JP3416540B2 - フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ及びその製造方法 - Google Patents

フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフルクトシルア
ミノ酸オキシダーゼに関し、さらに詳しくは、フサリウ
ム属(Fusarium)又はジベレラ属(Gibberella)の菌由
来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ、該酵素の製造
方法、該酵素を用いたアマドリ化合物の分析法、及び該
酵素を含有する試薬及びキットに関する。また本発明
は、フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ産生菌のスクリ
ーニング及び/又は培養のために有用な、該酵素の基質
としてのフルクトシルリジン及び/又はフルクトシル
α−Z−リジンの製造方法、並びにフルクトシルアミ
ノ酸オキシダーゼ産生菌のスクリーニング及び/又は培
養のためのフルクトシルリジン及び/又はフルクトシル
α−Z−リジン含有培地を提供するものである。
【0002】
【従来技術】アマドリ化合物は、タンパク質、ペプチド
及びアミノ酸のようなアミノ基を有する物質と、アルド
ースのような還元性の糖が共存する場合、アミノ基とア
ルデヒド基が非酵素的かつ非可逆的に結合し、アマドリ
転移することにより生成される。アマドリ化合物の生成
速度は、反応性物質の濃度、接触時間、温度などの関数
で表される。従って、その生成量から、それら反応性物
質を含有する物質に関する様々な情報を得ることができ
ると考えられている。アマドリ化合物を含有する物質と
しては、醤油等の食品、及び血液等の体液がある。生体
では、グルコースとアミノ酸が結合したアマドリ化合物
であるフルクトシルアミン誘導体が生成している。例え
ば、血液中のヘモグロビンが糖化されたフルクトシルア
ミン誘導体はグリコヘモグロビン、アルブミンが糖化さ
れた誘導体はグリコアルブミン、血液中のタンパクが糖
化された誘導体はフルクトサミンと呼ばれる。これらの
血中濃度は、過去の一定期間の平均血糖値を反映してお
り、その測定値は、糖尿病の病状の診断及び症状の管理
の重要な指標となり得るために、測定手段の確立は臨床
上、極めて有用である。また、食品中のアマドリ化合物
を定量することにより、その食品の製造後の保存状況や
期間を知ることができ、品質管理に役立つと考えられ
る。このように、アマドリ化合物の定量分析は医学及び
食品を含む広範な分野で有用である。
【0003】従来、アマドリ化合物の定量法としては、
高速液体クロマトグラフィを利用する方法[Chromatog
r.Sci.10:659(1979)]、ホウ酸を結合させた固体をつめ
たカラムを用いる方法[Clin.Chem.28:2088(1982)]、
電気泳動[Clin.Chem.26:1598(1980)]、抗原−抗体反応
を利用する方法[JJCLA 18: 620(1993),機器・試薬
16: 33-37(1993)], フルクトサミンの測定法 [Clin.Ch
em.Acta 127: 87-95 (1982)], チオバルビツール酸を用
いて酸化後比色定量する方法[Clin.Chem.Acta112: 179-
204 (1981)]などが知られているが、高価な機器が必要
であったり、必ずしも正確で迅速な方法ではなかった。
【0004】近年、酵素の有する特性(基質、反応、構
造、位置などの特異性)に起因して、選択的に目的物質
を迅速かつ正確に分析することができることから、酵素
反応を利用する方法が臨床分析や食品分析の分野で普及
してきた。既に、アマドリ化合物に酸化還元酵素を作用
させ、その反応における酸素の消費量又は過酸化水素の
発生量を測定することにより、アマドリ化合物を定量す
る分析法が提案されている(例えば、特公平5−339
97号公報、特公平6−65300号公報、特開平2−
195900号公報、特開平3−155780号公報、
特開平4−4874号公報、特開平5−192193号
公報、特開平6−46846号公報)。さらに、糖尿病
の診断のための糖化タンパクの定量法も開示されている
(特開平2−195899公報、特開平2−19590
0号公報、特開平5−192193公報、特開平6−4
6846号公報)。
【0005】アマドリ化合物の酸化還元酵素による分解
反応は下記の一般式で表すことができる。 R1−CO−CH2−NH−R2+ O2 + H2O→R1
CO−CHO +R2−NH + H22 (式中、R1はアルドース残基、R2はアミノ酸、タンパ
ク質又はペプチド残基を表す) 上記の反応を触媒する酵素として、例えば、菌由来のフ
ルクトシルアミノ酸オキシダーゼ[コリネバクテリウム
Corynebacterium)属の菌(特公平6−65300号
広報、特公平5−33997号公報)、アスペルギルス
属(Aspergillus)の菌(特開平3−155780号公
報)]、菌由来のケトアミンオキシダーゼ[コリネバク
テリウム属、フサリウム属、アクレモニウム属又はデブ
リオマイセス属(特開平5−192193号公報)]カ
ンジダ(Candida)属の菌由来のフルクトシルアミンデ
グリガーゼ(特開平6−46846号公報)、及びアル
キルリジナーゼ[J.Biol.Chem.239巻、第 3790ー3796
頁 (1964年)記載の方法で調製可能]等を挙げることが
できる。
【0006】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、これらの酵素
による方法には、下記の問題点があった。即ち、糖尿病
の診断における指標となる、血中のアマドリ化合物は糖
化タンパクであるが、これは、通常、タンパク分子中の
リジン残基のε位にグルコースが結合して生成される
[J. Biol. Chem. 26:13542-13545(1986)]。従って、糖
化タンパクの測定には、フルクトシルリジンに対する特
異性の高い酵素を用いる必要があった。しかし、既存の
コリネバクテリウム属由来の酵素はフルクトシルリジン
には作用せず、アスペルギルス属由来の酵素はフルクト
シルリジンに作用するものの、他のアマドリ化合物に対
する活性に比べて、フルクトシルリジンに対する活性が
低く(後述の表5参照)、糖化タンパク又はその加水分
解物に対する作用については明らかにされていない。他
方、特開平5−192193号公報記載のケトアミンオ
キシダーゼはフルクトシルバリンのα−アミン基の糖化
に対して特異的に作用する酵素であり、リジン残基に糖
が結合している糖化タンパクを正確に測定することはで
きない。フルクトシルアミンデグリガーゼは、ジフルク
トシルリジンに高い活性があるのでリジン残基のε位の
糖化物を特異的に測定することができない。さらに、ア
ルキルリジナーゼを用いる方法は糖類以外がリジンに結
合した物質に対しても作用し、糖化物に対する特異性が
低いという問題があり、正確な測定が期待できなかっ
た。このように、従来の酵素は糖化タンパクの正確な定
量には適さず、フルクトシルリジンに対する特異性が高
い酵素の開発が待たれていた。一般的に、酵素を用いる
分析法が正確かつ有用となるためには、分析の目的に最
適な酵素を選択する必要がある。即ち、酵素の基質であ
る被検物質の種類、測定試料の状態、測定条件など、種
々の条件を考慮して適切な酵素を用いなければ、再現性
のある正確な分析を行う事ができない恐れがある。その
ような酵素を選択するためには、予め様々な酵素につい
て、活性、基質特異性、温度安定性、pH安定性などが
特定されていなければならない。従って、より多くのフ
ルクトシルアミノ酸オキシダーゼを製造し、それらの特
性を明らかにしておくことが望ましい。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アマドリ
化合物、特に糖化タンパクに特異的に作用する新規なフ
ルクトシルアミノ酸オキシダーゼを提供することを目的
として鋭意研究を重ねた結果、フサリウム属(Fusariu
m)又はジベレラ属(Gibberella)の菌をフルクトシル
リジン及び/又はフルクトシル Nα−Z−リジンの存
在下で培養すると、目的の酵素が産生されることを見出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、フサ
リウム属(Fusarium)又はジベレラ属(Gibberella)の
菌を、フルクトシルリジン及び/又はフルクトシル N
α−Z−リジン含有培地で培養することにより産生され
るフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを提供するもので
ある。本発明のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ産生
菌の培養に用いるフルクトシルリジン及び/又はフルク
トシル Nα−Z−リジン含有培地は、グルコースと、
リジン及び/又はNα−Z−リジンとを温度100〜1
50℃において3〜60分間、オートクレーブ処理する
ことにより得られるフルクトシルリジン及び/又はフル
クトシル Nα−Z−リジン(以下、FZLと略称する
こともある)を含有する。従って、本発明のフルクトシ
ルアミノ酸オキシダーゼはフルクトシルリジン及び/又
はFZLに特異的に作用する酵素である。なお、本明細
書中では、本発明のフルクトシルリジン及び/又はFZ
Lに特異的なフルクトシルアミノ酸オキシダーゼをフル
クトシルリジン・オキシダーゼ(fructosyl lysine oxida
se)と同意義に用いることとし、以下、FLODと略称
することもある。本発明の酵素は、フルクトシルアミノ
酸オキシダーゼ産生能を有するフサリウム属又はジベレ
ラ属の菌をフルクトシルリジン及び/又はフルクトシル
α−Z−リジン含有培地で培養することにより製造す
ることができる。
【0008】そのようなフサリウム属の菌として、フサ
リウム・オキシスポルムS−1F4(Fusarium oxyspor
um S−1F4)(FERM BP−5010)を挙げ
ることができる。また、ジベレラ属の菌として、ジベレ
ラ・フジクロイ(IFO NO.6356)(Gibberella
fujikuroi)又はジベレラ・フジクロイ(IFO NO.
6605)(Gibberella fujikuroi)などの種を挙げるこ
とができる
【0009】本発明はまた、フルクトシルアミノ酸オキ
シダーゼ産生菌のスクリーニング及び/又は培養のため
に有用な、該酵素の基質としてのフルクトシルリジン及
び/又はフルクトシル Nα−Z−リジンの製造方法、
並びにフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ産生菌の培養
のためのフルクトシルリジン及び/又はフルクトシルN
α−Z−リジン含有培地を提供するものである。従来、
糖化タンパクは特開平2−69664記載の方法で化学
合成されているが、合成には8日間以上を要し、操作が
複雑で実用的でなかった。本発明者らは、単糖類と、遊
離あるいは保護基を有するアミノ酸とを溶液中で共存さ
せ、100〜150℃でオートクレーブ処理することに
より、糖化アミノ酸を容易に製造することができること
を見出した。例えば、グルコースと、リジン及び/又は
α−Z−リジンとを溶液中でオートクレーブ処理する
ことにより、目的のフルクトシルリジン及び/又はFZ
Lが容易に得られる。本発明の目的から、Nα−Z−リ
ジンがより好ましい。従って、本発明は、単糖類と、遊
離あるいは保護基を有するアミノ酸とを溶液中で共存さ
せ、100〜150℃でオートクレーブ処理することを
特徴とする、糖化アミノ酸の製造方法を提供するもので
ある。また、本発明は、グルコース0.01〜50重量
%とNα−Z−リジン0.01〜20重量%とを溶液中
で、100〜150℃において3〜60分間オートクレ
ーブ処理することを特徴とするフルクトシル Nα−Z
−リジンの製造方法を提供するものである。
【0010】上記のごとく、フルクトシルリジン及び/
又はFZLはグルコース0.01〜50重量%とリジン
及び/又はNα−Z−リジン0.01〜20重量%とを
含む水溶液を、100〜150℃において3〜60分間
オートクレーブ処理することにより、0.01〜0.5%
のフルクトシルリジン及び/又はフルクトシル Nα
Z−リジン水溶液として得ることができる(図1)。好
ましくは、全量1000mlの溶液中にグルコース200
g、Nα−Z−リジン10gを溶解させ、通常、120
℃、20分間オートクレーブ処理する。精製フルクトシ
ル Nα−Z−リジンは、上記の本発明の方法で得られ
たFZL水溶液を逆相クロマトグラフィ又はイオン交換
クロマトグラフィで精製することにより、得ることがで
きる。フルクトシルリジン及び/又はFZL含有培地
は、上記の本発明の方法で得られたフルクトシルリジン
及び/又はFZLを通常の培地に添加することによって
も調製できるが、適当な混合物、即ち、グルコース0.
01〜50重量%、リジン及び/又はNα−Z−リジン
0.01〜20重量%、K2HPO4 0.1重量%、Na
2PO4 0.1重量%、MgSO4・7H2O 0.05重
量%、CaCl2・2H2O 0.01重量%及び酵母エキ
ス0.2重量%を含有する混合物(好ましくはpH5.6
−6.0)を100〜150℃において3〜60分間オ
ートクレーブ処理することによっても得られる。該培地
は新規であり、フルクトシルリジン及び/又はFZLを
基質とするFLOD産生菌のスクリーニング及び/又は
培養に有用であり、FLODの開発及び研究に貢献する
ものである。本発明の培地は、該培地で増殖可能なあら
ゆる種類の菌のスクリーニングに使用することができ、
そのような菌として、真菌類、例えば、フサリウム属
Fusarium)、ジベレラ属(Gibberella)、ペニシリウ
ム属(Penicillium)、アスペルギルス属(Aspergillu
s)等、細菌類、例えばコリネバクテリウム属(Coryneb
acterium)等の菌を挙げることができるが、これらに限
定されない。従って、本発明はまた、上記の培地を提供
するものである。
【0011】本発明のFLODの製造に用いる培地とし
ては、炭素源、窒素源、無機物、その他の栄養源を含有
する通常の合成あるいは天然の培地を用いることができ
る。炭素源としては、例えば、グルコース、キシロー
ス、グリセリン等、窒素源としては、ペプトン、カゼイ
ン消化物、酵母エキス、等を用いることができる。さら
に無機物としてはナトリウム、カリウム、カルシウム、
マンガン、マグネシウム、コバルト等、通常の培地に含
有されるものを用いることができる。本発明のFLOD
は、フルクトシルリジン及び/又はFZL含有培地で培
養したとき、最もよく誘導される。好ましい培地の例と
して、本発明方法で得られるフルクトシル Nα−Z−
リジン(FZL)を単一の窒素源とし、炭素源としてグ
ルコースを用いるFZL培地(1.0%グルコース、0.
5%FZL、1.0%K2HPO4、0.1%NaH2
4、0.05%MgSO4・7H2O、0.01%CaCl2
・2H2O及び0.01%ビタミン混合物)を挙げること
ができる。特に好ましい培地は、全量1,000ml中に
グルコース20g、FZL 10g、K2HPO4 1.0
g、NaH2PO41.0g、MgSO4・7H20 0.5
g、CaCl2・2H2O 0.1g及び酵母エキス2.0g
を含有する培地(pH5.6−6.0)である。FZL含
有培地は、通常の培地にFZLを添加するか、グルコー
スとNα−Z−リジンとを含有する培地をオートクレー
ブ処理することによって調製することができる。いずれ
の方法によっても得られる培地はフルクトシルリジン及
び/又はFZLの存在によって褐色を呈していることか
ら、FZL褐変化培地又はGL(グリケーテッドリジン
及び/又はグリケーテッドNα−Z−リジン)褐変化培
地と呼称される。
【0012】培養は、通常、25〜37℃、好ましくは
28℃で行われる。培地のpHは4.0〜8.0の範囲で
あり、好ましくは5.5〜6.0である。しかしながら、
これらの条件は、それぞれの菌の状態に応じて適宜調整
されものであり、上記に限定されない。例えば、フサリ
ウム・オキシスポルムS−1F4をこのような条件下、
20〜40時間、好ましくは24時間培養すると、FL
ODが培養培地に蓄積されるが、上記の好適な培地で2
4時間培養したとき、FLODの産生は最大になった
(図2参照)。このようにして得られた培養物は、常法に
従い、核酸、細胞壁断片等を除去し、酵素標品を得るこ
とができる。通常、酵素活性は菌体中に蓄積されるの
で、培養物中の菌を磨砕し、酵素を抽出する。細胞の磨
砕は、機械的手段又は溶媒を利用した自己消化、凍結、
超音波処理、加圧などのいずれでもよい。酵素の分離精
製法も既知であり、硫安などを用いる塩析、エタノール
等の有機溶媒による沈殿、イオン交換クロマトグラフィ
やゲルろ過、アフィニティークロマトグラフィなどを、
適宜組み合わせて行う。例えば、培養物を、遠心又は吸
引ろ過して菌糸体を集め、洗浄後、0.1M Tris−H
Cl緩衝液(pH8.5)に懸濁し、ダイノミルによって
菌糸体を破砕する。次いで、遠心分離した上清を無細胞
抽出液として、硫安分画、DEAE−セファセルイオン
交換クロマトグラフィで処理することにより精製する。
【0013】しかしながら、本発明の目的から、FLO
Dは、その精製度にかかわらず、アマドリ化合物の酸化
反応を触媒することができる限り、培養液をはじめとす
る、あらゆる精製段階の酵素含有液を包含する。また、
酵素分子の内、触媒活性に関与する部位のみでも、本発
明目的を達成することができることから、任意の、アマ
ドリ化合物酸化活性を有するフラグメントをも包含する
ものとする。このようにして得られたFLODは、アマ
ドリ化合物の定量、特に糖尿病の診断のための糖化タン
パクの定量に有用である。従って、本発明は、遊離又は
保護基を有するアミノ酸の糖化物及び/又はタンパクの
糖化物を含有する培地で、真菌類を培養することによっ
て該真菌類にフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを産生
させることを特徴とする、フルクトシルアミノ酸オキシ
ダーゼの製造方法を提供するものである。さらに、本発
明は、フサリウム属又はジベレラ属に属し、フルクトシ
ルアミノ酸オキシダーゼを産生することができる菌株を
フルクトシルリジン及び/又はフルクトシル Nα−Z
−リジン含有培地に培養し、培養物からフルクトシルア
ミノ酸オキシダーゼを回収することを特徴とする、フル
クトシルアミノ酸オキシダーゼの製造方法を提供するも
のである。これらの属の菌株が産生するFLODはいず
れも本発明が解決すべき技術的な課題の解決に有用であ
る。しかしながら、その理化学的な性質がやや異なって
おり、本明細書では、適宜、必要に応じてフサリウム・
オキシスポルムS−1F4由来のFLODをFLOD−
S、ジベレラ・フジクロイ由来のFLODをFLOD−
Gと呼称する。以下、本発明を詳しく説明する。
【0014】(I)フサリウム・オキシスポルムS−1
F4によって産生されるFLOD類該FLOD類は一般
に、下記の理化学的特性を有する。 1)酸素の存在下でアマドリ化合物を酸化し、α−ケト
アルデヒド、アミン誘導体及び過酸化水素を生成する反
応を触媒し; 2)安定pHは約4.0〜12.0、至適pHは8.0で
あり; 3)安定温度は約20〜55℃、至適温度は45℃であ
り; 4)セファクリルS−200カラムを用いたゲルろ過法
で測定した場合、分子量は約45,000(45kD
a)である。
【0015】本発明のFLOD−Sを産生する菌であ
る、フサリウム・オキシスポルムS−1F4(Fusarium
oxysporum S−1F4)(以下、S−1F4株と称す
る)は本発明者らが土壌中より新規に単離した菌株であ
り、その菌学的特性は以下の通りである。菌の分類は、
おおむねブース(C. Booth)著の「ザ・ジーナス・フサリウ
ム(The Genus Fusarium)」 (CMI. 1971)の記述に準拠し
た。 (1) 培地における生育状況 PDA培地、ポテト・スクロース寒天培地、オートミー
ル培地における生育はいずれの培地でも非常に良好であ
る。25℃の恒温器で7日間培養すると、フェルト状に
ペトリ皿全体に広がり、白〜薄い紫色を呈する。 (2)分類学的性質 分離した菌の同定は、微生物をオートミール培地で培養
し、分生子(conidia)や分生子柄(conidiophor)などの顕
微鏡下の形態観察から行った。その結果、S−1F4株
のコロニーの色は白色から薄い紫色であり、ミクロコニ
ディア(microconidia)とマクロコニディア(macroconidi
a)及び厚膜胞子を多数形成する。マクロコニディアの形
状が三日月型であり、3〜5の隔壁を有していること、
ミクロコニディアの形状が卵〜長円形であり、小型分生
胞子を擬頭状に形成することから、フサリウム・オキシ
スポルム(Fusarium oxysporum)と同定された。本菌株
は、工業技術院生命工学工業技術研究所に、受託番号F
ERM BP−5010(寄託日:平成6年2月24
日)の下で寄託されている。
【0016】S−1F4株により、本発明方法に従って
産生されたFLOD−Sの特性を詳細に説明する。 1. 一般的な誘導特性 FLOD−Sはフルクトシルリジン及び/又はフルクト
シル Nα−Z−リジン(FZL)によって誘導される誘
導酵素であり、フルクトシルリジン及び/又はFZLを
窒素源とし、グルコースを炭素源とするフルクトシルリ
ジン及び/又はFZL含有培地で、フサリウム・オキシ
スポルムS−1F4を培養することにより産生される。
FLOD−Sは、グルコースとリジン及び/又はNα
Z−リジンを共にオートクレーブして得られるGL褐変
化培地で誘導されるが、グルコースとリジン及び/又は
α−Z−リジンを別々にオートクレーブ処理して調製
した培地では誘導されないことから、該酵素はアマドリ
化合物に特異的に作用するものである。また、FLOD
−Sはリジン、アルギニンを用いたときに高い誘導が見
られ、グリシンとリジンを比較すると、リジンを用いた
場合により誘導効果が高いことから、フルクトシルリジ
ンにより高い基質活性を有するものである。
【0017】2.反応特異性及び基質特異性 FLOD−Sは、式: R1−CO−CH2−NH−R2+ O2 + H2O→R1
CO−CHO +R2−NH + H22 (式中、R1はアルドース残基、R2はタンパク残基を表
す)で示される反応における触媒活性を有する。上記の
反応式において、R1が−OH、−(CH2)n−、又は
−[CH(OH)]n−CH2OH(式中、nは0−6
の整数)であり、R2が−CHR3−[CONHR3]m
COOH(式中、R3はα−アミノ酸側鎖残基、mは1
−480の整数を表す)で示されるアマドリ化合物が基
質として好ましい。中でも、R3がリジン、ポリリジ
ン、バリン、アスパラギンなどから選択されるアミノ酸
の側鎖残基であり、またnが5〜6、mが55以下であ
る化合物が好ましい。
【0018】FLOD−Sは、部分精製酵素及び精製酵
素のいずれも、FZLに対して高い特異性を示した。部
分精製酵素は、GL褐変化培地で菌株を24時間培養し
た後、吸引ろ過して菌糸体を集め、洗浄後、0.1M T
ris−HCl緩衝液(pH8.5)に懸濁し、ダイノミルに
て菌糸体を破砕し、遠心分離した上清を硫安分画、DE
AE−セファセルイオン交換クロマトグラフィで精製す
ることにより調製した。また、精製酵素は、後述する実
施例1記載の方法に準じて調製した。結果を下記の表1
及び2に示す。表1 部分精製されたS−1F4由来のFLOD−Sの
基質特異性
【表1】
【0019】表2 精製されたS−1F4由来のFLO
D−Sの基質特異性
【表2】 表1及び2から、本発明のFLOD−Sは、フルクトシ
ル Nα−Zリジン(FZL)に対してより高い活性を
有すると共に、フルクトシルポリリジンに対しても活性
があり、コリネバクテリウム属又はアスペルギルス属由
来の既知のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼとは基質
特異性が異なることが分かる。
【0020】3.pH及び温度の条件pH条件の測定 0.1M酢酸、リン酸カリウム(K−P)、Tris-HCl
及びグリシン(Gly)−NaOH緩衝液(pH4.0〜1
2.0)にFLOD−Sを加え、30℃、10分間イン
キュベートした後、 通常の条件(30℃、pH8.0)
で活性を測定した。温度条件の測定 0.1M Tris-HCl緩衝液(pH8.0)中で25〜6
0℃の温度条件にFLOD−Sを加え、10分間インキ
ュベートした後、通常の条件で活性を測定した。上記方
法で測定したとき、S−1F4由来のFLOD−Sの安
定なpH域は、pH4.0〜12.0、好ましくはpH
7.0〜8.5であり、至適pHは7.0〜9.0、好まし
くは7.5〜8.5、最も好ましくは8.0である(図3
参照)。また、S−1F4由来のFLOD−Sの安定な
温度領域は20〜55℃であり、30℃以上で徐々に失
活し、60℃以上で完全に失活する。また、酵素反応は
30〜50℃、好ましくは40〜50℃、より好ましく
は45℃で効率良く進行する(図4参照)。
【0021】4.力価の測定 酵素の力価測定は下記の方法で行った。 (1)生成する過酸化水素を比色法により測定する方
法。 A.速度法 50mM FZL溶液はあらかじめ調製したFZLを蒸
留水に溶解することによって調製した。45mM 4−
アミノアンチピリン、60ユニット/mlパーオキシダー
ゼ溶液、及び60mM フェノール溶液それぞれ100
μlと、0.1MTris-HCl緩衝液(pH8.0)1m
l、及び酵素溶液50μlを混合し、全量を蒸留水で2.
9mlとする。30℃で平衡化した後、50mM FZL
溶液100μlを添加し、505nmにおける吸光度を
経時的に測定した。生成するキノン色素の分子吸光係数
(5.16×103-1cm-1)から、1分間に生成する過
酸化水素のマイクロモルを算出し、この数字を酵素活性
単位(ユニット:U)とする。
【0022】B.終末法 上記A法と同様に処理し、基質添加後、30分間、30
℃でインキュベートした後の505nmにおける吸光度
を測定し、あらかじめ標準過酸化水素溶液を用いて作成
しておいた検量線から、生成した過酸化水素量を算出す
ることにより、酵素活性を測定する。 (2)酵素反応による酸素吸収を測定する方法 0.1M Tris-HCl緩衝液(pH8.0)1mlと酵素溶液
50μlを混合し、蒸留水で全量を2.9mlとし、ラン
ク ブラザーズ社の酸素電極のセルに入れる。30℃で
攪拌し、溶存酸素と温度を平衡化した後、50mM F
ZL 100μlを添加し、酸素吸収を記録計で連続的
に計測し、初速度を得る。標準曲線から1分間に吸収さ
れた酸素量を求め、これを酵素単位とした。
【0023】5. 酵素の阻害、活性化及び安定化 (1)金属の影響 0.1M Tris-HCl緩衝液(pH8.0)の条件で、終
濃度1mMの各種金属イオンを添加し、5分間、30℃
でプレインキュベートした後、活性を測定した。結果を
下記の表3に示す。表3 金属イオンのS−1F4由来FLOD−S活性へ
の影響
【表3】 表3から明らかに、FLOD−Sの活性は、二価の金属
イオンによって若干阻害され、銀イオン、水銀イオン、
銅イオン、及び亜鉛イオンにより、完全に阻害される。
【0024】(2)各種阻害物質の影響 上記(1)の金属イオンの影響に関する試験と同様の方
法で試験した。但し、PCMB(パラクロロ安息香酸第
二水銀)は終濃度0.1mM、それ以外は1mMとし
た。結果を下記の表4に示す。また、安定化の検討は、
50mM Tris-HCl緩衝液(pH8.5)に2mMジチ
オスレイトール(DTT)を添加したものに対して一晩
透析を行った後、活性を測定することにより行った。結
果を下記の表4に示す。表4 各種物質のS−1F4由来FLOD−S活性への
影響
【表4】 *:0.1mM 表4から明らかに、FLOD−S活性はPCMB(パラ
クロロ安息香酸第二水銀)により、完全に阻害される。
また、フェニルヒドラジン、ヒドラジンによっても阻害
される。これら阻害物質の影響は、酵素活性の発現にS
H基、カルボニル基が関与していることを示唆してい
る。他方、ジチオスレイトールによって安定化され、保
存に適した溶媒はジチオスレイトール(DTT)2mM
を添加した50mM Tris-HCl緩衝液(pH8.5)で
ある。
【0025】6.分子量 分子量はセファクリルS−200を用いるカラムゲルろ
過法、及びSDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム
・ポリアクリルアミドゲル電気泳動)で測定した。カラ
ムクロマトグラフィは0.1M NaCl含有0.1M T
ris-HCl緩衝液(pH8.5)を用いて行った。分子量既
知の数種のタンパクについても同様に行い、溶出位置か
ら本酵素の分子量を求めた。SDS−PAGEはデービ
スの方法に従い、10%ゲルを用いて、40mAで、3
時間泳動し、タンパク染色は、クマシーブリリアントブ
ルーG−250で行った。標準タンパクとしてホスホリ
ラーゼB、牛血清アルブミン、オボアルブミン、カルボ
ニックアンヒドラーゼ、大豆トリプシンインヒビターに
ついても同様に泳動し、検量線から、分子量を求めた。
測定の結果、S−1F4由来のFLOD−Sは、セファ
クリルS−200を用いるカラムゲルろ過法で測定した
場合、分子量約45,000(45kDa)であり、S
DS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動)で測定した場合、約50,00
0(50kDa)であった(図5,6参照)。
【0026】7.等電点 ディスク焦点電気泳動法によって測定した結果、S−1
F4由来のFLOD−Sの場合、pI=4.8であっ
た。
【0027】8.既知の酵素との比較 既存の菌由来フルクトシルアミノ酸オキシダーゼと、本
発明のS−1F4由来FLOD−Sとを比較した。表5 種々の微生物由来のフルクトシルアミノ酸オキシ
ダーゼの比較
【表5】 1): ホリウチら(T.Horiuchi et al.) Agric. Biol. Ch
em., 53(1), 103-110(1989) 2): ホリウチら(T.Horiuchi et al.) Agric. Biol. Ch
em., 55(2), 333-338(1991) 3): フルクトシル−Nα−Z−リジンに対する比活性 4): N−o−フルクトシルーNα−ホルミルリジンに対
する比活性 表5から、本発明のFLOD−Sと他の2種の菌株由来
のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼとの間に、下記の
相違点が認められる。 (1)分子量の相違:本発明のFLOD−Sが菌体内
で、単量体として産生されているのに対し、他の2種の
酵素は、菌体内で2量体として産生されている (2)補酵素:FLOD−Sは補酵素として共有結合的
に結合したFADを有するのに対し、他の酵素はいずれ
も非共有結合的に結合したFADを有する。 (3)基質特異性:基質であるフルクトシルリジンに対
する特異性の相違を示している。即ち、FLOD−Sは
フルクトシルリジンに対して高い特異性を有する。一
方、コリネバクテリウム属由来の酵素はフルクトシルリ
ジンには作用せず、アスペルギルス属由来の酵素はフル
クトシルリジンに作用するものの、フルクトシルバリン
に対する活性に比べて、その活性が低い。(4)ミハエ
リス定数:FLOD−Sの基質FZLに対する親和性
は、他の酵 素のそれよりも高いことを示している。 (5)至適pH、至適温度、等電点、及びSH試薬によ
る阻害:FLOD−Sと他の2酵素との相違を示してい
る。
【0028】(II)ジベレラ属によって産生されるF
LOD類 該FLOD−G類は一般に、下記の理化学的特性を有す
る。 1)酸素の存在下でアマドリ化合物を酸化し、α−ケト
アルデヒド、アミン誘導体及び過酸化水素を生成する反
応を触媒し; 2)至適pHは8.0であり; 3)安定温度は20〜50℃、至適温度は35℃であ
り; 4)スーパーデックス200pgを用いたゲルろ過法で
測定した場合、分子量は約47,000(47kDa)
である。
【0029】該FLOD−Gの特性を詳細に説明する。 1.一般的な誘導特性 FLOD−Gはフルクトシルリジン及び/又はフルクト
シル Nα−Z−リジン(FZL)によって誘導される誘
導酵素であり、フルクトシルリジン及び/又はFZLを
窒素源とし、グルコースを炭素源とするフルクトシルリ
ジン及び/又はFZL含有培地で、ジベレラ属のフルク
トシルアミノ酸オキシダーゼ産生性菌株を培養すること
により産生される。FLOD−Gは、グルコースとリジ
ン及び/又はNα−Z−リジンを共にオートクレーブし
て得られるGL褐変化培地で誘導されるが、グルコース
とリジン及び/又はNα−Z−リジンを別々にオートク
レーブ処理して調製した培地では誘導されないことか
ら、該酵素はアマドリ化合物に特異的に作用するもので
ある。
【0030】2.反応特異性及び基質特異性 本発明のFLOD−Gは、式: R1−CO−CH2−NH−R2 + O2 + H2O →
1−CO−CHO + R2−NH + H22 (式中、R1はアルドース残基、R2はタンパク残基を表
す)で示される反応における触媒活性を有する。上記の
反応式において、R1が−OH、−(CH2)n−、又は
−[CH(OH)]n−CH2OH(式中、nは0−6
の整数)であり、R2が−CHR3−[CONHR3]m
COOH(式中、R3はα−アミノ酸側鎖残基、mは1
−480の整数を表す)で示されるアマドリ化合物が基
質として好ましい。中でも、R3がリジン、ポリリジ
ン、バリン、アスパラギンなどから選択されるアミノ酸
の側鎖残基であり、またnが5〜6、mが55以下であ
る化合物が好ましい。
【0031】本発明のFLOD−Gは、以下の表6に示
すように、フルクトシルNα−Z−リジンに対して高い
特異性を有する。表6 精製された.フジクロイ(IFO NO.635
6)由来のFLOD−Gの基質特異性
【表6】 *1:検出されず *2:フルクトシル牛血清アルブミン *3:フルクトシルヒト血清アルブミン 表6から、本発明のFLOD−Gはフルクトシルポリリ
ジンに対する活性を有し、糖化タンパクのプロテアーゼ
消化物に対する活性もある。 3.pH及び温度の条件 (I)の3と同様にpH条件の測定を行った結果、至適
pHは8.0である(図7)。また、0.1M Tris-H
Cl緩衝液(pH8.0)中で20〜60℃の温度条件に
FLOD−Gを加え、10分インキュベートした後、通
常の条件で活性を測定した。上記方法で測定したとき、
本発明のFLOD−Gの安定な温度領域は20〜50
℃、好ましくは20〜40℃、より好ましくは20℃で
あり、酵素反応は、20〜50℃、好ましくは20〜4
0℃、より好ましくは35℃で効率良く進行する(図
8)。
【0032】4.力価の測定 酵素の力価測定は下記の方法で行った。 (1)生成する過酸化水素を比色法により測定する方
法。 A.速度法 100mM FZL溶液はあらかじめ得られたFZLを
蒸留水で溶解することによって調製した。45mM 4−
アミノアンチピリン、60ユニット/mlパーオキシダー
ゼ溶液、及び60mM フェノール溶液それぞれ100
μlと、0.1M Tris-HCl緩衝液(pH8.0)1m
l、及び酵素溶液50μlを混合し、全量を蒸留水で2.
95mlとする。30℃で平衡化した後、100mM F
ZL溶液50μlを添加し、505nmにおける吸光度
を経時的に測定した。生成するキノン色素の分子吸光係
数(5.16×103-1cm-1)から、1分間に生成する
過酸化水素のマイクロモルを算出し、この数字を酵素活
性単位(ユニット:U)とする。
【0033】B.終末法 上記A法と同様に処理し、基質添加後、30分間30℃
でインキュベートした後の505nmにおける吸光度を
測定し、あらかじめ標準過酸化水素溶液を用いて作成し
ておいた検量線から、生成した過酸化水素量を算出する
ことにより、酵素活性を測定する。 (2)酵素反応による酸素吸収を測定する方法 0.1M Tris-HCl緩衝液(pH8.0)1mlと酵素溶液
50μlを混合し、蒸留水で全量を3.0mlとし、ラン
ク ブラザーズ社の酸素電極のセルに入れる。30℃で
攪拌し、溶存酸素と温度を平衡化した後、50mM F
ZL 100μlを添加し、酸素吸収を記録計で連続的
に計測し、初速度を得る。標準曲線から1分間に吸収さ
れた酸素量を求め、これを酵素単位とした。
【0034】5.酵素の阻害、活性化及び安定化 (1)金属の影響 0.1M Tris-HCl緩衝液(pH8.0)の条件で、終
濃度1mMの各、金属イオンを添加し、5分間30℃で
プレインキュベートした後、活性を測定した。結果を下
記の表7に示す。表7 金属イオンの、.フジクロイ(IFO NO.6
356)由来FLOD−Gの活性への影響
【表7】 表7から明らかに、本発明のFLOD−Gの活性に対
し、コバルトイオン、銅イオン、亜鉛イオン、水銀イオ
ン及び鉄(III)イオンが阻害的であり、銀イオンは完
全に阻害する。
【0035】(2)各種阻害物質の影響 上記(1)の金属イオンの影響に関する試験と同様の方
法で試験した。結果を表8に示す。安定化の検討は、5
0mM Tris-HCl緩衝液(pH8.5)に2mMジチオ
スレイトール(DTT)を添加したものに対して一晩透
析を行った後、活性を測定することにより行った。表8 各種物質のFLOD−G活性への影響
【表8】 *1:0.1mM 表8から明らかに、FLOD−G活性はパラクロロ安息
香酸第二水銀、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、ヒド
ロキシルアミン及びアミノグアニンにより、強く阻害さ
れ、酵素反応にはSH基及びカルボニル基が重要な働き
をしていることが予想される。他方、ジチオスレイトー
ルによって安定化され、保存に適した溶媒はジチオスレ
イトール2mMを添加した50mM Tris−HCl緩衝液
(pH8.5)である。
【0036】6.分子量 スーパーデックス200pgによるゲルろ過法で求めた
結果、分子量は約47,000(47kDa)であった
(図9)。また、SDS−PAGE(ドデシル硫酸ナト
リウム・ポリアクリルアミドゲル電気泳動)は、(I)
の6と同様の方法で行い、分子量を求めた結果、分子量
は約52,000(52kDa)であることが示された
(図10)。従って、本発明のFLOD−Gは単量体で
あることが明らかである。
【0037】7.既知の酵素との比較 既存の菌由来フルクトシルアミノ酸オキシダーゼと、本
発明のFLOD−Gとを比較した。表9 種々の微生物由来のフルクトシルアミノ酸オキシ
ダーゼの比較
【表9】 1): ホリウチら(T.Horiuchi et al.) Agric.Biol.Che
m., 53(1), 103-110 (1989) 2): ホリウチら(T.Horiuchi et al.) Agric.Biol.Che
m., 55(2), 333-338 (1991) 3): フルクトシル Nα−Z−リジンに対する比活性 4): N−o−フルクトシル Nα−ホルミルリジンに対
する比活性 表9から、本発明のFLOD−Gと他の2種の菌株由来
のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼとの間に、下記の
相違点が認められる。 (1)分子量の相違:本発明のFLOD−Gは、単量体
として産生されているのに対し、他の2種の酵素は二量
体として産生されている。 (2)補酵素:FLOD−Gは補酵素として共有結合的
に結合したFADを有するのに対し、他の酵素はいずれ
も非共有結合的に結合したFADを有する。 (3)基質特異性:FLOD−Gは、フルクトシルバリ
ンには作用せず、フルクトシルリジンに特異的である
が、コリネバクテリウム属由来の酵素はフルクトシルリ
ジンには作用せず、アスペルギルス属由来の酵素はフル
クトシルリジンに作用するものの、フルクトシルバリン
に対する活性に比べて、その活性が低い。 (4)ミハエリス定数:FLOD−Gの基質フルクトシ
ルリジンに対する親和性が、他の酵素のそれよりも高い
ことを示している。 (5)至適pH、至適温度、及びSH試薬による阻害等
の差異はFLOD−Gと他の2酵素との相違を示してい
る。
【0038】既述のごとく、フサリウム属及びジベレラ
属由来の菌により、本発明方法に従って産生されたFL
ODは、アマドリ化合物の定量に有用である。従って、
本発明はまた、アマドリ化合物を含有する試料と、本発
明のFLODとを接触させ、酸素の消費量又は過酸化水
素の発生量を測定することを特徴とする、試料中のアマ
ドリ化合物の分析法を提供するものである。本発明の分
析法は、生体成分中の、糖化タンパクの量及び/又は糖
化率の測定、あるいはフルクトサミンの定量に基づいて
行われる。FLODの酵素活性は下記の反応に基づいて
測定される。 R1−CO−CH2−NH−R2+ O2 + H2O→R1
CO−CHO +R2−NH + H22 (式中、R1はアルドース残基、R2はアミノ酸、タンパ
ク質又はペプチド残基を表す) 被検液としては、アマドリ化合物を含有する任意の試料
溶液を用いることができ、例えば、血液(全血、血漿又
は血清)、尿等の生体由来の試料の外、醤油等の食品が
挙げられる。
【0039】本発明のFLODをアマドリ化合物含有溶
液に、適当な緩衝液中で作用させる。反応溶液のpH及
び温度は、それぞれ、使用する酵素に適した条件とす
る。即ち、FLOD−Sの場合、pH4.0〜12.0、
好ましくはpH8.0、温度20〜55℃、好ましくは
30〜45℃、より好ましくは45℃で行う。また、F
LOD−Gの場合、pH4.0〜12.0、好ましくは
8.0、温度は20〜50℃、好ましくは35℃であ
る。FLODの使用量は、終点分析法においては通常、
0.1ユニット/ml以上、好ましくは1〜100ユニッ
ト/mlである。緩衝液としてはTris-HCl等を用い
る。
【0040】本発明の分析法では、下記のいずれかのア
マドリ化合物の定量法を用いる。 (1)過酸化水素発生量に基づく方法 当該技術分野で既知の過酸化水素の定量法、例えば、発
色法、過酸化水素電極を用いる方法等で測定し、過酸化
水素及びアマドリ化合物の量に関して作成した標準曲線
と比較することにより、試料中のアマドリ化合物を定量
する。具体的には、上記(I),4又は(II),4に記
載の力価測定法に準じる。ただし、FLOD量は1ユニ
ット/mlとし適当に希釈した試料を添加し、生成する過
酸化水素量を測定する。過酸化水素発色系としては、4
−アミノアンチピリン/フェノール系のかわりに4−ア
ミノアンチピリン/N−エチル−N−(2−ヒドロキシ
−3−スルホプロピル)−m−トルイジン,4−アミノ
アンチピリン/N,N−ジメチルアニリン,4−アミノ
アンチピリン/N,N−ジエチルアニリン,MBTH/
N,N−ジメチルアニリン,4−アミノアンチピリン/
2,4−ジクロロフェノール等の組み合わせが可能であ
る。 (2)酸素の消費量に基づく方法 反応開始時の酸素量から反応終了時の酸素量を差し引い
た値(酸素消費量)を測定し、酸素消費量とアマドリ化
合物の量に関して作成した標準曲線と比較することによ
り、試料中のアマドリ化合物を定量する。具体的には、
上記(I),4又は(II),4の力価の測定に準じて
行う。但し用いるFLOD量は1ユニット/mlとし、
適当に希釈した試料を添加し吸収される酸素量を求め
る。
【0041】本発明方法は試料溶液をそのまま用いて行
うこともできるが、対象となる糖化タンパクによって
は、あらかじめ糖が結合したリジン残基を遊離させてか
ら行うことが好ましい。そのような目的には、タンパク
質分解酵素を用いる場合(酵素法)と、塩酸等の化学物
質を用いる場合(化学法)があるが、前者が好ましい。
本発明方法に用いることができるタンパク質分解酵素
は、当業者に既知であり、トリプシン、カルボキシペプ
チダーゼB、パパイン、アミノペプチダーゼ、キモトリ
プシン、サーモリシン、ズブシリシン、プロティナーゼ
K、プロナーゼ等を挙げることができる。酵素処理の方
法も既知であり、例えばトリプシン処理は、下記実施例
に記載の方法で行うことができる。
【0042】上記のごとく、本発明のFLODは、糖化
タンパクに含まれるフルクトシルリジンに高い基質特異
性を有するものであることから、血液試料中の糖化タン
パクを測定することを含む、糖尿病の診断などに有用で
ある。このように、検体として血液試料(全血、血漿又
は血清)を用いる場合、採血した試料をそのまま、ある
いは透折等の処理をした後、用いる。さらに、本発明方
法に用いるFLOD、パーオキシダーゼ等の酵素は、溶
液状態で用いてもよいが、適当な固体支持体に固定化し
てもよい。例えば、ビーズに固定化した酵素をカラムに
充填し、自動化装置に組み込むことにより、臨床検査な
ど、多数の検体の日常的な分析を効率的に行うことがで
きる。しかも、固定化酵素は再使用が可能であることか
ら、経済効率の点でも好ましい。さらには、酵素と発色
色素とを適宜組み合わせ、臨床分析のみならず、食品分
析にも有用なアマドリ化合物の分析のためのキットを得
ることができる。
【0043】酵素の固定化は当該技術分野で既知の方法
により行うことができる。例えば、担体結合法、架橋化
法、包括法、複合法等によって行う。担体としては、高
分子ゲル、マイクロカプセル、アガロース、アルギン
酸、カラギーナン、などがある。結合は共有結合、イオ
ン結合、物理吸着法、生化学的親和力を利用し、当業者
既知の方法で行う。固定化酵素を用いる場合、分析はフ
ロー又はバッチ方式のいずれでもよい。上記のごとく、
固定化酵素は、血液試料中の糖化タンパクの日常的な分
析(臨床検査)に特に有用である。臨床検査が糖尿病診
断を目的とする場合、診断の基準としては、結果を糖化
タンパク濃度として表すか、試料中の全タンパク質濃度
に対する糖化タンパク質の濃度の比率(糖化率)又はフ
ルクトサミン値で表される。全タンパク質濃度は、通常
の方法(280nmの吸光度、Lowry法あるいは、アル
ブミンの自然蛍光など)で測定することができる。
【0044】本発明はまた本発明のFLODを含有する
アマドリ化合物の分析試薬又はキットを提供するもので
ある。本発明のアマドリ化合物の定量のための試薬は、
本発明のFLOD、好ましくはpH7.5〜8.5、より
好ましくはpH8.0の緩衝液からなる。該FLODが
固定化されている場合、固体支持体は高分子ゲルなどか
ら選択され、好ましくはアルギン酸である。試薬中のF
LODの量は、終点分析を行う場合、試料あたり、通常
1〜100ユニット/ml、緩衝液はTris-HCl(pH
8.0)が好ましい。過酸化水素の生成量に基づいてア
マドリ化合物を定量する場合、発色系としては、上記と
同様、4−アミノアンチピリン/フェノール系のかわり
に4−アミノアンチピリン/N−エチル−N−(2−ヒ
ドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン,4
−アミノアンチピリン/N,N−ジメチルアニリン,4
−アミノアンチピリン/N,N−ジエチルアニリン,M
BTH/N,N−ジメチルアニリン,4−アミノアンチ
ピリン/2,4−ジクロロフェノール等の組み合わせが
可能である。本発明のアマドリ化合物の分析試薬と、適
当な発色剤並びに比較のための色基準あるいは標準物質
を組み合わせて、予備的な診断、検査に有用なキットす
ることができる。上記の分析試薬およびキットは、生体
成分中の、糖化タンパクの量及び/又は糖化率の測定、
あるいはフルクトサミンを定量するために用いられるも
のである。以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明する。
【0045】
【実施例】実施例1 .オキシスポルムS−1F4由
来のFLOD−Sの製造及び精製 .オキシスポルムS−1F4(Fusarium oxysporum
−1F4:FERMBP−5010)をFZL 0.5%、
グルコース 1.0%、リン酸二カリウム0.1%、リン酸一
ナトリウム 0.1%、硫酸マグネシウム 0.05%、塩化カ
ルシウム 0.01%, イーストエキス0.2%を含有する培地
(pH6.0)10Lに植菌し、ジャーファーメンターを
用いて通気量2L/分、攪拌速度400rpmの条件で2
8℃、24時間攪拌培養した。培養物はろ過して集め
た。菌糸体の一部(200g)を、2mMのDTTを含
む、0.1M Tris−HCl塩酸緩衝液(pH8.5)1
Lに懸濁し、ダイノミルにより菌糸体を破砕した。破砕
液を10,000rpmで15分間遠心分離し、得られた液
を粗酵素液(無細胞抽出液)とした。粗酵素液に40%
飽和になるように硫酸アンモニウム(以下、硫安と略
す)を加え、攪拌し、12,000rpmで10分間遠心分
離した。得られた上清に75%飽和になるように硫安を
加え、撹拌し、12,000rpmで10分間遠心分離し
た。沈殿を2mMのDTTを含有する50mM Tris−H
Cl塩酸緩衝液(pH8.5)(以下、緩衝液Aと略
す)に溶解し、緩衝液Aにて一晩透析した。透析物を緩
衝液Aにて平衡化したDEAE−セファセルカラムに吸
着した。同緩衝液Aにて洗浄した後、0−0.5Mの塩
化カリウム直線濃度勾配で溶出した。活性画分を集め、
55%から75%の硫安分画に供し、緩衝液Aにて一晩
透析した。透析物に25%飽和になるように硫安を加
え、25%飽和硫安を含む緩衝液Aで平衡化したフェニ
ル−トヨパールカラムに吸着した。同緩衝液にて洗浄し
た後、硫安濃度25−0%飽和の直線勾配で溶出した。
活性画分を集め、40%飽和になるように硫安を添加
し、40%飽和硫安を含む緩衝液Aで平衡化したブチル
−トヨパールカラムに吸着した。同緩衝液にて洗浄した
後、硫安濃度40−0%飽和の直線濃度勾配にて溶出し
た。活性画分を集め、80%飽和となるように硫安を添
加し、攪拌後、12,000rpm、10分間遠心分離し、
得られた沈殿を0.1Mの緩衝液Aに溶解した。その酵
素溶液を0.1M塩化カリウムを含有する、0.1M緩衝
液Aで平衡化したセファクリルS−200ゲルろ過クロ
マトクラフィに供した。活性画分を集め、限外瀘過で濃
縮した。濃縮物をファルマシアFPLCシステムでMon
o Qカラムを用いて処理すること(緩衝液Aを用いた塩
化カリウムの0−0.5M直線濃度勾配による溶出)に
より、30〜60ユニットの精製酵素を得た。
【0046】精製酵素のUV吸収スペクトルを図11に
示す。図11は、本酵素がフラビン酵素であることを示
唆している。また、該精製酵素標品を用いて、セファク
リルS−200を用いるカラムゲルろ過法、及びドデシ
ル硫酸ナトリウム・ポリアクリルアミドゲル電気泳動
(以下、SDS−PAGEと称する)で分子量を測定し
た。カラムクロマトグラフィは0.1M NaCl含有
0.1M Tris-HCl緩衝液(pH8.5)を用いて行っ
た。分子量既知の数種のタンパクについても同様に行
い、溶出位置から本酵素の分子量を求めた。SDS−P
AGEは標準タンパクとしてホスホリラーゼB、牛血清
アルブミン(BSA)、オボアルブミン、カルボニック
アンヒドラーゼ、大豆トリプシンインヒビターを用い、
デービスの方法に従って分子量を測定した。即ち、10
%ゲルを用いて、40mAで、3時間泳動し、タンパク
染色は、クマシーブリリアントブルーG−250で行っ
た。検量線から、分子量を求めた。測定の結果、S−1
F4由来のFLOD−Sは、セファクリルS−200を
用いるカラムゲルろ過法で測定した場合、分子量約4
5,000(45kDa)であり、SDS−PAGEで
測定した場合、約50,000(50kDa)であった
(図5,6参照)。さらに、本実施例で調製したFLO
D−Sの酵素活性、pH及び温度安定性、金属及び阻害
物質による影響などに関しては、前記(I)の各項に記
載の値又は性質を示した。
【0047】リジン残基にグルコースが結合している
[J.Biol.Chem.26:13542-13545(1986)]糖化ヒト血清ア
ルブミン(glycated human serum albumin; シグマ社)
を糖化タンパク基質として用い、上記実施例で調製した
精製FLOD−Sを用いて定量した。実施例2 糖化アルブミン濃度の定量 1)トリプシン処理 試薬の調製 A:2%トリプシン溶液[0.1M Tris−HCl塩酸
緩衝液(pH8.0)に溶解] B:45 mM 4−アミノアンチピリン水溶液 C:60 mM N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−
スルホプロピル)−m−トルイジン D:60ユニット/ml パーオキシダーゼ溶液 E:14ユニット/ml FLOD−S Eの14ユニット/ml FLOD−S液は以下の方法で
調製した。即ち、実施例1で得た.オキシスポルムS
−1F4由来の精製FLOD−Sを14ユニット/mlに
なるように蒸留水で希釈した。FLOD反応液は0.1
M Tris−HCl塩酸緩衝液(pH 8.0)10mlにB〜
E液それぞれ1ml加え、蒸留水にて全量を30mlとする
ことにより調製した。トリプシン処理は、種々の濃度
(0−1.0%)の糖化ヒト血清アルブミン(シグマ
社)30μlと同量のA液とを混合し、37℃、60分
間インキュベートすることにより行った。
【0048】2)定量 トリプシン処理した反応液にFLOD反応液1ml加え、
30℃、30分間インキュベートした後、555nmにお
ける吸光度を測定した。結果を図12に示す。図中、縦
軸は555nmの吸光度(過酸化水素量に対応)、横軸は
糖化アルブミンの濃度を表す。図は、糖化アルブミン濃
度と過酸化水素発生量が相関関係にあることを示してい
る。
【0049】実施例3 ヒト血清アルブミンの糖化率の
測定 0.9%塩化ナトリウム水溶液3mlに、糖化ヒト血清ア
ルブミン(シグマ社)150mg、ヒト血清アルブミン
(シグマ社)150mgをそれぞれ溶解した。これらの溶
液を混合することにより、糖化率の異なる溶液を作成
し、自動グリコアルブミン測定装置(京都第一科学)を
用いて検定したところ、その糖化率は、24.1%〜5
1.9%であった。これらの溶液を用いて前処理混合物
を次のように調製した。 糖化アルブミン溶液 190μl 6mg/ml プロテイナーゼK(シグマ社) 20μl 6mg/ml プロナーゼE(シグマ社) 20μl 1.25% SDS 20μl これらの混合物を55℃で30分間インキュベートし
た。その後、各前処理試料から1部をとり出し、以下の
ように調製された反応液に加えた。 45mM 4−アミノアンチピリン溶液 70μl 60mM フェノール溶液 70μl 60ユニット/ml パーオキシダーゼ溶液 70μl 0.1M Tris−HCl塩酸緩衝液(pH8.0)700μl 11.5ユニット/ml FLOD−S溶液 30μl 蒸留水で全量を2mlとした。11.5ユニット/mlFL
OD−S溶液は、実施例1の方法で得たFLOD−Sを
11.5ユニット/mlになるよう、0.1M Tris−HC
l塩酸緩衝液(pH8.0)で希釈して調製した。この
反応液を30℃でインキュベートし、各処理試料を10
0μl加え、30分後の505nmにおける吸光度を測定
した。この方法で得られるアルブミンの糖化率と吸光度
との関係を図13に示す。図中、縦軸は505nmの吸光
度(過酸化水素の量に対応)、横軸はアルブミンの糖化
率を表す。図は、アルブミンの糖化率と過酸化水素発生
量が相関関係にあることを示している。
【0050】実施例4 血液試料中の糖化タンパクの定
量 糖尿病患者血清を基質として用い、実施例1で精製した
FLOD−Sを用いて血中糖化タンパクを実施例2の方
法で定量した。従来、糖尿病患者の血糖管理指標として
は血清中のフルクトサミンや全血中のヘモグロビンA1
c(HbA1c)値が用いられている。本実施例では、
外来糖尿病患者の血液試料を用いて、本発明のFLOD
−Sを用いた酵素法による糖化タンパク(血清アルブミ
ン)測定と、従来から用いられている指標との相関の程
度を検討した。結果を図14、15に示す。図中の縦軸
は555nmの吸光度(過酸化水素量に対応)、横軸は試
料とした患者血清中のフルクトサミン値(図14)、全
血中のヘモグロビンAlc値(図15)を示す。それぞ
れの図はFLOD−Sを用いた糖化タンパクの測定結果
と従来の糖尿病患者の血糖管理指標との間に相関関係が
あることを示している。即ち、本発明方法の指標として
の有用性が確認された。また、HbA1c、フルクトサ
ミン値の高い患者は糖化タンパク(血清アルブミン)値
も高くなるはずである。フルクトサミンは血清中のタン
パクが糖化されたものであるため、その主成分であるア
ルブミンの生体内での寿命とよく相関する。しかし、H
bA1cは、ヘモグロビンとアルブミンの生体内での寿
命が異なり、また糖化部位がバリン残基であることか
ら、糖化タンパクとの相関は、フルクトサミンと糖化タ
ンパクとの相関よりも劣ると予想される。図14及び1
5から、このことを読み取ることができる。
【0051】実施例5 .フジクロイ(IFO N
O.6356)由来のFLOD−Gの製造及び精製 .フジクロイ(IFO NO.6356;Gibberella f
ujikuroi)をFZL0.5%、グルコース 1.0%、リ
ン酸二カリウム0.1%、リン酸一ナトリウム0.1%、
硫酸マグネシウム 0.05%、塩化カルシウム 0.01
%, イーストエキス 0.2%を含有した培地(pH6.
0)10Lに植菌し、ジャーファーメンターを用いて通
気量2L/分、攪拌速度400rpmの条件で28℃、
24時間攪拌培養した。培養物は瀘過して集めた。菌糸
体170g(湿重量)を、2mMのDTTを含む、0.
1M TrisーHCl緩衝液(pH8.5)1Lに懸濁し、
ダイノミルにより菌糸体を破砕した。破砕液を10,0
00rpmで15分間遠心分離し得られた液を粗酵素液
(無細胞抽出液)とした。粗酵素液に40%飽和になる
ように硫安を加え、攪拌し12,000rpmで10分間遠
心分離した。得られた上清に75%飽和になるように硫
安を加え、撹拌し、12,000rpmで10分間遠心分離
した。沈殿を2mMのDTTを含有する50mM Trisー
HCl緩衝液(pH8.5)(緩衝液A)に溶解し、緩
衝液Aにて一晩透析した。透析物を緩衝液Aにて平衡化
したDEAE−セファセルカラムに吸着した。緩衝液A
にて洗浄した後、0−0.5Mの塩化カリウム直線濃度
勾配で溶出した。活性画分を集め、55%から75%の
硫安分画に供し、緩衝液Aにて一晩透析した。透析物に
25%飽和になるように硫安を加え、25%飽和硫安を
含む緩衝液Aで平衡化したフェニル−トヨパールカラム
に吸着した。同緩衝液にて洗浄した後、硫安濃度25−
0%飽和の直線勾配で溶出した。活性画分を集め、40
%飽和になるように硫安を添加し、40%飽和硫安を含
む緩衝液Aで平衡化したブチル−トヨパールカラムに吸
着した。同緩衝液にて洗浄した後、硫安濃度40−0%
飽和の直線濃度勾配にて溶出した。活性画分を集め、8
0%飽和となるように硫安を添加し、攪拌後、12,0
00rpm、10分間遠心分離し、得られた沈殿を0.1M
の緩衝液Aに溶解した。その酵素溶液を0.1M塩化カ
リウムを含有する、0.1M緩衝液Aで平衡化したセフ
ァクリルS−200ゲル瀘過クロマトクラフィーに供し
た。活性画分を集め、限外瀘過で濃縮した。濃縮物をフ
ァルマシアFPLCシステムでMono Qカラムを用いて
処理すること(緩衝液Aを用いた塩化カリウムの0−
0.5M直線濃度勾配による溶出)により、30〜60
ユニットの精製酵素を得た。
【0052】得られた精製酵素標品をSDS−PAGE
において、標準タンパクとしてホスホリラーゼB、牛血
清アルブミン(BSA)、オボアルブミン、カルボニッ
クアンヒドラーゼ、大豆トリプシンインヒビターを用
い、デービスの方法に従って分子量を測定した。即ち、
10%ゲルを用いて、40mAで3時間泳動し、クマシ
ーブリリアントブルーG−250でタンパク染色を行っ
た。検量線から分子量を求めた結果、サブユニットの分
子量は約52,000(52kDa)であることが示さ
れた(図10)。また、スーパーデックス200pgに
よるゲルろ過による分子量測定では、図9の検量線図か
ら明らかなように、約47,000(47kDa)であ
った。本実施例で調製したFLOD−Gの酵素活性、p
H及び温度安定性、金属及び阻害物質による影響などに
関しては、前記(II)の各項に記載の値又は性質を示し
た。
【0053】実施例6 フルクトシルポリリジンの定量 0.1%のフルクトシルポリリジン溶液をBMY・NB
T検定法を用いて検定したところ、750μmol/lの
フルクトサミンを含有することが分かった。この溶液を
蒸留水で希釈することにより、0〜750μmol/lの
範囲で変化する一連の試料を作成した。各希釈液につい
て、同量の0.05%トリプシンと混合し、37℃で1
時間インキュベートした。その後、各前処理試料から一
部をとり出し、以下のように調製された反応液に加え
た。 45mM 4−アミノアンチピリン溶液 50μl 60mM フェノール溶液 50μl 60ユニット/ml パーオキシダーゼ溶液 50μl 0.1M Tris−HCl緩衝液(pH8.0) 500μl 7.6ユニット/ml FLOD−G溶液 30μl 蒸留水で全量を1300μlとした。7.6ユニット/ml
FLOD−G溶液は、実施例5の方法で得たジベレラ由
来のFLOD−Gを7.6ユニット/mlになるよう、0.
1M Tris−HCl塩酸緩衝液(pH8.0)で希釈し
て調製した。この反応液を30℃でインキュベートし、
各処理試料を200μl加え、30分後の505nmにお
ける吸光度を測定した。この方法で得られるフルクトサ
ミンと吸光度との関係を図16に示す。図中、縦軸は5
05nmの吸光度(過酸化水素の量に対応)、横軸はフル
クトサミン値を表す。図は、フルクトサミン値と過酸化
水素発生量が相関関係にあることを示している。
【0054】実施例7 ヒト血清アルブミンの糖化率の
測定 0.9%塩化ナトリウム水溶液3mlに、糖化ヒト血清ア
ルブミン(シグマ社)150mg、ヒト血清アルブミン
(シグマ社)150mgをそれぞれ溶解した。これらの溶
液を混合することにより、糖化率の異なる溶液を作成
し、自動グリコアルブミン測定装置(京都第一科学)を
用いて検定したところ、その糖化率は、24.1%〜5
1.9%であった。これらの溶液を用いて前処理混合物
を次のように調製した。 糖化アルブミン溶液 190μl 6mg/ml プロテイナーゼK(シグマ社) 20μl 6mg/ml プロナーゼE(シグマ社) 20μl 1.25% SDS 20μl これらの混合物を55℃で30分間インキュベートし
た。その後、各前処理試料から一部をとり出し、以下の
ように調製された反応液に加えた。 45mM 4−アミノアンチピリン溶液 70μl 60mM フェノール溶液 70μl 60ユニット/ml パーオキシダーゼ溶液 70μl 0.1M Tris−HCl塩酸緩衝液(pH8.0) 700μl 7.6ユニット/ml FLOD−G溶液 30μl 蒸留水で全量を2mlとした。この反応液を30℃でイン
キュベートし、各処理試料を100μl加え、30分後
の505nmにおける吸光度を測定した。この方法で得ら
れるアルブミンの糖化率と吸光度との関係を図17に示
す。図中、縦軸は505nmの吸光度(過酸化水素の量に
対応)、横軸はアルブミンの糖化率を表す。図は、アル
ブミンの糖化率と過酸化水素発生量が相関関係にあるこ
とを示している。
【0055】
【発明の効果】本発明のFLODは、従来の同種の酵素
フルクトシルアミノ酸オキシダーゼとは基質特異性にお
いて異なり、フルクトシルリジンに特異的に作用する。
従って、新たな臨床分析及び食品分析法の開発に有用で
あり、糖尿病の診断や食品の品質管理の面で寄与すると
ころが大きい。特に、血中の糖化タンパクの量及び/又
は糖化率を指標として、糖尿病の病状の診断に役立つと
考えられる。また、本発明のFLODを用いるアマドリ
化合物の分析試薬及び分析方法によって、正確に糖化タ
ンパクを定量することができ、糖尿病の診断、症状管理
に貢献することができる。さらに、本発明のフルクトシ
ルリジン及び/又はFZL製造方法によりフルクトシル
アミノ酸オキシダーゼ産生菌のスクリーニング及び/又
は培養に有用なフルクトシルリジン及び/又はFZLを
容易に得ることができる。また、このフルクトシルリジ
ン及び/又はFZLを含有するGL褐変化培地は、FL
OD産生菌の培養を効率良く行う上で有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】1%のNα−Z−リジンをオートクレーブ処理
することによるフルクトシルNα−Z−リジンの生成量
とグルコース濃度との関係を示すグラフ。
【図2】FLODの培養培地での産生量と培養時間の関
係を示すグラフ。
【図3】S−1F4由来FLOD−Sの溶媒中での活性
とpHの関係を示すグラフ。
【図4】S−1F4由来FLOD−Sの溶媒中での活性
と温度の関係を示すグラフ。
【図5】セファクリルS−200を用いたゲルろ過によ
るS−1F4由来FLOD−Sの分子量測定の結果を示
すグラフ。
【図6】S−1F4由来精製FLOD−SをSDS−P
AGEにかけて得た電気泳動による移動パターンを示す
写真の模写図。
【図7】ジベレラ由来FLOD−Gの溶媒中での活性と
pHの関係を示すグラフ。
【図8】ジベレラ由来FLOD−Gの溶媒中での活性と
温度の関係を示すグラフ。
【図9】ジベレラ由来精製FLOD−Gをスーパーデッ
クス200pgを用いたゲルろ過により分子量測定した結
果を示すグラフ。
【図10】 ジベレラ由来精製FLOD−GをSDS−
PAGEにかけて得た電気泳動による移動パターンを示
す写真の模写図。
【図11】精製S−1F4由来FLOD−Sの吸収スペ
クトル。
【図12】基質として用いた糖化ヒト血清アルブミンの
濃度と、FLOD作用により生成された過酸化水素の量
との関係を示すグラフ。
【図13】アルブミンの糖化率と、FLOD作用により
生成された過酸化水素量との関係を示すグラフ。
【図14】糖尿病患者の血清中のフルクトサミン値とF
LOD−Sによる糖化タンパク濃度測定値との関係を示
すグラフ。
【図15】糖尿病患者の全血中のヘモグロビンAlc値
とFLOD−Sによる糖化タンパク濃度測定値との関係
を示すグラフ。
【図16】フルクトサミン値と、FLOD作用により生
成された過酸化水素量との関係を示すグラフ。
【図17】アルブミンの糖化率と、FLOD作用により
生成された過酸化水素量との関係を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:77) (72)発明者 八木 雅之 京都府京都市右京区西京極三反田町1 西京極団地4棟302号室 (72)発明者 船津 文代 大阪府枚方市茄子作4丁目40番2号 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 9/06 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) EUROPAT(QUESTEL)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フサリウム属が生産する酵素であって、
    下記の理化学的特性を示すフルクトシルアミノ酸オキシ
    ダーゼ: 1)酸素の存在下でアマドリ化合物を酸化し、α−ケト
    アルデヒド、アミン誘導体及び過酸化水素を生成する反
    応を触媒し; 2)安定pHは4〜12、至適pHは8であり; 3)安定温度は20〜55℃、至適温度は45℃であ
    り; 4)ゲルろ過法で求めた分子量が約45,000であ
    る。
  2. 【請求項2】 前記フサリウム属が、フサリウム・オキ
    シスポラム S−1F4であることを特徴とする請求項
    1に記載のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ。
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