JPH10298556A - 石炭の液化方法 - Google Patents

石炭の液化方法

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JPH10298556A
JPH10298556A JP10756997A JP10756997A JPH10298556A JP H10298556 A JPH10298556 A JP H10298556A JP 10756997 A JP10756997 A JP 10756997A JP 10756997 A JP10756997 A JP 10756997A JP H10298556 A JPH10298556 A JP H10298556A
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憲幸 奥山
Koichi Sato
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Nobuyuki Komatsu
信行 小松
Toshiaki Okui
利明 奥井
Katsunori Shimazaki
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 石炭を溶剤、水酸化鉄触媒又はパイライト触
媒(無水無灰炭基準で1質量%以下)、助触媒としての
単体硫黄の共存下で、420 〜480 ℃、10〜20MPaで水添
する水添工程を遂行すると共に、該水添工程で得られる
水添生成物から硫化鉄を含む重質液化生成物を分離し、
これを前記水添工程へ循環するに際し、高い触媒活性を
維持し得、ひいては液化油収率を向上させる。 【解決手段】 水添工程での気相部の硫化水素ガスの体
積濃度を0.4 〜1.5 %に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭の液化方法に
関し、詳細には、石炭を溶剤、水酸化鉄触媒又はパイラ
イト触媒(鉄の量として石炭の無水無灰分換算の石炭質
量に対して1質量%以下)、及び、助触媒の硫黄の存在
下で、温度:420 〜480 ℃、圧力:10〜20MPa で水添す
る水添工程と、該水添工程で得られる水添生成物から硫
化鉄を含む重質液化生成物を分離して得る分離工程と、
該分離工程で得られる硫化鉄を含む重質液化生成物を前
記水添工程へ循環する循環工程とを有する石炭の液化方
法に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】近年の資源エネルギー事情から石油に替
わる液体燃料の開発が強く望まれている。特に、石炭は
その埋蔵量が豊富なことから、石炭を効率良く液化して
液体燃料を得る技術の確立が重要な課題となっている。
【0003】このため、従来より石炭の液化方法が種々
提案されている。その代表的な石炭の液化方法として
は、乾燥及び粉砕された石炭を溶剤と混合してスラリー
状混合体とし、これに高温高圧下で水素ガスを添加し、
水添反応を起こさせ、液化させる方法があげられる。
【0004】かかる石炭の水添反応(液化反応)を起こ
させる際、一般には水添反応の効率を高めるために前記
スラリー状混合体に触媒が添加され、そして水添反応に
供され、触媒及び溶剤の共存下で石炭を水添する方法が
採用される。
【0005】この水添反応の効率を高める触媒(石炭液
化用触媒)としては、従来から種々のモリブデン系の触
媒、あるいは塩化物系触媒が用いられているが、モリブ
デン系の触媒では極めて高価であると共に資源的な問題
を有しており、塩化物系の触媒では装置の腐食が起こり
易いという問題点があり、安価で比較的活性が高く、回
収する必要のない鉄系触媒がよく用いられてきている。
【0006】この鉄系触媒の中でも、水酸化鉄やパイラ
イト(FeS2)は比較的活性が優れていることが知られて
おり、水酸化鉄触媒としてリモナイト等の鉱物、α−オ
キシ水酸化鉄(ゲーサイト)、γ−オキシ水酸化鉄等が
提案されている(特開平8-41463 号公報)。これら鉄系
触媒は懸濁状で液化工程で使用されるが、一般的には触
媒作用を発揮するのはピロタイト(Fe1-x S )の形の硫
化鉄であるといわれている。水酸化鉄の如く硫黄原子を
含まない鉄系触媒においては、これを硫黄と反応させて
硫化鉄とするために、通常は単体硫黄を助触媒として添
加している。
【0007】この単体硫黄の添加量については多くの研
究がなされているが、添加する触媒の鉄量(即ち、鉄系
触媒の鉄としての量)の1.2 倍(原子比)程度の硫黄を
添加した場合、液化残渣中の硫化鉄の形態はほとんどピ
ロタイトとなっていること、又、添加する硫黄量をさら
に増やしても液化油収率の向上がさほど見込めないこと
より、通常、単体硫黄の添加量は添加する触媒の鉄量の
1〜2倍(原子比)の範囲として行われている。一方、
触媒としてパイライト(FeS2)を用いる場合は、パイラ
イト自身に鉄に対して2倍量(原子比)の硫黄が含まれ
ているため、パイライトが脱硫されてピロタイトを生成
することより、硫黄を添加せずに用いられることが一般
的である。
【0008】また、水添反応の効率を高める別の手段と
して、液化生成物中の硫化鉄を含む重質液化生成物を水
添工程へ循環するボトムリサイクル法が知られている。
これは、水添工程で得られる水添生成物(液化生成物)
を軽質油及び中質油と硫化鉄を含む重質液化生成物とに
分離し、この硫化鉄を含む重質液化生成物を水添工程に
循環し、水添反応を起こさせる方法である。このボトム
リサイクル法を実施することにより、循環使用される重
質液化生成物が分解し、有用な軽質油や中質油等を製品
油として回収することができると共に、重質液化生成物
に含まれる硫化鉄の触媒活性のため、水添反応の効率が
向上するという利点がある。
【0009】水添反応の条件としては、通常 400〜500
℃の高温下で、かつ、水素圧10〜30MPa ないしはそれ以
上の水素圧下で水添するという条件が採用される。しか
し、最近では、高活性触媒の開発やボトムリサイクル法
の実施により、条件を緩和することが可能となり、反応
温度:420 〜480 ℃、反応圧力:10〜20MPa 程度の反応
条件で水添が行われることが主流となっいる。
【0010】触媒添加量については、鉄系触媒を用いる
場合、一般的には、水分及び灰分を除いた石炭(無水無
灰炭)の質量、即ち、石炭の無水無灰分換算の石炭質量
に対して鉄として(鉄基準で)3質量%程度の添加とさ
れる。しかし、最近では、高活性触媒の開発が進み、前
記水酸化鉄触媒やパイライト触媒の添加量が鉄基準で石
炭の無水無灰分換算の石炭質量に対して(無水無灰炭基
準で)1質量%以下でも比較的高い油分収率が得られる
ようになった。
【0011】しかしながら、これらの水酸化鉄触媒を触
媒として用い、経済性向上のため触媒添加量を鉄基準で
1質量%以下にした場合、触媒と共に添加される助触媒
の単体硫黄の量も減少する。又、パイライト触媒を触媒
として用い、単体硫黄を添加しない場合においても、パ
イライト触媒の添加量が減少すると、必然的にパイライ
トに含まれる硫黄の量も減少する。従って、前記ボトム
リサイクル法により硫化鉄を含む重質液化生成物を水添
工程に循環使用した場合、硫化鉄であるピロタイト(即
ち、触媒作用を発揮するピロタイトの形態の硫化鉄)中
の硫黄が徐々に脱硫され、触媒活性が小さいとされるト
ロイライト(FeS )の形態の硫化鉄が生成し、そのた
め、硫化鉄の触媒活性が低下し、ボトムリサイクル法に
よる液化油収率向上の寄与が小さくなってくる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な事情
に着目してなされたものであって、その目的は、石炭に
溶剤を添加し、触媒として水酸化鉄又はパイライトをそ
の鉄の量として前記石炭の無水無灰分換算の石炭質量に
対して1質量%以下となるように添加し、助触媒として
単体硫黄を添加した混合体を温度:420 〜480 ℃、圧
力:10〜20MPa で水添する水添工程を遂行すると共に、
該水添工程で得られる水添生成物から硫化鉄を含む重質
液化生成物を分離して得、この硫化鉄を含む重質液化生
成物を前記水添工程へ循環する(即ち、ボトムリサイク
ル法により循環する)に際し、前記従来の石炭の液化方
法の場合と異なり、触媒作用を発揮するピロタイトの形
態の硫化鉄の脱硫が生じ難く、触媒活性が小さいとされ
るトロイライトの形態の硫化鉄の生成を抑制し得、その
ため、硫化鉄の触媒活性の低下を抑制し得て高い触媒活
性を維持し得、ひいては従来の石炭の液化方法の場合に
比較して液化油収率を向上し得る石炭の液化方法を提供
しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る石炭の液化方法は、請求項1〜2記
載の石炭の液化方法としており、それは次のような構成
としたものである。即ち、請求項1記載の石炭の液化方
法は、石炭に溶剤を添加し、触媒として水酸化鉄又はパ
イライトをその鉄の量として前記石炭の無水無灰分換算
の石炭質量に対して1質量%以下となるように添加し、
助触媒として単体硫黄を添加した混合体を温度:420 〜
480 ℃、圧力:10〜20MPa で水添する水添工程と、該水
添工程で得られる水添生成物から硫化鉄を含む重質液化
生成物を分離して得る分離工程と、該分離工程で得られ
る硫化鉄を含む重質液化生成物を前記水添工程へ循環す
る循環工程とを有する石炭の液化方法であって、前記水
添工程での気相部の硫化水素ガスの体積濃度を0.4 〜1.
5 %に調整することを特徴とする石炭の液化方法である
(第1発明)。
【0014】請求項2記載の石炭の液化方法は、前記石
炭が褐炭であって、硫化水素ガスに転化し得る硫黄の含
有量が該褐炭の無水無灰分換算の褐炭質量に対して3%
以下である請求項1記載の石炭の液化方法である(第2
発明)。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は石炭の液化方法に係わ
り、例えば次のようにして実施する。石炭に溶剤を添加
し、触媒として水酸化鉄又はパイライトをその鉄の量と
して前記石炭の無水無灰分換算の石炭質量に対して1質
量%以下となるように添加し、助触媒として単体硫黄を
添加して、スラリー状混合体を得る。次に、該スラリー
状混合体に水素を添加し、温度:420 〜480 ℃、圧力:
10〜20MPa の水添反応条件で水添反応塔において水添す
る水添工程を遂行する。それと共に、該水添工程で得ら
れる水添生成物から硫化鉄を含む重質液化生成物を分離
して得、この硫化鉄を含む重質液化生成物を前記水添工
程へ循環して供給する(即ち、ボトムリサイクル法によ
り循環供給する)。このとき、前記水添工程での気相部
の硫化水素ガスの体積濃度を0.4 〜1.5 %に調整する。
この硫化水素ガスの体積濃度の調整は、前記単体硫黄の
添加量を調整することにより行う。即ち、助触媒として
添加された単体硫黄の量が比較的多い場合、水添工程に
おいて単体硫黄は助触媒として作用するだけでなく、水
素と反応して硫化水素ガスを生成するので、単体硫黄の
量を調整することにより、水添工程での気相部(水添反
応塔内の気相部)での硫化水素ガスの体積濃度を調整す
ることができ、かかる調整により硫化水素ガスの体積濃
度を0.4 〜1.5 %に調整する。より具体的には、水添工
程での気相部の硫化水素ガスの体積濃度が0.4 〜1.5 %
になるように、単体硫黄の添加量を調整する。
【0016】本発明は、ボトムリサイクル法により硫化
鉄を含む重質液化生成物を水添工程へ循環使用するに際
し、硫化鉄の触媒活性の低下を抑制し得て高い触媒活性
を維持し得る技術を開発すべく研究した結果、水添反応
塔内の気相部の硫化水素ガスの濃度を0.4 〜1.5 vol(体
積)%に調整すると、硫化鉄の触媒活性の低下が抑制さ
れて硫化鉄の高い触媒活性が維持されるという新規知見
を得、この知見に基づき完成されたものである。
【0017】即ち、石炭に溶剤を添加し、触媒として水
酸化鉄またはパイライトをその鉄の量として前記石炭の
無水無灰分換算の石炭質量に対して1質量%以下となる
ように添加し、助触媒として単体硫黄を添加した混合体
を温度:420 〜480 ℃、圧力:10〜20MPa で水添する水
添工程と、該水添工程で得られる水添生成物から硫化鉄
を含む重質液化生成物を分離して得る分離工程と、該分
離工程で得られる硫化鉄を含む重質液化生成物を前記水
添工程へ循環する(ボトムリサイクル法により循環す
る)循環工程とを有する石炭の液化方法において、前記
水添工程での単体硫黄の添加量を調整することにより前
記水添工程での気相部の硫化水素ガスの濃度を調整する
ことができ、この硫化水素ガスの濃度を0.4 〜1.5 vol
(体積)%に調整すると、従来の石炭の液化方法の場合
と異なり、触媒作用を発揮するピロタイトの形態の硫化
鉄の脱硫が生じ難く、触媒活性が小さいとされるトロイ
ライトの形態の硫化鉄の生成を抑制し得、そのため、硫
化鉄の触媒活性の低下を抑制し得て高い触媒活性を維持
し得、ひいては従来の石炭の液化方法の場合に比較して
液化油収率を向上し得るという新規知見が得られた。
【0018】ここで、単体硫黄の添加量を調整すること
により水添工程での気相部の硫化水素ガスの体積濃度を
調整することができるのは、単体硫黄は鉄系触媒を硫化
鉄にする助触媒として作用するだけでなく、水添工程に
おいて水素と反応し、硫化水素ガスを生成するからであ
る。即ち、助触媒として単体硫黄を添加する際、鉄系触
媒の鉄分よりも原子比で過剰に単体硫黄を添加すると、
この過剰分の単体硫黄は水添系内の水素と反応し、硫化
水素ガスを生成する。従って、かかる単体硫黄の量によ
り硫化水素ガスの生成量を変化させ得るからである。
【0019】本発明は上記の如き知見に基づきなされた
ものであり、本発明に係る石炭の液化方法は、前述の如
く、石炭に溶剤を添加し、触媒として水酸化鉄又はパイ
ライトをその鉄の量として前記石炭の無水無灰分換算の
石炭質量に対して1質量%以下となるように添加し、助
触媒として単体硫黄を添加した混合体を温度:420 〜48
0 ℃、圧力:10〜20MPa で水添する水添工程と、該水添
工程で得られる水添生成物から硫化鉄を含む重質液化生
成物を分離して得る分離工程と、該分離工程で得られる
硫化鉄を含む重質液化生成物を前記水添工程へ循環する
循環工程とを有する石炭の液化方法であって、前記水添
工程での気相部の硫化水素ガスの体積濃度を0.4 〜1.5
%に調整するようにしている(第1発明)。
【0020】従って、本発明に係る石炭の液化方法によ
れば、石炭に溶剤を添加し、触媒として水酸化鉄又はパ
イライトをその鉄の量として前記石炭の無水無灰分換算
の石炭質量に対して1質量%以下となるように添加し、
助触媒として単体硫黄を添加した混合体を温度:420 〜
480 ℃、圧力:10〜20MPa で水添する水添工程を遂行す
ると共に、該水添工程で得られる水添生成物から硫化鉄
を含む重質液化生成物を分離して得、この硫化鉄を含む
重質液化生成物を前記水添工程へ循環する(ボトムリサ
イクル法により循環する)に際し、従来の石炭の液化方
法の場合と異なり、触媒作用を発揮するピロタイトの形
態の硫化鉄の脱硫が生じ難く、触媒活性が小さいとされ
るトロイライトの形態の硫化鉄の生成を抑制し得、その
ため、硫化鉄の触媒活性の低下を抑制し得て高い触媒活
性を維持し得、ひいては従来の石炭の液化方法の場合に
比較して液化油収率を向上し得るようになる。
【0021】本発明において、前記水添工程において調
整される硫化水素ガスの体積濃度を0.4 〜1.5 %として
いるのは、0.4 %未満にすると硫化鉄の触媒活性が低下
し、それに伴って液化油収率が低下し、1.5 %超にする
と液化油収率が低下して不充分となるからである。
【0022】このように、ボトムリサイクル法により硫
化鉄を含む重質液化生成物を水添工程へ循環使用するに
際し、水添工程での気相部の硫化水素ガスの体積濃度を
0.4〜1.5 %にすると硫化鉄の触媒活性が高く、液化油
収率が向上し、0.4 %未満にした場合や1.5 %超にした
場合には液化油収率が低下する理由については、必ずし
も明らかではないが、次のように考えられる。
【0023】水酸化鉄触媒やパイライト触媒は水添工程
においてピロタイトの形態の硫化鉄に転化し、このピロ
タイトが触媒活性を有し、触媒作用を発揮すると考えら
れている。このピロタイトは、ボトムリサイクル法によ
り重質液化生成物と共に循環される過程において徐々に
脱硫され、触媒活性が小さいとされるトロイライトの形
態の硫化鉄に転化し、硫化鉄の触媒活性が劣化してく
る。そこで、単体硫黄の添加量を増やし水添工程での気
相部の硫化水素ガスの体積濃度を0.4 %以上に増加させ
ると、硫化鉄(ピロタイト)の脱硫が抑制でき、触媒活
性の高いピロタイトの状態が維持され、ひいては液化油
収率が向上する。一方、単体硫黄は溶剤中の水素と反応
し硫化水素ガスを生成するが、単体硫黄の添加量が増加
すると共に溶剤が脱水素され、溶剤中の移行可能性水素
量が減少し、溶剤の水素供与性能が低下してくる。水添
工程での気相部の硫化水素ガス濃度を1.5vol%超とした
場合には、それに応じて単体硫黄の添加量が多くなり、
硫化鉄の脱硫が抑制される効果よりも、溶剤の脱水素に
よる溶剤の水素供与性能の低下の影響が大きくなり、水
添反応性が低下し、ひいては液化油収率が低下するもの
と考えられる。
【0024】本発明において、水添工程での気相部の硫
化水素ガスの体積濃度とは、水添工程での気相部の体積
V1から、この気相部中の水、軽質油等で、圧力:1気圧
(0.1MPa )、常温としたときに凝縮する性質を有する気
体の占める体積V2を引いた体積V3(=V1−V2)中に、占
める硫化水素ガスの体積V4の割合のことである。即ち、
100 ×V4/V3の値のことである。
【0025】本発明において、使用する石炭としては、
特には限定されず、褐炭等の低炭化度炭の他、亜瀝青炭
や瀝青炭を使用することができるが、安価で比較的穏和
な反応条件で液化し易い褐炭を用いるのが望ましい。
【0026】ところで、褐炭には硫黄が含まれており、
褐炭中の硫黄には硫化水素ガスを発生するものもある。
褐炭中の硫黄の量は、炭種、炭層によって異なり、その
量は無水無灰炭基準で(無水無灰分換算の石炭質量に対
して)0.1 〜数%と種々のものが存在する。これらの褐
炭の中で、硫化水素ガスに転化し得る硫黄の含有量が多
く、その含有量が無水無灰炭基準で3%を超える褐炭を
用いる場合、過剰の水素ガスを水添塔内に供給する等の
対策をとらない限り、褐炭中の硫黄から生成する硫化水
素ガスの水添塔内気相部における体積濃度が1.5 %を越
えてしまい、水添塔内気相部の硫化水素ガスの体積濃度
を0.4 〜1.5 %に調整し難くなり、0.4〜1.5 %に調整
できなくなることもあり得る。即ち、硫化水素ガスに転
化し得る硫黄の褐炭中の含有量が無水無灰炭基準で3%
を超える場合には、硫黄量が多過ぎて、硫黄と水素との
反応により生成した硫化水素ガスにより硫化鉄の脱硫が
抑制される効果よりも、硫黄による溶剤の脱水素によっ
て溶剤の水素供与性能が低下する影響の方が大きくなり
易く、ひいては液化油収率が低下し易くなるという傾向
がある。従って、石炭として褐炭を用いる場合、硫化水
素ガスに転化し得る硫黄の含有量が該褐炭の無水無灰分
換算の褐炭質量に対して3%以下である褐炭を用いるこ
とが望ましい(第2発明)。
【0027】これらの褐炭は通常、約60メッシュより細
かい粒度に粉砕されたものが使用され、これによれば有
利に石炭液化を行うことができる。
【0028】本発明において、触媒として水酸化鉄又は
パイライトを用いられるが、これらは鉄系触媒の中でも
比較的活性が優れている。この中、水酸化鉄触媒として
はリモナイト等の鉱物、α−オキシ水酸化鉄(ゲーサイ
ト)、γ−オキシ水酸化鉄等が用いられる。これら触媒
の添加量は、多いほど液化油収率は向上するものの、鉄
の量として無水無灰炭に対して1質量%超としても、触
媒添加量の増加に対する液化油収率の増加量が少なくな
り、経済的でないことから、1質量%以下とする。
【0029】水添工程における水添反応条件は、比較的
緩和な条件として、反応温度:420〜480 ℃、反応圧
力:10〜20MPa とする。
【0030】溶剤としては、石炭液化プロセスや反応条
件によっても異なるが、通常180 〜420 ℃の沸点範囲の
留分から選ばれた石炭系溶剤が使用される。この溶剤
は、スラリー調整工程(石炭、溶剤及び触媒が共存する
スラリー状混合体を得る工程)で使用され、そして、水
添工程で得られる水添生成物からの溶剤分離工程、又
は、油分分離工程(水添生成物から蒸留等の分離操作に
より、溶剤を分離して得る工程、又は、油分を分離して
得る工程)で溶剤として分離される。
【0031】溶剤は供給される石炭に対して通常1〜3
倍量が添加されるので、溶剤の使用量は膨大なものとな
る。そのため、前記溶剤分離工程、油分分離工程の中、
油分分離工程を採用し、油分分離工程において油分(軽
質油、中質油、重質油)を製品として得る石炭の液化方
法においては、この油分の一部が石炭液化溶剤としてス
ラリー調整工程に循環使用される場合が多い。
【0032】水添生成物から分離した硫化鉄を含む重質
液化生成物を水添工程へ循環する方法としては、特には
限定されず、前記油分分離工程において得られる油分と
ともにスラリー調整工程に循環してもよいし、直接水添
反応塔に循環してもよく、或いは、油分と分離された状
態でスラリー調整工程又は水添反応塔に循環してもよ
い。水添生成物から分離した硫化鉄を含む重質液化生成
物の全量を循環してもよいし、一部を循環し、残りを系
外に抜き出してもよい。
【0033】
【実施例】本発明の実施例を以下説明するが、本発明は
その要旨を越えない限り、これら実施例に限定されるも
のではない。
【0034】〔実施例1〕電磁誘導攪拌機を備えた内容
積:8.5リットル(この内、液相部4リットル)の水添反
応器(塔)を直列に3塔有する連続反応装置を用いて、
下記の如き方法により石炭液化を実施した。
【0035】先ず、表1に示す如き性状を有する褐炭に
水酸化鉄触媒としてγ−オキシ水酸化鉄触媒を添加し、
助触媒として単体硫黄を添加し、更に石炭液化溶剤を添
加して、スラリー状混合体を得た。このとき、γ−オキ
シ水酸化鉄触媒の添加量は、表2に示す如く、鉄量とし
て無水無灰炭基準(以降、mafcという)で1.0 質量%と
なるようにし、石炭液化溶剤の添加量は無水無灰炭基準
で250 質量%となるようにした。単体硫黄の添加量は、
表2に示す如く、触媒の鉄量に対する原子比での倍率
(以降、S/Fe原子比という)で2.0 となるようにし
た。
【0036】上記スラリー状混合体を水素ガスと共に予
熱器で予熱した後、前記連続反応装置の水添反応塔へ供
給し、反応温度:450 ℃、反応圧力:14.7MPa 、見かけ
反応時間:1hの条件で水添した。但し、予熱器手前に
吹き込む水素ガス量を1.2Nm3/kg・mafcとした。最前段
(1塔目)の水添反応塔にはプロセスガスを3.4Nm3/kg
・mafcの量だけ循環した。
【0037】次に、水添生成物から硫化鉄を含む沸点42
0 ℃以上の重質液化生成物を分離して得、これを無水無
灰炭基準で100 %を原料調整工程(スラリー状混合体を
得る工程)に循環し、ボトムリサイクル法により水添工
程へ循環した。このとき、スラリー状混合体中の溶剤量
は無水無灰炭基準で約150 %となる。
【0038】その結果、表2に示す如く、水添反応塔内
の気相部での硫化水素ガスの体積濃度は0.4 %であっ
た。水添反応塔内における硫化鉄中、ピロタイトがトロ
イライトに転化した割合は30%であった。油分収率は無
水無灰炭基準で64.8質量%であった。
【0039】尚、水添反応塔内の気相部での硫化水素ガ
スの体積濃度は、次のようにして分析して求めた。水添
反応塔内のガスを一部採取し、採取したガスの内、常温
・1気圧において凝縮しない成分について、ガスクロマ
トグラフィーで分析し、硫化水素ガスの体積濃度を測定
した。
【0040】〔実施例2〕単体硫黄の添加量をS/Fe原
子比で3.0 となるようにし、この点を除き、実施例1と
同様の方法により石炭液化を実施した。
【0041】その結果、表2に示す如く、水添反応塔内
の気相部での硫化水素ガスの体積濃度は1.1 %であっ
た。水添反応塔内における硫化鉄中、ピロタイトがトロ
イライトに転化した割合は25%であった。油分収率は無
水無灰炭基準で66.1質量%であった。
【0042】〔実施例3〕単体硫黄の添加量をS/Fe原
子比で3.5 となるようにし、この点を除き、実施例1と
同様の方法により石炭液化を実施した。
【0043】その結果、表2に示す如く、水添反応塔内
の気相部での硫化水素ガスの体積濃度は1.5 %であっ
た。水添反応塔内における硫化鉄中、ピロタイトがトロ
イライトに転化した割合は25%であった。油分収率は無
水無灰炭基準で65.2質量%であった。
【0044】〔比較例1〕単体硫黄の添加量をS/Fe原
子比で1.2 となるようにし、この点を除き、実施例1と
同様の方法により石炭液化を実施した。
【0045】その結果、表2に示す如く、水添反応塔内
の気相部での硫化水素ガスの体積濃度は0.1 %であっ
た。水添反応塔内における硫化鉄中、ピロタイトがトロ
イライトに転化した割合は80%であった。油分収率は無
水無灰炭基準で49.0質量%であった。
【0046】〔比較例2〕単体硫黄の添加量をS/Fe原
子比で1.5 となるようにし、この点を除き、実施例1と
同様の方法により石炭液化を実施した。
【0047】その結果、表2に示す如く、水添反応塔内
の気相部での硫化水素ガスの体積濃度は0.3 %であっ
た。水添反応塔内における硫化鉄中、ピロタイトがトロ
イライトに転化した割合は45%であった。油分収率は無
水無灰炭基準で53.7質量%であった。
【0048】〔比較例3〕単体硫黄の添加量をS/Fe原
子比で4.0 となるようにし、この点を除き、実施例1と
同様の方法により石炭液化を実施した。
【0049】その結果、表2に示す如く、水添反応塔内
の気相部での硫化水素ガスの体積濃度は1.9 %であっ
た。水添反応塔内における硫化鉄中、ピロタイトがトロ
イライトに転化した割合は20%であった。油分収率は無
水無灰炭基準で57.5質量%であった。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】以上の実施例及び比較例からわかるよう
に、水添反応塔内の気相部における硫化水素ガスの体積
濃度が0.4 %未満である場合、硫化鉄中のトロイライト
の比率が45〜80%と多く、油分収率は50質量%程度と低
い。これは、水添反応塔内気相部の硫化水素ガス濃度が
低いため、ピロタイトが脱硫され、触媒活性の小さいト
ロイライトの生成量が増加し、硫化鉄の触媒活性が低下
し、水素ガスから溶剤への水素供与速度が遅く、その結
果、油分収率が低くなったものと考えられる。これに対
し、水添反応塔内気相部における硫化水素ガスの体積濃
度を0.4 〜1.5 %に調整すると、ピロタイトの脱硫が抑
制され、硫化鉄中のトロイライトの比率が25〜30%に減
少し、触媒の活性劣化が抑制され、その結果、65質量%
程度の高い油分収率が得られた。しかし、水添反応塔内
気相部の硫化水素ガスの体積濃度を1.9 %に増加させる
と、さらにピロタイトの脱硫が抑制され、硫化鉄中のト
ロイライトの比率が20%まで減少するものの、その一方
で、単体硫黄添加量の増加に伴って溶剤自身が脱水素さ
れ、溶剤の移行可能水素量が減少し、溶剤の水素供与能
が低下し、その結果、油分収率が低下したものと考えら
れる。
【0053】以上のことより、水添反応塔内気相部にお
ける硫化水素ガスの体積濃度が0.4%未満でも、1.5 %
を超えても油分収率が低く、硫化水素ガスの体積濃度が
0.4〜1.5 %の場合に油分収率が高く有効であることが
わかる。
【0054】
【発明の効果】本発明に係る石炭の液化方法によれば、
石炭に溶剤を添加し、触媒として水酸化鉄又はパイライ
トをその鉄の量として前記石炭の無水無灰分換算の石炭
質量に対して1質量%以下となるように添加し、助触媒
として単体硫黄を添加した混合体を温度:420 〜480
℃、圧力:10〜20MPa で水添する水添工程を遂行すると
共に、該水添工程で得られる水添生成物から硫化鉄を含
む重質液化生成物を分離して得、この硫化鉄を含む重質
液化生成物を前記水添工程へ循環する(ボトムリサイク
ル法により循環する)に際し、従来の石炭の液化方法の
場合と異なり、触媒作用を発揮するピロタイトの形態の
硫化鉄の脱硫が生じ難く、触媒活性が小さいとされるト
ロイライトの形態の硫化鉄の生成を抑制し得、そのた
め、硫化鉄の触媒活性の低下を抑制し得て高い触媒活性
を維持し得、ひいては従来の石炭の液化方法の場合に比
較して液化油収率を向上し得るようになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥井 利明 兵庫県明石市二見町東二見643番地の1− 1107号 (72)発明者 嶋崎 勝乗 兵庫県神戸市垂水区向陽2丁目6−26− 501

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭に溶剤を添加し、触媒として水酸化
    鉄又はパイライトをその鉄の量として前記石炭の無水無
    灰分換算の石炭質量に対して1質量%以下となるように
    添加し、助触媒として単体硫黄を添加した混合体を温
    度:420 〜480℃、圧力:10〜20MPa で水添する水添工
    程と、該水添工程で得られる水添生成物から硫化鉄を含
    む重質液化生成物を分離して得る分離工程と、該分離工
    程で得られる硫化鉄を含む重質液化生成物を前記水添工
    程へ循環する循環工程とを有する石炭の液化方法であっ
    て、前記水添工程での気相部の硫化水素ガスの体積濃度
    を0.4 〜1.5 %に調整することを特徴とする石炭の液化
    方法。
  2. 【請求項2】 前記石炭が褐炭であって、硫化水素ガス
    に転化し得る硫黄の含有量が該褐炭の無水無灰分換算の
    褐炭質量に対して3%以下である請求項1記載の石炭の
    液化方法。
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