JPH10295235A - 魚釣用リールのドラグ装置 - Google Patents

魚釣用リールのドラグ装置

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JPH10295235A
JPH10295235A JP10729897A JP10729897A JPH10295235A JP H10295235 A JPH10295235 A JP H10295235A JP 10729897 A JP10729897 A JP 10729897A JP 10729897 A JP10729897 A JP 10729897A JP H10295235 A JPH10295235 A JP H10295235A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は魚釣用リールのドラグ装置に関し、
ドラグ力調整範囲の拡大を図り、スムーズな釣糸の繰出
しによる糸切れの防止とドラグ耐力の向上の両立を図っ
た魚釣用リールのドラグ装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 ドラグワッシャとライニングワッシャを
積層し、ドラグ力調整手段の操作で当該ワッシャ群の締
付力を加減してドラグ力を調整可能とした魚釣用リール
のドラグ装置に於て、上記ライニングワッシャ、又は当
該ライニングワッシャが圧接するドラグワッシャその他
の被圧接部材の少なくともいずれか一つのドラグ摩擦面
を、ドラグ力調整手段の操作に応じ締付面積が増減可能
な形状に成形したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚釣用リールのド
ラグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭63−119642号公報又は実
開平3−91776号公報等に開示されるように、従
来、両軸受型リールやスピニングリール等の魚釣用リー
ルには、魚の強い引きや急激な反転によって釣糸に大き
な張力がかかった際に、釣糸の糸切れを防止するドラグ
装置が装着されている。
【0003】このドラグ装置は、魚の引きによって釣糸
繰出し方向へ回転しようとするスプールを所定の力で摩
擦制動して釣糸繰出し方向へスリップ回転させるもの
で、複数枚のドラグワッシャとライニングワッシャ,圧
縮ばね,ドラグ調整ノブ等から構成されており、ドラグ
調整ノブを操作して積層したワッシャ群に対する締付力
を加減することで、使用糸や対象魚に応じてドラグ力を
調整できるようになっている。
【0004】又、釣糸の糸縒れを防止するため、ハンド
ルに連動回転するロータの逆回転を制動するスピニング
リールのロータドラグ装置が特開昭53−122584
号公報等に開示されており、このロータドラグ装置にあ
っても、ドラグ調整摘み等のドラグ力調整手段を操作し
て積層したワッシャ群に対する締付力を加減すること
で、魚の引きに応じてドラグ力を調整できるようになっ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、上述の如き
従来のドラグ装置(ロータドラグ装置も含む)にあって
は、ドラグ力の調整範囲がライニングワッシャの外径寸
法によって決まってしまい、ライニングワッシャの外径
寸法を小さめに設定すると、ドラグ調整ノブによってワ
ッシャ群に対する締付力を大きくしても、ドラグワッシ
ャ等との締付面積(摩擦面積)が小さいためにドラグ耐
力(MAX)が小さく、大きな魚を釣ることができなか
った。
【0006】又、反対にライニングワッシャの外径寸法
を大きめに設定すると、大きなドラグ耐力が得られる一
方、ライニングワッシャの締付面積が大きいために摩擦
抵抗が大きく、この結果、ワッシャ群に対する締付力を
弱くしても魚の引きに応じスプールがスムーズにスリッ
プ回転せず、糸切れのトラブルが発生し易くなる不具合
が指摘されていた。
【0007】本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもの
で、ドラグ力調整範囲の拡大を図り、スムーズな釣糸の
繰出しによる糸切れの防止とドラグ耐力の向上の両立を
図った魚釣用リールのドラグ装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、ドラグワッシャとライニン
グワッシャを積層し、ドラグ力調整手段の操作で当該ワ
ッシャ群の締付力を加減してドラグ力を調整可能とした
魚釣用リールのドラグ装置に於て、上記ライニングワッ
シャ、又は当該ライニングワッシャが圧接するドラグワ
ッシャその他の被圧接部材の少なくともいずれか一つの
ドラグ摩擦面を、ドラグ力調整手段の操作に応じ締付面
積が増減可能な形状に成形したことを特徴とする。
【0009】そして、請求項2に係る発明は、請求項1
記載の魚釣用リールのドラグ装置に於て、ライニングワ
ッシャ、又は当該ライニングワッシャが圧接するドラグ
ワッシャその他の被圧接部材の少なくともいずれか一つ
のドラグ摩擦面に段差部を設けて、ドラグ力調整手段の
操作に応じ締付面積を増減可能としたことを特徴とし、
請求項3に係る発明は、請求項2記載の魚釣用リールの
ドラグ装置に於て、段差部の深さを、ライニングワッシ
ャの肉厚より浅く設定したことを特徴とする。
【0010】又、請求項4に係る発明は、請求項1記載
の魚釣用リールのドラグ装置に於て、ライニングワッシ
ャ、又は当該ライニングワッシャが圧接するドラグワッ
シャその他の被圧接部材の少なくともいずれか一つのド
ラグ摩擦面をライニングワッシャの径方向へ傾斜させ
て、ドラグ力調整手段の操作に応じ締付面積を増減可能
としたことを特徴とし、請求項5に係る発明は、請求項
4記載の魚釣用リールのドラグ装置に於て、傾斜の始端
部と終端部との高低差を、ライニングワッシャの肉厚よ
り小さく設定したものである。
【0011】(作用)各請求項に係る発明によれば、ド
ラグ力調整手段を操作してワッシャ群の締付力を大きく
すると、ライニングワッシャやドラグワッシャ等のドラ
グ摩擦面の締付面積が増加して大きなドラグ耐力が確保
され、又、反対にワッシャ群の締付力を小さくすると、
ドラグ力が低下する。
【0012】そして、請求項2に係る発明では、ドラグ
力調整手段を操作してワッシャ群の締付力を大きくする
と、段差部を含めたドラグ摩擦面全面でライニングワッ
シャとドラグワッシャ等が圧接し、ワッシャ群の締付力
を小さくすると、段差部を除くドラグ摩擦面でライニン
グワッシャとドラグワッシャ等が圧接することとなる。
又、請求項4に係る発明では、ワッシャ群の締付力を大
きくしていくと、ライニングワッシャとドラグワッシャ
との締付面積が順次増加し、反対に締付力を小さくして
いくと、ライニングワッシャとドラグワッシャとの締付
面積が順次減少していくこととなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。図1乃至図5は請求項1乃至請
求項3に係る発明をスピニングリールのフロントタイプ
のドラグ装置に適用した第一実施形態を示し、図1に於
て、1はスピニングリール3のリール本体、5はフライ
ヤ軸(図示せず)を介してリール本体1の前部に回転可
能に装着されたロータ、7はハンドルで、従来と同様、
ハンドル7とロータ5のフライヤ軸はリール本体1に内
蔵した従来周知のギヤ列機構(図示せず)によって連結
されており、ハンドル7の回転操作でロータ5が回転す
るようになっている。
【0014】そして、ロータ5には一対の支持アーム9
が一体的に成形されており、両支持アーム9の先端に、
半環状のベール11が図示しないベール支持部材を介し
て釣糸巻取位置と釣糸放出位置へ、夫々、反転自在に取
り付けられている。
【0015】又、図1中、13はフライヤ軸を貫通して
リール本体1に取り付くスプール軸で、当該スプール軸
13は、リール本体1に内蔵した従来周知のトラバース
機構(図示せず)によりロータ5の回転に連動してリー
ル本体1の前後方向へトラバース運動するようになって
いる。そして、図2に示すようにスプール軸13のロー
タ5側突出部の外周にはワッシャ支持筒15が固定ピン
17によって固定されており、当該ワッシャ支持筒15
に、ドラグ装置19を介してスプール21が回転可能に
摩擦結合されている。
【0016】図2に示すようにドラグ装置19は、スプ
ール21の先端部に設けた凹陥部23内に収容されてい
る。而して、上記ドラグ装置19は、凹陥部23の内周
面と相対回転不能に結合され、且つワッシャ支持筒15
の外周に相対回転可能に嵌合するドラグワッシャ25
と、ワッシャ支持筒15の外周に相対回転不能に嵌合
し、且つ凹陥部23の内周面とフリー状態にあるドラグ
ワッシャ27と、ワッシャ支持筒15の外周に回止め嵌
合されたクリックプレート29と、両ドラグワッシャ2
5,27間及びドラグワッシャ27と凹陥部23底部の
ドラグ摩擦面23aとの間、そして、ドラグワッシャ2
5とクリックプレート29との間に夫々介装されたライ
ニングワッシャ31と、クリックプレート29に重ね合
わせた受けプレート33とを備え、これらは凹陥部23
の開口側内周に係合した六角形状のスナップリング35
によって抜け止め保持されている。
【0017】又、凹陥部23内に突出するスプール軸1
3の先端にはねじ部37が形成されており、当該ねじ部
37に、ドラグ調整ノブ39の筒状部39a内に係合す
るドラグ調整ナット41が螺合している。そして、当該
ドラグ調整ナット41と上記受けプレート33に重ね合
わせた押圧プレート43との間に圧縮ばね45が装着さ
れており、ドラグ調整ノブ39の回転操作で押圧プレー
ト43を介してワッシャ群25,27,31に作用する
圧縮バネ45のばね圧が変化し、ドラグワッシャ25,
27間及びドラグワッシャ27とドラグ摩擦面23aと
の間、そして、ドラグワッシャ25とクリックプレート
29との間の摩擦結合力が変化して、スプール21への
ドラグ力が調整されるようになっている。
【0018】その他、図2中、47は押圧プレート43
のフランジ部43aに設けた開口部で、当該開口部47
にドラグ調整ノブ39の筒状部39aの先端側外周に突
設したラチェット爪39bが係止すると共に、これを貫
通するクリック爪49がクリックプレート29の内周方
向に延設されて、クリックプレート29に設けたクリッ
ク音発生用の突起29aに係止している。
【0019】而して、本実施例に係るドラグ装置19
は、上述の如き従来と同様の構成に加え、以下の如き特
徴を有する。即ち、既述したように従来のこの種のドラ
グ装置にあっては、ドラグ力の調整範囲がライニングワ
ッシャの外径寸法によって決まってしまい、ライニング
ワッシャの外径寸法を小さめに設定するとドラグ耐力が
小さくなり、又、ライニングワッシャを大きめに設定す
ると、ライニングワッシャの締付面積が大きいために、
ワッシャ群に対する締付力を弱くしても魚の引きに応じ
スプールがスムーズにスリップ回転しなくなるといった
不具合が指摘されていた。
【0020】そこで、本実施形態は、図3に示すように
ライニングワッシャ31が圧接するドラグワッシャ2
5,27の前面側のドラグ摩擦面25a,27aに、各
々の外周縁に沿って同一の深さを有する段差部51,5
3を一定の幅を以って設けると共に、ライニングワッシ
ャ31が圧接する被圧接部材たる凹陥部23底部のドラ
グ摩擦面23aに、斯かる段差部51,53と同一深さ
を有する段差部55を、ライニングワッシャ31の外周
縁に沿って設けたものである。
【0021】尚、3枚のライニングワッシャ31は、従
来と同様、フェルトやゴム,テフロン(ガラス入り),
ナイロン,コルク,皮(天然,合成)等を用いて同一の
肉厚で円盤形状に成形されているが、図3に示すように
その肉厚mよりも段差部51,53,55の深さnは浅
くなっている。
【0022】又、図1に示すようにスプール21のスカ
ート部21aの後端部には面取り部57が設けられてい
るが、その面取り角θは8°〜35°の間に設定されて
いる。即ち、面取り部57の面取り角θを8°未満に設
定すると、スプール21の内側の肉抜きができなくなっ
てスプール21の重量が重くなると共に、ロータ5の外
径を細くすることができず、又、面取り角θが35°を
超えると、ロータ5側へ糸落ちした釣糸が復帰し難いた
め、本実施形態では、面取り部57の面取り角θを8°
〜35°の間に設定している。
【0023】そして、スプール21の内周には、スプー
ル21の外形加工時にチャック装置のチャック爪を圧接
する加工代59,61が、スカート部21aの前端部と
後端部に同一内径を以って環状に設けられ、両加工代5
9,61間が肉抜きされた構造となっている。本実施形
態に係るドラグ装置19はこのように構成されているか
ら、従来と同様、ドラグ調整ノブ39を回転操作して、
ワッシャ群25,27,31に作用する圧縮バネ45の
ばね圧を調整することで、ドラグワッシャ25,27間
及びドラグワッシャ27と凹陥部23底部のドラグ摩擦
面23aとの間、そして、ドラグワッシャ25とクリッ
クプレート29との間の摩擦結合力が変化して、スプー
ル21へのドラグ力が調整される。
【0024】そして、このとき、積層したワッシャ群2
5,27,31に対する締付力を弱くすると、図3に示
すようにライニングワッシャ31は、上述した各ドラグ
摩擦面23a,25a,27aの全面に圧接せず、段差
部55,51,53を除く一定の範囲L1 でドラグ摩擦
面23a,25a,27aに圧接する。又、積層したワ
ッシャ群25,27,31に対する締付力を強めると、
図4及び図5に示すようにライニングワッシャ31は、
段差部55,51,53を含むドラグ摩擦面23a,2
5a,27aの全面に圧接して、摩擦結合力が変化する
こととなる。
【0025】このように、本実施形態は、ライニングワ
ッシャ31が圧接する被圧接部材たるドラグワッシャ2
5,27のドラグ摩擦面25a,27aと、ライニング
ワッシャ31が圧接する被圧接部材たるスプール21の
凹陥部23底部のドラグ摩擦面23aに、夫々、段差部
51,53,55を設けて、各ドラグ摩擦面23a,2
5a,27aをドラグ調整ノブ39の操作に応じ締付面
積が増減する形状としたので、本実施形態によれば、従
来のドラグ装置に比しドラグ力調整範囲が拡大し、積層
したワッシャ群25,27,31に対する締付力を強め
ることで大きなドラグ耐力を得ることができると共に、
ワッシャ群25,27,31に対する締付力を弱めれ
ば、ライニングワッシャ31が圧接する各ドラグ摩擦面
23a,25a,27aの締付面積が小さくなるため、
魚の引きに応じスプール21がスムーズにスリップ回転
することとなり、この結果、スムーズな釣糸の繰出しに
よる糸切れの防止とドラグ耐力の向上の両立が図れるこ
ととなった。
【0026】図6及び図7はスピニングリールのフロン
トタイプのドラグ装置に請求項1,請求項4及び請求項
5に係る発明を適用した一実施形態を示し、本実施形態
は、上記段差部51,53,55に代え、ライニングワ
ッシャ31が圧接するドラグワッシャ25-1,27-1の
両ドラグ摩擦面25a-1,25a-2,27a-1,27a
-2を、夫々、ライニングワッシャ31の半径方向外方へ
傾斜させて、ドラグワッシャ25-1,27-1を半径方向
へ順次薄肉に成形すると共に、ライニングワッシャ31
が圧接する凹陥部23底部のドラグ摩擦面23a-1を、
ドラグワッシャ27-1のドラグ摩擦面27a-1と平行に
傾斜させたものである。
【0027】そして、各ドラグ摩擦面23a-1,25a
-1,25a-2,27a-1,27a-2に於ける傾斜の始端
部と終端部との高低差は、夫々、ライニングワッシャ3
1の肉厚より小さく設定されている。尚、その他の構成
は図1に示す実施形態と同様であるので、同一のものに
は同一符号を付してそれらの説明は省略する。
【0028】而して、本実施形態に係るドラグ装置19
-1によっても、積層したワッシャ群25-1,27-1,3
1に対する締付力を加減することでドラグ摩擦面25a
-1,25a-2,27a-1,27a-2の締付面積が変化す
るので、上記実施形態と同様、従来のドラグ装置に比し
ドラグ力調整範囲が拡大し、積層したワッシャ群25-
1,27-1,31に対する締付力を強めることで大きな
ドラグ耐力を得ることができると共に、ワッシャ群25
-1,27-1,31に対する締付力を弱めれば、ライニン
グワッシャ31が圧接する各23a-1,25a-1,25
a-2,27a-1,27a-2の締付面積が小さくなるた
め、魚の引きに応じスプール21がスムーズにスリップ
回転することとなって、スムーズな釣糸の繰出しによる
糸切れの防止とドラグ耐力の向上の両立が図れることと
なる。
【0029】図8及び図9は請求項1乃至請求項3に係
る発明をスピニングリールのフロントタイプのドラグ装
置に適用した第二実施形態を示し、図1に示す実施形態
では、図3に示すようにドラグワッシャ25,27と凹
陥部23底部のドラグ摩擦面25a,27a,23aに
夫々段差部51,53,55を設けたが、本実施形態に
係るドラグ装置19-2では、ドラグワッシャ25-1,2
7-1に既存のものを使用し、そして、両ドラグワッシャ
25-1,27-1と凹陥部23のドラグ摩擦面23a-2に
夫々圧接するライニングワッシャ31-1の裏面側のドラ
グ摩擦面31aに、夫々、外周縁に沿って同一幅,同一
深さの段差部63を設けたものである。
【0030】尚、本実施形態に於ても、その他の構成は
図1に示す実施形態と同様であるので、同一のものには
同一符号を付してそれらの説明は省略する。而して、本
実施形態に係るドラグ装置19-2によっても、上記第一
実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能とな
るが、本実施形態によれば、軟質なライニングワッシャ
31-1を加工して段差部63を設ければよく、而も、ド
ラグワッシャ25-2,27-2は既存のものを使用できる
ため、図1に示す実施形態に比し製造が容易で、製造コ
ストを低く抑えることが可能となる。
【0031】図10乃至図12は請求項1乃至請求項3
に係るドラグ装置の第三実施形態を示し、本実施形態は
両軸受型リールに装着されるドラグ装置に本発明を適用
したもので、以下、本実施形態を図面に基づき説明す
る。図10に於て、65は両軸受型リール67のフレー
ム枠体、69,71はフレーム枠体65の左右に装着さ
れた側板で、両側板69,71間にスプール軸73を介
してスプール75が回転可能に支持されている。
【0032】スプール軸73はスプール75の軸心を貫
通して、フレーム枠体65と側板69,71に軸受7
7,79等を介して回転可能に支持されており、側板7
1内に位置するスプール軸73には、ピニオン81が相
対回転可能且つその軸方向へスライド可能に取り付けら
れている。図10に示すようにピニオン81の一端側に
は、スプール軸73よりも大径な開口径をもった筒状部
81aがスプール75側に開口して一体成形されてお
り、スプール軸73には、当該筒状部81a内に設けた
係合凹部81bに係脱可能な1本のクラッチ係合ピン8
3が、その外周面から半径方向へ突出して挿着されてい
る。
【0033】そして、ピニオン81の外周面に設けた環
状溝85にはクラッチプレート87が係止しており、当
該クラッチプレート87は連結プレート89を介してフ
レーム枠体65の後部に装着したクラッチレバー91に
連結されている。そして、従来と同様、クラッチレバー
91の操作でクラッチプレート89が、ピニオン81を
スプール軸73に沿ってスライドさせてクラッチ係合ピ
ン83と係合凹部81bとのクラッチ係合を解除し、ス
プール75を釣糸放出状態とするようになっている。
【0034】又、図10中、93は釣糸巻取り用のハン
ドルで、当該ハンドル93はハンドルアーム95とその
両端部に夫々回動可能に装着されたハンドル摘み97と
で構成されており、ハンドルアーム95はフレーム枠体
65に回動可能に装着された駆動軸99の端部にナット
101で固定されている。そして、駆動軸99には、従
来と同様、ピニオン81に噛合する駆動歯車103が相
対回転可能に嵌挿されると共に、当該駆動歯車103と
駆動軸99とを摩擦結合するドラグ装置105を始め、
駆動軸99の逆転防止装置としての一方向クラッチ10
7が装着され、更に、駆動軸99の端部には、ハンドル
93の釣糸巻取り方向への回転操作でスプール75を釣
糸放出状態から釣糸巻取り状態に切り換えるクラッチ復
帰ギヤ109が固着されている。
【0035】図11はドラグ装置105の詳細を示し、
図中、111は駆動軸99の外周に相対回転不能に嵌合
したドラグワッシャ、113,115は当該ドラグワッ
シャ111と駆動歯車103及び駆動歯車103とクラ
ッチ復帰ギヤ109との間に夫々介装されたライニング
ワッシャ、117は駆動軸99の外周に挿着されたスリ
ーブで、当該スリーブ117は駆動軸99の軸方向へ移
動可能に取り付けられている。
【0036】又、図10に示すように駆動軸99の一端
側にはドラグ調整ノブ119が螺着され、更に当該ドラ
グ調整ノブ119とスリーブ117との間の駆動軸99
には、押圧プレート121と当該押圧プレート121を
クラッチ復帰ギヤ109方向へ付勢する板ばね123が
取り付けられており、本実施形態に係るドラグ装置10
5も、ドラグ調整ノブ119の操作量に応じ押圧プレー
ト121がスリーブ69を介してドラグワッシャ111
とライニングワッシャ113,115、駆動歯車103
を夫々クラッチ復帰ギヤ109へ押圧して、その摩擦力
で駆動軸99と駆動歯車103とを摩擦結合させるよう
になっている。
【0037】そして、図11に示すように本実施形態に
係るドラグ装置105も、図1に示す実施形態と同様、
ライニングワッシャ113が圧接する駆動歯車103と
ドラグワッシャ111のドラグ摩擦面103a,111
aに、駆動軸99を中心として段差部125,127を
一定の幅を以って設けると共に、ライニングワッシャ1
15が圧接するクラッチ復帰ギヤ109のドラグ摩擦面
109aに、駆動軸99を中心として段差部129を設
けたもので、両ライニングワッシャ111,113は上
記ライニングワッシャ31と同一材料で成形されてい
る。そして、各ライニングワッシャ111,113の肉
厚よりも段差部125,127,129は浅く形成され
ている。
【0038】尚、図12はハンドル摘み97の内部構造
を示し、図中、131は一対の分割基部131a,13
1bからなる樹脂製の基部で、両端部の大径開口部13
3内に装着する軸受(図示せず)を介して、基部131
がハンドルアーム95の取付軸(図示せず)に回転可能
に取り付くようになっている。そして、基部131の外
周には略鼓形状に加工されたコルク135が取り付くと
共に、外方側に位置するコルク135の尾部にゴムや樹
脂で成形した補強部材137が取り付けられており、斯
かる補強部材137によって落下時のコルク135の破
損が防止されている。
【0039】本実施形態に係るドラグ装置105はこの
ように構成されているから、ドラグ調整ノブ19を回転
操作して、ワッシャ群111,113,115に作用す
る板ばね123のばね圧を調整することで、ドラグワッ
シャ111と駆動歯車103との間及び駆動歯車103
とクラッチ復帰ギヤ109との間の摩擦結合力が変化し
てスプール75へのドラグ力が調整されるが、このと
き、積層したワッシャ群111,113,115に対す
る締付力を弱くすると、図10に示すようにライニング
ワッシャ113,115は、ドラグ摩擦面111a,1
03a,109aの全面に圧接せず、段差部125,1
27,129を除く締付面積を以って各ドラグ摩擦面1
11a,103a,109aに圧接する。
【0040】そして、積層したワッシャ群111,11
3,115に対する締付力を強めると、ライニングワッ
シャ113,115は、段差部125,127,129
を含むドラグ摩擦面111a,103a,109aの全
面に圧接することとなる。従って、本実施形態によって
も、積層したワッシャ群111,113,115に対す
る締付力を加減することでドラグ摩擦面111a,10
3a,109aの締付面積が変化するので、従来のドラ
グ装置に比しドラグ力調整範囲が拡大し、積層したワッ
シャ群111,113,115に対する締付力を強める
ことで大きなドラグ耐力を得ることができると共に、ワ
ッシャ群111,113,115に対する締付力を弱め
れば、ライニングワッシャ113,115が圧接する各
ドラグ摩擦面111a,103a,109aの締付面積
が小さくなるため、魚の引きに応じスプール75がスム
ーズにスリップ回転することとなり、この結果、スムー
ズな釣糸の繰出しによる糸切れの防止とドラグ耐力の向
上の両立が図れることとなった。
【0041】又、上述の如く構成されたハンドル摘み9
7を用いることで、コルク135が高級感を醸し出し、
又、軽量なコルク135を用いることで釣糸の巻上げ感
が軽くなる利点を有する。尚、上記各実施形態は、スピ
ニングリールのフロントタイプのドラグ装置と両軸受型
リールに装着されるドラグ装置に本発明を適用したが、
本発明はスピニングリールのリヤタイプのドラグ装置や
特開昭53−122584号公報等に開示されるスピニ
ングリールのロータドラグ装置にも適用できることは勿
論であり、これらのドラグ装置にあっても、ライニング
ワッシャ、又は当該ライニングワッシャが圧接するドラ
グワッシャその他の被圧接部材(例えば、リール本体や
ロータ)の少なくともいずれか一つのドラグ摩擦面に、
上述の如き段差部や傾斜を設けて、ドラグ力調整手段の
操作に応じ締付面積を増減可能とすることで、所期の目
的を達成することが可能である。
【0042】又、上述したハンドル摘み97の構造に代
え、図13に示すハンドル摘み97-1のように略鼓形状
に成形した樹脂やゴム製の補強部材139を基部131
の外周全体に取り付けて、その外周の中央部にコルク1
41を薄肉に取り付けてもよいし、図14に示すハンド
ル摘み97-2の如く基部131の外周全体に筒状のコル
ク143を取り付けて、その外周に略卵形状の樹脂やゴ
ム製の補強部材145を取り付けてもよく、図13に示
すハンドル摘み97-1を用いることで、コルク141が
高級感を醸し出すことができ、又、図14に示すハンド
ル摘みによれば、軽量なコルク143を用いることで釣
糸の巻上げ感が軽くなる利点を有する。
【0043】そして、図15はハンドル摘みの更に他の
変形例を示し、このハンドル摘み97-3は、基部131
の外周に略卵形状に成形したコルク147を取り付け
て、その前後両端部に樹脂やゴムで成形した補強部材1
49,151を取り付けたもので、斯かるハンドル摘み
97-3を用いることで、図12に示すハンドル摘み97
と同様、コルク147が高級感を醸し出し、又、軽量な
コルク147を用いることで釣糸の巻上げ感が軽くなる
利点を有する。
【0044】又、例えば図1に示す実施形態では、ドラ
グワッシャ25,27のドラグ摩擦面25a,27aと
凹陥部23底部のドラグ摩擦面23aに夫々段差部5
1,53,55を設けたが、凹陥部23底部のドラグ摩
擦面23aのみに段差部を設ける等、種々設計変更が可
能であることは勿論である。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、各請求項に係る魚釣
用リールのドラグ装置によれば、積層したワッシャ群に
対する締付力を加減することでライニングワッシャや、
当該ライニングワッシャが圧接するドラグワッシャ等の
ドラグ摩擦面の締付面積が変化するので、従来のドラグ
装置に比しドラグ力調整範囲が拡大し、ドラグ力調整部
材を操作して積層したワッシャ群に対する締付力を強め
ることで大きなドラグ耐力を得ることができると共に、
ワッシャ群に対する締付力を弱めれば、ドラグ摩擦面の
締付面積が小さくなるため、スムーズな釣糸の繰出しに
よる糸切れの防止とドラグ耐力の向上の両立が図れるこ
ととなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1乃至請求項3の第一実施形態に係るド
ラグ装置を適用したスピニングリールの要部切欠き側面
図である。
【図2】ドラグ装置の構成を示すスプールの要部切欠き
側面図である。
【図3】ドラグ装置の要部拡大断面図である。
【図4】ドラグ装置の構成を示すスプールの要部切欠き
側面図である。
【図5】ドラグ装置の要部拡大断面図である。
【図6】請求項1,請求項4及び請求項5の一実施形態
に係るドラグ装置の構成を示すスプールの要部切欠き側
面図である。
【図7】ドラグ装置の要部拡大断面図である。
【図8】請求項1乃至請求項3の第二実施形態に係るド
ラグ装置の構成を示すスプールの要部切欠き側面図であ
る。
【図9】ドラグ装置の要部拡大断面図である。
【図10】請求項1乃至請求項3の第三実施形態に係る
ドラグ装置を適用した両軸受型リールの要部切欠き平面
図である。
【図11】ドラグ装置の要部拡大断面図である。
【図12】ハンドル摘みの断面図である。
【図13】ハンドル摘みの第一変形例の断面図である。
【図14】ハンドル摘みの第二変形例の断面図である。
【図15】ハンドル摘みの第三変形例の断面図である。
【符号の説明】
1 リール本体 3 スピニングリール 5 ロータ 7,93 ハンドル 13,73 スプール軸 19,19-1,19-1,19-2,105 ドラグ装置 21,75 スプール 23a,23a-1,23a-2,25a,25a-1,25
a-2,27a,27a-1,27a-2,31a,103
a,109a,111a ドラグ摩擦面 25,25-1,25-2,27,27-1,27-2,111
ドラグワッシャ 29 クリックプレート 31,31-1,113,115 ライニングワッシャ 39,119 ドラグ調整ノブ 43,121 押圧プレート 45 圧縮ばね 51,53,55,63,125,127,129 段
差部 67 両軸受型リール 91 クラッチレバー 99 駆動軸 103 駆動歯車 109 クラッチ復帰ギヤ 123 板ばね

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドラグワッシャとライニングワッシャを
    積層し、ドラグ力調整手段の操作で当該ワッシャ群の締
    付力を加減してドラグ力を調整可能とした魚釣用リール
    のドラグ装置に於て、 上記ライニングワッシャ、又は当該ライニングワッシャ
    が圧接するドラグワッシャその他の被圧接部材の少なく
    ともいずれか一つのドラグ摩擦面を、ドラグ力調整手段
    の操作に応じ締付面積が増減可能な形状に成形したこと
    を特徴とする魚釣用リールのドラグ装置。
  2. 【請求項2】 ライニングワッシャ、又は当該ライニン
    グワッシャが圧接するドラグワッシャその他の被圧接部
    材の少なくともいずれか一つのドラグ摩擦面に段差部を
    設けて、ドラグ力調整手段の操作に応じ締付面積を増減
    可能としたことを特徴とする請求項1記載の魚釣用リー
    ルのドラグ装置。
  3. 【請求項3】 段差部の深さは、ライニングワッシャの
    肉厚より浅く設定されていることを特徴とする請求項2
    記載の魚釣用リールのドラグ装置。
  4. 【請求項4】 ライニングワッシャ、又は当該ライニン
    グワッシャが圧接するドラグワッシャその他の被圧接部
    材の少なくともいずれか一つのドラグ摩擦面をライニン
    グワッシャの径方向へ傾斜させて、ドラグ力調整手段の
    操作に応じ締付面積を増減可能としたことを特徴とする
    請求項1記載の魚釣用リールのドラグ装置。
  5. 【請求項5】 傾斜の始端部と終端部との高低差は、ラ
    イニングワッシャの肉厚より小さく設定されていること
    を特徴とする請求項4記載の魚釣用リールのドラグ装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007006705A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Daiwa Seiko Inc 魚釣用スピニングリ−ル
CN104813985A (zh) * 2014-01-31 2015-08-05 古洛布莱株式会社 钓鱼用卷线器

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