JPH10245517A - 水性高光沢インキ組成物 - Google Patents

水性高光沢インキ組成物

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JPH10245517A
JPH10245517A JP6236297A JP6236297A JPH10245517A JP H10245517 A JPH10245517 A JP H10245517A JP 6236297 A JP6236297 A JP 6236297A JP 6236297 A JP6236297 A JP 6236297A JP H10245517 A JPH10245517 A JP H10245517A
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JP
Japan
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pigment
weight
handwriting
parts
powders
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Pending
Application number
JP6236297A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Takahashi
安宏 高橋
Shigeki Otani
繁樹 大谷
Sachiko Matsuda
幸子 松田
Hiroshi Miyashita
裕志 宮下
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Pentel Co Ltd
Original Assignee
Pentel Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マーキングペンや筆ペン等の塗布具に充填さ
れて使用されるインキにおいて高光沢な筆跡を得るイン
キ組成物。 【解決手段】 パール顔料および金属粉顔料を含有する
水性高光沢インキ組成物において、前記パール顔料と金
属粉顔料との重量比率が、パール顔料1に対して金属粉
顔料0.01〜0.6であり、パール顔料と金属粉顔料
との合計が水性高光沢インキ組成物全量に対して3.0
〜40重量%であるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マーキングペン、
筆ペン等の筆記具に充填して使用する水性高光沢インキ
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自然環境保護運動や人体に対する
安全性意識の高まりとともに、筆記具用インキ分野にお
いても、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、酢酸エ
チル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケ
トン、メチル−イソ−ブチルケトン等のケトン系溶剤と
いった非水系有機溶剤を用いた油性インキ組成物から、
水−水溶性有機溶剤を用いた水性インキ組成物への代替
えが進んでいる。
【0003】従来、水性インキ組成物において光沢のあ
る筆跡を得るためのインキには、光沢付与顔料としてパ
ール顔料や金属粉顔料が用いられている。パール顔料を
使用した水性インキとしては、昼光蛍光性顔料、酸化チ
タン及び酸化チタンでコーティングされたマイカ片から
なるパール顔料から選ばれる隠蔽性付与顔料、アルカリ
可溶性水溶性樹脂、ロジンエステルエマルジョンとを必
須成分とするマーキングペン用水性蛍光顔料インキが特
公平5−45633号公報に開示されている。
【0004】また、平均粒子径5〜100μmのパール
顔料をインキ全量に対して5〜50重量%と、インキ全
量に対して5〜30重量%の分散剤兼固着剤と、着色剤
としてインキ全量に対して0〜20重量%の染料又は顔
料を含有することを特徴とするメタリック調及びパール
調水性インキ組成物が特開平5−117569号公報に
開示されている。
【0005】金属粉顔料を使用した水性インキとして
は、アルミニウム粉顔料、両性化合物、樹脂エマルショ
ン及び水を必須成分とする水性メタリックカラーインキ
が特公平7−35491号公報に開示されている。
【0006】また、真鍮粉および/又は銅粉よりなる金
属粉顔料と分散剤と水と特定構造を持つ芳香族アミンあ
るいはその誘導体とより少なくともなる水性金属顔料イ
ンキが特開平1−301772号公報に開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】マーキングペン、筆ペ
ン等の筆記具に充填して使用されるインキ組成物におい
て、その筆跡が高光沢な筆跡となる水性インキ組成物を
得ることである。本発明でいう「高光沢な筆跡」とは、
鏡面光沢度が高く、目視で筆跡にキラキラ感があり、筆
跡を透して紙面の模様や汚れや他の筆跡などが透けて見
えない筆跡のことである。パール顔料のみを使用したイ
ンキの筆跡は、鏡面光沢度が高く、目視で筆跡にキラキ
ラ感があるが、筆跡を正面から見ると筆跡を透して紙面
の模様や汚れや他の筆跡が見えるため、高光沢な筆跡で
はない。また、金属粉顔料のみを使用したインキの筆跡
は、鏡面光沢度が高く、筆跡を正面から見ても筆跡を透
して紙面の模様や汚れや他の筆跡等が透けて見えること
はないが、筆跡にキラキラ感がなく、パール顔料使用イ
ンキの筆跡のような立体感がなく、平坦な感じを与える
筆跡で高光沢な筆跡ではない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、パール顔料お
よび金属粉顔料を含有する水性高光沢インキ組成物にお
いて、前記パール顔料と金属粉顔料との重量比率が、パ
ール顔料1に対して金属粉顔料0.01〜0.6であ
り、パール顔料と金属粉顔料との合計が水性高光沢イン
キ組成物全量に対して3.0〜40重量%であることを
特徴とする水性高光沢インキ組成物を要旨とするもので
ある。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用されるパール顔料及び金属粉顔料の大きさは粒子径
が100μm以下のものが望ましい。粒子径が100μ
mより大きいと、マーキングペンや筆ペンの繊維状やス
ポンジ状のペン先で、インキが詰まってしまい筆記でき
なくなる場合があるためである。
【0010】パール顔料には、屈折率の低い天然マイカ
や、合成マイカの表面を屈折率の高い金属酸化物で被覆
したものや、魚鱗箔、塩基性炭酸塩、オキシ塩化ビスマ
スがあるが、一般には天然マイカや合成マイカを金属酸
化物でコーティングしたものを指す。パール顔料におけ
る光沢は、金属酸化物層と、マイカ層と、パール顔料の
周りの媒体との各境界において、各層の屈折率の違いで
入射光が鏡面反射することによって得られる。パール顔
料におけるパール調の光沢は、パール顔料1個内の各境
界面が平行なため反射光が合わされて、真珠の炭酸カル
シウム層と蛋白質層の交互に積層された面からの反射光
と同じ規則的な多重反射をすることによって得られる。
パール顔料における色調は、主に、コーティングされた
金属酸化物の種類に依存する。例えば、金属酸化物に酸
化チタンや酸化アルミニウムを使用したものは白銀色の
光沢が得られる。また、酸化チタンの代わりに酸化鉄
を、又は、酸化チタン層と酸化鉄層とを設けることによ
り、酸化鉄層による一部波長領域の吸収により金色、赤
色、銅色の光沢が得られる。またこのほか、酸化クロム
やチタン酸コバルトをコーティングした緑色の光沢が得
られるパール顔料がある。パール顔料の場合、屈折率の
異なる平行な面での規則的な多重反射によって光沢が出
るため、粒子径が5μmより小さいと光沢が弱くなる。
従って、その粒子径は5μ以上が好ましい。市販されて
いるパール顔料としては、Iriodin100(粒子
径10〜60μm、銀色)、同103(同10〜50μ
m、銀色)、同300(同10〜60μm、金色)、同
302(同5〜20μm、金色)、同323(同5〜2
0μm、金色)、同504(同10〜60μm、赤
色)、同524(同5〜20μm、赤色)、同502
(同10〜60μm、銅色)、同520(同5〜20μ
m、銅色)、同GP(同10〜40μm、緑色)(以
上、メルクジャパン(株)製)や、ULTIMICA
SB−100(同5〜30μm、銀色)、同SD−10
0(同10〜60μm、銀色)、同SE−100(同1
5〜100μm、銀色)、同RYB−100(同5〜3
0μm、金色)、同RYD−100(同10〜60μ
m、金色)、同RYE−100(同15〜100μm、
金色)(以上、日本光研工業(株)製)や、TAYCA
PEARL TP−500(同10〜70μm、銀
色)、同TPX−720(同7〜45μm、銀色)、同
SP−800(同10〜90μm、銀色)(以上、テイ
カ(株)製)がある。パール顔料は、単独でも2種以上
併用しても使用できる。この他、パール顔料には、被覆
に使われる金属酸化物が酸化チタンの場合、酸化チタン
層の膜厚により入射光の内の一部の波長領域の光が反射
し、補色に当たる波長領域の光が透過して着色された筆
跡を与えろことができるものもある。
【0011】金属粉顔料としてはアルミニウム粉、真鍮
粉、ステンレス鋼粉、錫粉、亜鉛粉、ブロンズ粉、ニッ
ケル粉、銅粉、金粉、銀粉等やこれらの混合粉やこれら
の金属の合金粉がある。また、金属における反射におい
ては、鏡面反射率が波長によって大きく変化するため、
正反射光が着色して見える。これが各金属特有の金属光
沢を与えるため、金属粉顔料を使用した場合、その金属
特有の光沢を持った筆跡となる。即ち、金属粉顔料によ
って得られる色は金色、銀色、銅色および赤色にほぼ限
られる。一般には銀色用にアルミニウム粉顔料が使用さ
れ、金色、銅色及び赤色用には銅粉及び銅合金粉顔料が
使用される。
【0012】アルミニウム粉顔料は、スタンプ・ミルで
アルミニウム片を減摩剤、例えばステアリン酸と共に粉
砕するスタンプ法や、ドラム中に噴霧法によって得られ
たアルミニウム粉と滑剤と適当な液体を鋼球とともに装
入し、粉砕するボールミル法により得られるものであ
り、鱗片状のものが好ましい。市販されているアルミニ
ウム粉顔料としては、スーパーファインNo.2200
0、同No.18000、ファインNo.900、同8
00(以上、大和金属粉工業(株)製)、AA12、A
A8、No.900、No.1800(以上、福田金属
箔粉工業(株)製)、アルミ粉1000、同2700
(以上、中塚金属箔粉工業(株)製)などがある。ま
た、アルミニウムペーストはアルミニウム粉を高沸点の
石油系溶剤(ミネラルスピリット)とステアリン酸等の
減摩剤とを入れたボールミルの中で、粉砕、研磨し、非
常に薄い鱗片状のアルミニウム微粒子にしてあるため、
発火、爆発の危険が少なく、貯蔵安定性も良く、使用上
取り扱いやすくなっている。市販されているアルミニウ
ムペーストとしては、スーパーファインNo.2200
0WN、同No.1800WN(以上、大和金属粉工業
(株)製)、WB0230、WXM0630(以上、東
洋アルミニウム(株)製)などがある。
【0013】市販されている銅及び銅合金粉顔料として
は、PaleGold E5(粒子径:15〜100μ
m、金色)、同2L5(粒子径:10〜70μm、金
色)、RichGold L7(粒子径:15〜90μ
m、金色)、同3L7(粒子径:5〜60μm、金
色)、ECopper(粒子径:15〜100μm、銅
色)(以上、福田金属箔粉工業(株)製)などがある。
上記、金属粉顔料は単独でも2種以上併用しても使用で
きる。
【0014】パール顔料および金属粉顔料は、その使用
比率は、重量で、パール顔料:金属粉顔料が、1:0.
01〜0.6であり、その使用量は、パール顔料と金属
粉顔料との合計が水性高光沢インキ組成物全量に対して
3.0〜40重量%であることが必要である。金属顔料
の使用比率が0.6より多いと、全体がキラキラと輝い
て見え、立体感のある高光沢な筆跡が得られず、0.0
1より少ないと、筆跡を正面から見たとき紙面の模様や
汚れや他の筆跡が透して透けて見えてしまう。また、水
性高光沢インキ組成物中のパール顔料と金属粉顔料との
合計が3.0重量%より少ないと、筆跡の光沢が低く、
40重量%より多いとインキの液体としての流動性が悪
くなり、マーキングペンや筆ペンとしてのスムーズな筆
記ができなくなる。
【0015】水性高光沢インキ組成物は、上記パール顔
料および金属粉顔料以外に、樹脂及び溶剤を少なくとも
必要とする。樹脂は、パール顔料や金属粉顔料などとい
った、水性高光沢インキ組成物中の固形物を紙などの被
筆記面に定着させるために使用するもので、具体的には
水溶性ロジン、スチレン−アクリル系共重合体、その他
各種の樹脂エマルジョンや水溶性樹脂などが挙げられ
る。スチレン−アクリル系共重合物のエマルジョンの具
体例としてはジョンクリル352、同537、同77
5、同790、同1535(以上、ジョンソンポリマー
(株)製)などがある。
【0016】水は主溶剤として使用する。
【0017】水溶性有機溶剤はペン先でのインキ乾燥防
止、低温時のインキの凍結防止などの目的で使用する。
具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコ
ール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、2−ピロリド
ン、トリエタノールアミン等を単独或いは混合して使用
することができる。上記成分以外に、尿素、エチレン尿
素、チオ尿素などの湿潤剤や潤滑剤、ベンゾチアゾリン
系、オマジン系などの防腐剤、ベンゾトリアゾール等の
防錆剤、アニオン系、非イオン系の界面活性剤、粘度調
整剤などの種々の添加剤が使用できる。
【0018】本発明のインキを製造するに際しては、従
来知られている種々の方法が採用できる。例えば上記各
成分を配合し、ターボミキサーやヘンシェルミキサー等
の撹拌機により撹拌混合したり、ボールミル等の分散機
により混合摩砕したりすることによって容易に得られ
る。
【0019】ところで、金属粉は水と反応して光沢が失
われる。このため金属粉顔料は、脂肪酸やリン酸及びこ
れらの塩等で表面処理されているが、水性インキの場
合、長期にわたり水中に浸漬されるため前記表面処理だ
けで十分とは言えない。このため、アルミニウム粉顔料
においては、パーフルオロアルキルリン酸エステル及び
/またはパーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム
塩を併用することが特開平6−192610号公報に開
示され、N−脂肪酸アシル−L−グルタミン酸塩を添加
することが特開平8−209053号公報に開示されて
いる。真鍮粉及び/または銅粉顔料においては、芳香族
アミンやその誘導体を添加する方法が特開平1−301
772号公報に開示されている。アルミニウム粉または
真鍮粉にプラズマ処理を施す方法は特開昭59−138
280号公報に開示されている。本発明の水性高光沢イ
ンキ組成物においても上記公報に記載された発明を採用
することによって、使用する金属粉顔料が水と反応して
金属粉顔料の光沢が失われることを防ぐことができる。
【0020】また、金属粉顔料はその金属特有の色をも
った光沢をしているため、金色や銅色や光沢のある赤色
の筆跡を得る場合は、金色及び/または銅色及び/また
は赤色のパール顔料と銀色の金属粉顔料との組合わせ
か、銀色パール顔料と金色及び/または銅色及び/また
は赤色の金属粉顔料の組合せで得ることができる。銀色
の筆跡を得る場合は銀色のパール顔料と銀色の金属粉顔
料の組合せで得ることができる。この他の色の光沢筆跡
を得ようとする場合、酸化クロムやチタン酸コバルトを
マイカにコーティングした緑色パール顔料と、銀色金属
粉顔料との組合せで光沢のある緑色の筆跡を得ることが
できる。更に、他の方法として、銀色パール顔料と銀色
金属粉顔料と着色剤とを組み合わせて得ることもでき
る。銀色金属粉顔料としてはアルミニウム粉顔料が適し
てる。
【0021】この時使用される着色剤としては、従来公
知の酸性染料、塩基性染料、直接染料といった水溶性染
料や顔料を使用することができる。酸性染料としては、
C.I.アシッドブルー1、塩基性染料としては、C.
I.ベーシックブルー7、直接染料としては、C.I.
ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトグリーン
6、C.I.ダイレクトオレンジ8等が挙げられる。顔
料としては橙色顔料のC.I.12055、C.I.1
2075、C.I.12125、C.I.12305、
C.I.21165、褐色顔料のC.I.12480、
C.I.12071、紫色顔料のC.I.42535、
C.I.60010、青色顔料のC.I.74100、
C.I.74160、C.I.74180、緑色顔料の
C.I.74260等が挙げられる。顔料を用いる場
合、市販の水分散タイプの顔料は取り扱い性や生産性が
高まるので好ましく用いられる。水分散タイプの具体例
としては、EM YELLOWSCARLET 2Y、
EM YELLOW PINK 2B、EM YELL
OW GREEN G、EM YELLOW BLUE
2G(以上、東洋インキ(株)製)などが挙げられ
る。これら着色剤とパール顔料の重量比率はパール顔料
1に対して着色剤0.1以下が好ましい。また、予め着
色剤によって着色されたアルミニウム粉顔料が着色アル
ミニウム粉顔料として市販されているので、これを使用
することもできる。
【0022】
【作用】 パール顔料と金属粉顔料を併用した場合、何
故高光沢な筆跡が得られるかは以下のためと考えられ
る。光沢とは「色の見えの印象の一種」といわれる心理
的な量である。マーキングペン、筆ペン等の筆跡におけ
る光沢とは、鏡面光沢度、筆跡のキラキラ感、筆跡を透
して紙面の模様や汚れや他の筆跡などが透けて見えない
ことが視覚により総合的に評価されて知覚されるものと
考えられる。物体に光があたったとき、入射光に対して
鏡面反射する方向(以降、正反射の方向)に反射する光
の率を鏡面反射率といい、鏡面反射率を比視感度により
物体を見たときの物体の光沢としたものが鏡面光沢度で
ある。普通の紙面に光があった場合、紙表面には紙繊維
による小さな凹凸があるため反射光があらゆる方向に向
かう拡散反射を行う。このため普通の紙面には光沢がな
い。鱗片状で、粒子径5μm以上のパール顔料と金属粉
顔料とは紙面の小さな凹凸に影響されず紙面に並行に並
ぶため、紙表面に比べ光をより多く鏡面反射する。この
ため、パール顔料や金属粉顔料の筆跡は鏡面光沢度が高
い。パール顔料は入射された光の一部を鏡面反射し、残
りを透過する。パール顔料の鏡面反射率は入射光の入射
角により異なり、入射角が小さいと鏡面反射率は極端に
小さくなる。このため、パール顔料の筆跡は正面から見
ると、パール顔料を透過した光が紙面で拡散反射した光
を見るため、紙面の模様や汚れや他の筆跡が透けて見え
てしまうものである。しかし、紙の向きが少し変化する
と、入射光の入射角の変化により、パール顔料の鏡面反
射率が変化して反射光の強さが変わる。これと、パール
顔料の多層構造による規則的な多重反射によるパール調
との相乗効果でパール顔料の筆跡には筆跡内での反射光
のバラツキが見る角度のわずかな変化で変わるキラキラ
感がある。金属粉顔料は入射された光を透過しないた
め、金属粉顔料の筆跡は正面から見ても、紙面の模様や
汚れや他の筆跡が透けて見えない。しかし、金属粉顔料
の鏡面反射率は入射光の入射角によらずほぼ一定のた
め、金属粉顔料の筆跡はキラキラ感がなく、平坦な感じ
になる。
【0023】パール顔料と金属粉顔料とを併用すると、
パール顔料を透過した光は金属粉顔料により鏡面反射さ
れるため紙面に届かず、筆跡を透して紙面の模様や汚れ
や他の筆跡等が透けて見える事がない。また、パール顔
料、金属粉顔料ともに鏡面反射率が高いため筆跡の鏡面
光沢度が高く、パール顔料のパール調により筆跡にキラ
キラ感がある。パール顔料と金属粉顔料とを併用した筆
跡では、金属粉顔料によって鏡面反射された反射光、パ
ール顔料によって鏡面反射された反射光、および、パー
ル顔料を透過した後金属粉顔料により鏡面反射された反
射光があると考えられる。パール顔料と金属粉顔料とは
ランダムに混ざりあっているので、パール顔料と金属粉
顔料との重量比率がパール顔料1に対して金属粉顔料が
0.01より少ないと、パール顔料を透過した光を鏡面
反射する金属粉顔料の量が少なすぎて、筆跡を透して紙
面の模様や汚れや他の筆跡等が透けて見えるてしまう。
また、パール顔料と金属粉顔料との重量比率がパール顔
料1に対して金属粉顔料が0.6より多いと、金属粉顔
料で鏡面反射される光が多すぎて、パール顔料によるパ
ール調の効果がなくなり、筆跡にキラキラ感がなくな
る。
【0024】
【実施例】 実施例1 パール顔料(MC−306、日本光研工業(株)製、粒子径10〜60μm、 金色) 15.0重量部 アルミニウムペースト(WXM0630、東洋アルミニウム(株)製) 1.0重量部 樹脂(ジョンクリル1535、スチレン−アクリル酸共重合物、ジョンソンポ リマー(株)製) 10.0重量部 エチレングリコール 7.5重量部 キサンタンガム 0.1重量部 水 65.2重量部 界面活性剤(マリアリムAKM−0531、高分子型陰イオン分散剤、日本油 脂(株)製) 1.0重量部 防腐剤(プロクセルGXL、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、IC Iジャパン(株)製) 0.2重量部 上記成分をプロペラ撹拌機で30分撹拌混合し、光沢を
有する金色インキを得た。
【0025】 実施例2 パール顔料(TP−500、テイカ(株)製、粒子径10〜70μm、銀色) 5.0重量部 アルミニウムペースト(WB0230、東洋アルミニウム(株)製) 2.0重量部 プロピレングリコール 10.0重量部 樹脂(ジョンクリル775、ジョンソンポリマー(株)製)15.0重量部 グァーガム 0.5重量部 水 66.75重量部 染料(食用青色1号、ダイワ化成(株)製) 0.05重量部 界面活性剤(Schwego Fluor 8036、炭化フッ素高分子化合 物、ドイツ国、SCHWEGMANN製) 0.5重量部 防腐剤(プロクセルGXL、前述) 0.2重量部 上記成分をプロペラ撹拌機で30分撹拌混合し、光沢を
有する青色インキを得た。
【0026】 実施例3 パール顔料(TP−650、テイカ(株)製、粒子径5〜40μm、銀色) 30.0重量部 アルミニウムペースト (WXM0630、前述) 5.0重量部 グリセリン 5.0重量部 PVP K−120 0.5重量部 水 58.3重量部 防腐剤 (プロクセルGXL、前述) 0.2重量部 界面活性剤(Schwego Wett 8075、アニオン系界面活性剤、 ドイツ国、SCHWEGMANN製) 1.0重量部 上記成分をプロペラ撹拌機で30分撹拌混合し、光沢を
有する銀色インキを得た。
【0027】 実施例4 パール顔料(PC−413、日本光研工業(株)製、粒子径10〜60μm、 緑色) 20.0重量部 アルミニウムペースト(WXM0630、前述) 1.0重量部 1,3−ブチレングリコール 7.5重量部 キサンタンガム 0.1重量部 水 70.2重量部 防腐剤(プロクセルGXL、前述) 0.2重量部 界面活性剤(マリアリムAKM−0531、前述) 1.0重量部 上記成分をプロペラ撹拌機で30分撹拌混合し、光沢を
有する緑色インキを得た。
【0028】 比較例1 パール顔料(MC−306、前述) 15.0重量部 アルミニウムペースト(WXM0630、前述) 0.1重量部 防腐剤(プロクセルGXL、前述) 0.2重量部 エチレングリコール 7.5重量部 キサンタンガム 0.1重量部 界面活性剤(マリアリムAKM−0531、前述) 1.0重量部 樹脂(ジョンクリル1535、前述) 10.0重量部 水 66.1重量部 上記成分をプロペラ撹拌機で30分撹拌混合し、光沢を
有する金色インキを得た。
【0029】 比較例2 パール顔料(TP−500、前述) 5.0重量部 アルミニウムペースト(WB0230、前述) 3.5重量部 プロピレングリコール 10.0重量部 界面活性剤(Schwego Fluor 8036、前述)0.5重量部 グァーガム 0.5重量部 水 65.25重量部 染料(食用青色1号、前述) 0.05重量部 防腐剤(プロクセルGXL、前述) 0.2重量部 樹脂(ジョンクリル775、前述) 15.0重量部 上記成分をプロペラ撹拌機で30分撹拌混合し、光沢を
有する青色インキを得た。
【0030】 比較例3 パール顔料(TP−650、前述) 35.0重量部 アルミニウムペースト (WXM0630、前述) 10.0重量部 グリセリン 5.0重量部 PVP K−120 0.5重量部 水 48.3重量部 防腐剤 (プロクセルGXL、前述) 0.2重量部 界面活性剤(Schwego Wett 8075、前述) 1.0重量部 上記成分をプロペラ撹拌機で30分撹拌混合し、光沢を
有する銀色インキを得た。
【0031】 比較例4 パール顔料(TP−650、前述) 2.0重量部 アルミニウムペースト (WXM0630、前述) 0.5重量部 1,3−ブチレングリコール 7.5重量部 キサンタンガム 0.1重量部 水 88.7重量部 防腐剤 (プロクセルGXL、前述) 0.2重量部 界面活性剤 (マリアリムAKM−0531、前述) 1.0重量部 上記成分をプロペラ撹拌機で30分撹拌混合し、光沢を
有する銀色インキを得た。
【0032】 比較例5 着色アルミニウムペースト(フレンドカラーF500GR−W、昭和アルミパ ウダー(株)製、緑色) 20.0重量部 ポリエチレングリコール#100 8.0重量部 水 70.8重量部 防腐剤 (プロクセルGXL、前述) 0.2重量部 界面活性剤 (ナイミーンL−201、日本油脂(株)製) 1.0重量部 上記成分をプロペラ撹拌機で30分撹拌混合し、光沢を
有する緑色インキを得た。
【0033】以上、実施例1〜4、比較例1〜5で得た
水性高光沢インキ組成物を、気孔率70%のポリエステ
ル繊維製のペン先を備えたマーキングペンに充填し、上
質紙に筆記線幅が3mmで筆跡が重ならず透き間があか
ないように3cm×3cmの面を筆記した。本紙権に使
用したこの上質紙は、白色重量部と黒色重量部とからな
り、この境界重量部が筆記した面の中心にくるようにし
た。この筆記した試料片を目視で評価すると共に鏡面光
沢度を測定した。鏡面光沢度の測定法方は、JIS Z
8741−1983の通りとし、60度鏡面光沢度を測
定した。測定機器は変角光沢計VGS−300A(日本
電色工業(株)製)を使用した。試験結果を表1に示
す。
【0034】
【表1】 本試験に使用した上質紙の鏡面光沢度はGs(60゜)
5%であった。
【0035】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
かかわる水性インキはパール顔料単独や金属粉顔料単独
の筆跡に比べ、高光沢な筆跡が得られる優れたインキで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮下 裕志 埼玉県草加市吉町4−1−8 ぺんてる株 式会社草加工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パール顔料および金属粉顔料を含有する
    水性高光沢インキ組成物において、前記パール顔料と金
    属粉顔料との重量比率が、パール顔料1に対して金属粉
    顔料0.01〜0.6であり、パール顔料と金属粉顔料
    との合計が水性高光沢インキ組成物全量に対して3.0
    〜40重量%であることを特徴とする水性高光沢インキ
    組成物。
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