JPH0142468Y2

JPH0142468Y2 -

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Publication number: JPH0142468Y2
Application number: JP1982031718U
Authority: JP
Priority date: 1982-03-05
Filing date: 1982-03-05
Publication date: 1989-12-12
Also published as: JPS58135269U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、スピニングリール、詳しくは取付脚
をもつたリールボデイの前方に回転枠とスプール
とを支持し、前記回転枠の回転により前記スプー
ルに釣糸を巻取るようにしたスピニングリールに
関する。

一般に、此種リールは、回転枠の逆回転防止装
置と、スプールのスプール軸に対する摩擦力を回
転つまみの締付操作により調整するドラツグ機構
とを設けて、釣糸に、該釣糸が切断する恐れのあ
る一定値以上の魚の引力が加わつたとき、前記回
転枠を逆回転阻止の状態で、前記摩擦力を小さく
調整して、スプールを釣糸の繰出し方向に適量回
転させるようにしたり、または前記ドラツグ機構
のつまみを強く締付けると共に、前記回転枠を逆
回転自由の状態とし、ハンドルの逆回転により釣
糸を所望量繰出すようにして、釣糸が切断するの
を防止すべくしている。

ところが、前者によれば、釣糸に加わる魚の引
力が一定値以上で変動するごとく、ハンドルを正
回転操作する手をハンドルから離して、ドラツグ
機構のつまみをもつて調整操作する必要があるた
め全体に操作が因難な問題があり、また、後者に
よれば、ハンドルを逆回転するとき、釣糸に加わ
る魚の引力が変動するに応じて逆回転量を加減し
該引力を常に適度な値に調整する必要があり、ハ
ンドル操作に熟練を要する問題がある。

ところで、上記問題を解決したリールとして
は、特公昭52−876号公報に示されているごとく、
すでに提案されている。即ち、このリールは、回
転枠の後部に制動円板を設け、該円板を制動する
制動部をもつた操作具をリールボデイの取付脚近
くに位置させて、釣竿を支持する一方の手で、操
作具の操作も併せ行なえるようにしたものであ
る。

ところが、前記制動円板を特別に形成すると共
に、該円板を回転枠の後部に、制動力が加わつて
も脱落しないように固定する必要があり、回転枠
の制動部周りの構造が複雑で、部品点数が多く、
部品コスト、組立コストが高くなると共に回転枠
ひいては全体が重量化することとなる問題があつ
た。

しかして、本考案は以上の問題を解消すべく考
案したもので、目的とする所は、釣糸に加わる魚
の引力が一定値を越えたとき、回転枠を制動しな
がら逆回転させて釣糸を繰出し、魚の引力を適正
値に調整する操作を、釣竿を支持する手で確実に
行なうことが可能で、他方の手によりハンドル操
作して釣糸の切断なく魚の釣上げを容易に行なえ
ると共に、回転枠の制動面の構造が簡単で、部品
点数少なく部品コスト、組立コストともに安価
で、しかも回転枠ひいては全体の軽量化を実現で
きると共に、リールボデイ内の水滴や塵埃の侵入
を確実に阻止できながら、揺動体を介して制動部
材を操作できるスピニングリールを提供する点に
ある。

即ち、本考案は、取付脚をもつたリールボデイ
の前方に回転枠とスプールとを支持し、前記回転
枠の回転により前記スプールに釣糸を巻取るよう
にしたスピニングリールであつて、前記回転枠の
前記リールボデイに対向する対向面に環状の制動
面を形成し、かつ、前記リールボデイに、該リー
ルボデイを貫通して前記制動面に対し進退可能と
した制動体を移動自由に支持すると共に、前記リ
ールボデイ内に一端に前記制動体と接触するカム
部をもつた揺動体を枢支する一方、前記取付脚に
操作具を支持してこの操作具にインナーワイヤの
一端を取付け、該インナーワイヤの他端を前記リ
ールボデイの上壁を貫通して前記揺動体の他端部
に取付け、前記操作具を前記揺動体に連動連結す
ると共に、前記インナーワイヤを案内するアウタ
ーワイヤの一端を前記取付脚における前記操作具
の接続部後方に係止し、他端を、前記リールボデ
イの上壁に係止したことを特徴とするものであ
る。

以下、本考案リールを図面に示す実施例に基い
て説明する。

図面において、１は釣竿への取付脚１ａをも
ち、前面に貫通孔１ｂをもつ中空のリールボデイ
であり、２はこのリールボデイ１の側壁に支持す
るマスターギヤ３をもつたハンドル軸であり、４
は前記マスターギヤ３に噛合うピニオンギヤ５を
もち、かつ、前記リールボデイ１の貫通孔１ｂ部
分に回転自由に支持する筒軸であり、６はこの筒
軸４を介して、前記リールボデイ１に前後方向に
往復動自由に支持するスプール軸である。

前記筒軸４は、一端がリールボデイ１内に突入
し、他端が外方に突出して、リールボデイ１内へ
の突入端部外周に前記ピニオンギヤ５を設け、外
方への突出端部外周にベールアームを備えた回転
枠７を固定している。そして、この回転枠７に
は、該回転枠７の逆回転を防止する逆回転防止機
構８を設けている。この機構８は、図中に、詳記
していないが、リールボデイ１内に突入した筒軸
４にラチエツト８ａを設けると共に、リールボデ
イ１に、このラチエツト８ａに係脱自由とした爪
８ｂを枢支し、また、リールボデイ１の外部につ
まみ８ｃを設けて、該つまみ８ｃの操作により、
爪８ｂをラチエツト８ａに係合させることによ
り、回転枠７が逆回転するのを防止すべくしてい
る。

また、前記スプール軸６は、前記筒軸４を貫通
して、一端がリールボデイ１内に突入し、他端が
外方に突出して、前記リールボデイ１内への突入
端に、前記リールボデイ１の側壁に設けるガイド
溝に突入してスプール軸６の回転を阻止し、軸方
向の移動のみを許すスライダー９ａと、ハンドル
軸２の回転によりスプール軸６を軸方向に往復動
させる往復動機構９ｂとを設け、外方への突出部
外周にスプール１０を回動自由に取付けている。
このスプール１０は、釣糸収納部の後部フランジ
１０ａの周縁から後方に延びるスカート部１０ｂ
をもつており、また、前端部にスプール軸６に対
するドラツグ機構１１を設けている。

このドラツグ機構１１は、スプール１０の前端
面から内方に収納口１０ｃを設けて、該収納口１
０ｃ内に、スプール軸６に対し相対回転不能で軸
方向移動自由な摩擦板１２ａ…と、スプール１０
に対しスプライン結合して相対回転不能で軸方向
移動自由な摩擦板１２ｂ…とを交互に装入すると
共に、前記スプール軸６の前端部に摩擦板１２ａ
…，１２ｂ…を収納口１０ｃ内方に押圧するドラ
ツグつまみ１３を進退自由に螺設して、該つまみ
１３の回転操作より、つまみ１３端面とスプール
１０の端面とによる摩擦板１２ａ…，１２ｂ…に
対する押圧力を変えて、スプール１０のスプール
軸６に対する回転抵抗を調整すべくしている。

しかして、本考案は、以上のごとく構成したス
ピニングリールにおいて、前記回転枠７の前記リ
ールボデイ１に対向する対向面に環状の制動面１
４を形成すると共に、前記リールボデイ１に該リ
ールボデイ１を貫通して、前記制動面１４に対し
進退可能とし制動体１５を移動自由に支持し、該
制動体１５の操作具１６を前記取付脚１ａ近くに
設けるごとく成すのである。

具体的には、図面のごとく、前記回転枠７は、
前記スプール１０のスカート部１０ｂにおけるフ
ランジ１０ａ側に配置して筒軸４に取付けた略円
板状の端面をもつた筒状本体７ａと、該本体７ａ
の開口外縁から前記スカート部１０ｂの外側前方
に亘り延びる１対の腕杆７ｂとを持つごとく形成
し、前記筒状本体７ａの開口部に前記リールボデ
イ１の前端部を装入すべく成すのである。

そして、前記回転枠７の筒状本体７ａにおける
円板状端面の半径方向外側周縁に、凹状の前記環
状制動面１４を形成すると共に、該制動面１４に
対向するリールボデイ１の前壁に、前記制動体１
５を前後方向に進退自由に支持するのである。

この制動体１５は、前部に前記凹状の制動面１
４内に突入し、制動面１４の底壁、側壁に圧接し
て回転枠７を制動する制動部材１５ａを、また後
部にフランジ１５ｂを持ち、該フランジ１５ｂと
リールボデイ１の前壁との間に、制動体１５を後
方に付勢するバネ１７を設けるのであり、この制
動体１５には前記操作具１６の操作力を、インナ
ーワイヤ１９及びアウターワイヤ２０からなる伝
導機構１８を介して伝導させるのである。

前記操作具１６は、図のごとく操作杆１６ａを
横向きとし、かつ先端を前方に向けて、反時計方
向に往動及び時計方向に復動自由に、後部を取付
脚１ａに枢支すると共に、枢支部下側に前記伝導
機構１８の接続部１６ａを延出するのである。

そして、伝導機構１８は、インナーワイヤー１
９を内装したアウターワイヤー２０の一端を、前
記操作具１６の接続部１６ｂ後側の取付脚１ａに
取付け、インナーワイヤー１９の一端を接続部１
６ｂに取付けると共に、アウターワイヤー２０の
他端部をリールボデイ１の上壁内に突入させて該
上壁に取付ける。そして、この取付部と前記制動
体１５のフランジ１５ｂとの間に、前記制動体１
５と接触し、該制動体１５を進退移動させるカム
部２１ａをもつた揺動体２１を揺動自由に枢支し
て、該揺動体２１にインナーワイヤー１９の他端
部を取付けて、（以下実線矢示のごとく）前記操
作具１６を引上げ時計方向に往動させることによ
り、インナーワイヤー１９を上動させて揺動体２
１を揺動させカム部２１ａによりバネ１７の付勢
力に抗して制動体１５を前進させて制動面１４に
圧接させ、かつ、（以下点線矢示のごとく）前記
操作具１６を反時計方向に復動させることによ
り、インナーワイヤー１９を下動させて揺動体２
１のカム部２１ａによりバネ１７に付加していた
圧力を取去つて、該バネ１７の付勢力により制動
体１５を後退させ制動面１４から離間させるごと
く成すのである。

尚、２２は回転枠７の固定ナツト、２３は筒軸
４の軸受、２４はドラツグ機構１１における摩擦
板１２ａ，１２ｂの抜止めリング、２５はつまみ
１３と筒軸６との螺合のゆるみ止め弾板である。

しかして、以上の構成において、魚釣時、前記
ドラツグつまみ１３を締付け操作すると共に、前
記つまみ８ｃにより、前記回転枠７を逆回転自由
の状態として、一方の手で取付脚１ａ付近の釣竿
を支持し、他方の手でハンドルを把持するのであ
る。そして、魚がかかつた場合、釣糸に加わる魚
の引力が、釣糸の切断する恐れのない小なる値の
場合には、魚の引力に抗してそのままハンドルを
正回転させて魚を釣上げるのであり、また前記引
力が、釣糸の切断する恐れのある大なる値の場合
には、釣竿を支持している手の指を前記操作杆１
６ａの先端操作部迄伸ばして、操作杆１６ａを実
線矢示のごとく引上げ操作し、かつ、ハンドルか
ら手を離すのであり、斯くすることにより制動体
１５が進出作動して制動面１４に圧接し、回転枠
７の逆回転が制動される。従つて、操作杆１６ａ
を引上げ操作するときの引上げ力を加減すること
により、回転枠７の逆回転の制動力ひいては、ス
プール１０から繰出す釣糸の繰出量を調整でき、
釣糸に加わる魚の引力を、釣糸の切断する恐れの
ない値に保持でき、前記ハンドルの正回転による
魚の釣上げを、釣糸の切断なく迅速かつ容易に行
なうことが可能となるのである。

以上のごとく、釣竿を支持する手で操作具１６
を操作して回転枠７の逆回転に対する制動を、ま
た、他方の手でハンドルを正回転させて釣糸の巻
取りを、それぞれ独立的に行なえるので、魚の引
力が大きくとも釣糸を切断することなく魚の釣上
げを確実に行なえるのである。

また、前記回転枠７に、制動部材を用いずに制
動面１４を形成したので、制動部材を用いるもの
にくらべて構造が簡単で、かつ部品点数を減少で
き、コストダウンを実現できると共に、回転枠７
ひいては全体の軽量化を計れると共に、リールボ
デイ１内への水滴や、塵埃の侵入を確実に阻止す
ることができながら揺動体２１を介して制動体１
５を操作具により操作することができ、しかも、
前記揺動体２１は水滴や塵埃から完全に保護され
ているので、これらの侵害による錆付きや、作動
不良を起こすことがなく、常に安定した作動を得
られると共に、前記揺動体２１と前記制動体１５
におけるフランジ部１５ｂとの接触はカム部で行
なつており、前記揺動体２１の回動支点に対し、
前記カム部及びインナーワイヤ１９を取付けてい
る遊端とのレバー比を自由に設定できるので、操
作杆１６ａにおける小さい力で、前記カム部を介
して、前記制動体１５におけるフランジ部１５ｂ
へ大きな作用力を及ぼすことができるのである。

また、以上の説明では、前記制動面１４を凹状
にして制動体１５を圧入させるようにしたが、制
動面を凸状にして、制動体１５を凸部の頂面に圧
接させても、また、凸部に跨がつて凸部の頂面、
側面に圧接させるようにしてもよい。また、前記
制動面１４は、硬質ゴムなどの制動部材を別に形
成して、回転枠７に固着すべくしてもよい。尚、
図中ａはボデイ１の前部下方へ突出状に形成した
突片である。

以上のごとく本考案は、取付脚をもつたリール
ボデイの前方に回転枠とスプールとを支持し、前
記回転枠の回転により前記スプールに釣糸を巻取
るようにしたスピニングリールであつて、前記回
転枠の前記リールボデイに対向する対向面に環状
の制動面を形成し、かつ、前記リールボデイに、
該リールボデイを貫通して前記制動面に対し進退
可能とした制動体を移動自由に支持すると共に、
前記リールボデイ内に、一端に前記制動体と接触
するカム部をもつた揺動体を枢支する一方、前記
取付脚に操作具を支持してこの操作具にインナー
ワイヤの一端を取付け、該インナーワイヤの他端
を前記リールボデイの上壁を貫通して前記揺動体
の他端部に取付け、前記操作具を前記揺動体に連
動連結すると共に、前記インナーワイヤを案内す
るアウターワイヤの一端を前記取付脚における前
記操作具の接続部後方に係止し、他端を、前記リ
ールボデイの上壁に係止したことを特徴としたの
であるから、魚がかかつた時、釣竿を支持する手
で操作具を操作して回転枠の逆回転に対する制動
を、また他方の手でハンドルを正回転させて釣糸
の巻取りを、それぞれ独立的に行なえ、従つて、
魚の引力が大きくとも、釣糸の繰出量を調整し
て、釣糸に加わる魚の引力を、釣糸の切断する恐
れのない値に容易に制御でき、ハンドルの正回転
による魚の釣上げを、釣糸の切断なく迅速かつ簡
単に行なうことができる。

しかも、特別な制動部材を用いずに回転枠に制
動面を形成できるので、制動面の構造が簡単で、
部品コスト、組立コストともに安価で、しかも回
転枠ひいては全体の軽量化を実現できると共に、
リールボデイ内への水滴や、塵埃の侵入を確実に
阻止することができながら揺動体を介して制動体
を操作具により操作することができ、しかも、前
記揺動体は水滴や塵埃から完全に保護されている
ので、これらの侵害による錆付きや、作動不良を
起こすことがなく、常に安定した作動が得られる
と共に、前記揺動体と前記制動体におけるフラン
ジ部との接触はカム部で行なつており、前記揺動
体の回動支点に対し、前記カム部及びインナーワ
イヤを取付けている遊端とのレバー比を自由に設
定できるので、操作杆における小さい力で、前記
カム部を介して前記制動体におけるフランジ部へ
大きな作用力を及ぼすことができる作用効果が得
られるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施例を示す断面正面図であ
る。１……リールボデイ、１ａ……取付脚、７……
回転枠、１０……スプール、１４……制動面、１
５……制動体、１６……操作具。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

取付脚をもつたリールボデイの前方に回転枠と
スプールとを支持し、前記回転体の回転により前
記スプールに釣糸を巻取るようにしたスピニング
リールであつて、前記回転枠の前記リールボデイ
に対向する対向面に環状の制動面を形成し、か
つ、前記リールボデイに、該リールボデイを貫通
して前記制動面に対し進退可能とした制動体を移
動自由に支持すると共に、前記リールボデイ内
に、一端に前記制動体と接触するカム部をもつた
揺動体を枢支する一方、前記取付脚に操作具を支
持してこの操作具にインナーワイヤの一端を取付
け、該インナーワイヤの他端を前記リールボデイ
の上壁を貫通して前記揺動体の他端部に取付け、
前記操作具を前記揺動体に連動連結すると共に、
前記インナーワイヤを案内するアウターワイヤの
一端を前記取付脚における前記操作具の接続部後
方に係止し、他端を、前記リールボデイの上壁に
係止したことを特徴とするスピニングリール。