JPH1029892A - 結晶引上げ用種結晶保持装置 - Google Patents
結晶引上げ用種結晶保持装置Info
- Publication number
- JPH1029892A JPH1029892A JP20519796A JP20519796A JPH1029892A JP H1029892 A JPH1029892 A JP H1029892A JP 20519796 A JP20519796 A JP 20519796A JP 20519796 A JP20519796 A JP 20519796A JP H1029892 A JPH1029892 A JP H1029892A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seed crystal
- peripheral surface
- inner peripheral
- diameter
- holder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 種結晶を簡単に装着でき且つセンタリング精
度の高い保持装置を提供する。 【解決手段】 最小径部22から上下に向けて径が徐々
に大きくなる加工部を上端近傍に設けた種結晶8を保持
する装置であって、大径空間部を区画する内周面19と
小径空間部を区画する内周面20との間に段差部21が
設けられたホルダー7と、内周面19の内径より若干小
さい外径をもち、中心の開口部16から外周部に至る開
放空間部17が形成された保持リング15を段差部21
に載置している。開放空間部17の間口幅が種結晶8の
最小径部22よりも大きく、開口部16の内周面がテー
パ面18となっている。種結晶8は、テーパ面18と面
接触した状態で保持リング15に支持される。ホルダー
7内に形成したテーパ付き内周面で種結晶9の円錐部を
支持することもできる。 【効果】 一体型の保持リング15で種結晶7が支持さ
れるため、応力が一点に集中することなく、大きな接触
部で種結晶7が設定位置に安定支持される。
度の高い保持装置を提供する。 【解決手段】 最小径部22から上下に向けて径が徐々
に大きくなる加工部を上端近傍に設けた種結晶8を保持
する装置であって、大径空間部を区画する内周面19と
小径空間部を区画する内周面20との間に段差部21が
設けられたホルダー7と、内周面19の内径より若干小
さい外径をもち、中心の開口部16から外周部に至る開
放空間部17が形成された保持リング15を段差部21
に載置している。開放空間部17の間口幅が種結晶8の
最小径部22よりも大きく、開口部16の内周面がテー
パ面18となっている。種結晶8は、テーパ面18と面
接触した状態で保持リング15に支持される。ホルダー
7内に形成したテーパ付き内周面で種結晶9の円錐部を
支持することもできる。 【効果】 一体型の保持リング15で種結晶7が支持さ
れるため、応力が一点に集中することなく、大きな接触
部で種結晶7が設定位置に安定支持される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チョクラルスキー法で
結晶を融液から引き上げる際に使用される種結晶保持装
置に関する。
結晶を融液から引き上げる際に使用される種結晶保持装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】チョクラルスキー法による単結晶育成で
は、図1に示すような設備構成の装置が使用される。融
液1は、石英ルツボ2に収容され、Ar雰囲気に保持さ
れた真空容器3内にセットされる。融液1は、石英ルツ
ボ2を周回するヒータ4で加熱され、垂直方向に所定の
温度勾配をもって高温保持される。ヒータ4の外周に
は、融液1の保有熱が逸散しないように断熱材5が配置
されている。図1では、電極6からヒータ4に通電する
抵抗加熱方式を採用しているが、高周波加熱により融液
1を高温保持することもできる。
は、図1に示すような設備構成の装置が使用される。融
液1は、石英ルツボ2に収容され、Ar雰囲気に保持さ
れた真空容器3内にセットされる。融液1は、石英ルツ
ボ2を周回するヒータ4で加熱され、垂直方向に所定の
温度勾配をもって高温保持される。ヒータ4の外周に
は、融液1の保有熱が逸散しないように断熱材5が配置
されている。図1では、電極6からヒータ4に通電する
抵抗加熱方式を採用しているが、高周波加熱により融液
1を高温保持することもできる。
【0003】温度制御された融液1にホルダー7で支持
された種結晶8を接触させ、融液1から単結晶9を成長
させる。単結晶9は、成長度合いに応じ引き上げられ
る。引上げ中に、石英ルツボ2及び単結晶9が互いに逆
方向に回転され、検出器10で単結晶9の直径を測定し
ながら成長条件が制御される。種結晶8は、ホルダー7
に機械的に保持される。たとえば、図2に示すように、
種結晶8の表面一部に係止溝11(a)を刻設し、ホル
ダー7側にも係止溝11に対応する係合溝12を形成す
る。ホルダー7の保持孔13に種結晶8を差し込み、係
止溝11と係合溝12を一致させる。この状態で、係止
溝11及び係合溝12で区画される孔部にロックピン1
4を差し込むことにより、種結晶8がホルダー7に一体
化される。
された種結晶8を接触させ、融液1から単結晶9を成長
させる。単結晶9は、成長度合いに応じ引き上げられ
る。引上げ中に、石英ルツボ2及び単結晶9が互いに逆
方向に回転され、検出器10で単結晶9の直径を測定し
ながら成長条件が制御される。種結晶8は、ホルダー7
に機械的に保持される。たとえば、図2に示すように、
種結晶8の表面一部に係止溝11(a)を刻設し、ホル
ダー7側にも係止溝11に対応する係合溝12を形成す
る。ホルダー7の保持孔13に種結晶8を差し込み、係
止溝11と係合溝12を一致させる。この状態で、係止
溝11及び係合溝12で区画される孔部にロックピン1
4を差し込むことにより、種結晶8がホルダー7に一体
化される。
【0004】ホルダー7と種結晶8との係合部には、種
結晶8に接着した状態で単結晶9を成長させるため多大
の荷重が加わる。この荷重に抗して種結晶8を安定支持
し、単結晶9の回転中心を一定にするため、従来から種
々の改良が提案されている。特開平7−70284号公
報では、種結晶を係合する溝をもつホルダー本体又は押
えブロックの何れか一方の外側面一部を湾曲させ、押え
プレートで締め付けることにより、ホルダー本体と押え
ブロックとの間に種結晶を挟持している。特開昭58−
208194号公報では、下方に向かって小径化するテ
ーパを付けた内周面をもつ二分割方式の治具で種結晶を
保持することが紹介されている。実開平4−89558
号公報では、二分割したリングで種結晶を挟持し、ホル
ダーに保持している。
結晶8に接着した状態で単結晶9を成長させるため多大
の荷重が加わる。この荷重に抗して種結晶8を安定支持
し、単結晶9の回転中心を一定にするため、従来から種
々の改良が提案されている。特開平7−70284号公
報では、種結晶を係合する溝をもつホルダー本体又は押
えブロックの何れか一方の外側面一部を湾曲させ、押え
プレートで締め付けることにより、ホルダー本体と押え
ブロックとの間に種結晶を挟持している。特開昭58−
208194号公報では、下方に向かって小径化するテ
ーパを付けた内周面をもつ二分割方式の治具で種結晶を
保持することが紹介されている。実開平4−89558
号公報では、二分割したリングで種結晶を挟持し、ホル
ダーに保持している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図2に示すよ
うにロックピン14で種結晶8を固定保持する方式で
は、種結晶8とロックピン14との接触箇所に応力が集
中し易い。特に、種結晶8の挿入位置が悪く、係止溝1
1の形成箇所が正規の位置に設定されない場合や、大径
化により単結晶9の重量が増加する場合等では、種結晶
8に亀裂や破壊をもたらす原因となる応力が発生するこ
ともある。その結果、育成した単結晶9が落下し、非常
に危険な事態を招く虞れがある。
うにロックピン14で種結晶8を固定保持する方式で
は、種結晶8とロックピン14との接触箇所に応力が集
中し易い。特に、種結晶8の挿入位置が悪く、係止溝1
1の形成箇所が正規の位置に設定されない場合や、大径
化により単結晶9の重量が増加する場合等では、種結晶
8に亀裂や破壊をもたらす原因となる応力が発生するこ
ともある。その結果、育成した単結晶9が落下し、非常
に危険な事態を招く虞れがある。
【0006】他方、二分割方式の治具やリングを使用す
る方式では、部品点数が多く、引上げ装置のセッティン
グに手数がかかる。また、大径化が要求されている昨今
では、育成中に単結晶9の中心を回転中心に高精度で一
致させる必要があるが、治具やリングが分割構成である
とセンタリングに支障をきたす。回転中心から単結晶9
の中心がずれると、成長界面が不均一になり転位等の結
晶欠陥が持ち込まれる危険性が高くなる。本発明は、こ
のような問題を解消すべく案出されたものであり、位置
決め機能をもつ保持リングの使用又はテーパ面をもつ保
持具の使用により、種結晶を簡単に装着でき且つセンタ
リング精度の高い保持装置を提供することを目的とす
る。
る方式では、部品点数が多く、引上げ装置のセッティン
グに手数がかかる。また、大径化が要求されている昨今
では、育成中に単結晶9の中心を回転中心に高精度で一
致させる必要があるが、治具やリングが分割構成である
とセンタリングに支障をきたす。回転中心から単結晶9
の中心がずれると、成長界面が不均一になり転位等の結
晶欠陥が持ち込まれる危険性が高くなる。本発明は、こ
のような問題を解消すべく案出されたものであり、位置
決め機能をもつ保持リングの使用又はテーパ面をもつ保
持具の使用により、種結晶を簡単に装着でき且つセンタ
リング精度の高い保持装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】保持リングを使用する本
発明の単結晶引上げ用種結晶保持装置は、その目的を達
成するため、最小径部から上下に向けて径が徐々に大き
くなる加工部を上端近傍に設けた種結晶を保持する装置
であって、大径空間部を区画する内周面と小径空間部を
区画する内周面との間に段差部が設けられたホルダー
と、大径空間部を区画する内周面の内径より若干小さい
外径をもち、中心の開口部から外周部に至る開放空間部
が一部に形成された保持リングとを備え、開放空間部の
間口幅が種結晶の最小径部よりも大きく、開口部が上広
がりのテーパ付き内周面で区画されていることを特徴と
する。
発明の単結晶引上げ用種結晶保持装置は、その目的を達
成するため、最小径部から上下に向けて径が徐々に大き
くなる加工部を上端近傍に設けた種結晶を保持する装置
であって、大径空間部を区画する内周面と小径空間部を
区画する内周面との間に段差部が設けられたホルダー
と、大径空間部を区画する内周面の内径より若干小さい
外径をもち、中心の開口部から外周部に至る開放空間部
が一部に形成された保持リングとを備え、開放空間部の
間口幅が種結晶の最小径部よりも大きく、開口部が上広
がりのテーパ付き内周面で区画されていることを特徴と
する。
【0008】保持リングを使用しない単結晶引上げ用種
結晶保持装置では、小径部から円錐部を経て大径部に至
る上端をもつ種結晶を保持する際、種結晶大径部の収容
空間からテーパ付き内周面を経て小径部挿通用の孔部を
もつホルダーを使用し、テーパ付き内周面で種結晶の円
錐部を支持する。或いは、大径空間部を区画する内周面
と小径空間部を区画する内周面との間に段差が設けられ
たホルダーの段差に、中心の開口部がテーパ付き内周面
で形成されたホルダーを載置しても良い。テーパ付き内
周面には、種結晶の円錐部にほぼ等しい傾斜角度を付け
ることができる。この場合、種結晶が面接触で支持さ
れ、保持姿勢が安定するが、高精度の加工が必要にな
る。現実的には、種々の径をもつ種結晶に対する適応性
を上げるため、上方に向かって傾斜角度が大きくなる朝
顔状テーパ付き内周面を形成することが好ましい。
結晶保持装置では、小径部から円錐部を経て大径部に至
る上端をもつ種結晶を保持する際、種結晶大径部の収容
空間からテーパ付き内周面を経て小径部挿通用の孔部を
もつホルダーを使用し、テーパ付き内周面で種結晶の円
錐部を支持する。或いは、大径空間部を区画する内周面
と小径空間部を区画する内周面との間に段差が設けられ
たホルダーの段差に、中心の開口部がテーパ付き内周面
で形成されたホルダーを載置しても良い。テーパ付き内
周面には、種結晶の円錐部にほぼ等しい傾斜角度を付け
ることができる。この場合、種結晶が面接触で支持さ
れ、保持姿勢が安定するが、高精度の加工が必要にな
る。現実的には、種々の径をもつ種結晶に対する適応性
を上げるため、上方に向かって傾斜角度が大きくなる朝
顔状テーパ付き内周面を形成することが好ましい。
【0009】
【実施の形態】本発明に従った種結晶保持装置は、図3
に示すように種結晶8が嵌り込む一体型の保持リング1
5をホルダー7に内蔵させている。保持リング15は、
斜視図(b)及び断面図(c)で示すように、中央部に
種結晶8が嵌り込む開口部16が形成されており、中心
の開口部16から外側に通じる開放空間部17が形成さ
れている。開口部16の内周面は、上広がりのテーパ面
18になっている。ホルダー7や保持リング15は、耐
熱性に優れたカーボン,モリブデン,タングステン,ス
テンレス鋼等で作製される。保持リング15が収容され
るホルダー7は、大径空間部を区画する内周面19及び
小径空間部を区画する内周面20をもち、内周面19と
20との間に段差部21が形成されている。内周面19
の径は保持リング15の外径よりも若干大きく、内周面
20の径は保持リング15の外径よりも小さくなってい
る。したがって、大径空間部に挿入された保持リング1
5は、段差部21で固定支持される。このとき、保持リ
ング15の外周が内周面19で規制され、保持リング1
5の中心位置が高精度でセットされる。
に示すように種結晶8が嵌り込む一体型の保持リング1
5をホルダー7に内蔵させている。保持リング15は、
斜視図(b)及び断面図(c)で示すように、中央部に
種結晶8が嵌り込む開口部16が形成されており、中心
の開口部16から外側に通じる開放空間部17が形成さ
れている。開口部16の内周面は、上広がりのテーパ面
18になっている。ホルダー7や保持リング15は、耐
熱性に優れたカーボン,モリブデン,タングステン,ス
テンレス鋼等で作製される。保持リング15が収容され
るホルダー7は、大径空間部を区画する内周面19及び
小径空間部を区画する内周面20をもち、内周面19と
20との間に段差部21が形成されている。内周面19
の径は保持リング15の外径よりも若干大きく、内周面
20の径は保持リング15の外径よりも小さくなってい
る。したがって、大径空間部に挿入された保持リング1
5は、段差部21で固定支持される。このとき、保持リ
ング15の外周が内周面19で規制され、保持リング1
5の中心位置が高精度でセットされる。
【0010】保持される種結晶8は、図3(a)に示す
ように、円筒状種結晶の一部を凹クラウン状に成形し、
保持される箇所としている。すなわち、上下が所定直径
の種結晶8の一部に研削等の加工を施し、最小径部22
から上下に向かって徐々に径大化する円錐面23を形成
している。最小径部22は、保持リング15に設けた開
放空間部17の間口幅よりも小径になっている。種結晶
8の保持に際しては、開放空間部17を介して保持リン
グ15の開口部16に最小径部22を嵌め込む。次い
で、種結晶8の長手方向に保持リング15をずらすと、
径が大きくなっている箇所で種結晶8の円錐面23が開
口部16の内周面に当接する。このとき、開口部16の
内周面がテーパ面18になっているので、保持リング1
5の内径に縮径部が一致した箇所で種結晶8のほぼ全周
が保持リング15で支持される。
ように、円筒状種結晶の一部を凹クラウン状に成形し、
保持される箇所としている。すなわち、上下が所定直径
の種結晶8の一部に研削等の加工を施し、最小径部22
から上下に向かって徐々に径大化する円錐面23を形成
している。最小径部22は、保持リング15に設けた開
放空間部17の間口幅よりも小径になっている。種結晶
8の保持に際しては、開放空間部17を介して保持リン
グ15の開口部16に最小径部22を嵌め込む。次い
で、種結晶8の長手方向に保持リング15をずらすと、
径が大きくなっている箇所で種結晶8の円錐面23が開
口部16の内周面に当接する。このとき、開口部16の
内周面がテーパ面18になっているので、保持リング1
5の内径に縮径部が一致した箇所で種結晶8のほぼ全周
が保持リング15で支持される。
【0011】保持リング15に付けたテーパ面18は、
種々の直径をもつ種結晶8を支持する上で有効である。
種結晶8の最小径部22から上端部に向かった円錐面部
の傾斜角度にテーパ面18の傾斜角度を一致させると、
種結晶8と保持リング15との接触面積が大きくなり、
種結晶8の保持姿勢が安定化する。保持リング15を装
着した種結晶8は、次いでホルダー7の空間部に差し込
まれる。ここで、保持リング15の外径よりも内周面1
9で区画される大径空間部の内径が僅かに大きくなって
いるので、図3(a)において保持リング15の横方向
位置が内周面19で規制される。そのため、段差部21
に保持リング15が載置された状態では、ホルダー7に
対して種結晶8が高精度でセンタリングされる。しか
も、種結晶8は、一点に荷重が加わるような接触状態で
はなく、面接触又は種結晶8のほぼ全周に至る線接触で
保持リング15に支持される。
種々の直径をもつ種結晶8を支持する上で有効である。
種結晶8の最小径部22から上端部に向かった円錐面部
の傾斜角度にテーパ面18の傾斜角度を一致させると、
種結晶8と保持リング15との接触面積が大きくなり、
種結晶8の保持姿勢が安定化する。保持リング15を装
着した種結晶8は、次いでホルダー7の空間部に差し込
まれる。ここで、保持リング15の外径よりも内周面1
9で区画される大径空間部の内径が僅かに大きくなって
いるので、図3(a)において保持リング15の横方向
位置が内周面19で規制される。そのため、段差部21
に保持リング15が載置された状態では、ホルダー7に
対して種結晶8が高精度でセンタリングされる。しか
も、種結晶8は、一点に荷重が加わるような接触状態で
はなく、面接触又は種結晶8のほぼ全周に至る線接触で
保持リング15に支持される。
【0012】種結晶8を保持したホルダー7にキャップ
24をねじ込む。キャップ24には、回転巻上げ機(図
示せず)に接続されたワイヤ又はロッド25が固着され
ており、回転巻上げ機により融液1の液面に対する種結
晶8の上下位置を設定する。そして、図1で示したよう
に常法に従って結晶9を育成し、結晶9及び石英ルツボ
2を回転させながら、成長状況に応じて結晶9を引き上
げる。育成された結晶9は、回転中心が正しく保たれて
いるので偏心回転に起因する欠陥の持込みがなく、高品
質なものとなる。また、保持リング15が分割タイプで
はなく一体型であるため、回転中心のズレやブレが抑制
される。更に、結晶9の径が大きく、相当の荷重が種結
晶8と保持リング15との接触部に加わっても、接触部
が種結晶8のほぼ全周にわたっていることから応力の分
散が図られ、種結晶8に発生しがちな亀裂や破壊が防止
される。すなわち、本例の保持装置は、大径化の要求が
強い結晶の引上げに適した装置として使用される。
24をねじ込む。キャップ24には、回転巻上げ機(図
示せず)に接続されたワイヤ又はロッド25が固着され
ており、回転巻上げ機により融液1の液面に対する種結
晶8の上下位置を設定する。そして、図1で示したよう
に常法に従って結晶9を育成し、結晶9及び石英ルツボ
2を回転させながら、成長状況に応じて結晶9を引き上
げる。育成された結晶9は、回転中心が正しく保たれて
いるので偏心回転に起因する欠陥の持込みがなく、高品
質なものとなる。また、保持リング15が分割タイプで
はなく一体型であるため、回転中心のズレやブレが抑制
される。更に、結晶9の径が大きく、相当の荷重が種結
晶8と保持リング15との接触部に加わっても、接触部
が種結晶8のほぼ全周にわたっていることから応力の分
散が図られ、種結晶8に発生しがちな亀裂や破壊が防止
される。すなわち、本例の保持装置は、大径化の要求が
強い結晶の引上げに適した装置として使用される。
【0013】ホルダー7としては、図4(a)に示すよ
うに下方に向けて内径が小さくなるテーパを内周面26
に付けたものを使用することもできる。このときの種結
晶8としては、大径部27と小径部28との間に円錐部
29を形成したものが使用される。円錐部29の傾斜角
度は、テーパ付き内周面26の傾斜角度にほぼ等しく設
定されている。そのため、ホルダー7に種結晶8を挿入
した状態では種結晶8の円錐部29がホルダー7のテー
パ付き内周面26に面接触し、図3で説明した保持装置
と同様に結晶9をセンタリングして安定支持する作用を
呈する。種結晶8に設けるテーパ付き内周面26の角度
によっては、内周面26が円錐部29に面接触しないこ
とがある。このような場合、図4(b)に示すように傾
斜角度が上方に向かって徐々に大きくなる朝顔状の内周
面30を形成したホルダー7を使用することが好まし
い。朝顔状内周面30は、径が異なる種結晶8であって
も円錐部29に対する接触部を大きくし、センタリング
及び安定支持に効果的に働く。朝顔状内周面は、リング
15を使用した種結晶8の保持にも利用できる。この場
合、図5(b),(c)に示すように開放空間部がな
く、朝顔状内周面30を形成した保持リング15を使用
できる。保持リング15は、図5(a)に示すようにホ
ルダー7の段差部21に載置され、図4の場合と同様な
手順で種結晶8を保持する。
うに下方に向けて内径が小さくなるテーパを内周面26
に付けたものを使用することもできる。このときの種結
晶8としては、大径部27と小径部28との間に円錐部
29を形成したものが使用される。円錐部29の傾斜角
度は、テーパ付き内周面26の傾斜角度にほぼ等しく設
定されている。そのため、ホルダー7に種結晶8を挿入
した状態では種結晶8の円錐部29がホルダー7のテー
パ付き内周面26に面接触し、図3で説明した保持装置
と同様に結晶9をセンタリングして安定支持する作用を
呈する。種結晶8に設けるテーパ付き内周面26の角度
によっては、内周面26が円錐部29に面接触しないこ
とがある。このような場合、図4(b)に示すように傾
斜角度が上方に向かって徐々に大きくなる朝顔状の内周
面30を形成したホルダー7を使用することが好まし
い。朝顔状内周面30は、径が異なる種結晶8であって
も円錐部29に対する接触部を大きくし、センタリング
及び安定支持に効果的に働く。朝顔状内周面は、リング
15を使用した種結晶8の保持にも利用できる。この場
合、図5(b),(c)に示すように開放空間部がな
く、朝顔状内周面30を形成した保持リング15を使用
できる。保持リング15は、図5(a)に示すようにホ
ルダー7の段差部21に載置され、図4の場合と同様な
手順で種結晶8を保持する。
【0014】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の保持装
置は、種結晶のほぼ全周に接触する保持リング又はホル
ダーで種結晶を支持し、水平方向移動が規制される保持
リング又はホルダーのテーパ付き内周面で種結晶の中心
を回転中心に一致させている。そのため、偏心回転に起
因する欠陥の持込みがなく、高品質の結晶を育成するこ
とが可能になる。また、径が大きく重量のある結晶を引
き上げる際にも、大きな接触部で種結晶が支持されてい
ることから一点に応力が集中することがなく、育成中の
結晶が落下する原因となる種結晶の亀裂,破壊等が防止
される。
置は、種結晶のほぼ全周に接触する保持リング又はホル
ダーで種結晶を支持し、水平方向移動が規制される保持
リング又はホルダーのテーパ付き内周面で種結晶の中心
を回転中心に一致させている。そのため、偏心回転に起
因する欠陥の持込みがなく、高品質の結晶を育成するこ
とが可能になる。また、径が大きく重量のある結晶を引
き上げる際にも、大きな接触部で種結晶が支持されてい
ることから一点に応力が集中することがなく、育成中の
結晶が落下する原因となる種結晶の亀裂,破壊等が防止
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 チョクラルスキー法による結晶引上げ装置
【図2】 係止溝を付けた種結晶(a)をロックピンで
ホルダーに固定した状態を断面図(b),(c)で示し
た従来の種結晶保持具
ホルダーに固定した状態を断面図(b),(c)で示し
た従来の種結晶保持具
【図3】 本発明に従って保持リング(b),(c)を
使用して種結晶を固定した種結晶保持装置(a)
使用して種結晶を固定した種結晶保持装置(a)
【図4】 同じくテーパ付き内周面で種結晶を支持する
保持装置(a)及び朝顔状の内周面を付けたホルダー
(b)
保持装置(a)及び朝顔状の内周面を付けたホルダー
(b)
【図5】 朝顔状内周面をもつ保持リング(b),
(c)を内蔵したホルダーで種結晶を保持する種結晶保
持装置(a)
(c)を内蔵したホルダーで種結晶を保持する種結晶保
持装置(a)
1:融液 2:石英ルツボ 3:真空容器 4:
ヒータ 5:断熱材 6:電極 7:ホルダー 8:種結晶 9:結晶
10:検出器 11:係止溝 12:係合溝 13:保持孔 1
4:ロックピン 15:保持リング 16:開口部 17:開放空間
部 18:テーパ面 19:大径空間部を区画する内周面 20:小径空間
部を区画する内周面 21:段差部 22:最小径部 23:円錐面
24:キャップ 25:ワイヤ又はロッド 26:テーパ付き内周面
27:大径部 28:小径部 29:円錐部 30:朝顔状の内周
面
ヒータ 5:断熱材 6:電極 7:ホルダー 8:種結晶 9:結晶
10:検出器 11:係止溝 12:係合溝 13:保持孔 1
4:ロックピン 15:保持リング 16:開口部 17:開放空間
部 18:テーパ面 19:大径空間部を区画する内周面 20:小径空間
部を区画する内周面 21:段差部 22:最小径部 23:円錐面
24:キャップ 25:ワイヤ又はロッド 26:テーパ付き内周面
27:大径部 28:小径部 29:円錐部 30:朝顔状の内周
面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 清隆 東京都千代田区丸の内1−4−2 (72)発明者 高瀬 伸光 東京都千代田区丸の内1−4−2 (72)発明者 飯田 哲広 東京都千代田区丸の内1−4−2 (72)発明者 松原 順一 東京都千代田区丸の内1−4−2
Claims (5)
- 【請求項1】 最小径部から上下に向けて径が徐々に大
きくなる加工部を上端近傍に設けた種結晶を保持する装
置であって、大径空間部を区画する内周面と小径空間部
を区画する内周面との間に段差部が設けられたホルダー
と、大径空間部を区画する内周面の内径より若干小さい
外径をもち、中心の開口部から外周部に至る開放空間部
が一部に形成され、ホルダーの段差部に載置される保持
リングとを備え、開放空間部の間口幅が種結晶の最小径
部よりも大きく、開口部が上広がりのテーパ付き内周面
で区画されている結晶引上げ用種結晶保持装置。 - 【請求項2】 小径部から円錐部を経て大径部に至る上
端をもつ種結晶を保持する装置であって、種結晶大径部
用の収容空間からテーパ付き内周面を経て小径部挿通用
の孔部をもつホルダーを備え、テーパ付き内周面で種結
晶の円錐部を支持する結晶引上げ用種結晶保持装置。 - 【請求項3】 小径部から円錐部を経て大径部に至る上
端をもつ種結晶を保持する装置であって、大径空間部を
区画する内周面と小径空間部を区画する内周面との間に
段差が設けられたホルダーと、中心開口部が上広がりの
テーパ付き内周面で区画されており、ホルダーの段差部
に載置される保持リングとを備えている結晶引上げ用種
結晶保持装置。 - 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載のテーパ付
き内周面は、種結晶の円錐部にほぼ等しい傾斜角度を持
っている結晶引上げ用種結晶保持装置。 - 【請求項5】 請求項1〜3の何れかに記載のテーパ付
き内周面は、上方に向かって傾斜角度が大きくなる朝顔
状に形成されている結晶引上げ用種結晶保持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20519796A JPH1029892A (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 結晶引上げ用種結晶保持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20519796A JPH1029892A (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 結晶引上げ用種結晶保持装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1029892A true JPH1029892A (ja) | 1998-02-03 |
Family
ID=16503019
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20519796A Pending JPH1029892A (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | 結晶引上げ用種結晶保持装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1029892A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007302511A (ja) * | 2006-05-11 | 2007-11-22 | Tokuyama Corp | 単結晶引上用種結晶体、該種結晶体用保持具および該種結晶体の保持方法 |
KR101105535B1 (ko) | 2009-01-21 | 2012-01-13 | 주식회사 엘지실트론 | 단결정 성장용 시드 |
JP2016132589A (ja) * | 2015-01-19 | 2016-07-25 | トヨタ自動車株式会社 | 単結晶製造装置 |
-
1996
- 1996-07-15 JP JP20519796A patent/JPH1029892A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007302511A (ja) * | 2006-05-11 | 2007-11-22 | Tokuyama Corp | 単結晶引上用種結晶体、該種結晶体用保持具および該種結晶体の保持方法 |
KR101105535B1 (ko) | 2009-01-21 | 2012-01-13 | 주식회사 엘지실트론 | 단결정 성장용 시드 |
JP2016132589A (ja) * | 2015-01-19 | 2016-07-25 | トヨタ自動車株式会社 | 単結晶製造装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0671491A1 (en) | Method of growing silicon single crystals | |
JPH1029892A (ja) | 結晶引上げ用種結晶保持装置 | |
JPS6259594A (ja) | 結晶の引上げ方法 | |
US4594127A (en) | Method and apparatus for growing crystals | |
KR20230044205A (ko) | 석영유리 도가니 | |
JP3716874B2 (ja) | 種結晶保持治具 | |
JP4351976B2 (ja) | 種結晶保持装置及びそれを用いたシリコン単結晶引上方法 | |
CN210341124U (zh) | 单晶炉重锤及具有其的单晶炉 | |
KR20230044206A (ko) | Cz용 도가니 | |
JPH05246792A (ja) | シリコン多結晶棒自重締付保持具 | |
US20020174823A1 (en) | Chucking systems and methods | |
JP4150959B2 (ja) | 単結晶引き上げ装置 | |
CN214881929U (zh) | 用于单晶炉的籽晶夹具 | |
JP2001019592A (ja) | 単結晶引き上げ装置 | |
US11891718B2 (en) | Method and apparatus for growing silicon single crystal ingot | |
JP2937113B2 (ja) | 種結晶保持具 | |
JP2004010460A (ja) | 種子結晶 | |
JPH11139896A (ja) | Cz法単結晶引上げ用シード保持装置 | |
JP2538270Y2 (ja) | 単結晶成長装置 | |
JP2942986B2 (ja) | 単結晶引き上げ用種結晶 | |
JPH09227281A (ja) | 単結晶引上げ装置 | |
WO2000040786A1 (fr) | Procede de production de monocristal et dispositif de tirage | |
JPH09227282A (ja) | 単結晶引上げ装置 | |
JP4894749B2 (ja) | 単結晶シリコン製造装置 | |
JP6507813B2 (ja) | 種結晶の保持方法、及び種結晶ホルダー |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060308 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20060530 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061024 |