や問題点があった。
【0009】第1に、上述した(1)に記載のNbTi
線を用いた検出コイルの場合、超伝導接続用のパッドに
ネジ止めされる構成であるが、NbTi線それ自体が元
来、合金の性質から変形し難く、ネジに巻き付けながら
止めるという接続作業は大変に長時間を要するものであ
った。接続は圧着によるため、その信頼性はネジのトル
クと巻付け方に大きく依存していた。SQUIDによる
検出部は現在、マルチチャンネル化に向かっているが、
上述した(1)の接続方法を採用した場合、マルチチャ
ンネル化を行うには接続だけでも膨大な作業時間、すな
わち作業コストを必要とし、生体磁場計測装置全体の製
造コストの上昇を招くとともに、接続の信頼性も非常に
不安定であるという問題があった。
【0010】第2に、上述した(2)に記載のNbTi
Cu線を用いた検出コイルの場合、超伝導接続用のパッ
ドに半田付けされる構成である。NbTiCu線は、N
bTi線とは異なり、可撓性があるので、検出コイルの
手巻き作業で製造していた時代には重宝されていた。半
田接続も簡易で済むという利点があった。しかしなが
ら、このNbTiCu線を用いた検出コイルにあって
は、NbTi線の周りにコーティングされた銅が熱雑音
を発生するため、NbTi線で形成された検出コイルに
比べて、磁束雑音が非常に大きい。これゆえ、生体磁場
計測装置全体の計測限界(磁場感度)が低いという問題
があった。この問題は、例えば論文:Jpn.J.Appl.Phys.
Vol.34(1995) pp.L738-L740 Part2.No.6B.15 June 199
5, "FluxNoise From a Metal Surrounding a Supercond
ucting Wire Applied to a Gra-diometer" に記載され
ている。
【0011】第3に、上述した(1)および(2)に共
通の問題として、メインテナンス時の問題がある。
(1)および(2)の接続方法により接続された磁場検
出部は、例えば図15(a),(b)に示す如く、検出
コイルとSQUIDセンサとが一体化していることが多
く、そのような場合、メインテナンス時には検出部全体
の交換(全交換)が望ましい。同図において、検出コイ
ルとSQUIDチップとは基板上に別々に実装され、検
出コイル配線には超伝導ボンディング、出力側には常伝
導ボンディングを用いて結線される。検出コイルのボビ
ンとしての基板をチップキャリアとして用い、SQUI
Dチップの上からカバーパッケージングを施すようにな
っている。
【0012】つまり、検出コイルまたはSQUIDのい
ずれか一方だけが故障した場合でも、その一方だけを個
別に交換することは非常に面倒な作業をを必要とし、通
常、両方を交換することになる。したがって、メインテ
ナンス時の部品コストが高くなるとともに、その作業手
間の煩雑さや長時間化による作業コストの上昇を招くと
いう問題があった。
【0013】第4に、とくに、検出コイルとSQUID
の接続に半田付けを用いた場合、メインテナンス時に問
題がある。メインテナンスを行うときに、検出コイルと
SQUIDとの接続をどうしても切り離す必要がある事
態も生じるが、それらを再度接続する場合、はやり半田
付けを行う必要がある。したがって、製造時のみなら
ず、メインテナンスにも長時間の手間が掛かり、メイン
テナンスコストが上昇する。
【0014】第5に、SQUIDの取扱に関する問題が
ある。SQUIDを上述のように切り離して交換する場
合、その作業は非常な慎重を期する必要がある。SQU
IDをチップキャリアに接続するため、SQUIDには
超伝導ボンディングと常伝導ボンディングが要るが、扱
い方によってはその配線を切断する恐れがあるためであ
る。
【0015】また、この配線切断を防ぐために、パッケ
ージ化や樹脂封入の構造も可能ではある。しかし、電気
的端子が超伝導接続側と常伝導接続側に在る。SQUI
Dの素子内部は電気的に弱結合された抵抗として表せる
ことのできる構造であるため、静電気に因る破壊が起き
易い。静電気は人体に蓄積された電荷であり、この電荷
でも素子内部が簡単に破壊されることがある。この静電
気による破壊を防止するには、持ち運びのときにSQU
IDパッケージを電気的に十分に絶縁する必要がある。
一方、持ち運びや動作時の振動に因りパッケージ内部の
電気的接続が外れる恐れもあった。これらの事情を考慮
して製造段階およびメインテナンス時の作業を行う必要
があるため、その作業がどうしても慎重にならざるを得
ず、またときには再作業が必要となり、したがって、作
業時間も長期化し、作業コストが上昇するという問題に
なっていた。
【0016】第6に、トラップの問題がある。「トラッ
プ」とは、SQUIDなど、超伝導状態になる部分にお
いて閉ループを構成する超伝導配線内に磁束が刺さった
状態のままになってしまうことで、このトラップが生じ
ると、SQUIDが持つ本来の性能(磁束電圧変換率)
を発揮できなくなる。インテナンス完了後に超伝導動作
させるには、SQUIDおよび検出コイルが含まれたイ
ンサートを入れたデュアに液体ヘリウムを入れる必要が
あるが、このときに、トラップの問題が生じる可能性が
ある。
【0017】本発明は、このような従来技術の現状を打
破するためになされたものである。具体的には、本発明
は、検出コイルとSQUIDとを簡単にかつ安定して超
伝導接続でき、接続作業時間の短縮を図り、製造コスト
の低減化に寄与するとともに、信頼性のある超伝導シス
テムを提供することを、第1の目的とする。
【0018】また、検出コイルとして使用する超伝導線
において、従来のような銅成分からの熱雑音に起因した
磁束雑音を好適に排除して、システムの磁場計測限界を
向上させることを、第2の目的とする。
【0019】また、検出コイルとSQUIDとを含む磁
場検出部の製造作業時およびメインテナンス作業の容易
化、時間短縮化を図って、製造およびメインテナンスに
要する作業コストを低減させるとともに、メインテナン
スのための部品コストをも低減させることのできる超伝
導システムを提供することを、第3の目的とする。
【0020】さらに、SQUIDを取り扱うときの配線
切れや静電気破壊の発生を殆ど防止し、その取扱作業の
容易化を図るとともに、信頼性の高い超伝導システムを
提供することを、第4の目的とする。
【0021】さらに、上述した第3および/または第5
の目的と併せて、SQUIDのトラップ防止対策を効果
的に行うことのできる超伝導システムを提供すること
を、第4の目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、本発明の第1の側面によれば、SQUID(超伝導
量子干渉素子)とコイルとを超伝導接続する構造を備え
た超伝導システムにおいて、前記コイルをNbTi線で
形成し、このコイルを、少なくとも液体ヘリウム温度で
超伝導特性を示す超伝導接続材で前記SQUIDに接続
したことを特徴とする。
【0023】好適には、前記超伝導接続材は半田であ
り、この半田を用いた半田付けにより超伝導接続する構
造である。また好適には、前記SQUIDはチップキャ
リアに搭載されかつこのチップキャリア上の超伝導材で
形成されたパッドに接続されるとともに、前記コイルを
形成するNbTi線の先端所定部分の被覆のみを選択的
に除去して形成された配線接続部を、前記半田により前
記パッドに超伝導接続する構造である。さらに好適に
は、前記超伝導接続の構造は、前記配線接続部を前記パ
ッドに盛った半田盛りに当該配線接続部の先端が突出す
るまで差し込み、その後に、その配線接続部を差し込み
方向とは反対方向に所定距離だけ引き戻す工程を経て形
成されている。
【0024】例えば、前記超伝導システムは生体が発す
る微弱磁場を計測する生体磁場計測装置であり、前記コ
イルは、前記微弱磁場を検出して前記SQUIDの磁束
インプットコイルに導く検出コイルである。
【0025】また本発明の第2の側面によれば、SQU
ID(超伝導量子干渉素子)とコイルとを超伝導接続す
る構造を備えた超伝導システムにおいて、前記接続構造
は、前記コイルと前記SQUIDとをコネクタにより互
いに着脱自在に接続する構造であり、このコネクタを少
なくとも液体ヘリウム温度で超伝導特性を示す超伝導材
で形成したことを特徴とする。好適には、前記超伝導材
は、NbまたはNbを用いた非磁性の合金もしくは化合
物から成る。
【0026】例えば、前記超伝導システムは生体が発す
る微弱磁場を計測する生体磁場計測装置であり、前記コ
イルは、前記微弱磁場を検出して前記SQUIDの磁束
インプットコイルに導く検出コイルである。この場合、
好適には、前記コネクタは、NbまたはNbを用いた非
磁性の合金もしくは化合物から成る圧入用のピンと、N
bまたはNbを用いた非磁性の合金もしくは化合物から
成り且つ前記ピンを圧入させるソケットとを備え、前記
ピンを前記検出コイルに超伝導接続し、前記ソケットを
前記磁束インプットコイルに超伝導接続した構造であ
る。また好適には、前記ピンの少なくとも前記検出コイ
ルの配線を接続する表面に濡れ性のある金属膜を付着さ
せる表面処理を施すとともに、前記ソケットの少なくと
も前記磁束インプットコイルの配線を接続する表面に濡
れ性のある金属膜を付着させる表面処理を施した構造で
ある。
【0027】さらに本発明の第3の側面によれば、チッ
プ状のSQUID(超伝導量子干渉素子)を備えた超伝
導システムにおいて、前記SQUIDを非磁性材で成る
ICパッケージに内蔵するとともに、当該ICパッケー
ジを樹脂または窒素ガスで封入・密閉したことを特徴と
する。好適には、前記SQUIDを内蔵した前記ICパ
ッケージは着脱自在なコネクタを介して前記SQUID
の周辺電気回路に接続される。
【0028】一例として、前記超伝導システムは生体が
発する微弱磁場を計測する生体磁場計測装置であり、前
記周辺電気回路は、前記微弱磁場を検出して前記SQU
IDの磁束インプットコイルに導く検出コイルおよび前
記SQUIDを駆動する駆動回路を含む。この場合、前
記コネクタは、前記SQUIDの回路と前記周辺電気回
路とを互いに着脱自在に接続する複数の端子対を有し、
この複数の端子対の内の前記検出コイルと前記磁束イン
プットコイルとを着脱自在に接続する端子対を、少なく
とも液体ヘリウム温度で超伝導特性を示す超伝導材を用
いて非誘導性の構造に形成した構造である。さらに例え
ば、前記複数の端子対のそれぞれは、前記SQUID側
に接続された圧入用のピンと、前記周辺電気回路側に接
続され且つ前記ピンを圧入させるソケットとを備える。
【0029】また好適には、前記SQUIDを内蔵した
前記ICパッケージの内部に、当該SQUIDのトラッ
プ解除用の非磁性熱源を設置することである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、
本発明に係る超伝導システムとして生体磁気計測装置を
説明するが、本発明は必ずしもそれに限定されるもので
はなく、SQUID(超伝導量子干渉素子)と超伝導コ
イルとを有し、それらを超伝導接続する構造のものであ
れば、そのほかのシステムにも同様に適用可能なもので
ある。
【0031】[第1の実施形態]本発明の第1の実施形
態を図1〜図7を参照して説明する。
【0032】最初に、本実施形態の要部に係る超伝導接
続部分を有する磁場検出部が装置全体のどこに位置して
いるかを説明する。
【0033】図1は、生体磁気測定装置としての単チャ
ンネルのdc−SQUID磁束計の電気的なブロック構
成を示す。
【0034】このdc−SQUID磁束計は、変調型F
LL(Flux Locked Loop)回路方式で構成されており、
検出部11と駆動回路12とを備える。検出部11は、
液体ヘリウムを入れたデュア内に浸され、超伝導状態に
置かれる。検出部11は、超伝導リングとしてのSQU
ID21と、生体が発生する微弱な磁界を検知する検出
コイル22(超伝導コイル)とを備える。SQUID2
1には磁束インプットコイル21aおよびフィードバッ
クコイル21bが一体的に形成され、磁束インプットコ
イル21aに検出コイル22を成す配線が超伝導接続さ
れる。検出コイル22の巻き方には種々のタイプのもの
が在る。検出コイル22の配線材として、ここではNb
Ti線を用いる。
【0035】駆動回路12は、直流バイアス電源EB 、
増幅器23、同期検波器24、励振信号発信器25を備
える。直流バイアス電源EB はSQUID21に直流バ
イアス電流を供給する。励振信号発信器25の出力信号
f0 はフィードバックコイル21bに接続される。SQ
UID21の出力電圧は増幅器23を介して同期検波器
24に送られる。これにより、SQUID21のジョセ
フソン接合部分の電圧が変化しないようにフィードバッ
クが掛けられ、このフィードバック信号が測定しようと
している生体磁界に対応した出力となる。
【0036】続いて、この検出部11の構造を図2およ
び図3に基づき説明する。磁界センサとして機能するS
QUID21はチップ素子の薄膜構造による集積回路と
して形成され、矩形平坦状のパッケージ内に封入された
状態でチップキャリア31に搭載してある。チップキャ
リア31の両端部の一方には、2個の矩形状の超伝導接
続用パッド32、32が形成されている。このパッド3
2、32の材料には例えばPbInAuから成る超伝導
材料が用いられる。反対の端部には4個の矩形状の常伝
導接続用パッド33、…、33が形成されている。これ
らのパッド32、33は電気的には図1に示したよう
に、SQUID21とその周辺の電気回路とを仲介する
ものである。とくに、超伝導接続用パッド32には、S
QUID21内の磁束インプットコイル21aが電気的
に接続されている。
【0037】このパッド32にはまた、検出コイル22
が超伝導接続され、これにより検出コイル22と磁束イ
ンプットコイル21aがパッド32を介して電気的に繋
がる。検出コイル22には従来では半田付けができない
と言われていたNbTi線が使用され、このNbTi線
の2つの両端部が半田付けでパッド32、32に接続さ
れる。NbTi線の半田付けが可能なことは、本発明者
による実験により確認されたことであり、本実施形態は
この実験に基づいている。
【0038】超伝導接続用パッド32への検出コイル2
2の接続方法を説明する。この接続作業の流れの概要を
図4に示す。この接続作業は検出コイル22の接続端部
毎に手作業で実施できる。
【0039】(1)まず、チップキャリア31の超伝導
接続用パッド32、32に融点温度付近で溶かした半田
を多めに盛り、半田盛り34を形成する(図6参照)。
【0040】(2)次いで、検出コイル22の配線であ
るNbTi線の両端部の所定長さ範囲に紙ヤスリを掛け
(図5参照)、外周面に塗布されている絶縁材(ホルマ
ル被覆)を取り除き、配線接続部22aを形成する。こ
れは、NbTi線を用いて手巻きにより検出コイルを制
作するとき、互いに重なり合う部分が生じるので、絶縁
材が塗布された線を利用することによる。NbTi線か
ら絶縁材を除去する配線接続部22aの長さは、パッド
32、32に盛った半田から若干はみ出す程度の長さが
好適である。好適なヤスリ掛けの手法としては、目の細
かい耐水ペーパー(紙ヤスリ)などを用いてNbTi配
線を磨くと、途中で配線表面の光沢が変化する。この光
沢が変化した部分がNbTi合金部分であるから、接続
する端部全体の光沢が変化するまで磨くようにする。こ
の磨き作業のとき、配線接続部22aの周囲を一様に磨
く必要がある。局所的に偏った磨き方を行うと、NbT
i配線が切れ易くなるので、注意することが肝要であ
る。磨き終えた配線接続部22aに手を触れて油脂など
の汚れを付けないようにすることも必要である。このヤ
スリ掛けの別の手法として、溶剤を兼用してもよい。つ
まり、溶剤にNbTi配線の先端を浸して、外周の絶縁
材(ホルマル被覆)を溶かした後、軽く紙ヤスリを掛け
るようにしてもよい。
【0041】(3)磨き終えた配線接続部22aを、パ
ッド32の半田盛り34に近付けるとともに、その半田
を融点温度付近で溶かし、配線接続部22aを先端から
半田盛り34の中へ差し込む。このとき、配線接続部2
2aが半田盛り34の反対側から所定長さだけ突出する
まで差し込む(図6の仮想線の状態参照)。
【0042】(4)この差込みが終わると、今度はゆっ
くりと差し込み方向とは反対の方向に配線を少し引っ張
る(図6の実線の状態参照)。この反対方向への引き込
みは、差し込みのために溶かした半田が固まる前に行
う。このゆっくりとした速度での反対方向への引き込み
によって、配線接続部22aと半田盛り34の半田材と
の接合が確実になる。この引き込み作業のときに、半田
盛り34が配線接続部22aと共に引かれる状態を目視
で確認しておくことが望ましく、この引かれる状態が確
認できれば、確実な電気的接続ができていることがわか
る。
【0043】(5)そして、半田盛り34が完全に固ま
るまで待機する。
【0044】(6)半田盛り34が完全に固まったら、
検出コイル22であるNbTi配線の配線接続部22a
が半田盛り34、すなわちパッド32に固着しているか
否かを確認する。図7に、SQUID21と検出コイル
22との接続状態の一例を示す。
【0045】配線接続部22aに、油脂などの汚れが付
着したまま上記差し込みを行った場合、半田濡れ性が低
下し、半田と配線接続部とが完全に接合していない、つ
まり超伝導接続がなされていない事態が起こり得る。す
なわち、配線接続部の表面に、熱に因って焼け焦げたカ
ーボンが付着し、このカーボンと半田が接合していると
いう状態が起こり得る。この見掛け上の接合を防止する
には、上述したステップ(4)での反対方向への引き込
み作業を確実に行っておくことが望ましい。
【0046】実施例 上述した実施形態に従う1つの実施例を説明する。
【0047】半田材を成す金属として、鉛(5〜98%
の含有)とスズ、またはその他の金属とから成る合金を
採用した。この内、液体ヘリウム温度で超伝導特性を呈
するのは鉛である。この実施例では、鉛4:スズ6の割
合で松ヤニが入っている半田材を使用した。
【0048】検出コイルとしては、直径100ミクロン
の絶縁膜付きNbTi線である。
【0049】この第1の実施形態では、以上のように、
検出コイルとしてNbTi線材を用い、この線材に直接
に半田付けすることで超伝導接続が可能になるので、従
来のようにNbTiCu線を検出コイルとして用いる必
要がない。このため、NbTiCu線を用いたときのよ
うな銅被膜に因る熱雑音が無くなり、磁場分解能が各段
に向上する。したがって、SQUID磁束計全体の計測
限界(磁場感度)を大幅に改善することができる。ま
た、NbTi線を直接に半田付けするという簡易な接続
手法であるため、従来法に比べて、製造段階およびメイ
ンテナンス段階での接続作業の作業性も向上するという
メリットがある。
【0050】なお、上述した実施形態は変調型FLL
(Flux Locked Loop)回路方式のdc−SQUID磁束
計について説明したが、本発明を実施できる生体磁気測
定装置は必ずしもそのようなタイプの磁束計に限定され
るものではない。例えば、無変調型FLL回路方式のd
c−SQUID磁束計であってもよく、その一例を図1
6に示す。
【0051】図16に記載したdc−SQUID磁束計
は検出部11と駆動回路12とを備える。検出部11は
前述した図1のものと同様に形成されており、超伝導リ
ングとしてのSQUID21と、生体が発生する微弱な
磁界を検知する検出コイル22(超伝導コイル)とを備
える。SQUID21には磁束インプットコイル21a
およびフィードバックコイル21bが一体的に形成さ
れ、磁束インプットコイル21aに検出コイル22を成
す配線が超伝導接続される。ここに、本発明が実施され
る。
【0052】駆動回路12は、直流バイアス電源EB 、
プリアンプ38、積分器39、およびフィードバック抵
抗Rf を備える。直流バイアス電源EB はSQUID2
1に直流バイアス電流を供給する。SQUID21の出
力電圧はプリアンプ38を介して積分器39に送られ
る。積分器39の出力がフィードバック抵抗Rf を介し
てフィードバックコイル21bに接続されている。これ
により、電圧の変化を増幅して磁束として直接フィード
バックすることができ、入力磁束の変化を打ち消すよう
になる。この磁束変調を使わない直接フィードバックに
よって、積分器39から磁束計出力を得る回路となる。
【0053】[第2の実施形態]本発明の第2の実施形
態を図8〜図10に基づき説明する。第1の実施形態の
ものと同一または同等の構成要素には同一符号を用い
る。
【0054】この第2の実施形態では、上述のように直
接半田付けすることはせずに、超伝導接続用の超伝導コ
ネクタを形成し、この超伝導コネクタを介して検出コイ
ルをSQUIDに接続する構成である。
【0055】超伝導コネクタには液体ヘリウム温度で超
伝導特性を呈する部材を使用する。好適な1つの部材例
としては、NbまたはNbを含む合金、化合物(液体ヘ
リウム温度で超伝導特性を有する非磁性体)が挙げられ
るが、超伝導物質である元素、化合物、合金(液体ヘリ
ウム温度で超伝導特性を有する非磁性体)のいずれを使
用してもよい。
【0056】いま、検出コイル22とSQUID21と
をピン型の超伝導コネクタ40で超伝導接続する構成を
説明する。
【0057】この超伝導コネクタ40として、図8に示
す如く、検出コイル22に半田付けされるピン40p
と、SQUID21の磁束インプットコイルにパッド3
2を介して接続されるソケット40sとを備える。この
ピン40pおよびソケット40sには共に、例えば超伝
導物質(液体ヘリウム温度で超伝導特性を有する非磁性
体)としてNbが用いられ、この物質が所定形状および
サイズのピン、ソケットに加工されている。つまり、ソ
ケット40sにはピン40pの軸部を圧入させる穴が穿
設されており、両者の接触により電気的接続が達成され
る。ピン40pおよびソケット40s、ならびに、これ
に接続される配線はインダクタンスを持たないように非
誘導性の構造になっている。
【0058】このピン40pおよびソケット40sの外
表面に、濡れ性のある金属を蒸着またはスパッタリング
されている。これは、Nb自体には濡れ性が無いため、
コイルとの半田付けなどの接合ができないからである。
濡れ性のある金属を付着させる表面処理を行うことで、
半田付けやフリップチップボンドが可能になる。このた
め、この表面処理は、ピン40pの検出コイル22(こ
こではNbTi線)との接続部およびソケット40sの
パッド32との接続部の半田盛り(半田付け)部分には
必須の処理となる。濡れ性のある金属としては例えば、
Pb,Au,Cu,Ag,PbSn,Sn,In,Pb
InAu,PbInが知られている。なお、半田材は超
伝導状態になることが確認されている。
【0059】このため、ピン40pをソケット40sに
差し込むことにより、検出コイル22とSQUID21
とを超伝導コネクタ40を介して簡単に超伝導接続でき
る。また、ピン40pをソケット40sから抜くことに
より、検出コイル部分とSQUIDの回路部分とを簡単
に、しかも再接合可能な状態で分離できる。このため、
メインテナンス時に、磁界センサとしてのSQUIDま
たは検出コイルの交換が容易に且つ個別に行えるから、
従来のように両者を一体として取り替える必要が無い。
メインテナンス時の部品コストを低減させることができ
とともに、その補修時間を短縮させることができる。ま
た、製造時においても、SQUIDと検出コイルとの分
離は有利に効いて、製造時間を短縮させることができ
る。
【0060】なお、超伝導コネクタはその接続位置のレ
イアウトの状況などに応じて種々の形状に加工できる。
超伝導コネクタのそのほかの形状を図9に示す。同図
(a),(b)のいずれの超伝導コネクタ41,42
も、ピン41p(42p)をソケット41s(42s)
に圧入させるだけの簡単な着脱構造となっている。この
内、同図(b)に示す超伝導コネクタ42のピン42p
は平面形状で、その幅はソケット42sの挿入穴の径よ
りも所定値だけ大きく加工されている。これにより、圧
入に伴う超伝導接続を確実にしている。
【0061】また、コネクタを成すピンとソケットの両
方の接触面に、液体ヘリウム温度にて超伝導特性を呈す
る鉛などの柔らかい金属を蒸着しておいて、ピンとソケ
ットとを一層、確実に超伝導接続させるようにしてもよ
い。また、ピンとソケットの接続面(部分)には、荒さ
の出る表面処理を施しておいてもよい。
【0062】さらに、図10には、上述のように形成さ
れ機能する超伝導コネクタのほかの使用例を示す。超伝
導コネクタ46のピン46pはSQUIDをパッケージ
化したSQUIDパッケージ45の底面に取り付けら
れ、ソケット46sはFPCとして形成される検出コイ
ル47の端部に装着されている。ピン46pをソケット
46sに圧入することで、SQUIDパッケージ45、
すなわちSQUIDの磁束インプットコイルが超伝導コ
ネクタ46を介して検出コイル47に超伝導接続され
る。超伝導コネクタ46は、Nbまたはその他の超伝導
材を用いたコネクタである。
【0063】[第3の実施形態]本発明の第3の実施形
態を図11、図12に基づき説明する。この実施形態で
は、第2の実施形態で説明した超伝導接続の改善に加
え、SQUIDをICパッケージに封入するICパッケ
ージ化の構造を採用したものである。
【0064】図11、12において、磁界センサ素子と
してのSQUID21は従来周知のICパッケージ50
に封入され、SQUID−ICとして基板51にコネク
タ52を介して着脱自在に取り付けられる。ICパッケ
ージ50に好適な非磁性材料としては極低温でも壊れな
いセラミックス材が挙げられるが、プラスチック材であ
っても極低温でも破損しなければ使用してもよい。
【0065】ICパッケージ50の内部には、SQUI
D21、トラップ対策用熱源60、およびチップキャリ
ア61が配置される。ICパッケージ50の底板にはチ
ップキャリア61、61が載置され、このチップキャリ
ア61、61にSQUID21がフリップチップボンデ
ィング62(またはボンディング)により超伝導接続お
よび電気的接続されている。
【0066】トラップ対策用熱源60としては非磁性の
シート熱源または線熱源を用い、この熱源をチップ周辺
に設置する。この熱源の他の一例は、シート熱源をスパ
イラル状に加工し、これをSQUID21の下に敷設す
るようにしてもよい。
【0067】ICパッケージ50の底板には、第2の実
施形態で説明した超伝導コネクタのピンと同等構造の複
数のピン63p1,63p2,…,63p9,63p10 ,63
p11,…63p18 が1/10インチの等間隔で両側にわ
たって気密に配置されている。この複数のピン63p1…
63p18 はチップキャリア62、62を通してSQUI
D21のコイル端に電気的に配線されている。複数のピ
ン63p1…63p18 の内、ここでは2本のピン63p1,
63p2が超伝導コネクタ63のピンを担う。残りのピン
は常伝導接続を担うピンであり、バイアス電流入力端子
用、出力電圧端子(4端子法による端子)用、フィード
バック端子用に使用されている。余った端子は空き端子
でよい。
【0068】この2列にわたる複数のピン63p1…63
p18 に個別に対向する状態で、基板51には2列にわた
る複数のソケット63s1…63s18 が固設されている。
ピン63p1はソケット63s1に、ピン63p2はソケット
63s2にそれぞれ圧入して超伝導接続でき、この2組の
ピン/ソケットにより超伝導コネクタ63が構成されて
いる。残りのピン/ソケットも個別に常伝導で電気的接
続が可能になっている。全部のピン63p1…63p18 は
個々のソケット63s1…63s18 に着脱自在に取り付け
できる。超伝導コネクタ63のピンおよびソケットは上
述した第2の実施形態と同様に超伝導物質を用いて形成
される。超伝導コネクタ63以外のピンおよびソケット
は、非磁性の金属材料で形成され、通常の電子回路基板
上での設計が可能になっている。
【0069】ICパッケージ50の内部には窒素ガスま
たは樹脂を封入し、これにより内部を封止している。し
たがって、ボンディング材の酸化に因る劣化、振動に因
る内部破壊を防止できる。
【0070】SQUID−IC用の基板51に対して、
コイル用の基板51aが例えば図示の如く直交状態で配
置される。この基板51aには検出コイル22が形成さ
れ、超電導コネクタの所定のソケットに電気的に接続さ
れている。
【0071】このようにSQUIDをICチップ化する
ことで、SQUIDを外界から物理的に遮断し、また電
気的絶縁性を確保することができる。これにより、メイ
ンテナンス時にSQUIDを単体で交換する必要がある
場合でも、作業者にとってSQUIDの取扱が著しく容
易になる。具体的には、SQUIDの耐振動性が向上す
るから、持ち運びが容易になる。また、SQUIDの十
分な電気的絶縁性が確保できているので、静電気に因る
SQUIDのジョセフソン接合部の破壊を確実の防止す
ることができる。この結果、信頼性の高いSQUID、
すなわち、従来の装置に比べて信頼性が著しく向上した
SQUID磁束計を提供することができる。このように
最小部品単位で交換が可能になり、部品コスト低減なら
びに作業時間およびそのコストの低減に寄与できる。
【0072】また、SQUIDのICパッケージ化に併
せて、トラップ除去機能を搭載したため、常に最適な性
能を簡単に維持できる。また、SQUIDチップは封入
されているため、かかるトラップ除去機能によって、冷
却するときに熱勾配を付けさせることができ、初期動作
不良が生じ難くなる。この利点によって、殆ど場合、S
QUIDの持つ本来の性能(磁束電圧変換)を十分に発
揮させることができる。したがって、SQUID磁束計
のシステムとして安定動作を提供できるし、超伝導遷移
時間を待たずに容易にシステムのセットアップができ、
作業高率を向上させることもできる。
【0073】なお、上述した各実施形態では超伝導動作
をさせる極低温温度として、液体ヘリウム温度を用いて
説明したが、この液体ヘリウム温度以下の低温であって
も同様に実施できる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る超伝
導システムによれば、1)検出コイルなどのコイルをN
bTi線で形成し、このコイルを、少なくとも液体ヘリ
ウム温度で超伝導特性を示す超伝導接続材で前記SQU
IDに接続した構造、2)コイルとSQUIDとをコネ
クタにより互いに着脱自在に接続する構造であり、この
コネクタを少なくとも液体ヘリウム温度で超伝導特性を
示す超伝導材で形成した構造、または、3)SQUID
を非磁性材で成るICパッケージに内蔵するとともに、
当該ICパッケージを樹脂または窒素ガスで封入・密閉
した構造を採用したので、以下のような各種の効果を得
る。
【0075】第1に、検出コイルとSQUIDとを簡単
にかつ安定して超伝導接続でき、接続作業時間の短縮を
図り、製造コストの低減化に寄与するとともに、信頼性
のある超伝導システムを提供できる。
【0076】第2に、検出コイルとして使用する超伝導
線において、従来のような銅成分からの熱雑音に起因し
た磁束雑音を好適に排除して、システムの磁場計測限界
を向上させることができる。
【0077】第3に、検出コイルとSQUIDとを含む
磁場検出部の製造作業時およびメインテナンス作業の容
易化、時間短縮化を図って、製造およびメインテナンス
に要する作業コストを低減させるとともに、メインテナ
ンスのための部品コストをも低減させることのできる超
伝導システムを提供できる。
【0078】第4に、SQUIDを取り扱うときの配線
切れや静電気破壊の発生を殆ど防止し、その取扱作業の
容易化を図るとともに、信頼性の高い超伝導システムを
提供できる。
【0079】第5に、上述した第3および/または第5
の目的と併せて、SQUIDのトラップ防止対策を効果
的に行うことのできる超伝導システムを提供できる。
【0080】以上の利点を総括すると、製造時、定期的
な保守管理時、故障時のメインテナンス時に、製造に要
する作業時間、ならびに、メインテナンスに要する作業
時間および作業コストを減らし、システムの信頼性を飛
躍的に向上させ、また計測精度も著しく向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生体磁場計測装置としてのSQUID
磁束計の概略構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態に係るSQUIDおよびその周
辺構造を平面的に示す図。
【図3】図2に示す構造を側面から見た様子を示す図。
【図4】第1の実施形態の超伝導接続の手順の流れの概
略を説明する作業手順図。
【図5】紙ヤスリによる配線接続部の形成過程を説明す
る図。
【図6】配線接続部の半田盛りへの差し込みおよび引き
戻しの作業を説明する図。
【図7】SQUIDと検出コイルの接続例の図。
【図8】第2の実施形態に係るSQUIDおよび超伝導
コネクタを示す側面図。
【図9】超伝導コネクタの他の例を示す概略斜視図。
【図10】超伝導コネクタのほかの使用例を示す側面
図。
【図11】第3の実施形態に係るICパッケージ化され
たSQUID(SQUID−IC)およびその周辺構造
を示す、パッケージを破断して示す側面図。
【図12】図11の平面図。
【図13】検出コイルとSQUIDとの従来の超伝導接
続の一例を説明する図。
【図14】検出コイルとSQUIDとの従来の超伝導接
続のほかの例を説明する図。
【図15】検出コイルとSQUIDとの従来の超伝導接
続のほかの例を説明する図。
【図16】本発明の生体磁場計測装置としての別のSQ
UID磁束計の概略構成を示すブロック図。
【符号の説明】
11 検出部 21 SQUID 21a 磁束インプットコイル 22 検出コイル(NbTi配線) 22a 配設接続部 31 チップキャリア 32 超伝導接続用パッド 34 半田盛り 40、41、42、46、63 超音波コネクタ 40p、41p、42p、46p、63p1、63p2 ピ
ン 40s、41s、42s、46s、63s1、63s2 ソ
ケット 50 ICパッケージ 51 基板 60 トラップ対策用熱源 61 チップキャリア 62 フリップチップボンディング 63 超伝導コネクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 克夫 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SQUID(超伝導量子干渉素子)とコ
    イルとを超伝導接続する構造を備えた超伝導システムに
    おいて、 前記コイルをNbTi線で形成し、このコイルを、少な
    くとも液体ヘリウム温度で超伝導特性を示す超伝導接続
    材で前記SQUIDに接続したことを特徴とする超伝導
    システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明において、 前記超伝導接続材は半田であり、この半田を用いた半田
    付けにより超伝導接続する構造である超伝導システム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の発明において、 前記SQUIDはチップキャリアに搭載されかつこのチ
    ップキャリア上の超伝導材で形成されたパッドに接続さ
    れるとともに、 前記コイルを形成するNbTi線の先端所定部分の被覆
    のみを選択的に除去して形成された配線接続部を、前記
    半田により前記パッドに超伝導接続する構造である超伝
    導システム。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の発明において、 前記超伝導接続の構造は、前記配線接続部を前記パッド
    に盛った半田盛りに当該配線接続部の先端が突出するま
    で差し込み、その後に、その配線接続部を差し込み方向
    とは反対方向に所定距離だけ引き戻す工程を経て形成さ
    れている超伝導システム。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    発明において、 前記超伝導システムは生体が発する微弱磁場を計測する
    生体磁場計測装置であり、前記コイルは、前記微弱磁場
    を検出して前記SQUIDの磁束インプットコイルに導
    く検出コイルである超伝導システム。
  6. 【請求項6】 SQUID(超伝導量子干渉素子)とコ
    イルとを超伝導接続する構造を備えた超伝導システムに
    おいて、 前記接続構造は、前記コイルと前記SQUIDとをコネ
    クタにより互いに着脱自在に接続する構造であり、この
    コネクタを少なくとも液体ヘリウム温度で超伝導特性を
    示す超伝導材で形成したことを特徴とする超伝導システ
    ム。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の発明において、 前記超伝導材は、NbまたはNbを用いた非磁性の合金
    もしくは化合物から成る超伝導システム。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載の発明におい
    て、 前記超伝導システムは生体が発する微弱磁場を計測する
    生体磁場計測装置であり、前記コイルは、前記微弱磁場
    を検出して前記SQUIDの磁束インプットコイルに導
    く検出コイルである超伝導システム。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の発明において、 前記コネクタは、NbまたはNbを用いた非磁性の合金
    もしくは化合物から成る圧入用のピンと、NbまたはN
    bを用いた非磁性の合金もしくは化合物から成り且つ前
    記ピンを圧入させるソケットとを備え、 前記ピンを前記検出コイルに超伝導接続し、前記ソケッ
    トを前記磁束インプットコイルに超伝導接続した超伝導
    システム。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の発明において、 前記ピンの少なくとも前記検出コイルの配線を接続する
    表面に濡れ性のある金属膜を付着させる表面処理を施す
    とともに、前記ソケットの少なくとも前記磁束インプッ
    トコイルの配線を接続する表面に濡れ性のある金属膜を
    付着させる表面処理を施した超伝導システム。
  11. 【請求項11】 チップ状のSQUID(超伝導量子干
    渉素子)を備えた超伝導システムにおいて、 前記SQUIDを非磁性材で成るICパッケージに内蔵
    するとともに、当該ICパッケージを樹脂または窒素ガ
    スで封入・密閉したことを特徴とする超伝導システム。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の発明において、 前記SQUIDを内蔵した前記ICパッケージは着脱自
    在なコネクタを介して前記SQUIDの周辺電気回路に
    接続される構造である超伝導システム。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の発明において、 前記超伝導システムは生体が発する微弱磁場を計測する
    生体磁場計測装置であり、前記周辺電気回路は、前記微
    弱磁場を検出して前記SQUIDの磁束インプットコイ
    ルに導く検出コイルおよび前記SQUIDを駆動する駆
    動回路を含む超伝導システム。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の発明において、 前記コネクタは、前記SQUIDの回路と前記周辺電気
    回路とを互いに着脱自在に接続する複数の端子対を有
    し、この複数の端子対の内の前記検出コイルと前記磁束
    インプットコイルとを着脱自在に接続する端子対を、少
    なくとも液体ヘリウム温度で超伝導特性を示す超伝導材
    を用いて非誘導性の構造に形成した超伝導システム。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の発明において、 前記複数の端子対のそれぞれは、前記SQUID側に接
    続された圧入用のピンと、前記周辺電気回路側に接続さ
    れ且つ前記ピンを圧入させるソケットとを備える超伝導
    システム。
  16. 【請求項16】 請求項11記載の発明において、 前記SQUIDを内蔵した前記ICパッケージの内部
    に、当該SQUIDのトラップ解除用の非磁性熱源を設
    置した超伝導システム。
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