JPH10298480A - 水性光沢インキ組成物 - Google Patents

水性光沢インキ組成物

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JPH10298480A
JPH10298480A JP12625597A JP12625597A JPH10298480A JP H10298480 A JPH10298480 A JP H10298480A JP 12625597 A JP12625597 A JP 12625597A JP 12625597 A JP12625597 A JP 12625597A JP H10298480 A JPH10298480 A JP H10298480A
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pigment
water
metal powder
powder
pearl
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JP12625597A
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Shigeki Otani
繁樹 大谷
Yasuhiro Takahashi
安宏 高橋
Sachiko Matsuda
幸子 松田
Hiroshi Miyashita
裕志 宮下
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Pentel Co Ltd
Original Assignee
Pentel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マーキングペン、筆ペン等の筆記具又は塗布
具に充填して使用する、顔料の再分散が容易な水性光沢
インキ組成物。 【解決手段】 パール顔料及び/又は金属粉顔料、化1
で示す顔料分散剤、水溶性樹脂、水を少なくとも含む水
性光沢インキ組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マーキングペン、
筆ペン等の筆記具または塗布具に充填して使用する、顔
料の再分散が容易な水性光沢インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水性インキ組成物において、光沢
のある筆跡を得るためのインキには、パール顔料や金属
粉顔料が用いられている。パール顔料を使用した水性イ
ンキは、特公平5−45633号公報や特開平5−11
7569号公報などに開示されている。また、金属粉顔
料を使用した水性インキは、特公平7−35491号公
報や特開平1−301772号公報などに開示されてい
る。
【0003】上記公報中、特公平5−45633号公報
には、酸化チタン及び酸化チタンでコーティングされた
マイカ片からなるパール顔料から選ばれる隠蔽性付与顔
料、アルカリ可溶性水溶性樹脂、ロジンエステルエマル
ジョン、昼光蛍光性顔料とを必須成分とするマーキング
ペン用水性蛍光顔料インキが記載されている。
【0004】また、特開平5−117569号公報に
は、平均粒子径5〜100μmのパール顔料をインキ全
量に対して5〜50重量%、分散剤兼固着剤をインキ全
量に対して5〜30重量%、着色剤として染料又は顔料
をインキ全量に対して0〜20重量%とを含有すること
を特徴とするメタリック調及びパール調水性インキ組成
物が記載されている。
【0005】一方、特公平7−35491号公報には、
アルミニウム粉顔料、両性化合物、樹脂エマルション及
び水を必須成分とする水性メタリックカラーインキが記
載されている。
【0006】そして、特開平1−301772号公報に
は、真鍮粉および/又は銅粉よりなる金属粉顔料、分散
剤、水、防錆剤として特定構造を持つ芳香族アミンある
いはその誘導体とより少なくともなる水性金属顔料イン
キが記載されている。
【0007】ところで、パール顔料や金属粉顔料を使用
した水性インキを、筆記具に充填して使用する場合、筆
記直前に筆記具を複数回振蘯する等、外力を与えた後に
使用することが多い。これは、上記顔料の比重が、水性
インキに一般的に使用される有機顔料と比較して大きい
ことによる。即ち、上記パール顔料や金属粉顔料は、イ
ンキ中で、分離沈降しやすく、保管していると、上澄み
液と、顔料を含む固形分とに二分される。このため、使
用直前に振蘯などの外力を加えないと、インキ中の顔料
濃度が一様にならず、均一な濃度の筆跡が得られないた
めである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、パール顔料
や金属粉顔料を使用した水性インキは、長期間放置する
と、筆記具を振蘯してもインキ中の顔料濃度が一様にな
らなくなることがある。これは、パール顔料や金属粉顔
料は、沈降分離した後、この顔料を含む沈降物が硬化し
て、いわゆるハードケーキを形成しやすく、インキ中に
再び分散させることが困難となるためである。
【0009】本発明は、長期間保管してもハードケーキ
を形成しない、パール顔料や金属粉顔料を含む水性光沢
インキ組成物を提供することを課題とする。
【0010】尚、本発明において、「再分散」とは、筆
記具または塗布具で、沈降分離した顔料を含む沈降物
を、筆記具または塗布具を振蘯するなどの外力を与え
て、インキ中に再び均一に分散することを示す。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、顔料と分散剤
と樹脂と水とから少なくともなる水性光沢インキ組成物
において、前記顔料がパール顔料及び/又は金属粉顔料
であり、前記分散剤が化1で示す物質であることを特徴
とする水性光沢インキ組成物を要旨とする。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用する顔料は、パール顔料及び/または金属粉顔料等
を使用する。パール顔料及び/または金属粉顔料は筆跡
へ光沢を付与することを目的として使用する。パール顔
料には、魚鱗箔のような天然品と、塩基性炭酸鉛、オキ
シ塩化ビスマス、天然マイカの表面を金属酸化物で被覆
したもの、合成マイカの表面を金属酸化物で被覆したも
ののような合成品とがある。一般的には、入手しやすさ
と安全性の面から、天然マイカの表面を金属酸化物で被
覆したものや、合成マイカの表面を金属酸化物で被覆し
たものが、多く使用されている。パール顔料は、色調以
外、鏡面状の光沢と、パール調の光沢とを兼ね備えた顔
料である。パール顔料における色調は、主に、表面に被
覆された金属酸化物の種類に依存する。例えば、金属酸
化物に酸化チタンや酸化アルミニウムを使用したものは
白銀色の色調となる。また、酸化鉄を使用したものや、
酸化チタン層と酸化鉄層とを設けたものは、酸化鉄層に
よる一部波長領域の吸収により金色、赤色、銅色の色調
となる。またこのほか、酸化クロムやチタン酸コバルト
を被覆したものは、緑色の色調となる。この他、パール
顔料には、被覆に使われる金属酸化物が酸化チタンの場
合、酸化チタン層の膜厚により入射光の内の一部の波長
領域の光が反射し、補色に当たる波長領域の光が透過し
て着色された筆跡を与えることができるものもある。パ
ール顔料における鏡面状の光沢は、屈折率の高い金属酸
化物層と、屈折率の低いマイカ層と、パール顔料の周り
の媒体との各境界において、各層の屈折率の違いで入射
光が鏡面反射することによって得られる。パール顔料に
おけるパール調の光沢は、パール顔料1個内の各境界面
が平行なため反射光が合わされて、真珠の炭酸カルシウ
ム層と蛋白質層の交互に積層された面からの反射光と同
じ規則的な多重反射をすることによって得られる。市販
されているパール顔料としては、Iriodin100
(粒子径10〜60μm、銀色)、同103(同10〜
50μm、銀色)、同300(同10〜60μm、金
色)、同302(同5〜20μm、金色)、同323
(同5〜20μm、金色)、同504(同10〜60μ
m、赤色)、同524(同5〜20μm、赤色)、同5
02(同10〜60μm、銅色)、同520(同5〜2
0μm、銅色)、同GP(同10〜40μm、緑色)
(以上、メルクジャパン(株)製)や、ULTIMIC
A SB−100(同5〜30μm、銀色)、同SD−
100(同10〜60μm、銀色)、同SE−100
(同15〜100μm、銀色)、同RYB−100(同
5〜30μm、金色)、同RYD−100(同10〜6
0μm、金色)、同RYE−100(同15〜100μ
m、金色)(以上、日本光研工業(株)製)や、TAY
CA PEARL TP−500(同10〜70μm、
銀色)、同TPX−720(同7〜45μm、銀色)、
同SP−800(同10〜90μm、銀色)(以上、テ
イカ(株)製)がある。パール顔料は、単独でも2種以
上併用しても使用できる。パール顔料の場合、屈折率の
異なる平行な面での規則的な多重反射によって光沢が出
るため、粒子径が5μmより小さいと光沢が弱くなる。
従って、その粒子径は5μ以上が好ましい。
【0013】金属粉顔料としては、アルミニウム粉、真
鍮粉、ステンレス鋼粉、錫粉、亜鉛粉、ブロンズ粉、ニ
ッケル粉、銅粉、金粉、銀粉などや、これらの混合粉や
これらの金属の合金粉がある。また、金属における反射
においては、鏡面反射率が波長によって大きく変化する
ため、正反射光が着色して見える。これが各金属特有の
金属光沢を与えるため、金属粉顔料を使用した場合、そ
の金属特有の光沢を持った筆跡となる。即ち、金属粉顔
料によって得られる色は金色、銀色、銅色および赤色に
ほぼ限られる。金属粉顔料を用いる場合、一般には銀色
用にアルミニウム粉顔料が使用され、金色、銅色及び赤
色用には銅粉及び銅合金粉顔料が使用される。
【0014】アルミニウム粉顔料は、スタンプ・ミルで
アルミニウム片を減摩剤、例えばステアリン酸と共に粉
砕するスタンプ法や、ドラム中に噴霧法によって得られ
たアルミニウム粉と滑剤と適当な液体を鋼球とともに装
入し、粉砕するボールミル法により得られるものであ
り、鱗片状のものが好ましい。市販されているアルミニ
ウム粉顔料としては、スーパーファインNo.2200
0、同No.18000、ファインNo.900、同8
00(以上、大和金属粉工業(株)製)、AA12、A
A8、No.900、No.1800(以上、福田金属
箔粉工業(株)製)、アルミ粉1000、同2700
(以上、中塚金属箔粉工業(株)製)などがある。ま
た、アルミニウムペーストはアルミニウム粉を高沸点の
石油系溶剤(ミネラルスピリット)とステアリン酸など
の減摩剤とを入れたボールミルの中で、粉砕、研磨し、
非常に薄い鱗片状のアルミニウム微粒子にしてあるた
め、発火、爆発の危険が少なく、貯蔵安定性も良く、使
用上取り扱いやすくなっている。市販されているアルミ
ニウムペーストとしては、スーパーファインNo.22
000WN、同No.1800WN(以上、大和金属粉
工業(株)製)、WB0230、WXM0630(以
上、東洋アルミニウム(株)製)などがある。
【0015】市販されている銅及び銅合金粉顔料として
は、PaleGold E5(粒子径:15〜100μ
m、金色)、同2L5(粒子径:10〜70μm、金
色)、RichGold L7(粒子径:15〜90μ
m、金色)、同3L7(粒子径:5〜60μm、金
色)、ECopper(粒子径:15〜100μm、銅
色)(以上、福田金属箔粉工業(株)製)などがある。
上記、金属粉顔料は単独でも2種以上併用しても使用で
きる。
【0016】また、金属粉顔料はその金属特有の色をも
った光沢をしているため、金色や銅色や光沢のある赤色
の筆跡を得る場合は、金色及び/又は銅色及び/又は赤
色のパール顔料と銀色の金属粉顔料との組合わせか、銀
色パール顔料と金色及び/又は銅色及び/又は赤色の金
属粉顔料の組合せで得ることができる。銀色の筆跡を得
る場合は銀色のパール顔料と銀色の金属粉顔料の組合せ
で得ることができる。この他の色の光沢筆跡を得ようと
する場合、酸化クロムやチタン酸コバルトをマイカにコ
ーティングした緑色パール顔料と、銀色金属粉顔料との
組合せで光沢のある緑色の筆跡を得ることができる。
【0017】本発明に使用されるパール顔料及び/又は
金属粉顔料の使用量は、水性光沢インキ組成物全量に対
して1.0〜40重量%、好ましくは2.0〜30重量
%の範囲で使用できる。
【0018】より高い光沢を得たい場合は、パール顔料
と金属粉顔料の併用により、高光沢を得ることが可能で
ある。その場合、パール顔料と金属粉顔料の使用比率
は、重量比で、パール顔料:金属粉顔料が、1:0.0
1〜0.6であることが望ましい。
【0019】また、使用するパール顔料及び/又は金属
粉顔料の大きさは、粒子径が100μm以下のものが望
ましい。粒子径が100μmより大きいと、マーキング
ペンや筆ペンの繊維状やスポンジ状のペン先で、インキ
が詰まってしまい筆記できなくなる場合があるためであ
る。
【0020】本発明に使用される化1で示される物質
は、顔料分散剤として使用するものである。その目的
は、インキ中に含まれる顔料分が、保管している間に沈
降した後にもハードケーキを形成せず、筆記具又は塗布
具を振蘯することで、沈降した顔料分を簡単に再分散で
きるようにするためである。具体例としてマリアリムA
KM−0531、同AFB−1521、同AAB−08
51、AAS−0851(以上、日本油脂(株)製)な
どが挙げられる。化1で示される物質の使用量は、水性
光沢インキ組成物全量に対して0.1〜5.0重量%が
好ましい。
【0021】本発明に使用される樹脂は、パール顔料や
金属粉顔料などといった、水性光沢インキ組成物中の固
形物を紙などの被筆記面に定着させるために使用するも
のである。具体的には、スチレン−アクリル酸共重合体
のアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩、α−メ
チルスチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、
アミン塩、アンモニウム塩、スチレン−アクリル酸エス
テル−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、アミン
塩、アンモニウム塩などの水溶性樹脂、アクリル系樹
脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合物
などの水不溶性樹脂などが挙げられる。なお、水不溶性
樹脂は、水性エマルジョンの形態で使用する。
【0022】水は主溶剤として使用する。
【0023】本発明のインキを製造するに際しては、従
来知られている種々の方法が採用できる。例えば上記各
成分を配合し、ターボミキサーやヘンシェルミキサー等
の撹拌機により撹拌混合したり、ボールミル等の分散機
により混合摩砕したりすることによって容易に得られ
る。
【0024】上記成分以外、従来の、水性インキ組成物
に使用されている種々の添加剤を使用することもでき
る。例えば、ペン先でのインキ乾燥防止、低温時のイン
キの凍結防止などの目的で、水溶性有機溶剤を使用する
ことができる。具体的には、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチ
レングリコール、1,5−ペンタンジオール、グリセリ
ン等のグリコール類や、エチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、トリエ
タノールアミン等を単独或いは混合して使用することが
できる。また、尿素、エチレン尿素、チオ尿素などの湿
潤剤や潤滑剤、ベンゾチアゾリン系、オマジン系などの
防腐剤、ベンゾトリアゾール等の防錆剤、アニオン系、
非イオン系の界面活性剤、消泡剤などの種々の添加剤が
使用できる。
【0025】さらに、粘度調整剤として、グァーガム及
びその誘導体、キサンタンガム、ローカストビーンガ
ム、ウエランガム、ラムザンガム、トラガントガム等の
天然系高分子や、ナトリウムカルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース等のセルロース系高分子などが使用
できる。
【0026】さらに、他の色の光沢筆跡を得る方法とし
て、銀色パール顔料及び/又は銀色金属粉顔料と着色剤
とを組み合わせて得ることもできる。銀色金属粉顔料と
してはアルミニウム粉顔料が適してる。この時使用され
る着色剤としては、従来公知の酸性染料、塩基性染料、
直接染料といった水溶性染料や顔料を使用することがで
きる。酸性染料としては、C.I.アシッドブルー1、
塩基性染料としては、C.I.ベーシックブルー7、直
接染料としては、C.I.ダイレクトブルー86、C.
I.ダイレクトグリーン6、C.I.ダイレクトオレン
ジ8等が挙げられる。顔料としては橙色顔料のC.I.
12055、C.I.12075、C.I.1212
5、C.I.12305、C.I.21165、褐色顔
料のC.I.12480、C.I.12071、紫色顔
料のC.I.42535、C.I.60010、青色顔
料のC.I.74100、C.I.74160、C.
I.74180、緑色顔料のC.I.74260等が挙
げられる。顔料を用いる場合、市販の水分散タイプの顔
料は取り扱い性や生産性が高まるので好ましく用いられ
る。水分散タイプの具体例としては、EM YELLO
WSCARLET 2Y、EM YELLOW PIN
K 2B、EM YELLOW GREEN G、EM
YELLOW BLUE 2G(以上、東洋インキ
(株)製)などが挙げられる。上記銀色パール顔料及び
/又は銀色金属粉顔料と着色剤との重量比率は、顔料1
に対して着色剤0.1以下が好ましい。また、予め着色
剤によって着色されたアルミニウム粉顔料が着色アルミ
ニウム粉顔料として市販されているので、これを使用す
ることもできる。
【0027】ところで、金属粉顔料は水と反応して光沢
が失われる。これは、金属粉顔料が水との反応で腐食
し、錆を生じるためである。このため、金属粉顔料は、
防錆効果を付与するため、脂肪酸やリン酸及びこれらの
塩などで表面処理されている。しかし、金属粉顔料を水
性インキに使用する場合、長期にわたり水中に浸漬され
るため前記表面処理だけで十分とは言えない。そこで、
金属粉顔料と水との反応を抑制する発明が多く提案され
ている。例えば、アルミニウム粉顔料においては、特開
平6−192610号公報に、パーフルオロアルキルリ
ン酸エステル及び/又はパーフルオロアルキルトリメチ
ルアンモニウム塩を併用することが開示されている。ま
た、特開平8−209053号公報には、N−脂肪酸ア
シル−L−グルタミン酸塩を添加することが開示されて
いる。また、真鍮粉及び/又は銅粉顔料においては、特
開平1−301772号公報に、芳香族アミンやその誘
導体を添加する方法が開示されている。更には、アルミ
ニウム粉又は真鍮粉にプラズマ処理を施す方法が特開昭
59−138280号公報に開示されている。本発明の
水性光沢インキ組成物は、使用する金属粉顔料が水と反
応して金属粉顔料の光沢が失われることを防ぐために、
上記公報に記載された発明を採用することができる。
【0028】
【作用】本発明の水性光沢インキ組成物に使用する顔料
は、厚みが薄く、平面の面積が大きい板状の形状であ
る。この顔料が沈降すると、顔料の平面同士が向かいあ
って積み重なるような層状構造を形成すると予想され
る。この層状構造においては、顔料同士が接触している
部分の面積が大きいので、これにより生じる接触抵抗も
大きいものと思われる。よって、この構造は安定した状
態となり、小さい外力を与える程度では、構造を崩すの
は困難であると思われる。しかし、化1で示される物質
は、使用する顔料の表面に付着することで、層状構造に
より生じる顔料同士の接触抵抗を低下させている。つま
り、顔料が形成した層状構造の間に化1で示される物質
が存在することにより、顔料同士の接触抵抗が小さくな
るために、小さい外力を与えることで、層状構造を崩し
やすくする。よって、化1で示される物質が付着した顔
料に流動性を付与する効果があるので、顔料がインキ中
で沈降した後でも、インキを充填した筆記具又は塗布具
に振蘯などの外力を与えることで、顔料の再分散が可能
になるものと考えられる。
【0029】
【実施例】 実施例1 パール顔料(MC−306、日本光研工業(株)製、粒子径10〜60μm、 金色) 20.0重量部 顔料分散剤(マリアリムAKM−0531、日本油脂(株)製) 2.0重量部 樹脂(ジョンクリル1535、スチレン−アクリル酸共重合物、ジョンソンポ リマー(株)製) 5.0重量部 水 65.2重量部 エチレングリコール 7.5重量部 キサンタンガム 0.1重量部 防腐剤(プロクセルGXL、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、IC Iジャパン(株)製) 0.2重量部 上記成分をプロペラ撹拌機で30分撹拌混合し、光沢を
有する金色インキを得た。
【0030】 実施例2 アルミニウムペースト(WB0230、東洋アルミニウム(株)製) 10.0重量部 顔料分散剤(マリアリムAKM−0531、前述) 1.0重量部 樹脂(ジョンクリル775、スチレン−アクリル酸共重合物、ジョンソンポリ マー(株)製) 3.0重量部 水 75.2重量部 染料(食用青色1号、ダイワ化成(株)製) 0.1重量部 グリセリン 10.0重量部 グァーガム 0.5重量部 防腐剤(プロクセルGXL、前述) 0.2重量部 上記成分をプロペラ撹拌機で30分撹拌混合し、光沢を
有する青色インキを得た。
【0031】 実施例3 パール顔料(MC−502、日本光研工業(株)製、粒子径10〜60μm、 銅色) 15.0重量部 アルミニウムペースト(WXM0630、東洋アルミニウム(株)製) 2.0重量部 顔料分散剤(マリアリムAFB−1521、日本油脂(株)製) 2.0重量部 樹脂(ジョンクリル790、スチレン−アクリル酸共重合物、ジョンソンポリ マー(株)製) 7.0重量部 水 68.7重量部 1,3−ブチレングリコール 5.0重量部 キサンタンガム 0.1重量部 防腐剤(プロクセルGXL、前述) 0.2重量部 上記成分をプロペラ撹拌機で30分撹拌混合し、光沢を
有する銅色インキを得た。
【0032】比較例1 実施例1の顔料分散剤を、ナイミーンL−207(ポリ
エチレンドデシルアミン、日本油脂(株)製)に変更し
た以外は実施例1と同様にして、光沢を有す金色インキ
を得た。
【0033】比較例2 実施例2の顔料分散剤を、Schwego Fluor
8036(炭化フッ素高分子化合物、ドイツ国、SC
HWEGMANN社製)に変更した以外は実施例2と同
様にして、光沢を有する青色インキを得た。
【0034】比較例3 実施例3の顔料分散剤を、Byk−240S(高分子量
不飽和ポリカルボン酸、ドイツ国、BYK−Chemi
e社製)に変更した以外は実施例3と同様にして銅色イ
ンキを得た。
【0035】実施例1〜3および比較例1〜3より得た
水性光沢インキ組成物の再分散性試験を行った。試験方
法は以下の通りである。
【0036】(再分散性試験:条件)水性光沢インキ組
成物を、スクリューバイアル瓶に10g充填し、70℃
の恒温層で3日間加熱した後、これを取り出して室温放
置にて冷却した。
【0037】(再分散性試験:評価1)室温放置後のス
クリューバイアル瓶を振蘯し、顔料が再分散するまでの
振蘯回数を測定した。
【0038】(再分散性試験:評価2)室温放置後のス
クリューバイアル瓶を10回振蘯した後に、スクリュー
バイアル瓶を傾けてインキ組成物の流動分を除去し、残
った沈降分の重量を測定した。
【0039】光沢評価 実施例1〜3および比較例1〜3で得た水性光沢インキ
組成物を、気孔率70%のポリエステル繊維製のペン先
を備えたマーキングペンに充填し、上質紙に筆記線幅が
3mmで筆跡が重ならず隙間があかないように3cm×
3cmの面を筆記した。本試験に使用したこの上質紙
は、白色部と黒色部とからなり、この境界部が筆記した
面の中心にくるようにした。この筆記した試料片の光沢
を目視で評価した。以上の試験結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る水性光沢インキ組成物は、顔料の再分散が容易な、
かつ光沢を得られる優れたインキ組成物である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】アルミニウム粉顔料は、スタンプ・ミルで
アルミニウム片を減摩剤、例えばステアリン酸と共に粉
砕するスタンプ法や、ドラム中に噴霧法によって得られ
たアルミニウム粉と滑剤と適当な液体を鋼球とともに装
入し、粉砕するボールミル法により得られるものであ
り、鱗片状のものが好ましい。市販されているアルミニ
ウム粉顔料としては、スーパーファインNo.2200
0、同No.18000、ファインNo.900、同8
00(以上、大和金属粉工業(株)製)、AA12、A
A8、No.900、No.1800(以上、福田金属
箔粉工業(株)製)、アルミ粉1000、同2700
(以上、中塚金属箔粉工業(株)製)などがある。ま
た、アルミニウムペーストはアルミニウム粉を高沸点の
石油系溶剤(ミネラルスピリット)とステアリン酸など
の減摩剤とを入れたボールミルの中で、粉砕、研磨し、
非常に薄い鱗片状のアルミニウム微粒子にしてあるた
め、発火、爆発の危険が少なく、貯蔵安定性も良く、使
用上取り扱いやすくなっている。市販されているアルミ
ニウムペーストとしては、スーパーファインNo.22
000WN、同No.18000WN(以上、大和金属
粉工業(株)製)、WB0230、WXM0630(以
上、東洋アルミニウム(株)製)などがある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】さらに、他の色の光沢筆跡を得る方法とし
て、銀色パール顔料及び/又は銀色金属粉顔料と着色剤
とを組み合わせて得ることもできる。銀色金属粉顔料と
してはアルミニウム粉顔料が適してる。この時使用され
る着色剤としては、従来公知の酸性染料、塩基性染料、
直接染料といった水溶性染料や顔料を使用することがで
きる。酸性染料としては、C.I.アシッドブルー1、
塩基性染料としては、C.I.ベーシックブルー7、直
接染料としては、C.I.ダイレクトブルー86、C.
I.ダイレクトグリーン6、C.I.ダイレクトオレン
ジ8等が挙げられる。顔料としては橙色顔料のC.I.
12055、C.I.12075、C.I.1212
5、C.I.12305、C.I.21165、褐色顔
料のC.I.12480、C.I.12071、紫色顔
料のC.I.42535、C.I.60010、青色顔
料のC.I.74100、C.I.74160、C.
I.74180、緑色顔料のC.I.74260等が挙
げられる。顔料を用いる場合、市販の水分散タイプの顔
料は取り扱い性や生産性が高まるので好ましく用いられ
る。水分散タイプの具体例としては、EM スカーレッ
ト2Y、EM ピンク 2B、EM グリーン G、E
M ブルー 2G(以上、東洋インキ(株)製)などが
挙げられる。上記銀色パール顔料及び/又は銀色金属粉
顔料と着色剤との重量比率は、顔料1に対して着色剤
0.1以下が好ましい。また、予め着色剤によって着色
されたアルミニウム粉顔料が着色アルミニウム粉顔料と
して市販されているので、これを使用することもでき
る。
フロントページの続き (72)発明者 宮下 裕志 埼玉県草加市吉町4−1−8 ぺんてる株 式会社草加工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料と分散剤と樹脂と水とから少なくとも
    なる水性光沢インキ組成物において、前記顔料がパール
    顔料及び/又は金属粉顔料であり、前記分散剤が 【化1】 で示す物質であることを特徴とする水性光沢インキ組成
    物。
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