JPH10295370A - ホルムアルデヒドオキシダーゼ並びに物質又は酵素の定量方法 - Google Patents

ホルムアルデヒドオキシダーゼ並びに物質又は酵素の定量方法

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JPH10295370A
JPH10295370A JP11210497A JP11210497A JPH10295370A JP H10295370 A JPH10295370 A JP H10295370A JP 11210497 A JP11210497 A JP 11210497A JP 11210497 A JP11210497 A JP 11210497A JP H10295370 A JPH10295370 A JP H10295370A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 基質特異性の高いホルムアルデヒドオキシダ
ーゼ及びその製造方法、該酵素を用いてホルムアルデヒ
ド(以下FAと称す)又は酵素反応によるFA生成反応
関与物質もしくは酵素の定量方法及び定量用試薬の提
供。 【解決手段】 FAには作用するが他のアルデヒドには
作用しない、水と酸素の存在下にFAを酸化してギ酸と
過酸化水素を生成する反応を触媒する該酵素及びシリン
ドロカルポン属に属する微生物を培地中に培養し、培養
物中に該酵素の生成蓄積、採取方法。該酵素及び過酸化
水素定量試薬を含むFA又は酵素反応によるFA生成反
応関与物質もしくは酵素の定量用試薬並びにFAを含有
試料又は酵素反応によるFA生成反応関与物質もしくは
酵素を含む試料中にFAを生成させ、該酵素を作用さ
せ、酸化反応による消費酸素量又は生成過酸化水素を定
量しFA又は酵素反応によるFA生成反応関与物質もし
くは酵素定量方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水と酸素の存在下
にホルムアルデヒドを酸化してギ酸と過酸化水素を生成
する反応を触媒する基質特異性の高い新規なホルムアル
デヒドオキシダーゼ、その製造方法、この酵素を用いた
ホルムアルデヒド又は酵素反応によりホルムアルデヒド
を生成する反応に関与する物質もしくは酵素の定量方法
及びその定量用試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】ホルムアルデヒドを酸化する酵素の存在
に関しては、動物由来ではウサギ肝臓(Rabbit liver)
[ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー(J. Chromat
ogr.),475,363(1989)、バイオテクノロ
ジー・アンド・バイオエンジニアリング(Biotechnol.
Bioeng. ),27,447(1985)]、モルモット
肝臓(Guinea Pig liver)[アーカイブズ・オブ・バイ
オケミカル・アンド・バイオフィジクス(Arch. Bioche
m. Biophys. ),242,213(1985)]、牛肝
臓(Bovine liver)[バイオケミカル・ソサイアティー
・オブ・トランサクションズ(Biochem. Soc. Tran
s.),1515,882(1987)]等で、微生物か
らはストレプトマイセス(Streptomyces)[アーカイブ
・オブ・マイクロバイオロジー(Arch. Microbiol.),
131,351(1982)]、シュードモナス(Pseu
domonas )(特開昭58−17489号公報)等でその
酵素活性の報告がある。
【0003】しかしながらこれらの酵素は、基質特異性
が低く、ホルムアルデヒドの他にアセトアルデヒド等ホ
ルムアルデヒド以外のアルデヒド類や更に種々の含窒素
芳香族ヘテロ環化合物及びプリン、ヒポキサンチン、キ
ニン類等広範囲な化合物に作用することが報告されてい
る[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー
(J.Biol.Chem.),237,922(1962)、同,
239,2022(1964)、同,239,2027
(1964)]。
【0004】従って、基質特異性の低さから、特に生体
試料を対象にホルムアルデヒドを定量する場合、試料に
共存するアセトアルデヒド、種々の含窒素芳香族ヘテロ
環化合物等が定量に影響を与えるため、本酵素を用いた
ホルムアルデヒドの定量方法は実現できていない。臨床
検査の分野において、血清や尿をはじめとする生体試料
中のクレアチン濃度の定量は神経・筋疾患等、クレアチ
ニン濃度の定量は腎臓疾患や筋疾患等の指標として極め
て重要である。
【0005】従来、生体試料中のクレアチン又はクレア
チニン濃度の定量にはクレアチニナーゼ、クレアチナー
ゼ及びザルコシンオキシダーゼを使用した酵素的定量法
が主に用いられている。しかしながら、クレアチン又は
クレアチニンをホルムアルデヒドに変換した後、ホルム
アルデヒドを定量して、クレアチン又はクレアチニンを
定量する方法は知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、基質
特異性の高いホルムアルデヒドオキシダーゼ及びその製
造方法を提供することにある。また該酵素を用いてホル
ムアルデヒド又は酵素反応によりホルムアルデヒドを生
成する反応に関与する物質もしくは酵素の定量方法及び
その定量用試薬を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ホルムアルデ
ヒドには作用するがアセトアルデヒドには作用しない、
水と酸素の存在下にホルムアルデヒドを酸化してギ酸と
過酸化水素を生成する反応を触媒する新規ホルムアルデ
ヒドオキシダーゼ及びシリンドロカルポン属に属し、該
新規ホルムアルデヒドオキシダーゼ生成能を有する微生
物を培地中に培養し、培養物中にホルムアルデヒドオキ
シダーゼを生成蓄積させ、該培養物からホルムアルデヒ
ドオキシダーゼを採取することを特徴とするホルムアル
デヒドオキシダーゼの生産方法に関する。
【0008】また、本発明は新規ホルムアルデヒドオキ
シダーゼ及び過酸化水素の定量試薬からなるホルムアル
デヒドの定量用試薬並びにホルムアルデヒドを含有する
試料に、新規ホルムアルデヒドオキシダーゼを作用さ
せ、酸化反応により消失する酸素又は生成する過酸化水
素を定量することを特徴とするホルムアルデヒドの定量
方法に関する。
【0009】また、定量すべき物質をホルムアルデヒド
に変換する反応に関与する酵素、新規ホルムアルデヒド
オキシダーゼ及び過酸化水素の定量試薬からなる定量す
べき物質の定量用試薬並びに定量すべき物質を含有する
試料に、定量すべき物質をホルムアルデヒドに変換する
反応に関与する酵素及び新規ホルムアルデヒドオキシダ
ーゼを作用させ、酸化反応により消失する酸素又は生成
する過酸化水素を定量することを特徴とする定量すべき
物質の定量方法に関する。
【0010】さらに本発明は、ホルムアルデヒドを生成
する反応に関与する定量すべき酵素の基質、該反応に関
与する他の酵素、新規ホルムアルデヒドオキシダーゼ及
び過酸化水素の定量試薬からなるホルムアルデヒドを生
成する反応に関与する定量すべき酵素の定量用試薬並び
にホルムアルデヒドを生成する反応に関与する定量すべ
き酵素を含有する試料に、ホルムアルデヒドを生成する
反応に関与する定量すべき酵素の基質、該反応に関与す
る他の酵素及び新規ホルムアルデヒドオキシダーゼを作
用させ、酸化反応により消費される酸素又は生成する過
酸化水素を定量することを特徴とするホルムアルデヒド
を生成する反応に関与する定量すべき酵素の定量方法に
関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明酵素の定義において、ホル
ムアルデヒドには作用するがアセトアルデヒドには作用
しないホルムアルデヒドオキシダーゼとは、同一の酵素
量を用いて、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドを
それぞれ基質に用い、下記に示す力価の測定方法でホル
ムアルデヒドを基質に用いて得られる力価を100とし
た場合、アセトアルデヒドを基質に用いて得られる相対
力価が1.0以下である酵素を示す。
【0012】特に、同一の酵素量を用いて、種々のアル
デヒド類を基質に用い下記に示す力価の測定方法でホル
ムアルデヒドを基質に用いて得られる力価を100とし
た場合、ホルムアルデヒド以外のアルデヒド類を基質に
用いて得られる相対力価が1.0以下である酵素が好ま
しい。
【0013】本発明の新規ホルムアルデヒドオキシダー
ゼの理化学的性質は下記の通りである。 (1)作用 水と酸素の存在下にホルムアルデヒドを酸化してギ酸と
過酸化水素を生成する反応を触媒する。 (2)基質特異性 pH7.0の50mMリン酸緩衝液中、基質濃度15m
Mの条件下で本酵素の各種基質に対する活性を測定し、
ホルムアルデヒドに対する活性を100として相対活性
を調べた結果を第1表に示す。
【0014】
【表1】
【0015】第1表から本酵素は、ホルムアルデヒドに
特異的に作用し、アセトアルデヒドには作用しないこと
がわかる。 (3)至適pH pH4.0〜11.0までの100mMユニバーサル緩
衝液(Johnson-lindsay 緩衝液、基礎生化学実験法、6
巻、丸善)を用いて活性を求め,至適pHを調べたとこ
ろ図1に示すようなpH−活性曲線が得られた。本酵素
の至適pHは8.0〜9.5である。 (4)pH安定性 pH4.0〜11.0の200mMユニバーサル緩衝液
(Johnson-Lindsay 緩衝液、基礎生化学実験法、6巻、
丸善)中にて45℃、15分間の処理した後、残存活性
を測定した。その結果、図2に示すとおりpH7.0〜
9.0の範囲で安定である。 (5)熱安定性 本酵素の熱安定性を調べるため、pH7.0の50mM
リン酸緩衝液で各温度に15分間保った後、残存活性を
測定した。その結果、図3に示すとおり55℃付近まで
安定である。 (6)至適温度 pH7.0の50mMリン酸緩衝液を用いて活性を求め
至適温度を調べたところ図4に示すような温度−活性曲
線が得られた。本酵素の至適温度は50℃付近である。 (7)阻害剤の影響 pH7.0の50mMリン酸緩衝液を用いて活性に及ぼ
す各種化合物の影響を第2表に示す化合物及び濃度で調
べた。結果を第2表に示す。
【0016】
【表2】
【0017】本酵素は、硫酸銅、NH2 OH、アジ化ナ
トリウム、p−メリクリ安息香酸により阻害される。 (8)分子量 ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動法(SDS−PAGE法)で測定した本酵素のサブ
ユニットの分子量は、約78,000であり、ゲル濾過
法で測定した分子量は、約310、000である。 (9)均一性 本酵素は、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動により単一のバンドが得られた。すなわ
ち、トリスーグリシン緩衝液(pH8.3)中で約60
分間泳動を行ったのち、クマシー染色液で染色すること
により単一の蛋白質のバンドが観察された。
【0018】(10)力価の測定方法 酵素の力価の測定は下記の方法で行う。 1)試薬 基質溶液 ホルムアルデヒドを30mMになるように100mMリ
ン酸緩衝液(pH7.0)に溶解する。
【0019】発色試薬 ペルオキシダーゼ(東洋紡、Grade III )を最終濃度1
0U/ml、4−アミノアンチピリンを最終濃度0.7
2mM、フェノールを最終濃度12.6mMになるよう
に水に溶解する。 2)操作 基質溶液1mlに発色試薬1mlを添加し、37℃で5
分間反応させる。次に酵素液0.02mlを添加し、3
7℃で10分間振とうし反応させた後500nmにおけ
る吸光度を測定する。対照は、酵素溶液の代りに水を用
い、500nmの吸光度の差を求める。 3)力価の計算方法 ホルムアルデヒドオキシダーゼの1単位は、37℃で1
分間に1μmolのホルムアルデヒドを分解できる酵素
量を1単位と定義する。それ故、酵素溶液1ml当りの
力価(U/ml)は吸光度差から、次式(I)で求めら
れる。
【0020】
【数1】
【0021】次にホルムアルデヒドオキシダーゼの製造
方法について説明する。本酵素は、シリンドロカルポン
属に属し、該新規ホルムアルデヒドオキシダーゼ生成能
を有する微生物を培地中に培養し、培養物中にホルムア
ルデヒドオキシダーゼを生成蓄積させ、該培養物からホ
ルムアルデヒドオキシダーゼを採取することによって得
ることができる。
【0022】本発明のホルムアルデヒドオキシダーゼを
生成する能力を有する微生物としては、シリンドロカル
ポン属に属し、本発明のホルムアルデヒドオキシダーゼ
生成能を有する微生物であればいずれの微生物でも用い
ることができる。具体的に好適な微生物としてはシリン
ドロカルポン・ディディムム(Cylindrocarpon didymu
m )FERM BP−5758をあげることができる。
【0023】シリンドロカルポン・ディディムム(Cyli
ndrocarpon didymum )の属する種の菌学的性質は、ジ
ョセフ・シー・ギルマン(Joseph C. Gilman)著、マニ
ュアル・オブ・ソイル・ファンジャイ(Manual of Soil
Fungi)第二版、395−397ページ(1957年)、
アイオワ州立大学出版 (The Iowa State College Pres
s, USA)に記載されている。
【0024】上記微生物は、1996年11月28日付
けで日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号(郵便番号
305)通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所
に、ブダペスト条約に基づき寄託してある。
【0025】本発明で使用する微生物の培養には、通常
のカビの培養法が一般に用いられる。培地としては、例
えば炭素源、窒素源、無機塩等を含有するものであれ
ば、天然培地、合成培地のいずれも用いることができ
る。炭素源としては、例えば炭水化物、糖アルコール、
アルコール、有機酸等が用いられる。炭水化物として
は、例えばグルコース、シュクロース、マルトース、澱
粉、糖蜜等をあげることができる。糖アルコールとして
は、例えばグリセロール、ソルビトール、マンニトール
等をあげることができる。アルコールとしては、例えば
メタノール、エタノール等をあげることができる。有機
酸としては、例えば酢酸、乳酸、ピルビン酸、クエン酸
等をあげることができる。
【0026】窒素源としては、例えば無機又は有機アン
モニウム塩、窒素含有有機物質等が用いられる。無機又
は有機アンモニウム塩としては、例えばアンモニア、塩
化アンモニウム、炭酸アンモニウム、燐酸アンモニウ
ム、酢酸アンモニウム等をあげることができる。窒素含
有有機物質としては、例えば尿素、アミノ酸、ペプト
ン、NZ―アミン、肉エキス、コーンスチープリカー、
カゼイン加水分解物、酵母エキス等が用いられる。
【0027】無機塩としては、例えば燐酸第一カリウ
ム、燐酸第二カリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウ
ム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄などが用いられる。
培養法としては、液体培養法、特に深部攪拌培養法が適
している。培養はpH5.0〜8.0、温度25〜37
℃で、1〜7日間静置又は通気攪拌しながら行う。
【0028】このように培養することにより、培養物
中、主に菌体中にホルムアルデヒドオキシダーゼが生成
蓄積する。培養物中からのホルムアルデヒドオキシダー
ゼの採取は次のように行う。培養終了後、培養液より遠
心分離又は濾過により菌体を集める。菌体を超音波破砕
機等により破砕し、粗酵素抽出液を得る。この粗酵素抽
出液を通常酵素精製に用いられる方法、例えば、塩析、
有機溶媒沈殿、透析、イオン交換カラムクロマトグラフ
ィー、ゲル濾過、凍結乾燥等の方法にて処理する。この
ようにして精製ホルムアルデヒドオキシダーゼを採取す
ることができる。
【0029】本発明のホルムアルデヒドの定量用試薬
は、本発明のホルムアルデヒドオキシダーゼ及び過酸化
水素の定量試薬からなる。また、本発明の定量すべき物
質の定量用試薬は、定量すべき物質をホルムアルデヒド
に変換する反応に関与する酵素、本発明のホルムアルデ
ヒドオキシダーゼ及び過酸化水素の定量試薬からなる。
【0030】更に、本発明のホルムアルデヒドを生成す
る反応に関与する酵素の定量用試薬は、ホルムアルデヒ
ドを生成する反応に関与する定量すべき酵素の基質、該
反応に関与する他の酵素、本発明のホルムアルデヒドオ
キシダーゼ及び過酸化水素の定量試薬からなる。各成分
は、同一の試薬中に共存させた試薬として供給できるだ
けでなく、必要に応じて特定の成分を組合せた試薬のキ
ットとして供給できる。
【0031】本発明のホルムアルデヒドオキシダーゼ
は、上述の方法により製造される酵素が用いられ、単離
精製した酵素が好ましい。本酵素の反応液中の濃度は、
0.01〜100U/ml、好ましくは0.1〜10U
/mlである。過酸化水素の定量試薬は、例えば過酸化
活性物質と発色試薬、過酸化活性物質と蛍光試薬、過酸
化活性物質と発色試薬等からなる試薬があげられる。
【0032】過酸化活性物質としては、パーオキシダー
ゼ等があげられる。過酸化活性化物質の反応液中の濃度
は、0.01〜100U/ml、好ましくは0.1〜1
0U/mlである。発色試薬としては、過酸化水素及び
過酸化活性化物質の存在下に酸化されて発色する化合物
であればいかなる化合物でもよい。
【0033】例えば、トリンダー型呈色試薬として、ア
ニリンもしくはN−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロ
ピル)−3,5−ジメトキシアニリンナトリウム(HS
DA)等のアニリン誘導体、フェノールもしくはN−エ
チル−N−(3−メチルフェニル)−N’−サクシニル
エチレンジアミン(以下、EMSEと略記する)等のフ
ェノール誘導体からなる水素供与体と4−アミノアンチ
ピリン(4−AA)及び3−メチル−2−ベンゾチアゾ
リノヒドラジン等のカップラー化合物の組合せ試薬があ
げあられる。
【0034】また、3,3’−ジアミノベンジジン、o
−ジアニシジン、4−メトキシ−1−ナフトール、2,
2’−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン)−
6−スルホン酸(ABTS)、10−N−メチルカルバ
モイル−3,7−ジメチルアミノ−10H−フェノチア
ジン(MCDP)、10−N−カルボキシメチルカルバ
モイル−3,7−ジメチルアミノ−10H−フェノチア
ジン(CCAP)、N−(カルボキシメチルアミノカル
ボニル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニ
ルアミン ナトリウム塩(DA−64)、4,4’−ビ
ス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン,ビス[3−ビ
ス(4−クロロフェニル)メチル−4−ジメチルアミノ
フェニル]アミン(BCMA)、ビス[3−ビス(4−
クロロフェニル)メチル−4−カルボキシエチルアミノ
フェニル]アミン等の発色試薬があげられる。
【0035】蛍光試薬としては、ホモバニリン酸、p−
ヒドロキシフェニル酢酸、ジアセチルフルオレスシン誘
導体(ジアセチルフルオレスシン、ジアセチルジクロロ
フルオレスシン等)等があげられる。発光試薬として
は、ルミノール、イソルミノール、ピロガロール、ビス
(2,4,6−トリクロロフェニル)オキザレート、4
−メトキシ−1−ナフトール、クマリン誘導体等があげ
られる。
【0036】これら発色試薬、蛍光試薬、発光試薬の反
応液中の濃度は、反応液中のホルムアルデヒドと等モル
量以上、好ましくは1〜10,000倍モル量、より好
ましくは、10〜1,000倍モル量である。通常、
0.01〜100mMが好ましく、0.1〜10mMが
より好ましく用いられる。本発明で定量できる定量すべ
き物質とは、酵素によりホルムアルデヒドに変換される
物質である。該物質は、一段階の反応でホルムアルデヒ
ドに変換される物質だけではなく数段階の酵素反応によ
りホルムアルデヒドに変換される物質でもよい。該物質
としては、例えばクレアチニン、クレアチン、ザルコシ
ン、メチルアミン等があげられる。
【0037】定量すべき物質をホルムアルデヒドに変換
する反応に関与する酵素とは、定量すべき物質により構
成が異なるが、例えば定量すべき物質がクレアチンの場
合は、クレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、ザルコシン
オキシダーゼがあげられ、定量すべき物質がメチルアミ
ンの場合はアミンオキシダーゼがあげられる。本発明で
定量できる定量すべき酵素とは、ホルムアルデヒドを生
成する反応に関与する酵素である。該酵素がクレアチニ
ナーゼの場合には、該酵素の基質としてはクレアチニン
があげられ、その他反応に関与する酵素としては、クレ
アチナーゼ、ザルコシンオキシダーゼがあげられる。定
量すべき酵素がアミンオキシダーゼの場合には、該酵素
の基質としてはメチルアミンがあげられる。
【0038】ホルムアルデヒドを生成する反応に関与す
る定量すべき酵素としては、例えばクレアチニナーゼ、
クレアチナーゼ、ザルコシンオキシダーゼ、アミンオキ
シダーゼ等があげられる。これら定量試薬及びそのキッ
トには、必要に応じて緩衝剤、酵素の賦活剤、安定化
剤、界面活性剤、防腐剤等を含む。
【0039】緩衝剤としては、乳酸緩衝剤、クエン酸緩
衝剤、酢酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、グリシン緩衝剤、
3,3−ジメチルグルタル酸緩衝剤、フタル酸緩衝剤、
リン酸緩衝剤、トリエタノールアミン緩衝剤、ジエタノ
ールアミン緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、バルビツール緩衝
剤、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝剤、
イミダゾール−酢酸緩衝剤、リンゴ酸緩衝剤、シュウ酸
緩衝剤、炭酸緩衝剤、グッド緩衝剤等あげることができ
る。
【0040】酵素の賦活剤としては、例えばデヒドロ酢
酸等があげられる。防腐剤としては、例えばアジ化ナト
リウム、硫酸ストレプトマイシン等が例示される。安定
化剤としては例えば、エチレンジアミン四酢酸等の金属
キレート剤、その他酵素の安定化剤として一般的な可溶
性デンプン等の多糖類およびその誘導体、アルブミン、
グロブリン等の蛋白質、ポリエチレングリコール等の水
溶性高分子化合物を用いることができる。界面活性剤と
しては、例えば、トリトンX−100等をあげることが
できる。
【0041】ホルムアルデヒドを含有する試料に、新規
ホルムアルデヒドオキシダーゼを作用させ、酸化反応に
より消費される酸素又は生成する過酸化水素を定量する
ことを特徴とするホルムアルデヒドの定量方法について
のべる。アルデヒドオキシダーゼの反応は、ホルムアル
デヒドを含む試料を、ホルムアルデヒドオキシダーゼ、
必要に応じて前述のパーオキシダーゼ等過酸化活性化物
質と発色試薬、蛍光試薬又は発光試薬からなる過酸化水
素の定量試薬、更に必要に応じて緩衝剤、酵素の賦活
剤、防腐剤、安定化剤、界面活性剤を含む水性媒体に加
え20〜50℃で、1〜15分間処理することにより達
成される。
【0042】ホルムアルデヒドの定量は、反応により消
失する酸素量を、例えば酸素電極法やワールブルグ検圧
計で定量することにより定量できる。また、生成する過
酸化水素は、例えば過酸化水素電極で定量できる。好ま
しくは前述のパーオキシダーゼ等の過酸化活性化物質と
発色試薬、蛍光試薬又は発光試薬からなる過酸化水素の
定量試薬をホルムアルデヒドオキシダーゼ反応を終了し
た後、該反応中又は該反応開始と同時に添加し過酸化水
素定量反応を行うことで定量できる。反応により生成す
る色素、蛍光、光量は常法により定量することができ
る。
【0043】例えば、呈色反応により生じる色素を光学
的に定量する方法は、市販の分光光度計を用い、400
〜750nmの波長にて試薬ブランクを対照として吸光
度を測定する。用いる波長は、使用する呈色試薬の光吸
収特性及び反応液の光吸収特性を考慮して決定するのが
好ましい。一定量の既知濃度のホルムアルデヒドを用い
て、上述と同様に反応させ、吸光度の増加を測定し、検
量線を作成する。未知量のホルムアルデヒドは、この検
量線を用いて定量される。
【0044】また定量すべき物質を含有する試料に、定
量すべき物質をホルムアルデヒドに変換する反応に関与
する酵素及び新規ホルムアルデヒドオキシダーゼを作用
させ、酸化反応により消費される酸素又は生成する過酸
化水素を定量することを特徴とする定量すべき物質の定
量方法についてのべる。定量すべき物質を、常法により
酵素的にホルムアルデヒドに変換する反応を終了した
後、該反応中又は該反応開始と同時に、上述のホルムア
ルデヒドの定量反応を行い上述の方法で定量できる。
【0045】更にホルムアルデヒドを生成する反応に関
与する定量すべき酵素を含有する試料に、ホルムアルデ
ヒドを生成する反応に関与する定量すべき酵素の基質、
該反応に関与する他の酵素及び新規ホルムアルデヒドオ
キシダーゼを作用させ、酸化反応により消失する酸素又
は生成する過酸化水素を定量することを特徴とする定量
すべきホルムアルデヒドを生成する反応に関与する酵素
の定量方法についてのべる。
【0046】定量すべき酵素は、常法により基質を酵素
的にホルムアルデヒドに変換する反応の終了後、該反応
中又は該反応開始と同時に、上述のホルムアルデヒドの
定量反応を行い上述の方法で定量できる。
【0047】定量すべき物質としてクレアチン及びクレ
アチニンの場合について更に詳細に説明する。従来クレ
アチン及びクレアチニン定量にはクレアチニナーゼ、ク
レアチナーゼ、ザルコシンオキシダーゼを使用して過酸
化水素生成させこれを常法により定量する方法が知られ
ている。
【0048】この反応で生成するホルムアルデヒドに、
本発明のホルムアルデヒドオキシダーゼを作用させ、も
う一分子の過酸化水素を生成させることによって、従来
の定量系に対し2倍の過酸化水素を生成させ、高感度化
が実現される。この反応を下記に示す。
【0049】
【化1】
【0050】すなわち本法はクレアチナーゼ、ザルコシ
ンオキシダーゼを使用しクレアチンを定量する定量系、
あるいはこの系にクレアチニナーゼを追加してクレアチ
ニンを定量する系に対し、ホルムアルデヒドオキシダー
ゼを添加し、1分子のクレアチンあるいはクレアチニン
から2分子の過酸化水素を生成させ、これを定量する方
法である。
【0051】従来のホルムアルデヒドオキシダーゼを用
いた場合は、試料に共存するホルムアルデヒド以外のア
ルデヒド類にも作用するので上記記載の反応を行っても
定量的な高感度化が行えない。本発明を実施するに際し
ては、クレアチニン定量の場合、クレアチニンが存在す
る試料に適当な緩衝液、クレアチニナーゼ、クレアチナ
ーゼ、ザルコシンオキシダーゼ、ホルムアルデヒドオキ
シダーゼを加え、反応させる。
【0052】またクレアチン定量の場合、クレアチンが
存在する試料に適当な緩衝液、クレアチナーゼ、ザルコ
シンオキシダーゼ、ホルムアルデヒドオキシダーゼを加
え、反応させる。反応液中の各物質の濃度は、クレアチ
ニナーゼは、1〜1000U/ml、好ましくは35〜
110U/ml、クレアチナーゼは、1〜1000U/
ml、好ましくは35〜110U/ml、ザルコシンオ
キシダーゼは、1〜1000U/ml、好ましくは7〜
25U/ml、ホルムアルデヒドオキシダーゼは、0.
01〜1000U/ml、好ましくは0.05〜50U
/ml、ペルオキシダーゼは、0.1〜1000U/m
l、好ましくは1〜100U/mlである。
【0053】定量すべき酵素としてクレアチンキナーゼ
の場合について更に詳細に説明する。クレアチンキナー
ゼは、全身の筋組織および脳に存在し、臨床検査の領域
においてクレアチンキナーゼの活性測定は、筋疾患、神
経性疾患、脳疾患、心疾患などの診断に日常的に測定さ
れている重要な項目の一つである。
【0054】従来、クレアチンキナーゼは種々の方法で
定量されているが、本発明のホルムアルデヒドオキシダ
ーゼを用いることにより下記に示す反応により、1モル
の基質に対し最終的に2モルの過酸化水素が生成するの
で高感度に定量できる。
【0055】
【化2】
【0056】反応式中、ADPは、アデノシン二リン酸
を、ATPは、アデノシン三リン酸を示す。反応液中の
各物質の濃度は、クレアチンリン酸は、0.1〜100
0mM、好ましくは1〜100mM、ADPは、0.1
〜1000mM、好ましくは1〜100mM、クレアチ
ニナーゼは、1〜1000U/ml、好ましくは35〜
110U/ml、クレアチナーゼは、1〜1000U/
ml、好ましくは35〜110U/ml、ザルコシンオ
キシダーゼは、1〜1000U/ml、好ましくは7〜
25U/ml、ホルムアルデヒドオキシダーゼは、0.
01〜1000U/ml、好ましくは0.05〜50U
/ml、ペルオキシダーゼは、0.1〜1000U/m
l、好ましくは1〜100U/mlである。
【0057】また、定量すべき酵素としてアミンオキシ
ダーゼの場合について更に詳細に説明する。アミンオキ
シダーゼ活性は臓器繊維症、とくに肝硬変において著明
に上昇し、肝繊維化の診断に有用である。血清中のアミ
ンオキシダーゼの活性は必ずしも高くはなく、その鋭敏
な測定法が求められている。
【0058】従来、アミンオキシダーゼは種々の方法で
定量されているが、本発明のホルムアルデヒドオキシダ
ーゼを用いることにより下記に示す反応により、1モル
の基質に対し最終的に2モルの過酸化水素が生成するの
で高感度に定量できる。
【0059】
【化3】
【0060】反応液中の各物質の濃度は、メチルアミン
は、0.1〜1000mM、好ましくは1〜100m
M、ホルムアルデヒドオキシダーゼは、0.01〜10
00U/ml、好ましくは0.05〜50U/ml、ペ
ルオキシダーゼは、0.1〜1000U/ml、好まし
くは1〜100U/mlである。以下に実施例を挙げて
本発明を具体的に説明する。
【0061】
【実施例】
実施例1 シリンドロカルポン・ディディムム(Cylindrocarpon d
idymum)FERM BP−5758によるホルムアルデ
ヒドオキシダーゼの製造 シリンドロカルポン・ディディムムFERM BP−5
758をグルコース1g/dl、ペプトン0.5g/d
l、酵母エキス0.3g/dl、麦芽エキス0.3g/
dlを含有する培地(pH6.0)300mlの入った
2Lエルレンマイヤーフラスコに植菌し、30℃で48
時間、振とう培養を行った。得られた培養液600ml
を上記培地と同じ組成の培地15Lを含む30Lジャー
ファーメンターに植菌し、30℃で3日間、通気攪拌培
養を行った。
【0062】培養終了後、培養液15Lを遠心分離(1
2,000xg,20分間)して得られた菌体を20m
Mリン酸緩衝液(pH7.0)1,000mlに懸濁
し、ダイノミル(W.A.Bachofen社製)にて菌体を破砕
後、遠心分離(12,000xg,20分間)して上清
を採取した。この上清に硫安を80%飽和になるように
加え、沈殿物を採取した。得られた沈殿物を少量(約2
00ml)の60mMリン酸緩衝液(pH7.5)に溶
解し、得られた溶液を同緩衝液5Lで24時間透析し
た。得られた透析液(10ml)を同緩衝液で平衡化し
た陰イオン交換樹脂DEAE−セルロファイン(DEAE-C
ellulofine,チッソ社製)のカラム(1L、口径5c
m)に通塔した。素通りした活性画分をあわせ、これに
硫安を80%飽和になるように加え、沈殿物を遠心分離
(12,000rpm,20分間)で採取し、60mM
リン酸緩衝液(pH9.0)20mlに溶解した。得ら
れた溶液を同緩衝液(pH9.0)で平衡化した陰イオ
ン交換樹脂DEAE−セルロファイン(チッソ社製)の
カラム(1L,口径5cm)に通塔して吸着させた。同
緩衝液で不純蛋白質を洗い流した後、0〜1.0Mの食
塩[10mMリン酸緩衝液(pH9.0)]の濃度勾配
で溶出させた。約0.2〜0.3M食塩濃度で溶出して
くる活性画分をあわせて、これに硫安を80%飽和にな
るように加え、得られた沈殿を遠心分離(12,000
rpm,20分間)で採取し、10mMリン酸緩衝液
(pH7.0)10mlに溶解した。得られた溶液を同
緩衝液2Lで24時間透析し、ホルムアルデヒドオキシ
ダーゼ酵素標品を得た。
【0063】酵素標品の比活性は、50U/mgであっ
た。
【0064】実施例2 ホルムアルデヒドの定量試薬 下記に示した試薬を下記に示した濃度となるように蒸留
水に溶解し、ホルムアルデヒド定量試薬を調製した。 リン酸緩衝液(pH8.0) 50mM 4−アミノアンチピリン 0.36mM EMSE 6.3mM ペルオキシダーゼ 5.3U/ml ホルムアルデヒドオキシダーゼ 0.16U/ml
【0065】実施例3 ホルムアルデヒドの定量 実施例2で調製した試薬2.9mlに、0.1mlの各
種濃度のホルムアルデヒド溶液を反応液最終濃度0〜
0.05mMとなるように添加し、37℃で15分間反
応させ、ホルムアルデヒド濃度0mMを対照に15分後
の555nmにおける吸光度差を求めた。
【0066】結果を図5に示す。
【0067】実施例4 クレアチンの定量試薬 下記に示した試薬を下記に示した濃度となるように蒸留
水に溶解しクレアチン定量用試薬液を調製した。 リン酸緩衝液(pH8.0) 50mM 4−アミノアンチピリン 0.36mM EMSE 6.3mM ペルオキシダーゼ 5.3U/ml ホルムアルデヒドオキシダーゼ 0.16U/ml ザルコシンオキシダーゼ 0.5U/ml クレアチナーゼ 5.0U/ml
【0068】実施例5 クレアチンの定量 実施例4で調製した試薬2.9mlに0.1mlの各種
濃度のクレアチン溶液を反応液最終濃度0〜0.05m
Mとなるように添加し、37℃15分間反応させ、クレ
アチン濃度0mMを対照に15分後の555nmにおけ
る吸光度差を求めた。
【0069】比較実験として、実施例4に示した試薬か
らホルムアルデヒドオキシダーゼを除いた試薬を用い
て、同様に試験した。結果を図6に示す。
【0070】実施例6 クレアチニンの定量試薬 下記に示した試薬を下記に示した濃度となるように蒸留
水に溶解しクレアチニン定量用試薬液を調製した。 リン酸緩衝液(pH8.0) 50mM 4−アミノアンチピリン 0.36mM EMSE 6.3mM ペルオキシダーゼ 5.3U/ml ホルムアルデヒドオキシダーゼ 0.16U/ml ザルコシンオキシダーゼ 0.5U/ml クレアチナーゼ 5.0U/ml クレアチニナーゼ 64.5U/ml
【0071】実施例7 クレアチニンの定量 実施例6で調製した試薬液に対してクレアチニンを終濃
度で0〜0.05mMとなるように添加し、37℃15
分間反応後の550nmにおける吸光度を試薬ブランク
を対照に測定した。比較実験として、実施例6に示した
試薬からホルムアルデヒドオキシダーゼを除いた試薬を
用いて同様に試験した。結果を図7に示す。
【0072】実施例8 実施例7と同様な方法で、クレアチニン0.01mMの
濃度に調製した試料を測定した。その結果、550nm
での吸光度はホルムアルデヒドオキシダーゼ無添加時が
145mABSであったのに対し、添加時は292mA
BSと、ほぼ2倍となり感度良く測定できた。また、各
々同試薬を5回測定した時の変動係数は、前者3.5
%、後者0.7%と有意に再現性が向上した。
【0073】
【発明の効果】本発明のホルムアルデヒドオキシダーゼ
を使用することにより、生体試料中の物質を高感度に再
現性良く定量できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シリンドロカルポン・ディディムム(Cylind
rocarpon didymum)FERM BP−5758由来のホ
ルムアルデヒドオキシダーゼのpH−活性曲線を示す。
【図2】 シリンドロカルポン・ディディムム(Cylind
rocarpon didymum)FERM BP−5758由来のホ
ルムアルデヒドオキシダーゼのpH−安定性曲線を示
す。
【図3】 シリンドロカルポン・ディディムム(Cylind
rocarpon didymum)FERM BP−5758由来のホ
ルムアルデヒドオキシダーゼの熱安定性曲線を示す。
【図4】 シリンドロカルポン・ディディムム(Cylind
rocarpon didymum)FERM BP−5758由来のホ
ルムアルデヒドオキシダーゼの温度−活性曲線を示す。
【図5】 シリンドロカルポン・ディディムム(Cylind
rocarpon didymum)FERM BP−5758由来のホ
ルムアルデヒドオキシダーゼを用いたホルムアルデヒド
の検量曲線であり、縦軸は15分後の吸光度、横軸はホ
ルムアルデヒド濃度(mM)を表わす。
【図6】 シリンドロカルポン・ディディムム(Cylind
rocarpon didymum)FERM BP−5758由来のホ
ルムアルデヒドオキシダーゼを添加した場合と添加しな
い場合のクレアチンの検量曲線であり、縦軸は15分後
の吸光度、横軸はクレアチン濃度(mM)を表わす。
【符号の説明】
−●− ホルムアルデヒドオキシダーゼを用いた場合 −○− ホルムアルデヒドオキシダーゼを用いない場合
【図7】 シリンドロカルポン・ディディムム(Cylind
rocarpon didymum)FERM BP−5758由来のホ
ルムアルデヒドオキシダーゼを添加した場合と添加しな
い場合のクレアチニンの検量曲線であり、縦軸は15分
後の吸光度、横軸はクレアチニン濃度(mM)を表わ
す。
【符号の説明】
−●− ホルムアルデヒドオキシダーゼを用いた場合 −○− ホルムアルデヒドオキシダーゼを用いない場合
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:645)

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホルムアルデヒドには作用するがアセト
    アルデヒドには作用しない、水と酸素の存在下にホルム
    アルデヒドを酸化してギ酸と過酸化水素を生成する反応
    を触媒する新規ホルムアルデヒドオキシダーゼ。
  2. 【請求項2】 下記の理化学的性質、 (a)至適pH:8.0〜9.5(図1に示される) (b)安定pH:7.0〜9.0(図2に示される) (c)熱安定性:55℃まで安定(図3に示される) (d)作用適温:50℃付近(図4に示される) (e)阻害剤の影響:硫酸銅、NH2 OH、アジ化ナト
    リウム、p−メリクリ安息香酸により阻害される。 (f)分子量:約78,000(SDS−PAGE法)
    のサブユニットをもつ約310,000(ゲル濾過
    法)、をもつ請求項1記載のホルムアルデヒドオキシダ
    ーゼ。
  3. 【請求項3】 シリンドロカルポン属に属し、請求項1
    又は2記載のホルムアルデヒドオキシダーゼ生成能を有
    する微生物を培地中に培養し、培養物中にホルムアルデ
    ヒドオキシダーゼを生成蓄積させ、該培養物からホルム
    アルデヒドオキシダーゼを採取することを特徴とするホ
    ルムアルデヒドオキシダーゼの生産方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のホルムアルデヒド
    オキシダーゼ及び過酸化水素の定量試薬からなるホルム
    アルデヒドの定量用試薬。
  5. 【請求項5】 ホルムアルデヒドを含有する試料に、請
    求項1又は2記載のホルムアルデヒドオキシダーゼを作
    用させ、酸化反応により消失する酸素又は生成する過酸
    化水素を定量することを特徴とするホルムアルデヒドの
    定量方法。
  6. 【請求項6】 定量すべき物質をホルムアルデヒドに変
    換する反応に関与する酵素、請求項1又は2記載のホル
    ムアルデヒドオキシダーゼ及び過酸化水素の定量試薬か
    らなる、定量すべき物質の定量用試薬。
  7. 【請求項7】 定量すべき物質がクレアチンであり、定
    量すべき物質をホルムアルデヒドに変換する反応に関与
    する酵素がクレアチナーゼ及びザルコシンオキシダーゼ
    である請求項6記載の定量用試薬。
  8. 【請求項8】 定量すべき物質がクレアチニンであり、
    定量すべき物質をホルムアルデヒドに変換する反応に関
    与する酵素がクレアチニナーゼ、クレアチナーゼ及びザ
    ルコシンオキシダーゼである請求項6記載の定量用試
    薬。
  9. 【請求項9】 定量すべき物質を含有する試料に、定量
    すべき物質をホルムアルデヒドに変換する反応に関与す
    る酵素及び請求項1又は2記載のホルムアルデヒドオキ
    シダーゼを作用させ、酸化反応により消失する酸素量又
    は生成する過酸化水素を定量することを特徴とする定量
    すべき物質の定量方法。
  10. 【請求項10】 定量すべき物質がクレアチンであり、
    定量すべき物質をホルムアルデヒドに変換する反応に関
    与する酵素がクレアチナーゼ及びザルコシンオキシダー
    ゼである請求項9記載の定量方法。
  11. 【請求項11】 定量すべき物質がクレアチニンであ
    り、定量すべき物質をホルムアルデヒドに変換する反応
    に関与する酵素がクレアチニナーゼ、クレアチナーゼ及
    びザルコシンオキシダーゼである請求項9記載の定量方
    法。
  12. 【請求項12】 ホルムアルデヒドを生成する反応に関
    与する定量すべき酵素の基質、該反応に関与する他の酵
    素、請求項1又は2記載のホルムアルデヒドオキシダー
    ゼ及び過酸化水素の定量試薬からなるホルムアルデヒド
    を生成する反応に関与する定量すべき酵素の定量用試
    薬。
  13. 【請求項13】 定量すべき酵素がクレアチンキナーゼ
    であり、定量すべき酵素の基質がクレアチンリン酸及び
    アデノシン二リン酸であり、反応に関与する他の酵素
    が、クレアチナーゼ及びザルコシンオキシダーゼである
    請求項12記載の定量試薬。
  14. 【請求項14】 定量すべき酵素が、アミンオキシダー
    ゼであり、定量すべき酵素の基質がメチルアミンである
    請求項12記載の定量試薬。
  15. 【請求項15】 ホルムアルデヒドを生成する反応に関
    与する定量すべき酵素を含有する試料に、ホルムアルデ
    ヒドを生成する反応に関与する定量すべき酵素の基質、
    該反応に関与する他の酵素及び請求項1又は2記載のホ
    ルムアルデヒドオキシダーゼを作用させ、酸化反応によ
    り消失する酸素量又は生成する過酸化水素を定量するこ
    とを特徴とするホルムアルデヒドを生成する反応に関与
    する定量すべき酵素の定量方法。
  16. 【請求項16】 定量すべき酵素がクレアチンキナーゼ
    であり、定量すべき酵素の基質がクレアチンリン酸及び
    アデノシン二リン酸であり、反応に関与する他の酵素
    が、クレアチナーゼ及びザルコシンオキシダーゼである
    請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 定量すべき酵素が、アミンオキシダー
    ゼであり、定量すべき酵素の基質がメチルアミンである
    請求項15記載の方法。
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