JPH10297027A - 走査式記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 走査式記録装置において、画像データの記録
色データを、走査式記録装置単独で所望の他の色の記録
色データに変換することができるようにする。 【解決手段】 走査式記録装置に入力部から画像データ
が受信されると（Ｓ１１）、この画像データは記憶装置
内に記憶される（Ｓ１２）。記録色データを変更する場
合は（Ｓ１３でＹＥＳ）、色ダイヤル１５で、他色に変
更する記録色データの色、及びこの色を変更したい色が
選択設定された後（Ｓ１４，Ｓ１５，Ｓ１６でＹＥ
Ｓ）、選択設定された色の条件に基づいて記録色データ
が変換され、変更後の色に変換された記録色データの画
像データに基づいて記録が行われる（Ｓ１７）。これに
より、走査式記録装置単独で、記録色データの記録色を
所望の他の色に変更することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、記録用紙上で走査
されることにより記録が行われる走査式記録装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、操作者が記録用紙上を手動で
走査することにより画像の記録を行う走査式記録装置が
知られている。この走査式記録装置によれば、通常のペ
ーパーフィーダ付き等の据置型記録装置では記録不可能
な厚い本や立体物等に対しても記録することが可能で、
しかも小型で軽いために携帯に便利であるという利点が
ある。また、今日では、シアン、マゼンタ、イエローの
３色を記録するための記録ヘッドを備えることにより、
カラー記録を可能とした走査式記録装置が提案されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のカラー記録が可能な走査式記録装置によれ
ば、ホストコンピュータ等の入力部から画像データが入
力された場合、その画像データが示す記録色データを他
の色に変更することはできなかった。例えば、画像デー
タが示す記録色データの内、赤の記録色データを青に変
更するといったことはできなかった。そのため、違った
記録色で画像を記録したい場合は、ホストコンピュータ
等の入力部において画像データの記録色データを変更
し、この変更後の画像データを走査式記録装置に入力し
なければならず、その操作が面倒であった。また、走査
式記録装置に備えられているシアン、マゼンタ、イエロ
ーの３色のインクの内、入力された画像データの記録に
必要なインクが１つでも足りないと、記録ができないこ
とがあった。

【０００４】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、記録しようとする画像データの
記録色データを、走査式記録装置単独で所望の他の色に
変更することができる走査式記録装置を提供することを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１に記載の発明に係る走査式記録装置は、画像
データを記憶する画像データ記憶手段と、記録媒体上を
走査することによって該記録媒体上に画像データに基づ
いて画像を記録する記録手段とを備えた走査式記録装置
であって、画像データが示す一又は複数の記録色データ
を所望の他の色に選択変更する色選択変更手段と、一又
は複数の記録色データを色選択変更手段によって選択さ
れた記録色データに変換する記録色データ変換手段とを
備えたものである。

【０００６】上記構成においては、色選択変更手段によ
り画像データの一又は複数の記録色データを所望の他色
に変更するように選択変更することにより、記録色デー
タ変換手段は、その選択変更された記録色にデータを変
換する。このため、ホストコンピュータ等の入力部側で
画像データの設定変更を行わなくても、走査式記録装置
単独で、画像データの記録色を所望の色に変更すること
ができる。

【０００７】また、請求項２に記載の発明に係る走査式
記録装置は、請求項１に記載の走査式記録装置であっ
て、色選択変更手段及び記録色データ変換手段は、２色
以上の画像データを単色の画像データに選択変更し、変
換することを可能としたものである。

【０００８】上記構成においては、２色以上の画像デー
タの記録色データを単色の画像データに変換することが
できる。このため、例えば、記録装置に備えられている
インクの内、入力された画像データの記録に必要なイン
クが足りないような場合であっても、画像データの記録
色を変更すれば、他の色のインクで記録することができ
る。

【０００９】また、請求項３に記載の発明に係る走査式
記録装置は、請求項１又は請求項２に記載の走査式記録
装置であって、複数の記録手段は、少なくともシアン、
マゼンタ、イエローの３色を記録する記録ヘッドからな
り、各々の記録ヘッドの動作を制御することによって、
記録色データ変換手段によって変換された記録色データ
に基づいた記録を行うものである。

【００１０】上記構成においては、任意のカラーへの色
選択変更がなされても、その選択された色での画像の記
録が可能である。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態に係
る手動型印字装置について図面を参照して説明する。図
１（ａ）は一部を破断して内部構造を示した走査式記録
装置の正面図、（ｂ）は記録ヘッドのノズル部分の拡大
図である。走査式記録装置１のボディ１ｂは筒状の形状
をなし、ユーザが手で支持しやすいように構成されてい
る。ボディ１ｂの一端部にはローラ２が回転自在に設け
られている。このローラ２により走査式記録装置１の走
査が可能に構成されている。ローラ２の走査方向（図の
矢印方向）の後方側には、図１（ａ）に示すように、シ
アン、マゼンタ、イエローの３色のインクを吐出するた
めの３つのノズル列４ａ，４ｂ，４ｃからなるインクジ
ェット式の記録ヘッド（記録手段）４が設けられてい
る。記録ヘッド４の上方には、各ノズル列４ａ，４ｂ，
４ｃにシアン、マゼンタ、イエローの３色のインクを供
給するためのインクタンク５が配置されている。

【００１２】ローラ２には、プーリ６がローラ２に伴っ
て回転するように形成され、このプーリ６にはベルト６
ａが引き回されている。このベルト６ａによりローラ２
の回転に伴って回転するプーリ６の回転力が、インクタ
ンク５の上方に設けられたエンコーダ７の回転円盤８に
伝達されるよう構成されている。回転円盤８には所定の
間隔で円周上にスリット９が形成されており、回転円盤
８の回転によってオン・オフされるフォトインタラプタ
１０によってローラ２の回転数が電気パルス信号の間隔
に変換されて制御部１２に入力され、記録媒体上での記
録ヘッド４の相対移動量が検出される。また、フォトイ
ンタラプタ１０はローラ２の回転方向をも検出するよう
に構成されており、これに基づいて走査式記録装置１の
走行方向が検出される。

【００１３】ボディ１ｂの一側面には、ホストコンピュ
ータ等の入力部と画像データ等の各種データを赤外通信
で送受信するための赤外通信部１３が設けられ、これと
反対側の側面には、画像データの記録条件を選択設定す
るための色ダイヤル（色選択変更手段）１５が設けられ
ている。色ダイヤル１５はジョグダイヤルからなり、回
転及び押し込みによって、画像データが示す記録色デー
タの内、所望の他の色に変更したい記録色データ、及
び、この記録色データを変更する色の選択設定が可能と
されている。また、ボディ１ｂには、色ダイヤル１５で
選択された記録色データ、及び変更しようとする色等が
表示される液晶パネル１６が設けられている。

【００１４】制御部１２は、記録ヘッド４による記録動
作、フォトインタラプタ１０による検出動作、赤外通信
部部１３による画像データの入力動作、及び色ダイヤル
１５で選択設定された条件に基づいて画像データの記録
色データを変更する処理等を制御する。制御部１２の下
方部には、後述する制御系の各機能ブロックに電力を供
給するためのバッテリ１７が配置されている。

【００１５】図２は走査式記録装置１の制御系のブロッ
ク図、図３はＲＯＭ内の画像データを模式的に示す図で
ある。走査式記録装置１には、走査式記録装置１全体の
制御を司るＣＰＵ（記録色データ変換手段）１８が備え
られ、このＣＰＵ１８には、決められたプログラムに沿
って各機能ブロックを制御するための制御プログラム等
を記憶したＲＯＭ１９ａ、赤外通信部１３を介して入力
されたホストコンピュータからの画像データを記憶する
ためのＲＡＭ（画像データ記憶手段）１９ｂが接続され
ている。さらに、ＲＯＭ１９ａには、色ダイヤル１５で
選択設定された条件に応じて画像データが示す記録色デ
ータを変化させるためのＹ（イエロー）用画像データ、
Ｍ（マゼンタ）用画像データ、及びＣ（シアン）用画像
データが格納されている。これらＣＰＵ１８、ＲＯＭ１
９ａ及びＲＡＭ１９ｂ等によって上記の制御部１２が構
成されている。また、ＣＰＵ１８には、赤外通信部１
３、エンコーダ７、記録ヘッド４を駆動するためのヘッ
ド駆動部２０、色ダイヤル１５、及び液晶パネル１６が
接続されており、ＣＰＵ１８では、色ダイヤル１５にお
いて選択設定された条件に従って記録ヘッド４による記
録が行われるように、ホストコンピュータから入力され
た画像データの記録色データを変更する処理が行われ
る。

【００１６】次に、画像データが示す記録色データを他
の色に変更する場合の色ダイヤル１５における選択設定
について図４を参照して説明する。図４は色ダイヤル１
５における選択設定時の液晶パネル１６の表示の変化例
を示す図である。上述したように、液晶パネル１６に
は、色ダイヤル１５で選択される、他色に変更する記録
色データの色（以下、変更前の色という）、及びこの色
の記録色データを変更しようとする所望の色（以下、変
更後の色という）等が表示され、色ダイヤル１５の回転
に応じてその表示が変化して色の選択ができるようにな
っている。液晶パネル１６に所望の色が表示された時に
色ダイヤル１５を押し込むと、その表示されている色が
設定されるようになっている。最初、液晶パネル１６に
は「変更前の色を選択して下さい」と表示され、変化前
の色の選択設定が可能なモードになっている。この「変
更前の色を選択して下さい」の表示がされている時に色
ダイヤル１５を回転させると、候補の色が斜体字で順次
表示される。所望の候補色が表示された時、例えば、赤
に設定するときは「赤」が表示されている時に色ダイヤ
ル１５を押し込むと、変更前の色が「赤」に設定され
る。色が設定された後は、色の表示（「赤」）は通常の
字体で表示される。

【００１７】変更前の色が設定された後は、変更後の色
の選択設定が可能にモードに切り替わり、液晶パネル１
６には、「変更後の色を選択して下さい」と表示され
る。この状態で、色ダイヤル１５を回転させると、上記
と同様に、候補の色が斜体字で順次表示される。この
時、既に設定されている変更前の色が液晶パネル１６の
左側に通常の字体で表示されている。そして、所望の候
補色、例えば、「青」が表示されたところで色ダイヤル
１５を押し込むと、変更後の色は青に設定され、表示は
通常の字体に変わる。

【００１８】以上の構成でなる走査式記録装置１による
記録動作について説明する。ユーザは、電源をＯＮとし
てから、色ダイヤル１５によって記録色データの条件を
設定する。制御部１２は、電源がＯＮとされたことによ
り印字開始信号を受け取ると、画像データがＲＡＭ１９
ｂに記憶されていることを確認した後、記録ヘッド４を
記録スタンバイ状態にする。そして、ユーザが記録ヘッ
ド４を記録対象面に対向させ、手でボディ１ｂを支持し
てローラ２を記録用紙等の記録媒体に接触させながら、
図１の矢印方向に走査させると、エンコーダ７の回転円
盤８からの信号によりローラ２の回転がＣＰＵ１８によ
って確認され、エンコーダ７からの信号に基づいて記録
タイミング信号が生成される。この記録タイミング信号
に基づいて、上記の条件に変換された画像データの出力
制御が行われ、記録ヘッド４が駆動されることによっ
て、記録媒体上に記録が行われる。

【００１９】次に、走査式記録装置１に画像データを送
信するホストコンピュータ等でなる入力部について図５
及び図６を参照して説明する。図５は入力部の制御系ブ
ロック図、図６は入力部の画像データ送信のための処理
の流れを示すフローチャートである。入力部２１には、
入力部２１全体の動作制御を司るＣＰＵ２２が備えられ
ている。このＣＰＵ２２には、各機能ブロックの動作制
御のための制御プログラム等が記憶されたＲＯＭ２３
ａ、キーボード２４から入力されたデータを一時的に記
憶しておくＲＡＭ２３ｂが接続されている。さらに、Ｃ
ＰＵ２２には、ＲＡＭ２３ｂに記憶されたデータを画像
データとして走査式記録装置１に送信するための赤外通
信部２５が接続されている。

【００２０】入力部における文字入力から走査式記録装
置１への送信までの処理は以下の通りである。ユーザに
より、キーボード２４から、記録しようとする文字、記
号等のキャラクタ及び記録色情報が入力されると（Ｓ
１）、入力された文字に応じて文字テーブルからアドレ
スが読み出され（Ｓ２）、ＲＡＭ２３ｂ内に一時的に記
憶される。全ての文字等の入力が終了すると（Ｓ３でＹ
ＥＳ）、ＲＡＭ２３ｂに記憶されているアドレスに従っ
て文字コードが読み出され（Ｓ４）、その文字コードに
対応する文字形状データが読み出され（Ｓ５）、この文
字形状データが画像データとして走査式記録装置１に送
信される（Ｓ６）。

【００２１】次に、色ダイヤル１５で記録データの記録
色が変更された場合における記録動作時の処理について
図７を参照して説明する。図７はこの記録動作時の処理
の流れを示すフローチャートである。入力部２１からの
画像データが受信されると（Ｓ１１）、その画像データ
はＲＡＭ１９ｂに一時的に記憶される（Ｓ１２）。ここ
で、画像データが示す記録色データの記録色を変更しな
い場合は（Ｓ１３でＮＯ）、記録色を変更しないデフォ
ルトの色で画像データに基づいて記録される（Ｓ２
０）。

【００２２】記録色データの記録色を変更する場合は
（Ｓ１３でＹＥＳ）、色ダイヤル１５で変更前の色及び
変更後の色が選択設定された後（Ｓ１４，Ｓ１５，Ｓ１
６でＹＥＳ）、選択設定された色の条件に基づいて画像
データの記録色データが変換され、変更後の色に変換さ
れた画像データに基づいて記録が行われる（Ｓ１７）。

【００２３】このように、本実施形態の走査式記録装置
１によれば、画像データの記録色データが示す記録色
が、色ダイヤル１５で選択設定された色の記録色データ
に変換されるので、ホストコンピュータ等の入力部２２
側で画像データの設定変更を行わなくても、走査式記録
装置１単独で、画像データの記録色を所望の色に変更す
ることができる。従って、簡単な操作でもって、記録さ
れる画像の色を記録媒体の色に応じて変更することがで
き、良好な記録結果を得ることができる。

【００２４】なお、本発明は上記実施の形態の構成に限
られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形
態では、色ダイヤル１５において、画像データの記録色
データが示す記録色の内の１色を選択し、この選択色を
他色に変更するようにしているが、色ダイヤル１５にお
いて、画像データが示す記録色データの記録色の内から
２以上の色を選択して、この選択された２以上の色の記
録データを単色の記録データに変換できるようにしても
よい。また、上記実施形態では、記録ヘッド４にシア
ン、マゼンタ、イエローの記録用に３つのノズル列４ａ
乃至４ｃが設けられた構成とされているが、シアン、マ
ゼンタ、イエローのそれぞれの記録用に３つの記録ヘッ
ドを備え、画像データに基づいてこの各記録ヘッドの駆
動が制御される構成としてもよい。

【００２５】

【発明の効果】以上のように請求項１に記載の発明に係
る走査式記録装置によれば、走査式記録装置単独で、画
像データの一又は複数の記録色データを所望の色の記録
色データに変換することができるので、ホストコンピュ
ータ等の入力部側で画像データの設定変更を行わなくて
も、画像データの記録色を所望の色に変更することがで
きる。従って、ホストコンピュータから離れた場所で記
録装置を使用する場合でも、簡単な操作でもって、記録
媒体の色に合わせて、画像データの記録色データを変換
することができ、良好な記録結果が得られる。

【００２６】また、請求項２に記載の発明に係る走査式
記録装置によれば、走査式記録装置単独で、２色以上の
画像データの記録色データを、単色の画像データに変換
することができ、例えば、記録装置に備えられているイ
ンクの内、入力された画像データの記録に必要なインク
が足りないような場合であっても、画像データの記録色
を変更し、他の色のインクで記録されるようにすること
により、その画像データに基づく記録が可能になる。

【００２７】また、請求項３に記載の発明に係る走査式
記録装置によれば、少なくともシアン、マゼンタ、イエ
ローの３色を記録する記録ヘッドの各々の動作を制御し
て記録を行うので、様々な色での記録が可能となり、画
像データの記録色データを任意に変更する場合でも、様
々な色に変更することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は一部を破断して内部構造を示した走査
式記録装置の正面図、（ｂ）は記録ヘッドのノズル部分
の拡大図である。

【図２】走査式記録装置の制御系のブロック図である。

【図３】ＲＯＭ内の画像データを模式的に示す図であ
る。

【図４】色ダイヤルにおける選択設定時の液晶パネルの
表示の変化例を示す図である。

【図５】入力部の制御系ブロック図である。

【図６】入力部の画像データ送信のための処理の流れを
示すフローチャートである。

【図７】色ダイヤルで記録データの記録色が変更された
場合における記録動作時の処理の流れを示すフローチャ
ートである。

【符号の説明】

１ 走査式記録装置 ４ 記録ヘッド １５ 色ダイヤル（色選択変更手段） １８ ＣＰＵ（記録色データ変換手段） １９ｂ ＲＡＭ（画像データ記憶手段）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像データを記憶する画像データ記憶手
   段と、記録媒体上を走査することによって該記録媒体上
   に前記画像データに基づいて画像を記録する記録手段と
   を備えた走査式記録装置において、 前記画像データが示す一又は複数の記録色データを所望
   の他の色に選択変更する色選択変更手段と、 前記一又は複数の記録色データを前記色選択変更手段に
   よって選択された記録色データに変換する記録色データ
   変換手段とを備えたことを特徴とする走査式記録装置。
2. 【請求項２】 前記色選択変更手段及び記録色データ変
   換手段は、２色以上の画像データを単色の画像データに
   選択変更し、変換することが可能であることを特徴とす
   る請求項１に記載の走査式記録装置。
3. 【請求項３】 前記複数の記録手段は、少なくともシア
   ン、マゼンタ、イエローの３色を記録する記録ヘッドか
   らなり、各々の記録ヘッドの動作を制御することによっ
   て、前記記録色データ変換手段によって変換された記録
   色データに基づいた記録を行うことを特徴とする請求項
   １又は請求項２に記載の走査式記録装置。