JPH10298950A - 港湾構造 - Google Patents

港湾構造

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JPH10298950A
JPH10298950A JP9111486A JP11148697A JPH10298950A JP H10298950 A JPH10298950 A JP H10298950A JP 9111486 A JP9111486 A JP 9111486A JP 11148697 A JP11148697 A JP 11148697A JP H10298950 A JPH10298950 A JP H10298950A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 船舶の航路を直線状に確保しながら港湾内部
への波浪の進入を防ぐとともに、船舶の航路上に異常な
波浪が生じないような港湾構造を提供することを目的と
する。 【解決手段】 港湾1の港口部2の外側に、上記港口部
2の幅とほぼ等しい幅の開口部7aを有するとともに、
上記港口部2の左,右の突堤1A,1Aとほぼ平行に延
長する一定長さの左,右の離岸堤7A,7Bを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外海に面した港湾
の港口部の沖合いに波浪遮断構造物を配置した湾岸構造
に関するもので、特に港口部での船舶の航路を直線状に
確保した状態で、上記港湾内に進入する波浪を遮断する
波浪遮断構造物を配置した湾岸構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、外海に面した港湾において、港湾
の港口部から進入する波浪を防ぐために、第1に、港全
体の計画段階から波浪の襲来を避けるように港口部を配
置したり、また、第2に、図21に示すような、港湾1
の港口部2の外側すなわち沖合いに港口部を覆い隠すよ
うな離岸堤3を配置することが行われていた。なお、図
21において、点線は船舶の航路を示すものである。し
かし、第1の方法では、船舶の航路に一定の制約が伴
い、例えば湾の横側からの出入りを余儀なくされる不便
があった。第2の方法では、港内4に出入りする船舶の
航路が蛇行状となって複雑になりまた視界も悪いため、
船舶の航行の安全性の確保や交通効率の面で問題があっ
た。また、図22に示すように、港口部2を開閉できる
可動式水門5を設置して波浪の激しい時には港口部2を
閉鎖する例もあるが、可動式水門5の開閉機構が複雑で
あるため細かな保守点検を行う必要があるばかりでな
く、耐用年数が短いといった問題があり、しかも故障の
危険性も有していた。
【0003】そこで、図23に示すような、船舶の航路
を直線状に確保するとともに、港湾1内部への波浪の進
入を防ぐための波浪フィルター構造物6が提案されてい
る。この波浪フィルター構造物5は、港口部2の外側
に、港口部2方向に突出する突堤1A,1Aと平行でか
つ港口部2に対向する開口部6aを有する前壁6A,6
A及びこの前壁6A,6Aの後端から上記突堤1A,1
A方向に延長して接続されるような側壁6B,6Bを有
するクランク状の構造物から成る。これは、上記港口部
2を覆うとともに、上記開口部6aにより船舶の航路を
直線状に確保するものである。波浪フィルター構造物6
は、波浪の共振現象を利用して港内4へ進入する波浪を
小さくするよう設計されもので、後述するように、一般
に港内4では波浪は小さくなるが、逆に波浪が大きくな
る水域が発生し、特に、フィルター構造物6に挟まれた
領域でかつ船舶が航行する領域6Rでの波浪が異常に大
きくなるという現象が発生する。船舶は、港湾1に出入
りする際に上記領域6Rを通過するので、波浪フィルタ
ー構造物6を防波堤として用いた場合には、船舶の安全
性に問題があった。また、上記フィルター構造物6は、
平面形状も複雑であるので施工性が悪いという欠点があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決するためになされたもので、船舶の航路を直線状に
確保しながら港湾内部への波浪の進入を防ぐとともに、
船舶の航路上に異常な波浪が生じないような波浪遮断構
造物を配置した港湾構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の港湾構造
は、港湾の港口部の外側すなわち沖合いに、上記港口部
の幅とほぼ等しい幅の開口部を有するとともに、上記港
口部の左,右の突堤とほぼ平行に延長する一定長さの
左,右の離岸堤を設けたことを特徴とする。なお、上記
離岸堤は一般に防波堤と呼ばれる直線状の構造物である
が、本発明の離岸堤は、2つの離岸堤により構成される
開口部の幅が港湾の港口部の幅程度に確保されていれば
よく、形状としては必ずしも直線状に限るものではな
い。
【0006】請求項2記載の港湾構造は、各離岸堤の長
さをそれぞれ港湾の港口部の幅の0.5倍〜2.0倍と
することを特徴とする。
【0007】請求項3記載の港湾構造は、波浪遮断構造
物を港口部から上記開口部の幅の0.5倍〜2.0倍離
れた沖合いに配置したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づき説明する。図1は、本実施の形態に係
わる港湾構造を示す図で、港湾1の港口部2の外側に、
上記港口部2の左右の突堤1A,1Aとほぼ平行に平面
形状が棒状の一対の離岸堤7A,7Bが設けられてい
る。上記各離岸堤7A,7Bの長さaは港口部2の幅W
の約1.2倍に設定してあり、上記離岸堤7A,7Bは
上記港口部2の幅Wにほぼ等しい距離wだけ離れて配置
され、開口部7aを形成している。このような1対の離
岸堤7A,7Bから成る構造物を、以下波浪遮断構造物
7という。 上記波浪遮断構造物7は、図1に示すよう
に、開口部7aが船舶の航路を直線状に確保できるよう
に、港湾1の港口部2と対向するように配置され、か
つ、港口部2から上記港口部2の幅Wにほぼ等しい距離
bだけ離れた沖合いに配置されている。なお、同図にお
いて、点線は船舶の航路を示すものである。
【0009】図2(a)は、水深H=16m、港口部2
の幅をW=50m、波浪遮断構造物7の開口部7aの幅
をws=50m、離岸堤7A,7Bの長さをa=60
m、港口部2との距離をb=54mと設定し、外海から
図中矢印で示す方向から、波高A0,周期T=9se
c.(波長L=98m)の規則的な波浪が入射した場合
を想定し、港湾1近傍の波浪の状態を数値シミュレーシ
ョンした図である。同図において、等高線の各数値は、
港湾1近傍において発生した波浪の波高Aと上記入射波
浪の波高A0との比で、波高減衰率WA=A/A0を表わ
すものである。また、図2(b)は、港湾1の港口部2
近傍に防波堤がない場合の波高減衰率の数値シミュレー
ション結果で、図3(a)は、50mの離岸堤3を港口
部2から54mの位置に設置し場合の波高減衰率の数値
シミュレーション結果で、図3(b)は、前壁幅c=1
20m,開口部5aの幅wf=50m,側壁長d=60
mの波浪フィルター構造物6を設置し場合の波高減衰率
の数値シミュレーション結果である。なお、上記各シミ
ュレーションにおいて、水深H及び入射波浪周期Tの設
定は上記波浪遮断構造物7を設置した場合と同一ある。
【0010】港湾1に防波堤がない場合には、図2
(b)に示すように、港内4の港口部2近傍における波
高減衰率WAはWA>0.8となり、港内4においてもW
A>0.6となる領域が広く分布しており、入射波浪は
港口部2より港内4に深く進入して来ていることが分か
る。また、従来のように離岸堤3を設置し場合でも、図
3(a)に示すように、港口部2近傍ではWA>0.8
となり、港内4でもWA>0.4となる領域が広く分布
している。一方、港口部2に波浪フィルター構造物6を
設置し場合には、図3(b)に示すように、港内4の波
高減衰率WAはWA<0.2となり、入射波浪はほとんど
港内4に進入して来ないことが分かる。しかしながら、
フィルター構造物6の船舶が航行する領域6Rでは最大
でWA>1.6、すなわち入射波の波高の1.6倍もの
波高を持つ異常波浪が発生していることがわかる。上記
Aの値が1を越えるということは、とりもなおさず上
記波浪フィルター構造物6内において波の共振現象が起
こり、入射波浪の波高よりも高い波高の波浪が発生した
ものと考えられる。それに対し、波浪遮断構造物7を港
口部2の近傍に設置した場合には、図2(a)に示すよ
うに、港内4の波高減衰率WAはWA<0.2と上記波浪
フィルター構造物6と同等の値であり、かつ船舶が航行
する領域7Rでも波高減衰率WAは最大でほぼWA=1.
0である。これは、上記波浪遮断構造物7と港口部2に
囲まれた領域7Rにおいては、波浪の共振現象が起こら
ず、したがって、船舶が航行する領域7Rでは入射波の
波高を越える波高を持つ波浪が発生していないことを示
している。
【0011】図4,図5は、上記各港湾の状態に対し、
入射波浪の周期TをT=16sec.(波長L=193
m)と長くした場合の港湾近傍に発生する波浪の波高減
衰率の数値シミュレーション結果を示す図である。港湾
1に防波堤がない場合には、図4(b)に示すように、
港内4でWA>0.4となる領域が広く分布しており、
入射波浪は港内4に深く進入して来ていることが分か
る。但し、波長Lがは港口部2の幅Wより大きいので、
上述した図2(b)の場合よりも入射波浪の進入は少な
くなっている。また、離岸堤3を設置し場合も、図5
(a)に示すように、港内4でWA>0.4となる領域
が広く分布している。波浪フィルター構造物6を設置し
場合には、図5(b)に示すように、入射波浪はほとん
ど港内4に進入せず、船舶が航行する領域6RでもWA
=0.4と波の共振現象は起こっていないが、波浪フィ
ルター構造物6内の側壁6B付近ではWA>0.8とな
る領域がある。これは、入射波浪の波長Lが2倍近く
(1.78倍)になっても共振の影響が残っていること
を示すもので、波浪フィルター構造物6内では広い入射
波長領域で共振による異常波浪が発生するものと考えら
れる。一方、波浪遮断構造物7を設置した場合は、図4
(a)に示すように、港内4の波高減衰率WAはWA
0.2と上記波浪フィルター構造物6と同等の値であ
り、かつ船舶が航行する領域7Rでも波高減衰率WA
最大でほぼWA=0.2で、波浪フィルター構造物6を
設置し場合よりも小さくなっている。したがって、波浪
遮断構造物7を設置した場合には、広い入射波長領域で
港内4への波浪の進入を防ぐことができるとともに、船
舶が航行する領域7Rでも異常波浪の発生を防ぐことが
できる。
【0012】次に、図6(a)に示すような、幅50m
の水路8を設け、入射波浪の波長LをW/L=0.2〜
1.4の範囲で変え、上記水路8に進入してくる波浪及
び水路8の入口周辺(航行路)の波高減衰率を数値シミ
ュレーションにより求めた。なお、同図において、Wt
は上記水路8に進入する波浪の波高減衰率で、Wrは図
6(a)の点線で囲われた水路8の入口周辺(航行路)
の領域Rで発生する波浪の波高減衰率である。水深はH
=16mとした。図6(b)は、上記防波堤を設置しな
いときに水路8内に進入する波浪の波高減衰率を示すも
ので、港口部2の幅Wより波長の長い波浪はほとんど減
衰せずに水路8内に進入し、港口部2の幅Wより波長の
短い波浪は水路8内で干渉しあい、波高減衰率WtがWt
=0.9〜1.1の波浪が発生する。また、水路8の入
口周辺では、図6(c)に示すように、波浪の入射波と
反射の干渉により、Wt=0.7〜1.3の波浪が発生
する。また、波浪フィルター構造物6を設置した場合に
ついても数値シミュレーションを行った。図7(a)
は、波浪フィルター構造物6のモデルを示すもので、w
f=ws=W=50m,前壁長(航路内で開口部5aを含
む)=110m,側壁長(航路内)=54mである。こ
のとき、水路8内に進入する波浪の波高減衰率Wtは、
図7(b)に示すように、W/L=0.3〜0.65の
範囲でWt<0.6となり波浪の遮蔽効果はあるが、図
7(c)に示すように、水路8の入口周辺では、W/L
=0.3〜0.65の範囲でWt>1.5の異常波浪が
発生し、特にW/L=0.45〜0.5の範囲ではWt
>2.となり、船舶の航行安全性に問題があることがわ
かる。
【0013】図8は、水路8の手前に波浪遮断構造物7
を設置した場合の数値シミュレーションのモデルで、上
記波浪遮断構造物7の離岸堤7A,7Bの長さa,港口
部2からの距離bは、a=30〜90m(a/W=0.
3〜1.8),b=27〜95m(b/W=0.54〜
1.90)と変化させた。なお、上記波浪遮断構造物7
の開口部7aの幅wsは港口部2の幅Wとほぼ等しいと
した。図9(a)は、a=30m(a/W=0.6),
b=54m(b/w=1.08)ときのW/Lと水路8
内に進入する波浪の波高減衰率Wtを示すグラフで、図
9(b)は、そのときの水路8の入口周辺の波高減衰率
rを示すグラフである。この場合は、L<0.6の長
波長の波浪に対する遮断効果が小さく、Wrの最大値も
大きいので設置の効果は小さい。また、図10(a),
(b)は、aを45m(a/W=0.9)に延ばしたと
きのWtとWrを示すグラフで、W/L=0.25〜0.
7の範囲でWt<0.6となり、上述した波浪フィルタ
ー構造物6を設置した場合と同等以上の波浪遮蔽効果あ
るだけでなく、水路8の入口周辺でもWrの最大値はほ
ぼ1.5以下で、共振による異常波浪の発生も見られな
い。
【0014】図11(a),(b)は、aを最適値であ
るa=60m(a/W=1.2)としたときのWtとWr
を示すグラフで、W/L<0.6の範囲でWt<0.6
となり、特に暴風時等の長周期の波浪に対して遮蔽効果
があるだけでなく、L>1.0でのWtの増加傾向も図
7の場合よりかなり小さくなっている。また、水路8の
入口周辺でもWrの最大値はほぼ1.5以下で、共振に
よる異常波浪の発生は見られない。また、図12
(a),(b)は、a=75m(a/W=1.5)とし
たときのWtとWrを示すグラフで、Wt<0.6となる
範囲は上記a/W=1.2の場合よりやや狭くなり、L
>1.0でのでのWtの最大値も増加している。図13
(a),(b)は、a=90m(a/W=1.8)とし
たときのWtとWrを示すグラフで、Wt<0.6となる
範囲は更に小さくなり、L>1.0でのでのWtの最大
値も増加している。したがって、離岸堤の長大化は施工
面で不利であることを考え併せると、a=75mは離岸
堤7A,7Bの長さの上限であると考えられる。なお、
a=75m,90mの場合でも共振による異常波浪の発
生は見られない。
【0015】図14(a)は、a=60m(a/W=
1.2),b=27m(b/w=0.54)ときのW/
Lと水路8内に進入する波浪の波高減衰率Wtを示すグ
ラフで、図14(b)は、そのときの水路8の入口周辺
の波高減衰率Wrを示すグラフである。この場合は、W
/L<0.4の狭いでしかWt<0.6とならず、W/
L>1.0の範囲はWtの最大値も大きいが、水路8の
入口周辺で共振による異常波浪の発生も見られないの
で、波浪フィルター構造物6を設置した場合よりは有効
である。また、図15(a),(b)は、bを40m
(b/W=0.8)としたときのWtとWrを示すグラフ
で、W/L<0.7の範囲でWt<0.6となり、波浪
遮断構造物7の波浪遮蔽効果が現われてきてる。
【0016】図16(a),(b)は、bを最適値であ
るb=54m(b/W=1.08)としたときのWt
rを示すグラフで、図12のグラフと同一である。b
=40mの場合に比べて、Wtの値そのものが小さくな
り、充分な波浪遮蔽効果が得られることが分かる。ま
た、図17(a),(b)は、b=67m(b/W=
1.34)としたときのWtとWrを示すグラフで、上記
b=54mのときに比べて、W/L=0.6〜0.8の
範囲でWtが減少しているが、W/L<0.4の範囲で
tが増加しており、波浪遮蔽効果は低下し始めてい
る。また、図18(a),(b)は、b=80m(b/
W=1.6)としたときのWtとWrを示すグラフで、W
t<0.6となる領域はW/Lが大きくなる方向へ変化
し、W/L<0.3の範囲でWtが増加しており、長波
長での波浪遮蔽効果は更に低下する。また、W/L>
1.0でのWtの最大値も増加している。図19
(a),(b)は、b=95m(b/W=1.9)とし
たときのWtとWrを示すグラフで、Wt<0.6となる
範囲はL=0.35〜0.85と広いが、W/L>1.
0でのWtの最大値も大きくなる。また、沖合いに出る
ほど水深が深くなるので、bを大きくすると施工面で不
利であることを考え併せると、b=95mは港口部2と
波浪遮断構造物7との距離の上限であると考えられる。
【0017】このように、本実施の形態によれば、1対
の離岸堤7A,7Bを港口部2の幅にほぼ等しい間隔だ
け離して配置した波浪遮断構造物7を港口部2の沖合い
に設置した湾岸構造としたので、航行する船舶の航路が
直線上に確保され、航路が単純化されて船舶の航行が便
利になるだけでなく、視認性も良いので船舶の安全性も
向上する。また、波浪遮断構造物7は、波浪の共振現象
を利用するのではなく、港口部2の沖合い側に1対の離
岸堤7A,7Bによって疑似的な港口部である開口部7
aを設けた2重港口部構造により進入する波浪を減衰さ
せているので、港内4に進入しようとする波浪を効果的
に遮断できるだけでなく、航路上の波浪も異常に大きく
なることがないので、船舶の安全性を確保できる。更
に、波浪遮断構造物7には可動部分がないだけでなく、
構造そのものが1対の離岸堤7A,7Bを所定の距離離
して配置した単純なものであるので、施工性,耐久性に
優れているだけでなく、港湾1の沖合いに独立に設置で
きるので、新設の港湾のみならず既設の港湾へ設置する
ことも可能である。
【0018】なお、本実施の形態においては、上記離岸
堤7A,7Bを直線状の構造物としたが、離岸堤の形状
としては、図20(a)に示すように、沖合い側が港口
部2に平行で、開口部7aを形成する辺の長さが開口部
7aと反対側の辺の長さより長い台形状であっても、図
20(b)に示すように、緩い円弧状であっても同様の
効果が得られる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の湾
岸構造は、港湾の外側に港口部の幅とほぼ等しい間隔だ
け離れた一対の離岸堤を設け、上記1対の離岸堤の開口
部が港口部に対向するようにしたので、上記開口部と港
口部との2重港口部構造により進入する波浪を減衰させ
港内に進入する波浪を有効に遮断できるだけでなく、航
路上の波浪も異常に大きくなることがないので、船舶の
安全性を確保することができる。また、船舶の航路を直
線的にできるので、船舶の航行が便利になる。更に、離
岸堤の構造も配置方法も単純なものであるので、港湾の
施工性や耐久性も優れている。
【0020】また、請求項2記載の港湾構造は、各離岸
堤の長さを港湾の港口部の幅の0.5倍〜2.0倍とし
たので、港内に進入しようとする波浪の遮断効果を向上
させることができるだけでなく、各離岸堤の長さも港湾
の港口部の幅の2倍以下なので、施工性にも優れてい
る。
【0021】また、請求項3記載の港湾構造は、離岸堤
を港口部から上記開口部の幅の0.5倍〜2.0倍離れ
た沖合いに設置したので、港内に進入しようとする波浪
の遮断効果を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる港湾構造を示す図
である。
【図2】波浪の波高減衰率の数値シミュレーション結果
を示す図である。
【図3】波浪の波高減衰率の数値シミュレーション結果
を示す図である。
【図4】入射波浪の周期を変えた時の波高減衰率の数値
シミュレーション結果を示す図である。
【図5】入射波浪の周期を変えた時の波高減衰率の数値
シミュレーション結果を示す図である。
【図6】防波堤がない場合の港口部近傍の発生波浪のシ
ミュレーション結果を示す図である。
【図7】港口部近傍に波浪フィルター構造物を設置した
ときに発生する波浪のシミュレーション結果を示す図で
ある。
【図8】港口部近傍に波浪遮断構造物を設置したモデル
を示す図である。
【図9】波浪遮断構造物の長さを変えたとき港湾近傍に
発生する波浪の数値シミュレーション結果を示す図であ
る。
【図10】波浪遮断構造物の長さを変えたとき港湾近傍
に発生する波浪の数値シミュレーション結果を示す図で
ある。
【図11】波浪遮断構造物の長さを変えたとき港湾近傍
に発生する波浪の数値シミュレーション結果を示す図で
ある。
【図12】波浪遮断構造物の長さを変えたとき港湾近傍
に発生する波浪の数値シミュレーション結果(最適値)
を示す図である。
【図13】波浪遮断構造物の長さを変えたとき港湾近傍
に発生する波浪の数値シミュレーション結果を示す図で
ある。
【図14】波浪遮断構造物の設置位置を変えたとき港湾
近傍に発生する波浪の数値シミュレーション結果を示す
図である。
【図15】波浪遮断構造物の設置位置を変えたとき港湾
近傍に発生する波浪の数値シミュレーション結果を示す
図である。
【図16】波浪遮断構造物の設置位置を変えたとき港湾
近傍に発生する波浪の数値シミュレーション結果を示す
図である。
【図17】波浪遮断構造物の設置位置を変えたとき港湾
近傍に発生する波浪の数値シミュレーション結果を示す
図である。
【図18】波浪遮断構造物の設置位置を変えたとき港湾
近傍に発生する波浪の数値シミュレーション結果を示す
図である。
【図19】波浪遮断構造物の設置位置を変えたとき港湾
近傍に発生する波浪の数値シミュレーション結果を示す
図である。
【図20】本発明の実施の形態に係わる波浪遮断構造物
の他の構成を示す図である。
【図21】従来の離岸堤を設置した港湾構造を示す図で
ある。
【図22】従来の可動式水門を口に設置した港湾構造を
示す図である。
【図23】波浪フィルター構造物を港口に設置した港湾
構造を示す図である。
【符号の説明】
1 港湾 2 (港湾の)港口部 3 離岸堤 4 港内 5 水門 6 波浪フィルター構造物 6a 開口部 6A,6B 前壁 7 波浪遮断構造物 7A,7B 離岸堤 7a 開口部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 港湾の港口部の外側に、上記港口部の幅
    とほぼ等しい幅の開口部を有するとともに、上記港口部
    の左,右の突堤とほぼ平行に延長する一定長さの左,右
    の離岸堤を設けたことを特徴とする港湾構造。
  2. 【請求項2】 離岸堤の長さを、港湾の港口部の幅の
    0.5倍〜2.0倍とすることを特徴とする請求項1記
    載の港湾構造。
  3. 【請求項3】 離岸堤を、港口部から上記港口部の幅の
    0.5倍〜2.0倍離れた沖合いに配置したことを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の港湾構造。
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