JPH10121055A - 石炭の液化方法 - Google Patents

石炭の液化方法

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JPH10121055A
JPH10121055A JP8278076A JP27807696A JPH10121055A JP H10121055 A JPH10121055 A JP H10121055A JP 8278076 A JP8278076 A JP 8278076A JP 27807696 A JP27807696 A JP 27807696A JP H10121055 A JPH10121055 A JP H10121055A
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研二 上杉
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和治 田澤
Takao Kaneko
隆雄 兼子
Masaaki Tamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石炭の熱分解に由来する望ましくない反応を
抑制することにより、従来の石炭の液化方法の場合に比
較し、水素ガスの消費量を低減し得、又、液化油を高い
収率で得ることができる石炭の液化方法を提供する。 【解決手段】 褐炭等の石炭を溶剤及び触媒の存在下で
水添する水添処理工程を含む石炭の液化方法において、
触媒として250 ℃以下の温度でピロータイトに転換する
鉄化合物を用い、250 〜400 ℃の温度で低温水添した
後、該低温水添での温度よりも高い温度で高温水添する
ことにより、水添することを特徴とする石炭の液化方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭の液化方法に
関し、詳細には、石炭を溶剤及び触媒の存在下で水添す
る水添工程を含む石炭の液化方法に関する技術分野に属
する。
【0002】
【従来の技術】近年の資源エネルギー事情から石油に替
わる液体燃料の開発が強く望まれている。特に、石炭は
その埋蔵量が豊富なことから、石炭を効率良く液化して
液体燃料を得る技術の確立が重要な課題となっている。
【0003】このため、従来より石炭の液化方法が種々
提案されている。その代表的な石炭の液化方法として
は、乾燥及び粉砕された石炭を溶剤と混合してスラリー
状混合体とし、これに水素ガスを添加し、予熱器で急速
に昇温した後、高温高圧下で水添反応を行う方法があげ
られる。更に、液化油収率向上の改良方法として、低温
で一旦温度を保持する、もしくは低温から徐々に昇温す
るなどの方法により、石炭の可溶化(低分子化)を予め
促進した後、高温で水添反応を行う方法があげられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、褐炭のよう
に比較的若い石炭は、反応性が高く、その熱分解は200
℃付近での含酸素官能基の分解に始まり、250 ℃から比
較的激しくなりはじめ、350 ℃付近からは一酸化炭素や
炭化水素ガスの発生とともに活発になり、石炭から熱分
解ラジカルが著しく発生し、石炭中のラジカル濃度が急
増することが知られている。ここで、石炭中のラジカル
濃度は、石炭の熱分解により石炭から生じたラジカル
(以下、石炭の熱分解ラジカルという)の石炭中での濃
度のことである。
【0005】前記従来の石炭の液化方法においては、上
記の如き石炭の熱分解が比較的激しくなり始める250 ℃
から400 ℃の温度範囲において石炭の熱分解ラジカルに
対して充分な水素を与えること(水添)が困難であるた
め、石炭の熱分解ラジカル同士の再結合が起こり、それ
により石炭(原料炭)の重縮合化が進行し、究極的には
高温でも水素供与による水素化分解(水添)が困難なコ
ーク状の重質物が生成する。
【0006】その結果、石炭の液化反応性の低下をまぬ
がれず、又、重質物の生成とともに一方でメタン等のガ
ス成分の収率が増加するため、目的物質である液化油の
収率が低くなり、更には、水添のために添加した水素ガ
スが石炭からのガス生成に消費されて、液化油の生成に
有効に使われず、ひいては液化油の製造コストが高くな
るという問題点がある。
【0007】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は、前述の如き石炭の熱分解に
由来する望ましくない反応を抑制することにより、前記
従来の石炭の液化方法の場合に比較し、水素ガスの消費
量を低減し得、又、液化油を高い収率で得ることができ
る石炭の液化方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る石炭の液化方法は、請求項1〜4記
載の石炭の液化方法としており、それは次のような構成
としたものである。即ち、請求項1記載の石炭の液化方
法は、石炭を溶剤及び触媒の存在下で水添する水添処理
工程を含む石炭の液化方法において、触媒として250 ℃
以下の温度でピロータイトに転換する鉄化合物を用い、
250 〜400 ℃の温度で低温水添した後、該低温水添での
温度よりも高い温度で高温水添することにより、水添す
ることを特徴とする石炭の液化方法である(第1発
明)。
【0009】請求項2記載の石炭の液化方法は、前記高
温水添の前に、前記低温水添後の石炭、溶剤及び触媒を
含む混合体から溶剤の一部を分離して混合体中の石炭濃
度を40〜60質量%にする請求項1記載の石炭の液化方法
である(第2発明)。
【0010】請求項3記載の石炭の液化方法は、前記触
媒としての鉄化合物が水酸化鉄を主体とする鉄化合物で
ある請求項1または2記載の石炭の液化方法である(第
3発明)。請求項4記載の石炭の液化方法は、前記石炭
が褐炭である請求項1、2又は3記載の石炭の液化方法
である(第4発明)。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は石炭の液化方法に係わ
り、例えば次のようにして実施する。石炭に溶剤を添加
し、更に触媒として250 ℃以下の温度でピロータイトに
転換する鉄化合物を添加して、スラリー状混合体を得
る。次に、このスラリー状混合体に水素を添加し、そし
て、250 〜400 ℃の温度T1で低温水添し、その後、該低
温水添での温度T1よりも高い温度T2で高温水添する。こ
こで、高温水添での温度T2は、充分に水添反応が起こる
温度とし、通常は400 〜500 ℃とする。これらの水添温
度については適宜選定され、例えば、低温水添温度T1
350 ℃、高温水添温度T2を450 ℃とする。
【0012】このようにすると、前述の如き石炭の熱分
解に由来する望ましくない反応が抑制され、その結果、
前記従来の石炭の液化方法の場合に比較し、水素ガスの
消費量を低減し得、又、液化油を高い収率で得ることが
できる。
【0013】即ち、触媒として250 ℃以下の温度でピロ
ータイトに転換する鉄化合物を添加し用いているので、
この触媒として添加した鉄化合物は250 ℃以下の温度で
ピロータイトに転換し、その結果、温度T1(250 〜400
℃)での低温水添の段階において触媒はピロータイトと
して存在している。このように触媒がピロータイトとし
て存在すると、石炭の熱分解が比較的激しくなり始める
250 ℃から400 ℃の温度範囲においても石炭の熱分解ラ
ジカルに対して効果的に充分な水素を供与し得る。故
に、温度T1(250 〜400 ℃)での低温水添の段階におい
て、石炭の熱分解ラジカルに対して効果的に充分な水素
が供与される。
【0014】そのため、石炭の熱分解ラジカル同士の再
結合が抑制される。その結果、脱水素反応や石炭の重縮
合化反応が抑制され、そのため高温でも水素化分解(水
添)が困難なコーク状の重質物の生成が抑制される。
【0015】そして、かかる低温水添の後に、低温水添
での温度T1よりも高い温度T2での高温水添が行われるの
で、この高温水添段階において水素化分解(水添)が円
滑に起こり、又、そのために水素ガスが液化油の生成に
有効に使われる。
【0016】従って、前記従来の石炭の液化方法の場合
に比較し、水素ガスの消費量が少なく、又、液化油を高
い収率で得ることができる。
【0017】かかる本発明の実施の形態からもわかるよ
うに、本発明に係る石炭の液化方法によれば、前述の如
き石炭の熱分解に由来する望ましくない反応が抑制さ
れ、その結果、前記従来の石炭の液化方法の場合に比較
し、水素ガスの消費量を低減し得、又、液化油を高い収
率で得ることができる。
【0018】この詳細を以下説明する。
【0019】本発明者らは、石炭の熱分解過程と発生す
る熱分解ラジカルの挙動および水素供与による熱分解ラ
ジカルの安定化などについて詳細に検討した。その結
果、石炭の熱分解は、200 ℃付近から始まり、250 ℃か
ら比較的激しくなり始め、特に350 ℃付近から活発にな
り、石炭の熱分解ラジカル濃度が急増するが、触媒とし
て250 ℃以上の温度でピロータイトとして存在する触媒
を用いることにより、250 〜400 ℃の温度範囲において
も石炭の熱分解ラジカルに対して効果的に充分な水素を
供与し得、それ故に、250 〜400 ℃の温度における石炭
の熱分解ラジカル同士の再結合を抑制し得るという新規
知見を得た。
【0020】そして、この抑制により、脱水素反応や石
炭の重縮合化反応などの望ましくない逆反応が抑制さ
れ、そのため高温でも水素化分解(水添)が困難なコー
ク状の重質物の生成等が抑制されるなど、反応性に乏し
い重縮合物の生成が抑制され、その結果、高温での水添
処理において炭化水素ガスの発生量が減少すると共に、
水添が円滑に起こり、又、そのために水素ガスが液化油
の生成に有効に使われ、ひいては、水素ガスの消費量が
少なく、又、有用な液化油を高い収率で得ることができ
ることを見出した。
【0021】本発明は、かかる知見に基づきなされたも
のである。即ち、本発明に係る石炭の液化方法(第1発
明)は、前記の如く、石炭を溶剤及び触媒の存在下で水
添する水添処理工程を含む石炭の液化方法において、触
媒として250 ℃以下の温度でピロータイトに転換する鉄
化合物を用い、250 〜400 ℃の温度で低温水添した後、
該低温水添での温度よりも高い温度で高温水添すること
により、水添することを特徴とする石炭の液化方法とし
ている。故に、本発明に係る石炭の液化方法によれば、
前述の如き石炭の熱分解に由来する望ましくない反応が
抑制され、その結果、前記従来の石炭の液化方法の場合
に比較し、水素ガスの消費量を低減し得、又、液化油を
高い収率で得ることができる。
【0022】本発明において、低温水添は250 〜400 ℃
の温度で行う必要がある、即ち、低温水添の際の温度は
250 〜400 ℃にする必要がある。この理由を以下説明す
る。
【0023】低温水添の際の温度が250 ℃より低い場合
は、石炭の熱分解が非常に緩やかであるため、発生する
熱分解ラジカルの濃度も低く、石炭内の水素移動によっ
ても充分な水素供与が可能であり、重縮合物の生成も認
められない。即ち、250 ℃より低い温度領域では、熱分
解ラジカルの安定化に必要な水素の量は極めて少ないた
め、低温水添をして充分な水素供与を行う必要がないと
共に低温水添をしてもその効果は得られない。一方、40
0 ℃より高い温度では石炭の熱分解が活発になりすぎ
て、石炭の熱分解ラジカル濃度が急増しすぎるため、石
炭の熱分解ラジカルに対する水素供与が追いつかなくて
不充分となり、ひいては、水素ガスの消費量を低減し得
ず、又、液化油を高い収率で得ることができない。従っ
て、石炭の熱分解が比較的緩やかで、石炭の熱分解ラジ
カルの生成速度と石炭の熱分解ラジカルに対する水素供
与速度とがつり合う250 〜400 ℃の温度とする必要があ
り、これにより、石炭の熱分解ラジカルに対して水素供
与が充分になされ、石炭の熱分解ラジカル同士の再結合
による重質物の生成が抑制されるからである。
【0024】低温水添の際の処理時間は10〜60分程度が
適当である。処理温度が高いほど処理時間は短くてよい
が、350 ℃で30分程度の処理が好ましく用いられる。
【0025】触媒は、本発明において前述の如き重要な
役割を果たすものであり、触媒として添加され用いられ
る鉄化合物は250 ℃以下の温度でピロータイトに転換さ
れる必要がある。
【0026】ここで、鉄化合物のピロータイトへの転換
の温度を250 ℃以下としたのは、次の理由による。即
ち、石炭の熱分解は250 ℃から比較的激しく起こり始め
るが、触媒として用いた鉄化合物のピロータイトへの転
換の温度が250 ℃より高い場合には、250 ℃からこの転
換温度の間に発生した熱分解ラジカルに対しては充分な
水素供与が行われず、重縮合物が生成してしまう。従っ
て、低温水添の温度が高い場合でも、鉄化合物のピロー
タイトへの転換の温度は250 ℃以下であることが必要で
ある。
【0027】250 ℃以下の温度でピロータイトに転換す
る鉄化合物は、次のような方法により調査し、確認する
ことができる。
【0028】即ち、鉄化合物は一般に硫黄や硫黄化合物
により硫化され、硫化鉄化合物に変化する。この硫化鉄
化合物はその形態により、ピロータイト(Fe1-XS)、トロ
イライト(FeS) 、パイライト(FeS2)等があるが、これら
は粉末X線回折でのピーク位置が異なるため、判別は容
易である。従って、調査・確認対象の鉄化合物を250℃
以下の温度で硫化して硫化鉄化合物とし、これを粉末X
線回折することにより、調査・確認し得る。このとき、
硫化させる温度を変化させると、鉄化合物がピロータイ
トに転換する温度もわかる。
【0029】本発明者らは、このような調査・確認の方
法を用いて、鉄化合物のピロータイトへの硫化挙動や、
ピロータイトの触媒作用について鋭意検討した。その結
果、ピロータイトの触媒作用とその活性の程度、及び、
鉄化合物が硫化鉄化合物に変化する温度や、ピロータイ
トに転換する温度は、鉄化合物の種類によって異なり、
特に水酸化鉄を主体とする鉄化合物が250 ℃以下の低温
で硫化され、ピロータイトに変化(転換)し、高い触媒
活性を示すことを見出した。かかる点から、前記触媒と
しての鉄化合物に水酸化鉄を主体とする鉄化合物を用い
ることが望ましい(第3発明)。
【0030】本発明において触媒は前述の如き重要な役
割を果たし、石炭の熱分解が比較的激しく起こり始める
250 ℃から石炭の熱分解ラジカルに対して水素を供与し
て石炭の熱分解ラジカルを安定化し、その再結合を抑制
する働きをする。又、250 〜400 ℃の温度での低温水添
により、固体石炭の可溶化が進行するため、触媒の分散
の向上が図られ、触媒と反応物(石炭)との接触が良好
になり、その結果、高温水添が効率良く行われること
も、低温水添の働きとして考えられる。
【0031】石炭の熱分解ラジカルに対する水素供与
は、溶剤中に含まれる水素や触媒上で活性化された水素
により行われるので、触媒の水素化活性が高い程、溶剤
の水素化も良く進行し、ひいては、石炭の熱分解ラジカ
ルに対する充分な水素供与等の本発明の作用効果がより
発揮される。
【0032】触媒の添加量については、一般的に無水無
灰炭基準の石炭に対して0.5 〜10.0質量%であるが、触
媒の活性が高いほど少量ですみ、経済的に有利である。
かかる点から、触媒活性が高い本発明に係る触媒の場
合、触媒に含まれる鉄量が無水無灰炭基準の石炭に対し
て0.5 〜5.0 質量%となるようにすることが好ましい。
又、触媒としては溶剤中に触媒が高分散するように平均
粒子径:2μm 以下に微粉砕したものが活性が高くて好
ましい。
【0033】本発明において、低温水添の際に、石炭、
溶剤及び触媒を含むスラリー状混合体に添加された水素
は、混合体中の溶剤中に溶解し、触媒によって活性化さ
れて石炭の熱分解ラジカルを前述の如く安定化するが、
その他に、溶剤の一部を水素化して溶剤の水素供与能力
を保つ働きをする。かかる水添の際の水素添加は、純水
素の添加に限定されるものではなく、水素を含むガスの
添加により行えばよく、水素と炭化水素ガス等との混合
ガスの添加によって行ってもよい。
【0034】溶剤は石炭を溶解するばかりでなく、石炭
の熱分解ラジカルへ迅速に水素を供与する働きを有す
る。溶剤としては、その種類は特に制限されないが、通
常は石炭液化反応(プロセス)で生成した中重質油、液
化残渣、又、この残渣の脱灰物等の混合物を石炭液化プ
ロセス内で循環させて使用する。
【0035】尚、石炭及び触媒に溶剤を混合すること
は、従来より行われているが、従来は石炭の脱水や、安
定な石炭スラリーを取り扱い易い粘度に調製して液化反
応器に供給することを目的としている。これに対し、本
発明の場合は、一目的として石炭の熱分解に由来する望
ましくない反応の抑制があり、溶剤は前記の如く石炭の
熱分解ラジカルへ迅速に水素を供与する作用効果がある
ので、溶剤の混合の最適条件(溶剤の種類、混合量等)
が従来の場合と自ずと異なる。従って、本発明の場合
は、かかる本発明の目的や溶剤の作用効果も考慮して溶
剤の混合を行うことが望ましい。
【0036】ところで、前記250 〜400 ℃の温度での低
温水添の後、石炭、溶剤及び触媒を含む混合体(スラリ
ー状混合体)から溶剤の一部を分離して混合体中の石炭
濃度を40〜60質量%に高めても、この混合体は粘度が未
だ充分に低く、取り扱いが容易であり、支障はない。そ
こで、このように低温水添後の混合体中の石炭濃度を40
〜60質量%に高め、しかる後、高温水添をするようにす
ると、高温水添において石炭と触媒との接触効率が向上
し、ひいては液化油収率をより向上し得、又、高温水添
での単位時間・単位容積当たりの石炭処理量が増大する
(第2発明)。この詳細を以下説明する。
【0037】一般的に石炭液化プロセスにおいて、スラ
リー状混合体中の石炭濃度が高い方が経済的に有利であ
るが、石炭濃度を高くするとスラリー状混合体の粘度が
高くなるため、その取り扱いが困難となる。そこで、ス
ラリー状混合体中の石炭濃度は、その混合体の取り扱い
に支障がない濃度に設定される。従来の石炭液化方法の
場合、この石炭濃度は低く、特に、褐炭の場合は、細孔
構造が発達しているため、溶剤の一部が褐炭の細孔に吸
収され、スラリー状混合体の粘度が高くなることから、
スラリー状混合体中の石炭濃度は25〜35質量%という低
い濃度に制限されることが多く、かかる低い濃度に設定
する必要があった。そのため、従来の石炭液化方法の場
合、反応器容積に対して処理できる石炭の量が少なく、
装置容積効率が低く、又、石炭と触媒との接触効率が低
く、液化油収率が低かった。
【0038】これに対し、本発明においては、前記250
〜400 ℃の温度での低温水添において石炭が加熱される
ことにより、石炭の細孔が収縮して石炭の改質がなさ
れ、そのため低温水添後ではスラリー状混合体の粘度は
著しく低下する。このため、スラリー状混合体の粘度を
保つのに必要であった溶剤の一部は不要となり、この不
要な溶剤の全部あるいは一部を分離しても支障がなく、
この分離により混合体中の石炭濃度を40〜60質量%に高
めることができる。尚、上記不要な溶剤量を超える量の
溶剤を分離すると、石炭濃度を60質量%超にすることが
できるが、そうするとスラリー状混合体は取り扱いに支
障を来すほどに粘度が高くなるので、溶剤分離後の石炭
濃度は60質量%以下にする必要がある。
【0039】そこで、このように低温水添後の混合体中
の石炭濃度を40〜60質量%に高め、しかる後、高温水添
をするようにすると、高温水添において石炭と触媒との
接触効率が向上し、そのため、触媒により活性化された
水素を効率よく石炭に供与して水添し得、ひいては液化
油収率をより向上し得る。又、混合体中の石炭濃度が40
〜60質量%と高いので、従来の石炭液化方法の場合より
も、高温水添での単位時間・単位容積当たりの石炭処理
量が増大し、そのため、反応器容積に対して処理できる
石炭の量が多く、装置容積効率が高くなり、又、反応器
容積を小さくしても充分な石炭処理量を確保でき、反応
器の小型化が図れるようになる。
【0040】本発明に係る石炭の液化方法は、より具体
的には例えば図1に示す装置及びプロセスフローにより
行われる。その詳細を図1を用いて以下説明する。
【0041】先ず、石炭スラリー調製槽(1) に、乾燥、
粉砕された石炭と、気液分離器(4)及び蒸留塔(8) から
回収された循環溶剤と、触媒(250 ℃以下の温度でピロ
ータイトに転換する鉄化合物)と、硫黄等の助触媒とを
供給し、これらを混合してスラリー状混合体を得る。こ
のスラリー状混合体を、予熱器又は熱交換器(2) を経て
低温水添反応器(3) に輸送する。この輸送の間に、水素
源として水素ガス又は水素含有混合ガスが添加され、触
媒はピロータイトに硫化され転換される。
【0042】低温水添反応器(3) では、温度250 〜400
℃、時間10〜60分程度の条件で低温水添を行わせる。こ
の段階において、石炭の一部が熱分解し、炭酸ガス及び
水が発生すると共に、石炭への水素添加(石炭の熱分解
ラジカルへの水素供与)が行われ、又、石炭中の重質物
の石炭液化溶剤(循環溶剤)への抽出や溶解及び抽出さ
れた重質物の軽質化などと共に石炭内の細孔の収縮など
が起こる。
【0043】上記低温水添の完了後、低温水添反応器
(3) の上部からガス成分と溶剤の一部を回収し、気液分
離器(4) によりガス成分と溶剤とに分離した後、溶剤は
石炭スラリー調製槽(1) へ、水素を含むガス成分は高温
水添反応器(5) へ供給される。一方、低温水添反応器
(3) の下部からは、未反応の石炭、反応生成物、残りの
溶剤、及び、触媒を含むスラリー状混合体が抜き出さ
れ、高温水添反応器(5) に導入される。尚、この導入の
過程で新たに水素を供給することもできる。高温水添反
応器(5) としては、連続攪拌槽型あるいは流通式管型ま
たは気泡塔型のもの等が用いられる。
【0044】高温水添反応器(5) では、前記低温水添の
場合よりも高い400 〜500 ℃程度の温度で高温水添(即
ち液化反応)を行わせる。この段階において、石炭は循
環溶剤による抽出、溶解、触媒による水素化、水素化分
解反応等を受けて更に軽質化され、所望の目的物に変化
する。
【0045】上記高温水添の完了後、反応混合物は気液
分離器(6) に導かれ、気体成分が分離される。残った液
体、固体成分は、溶剤脱灰等の固液分離装置(7) によ
り、液体と固体成分とに分離された後、液体成分を蒸留
塔(8) に送給し、軽質油、中・重質油が製品として分離
される。この中・重質油の一部を石炭液化循環溶剤とし
て回収し、石炭スラリー調製槽(1) に循環供給する。
【0046】本発明において、石炭としては、褐炭等の
低炭化度炭の他、亜瀝青炭や瀝青炭を使用することがで
きるが、特に、褐炭に有利に使用することができる(第
4発明)。それは、褐炭は前述の如く石炭の熱分解ラジ
カルが生じ易く、従来法では石炭の熱分解ラジカルに起
因する望ましくない反応が起こり易いが、本発明法では
この反応を抑制し得、その効果が顕著であるからであ
る。かかる点から、褐炭の中でも、JIS M 1002で定義さ
れる発熱量:7300Kcal/Kg(無水無鉱物質基準)以下の褐
炭に属する石炭を有利に使用することができる。これら
の石炭は通常、水分:15%程度以下に乾燥された後、約
60メッシュより細かい粒度に粉砕されてから使用され、
その場合、本発明法によってより効率良く石炭液化を行
うことができる。
【0047】溶剤分離や油分分離の際の溶剤や油分或い
は固形分の分離操作方法としては、特には限定されず、
蒸留の他に、濾過等の手段も採用できる。蒸留の場合に
は、所望の目的物に適した蒸留条件を適宜選択すること
ができる。
【0048】
【実施例】本発明の実施例を以下説明するが、本発明は
その要旨を越えない限り、これら実施例に限定されるも
のではない。尚、以降の実施例、比較例に記述する石炭
転化率、収率の値は、すべて無水無灰炭基準での値であ
る。
【0049】〔触媒(鉄化合物)のピロータイトへの転
換温度に関する調査試験〕オートクレーブを用い、触媒
として鉄化合物、触媒中の鉄含有量に対して原子比で2.
0 倍相当の硫黄、及び、液化反応で得た留出油(以下、
プロセス溶剤という)を含むスラリー状混合体に水素を
加えて150 〜450 ℃の温度で30分間の硫化処理を行い、
その後、触媒(鉄化合物)のピロータイトへの転換率を
求め、それにより触媒(鉄化合物)がピロータイトに10
0 %転換する温度を調べた。
【0050】このとき、触媒(鉄化合物)としては、γ
−オキシ水酸化鉄、リモナイト鉄鉱石、パイライト鉄鉱
石、又は、転炉ダスト(酸化鉄)をそれぞれ単独で用い
た。触媒(鉄化合物)のピロータイトへの転換率は、次
のようにして求めた。即ち、テトラヒドロフラン(THF)
を用いた溶剤分別法により、硫化処理後のスラリー状混
合体から触媒をTHF 不溶分として分離し回収し、次に、
この触媒を乾燥した後、粉末X線回折法を用いて、ピロ
ータイトの量を測定し、触媒(鉄化合物)のピロータイ
トへの転換率を求めた。
【0051】その結果を表1に示す。触媒(鉄化合物)
がピロータイトに100 %転換する温度は、パイライト鉄
鉱石の場合で350 ℃、転炉ダストの場合で400 ℃である
が、これに対して、γ−オキシ水酸化鉄や、リモナイト
鉄鉱石の場合は低く、200 ℃でピロータイトに100 %転
換することがわかる。従って、これらの中、γ−オキシ
水酸化鉄、リモナイト鉄鉱石はいずれも、250 ℃以下の
温度でピロータイトに転換する鉄化合物であり、本発明
に係る触媒に該当することがわかる。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】〔実施例1〕用いた原料石炭の種類、触媒
(鉄化合物)の種類、低温水添条件、及び、高温水添条
件を、表2に示す。
【0056】先ず、原料石炭として豪州ヤルーン褐炭
〔発熱量5930Kcal/Kg(無水無鉱物質基準)、燃料比0.8
9〕、溶剤としてプロセス溶剤を用い、これら両者を混
合して無水無灰炭基準で石炭濃度を28質量%に調製した
後、これに対して触媒として平均粒子径0.5 μm のγ−
オキシ水酸化鉄を無水無灰炭基準の石炭に対して4.8 質
量%になるように加え、更に触媒中の鉄含有量に対して
原子比で2.0 倍相当の硫黄を加えてスラリー状混合体を
得た。次に、このスラリー状混合体をオートクレーブ
(内容積30cc)中に導入した後、水素を導入して水素初
圧:15.0MPa にして加圧し、温度350 ℃、時間30分の条
件で低温水添を行い、引き続き、450 ℃まで昇温し、温
度450 ℃、時間60分の条件で高温水添を行った。
【0057】上記高温水添の終了後、水添反応生成物を
分離し、そして溶剤分別法により区分して、石炭転化
率、オイル分収率等を調べた。その結果を表3に示す。
表3からわかる如く、石炭転化率は98.5質量%であり、
オイル分(n-ヘキサン可溶分)の収率(以下、オイル収
率という)は66.5質量%であった。また、ガス成分の収
率は16.0質量%、水素消費量は5.5 質量%であった。水
素の利用効率(オイル収率/水素消費量、即ち水素消費
量当たりのオイル収率)は12.1であった。
【0058】〔実施例2〕実施例1と同様の方法(条
件、手順)により同様の組成のスラリー状混合体を得、
そして、実施例1と同様の方法(条件、装置、手順)に
より低温水添を行った。この低温水添の終了後、スラリ
ー状混合体中からn-ヘキサン不溶分(石炭、触媒を含
む)をn-ヘキサン可溶分と分離して回収し、このn-ヘキ
サン不溶分に対して、原料石炭の100 質量%(無水無灰
炭基準)に相当する量のプロセス溶剤を加えてスラリー
状混合体となし、スラリー状混合体中の石炭濃度を50質
量%に調節した。しかる後、水素を再び導入して水素初
圧:15.0MPa にし、450 ℃まで昇温し、温度450 ℃、時
間60分の条件で高温水添を行った。そして、この高温水
添の後、実施例1と同様の方法により、石炭転化率等を
調べた。その結果を表3に示す。
【0059】尚、本実施例2は、実質的には、第2発明
(請求項2記載の石炭の液化方法)の一実施例に相当す
る。即ち、第2発明では、低温水添後にスラリー状混合
体から溶剤の一部を分離して石炭濃度:40〜60質量%に
し、その後、高温水添するのに対し、本実施例2では、
装置としてオートクレーブを用いているため、低温水添
後にスラリー状混合体から溶剤の一部を分離することは
困難であり、そのため、低温水添後にスラリー状混合体
から一旦n-ヘキサン可溶分(溶剤)とn-ヘキサン不溶分
とを分離して回収し、このn-ヘキサン不溶分にプロセス
溶剤を加えて石炭濃度:50質量%のスラリー状混合体と
なし、その後、水素を再び導入して高温水添している。
このように、本実施例2では、スラリー状混合体から溶
剤の一部を分離するのではなく、一旦溶剤を分離してか
ら新たにプロセス溶剤を加えている点を含み、この点は
第2発明の場合と相違する。しかしながら、これは上記
の如く装置としてオートクレーブを用いていることに起
因し、実験の都合によるものであり、実質的には、スラ
リー状混合体から溶剤の一部を分離していることに相当
する。従って、本実施例2は、実質的には第2発明の一
実施例に相当する。
【0060】実施例2において上記の如くして得られた
石炭濃度:50質量%のスラリー状混合体は、実機におい
て溶剤の一部を分離して得られる石炭濃度:50質量%の
スラリー状混合体と実質的に同じものである。そして、
これらは、粘度が未だ充分に低く、スラリー状混合体と
して取り扱いが容易であり、取り扱いに支障を来すもの
ではないことが確認された。尚、後述の実施例3及び5
における低温水添、石炭濃度調整後のスラリー状混合体
も、上記実施例2に係るスラリー状混合体の場合と同様
であり、粘度が充分に低く、スラリー状混合体として取
り扱いに支障を来すものではなかった。
【0061】実施例2においては前記の如く装置として
オートクレーブを用いていることに起因し、一旦溶剤を
分離してから新たにプロセス溶剤を加えている点を含
み、また、高温水添に際して水素を再び導入する点を含
むが、図1に例示する装置等の如き実機では、低温水添
後に連続してスラリー状混合体から溶剤の一部を分離し
て石炭濃度:40〜60質量%にし得、その後、それを高温
水添工程に送ることができ、そして、水素を再び導入す
ることなく、高温水添することができる。
【0062】〔実施例3〕触媒としてγ−オキシ水酸化
鉄に代えてリモナイト鉄鉱石(水酸化鉄の一種)を用い
た。この点を除き実施例2と同様の方法により、スラリ
ー状混合体の準備、低温水添、石炭濃度の調整、高温水
添を行った。その後、実施例1と同様の方法により、石
炭転化率等を調べた。その結果を表3に示す。
【0063】〔実施例4〕原料石炭として、豪州ヤルー
ン褐炭に代えてインドネシアバンコ炭〔発熱量:6640Kc
al/Kg(無水無鉱物質基準)、燃料比0.94〕を用いた。こ
の点を除いて実施例1と同様の方法により、スラリー状
混合体の準備、低温水添、高温水添を行った。その後、
実施例1と同様の方法により、石炭転化率等を調べた。
その結果を表3に示す。
【0064】〔実施例5〕原料石炭として、豪州ヤルー
ン褐炭に代えてインドネシアバンコ炭〔発熱量:6640Kc
al/Kg(無水無鉱物質基準)、燃料比0.94〕を用いた。こ
の点を除いて実施例2と同様の方法により、スラリー状
混合体の準備、低温水添、石炭濃度の調整、高温水添を
行った。その後、実施例1と同様の方法により、石炭転
化率等を調べた。その結果を表3に示す。
【0065】〔比較例1〕触媒として、γ−オキシ水酸
化鉄に代えて平均粒子径0.5 μm に微粉砕した天然パイ
ライト鉄鉱石を用い、その添加量を石炭に対して7.0 質
量%(無水無灰炭基準)とした。この点を除き実施例1
と同様の方法により、スラリー状混合体の準備、低温水
添、高温水添を行った。その後、実施例1と同様の方法
により、石炭転化率等を調べた。その結果を表3に示
す。
【0066】〔比較例2〕低温水添をせず、この点を除
き実施例1と同様の方法により水添を行った。即ち、実
施例1と同様のスラリー状混合体を準備した後、このス
ラリー状混合体をオートクレーブ(内容積30cc)中に導
入した後、水素を導入して水素初圧:15.0MPa にして加
圧し、温度450 ℃、時間60分の条件で高温水添を行っ
た。その後、実施例1と同様の方法により、石炭転化率
等を調べた。その結果を表3に示す。
【0067】以上の実施例及び比較例より、次のことが
わかる。実施例1の場合、比較例1の場合に比較し、石
炭転化率、オイル収率、及び、水素利用効率が高い。こ
れは、触媒としてパイライト鉄鉱石(ピロータイトへの
転換温度:350℃)を用いるよりも、γ−オキシ水酸化鉄
(ピロータイトへの転換温度:250℃以下)を用いた方
が、水素ガスの消費量を低減し得、又、液化油を高い収
率で得ることができ、液化反応成績が向上することを示
している。
【0068】比較例2の場合に比較し、実施例1の場
合、石炭転化率、オイル収率、及び、水素利用効率が高
い。これは、低温水添をすることなく高温水添する場合
よりも、低温水添した後に高温水添する場合の方が、液
化反応成績が向上することを示している。
【0069】実施例2の場合、実施例1の場合に比較
し、石炭転化率、オイル収率、及び、水素利用効率が高
い。これは、低温水添後のスラリー状混合体中の石炭濃
度を50質量%に高めることにより、液化反応成績が向上
することを示している。
【0070】実施例3の場合、実施例2の場合と比較す
ると、石炭転化率、オイル収率、及び、水素利用効率に
おいて殆ど差がなく、液化反応成績が同等である。これ
は、触媒としてリモナイト鉄鉱石(水酸化鉄の一種)を
用いた場合も、γ−オキシ水酸化鉄を用いた場合と同等
の優れた液化反応成績が得られることを示している。
【0071】実施例4の場合と実施例5の場合とを比較
すると、実施例5の場合の方が、石炭転化率、オイル収
率、及び、水素利用効率が高い。これは、原料石炭とし
て豪州ヤルーン褐炭を用いた場合だけでなく、インドネ
シアバンコ炭を用いた場合も、低温水添後のスラリー状
混合体中の石炭濃度を50質量%に高めることにより、液
化反応成績が向上することを示している。
【0072】
【発明の効果】本発明に係る石炭の液化方法によれば、
従来の石炭の液化方法の場合に比較して、石炭の熱分解
に由来する望ましくない反応が抑制され、その結果、水
素ガスの消費量を低減し得、又、液化油を高い収率で得
ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る石炭の液化方法の一例の概要を
示す図である。
【符号の説明】
(1)-- 石炭スラリー調製槽、(2)-- 熱交換器、(3)-- 低
温水添反応器、(4)-- 気液分離器、(5)-- 高温水添反応
器、(6)-- 気液分離器、(7)-- 固液分離装置、(8) --蒸
留塔。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭を溶剤及び触媒の存在下で水添する
    水添処理工程を含む石炭の液化方法において、触媒とし
    て250 ℃以下の温度でピロータイトに転換する鉄化合物
    を用い、250 〜400 ℃の温度で低温水添した後、該低温
    水添での温度よりも高い温度で高温水添することによ
    り、水添することを特徴とする石炭の液化方法。
  2. 【請求項2】 前記高温水添の前に、前記低温水添後の
    石炭、溶剤及び触媒を含む混合体から溶剤の一部を分離
    して混合体中の石炭濃度を40〜60質量%にする請求項1
    記載の石炭の液化方法。
  3. 【請求項3】 前記触媒としての鉄化合物が水酸化鉄を
    主体とする鉄化合物である請求項1又は2記載の石炭の
    液化方法。
  4. 【請求項4】 前記石炭が褐炭である請求項1、2又は
    3記載の石炭の液化方法。
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