JPH10298347A - 塗膜付き樹脂材の再生処理方法 - Google Patents
塗膜付き樹脂材の再生処理方法Info
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Abstract
原因物質を分解して黄変しにくい物質に変化させること
により、再生樹脂の黄変を防止する。 【解決手段】塗膜付き樹脂材の細片を溶融状態でアルカ
リ性の塗膜分解促進剤と接触させ塗膜を分解して分解溶
融物とする再生処理方法であって、塗膜分解促進剤の脱
揮を促進する脱揮助剤を注入口17から分解溶融物に添
加する。脱揮助剤により黄変原因物質が速やかに分解溶
融物から脱揮するため、再生樹脂の黄変が防止される。
Description
ら塗膜を分解して再生樹脂として利用できるようにする
再生処理方法に関し、さらに詳しくは再生樹脂中に黄変
原因物質を含まないようにした再生処理方法に関する。
の観点から、廃プラスチックを再生して再利用する必要
性が高まり、PETボトルや発泡スチロール製品などの
リサイクルが行われている。また自動車産業において
も、各種プラスチック部品には素材の種類が明示され、
再生を容易にするための配慮がなされている。
おいては、表面に熱硬化性樹脂塗膜が形成されている場
合が多い。したがって、このような塗膜付き樹脂材の細
片を単に溶融混練するだけでは、再生樹脂中に塗膜片が
混入し、再生樹脂の物性や再生品の外観品質が低下する
などの不具合が生じる場合が多くリサイクルが困難であ
る。
ら塗膜を分解して無害な物質に変化させる方法が提案さ
れている。例えば特開平5−200749号公報には、
熱硬化性樹脂塗膜付きポリプロピレン複合材の再生処理
方法として、塩化錫のようなルイス酸、アルカリ水酸化
物、アルカリ土類水酸化物、アミン、アルコラート、リ
ン酸金属塩、ジエタノールアミンなどの1種または2種
以上からなる塗膜分解促進剤をポリプロピレン複合材に
対して0.01〜1重量%添加し、200℃以上で塗膜
を熱分解する再生方法が開示されている。
では、先ず塗膜付き樹脂材を粉砕して細片とし、2軸押
出機などに投入して塗膜分解促進剤とともに溶融混練す
る。これにより熱硬化性樹脂塗膜は熱分解により微細化
され、溶融樹脂中に均一分散する。その後、分解溶融物
をペレット化し、再生樹脂として回収する。したがって
分解された塗膜は、きわめて微細な分解物として再生樹
脂中に均一分散されているため、物性や再生品の外観へ
の影響がほとんどなく無害化される。
する樹脂基材中には、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの
種々の添加剤が含まれている。また塗膜中にも微量なが
ら各種添加剤が含まれている。これらの添加剤として
は、フェノール系、ベンゾエート系などのものが多く、
再生処理時の熱により、あるいは塗膜分解促進剤との反
応により二量化してキノン構造やキノイド構造となる場
合がある。
るBHT(Butylated hydroxy toluen)は、化1式のよ
うに二量化してスチルベンキノン又はキノイド構造を有
する化合物となる。
合物は赤色や橙色に着色している場合が多く、このため
再生樹脂を用いた製品に黄変が生じる恐れがあった。ま
た分解工程後に、真空吸引などにより塗膜分解促進剤と
ともにこのような黄変原因物質を脱揮することも考えら
れるが、黄変原因物質は比較的高分子量であるために、
真空吸引程度では黄変原因物質を充分に脱揮することが
困難であり、残留する黄変原因物質により黄変が生じる
恐れがある。
ものであり、生成した黄変原因物質を速やかに脱揮し、
あるいは黄変原因物質を分解して黄変しにくい物質に変
化させ、もって再生樹脂の黄変を防止することを目的と
する。
項1に記載の塗膜付き樹脂材の再生処理方法の特徴は、
塗膜付き樹脂材を粉砕して樹脂基材と塗膜とからなる細
片とする粉砕工程と、細片を溶融状態でアルカリ性の塗
膜分解促進剤と接触させ塗膜を分解して分解溶融物とす
る分解工程と、分解溶融物から塗膜の分解生成物と塗膜
分解促進剤とを除去する脱揮工程と、よりなる塗膜付き
樹脂材の再生処理方法であって、塗膜分解促進剤の脱揮
を促進する脱揮助剤を分解溶融物に添加することにあ
る。
塗膜付き樹脂材の再生処理方法の特徴は、塗膜付き樹脂
材を粉砕して樹脂基材と塗膜とからなる細片とする粉砕
工程と、細片を溶融状態でアルカリ性の塗膜分解促進剤
と接触させ塗膜を分解して分解溶融物とする分解工程
と、分解溶融物から塗膜の分解生成物と塗膜分解促進剤
とを除去する脱揮工程と、よりなる塗膜付き樹脂材の再
生処理方法であって、分解溶融物及び脱揮工程後の再生
樹脂の少なくとも一方に紫外線を照射することにある。
明において、粉砕工程はそれぞれ従来と同様に行うこと
ができる。また細片の大きさは特に制限されないが、処
理時間を短縮するためにはできるだけ細かくすることが
望ましい。請求項1及び請求項2に記載の発明におい
て、アルカリ性の塗膜分解促進剤としては、アルカリ水
酸化物、アルカリ土類水酸化物などを用いることもでき
るが、1級アミン又は2級アミンを用いることが望まし
い。1級アミン又は2級アミンを用いることにより、ア
ミノリシス反応により塗膜の分解が一層促進される。
は、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イ
ソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、
sec-ブチルアミン、tert- ブチルアミン、エチレンジア
ミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジメチ
ルアミノプロピルアミンなどの1級アミンやジメチルア
ミン、ジエチルアミンなどの2級アミン、エタノールア
ミン、プロパノールアミン、ブタノールアミンなどのア
ルコール性アミンなどの沸点が250℃以下のアミンが
挙げられ、これらの1種類あるいは2種類以上を組み合
わせて用いることができる。なかでも沸点150℃以下
の1級アミンが効果が大きく、沸点116℃のエチレン
ジアミンは、脱揮もしやすく塗膜分解効果が大であり特
に好ましい物質である。
を添加すれば、塗膜分解促進剤の浸透力が高まったり、
混練装置内の圧力が増大したりして、塗膜を一層効率良
く分解することができる。アルコ−ルとしては、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、iso-プロパノール、
ブタノール、iso-ブチルアルコ−ル、sec-ブチルアルコ
−ル、tert- ブチルアルコ−ル、エチレングリコール、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノ
ール等の沸点250℃以下のアルコ−ルの1種類または
2種類以上を組み合わせて用いることができる。なかで
も、エチルセロソルブは沸点も150℃以下で、塗膜分
解に対する効果も大きく、より好ましい。
進剤を使用する場合は、塗膜分解促進剤の添加量の総量
が塗膜付き樹脂材100重量部に対して1.5〜50重
量部であり、かつ、そのうちの1級アミンまたは2級ア
ミンが塗膜付き樹脂材100重量部に対して1.5〜5
0重量部を占めることが望ましい。塗膜分解促進剤の添
加量の総量や1級アミンまたは2級アミンの使用量が上
記の範囲より過少であると、塗膜分解促進剤の樹脂中へ
の分散や塗膜分解速度が低下し、一方、過大であると、
塗膜分解促進剤の脱揮に手間取り、結局いずれの場合も
リサイクルのコストメリットが低下する。
を塗膜分解促進剤として用いることもできる。しかしこ
の場合は、アルコ−ルや水を併用することが必要であ
る。この場合の3級アミンまたは4級アンモニウム塩は
求核性触媒であって、分解反応の反応剤であるアルコ−
ルや水の水酸基の水素を引き抜き、塗膜との反応性の高
いアルコキシドを生成することによって、アルコリシス
反応や加水分解による塗膜の分解を促進する。
ウム塩としては、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、N,N,N’,N’- テトラ
メチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’- テトラ
メチルプロピルジアミン、N,N,N’,N’- テトラ
メチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’,
N”- ペンタメチルジエチレントリアミン、N- メチル
モルホリン、N- エチルモルホリン、トリエチレンジア
ミン、N,N- ジメチルベンジルアミン、ジメチルエタ
ノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、N,
N,N’,N’- テトラメチルジエチレントリアミンな
どの3級アミンや、水酸化テトラメチルアンモニウム、
水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピ
ルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩等で、沸点あ
るいは自己分解温度が250℃以下のものを1種類ある
いは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
るアルコ−ルは、1級アミンまたは2級アミンと併用す
るアルコ−ルとして前記したものと同じである。3級ア
ミンあるいは4級アンモニウム塩をアルコ−ルや水と併
用する場合は、3級アミンあるいは4級アンモニウム塩
が塗膜付き樹脂材100重量部に対して1.5〜10重
量部を占めることが望ましい。
使用量が上記の範囲より過少であると触媒としての効果
が不十分になり、上記の範囲より過大であっても余り意
味がない。本発明の再生処理方法が適用できる塗膜付き
樹脂材の塗膜としては、アルキッドメラミン系、アクリ
ルメラミン系、ウレタン系などの熱硬化性樹脂塗膜が挙
げられる。なお、塗膜とともに補修用に用いられるパテ
材としてのエステル、ウレタンおよびエポキシ系などの
熱硬化性樹脂も効率よく分解することができる。
膜付き樹脂材の樹脂基材としては、例えばポリプロピレ
ン、エラストマー変性ポリプロピレン、ポリエチレン、
ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセター
ル樹脂などが挙げられる。なお、塗膜あるいは樹脂基材
に通常配合されている充填材、顔料、ガラス繊維、その
他の添加物は、特に問題にはならない。
工程では、塗膜付き樹脂材の細片と塗膜分解促進剤とが
接触される。この分解工程は加熱して行い、樹脂基材の
溶融による熱運動の促進により塗膜の分解が促進され
る。溶融した塗膜付き樹脂材中に塗膜分解促進剤を効率
的に分散させるためには、樹脂基材の溶融温度以上で、
かつ塗膜分解促進剤の沸点以上の高温に加熱し、さらに
押出し機などの混練装置を用いて混練しながら行うのが
好ましい。混練装置により塗膜には剪断応力が作用する
ため、塗膜は機械的に破砕され塗膜分解促進剤の作用が
促進される。
の接触時間は、塗膜の種類、塗膜分解促進剤の種類およ
び量、加熱温度により大きく影響される。一軸あるいは
二軸の押し出し装置を混練装置として使用する場合は、
通常1.5〜5分程度で、塗膜が100μm以下の大き
さに分解できるように、塗膜分解促進剤の種類及び温度
を選択する。なお混練装置内では、塗膜分解促進剤に高
圧を作用させ、塗膜分解促進剤が液状を維持できるよう
にするのが効率的である。
する塗膜分解促進剤を分解溶融物から取り除く工程であ
る。この脱揮工程は、分解溶融物を塗膜の分解生成物お
よび塗膜分解促進剤の沸点以上に加熱し、塗膜の分解生
成物および残存する塗膜分解促進剤を蒸発させて分離す
る。この際に真空装置で減圧とし、蒸発による離脱を促
進することも好ましい。なお、蒸発した塗膜の分解生成
物および塗膜分解促進剤を集めて冷却して凝集すること
により回収でき、再び塗膜分解促進剤として使用するこ
ともできる。
機のノズルより取り出される。例えば棒状に押出し、そ
の後ペレット状に切断して、再生樹脂とすることができ
る。また、直接シート等の所定断面をもつ二次製品に押
出すことも出来る。なお、塗膜付き樹脂材の細片に顔料
その他のフィラー、添加剤などを配合し、用途に合わせ
た色、物性をもつ再生樹脂とすることもできる。例えば
顔料を配合することにより再生樹脂を調色することがで
き、処理後の色付け工程がなくなり処理コストが低減で
きる。
促進剤の脱揮を促進する脱揮助剤を分解溶融物に添加す
ることにある。脱揮助剤により、塗膜分解促進剤、塗膜
分解物及び黄変原因物質の分圧が低下するため、脱揮工
程において脱揮が促進され、分解溶融物から黄変原因物
質を容易に除去することができる。この意味において、
脱揮助剤はできるだけ沸点が低いものを用いることが好
ましく、特に塗膜分解促進剤の沸点より低い沸点をもつ
ものを用いることが望ましい。例えば沸点が100℃の
水、沸点が150℃以下のアルコール、あるいは酢酸エ
チル、蟻酸エチル、蟻酸メチルなどのエステル類なども
用いることができる。
100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲が好ま
しい。この範囲より少ないと添加した効果が得られず、
この範囲より多く添加すると分解溶融物が冷却されてし
まい、安定的に連続運転することが困難となる。脱揮助
剤は酸性とすることも好ましい。酸性の脱揮助剤を添加
することにより、上記した脱揮促進作用に加えて黄変原
因物質が分解して低分子物質になりやすく、分圧のさら
なる低下により脱揮を一層促進することができる。また
分解した黄変原因物質は無色物質となるため、再生樹脂
中に残留しても黄変が防止される。さらにアルカリ性の
塗膜分解促進剤を中和する作用もあり、再生材中に残留
した酸化防止剤が塗膜分解促進剤により再び黄変物質に
変化するのを防止する効果も得られる。
などの脱揮助剤に酸を添加したものが例示される。この
酸としては塩酸、硫酸、蟻酸、酢酸などが例示される。
なお、酸度が強すぎると樹脂基材が劣化する恐れがある
ので、脱揮助剤は中性から弱酸性の範囲とすることが望
ましい。請求項2の発明の最大の特徴は、分解溶融物及
び脱揮工程後の再生樹脂の少なくとも一方に紫外線を照
射することにある。紫外線の照射により、キノン構造や
キノイド構造が有する共有構造が破壊されるため、再生
樹脂の黄変が防止される。
00μW/cm2 の範囲が望ましい。光強度が25μW
/cm2 より低いと効果が得られなかったり処理時間が
長大となり、2000μW/cm2 より大きくなっても
効果が飽和するとともに樹脂基材の分解が生じる場合も
ある。このような紫外線を発生する光源としては、20
0〜5000Wの紫外線ランプ、70〜5000Wのキ
セノンランプ、50〜5000Wのキセノンフラッシュ
ランプ、100W以下の低圧水銀ランプ、150〜40
0Wのメタルハライドランプなどが例示される。
揮工程の途中あるいは直後における混練物の溶融状態に
行うのが望ましいが、脱揮工程後の固形状態、あるいは
ペレット化した後などに行ってもよい。なお、請求項1
の発明と請求項2の発明は、それぞれ行ってもよいし両
方を行うこともできる。両方を行えば、両方の作用がそ
れぞれ奏されるため、再生樹脂の黄変を一層確実に防止
することができる。
る。本実施例の再生処理方法で使用する装置の概略説明
図を図1に示す。この装置は押出し機1と、冷却槽2
と、切断機3と、乾燥機4とから構成されている。押出
し機1は、スクリュウがL/D=54の2軸混練押出し
機であり、40メッシュのスクリーンメッシュの第1シ
−ルリング10と、300メッシュのスクリーンメッシ
ュの第2シ−ルリング11により溶融域12、化学分解
域13、混練域14の三つの領域に分けられている。
られている。また化学分解域13の上流側には塗膜分解
促進剤を注入する第1注入口16が設けられ、化学分解
域13の下流側には脱揮助剤を注入する第2注入口17
が設けられている。さらに混練域14には、揮発性物質
を除去するための脱揮口18が設けられている。脱揮口
18には、二つの冷却器5を介して真空ポンプ50が連
結されている。
0〜100(kg/cm2 )とされ、混練物の温度が2
40〜270℃となるように調整されて、ポリプロピレ
ンの熱劣化を伴わずに塗膜を化学分解することができる
ようになっている。また処理量は80〜120(kg/
h)とした。 (実施例1)上記押出し機を用い、以下のようにして本
実施例の再生処理方法を行った。
使用済みの補修ウレタン系塗膜付きポリプロピレン製自
動車バンパを用意し、図示しない粉砕機を用いて一辺が
5〜10mm程度の細片に粉砕した。このバンパの樹脂
基材中には、酸化防止剤としてのBHTが約0.1重量
%含まれている。
片を定量供給し、スクリュウを駆動した。細片は溶融域
12における加温と、剪断摩擦による加熱とで樹脂基材
が溶融し、溶融混練されつつ搬送され、第1シ−ルリン
グ10を通過して次の化学分解域13に送り出される。
し、ポンプ60を駆動して塗膜分解促進剤であるエチレ
ンジアミンを第1注入口16から注入した。エチレンジ
アミンの注入量は、細片100重量部に対して5〜7重
量部である。化学分解域13内では、細片の溶融物とエ
チレンジアミンとが混練され、スクリュウの剪断力とエ
チレンジアミンにより塗膜が機械的、化学的に高速分解
され低分子化される。
チレンジアミンの沸点(115℃)以上の温度となる
が、高圧となっているためエチレンジアミンは液状とな
り易く、溶融混練物中に均一に分散されて塗膜を効率よ
く分解し分解溶融物となる。分解された塗膜の塗膜分解
物、エチレンジアミン、酸化防止剤などは、それぞれ比
較的低分子であるため気化しやすく、押出し機内の分解
溶融物は液体・固体・気体が入り混じった状態となって
いる。
61が駆動され、第2注入口17から水を注入する。水
の注入量は、細片100重量部に対して0.04重量部
となるようにした。分解溶融物の温度は水の沸点(10
0℃)より高いため、水が添加された分解溶融物ではさ
らに気体種が増えることとなり気体成分の分圧が低下す
る。
ルリング11を通過すると、真空ポンプ50の駆動によ
り押出し機1内の圧力が低下し、比較的低分子量物質が
気化する。それに加えて水も添加されているため、水を
加えない場合に比べて気体成分の種類が増加し、分圧が
低下する。したがって系は全圧と分圧の圧力勾配を解消
する方向に向かい、つまり気体成分が混練物から出る方
向に向かうため、分解溶融物中に含まれる気体成分は脱
揮口18から効率よく排気される。排気成分は、直列に
配置された二つの冷却器5により分別捕捉される。な
お、脱揮口18の位置における分解溶融物の温度は20
0℃である。
された再生樹脂がさらに混練される。そしてノズルを経
てストランド状に押出され、冷却槽2で冷却された後、
切断機3で切断されてペレット化され、乾燥機4で乾燥
されて再生樹脂ペレットとされた。 <試験>得られた再生樹脂ペレットを用いて所定形状の
試験片を成形し、従来のバンパ塗装工程に準じて塗装を
行った。塗色は、黄変性を評価しやすくするため白色と
した。そして塗膜の耐熱性、付着性及び屋外耐候性を試
験し、結果を5段階評価で表1に示す。なお、表1には
新品のバンパの試験結果も併記してある。
℃で240時間加熱し、加熱前後の測色値よりΔb値を
算出して、2≦Δbの範囲をランク1、1.5≦Δb<
2の範囲をランク2、1≦Δb<1.5の範囲をランク
3、0.7≦Δb<1の範囲をランク4、0.7>Δb
の範囲をランク5とした。もちろんランク数が大きいほ
ど変色度が小さく耐熱性に優れていることを示す。
碁盤目付着試験で評価し、屋外耐候性は屋外にて730
日間暴露し暴露前後の色差を測定して評価した。 (実施例2)第2注入口17から添加する水の量を、細
片100重量部に対して2.5重量部としたこと以外は
実施例1と同様にして再生処理を行った。そして得られ
た再生樹脂ペレットについて実施例1と同様に試験を行
い、結果を表1に示す。
水の量を、細片100重量部に対して8.5重量部とし
たこと以外は実施例1と同様にして再生処理を行った。
そして得られた再生樹脂ペレットについて実施例1と同
様に試験を行い、結果を表1に示す。 (実施例4)水に代えて、第2注入口17から濃度0.
1Nの塩酸水溶液を細片100重量部に対して2.5重
量部注入したこと以外は実施例1と同様にして再生処理
を行った。そして得られた再生樹脂ペレットについて実
施例1と同様に試験を行い、結果を表1に示す。
しなかったこと以外は実施例1と同様にして再生処理を
行った。そして得られた再生樹脂ペレットについて実施
例1と同様に試験を行い、結果を表1に示す。
るが、実施例1では耐熱性の評価は3で実用レベルにあ
り、水の添加量が多くなるにつれて耐熱性が向上してい
ることがわかる。すなわち水の添加により耐黄変性が向
上し、黄変原因物質が非黄変性物質に変化したか、分解
溶融物から黄変原因物質が効率よく除去されたかのいず
れかにより、再生樹脂ペレット中の黄変原因物質量が低
減されていることが明らかである。
り、塩酸を添加することによって再生樹脂ペレット中の
黄変原因物質量がさらに低減されていることも明らかで
ある。 (実施例5)図2に本実施例で用いた装置の概略構成図
を示す。この装置は、切断機3と乾燥機4の間に振動ふ
るい7を設けていること、及び乾燥機4の構成が異なる
こと以外は実施例1で用いた装置と同様の構成である。
に、基台70と、基台70にバネ71を介して保持され
た振動容器72とよりなり、振動容器72の蓋73の内
面に紫外線ランプ8が列設されている。この振動ふるい
7では、再生樹脂ペレットは投入口74から振動容器7
2内に投入され、基台70に設けられたモータ75の駆
動により振動する振動容器72内で振動しながら出口7
6へ運ばれ、出口76から乾燥機4へ圧送される。そし
て再生樹脂ペレットは、振動容器72内を移動する間
中、紫外線ランプ8から紫外線を照射されるように構成
されている。
0及び内筒41と、熱風供給パイプ42及び攪拌機43
から構成され、外筒40と内筒41の間に紫外線ランプ
8が高さ方向に列設されている。内筒41は紫外線透過
性の高い樹脂又はガラスから形成されている。また熱風
供給パイプ42からは内筒41内に120〜150℃の
熱風が供給される。この乾燥機4では、再生樹脂ペレッ
トは攪拌機43により攪拌されながら熱風により乾燥さ
れ、その間中紫外線ランプ8から紫外線が照射される。
の供給を停止したこと以外は実施例1と同様にして混練
を行い、冷却槽2及び切断機3を通してペレット化した
後、上記振動ふるい7及び乾燥機4を用いて乾燥すると
ともに紫外線を照射した。紫外線照射時間は延べ5時間
であり、照射された紫外線強度は400μW/cm2で
ある。
1と同様に試験した結果を表2に示す。 (実施例6)第2注入口17から、細片100重量部に
対して2.5重量部の量の水を供給したこと以外は実施
例5と同様にして再生処理を行った。そして得られた再
生樹脂ペレットを用い、実施例1と同様に試験した結果
を表2に示す。
熱性が格段に向上していることがわかり、紫外線照射に
より再生樹脂中の黄変原因物質量が低減されることが明
らかである。また実施例5より実施例6の方が耐熱性に
優れていることから、水の添加と紫外線の照射とを併用
することが望ましいこともわかる。
ば、再生された再生樹脂には黄変原因物質の残留がきわ
めて少なくなる。したがって再生樹脂を用いて形成され
た再生品の変色が防止され、再生樹脂の用途が拡大され
る。
る。
図である。
ふるいの正面図である。
の蓋の背面図である。
機の断面図である。
3:切断機 4:乾燥機 7:振動ふるい 1
3:化学分解域 16:第1注入口 17:第2注入口
18:脱揮口
Claims (2)
- 【請求項1】 塗膜付き樹脂材を粉砕して樹脂基材と塗
膜とからなる細片とする粉砕工程と、該細片を溶融状態
でアルカリ性の塗膜分解促進剤と接触させ該塗膜を分解
して分解溶融物とする分解工程と、該分解溶融物から該
塗膜の分解生成物と該塗膜分解促進剤とを除去する脱揮
工程と、よりなる塗膜付き樹脂材の再生処理方法であっ
て、 前記塗膜分解促進剤の脱揮を促進する脱揮助剤を前記分
解溶融物に添加することを特徴とする塗膜付き樹脂材の
再生処理方法。 - 【請求項2】 塗膜付き樹脂材を粉砕して樹脂基材と塗
膜とからなる細片とする粉砕工程と、該細片を溶融状態
でアルカリ性の塗膜分解促進剤と接触させ該塗膜を分解
して分解溶融物とする分解工程と、該分解溶融物から該
塗膜の分解生成物と該塗膜分解促進剤とを除去する脱揮
工程と、よりなる塗膜付き樹脂材の再生処理方法であっ
て前記分解溶融物及び前記脱揮工程後の再生樹脂の少な
くとも一方に紫外線を照射することを特徴とする塗膜付
き樹脂材の再生処理方法。
Priority Applications (1)
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JP10493197A JP3845945B2 (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 塗膜付き樹脂材の再生処理方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022090235A (ja) * | 2020-12-07 | 2022-06-17 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 積層体の処理装置、および、これを用いた樹脂基材の回収方法 |
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1997
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JP2022090235A (ja) * | 2020-12-07 | 2022-06-17 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 積層体の処理装置、および、これを用いた樹脂基材の回収方法 |
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