JPH10298132A - ケテンダイマーの製造方法 - Google Patents

ケテンダイマーの製造方法

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JPH10298132A
JPH10298132A JP10694797A JP10694797A JPH10298132A JP H10298132 A JPH10298132 A JP H10298132A JP 10694797 A JP10694797 A JP 10694797A JP 10694797 A JP10694797 A JP 10694797A JP H10298132 A JPH10298132 A JP H10298132A
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Japan
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ketene dimer
organic solvent
tertiary amine
fatty acid
stirring
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JP10694797A
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Hideto Yamamoto
秀人 山本
Mitsuhiro Fukushima
光宏 福島
Kouichi Jimichi
幸一 地道
Takehiro Masuda
丈裕 益田
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高純度のケテンダイマーを収率よく得る
ことのできるケテンダイマーの製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 脂肪酸ハライドと第三アミンよりケテン
ダイマーを製造する際に、脂肪酸ハライドに対して5〜
30重量%の不活性有機溶媒の存在下で、レイノルズ数
(Re)が10以上の全範囲において無次元混合時間2
00以下の性能を有する攪拌翼を備えた反応装置で、該
攪拌翼の翼先端速度3m/秒以上で攪拌し反応を行った
後、過剰の第三アミンと第三アミンハロゲン化水素塩を
中和することにより除去し、その後上記不活性有機溶媒
をケテンダイマーの融点以上120℃以下の温度で、水
または水蒸気を添加して留去することを特徴とするケテ
ンダイマーの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はケテンダイマーの製
造方法に関し、さらに詳しくは高純度のケテンダイマー
を収率よく得ることのできるケテンダイマーの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】長鎖アルキルケテンダイマーは、中性サ
イズ剤(にじみ防止剤)として製紙工業において一般的
に用いられている。一般に、アルキルケテンダイマー
は、脂肪酸クロライドと第三アミンの脱塩化水素反応で
生じるアルキルケテンの二量化反応によって製造されて
いるが、この際の反応液はアルキルケテンダイマーに不
溶の第三アミン塩酸塩を高濃度で含む高粘度のスラリー
である。そのため、反応液の粘度を低下させ、反応熱の
除去を容易に行う目的で、溶媒または希釈剤として、脂
肪酸クロライドとほぼ同量の不活性有機溶媒を用いて製
造することが一般的に行われている。しかしながら、こ
のような方法では、食品包装用紙の製造に用いる場合、
ケテンダイマー中の不活性有機溶媒を食品衛生上安全な
レベルまで除去するために、高温、長時間の加熱処理が
必要であり、この結果、アルキルケテンダイマーの品質
が熱により低下する欠点を有する。また、有機溶媒の使
用により生産性が低下するという問題もあった。これら
の問題を解決する方法として、特開平5−271212
号公報には、有機溶媒不存在下で、1.025〜2倍モル
(カルボン酸クロライドに対して)のトリエチルアミン
にカルボン酸クロライドを供給する際に強力な混合を行
い、混合物の60℃における粘度を常に250mPa・
S未満に制御して反応させ、その後に、反応混合物を希
塩酸水溶液またはトリエチルアミン塩酸塩と塩酸の水溶
液で処理し、アルキルケテンダイマーを分離する方法が
開示されている。この方法によれば、有機溶媒を全く含
まないアルキルケテンダイマーの製造は可能となるが、
有機溶媒を使用しないため反応中に粘度が上昇し温度制
御が非常に困難となる欠点がある。これを解決するため
に、原料の供給速度を遅くする等の調節を行うと、反応
時間が長くなり、第三アミンの作用によりアルキルケテ
ンのトリマー,テトラマー等の副生成物が生成し、アル
キルケテンダイマーの純度が低下するという問題が生じ
る。また、特開平6−256333号公報には、有機溶
媒の実質的な不存在下で第三アミンを脂肪酸クロライド
に対して少なくとも1.15倍(モル/モル)過剰使用
し、反応後過剰の第三アミンの大部分をストリッピング
により除去した後、酸抽出により第三アミン塩酸塩を分
離し、アルキルケテンダイマーを得る方法が開示されて
いる。しかし、この方法においても、ストリッピング時
に加熱を行うため、過剰の第三アミンの作用によりアル
キルケテンのトリマー,テトラマー等の副生成物が生成
し、アルキルケテンダイマーの純度が低下する問題が生
じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況下でなされたものである。すなわち、本発明は、高純
度のケテンダイマーを収率よく得ることのできるケテン
ダイマーの製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の点
に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、脂肪酸ハライドと第三
アミンの反応の際に、特定の性能を有する攪拌翼を用い
て反応槽において放射流と軸流を作りだすことにより、
更に反応後、水または水蒸気を添加して有機溶媒を除去
することにより上記本発明の目的を達成できることを見
出した。本発明はかかる知見に基づいて完成されたもの
である。すなわち、本発明は、脂肪酸ハライドと第三ア
ミンよりケテンダイマーを製造する際に、脂肪酸ハライ
ドに対して5〜30重量%の不活性有機溶媒の存在下
で、レイノルズ数(Re)が10以上の全範囲において
無次元混合時間200以下の性能を有する攪拌翼を供え
た反応装置で、該攪拌翼の翼先端速度3m/秒以上で攪
拌し反応を行った後、過剰の第三アミンと第三アミンハ
ロゲン化水素塩を中和することにより除去し、その後上
記不活性有機溶媒をケテンダイマーの融点以上120℃
以下の温度で、水または水蒸気を添加して留去すること
を特徴とするケテンダイマーの製造方法を提供するもの
である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を更に詳細に説明
する。本発明のケテンダイマーの製造方法において使用
する脂肪酸ハライドは、カルボニル基に隣接する炭素原
子に少なくとも1つの水素原子を持つ脂肪酸ハライドで
あれば特に限定されるものではないが、例えば、炭素数
8〜22の飽和脂肪酸クロライド,炭素数8〜22の不
飽和脂肪酸クロライドまたはこれらの混合物が好ましく
挙げられる。上記飽和脂肪酸クロライドとしては、カプ
ロン酸クロライド,カプリル酸クロライド,カプリン酸
クロライド,ラウリン酸クロライド,ミリスチン酸クロ
ライド,パルミチン酸クロライド,ステアリン酸クロラ
イド,アラキン酸クロライド,ベヘニン酸クロライド等
が挙げられ、不飽和脂肪酸クロライドとしては、オレイ
ン酸クロライド,リノール酸クロライド,リノレン酸ク
ロライド等が挙げられる。
【0006】また、本発明において使用する第三アミン
としては各種のものが挙げられ、通常は解離定数(pK
a)が9以上のものであればよい。このようなものとし
ては、各種のトリアルキルアミン(ここで、アルキル基
の炭素数は1〜3であって、3つのアルキル基はそれぞ
れ同一でも異なってもよい)、具体的にはトリメチルア
ミン(pKa=9.8),トリエチルアミン(pKa=1
0.8),トリブチルアミン(pKa=9.9)等が挙げら
れる。この中でも本発明においては、取り扱いや経済的
に有利な点からトリエチルアミンが好ましく用いられ
る。本発明の製造方法においては、上記第三アミンは脂
肪酸ハライドに対して1〜1.2倍モルの量で使用される
ことが好ましい。この量が1倍モル未満であると未反応
の脂肪酸ハライドが残存し、製品中の遊離脂肪酸が増加
することがある。また、1.2倍モルを超えると第三アミ
ンの作用によりアルキルケテンのトリマー,テトラマー
等の副生成物が副生し、得られるケテンダイマーの純度
が低下するという問題が生じることがある。
【0007】本発明において使用する不活性有機溶媒
は、脂肪酸ハライド,第三アミン及びケテンダイマーを
溶解するために用いられるもので、脂肪酸ハライド,第
三アミン及びケテンダイマーのいずれとも反応しない不
活性有機溶媒であれば特に限定されないが、例えば、ヘ
キサン,へプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン,ト
ルエンなどの芳香族炭化水素、四塩化炭素,ジクロロエ
タンなどのハロゲン炭化水素等が用いられる。上記不活
性有機溶媒は、脂肪酸ハライドに対して5〜30重量
%、好ましくは10〜20重量%の量で使用される。こ
の量が上記範囲より少ないと反応中に粘度が上昇し温度
制御が非常に困難となり、また上記範囲より多い場合は
有機溶媒の留去に時間がかかり、ともにケテンダイマー
の純度が低下し好ましくない。
【0008】本発明の製造方法においては、上記有機溶
媒の存在下で、脂肪酸ハライドと第三アミンを反応させ
る際、レイノルズ数(Re)が10以上の全範囲におい
て無次元混合時間200以下の性能を有する攪拌翼を備
えた反応装置で、該攪拌翼の翼先端速度3m/s以上で
攪拌して反応を行うものである。ここで使用する攪拌翼
はRe10以上の全Re数範囲において常に無次元混合
時間200以下の性能を有するもの、好ましくは、Re
800以上の全範囲において無次元混合時間が10以下
の性能を有するものであり、このような攪拌翼により、
特に、反応槽底近くに大型パドル翼を設置することによ
り、反応装置の形状とのバランスにより反応槽内に放射
流と軸流を作り出し、それにより、本発明の特有の効果
を得ることができるものである。
【0009】本発明においては、このような攪拌翼とし
て、例えば、その形状として、攪拌槽底近くに大型パド
ル翼を設置しているものが好ましく用いられる。具体的
には、神鋼パンテック(株)のフルゾーン,三菱重工業
(株)のサンメラー,佐竹化学機械工業(株)のスーパ
ーミックスなどの各攪拌翼がいずれも使用できる。上記
フルゾーン,サンメラーの各攪拌翼については、図1及
び図2に具体的にその各々の形状が示されている。無次
元混合時間は、攪拌翼径,攪拌槽径,液深さ,動力数,
Reより、新版化学工学第256頁(化学工学会編、槇
書店(1994年))記載の相関式に従って求められ
る。図3に上記フルゾーン攪拌翼,サンメラー攪拌翼と
他の汎用翼についてのRe−無次元混合時間の関係のグ
ラフを示す。図3より、フルゾーン攪拌翼,サンメラー
攪拌翼を用いた場合は、Reが10以上の範囲では無次
元混合時間が常に20以下となるため均一に混合される
までの時間が短く、優れた混合性能を有することがわか
る。
【0010】本発明においては、これらの攪拌翼の回転
数を、反応中の混合効率を向上させるため翼先端速度で
3m/秒以上となるようにすることが必要である。脂肪
酸ハライドと第三アミンを反応させる際の温度は55〜
65℃が好ましい。反応温度が55℃より低いと生成物
が固化することがあり、また65℃を超えるとアルキル
ケテンなどのトリマー,テトラマーなどの副生成物が生
成し、純度の低下を引き起こす場合がある。本発明の製
造方法においては、反応終了後、脂肪酸ハライドと第三
アミンとの反応により生成した第三アミン塩酸塩などの
第三アミンハロゲン化水素塩と過剰の第三アミンは、そ
のアミン価を測定し、4%の塩酸水溶液等を用いて中和
する。その後、静置し下層を除去することにより上記第
三アミン塩と過剰の第三アミンを除去した後、不活性有
機溶媒を留去する。
【0011】不活性有機溶媒の留去は、水または水蒸気
を添加することにより行い、その際の温度はケテンダイ
マーの融点から120℃の範囲内にあることが好まし
い。ケテンダイマーの融点未満の温度では、粘度が高く
なり攪拌混合が困難となるだけでなく、不活性有機溶媒
の留去に時間がかかる。また、120℃を超える温度で
は、ケテンダイマーの熱分解や加水分解が起こり純度が
低下する。また、上記水または水蒸気の添加量は不活性
有機溶媒に対して、1〜200重量%が好ましく、10
〜50重量%の量であることが特に好ましい。この量よ
り多い場合は、ケテンダイマーが多量の水と接触するた
めに、ケテンダイマーの分解や、副生成物である酸無水
物の分解による遊離脂肪酸の増加、さらには遊離脂肪酸
とケテンダイマーとの反応などによる純度の低下の恐れ
がある。
【0012】本発明においては、水または水蒸気を添加
し不活性有機溶媒を留去する際には、系内は常圧であっ
てもよいが、迅速かつ効率よい留去を行うためには系内
を減圧にすることが好ましい。また、減圧下で不活性有
機溶媒の留去を行うと、より低温での不活性有機溶媒の
留去が可能となる。水または水蒸気を添加する時期は特
に限定されないが、不活性有機溶媒の留去を短時間で効
率よく行うためには、先ず水または水蒸気を添加せずに
不活性有機溶媒を留去し、その量がケテンダイマーに対
して5〜20重量%になったところで水または水蒸気を
添加し、不活性有機溶媒を留去する方法が好ましい。な
お、添加する水または水蒸気の温度は特に限定されな
い。
【0013】水または水蒸気は、一括で添加しても連続
的に添加してもよく、操作的に有利な方を選択すること
ができる。本発明においては、不活性有機溶媒を短時間
に留去するためには、連続的に添加することが好まし
い。また、連続的に水または水蒸気を添加する場合の添
加速度は特に限定されない。このようにして不活性有機
溶媒を留去することにより、不活性有機溶媒が存在しな
いかあるいは極めて少ない本発明の製造方法に係るケテ
ンダイマーを得ることができる。本発明はケテンダイマ
ーの製造方法に関するものであるが、特に、アルキルケ
テンダイマーの製造に好ましく適用しうるものである。
【0014】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。尚、以下に示す実施例および比較例における
残存有機溶媒量は105℃,300torr,3時間で
の乾燥減量で測定した。また、純分はモノメチルアミン
(MMA)による定量法〔油化学:P279、第8巻第
7号(1959)〕により測定し、遊離脂肪酸はアルキ
ルケテンダイマーを水に分散させ、NaOHにより滴定
して測定した。
【0015】実施例1 神鋼パンテック(株)製のフルゾーン攪拌翼(翼径:0.
6m),ジャケット,温度計,滴下装置,真空ポンプを
備えた120Lの反応槽(槽径:1m)に、トリエチル
アミン16.1kg(ステアリン酸クロライドに対して1.
02倍モル),トルエン4.6kg(ステアリン酸クロラ
イドに対して10重量%)を仕込み、220rpm(翼
先端速度:11.5m/秒)で攪拌しながら内温を55℃
に昇温した。次に、ステアリン酸クロライド45.8kg
を内温60±2℃に保ちながら90分かけて滴下した。
滴下終了後、内温を60±2℃のまま30分間保持し
た。この時の粘度は1Pa・Sであった。Reは下記式
1より1320と計算される。 Re=ρnd2 /μ ・・・式1 ρ:密度(kg/m3 ),n:攪拌回転数(s-1) d:攪拌翼径(m), μ:粘度(Pa・S)
【0016】また、無次元混合時間は図3より約9とな
る。次いで、アミン価を測定し、3.4という結果を得
た。また、下記式2より4%の塩酸水溶液の量を440
gと算出し、この塩酸水溶液を用いて過剰のトリエチル
アミンとトリエチルアミン塩酸塩を処理し、塩酸塩水溶
液として除去した。 塩酸(kg)=(アミン価×全仕込量(kg)×36.5×1.2)/ (56.11×1000×0.04)・・・式2 アルキルケテンダイマーとトルエンの混合物に、60℃
の水を6.7kg投入し、90℃,20torrで60分
間、トルエンと水を共沸により留去し、アルキルケテン
ダイマー40.0kgを得た。得られたアルキルケテンダ
イマーは融点が54℃、残存有機溶媒量はND、純分が
96.5重量%、遊離脂肪酸が0.8重量%であった。ま
た、アルキルケテンのトリマー,テトラマーおよびその
他不明成分は2.7重量%であった。
【0017】実施例2 神鋼パンテック(株)製のフルゾーン攪拌翼(翼径:0.
1m),ジャケット,温度計,滴下装置,真空ポンプを
備えた容量1Lの反応槽(槽径:0.17m)にトリエチ
ルアミン110g(ステアリン酸クロライドに対して1.
06倍モル),トルエン15g(ステアリン酸クロライ
ドに対して5重量%)を仕込み、350rpm(翼先端
速度:3.1m/秒)で攪拌しながら55℃に昇温した。
次に、ステアリン酸クロライド300gを内温60±2
℃に保ちながら30分かけて滴下し、その後、同温度で
30分間保持した。この時の粘度は1.2Pa・Sであっ
た。Reは上記式1より41.7と計算される。また、図
3より無次元混合時間は約35となる。次いで、アミン
価を測定し、6.7という結果を得た。また、式2より4
%塩酸水溶液の量は56gと算出され、この塩酸水溶液
で過剰のトリエチルアミンとトリエチルアミンの塩酸塩
を処理し、塩酸塩水溶液として除去した。アルキルケテ
ンダイマーとトルエンの混合物に、60℃の水を1.5g
投入し、90℃,5torrで60分間、トルエンと水
を共沸により留去し、アルキルケテンダイマー263.0
gを得た。得られたアルキルケテンダイマーは融点が5
3℃、残存有機溶媒量はND、純分が97.3重量%、遊
離脂肪酸が0.8重量%であった。また、アルキルケテン
のトリマー,テトラマーおよびその他不明成分は1.9重
量%であった。
【0018】実施例3 三菱重工業(株)製のサンメラー攪拌翼(翼径:0.78
m),ジャケット,温度計,滴下装置,真空ポンプを備
えた容量200Lの反応槽(槽径:1.3m)に、ステア
リン酸クロライド45kgとへキサン4.5kg(ステア
リン酸クロライドに対して10重量%)を仕込み、15
0rpm(翼先端速度:10.2m/秒)で攪拌しながら
55℃に昇温した。次にステアリン酸クロライドに対し
て1.06倍モルのトリエチルアミン16.5kgを内温6
0±2℃に保持しながら140分かけて滴下した。滴下
終了後、同温度で60分間保持した。この時の粘度は1
Pa・Sであった。Reは上記式1より1521と算出
される。また、この時の無次元混合時間は図3より約8.
5となる。その後、アミン価を測定し7.2という結果を
得た。また、式2より4%塩酸水溶液の量は9.3kgと
計算され、この塩酸水溶液で過剰のトリエチルアミンと
トリエチルアミン塩酸塩を処理し、塩酸塩水溶液として
除去した。次いで、70℃,30torrで5分間へキ
サンを留去した後、300gの水を一括で仕込み、70
℃、30torrで55分間へキサンと水を留去しアル
キルケテンダイマー39.3kgを得た。得られたアルキ
ルケテンダイマーは融点が54℃、残存有機溶媒量はN
D、純分は96.0重量%、遊離脂肪酸は0.4重量%であ
った。また、アルキルケテンのトリマー,テトラマーお
よびその他不明成分は3.6重量%であった。
【0019】実施例4 三菱重工業(株)製のサンメラー攪拌翼(翼径:1.74
m),ジャケット,温度計,滴下装置,真空ポンプを備
えた容量2m3 の反応槽(槽径:2.9m)にトリエチル
アミン165kg(ステアリン酸クロライドに対して1.
06倍モル),トルエン22.5kg(ステアリン酸クロ
ライドに対して5重量%)を仕込み、80rpm(翼先
端速度:12.1m/秒)で攪拌しながら内温を55℃に
昇温した。次に、ステアリン酸クロライド450kgを
内温60±2℃に保ちながら120分かけて滴下した。
その後、同温度で30分間保持した。この時の粘度は
0.8Pa・Sであった。Reは上記式1より5046
と算出される。また、図3より無次元混合時間は約5.5
となる。次いで、アミン価を測定し7.5という結果を得
た。また、式2より4%塩酸水溶液の量は93.3kgと
算出され、この塩酸水溶液で過剰のトリエチルアミンと
トリエチルアミンの塩酸塩を処理し、塩酸塩水溶液とし
て除去した。次いで、残ったアルキルケテングイマーと
トルエンの混合物に、60℃の水を2.3kg投入し、9
0℃,5torrで60分間、トルエンと水を共沸によ
り留去し、アルキルケテンダイマー393.3kgを得
た。得られたアルキルケテンダイマーは融点が55℃、
残存有機溶媒量はND、純分が95.5重量%、遊離脂肪
酸が0.6重量%であった。また、アルキルケテンのトリ
マー,テトラマーおよびその他不明成分は3.9重量%で
あった。
【0020】比較例1 ファウドラー攪拌翼(翼径:0.6m),ジャケット,温
度計,滴下装置,真空ポンプを備えた容量120Lの反
応槽(槽径:1m)にトリエチルアミン20.2kg(ス
テアリン酸クロライドに対して1.06倍モル), トルエ
ン55.0kg(ステアリン酸クロライドに対して100
重量%)を仕込み、120rpm(翼先端速度:6.3m
/秒)で攪拌しなから55℃に昇温した。次に、ステア
リン酸クロライド55.0kgを内温60±2℃に保ちな
がら滴下した。その後、同温度で30分間保持した。こ
の時の粘度は0.1Pa・Sであった。Reは上記式lよ
り7200と計算される。また、この時の無次元混合時
間は図3より約27となる。次いで、アミン価を測定
し、7.5という結果を得た。また、式2から4%塩酸水
溶液量は19.1kgと算出され、この塩酸水溶液を用い
て過剰のトリエチルアミンとトリエチルアミン塩酸塩を
処理し、塩酸塩水溶液として除去した。続いて、残った
アルキルケテンダイマーとトルエンの混合物を90℃,
5torrで200分間脱トルエン処理し、アルキルケ
テンダイマー48.1kgを得た。得られたアルキルケテ
ンダイマーは融点が55℃、残存有機溶媒量が1.0重量
%、純分が90.5重量%、遊離脂肪酸が0.8重量%であ
った。また、アルキルケテンのトリマー, テトラマーお
よびその他不明成分は7.7重量%であった。
【0021】比較例2 神鋼パンテック(株)のフルゾーン攪拌翼(翼径:0.6
m), ジャケット, 温度計, 滴下装置, 真空ポンプを備
えた120Lの反応槽(槽径:1m)にトリエチルアミ
ン16.1kg(ステアリン酸クロライドに対して1.02
倍モル)とトルエン4.6kg(ステアリン酸クロライド
に対して10重量%)を仕込み、230rpm(翼先端
速度:12.0m/秒)で攪拌しながら55℃に昇温し
た。次に、ステアリン酸クロライド45.8kgを内温6
0±2℃に保ちながら90分かけて滴下した。滴下終了
後、内温を60±2℃に保持して30分間攪拌した。こ
の時の粘度は1Pa・Sであった。Reは上記式1より
1320と計算される。また、無次元混合時間は図3よ
り9となる。次いで、アミン価を測定し2.9という結果
を得た。また、式2より4%塩酸水溶液量は3.8kgと
算出され、この塩酸水溶液で過剰のトリエチルアミンと
トリエチルアミン塩酸塩を処理し、塩酸塩水溶液として
除去した。次いで、90℃, 20torrで180分間
トルエンの留去を行い、アルキルケテンダイマー40.0
kgを得た。得られたアルキルケテンダイマーは融点が
55℃、残存有機溶媒量は0.5重量%、純分は91.4重
量%、遊離脂肪酸は0.6重量%であった。また、アルキ
ルケテンのトリマー, テトラマーおよびその他不明成分
は7.5重量%であった。
【0022】比較例3 アンカー攪拌翼(翼径:1.74m)、ジャケット, 温度
計, 滴下装置, 真空ポンプを備えた2m3 の反応槽(槽
径:2.9m)にトリエチルアミン165kg(ステアリ
ン酸クロライドに対して1.06倍モル)、トルエン45
0kg(ステアリン酸クロライドに対して100重量
%)を仕込み、100rpm(翼先端速度:15.2m/
秒)で攪拌しながら内温を55℃に昇温した。次に、内
温を60±2℃に保ちながら、ステアリン酸クロライド
450kgを200分かけて滴下した。その後、同温度
で30分間保持した。この時の粘度は0.08Pa・Sで
あった。Reは上記式1より63075と計算される。
また、無次元混合時間は図3より約50となる。次い
で、アミン価を測定し、7.4という結果を得た。また、
式2より4%塩酸水溶液量は153.4kgと算出され、
この塩酸水溶液で過剰のトリエチルアミンとトリエチル
アミンの塩酸塩を処理して、塩酸塩水溶液として除去し
た。次いで、90℃, 20torrで240分間トルエ
ンの留去を行い、アルキルケテンダイマー392.9kg
を得た。得られたアルキルケテンダイマーは融点が54
℃、残存有機溶媒量は0.7重量%、純分は91.7重量
%、遊離脂肪酸は0.6重量%であった。また、アルキル
ケテンのトリマー, テトラマーおよびその他不明成分は
7.0重量%であった。
【0023】比較例4 神鋼パンテック(株)製のフルゾーン攪拌翼(翼径:0.
6m), ジャケット,温度計, 滴下装置, 真空ポンプを
備えた120Lの反応槽(糟径:1m)にステアリン酸
クロライド45.8kgを仕込み、230rpm(翼先端
速度:12.0m/秒)で攪拌しながら55℃に昇温し
た。次に、内温を60±2℃に保ちながらトリエチルア
ミン16.1kg(ステアリン酸クロライドに対して1.0
2倍モル)を90分かけて滴下した。その後、同温度で
30分間保持した。この時の粘度は2.5Pa・Sであっ
た。Reは上記式1より552となる。また、無次元混
合時間は図3より約11となる。次いで、アミン価を測
定し、1.9という結果を得た。また、式2より4%塩酸
水溶液量は2.3kgと算出され、この塩酸水溶液で過剰
のトリエチルアミンとトリエチルアミンの塩酸塩を処理
して塩酸塩水溶液として除去しアルキルケテンダイマー
39.7kgを得た。得られたアルキルケテンダイマーは
融点55℃、純分は91.1重量%、遊離脂肪酸量は1.2
重量%であった。また、アルキルケテンのトリマー, テ
トラマーおよびその他不明成分は7.7重量%であった。
以上より本発明によれば、従来の方法と比較して不活性
有機溶媒留去時間が短く、純分が高いアルキルケテンダ
イマーが得られることがわかる。
【0024】
【発明の効果】本発明の製造方法により、残存不活性有
機溶媒が存在しないかあるいは極めて少ない高純度のケ
テンダイマー、特にアルキルケテンダイマーを収率よく
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用いられる攪拌翼の一例
(フルゾーン攪拌翼)の部分断面図である。
【図2】本発明の製造方法に用いられる攪拌翼の一例
(サンメラー攪拌翼)の部分断面図である。
【図3】各種攪拌翼についてのRe−無次元混合時間の
関係を示す図である。
【符号の説明】
1 上段平パドル翼(フィン付) 2 バッフル 3 下段平パドル翼(後退翼付) 4 上段平パドル翼 5 傾斜パドル翼 6 平パドル翼(後退翼付) 7 大型平パドル翼(後退翼付)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸ハライドと第三アミンよりケテン
    ダイマーを製造する際に、脂肪酸ハライドに対して5〜
    30重量%の不活性有機溶媒の存在下で、レイノルズ数
    (Re)が10以上の全範囲において無次元混合時間2
    00以下の性能を有する攪拌翼を備えた反応装置で、該
    攪拌翼の翼先端速度3m/秒以上で攪拌し反応を行った
    後、過剰の第三アミンと第三アミンハロゲン化水素塩を
    中和することにより除去し、その後上記不活性有機溶媒
    をケテンダイマーの融点以上120℃以下の温度で、水
    または水蒸気を添加して留去することを特徴とするケテ
    ンダイマーの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7348455B2 (en) 2001-12-04 2008-03-25 Mitsubishi Chemical Corporation Process for producing (meth)acrylic acids
JP2016505540A (ja) * 2012-12-04 2016-02-25 蘇州天馬精細化学品股▲ふん▼有限公司 無溶媒状態で高純度akdを連続的に調製する装置及び方法
CN114877638A (zh) * 2022-05-11 2022-08-09 天华化工机械及自动化研究设计院有限公司 一种spg工艺制聚烯烃用汽蒸器

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