JPH1029636A - 段ボール製パレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】足桁の製作が簡単であり、したがって全体を手
早く製作できる段ボール製パレットを提供する。 【解決手段】共に段ボール製の上板と下板との間に段ボ
ール製の足桁が接着された段ボール製パレットにおい
て、足桁を、長手方向に沿う両側を内側に折り込んで内
部を全体として三つの中空部に仕切るように形成した枠
材と、この枠材の中央の中空部に装填した芯材と、この
枠材の中央の中空部をまたいで両側の中空部に差し込ん
だ固定用部材とで構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は段ボール製パレット
に関する。段ボール製の上板と段ボール製の下板とを段
ボール製の足桁を介して接着した段ボール製パレットが
使用されている。段ボール製パレットは金属製パレッ
ト、木製パレット或はプラスチック製パレットに比べて
軽量であり、したがって取り扱い易いという特長を有す
る。本発明はかかる段ボール製パレットの改良に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、上記のような段ボール製パレット
として各種が提案されている（特開昭６１−２４４７５
０、実開平５−３４１３３等）。これらのなかには、足
桁を筒状に形成した枠材とこの枠材の中空部に入れた芯
材とで構成したものもある。ところが、これら従来の段
ボール製パレットには、足桁を筒状に形成するのに接着
が必要であるため、その製作が面倒という問題がある。
従来の段ボール製パレットでは、矩形の段ボールを長手
方向に沿って折り曲げ、折り曲げた端部を接着すること
により筒状に形成した後、その中空部に芯材として発泡
スチロール製のパッドを装填するか、或は芯材として段
ボールの積層体を用い、この積層体を包囲するように矩
形の段ボールを長手方向に沿って折り曲げ、折り曲げた
端部を接着することにより筒状に形成するため、単に接
着という作業が必要であるだけでなく、折り曲げた端部
が固着するまでに時間がかかるのである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来の段ボール製パレットでは、足桁の製
作が面倒という点である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】しかして本発明は、共に
段ボール製の上板と下板との間に段ボール製の足桁が接
着された段ボール製パレットにおいて、足桁がいずれも
段ボール製の枠材と芯材と固定用部材とを備え、枠材が
その長手方向に沿う両側が内側に折り込まれて内部を全
体として三つの中空部に仕切るように形成されており、
芯材が中央の中空部に装填されていて、固定用部材が中
央の中空部をまたいで両側の中空部に差し込まれて成る
ことを特徴とする段ボール製パレットに係る。

【０００５】本発明において、段ボール製パレットは、
段ボール製の上板と段ボール製の下板とを段ボール製の
足桁を介して接着したものである。足桁は少なくとも２
本以上、通常は３本が所定間隔で並設されており、足桁
相互間にフォークを挿入し得るようになっている。上
板、下板及び足桁の製作には、波形のコルゲート紙の片
面に平板紙を接着した片面段ボール、波形のコルゲート
紙の両面に平板紙を接着した両面段ボール、片面段ボー
ルの積層体、両面段ボールの積層体、更には片面段ボー
ルと両面段ボールとの積層体を用いることができる。

【０００６】足桁はいずれも段ボール製の枠材と芯材と
固定用部材とを備えている。枠材は全体として略矩形を
呈する一枚の成形された段ボールを用いて製作され、そ
の長手方向に沿う両側が内側に折り込まれて内部を全体
として三つの中空部に仕切るように形成されている。芯
材は中央の中空部に装填されており、固定用部材は中央
の中空部をまたいで両側の中空部に差し込まれている。

【０００７】本発明では、全体として略矩形を呈する一
枚の形成された段ボールの長手方向に沿う両側を、通常
はそれぞれ９０度づつ合計３回、内側に折り込み、内側
に折り込んだ両端部の間に形成される中央の中空部に芯
材を装填し、これらをまたいで略冂形に成形された固定
用部材を両側の中空部に差し込む。差し込んだ固定用部
材により、内側に折り込んだ枠材の両端部と芯材とは、
両端部の間に芯材を挟んだ状態で固定されるので、足桁
を製作するのに接着を必要としない。したがって本発明
によると、足桁の製作が簡単である。

【０００８】芯材は、中央の中空部だけでなく、両側の
中空部にも装填若しくは挿入するのが好ましい。足桁の
強度を高めることができるからである。また枠材の長手
方向両端部は枠材から一体延設の折り込み片で封鎖する
のが好ましい。枠材の長手方向両端部を折り込み片で補
強すると共に中空部へ塵埃等が入るのを防止することが
できるからである。更に足桁にはこれらと直交する方向
へフォーク挿入用の開口部を形成するのが好ましい。フ
ォークの挿入を、足桁と並行する方向からだけでなく、
足桁と直交する方向からもできるため、パレットの実際
的な使用に便利であるからである。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は本発明に係る段ボール製パ
レットの実施形態を例示する平面図、図２は図１と同じ
段ボール製パレットを示す正面図である。段ボール製の
上板１１と段ボール製の下板１２との間に段ボール製の
足桁２１，２２，２３が介装されており、上板１１と足
桁２１，２２，２３とは、また下板１２と足桁２１，２
２，２３とは接着されている。足桁２１，２２，２３は
所定間隔で並設されており、足桁２１と足桁２２との間
に、また足桁２２と足桁２３との間にフォークを挿入し
得るようになっている。

【００１０】図３は図１と同じ段ボール製パレットにつ
いて足桁を示す部分拡大平面図、図４は図３のＡ−Ａ線
断面図、図５は図３のＢ−Ｂ線断面図、図６は図３のＣ
−Ｃ線断面図である。足桁２２，２３は足桁２１と同じ
構成になっているので、ここでは足桁２１についてのみ
説明し、足桁２２，２３の説明は省略する。また足桁２
１を平面から見てその上半分は下半分と同じ構成になっ
ているので、ここでは足桁２１の下半分についてのみ説
明し、上半分の説明は省略する。

【００１１】足桁２１はいずれも段ボール製の枠材３１
と芯材４１と固定用部材５１，５２とを備えている。枠
材３１は、全体として略矩形を呈する一枚の成形された
段ボールの長手方向に沿う両側が、それぞれ９０度づつ
合計３個、内側に折り込まれて、内部を全体として三つ
の中空部６１，６２，６３に仕切るように形成されてい
る。この場合、中央の中空部６２は上面開放であり、中
央の中空部６２を挟む両側の中空部６１，６３は内側に
折り込んだ段ボールでほぼ包囲されていて、これらの中
空部６１，６２，６３は相応に長尺な直方体様を呈して
いる。

【００１２】芯材４１は、段ボールを６枚重ねた積層体
であり、上記のように形成した枠材３１の中央の中空部
６２に装填されている。枠材３１の上面には所定間隔で
開口３１ａ〜３１ｄが形成されており、芯材４１には対
の開口３１ａ，３１ｂに相当する部分で凹部４１ａが、
また対の開口３１ｃ，３１ｄに相応する部分で凹部４１
ｂが形成されていて、これらの開口３１ａ〜３１ｄ及び
凹部４１ａ，４１ｂの部分で固定用部材５１，５２が差
し込まれている。固定用部材５１，５２は略冂形に成形
されており、固定用部材５１は芯材４１の凹部４１ａを
またいで枠材３１の開口３１ａ，３１ｂから両側の中空
部６１，６３に差し込まれ、また固定用部材５２は芯材
４１の凹部４１ｂをまたいで枠材３１の開口３１ｃ，３
１ｄから両側の中空部６１，６３に差し込まれていて、
これらの固定用部材５１，５２により枠材３１と芯材４
１とが固定されているのである。

【００１３】図１〜図６に例示した実施形態では、枠材
３１の長手方向端部が枠材３１から一体延設された折り
込み片３２，３３で封鎖されている。長手方向端部にお
いて、芯材４１は６枚の積層体のうちで中２枚が切り欠
かれており、この切り欠かれた部分に折り込み片３２，
３３が差し込まれている。長手方向端部においては、折
り込み片３２，３３にも芯材４１の凹部４１ｂに相当す
る部分で凹部３２ａ，３３ａが形成されており、略冂形
に成形された固定用部材５２は芯材４１の凹部４１ｂ及
び折り込み片３２，３３の凹部３２ａ，３３ａをまたい
で開口３１ｃ，３１ｄから両側の中空部６１，６３に差
し込まれていて、これにより枠材３１と芯材４１と折り
込み片３２，３３とが固定されているのである。

【００１４】図７は本発明に係る段ボール製パレットの
他の実施形態について固定用部材が差し込まれていない
部分の足桁を示す断面図、図８は図７と同じ実施形態に
ついて固定用部材が差し込まれている部分の足桁を示す
断面図である。本発明の他の実施形態について、図７は
図４に対応する部分の構成を示しており、また図８は図
５に対応する部分の構成を示している。

【００１５】図７及び図８に示した足桁も、いずれも段
ボール製の枠材３４と芯材４２，４３，４４と固定用部
材５３とを備えている。説明を省略する他の構成は図３
〜図６に示した足桁の場合と同様になっているが、図７
及び図８に示した足桁では、枠材３４の中央の中空部６
５に段ボールを６枚重ねた積層体である芯材４２が装填
されており、更に枠材３４の両側の中空部６４，６６に
も段ボールを４枚重ねた積層体である芯材４３，４４が
装填されている。枠材３４の上面には所定間隔で開口が
形成されており、これらの開口に相応する部分で、芯材
４２の上部に凹部４２ａが、また芯材４３，４４の上部
にもやや深い凹部４３ａ，４４ａが形成されていて、結
果的に枠材３４の長手方向に沿う両側には、凹部４３
ａ，４４ａの上方に中空部６４ａ，６６ａが形成されて
いる。そして略冂形に成形された固定用部材５３が芯材
４２の凹部４２ａをまたいで枠材３４の上面の開口から
両側の中空部６４ａ，６６ａに差し込まれている。

【００１６】図９は本発明に係る段ボール製パレットの
更に他の実施形態について固定用部材が差し込まれてい
ない部分の足桁を示す断面図、図１０は図９と同じ実施
形態について固定用部材が差し込まれている部分の足桁
を示す断面図である。本発明の更に他の実施形態につい
て、図９は図４に対応する部分の構成を示しており、ま
た図１０は図５に対応する部分の構成を示している。

【００１７】図９及び図１０に示した足桁も、いずれも
段ボール製の枠材３５と芯材４５，４６，４７と固定用
部材５４とを備えている。説明を省略する他の構成は図
３〜図６に示した足桁の場合と同様になっているが、図
９及び図１０に示した足桁では、枠材３５の中央の中空
部６８に段ボールを４枚重ねた積層体である芯材４５が
装填されており、更に枠材３５の両側の中空部６７，６
９にも段ボール製の筋交い（はすかい）を有する芯材４
６，４７が挿入されている。枠材３５の上面には所定間
隔で開口が形成されており、これらの開口に相応する部
分で、芯材４５の上部に凹部４５ａが形成されていて、
また芯材４６，４７は筋交い（はすかい）が切り欠か
れ、結果的に枠材３５の長手方向に沿う両側には、芯材
４６，４７の筋交い（はすかい）が切り欠かれた部分に
中空部が形成されている。そして略冂形に成形された固
定用部材５４が芯材４５の凹部４５ａをまたいで枠材３
５の上面の開口から両側の中空部に差し込まれている。

【００１８】図１１は本発明に係る段ボール製パレット
の更にまた他の実施形態を例示する平面図、図１２は図
１１と同じ段ボール製パレットを示す右側面図である。
段ボール製の上板１３と段ボール製の下板１４との間に
段ボール製の足桁２４，２５，２６が介装されており、
上板１３と足桁２４，２５，２６とは、また下板１４と
足桁２４，２５，２６とは接着されている。足桁２４，
２５，２６は所定間隔で並設されており、足桁２４と足
桁２５との間に、また足桁２５と足桁２６との間にフォ
ークを挿入し得るようになっている。図１１及び図１２
に示した実施形態では、足桁２４，２５，２６にこれら
と直交する方向へフォーク挿入用の開口部１３ａ，１３
ｂが形成されている。

【００１９】

【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、足桁の製作が簡単であり、したがって段ボール
製パレットを手早く製作できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る段ボール製パレットの実施形態を
例示する平面図。

【図２】図１と同じ段ボール製パレットを示す正面図。

【図３】図１と同じ段ボール製パレットについて足桁を
示す部分拡大平面図。

【図４】図３のＡ−Ａ線断面図。

【図５】図３のＢ−Ｂ線断面図。

【図６】図３のＣ−Ｃ線断面図。

【図７】本発明に係る段ボール製パレットの他の実施形
態について固定用部材が差し込まれていない部分の足桁
を示す断面図。

【図８】図７と同じ実施形態について固定用部材が差し
込まれている部分の足桁を示す断面図。

【図９】本発明に係る段ボール製パレットの更に他の実
施形態について固定用部材が差し込まれていない部分の
足桁を示す断面図。

【図１０】図９と同じ実施形態について固定用部材が差
し込まれている部分の足桁を示す断面図。

【図１１】本発明に係る段ボール製パレットの更にまた
他の実施形態を例示する平面図。

【図１２】図１１と同じ段ボール製パレットを示す右側
面図。

【符号の説明】

１１，１３・・・上板、１３ａ，１３ｂ・・・開口部、
１２，１４・・・下板、２１〜２６・・・足桁、３１，
３４，３５・・・枠材、３２，３３・・・折り込み片、
４１〜４７・・・芯材、５１〜５４・・・固定用部材、
６１〜６９・・・中空部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大場 純子 東京都中央区東日本橋２丁目20番７号 大 日本紙業株式会社東京営業所内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 共に段ボール製の上板と下板との間に段
   ボール製の足桁が接着された段ボール製パレットにおい
   て、足桁がいずれも段ボール製の枠材と芯材と固定用部
   材とを備え、枠材がその長手方向に沿う両側が内側に折
   り込まれて内部を全体として三つの中空部に仕切るよう
   に形成されており、芯材が中央の中空部に装填されてい
   て、固定用部材が中央の中空部をまたいで両側の中空部
   に差し込まれて成ることを特徴とする段ボール製パレッ
   ト。
2. 【請求項２】 芯材が両側の中空部にも装填若しくは挿
   入された請求項１記載の段ボール製パレット。
3. 【請求項３】 枠材の長手方向両端部が枠材から一体延
   設の折り込み片で封鎖された請求項１又は２記載の段ボ
   ール製パレット。
4. 【請求項４】 足桁にこれと直交する方向へフォーク挿
   入用の開口部が形成された請求項１、２又は３記載の段
   ボール製パレット。