JPH10300759A - 表面形状測定装置 - Google Patents

表面形状測定装置

Info

Publication number
JPH10300759A
JPH10300759A JP10597497A JP10597497A JPH10300759A JP H10300759 A JPH10300759 A JP H10300759A JP 10597497 A JP10597497 A JP 10597497A JP 10597497 A JP10597497 A JP 10597497A JP H10300759 A JPH10300759 A JP H10300759A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
displacement
sample
probe
control
cantilever
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10597497A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Miyamoto
裕史 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP10597497A priority Critical patent/JPH10300759A/ja
Publication of JPH10300759A publication Critical patent/JPH10300759A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成によって高精度に表面形状を測定す
ることが可能な低価格な表面形状測定装置を提供する。 【解決手段】試料2の試料表面2aを走査可能な探針4
を有するカンチレバー6と、探針と試料とを相対的に移
動させるアクチュエータ10と、カンチレバーの変位を
検出する変位センサ12と、変位センサからの変位信号
に基づいて、アクチュエータを制御することによって、
カンチレバーの変位状態を一定に維持しつつ探針を試料
表面に沿って、X,Y及びZ方向に走査させることが可
能な制御系と、制御系からの制御信号に演算を施すこと
によって、試料の表面形状を検出可能な表面形状検出手
段8とを備える。制御系は、X制御ユニット14、Y制
御ユニット16、Z制御ユニット18を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば溝や段差等
の凹凸が施されている試料の表面形状を測定するための
表面形状測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の表面形状測定装置とし
て、例えば走査型プローブ顕微鏡が一般的に用いられて
いる。走査型プローブ顕微鏡は、先端に先鋭化した探針
(プローブ)を有するカンチレバーを備えており、探針
先端を試料表面に所定距離だけ近接させた状態で若しく
は所定の力で試料と接触させた状態で、カンチレバーを
試料に沿って走査することによって、試料の表面情報を
三次元的に測定することができるように構成されてい
る。
【0003】このような走査型プローブ顕微鏡を用いた
表面形状測定装置として、例えば特許公報第25012
82号には、カンチレバー先端を互いに直交する二方向
に同時に振動させながら、例えば溝や段差等の凹凸が施
されている試料の表面に沿って探針先端を走査すること
によって、試料表面の凹凸形状を測定することが可能な
装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
表面形状測定装置には、カンチレバー先端を互いに直交
する二方向に同時に振動させるための振動手段や、二方
向に振動しているカンチレバー先端の二つの変位成分を
夫々分離して検出するための検出手段等の構成が必要で
ある。
【0005】このため、装置の構成が複雑化すると共
に、製造コストが上昇してしまうといった問題が存在す
る。本発明は、このような課題を解決するために成され
ており、その目的は、簡単な構成によって高精度に表面
形状を測定することが可能な低価格な表面形状測定装置
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の表面形状測定装置は、任意の表面形状を
有する試料の試料表面に沿って走査可能な探針を有する
カンチレバーと、前記探針と前記試料とを相対的に移動
させる移動手段と、前記探針と前記試料との間に働く相
互作用によって生じる前記カンチレバーの変位を検出す
る変位検出手段と、この変位検出手段から出力される変
位信号に基づいて、前記移動手段に制御信号を出力する
ことによって、前記カンチレバーの変位状態を一定に維
持しつつ前記探針を前記試料表面に沿って相対的に走査
させることが可能な制御系と、この制御系から出力され
る制御信号に所定の演算を施すことによって、前記試料
の表面形状を検出可能な表面形状検出手段とを備えてお
り、前記表面形状検出手段から出力される表面形状検出
信号に基づいて、前記制御系から前記移動手段に制御信
号を出力することによって、前記試料表面の変化状態に
対応しつつ且つ前記カンチレバーの変位状態を一定に維
持しつつ前記探針を前記試料表面に沿って相対的に走査
させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態に係
る表面形状測定装置について、添付図面を参照して説明
する。図1に示すように、表面形状測定装置は、任意の
表面形状を有する試料2の試料表面2aに沿って走査可
能な探針4を有するカンチレバー6と、探針4と試料2
とを相対的に移動させる移動手段と、探針4と試料2と
の間に働く相互作用(例えば、原子間力、摩擦力、接触
力、粘性、磁気力等)によって生じるカンチレバー6の
変位を検出する変位検出手段と、この変位検出手段から
出力される変位信号に基づいて、移動手段に制御信号を
出力することによって、カンチレバー6の変位状態を一
定に維持しつつ探針4を試料表面2aに沿って相対的に
走査させることが可能な制御系と、この制御系から出力
される制御信号に所定の演算を施すことによって、試料
2の表面形状を検出可能な表面形状検出手段8とを備え
ている。
【0008】このような構成によれば、表面形状検出手
段8から出力される表面形状検出信号に基づいて、制御
系から移動手段に制御信号を出力することによって、試
料表面2aの変化状態に対応しつつ且つカンチレバー6
の変位状態を一定に維持しつつ探針4を試料表面2aに
沿って相対的に走査させることができる。
【0009】本実施の形態に適用した移動手段は、その
一例として、所定の電圧を印加することによって三次元
方向(互いに直交するXYZ方向)に変位可能なアクチ
ュエータ10(例えば、圧電体スキャナ)を備えて構成
されている。
【0010】このアクチュエータ10は、その基端が装
置本体(図示しない)に固定されており、所定の電圧を
印加することによって、その先端を三次元方向に変位さ
せることができるように構成されている。なお、試料台
(図示しない)にセットされた試料2に対向するよう
に、カンチレバー6は、支持部(図示しない)を介して
アクチュエータ10の先端に取り付けられている。具体
的には、カンチレバー6は、探針4が試料表面2aに対
して所定の傾斜角度(例えば、10°程度)で位置付け
られるように、アクチュエータ10の先端に取り付けら
れている。
【0011】本実施の形態に適用した変位検出手段は、
アクチュエータ10の先端に取り付けられており、その
一例として、カンチレバー6の変位状態を光学的に検出
することが可能な変位センサ12を備えて構成されてい
る。この場合、変位センサ12として、例えば光てこ方
式の変位センサを適用することが好ましい。この光てこ
方式の変位センサは、カンチレバー6の背面(探針4が
形成された面とは反対側の面)に光(例えば、レーザー
光)を照射した際、背面から反射した反射光の光量変化
を検出することによって、カンチレバー6の変位状態
(例えば、撓み量や捻れ量)を検出することができるよ
うに制御されている。
【0012】本実施の形態に適用した制御系は、変位セ
ンサ12から出力される変位信号に基づいて、アクチュ
エータ10に制御信号を出力することによって、カンチ
レバー6の変位状態を一定に維持しつつ探針4を試料表
面2aに沿って、X,Y及びZ方向に走査させることが
可能なX制御ユニット14、Y制御ユニット16、Z制
御ユニット18を備えて構成されている。
【0013】X制御ユニット14には、探針4をZ方向
段差部2b(図2(a)参照)に沿ってZ方向に走査す
る際に、探針4先端とZ方向段差部2bとの間の距離を
常時一定に維持(即ち、カンチレバー6の変位状態を常
時一定に維持)させるためのXサーボ信号(いわゆるフ
ィードバック制御信号)Txを出力するXサーボ回路2
0と、探針4を試料表面2aに沿ってX方向に走査させ
るためのX走査信号Sxを出力するX走査信号発生回路
22と、Xサーボ信号Tx及びX走査信号Sxに加算処
理を施すことによってX制御信号Cxを継続的に出力す
るX加算回路24とが設けられている。
【0014】Y制御ユニット16には、探針4をZ方向
段差部2bに沿ってZ方向に走査する際に、探針4先端
とZ方向段差部2bとの間の距離を常時一定に維持(即
ち、カンチレバー6の変位状態を常時一定に維持)させ
るためのYサーボ信号(いわゆるフィードバック制御信
号)Tyを出力するYサーボ回路26と、探針4を試料
表面2aに沿ってY方向に走査させるためのY走査信号
Syを出力するY走査信号発生回路28と、Yサーボ信
号Ty及びY走査信号Syに加算処理を施すことによっ
てY制御信号Cyを継続的に出力するY加算回路30と
が設けられている。
【0015】Z制御ユニット18には、探針4を試料表
面2aに沿ってX方向若しくはY方向に走査する際に、
探針4先端と試料表面2aとの間の距離を常時一定に維
持(即ち、カンチレバー6の変位状態を常時一定に維
持)させるためのZサーボ信号(いわゆるフィードバッ
ク制御信号)Tzを出力するZサーボ回路32と、探針
4をZ方向段差部2bに沿ってZ方向に走査させるため
のZ走査信号Szを出力するZ走査信号発生回路34
と、Zサーボ信号Tz及びZ走査信号Szに加算処理を
施すことによってZ制御信号Czを継続的に出力するZ
加算回路36とが設けられている。
【0016】なお、上記の「探針4先端と試料表面2a
との間の距離を一定に維持させる」とは、探針4先端が
試料表面2aに接触している場合、即ち、探針4先端と
試料表面2aとの間に摩擦力や接触力が働いている場合
も含めた意味である。
【0017】また、各方向のサーボ回路、即ち、Xサー
ボ回路20、Yサーボ回路26及びZサーボ回路32
は、夫々、カンチレバー6の変位に基づいて、アクチュ
エータ10を制御するためのサーボ信号Tx,Ty,T
zを出力する。言い換えれば、各方向のサーボ回路は、
アクチュエータ10を動作させ、カンチレバー6の変位
を常時一定に保つフィードバック制御を行う構成の一部
と言える。
【0018】本実施の形態に適用した表面形状検出手段
8は、X制御ユニット14から出力されるX制御信号C
xに微分処理を施すことによって、そのX微分値dxを
継続的に出力するX微分回路38と、Y制御ユニット1
6から出力されるY制御信号Cyに微分処理を施すこと
によって、そのY微分値dyを継続的に出力するY微分
回路40と、Z制御ユニット18から出力されるZ制御
信号Czに微分処理を施すことによって、そのZ微分値
dzを継続的に出力するZ微分回路42と、各微分値d
x,dy,dzに基づいて、アクチュエータ10の制御
方向即ち探針4の移動方向を検出する制御方向検出回路
44と、この制御方向検出回路44の出力と閾値設定回
路46の閾値とを比較する制御方向比較回路48とを備
えて構成されている。
【0019】制御方向検出回路44は、X微分値dxと
Y微分値dyの合成ベクトル、X微分値dxとZ微分値
dzの合成ベクトル、Y微分値dyとZ微分値dzの合
成ベクトルに基づいて、探針4の移動方向を検出するこ
とができるように構成されている。例えば、XY平面内
に位置付けられた試料表面2aに沿ってX方向に探針4
を走査している場合、X微分値dxとZ微分値dzの合
成ベクトルのXY平面に対する角度変化に基づいて、試
料表面2aのZ方向の形状変化に対応した探針4の移動
方向を検出することができる。
【0020】閾値設定回路46は、例えばXY平面に対
する上記合成ベクトルの角度変化の基準となる閾値(基
準角度)を設定することができるように構成されてお
り、この閾値は、任意の値に設定することができる。
【0021】制御方向比較回路48は、上記閾値に対す
る上記合成ベクトルの成す角を比較することによって、
試料表面2aの形状変化を判定して、その判定信号Dを
各制御ユニット14,16,18に出力することができ
るように構成されている。
【0022】このような構成において、XY平面(水平
面)に沿って位置付けられた試料表面2aに沿って、カ
ンチレバー6の変位を一定に保つようにアクチュエータ
10を変位させ、探針4をZ方向(垂直方向)にフィー
ドバック制御しつつX方向に走査する場合、ホストコン
ピュータ(図示しない)によって、Y制御ユニット16
は、停止制御される。そして、試料表面2aが水平状態
になっていることを示す判定信号Dが、制御方向比較回
路48から出力されているとき、X走査信号発生回路2
2は、走査状態に制御され、Zサーボ回路32は、カン
チレバー6の変位を一定に保つようにアクチュエータ1
0をZ方向に変位させるフィードバック制御を行う。こ
のとき、Xサーボ回路20は、ホールド状態に、そし
て、Z走査信号発生回路34は、走査停止状態に制御さ
れる。
【0023】また、引き続きX方向に走査し、試料表面
2aがYZ平面(垂直状態)に変位している場合(図2
(a)におけるZ方向段差部2b)を考える。このと
き、試料表面2aがYZ平面(垂直状態)になっている
ことを示す判定信号Dが、制御方向比較回路48から出
力される。そして、Z走査信号発生回路34は、YZ平
面を基準にZ方向に走査状態に制御され、Xサーボ回路
22は、YZ平面を基準にX方向へのフィードバック制
御を行う。即ち、Z方向段差部2bと探針4との距離を
一定に保つように(カンチレバー6の変位を一定に保つ
ように)、アクチュエータ10をX方向に制御するので
ある。このとき、Zサーボ回路32は、ホールド状態に
制御され、そして、X走査信号発生回路22は、走査停
止状態に制御される。
【0024】なお、ホールド状態とは、Xサーボ回路2
0及びZサーボ回路32の出力(電圧)をサーボ切換時
の値に維持することを言う。ホールド状態にすること
で、アクチュエータ10が安定して制御されることが理
解できる。逆に、アクチュエータ10に与える電圧をホ
ールドせずに遮断した場合、アクチュエータ10は、電
圧が掛かっていない状態へ戻ろうとするため、電圧を遮
断する前と後の状態が変化してしまうのである。別の見
方をすれば、アクチュエータ10に与える電圧とは、走
査方向を切り換えたときのアクチュエータ10の状態を
保つためのオフセット電圧であると考えられる。
【0025】本実施の形態の表面形状測定装置は、XY
Z方向に変化する試料表面2aの形状に対応して、上述
したような走査制御及びフィードバック制御を適宜に切
り換えることができるように構成されている。
【0026】従って、以下に説明する本実施の形態の動
作では、その一例として、XY平面(水平面)に沿って
位置付けられた試料表面2aに沿って、探針4をZ方向
(垂直方向)にフィードバック制御しつつX方向(水平
方向)に走査する場合について、添付図面を参照して説
明する。
【0027】図2(a),(b)には、Z方向に段差部
2bが形成された試料表面2aに沿って、探針4をZ方
向にフィードバック制御しながらX方向にA点からD点
まで走査している状態が示されている。
【0028】この場合、閾値設定回路46の閾値(基準
角度θ)は、θ=45°に設定されており、ホストコン
ピュータ(図示しない)によって、Y制御ユニット16
は、停止制御される。そして、X走査信号発生回路22
は、XY平面に対して走査状態に制御され、そして、Z
サーボ回路32は、カンチレバー6の変位を一定に保つ
ようにアクチュエータ10をZ方向に変位させるフィー
ドバック制御を行う。このとき、Xサーボ回路20は、
ホールド状態に制御され、そして、Z走査信号発生回路
34は、走査停止状態に制御される。
【0029】このような状態において、走査開始前に、
カンチレバー6が所望の撓み量(初期設定値)となるよ
うに、Zサーボ回路32からのZサーボ信号Tzに基づ
いてアクチュエータ10を制御することによって、探針
4を試料表面2aに近接又は接触させる。
【0030】この後、カンチレバー6の撓み量が初期設
定値を維持するように、Z方向にフィードバック制御し
ながら探針4を試料表面2aに沿ってX方向(水平方
向)に走査する。なお、この走査としては、その一例と
して、走査型プローブ顕微鏡の測定方法のうち、スタテ
ィックモード測定を適用する。
【0031】この水平走査中において、探針4が、B点
(段差部2bの下端部)に到達したとき、Z方向のフィ
ードバック制御が大きく働く。このため、Z微分回路4
2のZ微分値dzが大きくなる。
【0032】このとき、制御方向検出回路44におい
て、tanθ1=dz/dxなる演算処理が行われるこ
とによって、X微分値dxとZ微分値dzの合成ベクト
ルの角度θ1が検出される。
【0033】続いて、制御方向比較回路48において、
角度θ1と基準角度θ=45°が比較される。そして、
θ1>θ=45°(図2(c)参照)となっている場
合、試料表面2aがZ方向(垂直方向)に大きく形状変
化していることが判定される。この場合、走査制御及び
フィードバック制御を切り換えるための判定信号Dが、
制御方向比較回路48からX及びZ制御ユニット14,
18に出力される。
【0034】このとき、Z走査信号発生回路34は、Z
方向走査状態に制御され、そして、Xサーボ回路22
は、カンチレバー6の変位を一定に保つようにアクチュ
エータ10をX方向に変位させるフィードバック制御を
行う。これに対して、Zサーボ回路32は、ホールド状
態に制御され、そして、X走査信号発生回路22は、走
査停止状態に制御される。
【0035】この結果、カンチレバー6の撓み量を初期
設定値に維持させるように、X方向のフィードバック制
御が行われると同時に、段差部2bの試料表面2aに沿
ってZ方向(垂直方向)に探針4が走査される。
【0036】この垂直走査中において、探針4が、C点
(段差部2bの上端部)に到達したとき、X方向のフィ
ードバック制御が大きく働く。このため、X微分回路3
8のX微分値dxが大きくなる。
【0037】このとき、制御方向検出回路44におい
て、tanθ2=dz/dxなる演算処理が行われるこ
とによって、X微分値dxとZ微分値dzの合成ベクト
ルの角度θ2が検出される。
【0038】続いて、制御方向比較回路48において、
角度θ2と基準角度θ=45°が比較される。そして、
θ2<θ=45°(図2(d)参照)となっている場
合、試料表面2aがX方向(水平方向)に大きく形状変
化していることが判定される。この場合、走査制御及び
フィードバック制御を切り換えるための判定信号Dが、
制御方向比較回路48からX及びZ制御ユニット14,
18に出力される。
【0039】このとき、X走査信号発生回路22は、X
方向走査状態に制御され、そして、Zサーボ回路32
は、カンチレバー6の変位を一定に保つようにアクチュ
エータ10をZ方向に変位させるフィードバック制御を
行う。これに対して、Xサーボ回路20は、ホールド状
態に制御され、そして、Z走査信号発生回路34は、走
査停止状態に制御される。
【0040】この結果、カンチレバー6の撓み量を初期
設定値に維持させるように、Z方向のフィードバック制
御が行われると同時に、試料表面2aに沿ってX方向
(水平方向)に探針4が走査される。
【0041】上述したような走査制御及びフィードバッ
ク制御によれば、X及びZ制御ユニット14,18から
表示部50に出力されたX及びZ制御信号Cx,Czに
基づいて、試料表面2aの表面情報が高精度に画像化さ
れることになる。従って、所定のタイミングでY制御ユ
ニット16からアクチュエータ10にY制御信号Cyを
出力しながら上述した表面形状測定を行うことによっ
て、試料表面2a全体に亘る表面形状を三次元的に画像
化することが可能となる。
【0042】また、例えば図3(a)に示すように、Z
方向(垂直方向)に段差部2bが形成された試料表面2
aに沿って、探針4をZ方向にフィードバック制御しな
がらY方向(水平方向)に走査する場合には、ホストコ
ンピュータ(図示しない)によって、X制御ユニット1
4は、停止制御される。そして、Y走査信号発生回路2
8は、Y方向走査状態に制御され、Zサーボ回路32
は、カンチレバー6の変位を一定に保つようにアクチュ
エータ10をZ方向に変位させるフィードバック制御を
行う。このとき、Yサーボ回路26は、ホールド状態に
制御され、Z走査信号発生回路34は、走査停止状態に
制御される。
【0043】この後、カンチレバー6の撓み量が初期設
定値を維持するように、Z方向にフィードバック制御し
ながら探針4を試料表面2aに沿ってY方向(水平方
向)に走査する。
【0044】そして、段差部2bを走査する場合には、
上記同様に、走査制御及びフィードバック制御を切り換
える。即ち、Z走査信号発生回路34は、Z方向走査状
態に制御され、そして、Yサーボ回路26は、カンチレ
バー6の変位を一定に保つようにアクチュエータ10を
Y方向に変位させるフィードバック制御を行う。これに
対して、Zサーボ回路32は、ホールド状態に制御さ
れ、そして、Y走査信号発生回路28は、走査停止状態
に制御される。
【0045】この結果、カンチレバー6の撓み量を初期
設定値に維持させるように、Y方向のフィードバック制
御が行われると同時に、段差部2bの試料表面2aに沿
ってZ方向(垂直方向)に探針4が走査される。
【0046】段差部2bの走査終了後、再びY方向(水
平方向)に探針4を走査する場合には、上記同様に、走
査制御及びフィードバック制御を切り換える。即ち、Y
走査信号発生回路28は、Y方向走査状態に制御され、
Zサーボ回路32は、フィードバック制御を行う。これ
に対して、Yサーボ回路26は、ホールド状態に制御さ
れ、そして、Z走査信号発生回路34は、走査停止状態
に制御される。
【0047】この結果、カンチレバー6の撓み量を初期
設定値に維持させるように、Z方向のフィードバック制
御が行われると同時に、試料表面2aに沿ってY方向
(水平方向)に探針4が走査される。
【0048】上述したような走査制御及びフィードバッ
ク制御によれば、Y及びZ制御ユニット16,18から
表示部50に出力されたY及びZ制御信号Cy,Czに
基づいて、試料表面2aの表面情報が高精度に画像化さ
れることになる。従って、所定のタイミングでX制御ユ
ニット14からアクチュエータ10にX制御信号Cxを
出力しながら上述した表面形状測定を行うことによっ
て、試料表面2a全体に亘る表面形状を三次元的に画像
化することが可能となる。
【0049】このように本実施の形態によれば、簡単な
構成によって高精度に表面形状を測定することが可能な
低価格な表面形状測定装置を提供することができる。な
お、本発明は、上述した実施の形態の構成に限定される
ことは無く、新規事項を追加しない範囲で種々変更する
ことができる。
【0050】上記実施の形態では、その一例として、閾
値(基準角度θ)を45°に設定しているが、例えば4
5°以上の凹凸及び45°以下の凹凸が任意に連続して
いる試料表面2aを測定する場合、上述した走査制御及
びフィードバック制御の切換動作が頻繁に生じてしまう
ため、測定精度を一定に維持することが困難になってし
まう場合がある。この場合には、閾値を適当な許容範囲
に設定することが好ましい。例えば、試料表面2aの垂
直情報を検出する際の閾値θを60°とし、水平情報を
検出する際の閾値θを30°とする。このように閾値を
設定することによって、例えば45°以上の凹凸及び4
5°以下の凹凸が任意に連続している試料表面2aを高
精度に測定することが可能となる。
【0051】また、表面形状検出手段8、X制御ユニッ
ト14、Y制御ユニット16、Z制御ユニット18を1
つ又は複数のプロセッサと複数のA/D変換器及びD/
A変換器から構成しても良い。この場合、上記走査制御
及びフィードバック制御は、デジタル処理によって行わ
れる。
【0052】また、上記実施の形態において、探針4
は、試料表面2aに対して所定の傾斜角度で位置付けら
ているが、試料表面2aに略直交する方向に探針4を位
置付けても上記同様の作用効果を実現することができ
る。
【0053】また、上記実施の形態には、スタティック
モード測定法を適用したが、カンチレバー6を所定の周
波数(例えば、カンチレバー6の共振周波数)で振動さ
せながら走査するダイナミックモード測定法を適用して
も上記同様の作用効果を実現することができる。この場
合、電圧を印加することによって所定の周波数で振動す
る振動機構(例えば、圧電素子)をカンチレバー6の支
持部(図示しない)に取り付ければ良い。そして、上記
同様、試料表面2aの形状変化に対応して振動中心が試
料表面2aから常に一定の距離に維持されるように、フ
ィードバック制御することによって、段差部2bを有す
る試料表面2aに沿って探針4を正確に走査させること
ができる。
【0054】また、図3(b)に示すように、先端が円
錐状に拡大した探針4(例えば、米国特許出願第07/
568451号参照)を用いることによって、試料表面
2aに形成されている凹部2cの両側壁の表面形状を高
精度に測定することが可能である。ただし、凹部2cが
エッチング処理によって形成されている場合には、両側
壁の形状は、左右対称である。従って、上記実施の形態
のような先端が円錐状に先鋭化した探針4を用いた場合
でも、片側の側壁の形状を測定するだけで、凹部2c全
体の表面形状を高精度に測定することができる。
【0055】また、上記実施の形態では、表示部50に
出力されたX,Y及びZ制御信号Cx,Cy,Czに基
づいて、試料表面2aの表面情報を画像化しているが、
アクチュエータ10の先端のXYZ方向の変位を検出可
能なX,Y及びZセンサ(例えば、特開平7−1102
33号公報参照)の出力に基づいて、試料表面2aの表
面情報を画像化しても良い。
【0056】また、本発明を簡単に説明すると、試料2
と探針4とを相対的に走査し、この走査方向と垂直な方
向にフィードバック制御を行い、試料2上の微小な範囲
の走査量に対する走査方向と垂直な方向の変位が所定量
を越えた場合(設定した閾値を越えた場合)、逆に、走
査方向にフィードバック制御が行われ、フィードバック
制御が行われていた走査方向と垂直な方向に試料2と探
針4との相対的な走査が行われる。また、前記閾値は、
走査方向ベクトルと走査方向に垂直な方向の変位ベクト
ルとから求まる合成ベクトルの走査方向に対する角度で
ある。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な構成によって高
精度に表面形状を測定することが可能な低価格な表面形
状測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る表面形状測定装置
の構成を概略的に示す図。
【図2】(a)は、段差部が形成された試料表面に沿っ
て探針をフィードバック制御しながら走査している状態
を示す斜視図、(b)は、同図(a)の側面図、(c)
は、制御方向比較回路の比較処理プロセスを模式的に示
す図、(d)は、制御方向比較回路の比較処理プロセス
を模式的に示す図。
【図3】(a)は、段差部が形成された試料表面に沿っ
て探針をフィードバック制御しながら走査している状態
を示す斜視図、(b)は、本発明の変形例に係る表面形
状測定装置の探針の部分の構成を示す斜視図。
【符号の説明】
2 試料 2a 試料表面 4 探針 6 カンチレバー 8 表面形状検出手段 10 アクチュエータ 12 変位センサ 14 X制御ユニット 16 Y制御ユニット 18 Z制御ユニット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意の表面形状を有する試料の試料表面
    に沿って走査可能な探針を有するカンチレバーと、 前記探針と前記試料とを相対的に移動させる移動手段
    と、 前記探針と前記試料との間に働く相互作用によって生じ
    る前記カンチレバーの変位を検出する変位検出手段と、 この変位検出手段から出力される変位信号に基づいて、
    前記移動手段に制御信号を出力することによって、前記
    カンチレバーの変位状態を一定に維持しつつ前記探針を
    前記試料表面に沿って相対的に走査させることが可能な
    制御系と、 この制御系から出力される制御信号に所定の演算を施す
    ことによって、前記試料の表面形状を検出可能な表面形
    状検出手段とを備えており、 前記表面形状検出手段から出力される表面形状検出信号
    に基づいて、前記制御系から前記移動手段に制御信号を
    出力することによって、前記試料表面の変化状態に対応
    しつつ且つ前記カンチレバーの変位状態を一定に維持し
    つつ前記探針を前記試料表面に沿って相対的に走査させ
    ることが可能な表面形状測定装置。
  2. 【請求項2】 前記制御系は、前記カンチレバーの変位
    状態を一定に維持しつつ前記探針を前記試料表面に沿っ
    て三次元方向に相対的に走査させることが可能な第1乃
    至第3の制御ユニットを備えて構成されていることを特
    徴とする請求項1に記載の表面形状測定装置。
  3. 【請求項3】 前記表面形状検出手段は、前記第1乃至
    第3の制御ユニットから出力される夫々の制御信号に微
    分処理を施す微分回路と、この微分回路から出力される
    微分値に基づいて、前記移動手段の制御方向を検出する
    制御方向検出回路と、この制御方向検出回路の出力と所
    定の閾値とを比較する制御方向比較回路とを備えている
    ことを特徴とする請求項2に記載の表面形状測定装置。
JP10597497A 1997-04-23 1997-04-23 表面形状測定装置 Withdrawn JPH10300759A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10597497A JPH10300759A (ja) 1997-04-23 1997-04-23 表面形状測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10597497A JPH10300759A (ja) 1997-04-23 1997-04-23 表面形状測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10300759A true JPH10300759A (ja) 1998-11-13

Family

ID=14421746

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10597497A Withdrawn JPH10300759A (ja) 1997-04-23 1997-04-23 表面形状測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10300759A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8660085B2 (en) 2006-12-04 2014-02-25 Qualcomm Incorporated Methods and apparatus for transferring a mobile device from a source eNB to a target eNB
JP2023015071A (ja) * 2017-04-07 2023-01-31 インフィニテシマ リミテッド プローブチップの傾斜角を制御する走査プローブシステム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8660085B2 (en) 2006-12-04 2014-02-25 Qualcomm Incorporated Methods and apparatus for transferring a mobile device from a source eNB to a target eNB
US8873513B2 (en) 2006-12-04 2014-10-28 Qualcomm Incorporated Methods and apparatus for transferring a mobile device from a source eNB to a target eNB
JP2023015071A (ja) * 2017-04-07 2023-01-31 インフィニテシマ リミテッド プローブチップの傾斜角を制御する走査プローブシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102272610B (zh) 动态探针检测系统
JP2501282B2 (ja) 原子間力走査顕微鏡を使用した表面プロフィル検査方法及びその装置
JP5252389B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡
US20090140142A1 (en) Scanning probe microscope and measuring method thereby
US7581438B2 (en) Surface texture measuring probe and microscope utilizing the same
JP3515364B2 (ja) サンプル表面の形状的特徴を調べる装置、方法および記録媒体
Ngoi et al. Two-axis-scanning laser Doppler vibrometer for microstructure
JP5464932B2 (ja) 形状測定方法及び形状測定装置
JPH10300759A (ja) 表面形状測定装置
JPH11190616A (ja) 表面形状測定装置
US8225418B2 (en) Method for processing output of scanning type probe microscope, and scanning type probe microscope
JP2002031589A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP3560095B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP2003014605A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP2005147979A (ja) 走査形プローブ顕微鏡
JP2003014611A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JPH10104245A (ja) 微小変位測定装置
JPH09166607A (ja) 走査型プローブ顕微鏡およびその測定方法
JP3588701B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡およびその測定方法
JPH10267950A (ja) 横励振摩擦力顕微鏡
JPH0915137A (ja) 摩擦力測定装置および走査型摩擦力顕微鏡
JP2000275260A (ja) 走査型プローブ顕微鏡及びその測定方法
JP2003028772A (ja) 走査型プローブ顕微鏡およびその測定設定方法
JP2002022637A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JPH04171646A (ja) 原子間力顕微鏡装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040706