JPH10299458A - 排ガスフィルタ浄化装置及び排ガスフィルタ浄化方法 - Google Patents

排ガスフィルタ浄化装置及び排ガスフィルタ浄化方法

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JPH10299458A
JPH10299458A JP9104460A JP10446097A JPH10299458A JP H10299458 A JPH10299458 A JP H10299458A JP 9104460 A JP9104460 A JP 9104460A JP 10446097 A JP10446097 A JP 10446097A JP H10299458 A JPH10299458 A JP H10299458A
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exhaust gas
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regeneration
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義信 鍬本
Tatsuo Fukuda
健生 福田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタに付着しているパティキュレートの
状況を事前に把握することによって、最適使用電力量に
よってフィルタの燃焼再生を可能とするとともに再生が
不可能な程度の堆積量の場合には燃焼再生を自動的に中
断してフィルタの溶損等を防止することを目的とする。 【解決手段】 一定流量の再生空気を送るエアブロア7
と電気ヒータ4との間の領域または電気ヒータ4とフィ
ルタ3との間の領域の少なくとも1か所以上に圧力セン
サ1a,1bを備え、この圧力センサ1a,1bの少な
くとも1か所の値を基にフィルタ3に付着したパティキ
ュレートの捕集量を推定し、この推定値に応じて電気ヒ
ータ4への通電時間及びエアブロア7の送風時間を制御
する。また、過度にフィルタ3内にパティキュレートが
付着があると判断したときに、再生を中断して異常燃焼
によるフィルタ3のクラック及び溶損を未然に防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼル機関等
から排出されるパティキュレート(煤等の可燃性微粒
子)等をフィルタによって捕集し、捕集したものを燃焼
させることによってフィルタを再生する排ガスフィルタ
浄化装置及び排ガスフィルタ浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年ディーゼルエンジンが排出するパテ
ィキュレート(煤)が環境保護や健康上の理由から規制
され始めている。このパティキュレートを取り除き、デ
ィーゼルエンジンの排ガスを浄化するには、排気管の途
中に耐熱性のセラミックハニカムのフィルタを取り付
け、このフィルタによってパティキュレートを濾過する
方法がある。このようなセラミック製のフィルタを備え
るものでは、ある程度パティキュレートがフィルタに堆
積したとき、これに火をつけて燃焼させて炭酸ガスに変
えて大気に放出し、セラミックフィルタをクリーンに再
生し、繰り返し使用することである。この操作は、一般
に燃焼再生(リジェネレーション)と呼ばれている。
【0003】ディーゼルエンジンの排ガスは、一般的に
パティキュレートの着火温度より低いので、そのままで
はパティキュレートは燃焼せず、フィルタに堆積するだ
けで、これによって排気圧力が過度に上昇することにな
り、エンジン及びエミッション性能を低下させる。した
がって、燃焼再生には何らかの方法によって排ガス温度
を上げるか、又はフィルタ温度を上げることが必要とさ
れている。
【0004】これに対し、排気系に2個のフィルタを別
途に備え、これらのフィルタによって排ガス浄化を交互
に行う方式が既に提案されいる。この方式では、燃焼再
生は排ガス濾過中ではなくてある程度パティキュレート
が堆積した後、排ガス浄化をもう一方のフィルタで行っ
ているときに、他方のフィルタにおいて燃焼再生が実施
される。なお、燃焼のための昇温手段としては、電気ヒ
ータ、バーナ、マイクロ波等が用いられる。
【0005】また、屋内作業用のディーゼルエンジン駆
動のフォークリフト等では、フィルタにパティキュレー
トが堆積したら、エンジンを停止した後に外部電源やバ
ッテリから電力を供給してフィルタを加熱することによ
って、再生する排ガスフィルタ浄化装置が適用されてい
る。
【0006】図13は従来例におけるディーゼル機関の
排ガス浄化装置の概略構成を示す模式図である。
【0007】図において、108a,108bはセラミ
ックハニカム製のフィルタ、120a,120bはフィ
ルタ108a,108bそれぞれを加熱するための電気
ヒータ、106はエンジン排ガス流路を制御する弁、1
11は燃焼再生のための二次空気の導入弁、118a,
118bは燃焼再生のための再生用空気の排気弁、11
3は再生用空気供給のためのエアポンプ、104,10
5a,105b,109a,109bはそれぞれエンジ
ン排ガスの流路配管、110a,110b,119a,
119b,112は燃焼再生の再生用空気及びその排気
の流路配管、116はエアポンプ113や弁106,導
入弁111,排気弁118a,118bや電気ヒータ1
20a,120bを制御するコントローラ、102はデ
ィーゼルエンジン、103はマニホールド、107a,
107bはフィルタ108a,108bを収納する容器
である。
【0008】以上のような構成の排ガス浄化装置のフィ
ルタ再生についての動作は次のとおりである。
【0009】一方のフィルタ108aが排ガス浄化に使
用されている期間において、フィルタ前後の差圧または
フィルタ上流側の圧力を測定する圧力センサ(図示せ
ず)等の捕集量検知装置で、再生開始時期と判断する。
この時期まで配管104から配管105aに流れていた
排ガスは、弁106及び導入弁111の作動切り替えに
より、配管104から配管105bに流れてフィルタ1
08bを通過して浄化された後に配管109bから流出
する。
【0010】一方、再生開始時期と判断されたフィルタ
108aは、電気ヒータ120aに通電されて加熱され
ると同時に、導入弁111が開いてエアポンプ113か
ら配管110aを経由して再生用空気がフィルタ108
aに供給される。ある時間経過すると、電気ヒータ12
0aの加熱によってフィルタ108aの温度がパティキ
ュレート着火温度に達し、パティキュレートが燃焼を開
始し、このとき発生する燃焼排ガスは配管119aから
流出する。そして、ある時間経過後には電気ヒータ12
0aへの通電が終了し、再生用空気のみによるパティキ
ュレート燃焼が継続する。この燃焼は、パティキュレー
トの火炎伝播によって実現される。
【0011】更にある時間経過すると、燃焼再生が完了
したと判断して、エアポンプ113が停止して排気弁1
18aが閉じることにより再生用空気の供給も終了し、
フィルタ108aは浄化待機の状態になる。
【0012】その後、圧力センサ等の捕集量検知装置で
フィルタ108bが再生開始時期に達したと判断される
と、フィルタ108aの再生処理の要領で、上記の各部
材に付した符号のうち上記の記号aとbを入れ換えた記
載に相当する動作が継続し、2個のフィルタ108a,
108bのそれぞれについて交互に排ガス浄化及び燃焼
再生を繰り返す。
【0013】ここで、上記のフィルタ108a,108
bのそれぞれの浄化及び再生のサイクルにおいて不可欠
なフィルタの捕集量の推定の操作のための構成例として
は次のようなものがある。
【0014】たとえば、特開昭58−48831号公報
には、エンジン稼働時にフィルタで排ガス濾過中に、フ
ィルタ上流に設置した排気管圧を検知し、この検知信号
をフィルタ再生の開始時期の信号として受け入れる構成
が記載されている。これは、エンジン運転中に背圧を継
続して検知するようにし、フィルタはその吸着能力が飽
和に至ると背圧が上昇するので、圧力センサがこの背圧
上昇を検知し、このときの検知信号をフィルタの再生開
始信号として利用しようとするものである。
【0015】すなわち、背圧はエンジンの回転数やアク
セルの開度等の運転条件と対応しているので、排気系統
のコンピュータのメモリ内にエンジンの回転数及びアク
セル開度等の運転状態に応じた上限の背圧値を予め入力
しておけば、運転中にエンジンの回転数とアクセル開度
を計測することでその回転数に応じた所定背圧を計算す
ることができる。したがって、この計算値と実測背圧と
を比較することにより、フィルタ内に付着したパティキ
ュレート等の捕集量の推定が可能である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】図13に示した従来の
排ガス浄化装置では、再生用空気の一定流量が0.05
〜2000リットル/分の範囲で必要とされる。そし
て、異常燃焼が発生することがない安定した燃焼条件の
確保及び送風手段の能力から、好ましくは300〜90
0リットル/分の再生用空気の一定流量が要求されてい
る。また、再生用空気の温度としては、フィルタ内温度
が600℃前後(好ましくは、600℃以上)であるこ
とが燃焼再生のためには必須であり、この温度を維持で
きる電気ヒータ発熱体表面の温度は700〜800℃と
なる。このため、電気ヒータの仕様としては、7〜9k
Wの容量が必要であり、外部電源としては商用電源AC
200V3相となる。
【0017】先に挙げた、屋内作業用のディーゼルエン
ジン駆動のフォークリフトでは、フィルタにパティキュ
レート等が堆積したら、作業を中断させてエンジンを停
止し、外部電源(AC200V3相)から電力を供給し
てフィルタを再生する。この場合、フィルタに付着した
パティキュレート等の量に拘わらず、再生時間は最大1
時間を目安とすることが一般的である。このような時間
の設定の理由は、作業者の休憩時間(例えば、昼休み時
間)が約1時間程度であり、この休憩時間内に再生作業
を完了させれば、作業を中断する支障がないからであ
る。ところが、作業の中断による実稼働で支障がないも
のの、加熱に必要な使用電力量が多大となる傾向にあ
り、たとえば容量が7〜9kWの電気ヒータを約1時間
使用して対応するような場合では消費電力量が膨大なも
のとなる。
【0018】また、フィルタに付着したパティキュレー
ト等の量については、先に述べたように、排気管圧の検
知信号を利用して検出することが可能である。
【0019】しかしながら、この従来方式では、たとえ
ばアクセルペダルの踏み込まれる加減速運転時等の過渡
状態やフィルタの再生時期に誤検知が生じやすい。すな
わち、加減速運転時にはエンジンの回転数やアクセル開
度は時間的に変化しているので検知系の遅れ要因の発生
が避けられず、その結果、実測されるエンジンの回転数
とアクセル開度とから計算される設定背圧値がフィルタ
の吸着能力の飽和度との対応に誤差が生じてくる。この
とき、フィルタ内に付着したパティキュレート等の量が
過大になりすぎる場合がある。したがって、電気ヒータ
による火炎伝播で燃焼させる排ガスフィルタ浄化装置で
は、部分的にパティキュレートの燃え残りが発生するこ
とになり、排ガス浄化のための捕集と燃焼再生とが繰り
返し行われると、パティキュレートの燃え残りによって
異常燃焼を招くことがある。このため、フィルタ自身が
高温になってクラックを発生したり溶損を引き起こすこ
とになる。このようなクラック及び溶損は、フィルタの
機能を大きく損なうので、フィルタの新品への交換また
は損傷していないフィルタへの交換を余儀なくされ、実
用化に向けての大きな障害となっている。
【0020】本発明は、フィルタに付着しているパティ
キュレートの状況を事前に把握することによって、最適
使用電力量によってフィルタの燃焼再生を可能とすると
ともに再生が不可能な程度の堆積量の場合には燃焼再生
を自動的に中断してフィルタの溶損等を防止する排ガス
フィルタ浄化装置及び排ガスフィルタ浄化方法を提供す
ることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、通過する排ガ
ス中からパティキュレート等を捕集するフィルタと、こ
のフィルタを収納するフィルタ収納容器と、このフィル
タ収納容器内に排ガスを供給する第1の配管と、フィル
タ収納容器から浄化された排ガスを放出する第2の配管
と、フィルタを加熱する電気ヒータと、一定流量の再生
用空気を送る送風手段とを備えた排ガスフィルタ浄化装
置であって、送風手段と電気ヒータの間の領域または電
気ヒータとフィルタの間の領域の少なくとも1か所以上
に配置した圧力センサと、フィルタを加熱して付着した
パティキュレートを燃焼させるとき少なくとも一つの圧
力センサによる圧力検知値に基づきフィルタに付着した
パティキュレートの捕集量を推定する捕集量推定手段と
を備えたものである。
【0022】これにより、フィルタに付着したパティキ
ュレート等の量を精度良く推定することが可能で、その
精度良く推定した量に応じ、電気ヒータの通電時間、及
び送風手段の送風時間を制御することにより、使用電力
の削減を可能にする排ガスフィルタ浄化装置が得られ
る。又、過度にフィルタ内にパティキュレート等が付着
していると判断した場合においては、その判断した時点
で、再生を中断することにより、事前に異常燃焼により
フィルタのクラック及び溶損を発生させないようにする
ことができる。
【0023】より具体的には、パティキュレート等の量
が比較的少ない場合、再生時間が1時間必要とせず、再
生時間が30分以内で終了するというように、再生時間
を短縮できるように制御することで使用電力量の削減に
つながり好都合である。
【0024】また、過度にフィルタ内にパティキュレー
ト等が付着していると判断した場合においては、その判
断した時点で、再生を中断することにより、事前に異常
燃焼によりフィルタのクラック及び溶損を発生させない
ようにすることができる。そして、フィルタを排ガスフ
ィルタ浄化装置から取り外し、電気炉内等でフィルタ内
に付着したパティキュレート等を燃焼させフィルタを再
生しさえすれば、再度排ガスフィルタ浄化装置に取り付
けることにより使用できる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、通過する排ガス中からパティキュレート等を捕集す
るフィルタと、このフィルタを収納するフィルタ収納容
器と、このフィルタ収納容器内に排ガスを供給する第1
の配管と、フィルタ収納容器から浄化された排ガスを放
出する第2の配管と、フィルタを加熱する電気ヒータ
と、一定流量の再生用空気を送る送風手段とを備えた排
ガスフィルタ浄化装置であって、送風手段と電気ヒータ
の間の領域または電気ヒータとフィルタの間の領域の少
なくとも1か所以上の圧力を検知する圧力センサと、フ
ィルタを加熱して付着したパティキュレートを燃焼させ
るとき少なくとも一つの圧力センサによる圧力検知値に
基づきフィルタに付着したパティキュレートの捕集量を
推定する捕集量推定手段とを備えたものであり、パティ
キュレートを燃焼させる際、フィルタ内に付着したパテ
ィキュレート等の量を推定可能であるという作用を有す
る。
【0026】請求項2に記載の発明は、電気ヒータとフ
ィルタの間に温度センサを備えたものであり、温度セン
サの値に基づいて再生用空気の温度を検知できるという
作用を有する。
【0027】請求項3に記載の発明は、フィルタを加熱
してパティキュレートを燃焼させるとき、電気ヒータ通
電中において、温度センサの値を基に電気ヒータの出力
を制御する手段を備えたものであり、再生用空気の温度
を検知し、電気ヒータの出力を制御することにより、そ
の再生用空気の温度を制御できるという作用を有する。
【0028】請求項4に記載の発明は、圧力センサの少
なくとも1か所の値及び温度センサの値を基に、フィル
タに付着したパティキュレートの捕集量を推定する捕集
量推定手段と、推定したパティキュレートの捕集量に応
じてフィルタを加熱する電気ヒータ通電時間及び送風時
間を制御する制御手段を備えたものであり、再生用空気
の温度を検知し、圧力センサの値を基にパティキュレー
ト等の量を推定し、その推定したパティキュレート等の
量に応じ、フィルタを加熱する電気ヒータ通電時間、及
び一定流量の再生用空気を供給する送風手段による送風
時間を制御できるという作用を有する。
【0029】請求項5に記載の発明は、推定したパティ
キュレートの捕集量に応じ、フィルタを加熱する電気ヒ
ータの通電停止及び送風を停止させる制御手段を備えた
ものであり、特に過度にパティキュレート等が付着して
いると判断した場合、フィルタを加熱する電気ヒータの
通電停止、及び送風手段による送風を停止でき、異常燃
焼によるフィルタのクラック及び溶損を回避できるとい
う作用を有する。
【0030】請求項6に記載の発明は、通過する排ガス
の中からパティキュレート等を除去するフィルタを一定
流量の再生用空気で加熱して、フィルタに付着したパテ
ィキュレート等を燃焼させる排ガスフィルタ浄化方法で
あって、フィルタに付着したパティキュレート等の量に
応じ、フィルタを加熱する時間及び一定流量の再生用空
気を供給する時間をそれぞれ制御するものであり、フィ
ルタの加熱時間及び再生用空気の供給を最適化した操作
が可能になるという作用を有する。
【0031】請求項7に記載の発明は、フィルタに付着
したパティキュレートを燃焼させるとき、再生用空気の
温度が500℃以下の期間では、フィルタ手前の圧力値
を検出し、この検出値に基づいてフィルタに付着したパ
ティキュレートの量を推定するものであり、パティキュ
レート等の成分が燃焼開始しない温度域において精度良
くパティキュレート等の量を推定できるという作用を有
する。
【0032】以下、本発明の実施の形態について、図1
ないし図5を用いて説明する。図1は本発明の実施の形
態における排ガスフィルタ浄化装置を示す概略図であ
る。
【0033】図1の(a)に示す例は、フィルタ3を内
蔵したフィルタ収納容器5の中に、一定流量の再生用空
気を供給するための手段として、エアブロア7と電気ヒ
ータ4の間の領域及び電気ヒータ4とフィルタ3の間の
領域のそれぞれ2カ所に圧力センサ1a,1bを配置し
たものである。これらの圧力センサ1a,1bによって
それぞれ対応している領域の圧力を測定し、その圧力差
が一定の目標差圧値になるようにエアブロア7の出力を
制御し、再生用空気流量が一定になるように構成してい
る。そして、フィルタ収納容器5には、エアブロア7と
の間に再生用空気導入配管11を接続するとともにフィ
ルタ3の下流には排ガス排出配管10を連結し、更にデ
ィーゼルエンジンのマニホールドに連通する排ガス導入
配管9を接続している。なお、8は再生用空気導入配管
11に組み込んだ開閉用のバルブである。
【0034】圧力センサ1a,1bは、再生用空気の流
路内圧力を測定するものであり、これらはダイアフラム
に金属線歪みゲージを接着した電気抵抗形の圧力変換器
と圧力をダイアフラムまで導く導圧管とを備えた従来周
知のものである。
【0035】フィルタ収納容器5に取り付けた圧力セン
サ1bは、電気ヒータ4とフィルタ3との間には位置し
ていないが、フィルタ収納容器5内に含まれていて電気
ヒータ4とフィルタ3との間からの圧力伝播に際しての
圧力降下等がないので、圧力検出に際しては何ら問題は
ない。また、圧力センサ1bの導圧管を電気ヒータ4と
フィルタ3の間まで延ばしてもよいが、導圧管の途中や
圧力センサ固定部分等に空気の漏れる箇所があれば、正
確な圧力測定ができないので配慮する必要がある。
【0036】なお、圧力センサ1a,1bの種類として
は、受圧ダイアフラムの変位を感知して圧力へ変換する
ものが殆どで、その変位を金属線歪みゲージや結晶格子
の変形による電気抵抗が変化する半導体を用いたものが
ある。その他に、ピエゾ圧電形,電磁誘導形,静電容量
形,振動形圧力変換器などの圧力センサの種類がある。
【0037】電気ヒータ4とフィルタ3との間には、フ
ィルタ3に入る直前の加熱された再生用空気の温度を測
定するため、熱電対を利用した温度センサ2を配置す
る。
【0038】パティキュレートを捕集するフィルタ3
は、ウォールスルータイプのハニカム構造で、材質とし
てはコージェライトやムライト及びチタン酸アルミニュ
ーム等の熱膨張係数が小さくて耐熱衝撃性及び耐熱溶融
性に優れた材料が用いられる。
【0039】フィルタ3の形状は、円筒形のものが殆ど
であるが楕円筒形や方形でもよく、まが大きさは、直径
4〜13インチ,長さ5〜14インチで、セル数は1イ
ンチ平方あたり50〜400個であり、酸化触媒を設け
るようにしてもよい。フィルタ3に捕集されるパティキ
ュレートの捕集量は、フィルタの単位体積(1リット
ル)あたりの重量(グラム)で表して1〜30g/リッ
トル程度である。
【0040】再生用空気を加熱する手段として備える電
気ヒータ4は、発熱体と空気が接触する構造としたもの
で、発熱体としてはニクロム線,カンタル線,セラミッ
クヒータ等がある。加熱する空気量に応じてヒータ容量
を決めるのは当然であり、また電気ヒータ4の圧力損失
が大きいほど熱交換時間が長くなるので熱変換効率が向
上することも無論である。
【0041】フィルタ収納容器5は、耐熱性のある金属
を使用したもので、フィルタ3との間には蛭石等を含有
して熱によって膨張する材質のシール材6を介在させる
ことによって、パティキュレートの漏れを防止する。な
お、このフィルタ収納容器5の放熱によってフィルタの
内外周の温度差が発生するので、セラミックウールなど
の断熱材で包み込んだり真空断熱容器にする等の断熱構
造を持たせることが好ましい。
【0042】エアブロア7は、ダイアフラム式のエアポ
ンプと比較して静圧を低くして使えるようにした軸流送
風機であり、排ガスのエアブロア7への流入を防止する
ために再生用空気導入配管11の中途にはバルブ8を組
み込んでいる。
【0043】また、排ガス導入配管9及び排ガス排出配
管10は耐熱性及び耐食性を有する金属を素材としたも
ので、特にステンレス鋼を用いるほうが好ましい。な
お、これらの排ガス導入配管9及び排ガス排出配管10
の内径は、エンジンの排気量によって変更することは当
然である。
【0044】再生用空気の流量としては、0.05〜2
3/分であって多ければ多い程よいが、送風手段の能
力から1m3/分程度以下が適当である。また、1m3
分程度の空気を加熱するには多大な電力が必要となるた
め、加熱空気の循環やエンジン排ガス利用等の電力削減
手段を設けることが好ましい。
【0045】パティキュレートの成分の一つに可溶性有
機物(SOF)があり、フィルタ3に捕集されても、再
生中に燃焼しないままで蒸発して大気中に放出されるの
で、フィルタ3の前または後に貴金属等を担持したSO
F酸化触媒を設けることが好ましい。
【0046】温度センサ2は、シースタイプの熱電対や
白金抵抗体等の比較的高温を検知できるものであればよ
いが、排ガスに曝されるので耐食性が良いものが好まし
く、放射伝熱による指示温度の低下を防ぐように温度セ
ンサの配置を考慮することが好ましい。その他のサーミ
スタについても同様に実施可能である。
【0047】なお、排ガス導入から排出の流路を図示の
単一のものとするのに代えて、その他の排ガス流路が二
つ以上に分岐してフィルタが交互に捕集再生を実施する
自動再生システムについても同様に実施可能である。
【0048】更に、以上の図1の(a)の構成に代え
て、一定流量の再生用空気を供給するために図1の
(b)に示すように、例えば流量計12を圧力センサ1
aの箇所に配置し、流量計12の値に基づいてエアブロ
ア7の出力を制御することによって、再生用空気流量が
一定になるような構成としてもよい。そして、圧力セン
サ1a,1bはエアブロア7と電気ヒータ4の間の領域
または電気ヒータ4とフィルタ3の間の領域の少なくと
も1か所でもよく、図1の(b)の例では圧力センサ1
bだけを備えている。
【0049】図2は本発明の実施の形態における排ガス
フィルタ浄化のフローチャートであり、その作動を順に
説明する。
【0050】まず、ステップ1において、フィルタ3の
目詰まりまたはエンジンの運転時間等により、再生を実
施すべきかどうかの判断を実施する。ここで、Noであ
れば、目詰まりの監視あるいはエンジンの運転時間の積
算を継続する。
【0051】ステップ1で再生時期と判断すると、ステ
ップ2に移行して再生のための準備を実施する。この準
備段階では、フィルタを2個以上有する装置において
は、排ガスの流路を切り替える操作を行い、フィルタが
1個のシステムにおいては、エンジンを停止して排ガス
のフィルタ3への流入を遮断すればよい。
【0052】次に、再生操作のスタートとして、電気ヒ
ータ4とエアブロア7に電圧を印加し、ステップ4にお
いて圧力センサ1aと1bの圧力差と目標差圧を比較す
る。
【0053】この圧力差と目標差圧が一致していないと
きには、ステップ5においてその差に応じて演算して、
エアブロア7に対する印加電圧を増減する。ステップ6
において、再生操作がスタートしてからの時間に応じて
目標温度を設定し、実際に測定する温度センサ2の温度
と比較する。この実測温度と目標温度が一致していない
ときは、ステップ7へ移行し、その温度差に応じて演算
を実施し、電気ヒータ4のオン/オフ時間比を変更す
る。次いでステップ8に移行し、圧力センサ1a,1b
の何れか一カ所の圧力値及び温度センサ2の温度値を基
にして捕集量を推定し、推定した捕集量に応じ再生パタ
ーン(再生時間)を決定するとともに目標温度の設定を
行う。
【0054】更にステップ9に移行して圧力センサ1
a,1bの圧力差と目標差圧を比較し、これらが一致し
ていないときには、ステップ10においてその差に応じ
て演算し、エアブロア7に対する印加電圧を増減する。
一致しているときはステップ11に移行し、再生パター
ンを決定した時点からの時間に応じて、目標温度を設定
し、実際に測定する温度センサ2の温度と比較する。こ
れらの温度が一致していない場合は、ステップ12へ移
行してその温度差に応じて演算を実施し、電気ヒータ4
のオン/オフ時間比を変更する。
【0055】最後に、ステップ13に移行して再生終了
判断を実施し、再生終了でなければステップ9に戻って
同じ動作を繰り返し、再生終了と判断すればステップ1
4に移行して、電気ヒータ4とエアブロア7の電源を切
る。
【0056】以上の例は、一定流量の再生用空気を供給
するための手段として、送風手段であるエアブロア7と
電気ヒータ4の間の領域と電気ヒータ4とフィルタ3の
間の領域の2か所に圧力センサ1a,1bを配置し、各
々の圧力を測定し、その圧力差が一定の目標差圧値にな
るように送風手段エアブロア7の出力を制御し、再生用
空気流量を一定になるように構成したものである。これ
に代えて、一定流量の再生用空気を供給するための手段
として、図1の(b)で示したように、圧力センサ1a
の箇所に配置した流量計12の値を基にして、エアブロ
ア7の出力を制御して再生用空気流量が一定になるよう
に制御してもよい。このような操作では、図3のフロー
チャートに示すように、ステップ4及びステップ9にお
いては流量計12から得られる流量値と目標流量を比較
することになり、その他については同様な動作となる。
【0057】次に図2のフローチャートにしたがった制
御ブロック図を図4を用いて説明する。
【0058】この制御ブロックにおいては、制御信号の
入力系は圧力センサ1a,1b及び温度センサ2であ
り、圧力センサ1a,1bから発生する電圧信号を圧力
演算部においてそれぞれ圧力値に換算する。そして、差
圧演算部において、圧力値の差を演算し、目標差圧設定
部に規定されている差圧と先に演算した圧力値の差を比
較演算部で実施する。この比較演算内容により調節部で
調整度合いを決定し、パワーコントローラに出力し、エ
アブロア7を制御する。また、圧力センサ1a,1bの
何れか一か所の圧力センサ(図示の例では圧力センサ1
a側)において捕集量設定部に規定されている捕集量推
定値と先に演算した圧力値を比較演算部で実施する。そ
の比較演算内容により、捕集量推定部においてフィルタ
内に付着したパティキュレート等の捕集量を推定する。
【0059】一方、温度センサ2の入力は、熱電対の起
電力を温度演算部において温度に換算することによって
行い、再生スタートしてからと捕集量を推定した時点か
らの時間に応じて、目標温度設定部において目標温度を
設定する。このようにして演算した温度と目標温度を比
較演算部において比較し、比較演算内容により調節部で
調整度合いを決定し、ソリッドステートリレーに出力し
て電気ヒータ4を制御する。
【0060】以上の例では、一定流量の再生用空気を供
給するための手段として、エアブロア7と電気ヒータ4
の間の領域と電気ヒータ4とフィルタ3の間の領域の2
か所に圧力センサ1a,1bを配置し、各々の圧力を測
定してその圧力差が一定の目標差圧値になるようにエア
ブロア7の出力を制御し、再生用空気流量が一定になる
ような構成としている。これに代えて、一定流量の再生
用空気を供給するための手段として、図1の(b)に示
すように圧力センサ1aの箇所に配置した流量計12の
値を基にエアブロア7の出力を制御することによって、
再生用空気流量が一定になるようにしてもよい。この場
合は、図5に示すように、図3のフローチャートにした
がった制御ブロック図となり、このブロック図において
は流量計から発生する電圧信号を流量演算部に於いて流
量値に換算する。そして、目標流量設定部に規定されて
いる流量と先に演算した流量値を比較演算部で比較し、
その比較演算内容により調節部で調整度合いを決定し、
パワーコントローラに出力してエアブロア7を制御す
る。なお、捕集量推定は前記と同様な動作で実施される
もので、図5のブロック図においては、圧力センサ1b
を使用するものとし圧力センサ1aは設置しない場合を
示す。
【0061】
【実施例】次に、本発明の具体例を説明する。
【0062】(実施例1)空気加熱用の電気ヒータ4は
トーチ型のヒータを用いることができ、このようなタイ
プのヒータではその形状によって圧力損失の値が異なる
のは無論である。
【0063】本実施例におけるトーチ型の電気ヒータ
は、径が100mmで長さが150mmの円筒形内に径
30mmの貫通孔を3個等配に設け、その中にコイル状
の電気ヒータを備え、熱交換率が向上するようにコイル
の中心にはセラミック製の棒をセットしたものであり、
その容量は8kWである。
【0064】フィルタ3は、ウォールスルータイプのハ
ニカム構造のコージェライト製であり、大きさは直径
5.66インチ、長さ6インチで、セル数は1インチ平
方あたり200個のものを使用した。
【0065】ここで、先に説明した図1の(a)の例
は、圧力センサ1a,1bを2か所に設置してそれぞれ
により各部位の圧力を測定し、これらの圧力差が一定の
目標差圧値になるようにエアブロア7の出力を制御する
ことによって、再生用空気流量が一定になるように構成
したものである。このような構成において、電気ヒータ
4を用いたときには、図6に示すように、500リット
ル/分の再生用空気を200〜650℃に加熱すると、
2か所に設置した圧力センサの間に約120mmAqの
圧力差が発生した。
【0066】図7に圧力センサ1a,1bの差圧が12
0mmAqになるようにエアブロア7をPID制御した
ときの、横軸を時間軸とし再生用空気量の履歴を示す。
なお、温度センサ2で測定した加熱空気の温度とフィル
タ3の前後の差圧を測定したデータと、圧力センサ1
a,1bによる検出圧力の差圧もプロットした。
【0067】ここで、注意すべきは、図8に示すよう
に、この差圧値は再生用空気量に依存して異なるので、
必要となる再生用空気量に応じて、圧力センサ1a,1
bの差圧目標値を変更してPID制御しなくてはならな
いことである。また、図7に示すように、同じ再生用空
気量でもその空気の加熱温度によって、差圧値は異なっ
てくるので、必要となる加熱温度に応じて圧力センサ1
a,1bの差圧目標値は変更しPID制御しなくてはな
らない。
【0068】図7及び図8に示す再生用空気流量値は、
エアブロア7と電気ヒータ4の間にマスフロー流量計を
セットして空気流量を測定した結果である。
【0069】図6で重要なことは、圧力センサ1a,1
bのそれぞれについて、差圧値は時間の経過とともに同
一であるが、時間経過が750秒に達するまでの期間で
は圧力絶対値が膨らみを持った曲線になっていることで
ある。このような特性が、本発明に至る重要な発見であ
り、後述するように、この膨らみとして表される特性は
フィルタに付着したパティキュレート等の捕集量に依存
するものである。
【0070】なお、一定流量の再生用空気を供給するた
めの手段として、図1の(b)に示すように圧力センサ
1aの箇所に配置した流量計12の値を基に、エアブロ
ア7の出力を制御して再生用空気流量が一定になるよう
にしてもよい。
【0071】(実施例2)図9にフィルタ内に付着した
パティキュレート等の捕集量と圧力センサ1bの圧力値
との関係を示す。
【0072】これは、再生用空気量を500リットル/
分の一定量とし、温度制御として温度センサ2の値に基
づいて、再生スタートしてからの時間により目標温度を
設定し、電気ヒータ出力に対してPID制御して得たも
のである。なお、この制御においては、再生スタートか
ら300秒後に、再生用空気の温度が400℃になるよ
うにPID制御した。
【0073】図9から明らかなように、再生用空気量が
一定の500リットル/分であり、再生用空気の温度が
400℃のときには、圧力センサ1bの圧力値が捕集量
に依存していることが判る。なお、図には圧力センサ1
bの値のみプロットしているが、圧力センサ1bの代わ
りに、圧力センサ1aを使用した際も同様な傾向であ
り、圧力値の絶対値が120mmAq分だけプラス側に
シフトするのみである。
【0074】すなわち、空気温度が400℃になった時
点で、圧力センサの圧力値を認識することにより、フィ
ルタ内に付着したパティキュレート等の捕集量の推定が
可能である。なお、圧力値は圧力センサ1a,1bのど
ちらで検出したものでもよい。
【0075】また、圧力値を基に捕集量を推定する際の
再生用空気の温度域に関し、フィルタ内に付着したパテ
ィキュレート等の成分が燃焼し始める500℃以上にな
ると、図9に示す関係に誤差が生じてくるので、好まし
くは再生用空気の温度が500℃以下の領域で実施した
方がよい。
【0076】(実施例3)実施例2において、一定流量
の再生用空気を加熱し、圧力センサの少なくとも1か所
の値及び温度センサの値を基に、フィルタに付着したパ
ティキュレートの捕集量を推定することを示した。ここ
では、推定したパティキュレートの捕集量に応じ、フィ
ルタ3を加熱する電気ヒータ4への通電時間、及び一定
流量の再生用空気を供給する送風手段による送風時間を
制御することについて説明する。
【0077】図10はフィルタ内に付着したパティキュ
レート等を燃焼させる際の捕集量とフィルタ加熱温度
(昇温条件)との関係を示したものである。これは、本
発明者らがフィルタを再生した際、再生後の再生率10
0%を確保するとともに、異常燃焼によりフィルタのク
ラック及び溶損を発生させないように安全域でフィルタ
を昇温させる昇温条件を示したものである。
【0078】再生率(%)は、再生率(%)={1−
(再生後のフィルタ重量−捕集前のフィルタ初期重量)
/捕集前のフィルタ初期重量}×100として定義され
るものである。そして、この再生率の値が大きい程、フ
ィルタ内に付着したパティキュレート等の燃焼残りが少
なく良好であることを示し、たとえば再生率が100%
とは、フィルタ内にパティキュレート等の燃焼残りが無
いことを意味する。
【0079】図10が示すことは、捕集量が比較的少な
い場合では早い時期にフィルタを加熱することが可能
で、再生時間が短く設定できるということである。これ
は、捕集量が比較的少ないときには、パティキュレート
等が燃焼するときに発生する発熱量が捕集量が多い場合
と比較して比較的少ないことから、フィルタの昇温速度
を高めに設定しても、フィルタ内の異常発熱により異常
燃焼が発生せず、その結果フィルタのクラックや溶損が
発生しないためと考えられる。
【0080】本発明者らが確認したこの捕集量に応じた
安全域であるフィルタ昇温条件を適用して、捕集量に応
じて再生時間を変更した実施例について説明する。
【0081】捕集量のカテゴリーとしては3種類に分
け、第一に捕集量7g/リットル以下、第二に捕集量7
〜10g/リットル、第三に捕集量10〜15g/リッ
トルの3種類である。
【0082】図11は再生開始スタートから、再生用空
気量を一定の500リットル/分を供給し、5分後に温
度センサが目標温度400℃になった時点で、圧力セン
サ1bの圧力信号値と捕集量の関係をプロットしたもの
である。この図から、400℃になった時点で圧力セン
サ1bの圧力信号値を検知して捕集量を推定し、その推
定した捕集量に応じて、再生パターンを3パターンから
十分に選定できることが判る。
【0083】図12の(a)及び(b)に実際にフィル
タを再生させた際のフィルタ内の温度履歴を示す。フィ
ルタ内の温度を測定するにあたってはフィルタ内の任意
の箇所に熱電対を設けて測定した。
【0084】図12の(a)は捕集量が7g/リットル
であり、図11に示すように、再生開始スタートから再
生用空気量を一定の500リットル/分を供給し、5分
後に温度センサが目標温度400℃になった時点で、圧
力センサ1bの圧力信号値が5.2V(=260/50
V)であって圧力換算すると200mmAqとなり(使
用した圧力センサは5〜10V出力電圧で、圧力換算す
ると0〜5000mmAqに相当する)、フィルタの再
生パターンとして再生パターン(1)を選定し、フィル
タを再生時間25分を費やして再生した場合である。
【0085】図12の(b)は捕集量が15g/リット
ルであり、同様に圧力センサ1bの圧力信号値が5.3
8V(=269/50V)であって圧力換算すると38
0mmAqのフィルタの再生パターンとして再生パター
ン(3)を選定し、フィルタを再生時間60分を費やし
て再生した場合である。
【0086】両者の使用電力量を比較すると、再生パタ
ーン(1)の場合が2.2kWhであり、再生パターン
(3)の場合が8.8kWhである。ちなみに、再生パ
ターン(2)は再生時間が35分を要するので、使用電
力量は5.1kWhとなる。
【0087】なお、この使用電力量の計算にあたって
は、電気ヒータ及びエアブロアの容量をそれぞれ8kW
及び800Wとして算出した。
【0088】このように、パティキュレート等の量に応
じてフィルタを加熱する電気ヒータ通電時間及びエアブ
ロアの送風時間を制御することにより、特にパティキュ
レート等の量が比較的少ない場合には使用電力量を削減
できることが判る。
【0089】(実施例4)実施例3では、フィルタ内に
付着したパティキュレート等の量に応じて、フィルタを
加熱する電気ヒータ通電時間及び一定流量の再生用空気
を供給するエアブロアの送風時間を変更できることを説
明した。本発明者らが確認した再生パターン3種類は、
フィルタ内に付着したパティキュレート等の量が15g
/リットル迄の条件であり、それ以上の捕集量において
は、異常燃焼によりフィルタのクラック及び溶損を発生
する領域に至る。この場合、実施例3で示したように、
再生用空気量を一定の500リットル/分を供給し、5
分後に温度センサ2が目標温度400℃になった時点
で、圧力センサ1bの圧力信号値が5.38V(=26
9/50V)以上すなわち圧力換算すると380mmA
q以上のとき、フィルタを加熱する電気ヒータ4の通電
停止、及びエアブロアによる送風を停止することによ
り、事前に異常燃焼によりフィルタのクラック、及び溶
損を発生させないようにすることができる。この際、フ
ィルタを排ガス浄化装置から取り外し、電気炉内等でフ
ィルタ内に付着したパティキュレート等を燃焼させフィ
ルタを再生し、再度、排ガス浄化装置に取り付けること
により使用できる。
【0090】以上、実施例1〜4において、本発明者ら
が確認済みの安全域での昇温パターン、及びフィルタ内
最大捕集量に対応させて説明したが、これらの絶対値及
び項目については、他の燃焼条件においても本発明に準
じて対応できることは無論である。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、フィルタに付着したパ
ティキュレート等の量を精度良く推定してそのパティキ
ュレート等の量に応じ、フィルタを加熱する電気ヒータ
通電時間、及び一定流量の再生用空気を供給する送風時
間を制御することにより、使用電力量を従来構造に比べ
て大幅に削減できる。より具体的には、パティキュレー
ト等の量が比較的少ない場合には、フィルタの再生時間
が30分以内で終了するというように、再生時間を短縮
できるように制御可能なので、使用電力量が削減され
る。
【0092】また、過度にフィルタ内にパティキュレー
ト等が付着していると判断されたときには、その判断時
点で再生を中断することによって、事前に異常燃焼によ
るフィルタのクラック及び溶損の発生をなくすことがで
きる。したがって、電気炉内等でフィルタ内に付着した
パティキュレート等を燃焼させてフィルタを再生し、再
度排ガス浄化装置に取り付けることにより、フィルタを
無駄に消費してしまうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における排ガスフィルタ浄
化装置を示す概略図
【図2】本発明の実施の形態における排ガスフィルタ浄
化のフローチャート
【図3】本発明の他の実施の形態における排ガスフィル
タ浄化のフローチャート
【図4】図2のフローチャートにしたがった制御ブロッ
ク図
【図5】図3のフローチャートにしたがった制御ブロッ
ク図
【図6】2か所に設置した圧力センサの圧力差を示す図
【図7】目標差圧を設定しエアブロアを制御したときの
再生用空気量を示す図
【図8】再生空気量と圧力センサの差圧との関係を示す
【図9】パティキュレート等の捕集量と圧力センサの圧
力値との関係を示す図
【図10】パティキュレート等の捕集量とフィルタ加熱
温度(昇温条件)との関係を示す図
【図11】パティキュレート等の捕集量と圧力センサの
圧力値との関係を示す図
【図12】実際にフィルタを再生させた際のフィルタ内
の温度履歴を示す図
【図13】従来例におけるディーゼル機関の排ガス浄化
装置の概略構成を示す模式図
【符号の説明】
1a,1b 圧力センサ 2 温度センサ 3 フィルタ 4 電気ヒータ 5 フィルタ収納容器 6 シール材 7 エアブロア 8 バルブ 9 排ガス導入配管 10 排ガス排出配管 11 再生用空気導入配管 12 流量計 102 ディーゼルエンジン 103 マニホールド 104,105a,105b エンジン排ガスの導入配
管 106 排ガス流路切替弁 107a,107b フィルタ収納容器 108a,108b フィルタ 109a,109b エンジン排ガスの排出配管 110a,110b,112 再生用空気導入配管 111 再生用空気流路切替弁 113 エアポンプ 116 コントローラー 118a,118b 再生用空気排出弁 119a,119b 再生用空気排出配管 120a,120b 電気ヒータ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通過する排ガス中からパティキュレート等
    を捕集するフィルタと、このフィルタを収納するフィル
    タ収納容器と、このフィルタ収納容器内に排ガスを供給
    する第1の配管と、フィルタ収納容器から浄化された排
    ガスを放出する第2の配管と、フィルタを加熱する電気
    ヒータと、一定流量の再生用空気を送る送風手段とを備
    えた排ガスフィルタ浄化装置であって、送風手段と電気
    ヒータの間の領域または電気ヒータとフィルタの間の領
    域の少なくとも1か所以上の圧力を検知する圧力センサ
    と、フィルタを加熱して付着したパティキュレートを燃
    焼させるとき少なくとも一つの圧力センサによる圧力検
    知値に基づきフィルタに付着したパティキュレートの捕
    集量を推定する捕集量推定手段とを備えたことを特徴と
    する排ガスフィルタ浄化装置。
  2. 【請求項2】電気ヒータとフィルタの間に温度センサを
    備えたことを特徴とする請求項1記載の排ガスフィルタ
    浄化装置。
  3. 【請求項3】フィルタを加熱してパティキュレートを燃
    焼させるとき、電気ヒータ通電中において、温度センサ
    の値を基に電気ヒータの出力を制御する手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項2に記載の排ガスフィルタ浄化装
    置。
  4. 【請求項4】圧力センサの少なくとも1か所の値及び温
    度センサの値を基に、フィルタに付着したパティキュレ
    ートの捕集量を推定する捕集量推定手段と、推定したパ
    ティキュレートの捕集量に応じてフィルタを加熱する電
    気ヒータ通電時間及び送風時間を制御する制御手段を備
    えたことを特徴とする請求項2または3記載の排ガスフ
    ィルタ浄化装置。
  5. 【請求項5】推定したパティキュレートの捕集量に応
    じ、フィルタを加熱する電気ヒータの通電停止及び送風
    を停止させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項
    4に記載の排ガスフィルタ浄化装置。
  6. 【請求項6】通過する排ガスの中からパティキュレート
    等を除去するフィルタを一定流量の再生用空気で加熱し
    て、フィルタに付着したパティキュレート等を燃焼させ
    る排ガスフィルタ浄化方法であって、フィルタに付着し
    たパティキュレート等の量に応じ、フィルタを加熱する
    時間及び一定流量の再生用空気を供給する時間をそれぞ
    れ制御することを特徴とする排ガスフィルタ浄化方法。
  7. 【請求項7】フィルタに付着したパティキュレートを燃
    焼させるとき、再生用空気の温度が500℃以下の期間
    では、フィルタ手前の圧力値を検出し、この検出値に基
    づいてフィルタに付着したパティキュレートの量を推定
    することを特徴とする請求項6記載の排ガスフィルタ浄
    化方法。
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JP2011127498A (ja) * 2009-12-17 2011-06-30 Panasonic Corp 排気ガス浄化装置
WO2014073052A1 (ja) * 2012-11-07 2014-05-15 三菱重工業株式会社 内燃機関の排ガス浄化装置

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