JPH10293816A - カード払出し装置 - Google Patents

カード払出し装置

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JPH10293816A
JPH10293816A JP13203498A JP13203498A JPH10293816A JP H10293816 A JPH10293816 A JP H10293816A JP 13203498 A JP13203498 A JP 13203498A JP 13203498 A JP13203498 A JP 13203498A JP H10293816 A JPH10293816 A JP H10293816A
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slide
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cassette
posture
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Yukio Ito
伊藤  幸男
Yoshihisa Hirayama
能久 平山
Hideo Tanaka
秀夫 田中
Takashi Imaizumi
崇 今泉
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Nippon Conlux Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カードの安定した払出を図るカード払出し装置
を提供する。 【解決手段】カード払出し装置1のカード排出手段22
を、外周に摩擦係数の大きい弾性体63aが巻回され、
その一部に大径化した突出部63bが形成された駆動ロ
ーラ63と、この駆動ローラ63の周面に圧接する従動
ローラ65とにより構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はテレホンカード、
あるいはオレンジカード等の比較的板厚が薄いカードを
複数枚積載収容し、その積載収容した複数枚のカードを
その最下面から一枚ずつ払い出すようにしたカード払出
し装置に関し、特に変形したカードも円滑に払い出せる
ようにしたカード払出し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、テレホンカード等を販売する
カード自動販売機の機器筐体内には、投入金額に応じた
カードを払い出すカード払出し装置が設置されている。
【0003】このカード払出し装置は大別して、多数枚
のカードを積載収容するカード収容部と、このカード収
容部に積載された多数枚のカードのうち、その最下面に
あるカードを一枚ずつ押し出すカード払出部とから構成
されている。
【0004】一方、上述したカード払出し装置のカード
払出部内には、カード収容部から一枚ずつ分離され押し
出されたカードを装置の外部へ排出するためのカード排
出手段が配設されている。
【0005】このカード排出手段は、排出されるカード
の幅方向に沿って配設された一対の駆動ローラと、この
駆動ローラに圧接する従動ローラとから構成され、この
駆動ローラと従動ローラとの間にカードを把持して当該
カードに対し搬送力を与え、これによりカードをカード
払出口へ排出させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したカ
ード払出装置においては、カード収容部内に積載された
多数枚のカードの中にはその幅方向に沿って反り等の変
形が生じたカードも含まれることもあるが、そのような
幅方向に変形したカードが一対の駆動および従動ローラ
間に押し込まれると、その変形したカードの変形部分に
より駆動ローラの周面に弾発的に圧接する従動ローラが
浮き上がり、このためカードを駆動ローラと従動ローラ
間に確実に把持して搬送力を与えることができずスリッ
プし、これにより搬送されるカードにスキュ(斜行)等
が発生して、カード詰りを発生させる要因となってい
た。
【0007】この発明は上述した事情に鑑み、カードの
安定した払出しを図るカード払出し装置を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、この発明では、多数枚のカードを積載収容するカ
ード収容部と、該カード収容部に積載収容された多数枚
のカードを、その最下面から一枚ずつ分離搬送するカー
ド分離搬送手段と、該カード分離搬送手段を介し分離搬
送されたカードをその上下面から把持して当該カードを
カード払出口から排出するカード排出手段とを具えたカ
ード払出し装置において、前記カード排出手段を、外周
に摩擦係数の大きい弾性体が巻回され、その一部に大径
化した突出部が形成された一対の駆動ローラと、該駆動
ローラの周面に圧接する従動ローラとにより構成してい
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係わるカード排
出手段を適用したカード払出し装置を詳述する。
【0010】図1はこの発明に係わるカード排出手段を
適用したカード払出し装置1の側面図である。
【0011】このカード払出し装置1は、大別して複数
枚のカードを積載収容するカード収容部2と、このカー
ド収容部2に積載収容されたカードを一枚ずつ払い出す
カード払出部3とから構成されている。
【0012】このうち、カード収容部2はカード払出部
3内に位置決め装着されたカセットベース4と、このカ
セットベース4の上面にネジ5等の締着手段により締着
されたカセットボックス6とから構成され、このカセッ
トボックス6の正面に形成されたカード挿入口7はカセ
ットドア8により開閉自在に覆われている。
【0013】この、カセットベース4の両側面には図1
およびカード払出し装置1の正面図で示す図2に示すよ
うに、一対のラッチレバー9が装着されており、このラ
ッチレバー9を一方向へ回動させることによりカード収
容部2はカード払出部3に対し着脱自在な構成となって
いる。なお、図2で符号8´はカセットボックス6内に
収容されるカードの枚数を表示する表示板である。
【0014】即ち、図1で示すカード払出部3に対する
カード収容部2の装着状態から、一対のラッチレバー9
を軸4aを中心に矢印の如く反時計方向へ回転させる
と、カード払出部3とカセットベース4との間のラッチ
が解除されるので、カード収容部2全体を上方へ引き上
げれば、図3で示すようにカード収容部2のみをカード
払出部3から取り外すことが可能である。
【0015】一方、図3で示すように、ラッチレバー9
はカセットベース4の側方に突出形成された軸4aに回
動自在に支承され、その先端部9aにはカード払出部3
の内部に突設された突起3aと係合する係合爪9bが形
成されている。
【0016】また、軸4aに嵌挿するラッチレバー9の
軸受孔9c近傍には一体に略U字形状のバネ体9dが形
成され、その自由端はカセットベース4側方の対称な位
置にそれぞれ形成された一対の段部4b、4cのうちの
一方の段部4bに係合している。したがって、ラッチレ
バー9はバネ体9dの付勢力により、軸4aを中心に時
計方向への付勢力が常時付与されている。
【0017】一方、ラッチレバー9に形成された係合爪
9bの表裏面にはそれぞれ突起9eが形成され、この突
起9eはカセットベース4の両側方中央部のそれぞれ左
右対称な位置に形成された一対の円弧形状ガイド溝4
d、4eのうちの一方のガイド溝4dに係合している。
【0018】従って、カセットドア8側に延出されたラ
ッチレバー9の先端9fを軸4aを中心に回動させると
突起9eがガイド溝4dに沿って移動し、これによりラ
ッチレバー9の所定回転角度以上の回動が規制されてい
る。
【0019】なお、図3で示すラッチレバー9の取付け
位置から、当該ラッチレバー9を抜き取り、その表裏を
逆にして図4で示すように再びラッチレバー9を軸4a
に嵌挿させ、今度はラッチレバー9のバネ体9dの自由
端をカセットベース4に形成された他方の段部4cに係
合させ、また突起9eを他方のガイド溝4eに係合させ
ると、ラッチレバー9の先端9fはカセットドア8とは
反対方向へ延出され、これによりカセットドア8とは反
対の方向からラッチレバー9を操作することが可能とな
る。
【0020】即ち、図3で示すラッチレバー9の取付け
位置では、当該ラッチレバー9の操作がカセットドア8
側から可能な態様となり、また図4で示すラッチレバー
9の取付け位置ではカセットドア8の反対側からラッチ
レバー9の操作が可能な取付態様となる。
【0021】つまり上述した各ラッチレバー9の取付け
態様によると、カセットボックス6内にカードを補給す
る際にカード収容部2全体をカード払出部3(図1)か
ら取り外す場合があるが、その際、図3で示すラッチレ
バー9の取付け態様によると、矢印Aで示すカード払出
方向側にあるカセットドア8側からオペレータが操作し
てカード収容部2をカード払出部3から取り外す場合
に、その操作を容易にすることができ、また図4で示す
ラッチレバー9の取付け態様によると、カセットドア8
の反対側からオペレータが操作してカード収容部2をカ
ード払出部3から取り外す場合に、その操作を容易にす
ることができる。
【0022】一方、上述したカセットボックス6は図3
で示すように、カセットベース4の中央部上面に突出形
成された二等辺三角形状の突起4fを中心に位置決めさ
れ、またカセットドア8の下端に突設された軸8aを支
承する軸受孔4gも前記突起4fを中心として左右対称
な位置にそれぞれ一対形成されているため、カセットベ
ース4に対するカセットボックス6の取付け位置を前後
逆にして装着することも可能である。
【0023】即ち、図3で示すカセットボックス6の取
付け位置から図5で示すようにネジ5を取り外した後、
カセットボックス6およびカセットドア8をカセットベ
ース4から取り外し、次に図6で示すように、カセット
ボックス6およびカセットドア8を前後逆にし、再びカ
セットベース4に取り付けると、図7で示すように矢印
Aで示すカード払出方向側とは反対の方向にカセットド
ア8を装着することができる。
【0024】即ち、図7で示すカセットボックス6、カ
セットドア8、およびラッチレバー9の取り付け態様に
よると、矢印Aで示すカード払出方向側とは逆の方向か
らカセットドア8を開けてカセットボックス6内にカー
ドを補給する作業が容易となり、また矢印Aで示すカー
ド払出方向側からラッチレバー9を操作してカード収容
部2を取外す作業も容易となる。
【0025】また図7で示すラッチレバー9の取付け位
置から、当該ラッチレバー9の取付け位置を図8のよう
に表裏を逆にすると、矢印Aで示すカード払出方向側と
は逆の方向からカセットドア8を開けてカセットボック
ス6内にカードを補給する作業が容易となり、また矢印
Aで示すカード払出方向側とは逆の方向からラッチレバ
ー9を操作してカード収容部2を取外す作業も容易とな
る。
【0026】次に上述したカード収容部2の内部構造を
詳述する。
【0027】図9は上述したカード収容部2の拡大断面
図で、図3と同一部分を同一符号で示す。
【0028】前述したように、このカード収容部2はカ
ード払出部3(図1)内に位置決め装着されたカセット
ベース4と、このカセットベース4の上面に固着された
カセットボックス6と、このカセットボックス6のカー
ド挿入口7を開閉するカセットドア8とから構成されて
いる。そして、このカセットベース4とカセットボック
ス6内には、補給される複数枚のカード(図示せず)を
カセットベース4の底面10に押し付ける押圧手段11
が配設されている。なお、このカセットベース4の底面
10にはカードの払出方向に沿って後述するスライドが
往復走行する溝10aが形成されている。
【0029】この押圧手段11は断面コの字形状のベー
スプレート12と、このベースプレート12とカセット
ボックス6の天井6aと間に配設されたコイルスプリン
グ13とから構成され、このコイルスプリング13の付
勢力により、ベースプレート12は常時下方へ(カセッ
トベース底面10側へ)付勢されている。
【0030】一方、ベースプレート12の上面にはカー
ド補給時にベースプレート12を強制的に上方へ押上
げ、これによりカード挿入口7全体を拡開してカードの
補給作業を容易にするベースプレート持上げ手段14が
配設されている。
【0031】このベースプレート持上げ手段14は、上
端のみが互いに係合するそれぞれ径の相異なった複数個
(6個)の筒体14a、14b、14c、14d、14
e、14fから構成され、そのうち最上端に位置する筒
体14fの上面にはキャップ15がネジ16により固着
されている。なお、このキャップ15の径はカセットボ
ックス6の天井6aに形成された筒体嵌挿孔6bよりも
大きく設定されているので、キャップ15がこの孔6b
を介しカセットボックス6内に落下することはない。
【0032】なお、上述した複数個の筒体14a、14
b、14c、14d、14e、14fは最下方に位置す
る筒体14aから上方に位置する筒体14fへ向け、順
次その径が小さく設定されている。
【0033】一方、最下方に設置された最大径の筒体1
4a周面と、カセットボックス6の天井6aに形成され
た筒体嵌挿孔6bの周面との間には両者を係合する図示
せぬ係合手段が配設されている。
【0034】この係合手段によると、カード補給の際
に、カセットドア8の上端に形成された一対の舌片8
b、8cを押し縮め、これにより当該舌片8bに形成さ
れた突起8dとカセットボックス6の舌片6cに形成さ
れた係合孔6dとの係合を解除してカセットドア8を開
いた後、キャップ15を摘み上げコイルスプリング13
の付勢力に抗してベープレート12を上方に持ち上げる
と、上述した筒体14a周面とカセットボックス6の孔
6b周面との間に介在された前記図示せぬ係合手段とが
係合して筒体14aが筒体嵌挿孔6bの位置に位置決停
止し、同時に図10で示すようにベープレート12がカ
セットボックス6内の上端位置に停止し、カード挿入口
7全体が拡開することとなる。なお図10で、符号17
はカセットボックス6の舌片6cの下方に突出した前記
係合手段の係合解除レバー、符号18はカセットボック
ス6の内周面であって、その幅方向両側面に配置された
断面台形状の一対のボックスプレートである。なおこの
一対のボックスプレート18を着脱することにより、カ
セットボックス6内に幅が異なる各種サイズのカードを
収納することが可能となる。
【0035】即ち、幅の広いカードをカセットボックス
6内に収納する場合は、この一対のボックスプレート1
8を取外してそのカードを補給すればよく、また幅サイ
ズが狭いカードを収納する場合は、実施例のように、一
対のボックスプレート18をカセットボックス6内に装
着すれば良い。
【0036】なお、図10で示すように、図示せぬ前記
係合手段とが係合して筒体14aが筒体嵌挿孔6bの位
置に停止した後、キャップ15の摘み上げ動作を解除す
ると、筒体14aを除く各筒体14a、14b、14
c、14d、14e、14fは筒体14a内に落下し、
その内部に全て収納される。
【0037】従って、上述した実施例によると、カセッ
トボックス6内へのカード補給作業を行う際は、ベース
プレート持上げ手段14がカセットボックス6の上方に
突出せず、当該カセットボックス6の高さ方向のサイズ
を変化させないので、カード収容部2の自動販売機内へ
の出し入れ作業が一層容易となる。
【0038】次に、図10に示す位置から、カセットド
ア8をさらに拡開してカード挿入口7を大きく解放し、
その後、そのカード挿入口7から図11で示すように、
複数枚のカード19をカセットボックス6内に補充し、
その後再びカセットドア8によりカード挿入口7を閉塞
すると、その際カセットドア8の先端8eと係合解除レ
バー17とが衝突して、当該係合解除レバー17を押し
込み前述した係合手段の係合を解除するので、図12で
示すように、ベースプレート12はベースプレート持上
げ手段14を構成するコイルスプリング13の付勢力に
より下方に移動し、複数枚のカード19をその上面から
押圧して、複数枚のカード19全体をカセットベース底
面10側に押し付けることとなる。
【0039】次に、カード払出部3を詳述する。
【0040】図13は、カード収容部2を取り除いたカ
ード払出部3の上面図である。
【0041】このカード払出部3は平面矩形状の筐体2
0内に配設された、カード分離搬送手段21と、このカ
ード分離搬送手段21により一枚ずつ搬送されたカード
を筐体20から排出するカード排出手段22とから構成
されている。
【0042】なお、カード分離搬送手段21は筐体20
の上面を覆うセンターベース23下方に配設され、また
カード排出手段22は筐体20の先端側を覆う出口ブラ
ケット24の下方にそれぞれ配設されている。
【0043】このカード分離搬送手段21は、前述した
カード収容部2に収容された複数枚のカード19(図1
2)のうち、その最下面に位置するカードと係合し、当
該係合したカードを一枚ずつ分離搬送させるもので、そ
の構成要素は、カードと係合するスライド25、このス
ライド25を図面の左右方向へ往復走行させるスライド
駆動手段26、スライド25を図面の左右方向へ案内す
るスライド案内手段27、走行途中でスライド25の姿
勢を変更させるスライド姿勢変更手段28とから構成さ
れている。
【0044】このうちスライド25は、その拡大平面図
で示す図14のように焼結金属部材により形成されたス
ライド本体30と、このスライド本体30を収容するス
ライドホルダ31とから構成され、このスライドホルダ
31の先端31aは、図14のBB断面で示す図15の
ように、軸32を介し後述するスライド駆動手段26の
一部を構成する往復スライダリンク機構33の往復スラ
イダ34に回動自在に支承されている。なお、前記スラ
イド本体30の上面30aには分離搬送する後述するカ
ードの板厚よりも若干薄い高低差を有する段差部30b
が形成されている。
【0045】一方、スライドホルダ31を回動自在に支
承する軸32には、後述するスライド姿勢変更手段28
の一部を構成するコイルバネ35からなる付勢手段36
が巻回され、このコイルバネ35の一端35aはスライ
ドホルダ31に係合し、他端35bは往復スライダ34
に係合している。
【0046】従って、上述した付勢手段36によると図
15で示すように、コイルバネ35の付勢力によりスラ
イドホルダ31は一点鎖線で示す水平姿勢から実線で示
す傾斜姿勢へ常時付勢されることとなる。
【0047】なお、図14で符号31cは、後述するス
ライド姿勢変更手段28の一部を構成するスライドホル
ダ31の後端31b両側方に突出形成された一対のガイ
ド突起で、このガイド突起31cは後述するスライド姿
勢変更手段28の一部と係合しスライドホルダ31を図
15の一点鎖線で示す、払い出すカードと平行な水平姿
勢と、カードから離間する実線で示す傾斜姿勢とにその
姿勢を変更させる。
【0048】次に上述したスライド駆動手段26を説明
する。
【0049】スライド駆動手段26は図13のCC断面
で示す図16のように、第1の駆動モータ40と、この
駆動モータ40の回転を減速して伝達する歯車伝達機構
41と、この歯車伝達機構41の出力軸42から伝達さ
れた回転力をスライド本体30の左右方向への往復運動
に変換する往復スライダリンク機構33とから構成され
ている。
【0050】この往復スライダリンク機構33は歯車伝
達機構41の出力軸42から伝達された回転力により回
転する円板43と、この円板43の上面外周に突設され
た突起43aと、該突起43aと係合するガイド溝34
aを有する前記往復スライダ34とから構成されてい
る。
【0051】このうち、円板43は筐体20内を上下に
画成する隔壁44に形成された軸受孔44a内に軸中心
部43bが回動自在に支承されており、また図14で示
すように、ガイド溝34aは往復スライダ34と一体に
形成されたガイドバー34b内に形成されている。
【0052】なおこのガイドバー34bと筐体20との
間には往復スライダ34が図16で示す初期位置にある
か否かを検出する図示せぬ第1の検出手段が配設されて
おり、この第1の検出手段は往復スライダ34が図16
の初期位置にある場合は図示せぬ制御装置にOFF信号
を送出し、また図16で示す初期位置から移動するとそ
の制御装置にON信号を送出する。
【0053】このような、往復スライダリンク機構33
によると、円板43が一回転し、それに連動して突起4
3aがガイド溝34aに沿い一往復すると、その間に往
復スライダ34が図16で示す初期位置から、左方向
(往路方向)へ移動し、次に右方向(復路方向)へ移動
して再び図16で示す初期位置に復帰するという往復運
動を行う。
【0054】次に、上述した駆動手段26の往復スライ
ダ34を介し前記スライド25を図面の左右方向へ案内
するスライド案内手段27を詳述する。
【0055】このスライド案内手段27は図13で示す
ようにセンターベース23の中央であって、図面の左右
方向に沿って形成されたローラ案内溝23aと、この案
内溝23aに嵌挿してガイドされるガイドローラ45
と、図16で示す往復スライダ34を図面の左右方向へ
ガイドするスライダ案内溝23bとから構成され、この
うちローラ案内溝23aとスライダ案内溝23bはとも
にセンターベース23に形成され、またガイドローラ4
5は図14、15で示すように取付けネジ46を介し平
面矩形状の往復スライダ34に回動自在に取り付けられ
ている。
【0056】このようなスライド案内手段27による
と、駆動手段26の往復スライダ34が図13の初期位
置から図面の左方向へ移動すると、最初に往復スライダ
34はスライダ案内溝23bに沿ってガイドされ、次に
ガイドローラ45が嵌挿するローラ案内溝23aに沿っ
て往復スライダ34がガイドされる。
【0057】従って、この往復スライダ34に搭載され
たスライド25もスライダ案内溝23bおよびローラ案
内溝23aに沿って図13の図面左右方向へスムーズに
案内され往復走行することとなる。
【0058】次に、スライド25の往復走行途中でスラ
イド本体30の姿勢を変更させるスライド姿勢変更手段
28を詳述する。
【0059】図13で示すように、スライド姿勢変更手
段28は前述したようにコイルバネ35からなる付勢手
段36と、往復スライダ34を挟み相対向して配設され
た一対のスライド姿勢切替ガイド50、51と、図14
で示すように、このスライド姿勢切替ガイド50、51
に係合してガイドされる前記スライドホルダ31の後端
に突設されたガイド突起31cと、図16で示すよう
に、筐体20内を上下に画成する隔壁44に固着され、
スライドホルダ31の下面に摺接する傾斜壁52とから
構成されている。
【0060】図13で示すように、この一対のスライド
姿勢切替ガイド50、51はそれぞれ断面が略L字形状
のガイドレールにより形成され、このうち一方のスライ
ド姿勢切替ガイド50は往復スライダ34の進行方向と
平行な位置に形成された一対の軸50a、50bを中心
に回動自在に支承されている。また他方のスライド姿勢
切替ガイド51も往復スライダ34の進行方向と平行な
位置に形成された一対の軸51a、51bを中心に回動
自在に支承されている。
【0061】また各スライド姿勢切替ガイド50、51
の一方の軸50a、51bには、それぞれ復帰スプリン
グ53、54が嵌挿しており、この復帰スプリング5
3、54のうち、一方の復帰スプリング53の各自由端
のうち一端はセンターベース23に係合し他端は一方の
スライド姿勢切替ガイド50と係合している。また、他
方の復帰スプリング54の各自由端のうち一端はセンタ
ーベース23に係合し他端は他方のスライド姿勢切替ガ
イド51と係合している。
【0062】従って、上述した一対のスライド姿勢切替
ガイド50、51のうち、一方のスライド姿勢切替ガイ
ド50には復帰スプリング53の付勢力により、一対の
軸50a、50bを中心に常時時計方向へ回転する付勢
力が作用し、また他方のスライド姿勢切替ガイド51に
は復帰スプリング54の付勢力により、一対の軸51
a、51bを中心に常時反時計方向へ回転する付勢力が
作用する。
【0063】一方、図16で示すように隔壁44に固着
された傾斜壁52には、図面の右方向、即ち、往復スラ
イダ34が図16で示す初期位置へ復帰すべく右方向へ
移動した際に、図15の実線で示す傾斜姿勢のスライド
本体30を、収容されたカード面と平行な位置に(一点
鎖線の位置に)すべく右肩上りの傾斜面52aが形成さ
れている。
【0064】このような、スライド姿勢変更手段28を
構成するコイルバネ35からなる付勢手段36、一対の
スライド姿勢切替ガイド50、51、ガイド突起31
c、および傾斜壁52とによると、図13で示す往復ス
ライダ34の初期位置から矢印Aで示すように当該往復
スライダ34が図面の左側(往路方向)へ移動する往路
走行を開始すると、往復スライダ34に支承されたスラ
イドホルダ31のガイド突起31cが一対のスライド姿
勢切替ガイド50、51上に搭載されて案内され、この
ためスライドホルダ31及びスライド本体30はカード
と平行な姿勢、言い換えれば図15の一点鎖線で示す水
平姿勢を維持しつつ図13の左側(矢印A方向で示す往
路方向)へ移動する。
【0065】そして、スライドホルダ31のガイド突起
31cが一対のスライド姿勢切替ガイド50、51の左
端から離れると、図15の実線で示すようにコイルバネ
32の付勢力により、スライドホルダ31は軸32を中
心に迅速に時計方向へ回転し、同時にスライド本体30
を実線で示すようにカードから離間する傾斜姿勢に変更
する。
【0066】一方、図13で示すように往復スライダ3
4が矢印Dで示すように、図面の右方向(復路方向)へ
移動する復路走行に移行すると、前述したようにスライ
ドホルダ31は図15の実線で示す傾斜姿勢であるた
め、そのガイド突起31cと一対のスライド姿勢切替ガ
イド50、51とは水平な位置関係にはないので互いに
係合せず、そのままの傾斜姿勢を維持しつつ一対のスラ
イド姿勢切替ガイド50、51の下方を通過するが、ス
ライドホルダ31の後端が図16で示す傾斜壁52の始
端に至と、その傾斜面52aによりスライドホルダ31
は図15で示すコイルスプリング35の付勢力に抗して
軸32を中心に徐々に反時計方向へ回転してその姿勢を
変更し、ついに往復スライダ34が図16で示す初期位
置に復帰するとスライドホルダ31はカードと平行な初
期姿勢に復帰する。
【0067】即ち上述したスライド姿勢変更手段28に
よると、往復スライダ34が左右方向への往復運動をす
るごとに、スライドホルダ31およびスライド本体30
は上述した姿勢変更を繰り返し行うこととなる。
【0068】次に本願発明に係わるカード排出手段22
を詳述する。
【0069】このカード排出手段22は図16で示すよ
うに、第2の駆動モータ60と、この駆動モータ60の
回転力を減速して伝達する歯車伝達機構61と、この歯
車伝達機構61の回転力により回転する軸62と、この
軸62に所定の間隔を設けて固着された一対の駆動ロー
ラ63と、このローラ63の周面に圧接する従動ローラ
64とから構成されている。
【0070】なお、従動ローラ64は図16で示すよう
に軸65に回動自在に支承され、またこの軸65は付勢
手段であるコイルバネ66aの弾発力により常時駆動ロ
ーラ63側に付勢されている。なお、このコイルバネ6
6aは筐体20の先端側を覆う出口ブラケット24に配
設された押圧プレート67によりその抜け止めが計ら
れ、またこの押圧プレート67はネジ68により出口ブ
ラケット24に固着されている。
【0071】一方、駆動ローラ63の周面には図16で
示すように摩擦係数の大きいゴム等の弾性体63aが巻
回されており、またその巻回された弾性体の一部には大
径化した突出部63bが形成されている。
【0072】このような突出部63bが形成された駆動
ローラ63によると、前記カード分離搬送手段21を介
し幅方向に反って変形したカードが駆動ローラ63と従
動ローラ64との間に押し出されると、その幅方向に反
って変形したカードのその変形部分が従動ローラ64を
コイルバネ66aの付勢力に抗して上動させ、これによ
り駆動ローラ63によるカードへの搬送力を低下させる
が、その際、駆動ローラ63が回転すると、その周面に
突設された弾性体63aの突出部63bが変形したカー
ドの下面に摺接するので、変形したカードは駆動ローラ
63の突出部63bと従動ローラ64との間で強力に把
持され、それにより、その変形したカードにも搬送力を
確実に与えることとなる。
【0073】従って、上述したカード排出手段22によ
ると、幅方向に反って変形したカードをカード払出口6
6へ搬送する場合であっても、必ず駆動ローラ63の突
出部63bがカード面に密着してそのカードの確実な搬
送を図ることとなる。
【0074】なお、図16で示すように、駆動ローラ6
3の周面形状に従動ローラ64が常時追従するよう、そ
れを支承する軸65は上下動自在に支承され、かつコイ
ルバネ66aの弾発力により常時下方に押圧されてい
る。
【0075】一方、図16で示すように、上述したカー
ド排出手段22とカード収容部2内に収容された複数枚
のカード19の先端側19aとの間には、駆動ローラ6
3と従動ローラ64との間に形成されるカード搬送路6
8を開閉するシャッター手段70と、複数枚のカード1
9から複数枚のカードが一時に搬送されるミス、すなわ
ちダブルフイードを防止する二重搬送防止手段80とが
配設されている。
【0076】このうち、シャッター手段70はカード搬
送路68内に出没する断面略L字形状のレバー71と、
このレバー71を軸71aを中心に回動させ、これによ
りカード搬送路68を拡開するリンク手段72とから構
成されている。
【0077】このうち、リンク手段72はレバー71の
側方に形成された突起71bに係合する長孔73aを有
するリンク73からなり、このリンク73の後端73b
はスライド姿勢変更手段28の傾斜壁後端52bを越え
る位置に至るまで延設されている。
【0078】またこのリンク73の後端73bは図16
に示すスライドホルダ31の初期位置では、当該スライ
ドホルダ31の後端と当接して、その付勢力により図面
の右側へ移動し、これによりレバー71を軸71aを中
心に時計方向へ所定の角度回転させてカード搬送路68
に突出し、当該カード搬送路68を閉塞している。
【0079】なお、リンク73の後端73bとスライド
ホルダ31との当接が解除されると、リンク73は隔壁
44とリンク73の一端との間に張設されたコイルスプ
リング74の付勢力により、図面の左側へ移動し同時に
レバー71を軸71aを中心に反時計に所定の角度回転
させてカード搬送路68を拡開する。
【0080】次に、カードの二重搬送防止手段80を詳
述する。
【0081】この二重搬送防止手段80は図16で示す
ように複数枚のカード19の先端側19aに隣接して配
設されたカード姿勢矯正ローラ81と、カード搬送路6
8の上下幅を略搬送されるカード一枚分の厚みに制限す
るシックネススクリュー82とから構成されている。
【0082】このうち、カード姿勢矯正ローラ81は図
13で示すようにカード搬送路の幅方向に沿い所定の間
隔(搬送されるカード幅よりも狭い間隔)を設け一対配
設されている。
【0083】このカード姿勢矯正ローラ81は図13の
EE拡大概念断面図で示す図17のように、中間部が軸
83に回動自在に支承されたローラアーム84の一端8
4aに、軸85を介し回動自在に支承されている。なお
このローラアーム84の他端84bはコイルバネ86に
より常時上方へ付勢されているので、ローラアーム84
全体は軸83を中心に時計方向へ付勢され、これにより
カード姿勢矯正ローラ81は常時カード搬送路68の下
面に圧接している。なお、上述したように各一対のカー
ド姿勢矯正ローラ81はそれぞれ独立したローラアーム
84による独立懸架方式なので幅方向等に反って変形し
たカードであっても、その付勢力により反のあるカード
の姿勢を効果的に矯正する。
【0084】即ち、図17で示すように、複数枚のカー
ド19の先端側19aから互い作用する摩擦力等の要因
によって一点鎖線で示すように複数枚のカードが一時に
搬送された場合であっても、カード姿勢矯正ローラ81
はコイルバネ86の付勢力によりカードを強制的にカー
ド搬送路の下面に押し付け、順次剥離するとともに、そ
の搬送姿勢を矯正する。なおカード姿勢矯正ローラ81
は複数枚のカードが搬送された場合は一点鎖線で示すよ
うに上方に退避する。
【0085】なお、図17で符号91は、カード搬送路
68を通過するカードの有無を検出する第2の検出手段
で、この第2の検出手段91は軸92を中心に回動自在
に支承されたカード検出レバー93と、この検出レバー
93の下端93aに係合し前記レバー91を軸92を中
心に常時時計方向へ付勢する復帰スプリング94と、検
出レバー93の下端93aにより当該カード検出レバー
93が所定の回転角度回転したか否かを検出する発光お
よび受光素子からなるセンサー95とから構成されてい
る。
【0086】上述した第2の検出手段91によると、一
枚のカード90がカード搬送路68内を走行し、その
際、カード90がカード検出レバー93の先端93bと
当接して当該レバー93を一点鎖線で示すように軸92
を中心に反時計方向へ回転させると、レバー93の後端
93aも軸92を中心に反時計方向へ回転し、一点鎖線
で示すようにセンサー95を横切るので第2の検出手段
91は図示せぬ制御装置に対しON信号を送出しカード
搬送路68上のカード検出レバー93の位置にカード9
0が存在することを検出する。
【0087】また、カード搬送路68上をカード90が
通過し、レバー93が図17の実線で示す初期位置に復
帰すると当該レバー93の後端93aがセンサー95か
ら退避するので第2の検出手段91はOFF信号を送出
し、当該カード90がカード検出レバー93の位置に無
いことが検出される。
【0088】次に、上述した二重搬送防止手段80の他
方を構成するシックネススクリュー82を詳述する。
【0089】このシックネススクリュー82は図13で
示すようにカード搬送路の幅方向に沿い所定の間隔(搬
送されるカード幅よりも狭い間隔)を設け一対配設され
ている。またこのシックネススクリュー82は図13の
FF拡大概念断面図で示す図18のように、先端が三角
錘形状をしたネジにより形成され、その先端82aから
カード搬送路68の下面68aまでの距離は分離搬送さ
れるカード90の板厚の略1.5倍程度に設定されてい
る。
【0090】したがって、上述したシックネススクリュ
ー82によると、カード姿勢矯正ローラ81によって一
点鎖線で示すように複数枚のカードの搬送(ダブルフィ
ード)が阻止できない場合であっても、カード搬送路6
8はシックネススクリュー82によりその上下幅を搬送
されるカード90の板厚の略1.5倍程度に制限されて
いるので、シックネススクリュー82を通過するカード
は一枚しか通過し得ず、このためより確実なカードの分
離搬送が可能である。
【0091】なお、カード搬送路68の上下幅はカード
の板厚に応じ、シックネススクリュー82を操作するこ
とにより簡単に調整することができる。
【0092】次に、上述したカード払出装置1のカード
払出し手順を説明する。
【0093】図示せぬカード払出装置1の制御装置に対
しカード払出し信号が送出されると、制御装置は電源を
投入し、その後、時間T1経過すると図16で示すスラ
イド駆動手段26の第1の駆動モータ40とカード排出
手段22の第2の駆動モータ60とに駆動信号が送出さ
れ同時にその駆動を開始させる。これによりスライドホ
ルダ31は往復スライダリンク機構33の往復スライダ
34により図16の初期位置から図面の左方向(往路方
向)へ移動する。またカード排出手段22の一対の駆動
ローラ63も歯車伝達機構61を介し矢印Gで示すよう
に一定回転速度で反時計方向へ回転する。
【0094】スライドホルダ31が図16の初期位置か
ら図面の左方向へ移動すると、当初はスライドホルダ3
1は図13で示すようにその後端に形成された一対のガ
イド突起31cが一対のスライド姿勢切替ガイド50、
51上に案内されつつ移動する。なお図19は一対のガ
イド突起31cが一対のスライド姿勢切替ガイド50、
51上に案内されつつ移動する状態を示す概念断面図で
ある。
【0095】このためスライド本体30はカードと平行
な姿勢、言い換えれば図15の一点鎖線で示す水平姿勢
を維持しつつ図13の左側(矢印A方向)へ移動するこ
となる。
【0096】このように、スライド本体30が一対のス
ライド姿勢切替ガイド50、51を介し水平姿勢を維持
しつつ矢印A方向(往路方向)へ移動すると、図20で
示すように、まずシャッター手段70のリンク後端73
bとスライドホルダ31後端との当接が解除されるの
で、リンク73はコイルスプリング74の付勢力によ
り、図面の左側へ移動し同時にシャッタレバー71を軸
71aを中心に反時計方向に回転させてカード搬送路6
8を拡開する。
【0097】次に、スライド本体30の上面に形成され
た段差部30bがカード収容部2内に積載収容された複
数枚のカード19のうちその最下面に位置する一枚のカ
ード90後端と当接する。なおこの時点で、往復スライ
ダ34が図16で示す初期位置にあるか否かを検出する
図示せぬ前記第1の検出手段の検出信号がOFFからO
Nに変化する。
【0098】その後、スライド駆動手段26の第1の駆
動モータ40がその回転を続けると、図21で示すよう
に、スライド本体30の段差部30bと当接する一枚の
カード90はカード収容部2の下面から水平に押し出さ
れ、カード搬送路68を介しカード払出口66側へ移動
する。
【0099】このように、カード90が水平に押し出さ
れ、カード搬送路68を介しカード払出口66側へ移動
すると、第2の検出手段91のカード検出レバー93を
反時計方向へ回転させて当該第2の検出手段91の検出
信号をOFFからONに変化させる。
【0100】この第2の検出手段91による検出信号が
ONに変化すると、図示せぬ制御装置は、そのON信号
に基づきその後、時間T2だけスライド駆動手段26の
第1の駆動モータ40を駆動させる。
【0101】すなわち駆動モータ40がその後時間T2
だけ駆動されると、その間にスライドホルダ31に搭載
されたスライド本体30は図21の位置から、さらに一
対のスライド姿勢切替ガイド50、51を介し水平姿勢
を維持しつつさらに矢印A方向(往路方向)へ所定距離
(往路走行から復路走行への走行動作切り替え点にま
で)移動して停止するが、スライドホルダ31は矢印A
方向へさらに移動する間に図22で示すようにスライド
ホルダ31のガイド突起31c(図13)が一対のスラ
イド姿勢切替ガイド50、51から離間するので、これ
によりスライドホルダ31はコイルバネ35の付勢力に
より、軸32を中心に迅速に時計方向へ回転し、同時に
スライド本体30を軸32を中心に所定回転角度傾斜さ
せて、カード90から離間した傾斜姿勢に位置決めされ
る。
【0102】このように、スライド本体30が所定回転
角度傾斜した傾斜姿勢に位置決めされると、スライド本
体30の段差部30bとカード90との当接が解除され
てスライド本体30によるカード90の押出し搬送は解
除され、同時に他のカードとの摺接も解除されるが、そ
の間にカード90の先端90aがカード排出手段22の
一対の駆動ローラ63と従動ローラ64間に把持される
ので、この駆動ローラ63の搬送力によりカード90は
さらにカード払出口66側に搬送される。
【0103】このように、駆動ローラ63の搬送力によ
りカード90が図22で示す位置からさらにカード払出
口66側へ排出されると、当該カード90は図23で示
すように後端が第2の検出手段91のカード検出レバー
93上を通過するので、当該カード検出レバー93が初
期位置に復帰し第2の検出手段91の検出信号をONか
らOFFに変化させる。
【0104】このように、第2の検出手段91の検出信
号がONからOFFに変化すると、図示せぬ制御装置は
このOFF信号に基づき再びスライド駆動手段26の第
1の駆動モータ40の駆動を開始し、またこのOFF信
号に基づき時間T3経過後にカード排出手段22の第2
の駆動モータ60の駆動を停止するが、その間に図23
で示すように、一枚のカード90を一対の駆動ローラ6
3と従動ローラ64間から落下させて排出する。
【0105】一方、スライド駆動手段26の第1の駆動
モータ40の駆動が再び開始されると、図24で示すよ
うに往復スライダ34は復路走行を開始し図面の右方
向、即ち矢印D方向(復路方向)へ移動する。
【0106】その際、スライドホルダ31に搭載された
スライド本体30は傾斜姿勢を維持したまま移動するの
で、スライドホルダ31の後端31bに形成された一対
のガイド突起31c(図13)と一対のスライド姿勢切
替ガイド50、51とは係合せず、傾斜姿勢を維持しつ
つスライドホルダ31は一対のスライド姿勢切替ガイド
50、51の下側を通過する。
【0107】そして、スライドホルダ31の後端31b
が図25で示す傾斜壁52の始端に至ると、その傾斜面
52aによりスライドホルダ31はコイルスプリング3
5の付勢力に抗して軸32を中心に徐々に反時計方向へ
回転し、その姿勢を徐々に水平姿勢に復帰させる。
【0108】なおスライドホルダ31が一対のスライド
姿勢切替ガイド50、51の下側を通過する際、図25
のHH概念断面で示す図26のように、スライドホルダ
31のガイド突起31cは一対のスライド姿勢切替ガイ
ド50、51の下面から当該一対のスライド姿勢切替ガ
イド50、51と当接して、当該一対のスライド姿勢切
替ガイド50、51のうち一方のスライド姿勢切替ガイ
ド50を軸50aを中心に反時計方向へ、また他方のス
ライド姿勢切替ガイド51を軸51aを中心に時計方向
へ回転させて、スライドホルダ31が通過する復路を解
放する。
【0109】その後、スライドホルダ31が図16で示
す初期位置に復帰すると同時に、一対のスライド姿勢切
替ガイド50、51も水平な初期位置に復帰する。
【0110】スライドホルダ31が図16で示すカード
と平行な初期位置の水平姿勢に復帰すると、その際、シ
ャッター手段70のリンク後端73bとスライドホルダ
31とが当接し、その当接の際の付勢力によりリンク7
3を図面の右側へ移動させ、これによりシャッタレバー
71を軸71aを中心に時計方向へ所定の角度回転させ
てカード搬送路68を再び閉塞する。
【0111】なお、シャッタレバー71が軸71aを中
心に時計方向へ回転してカード搬送路68を再び閉塞す
る際に、そのシャッタレバー71の押圧力により図18
の一点鎖線で示す二重搬送された複数枚のカード100
が実線で示すカード収容部2の初期位置に再び位置決め
される。
【0112】なお、スライドホルダ31が次のカードを
払い出すべく図16に示す初期位置に復帰すると、往復
スライダ34が図16に示す初期位置にあるか否かを検
出する図示せぬ前記第1の検出手段の検出信号がONか
らOFFに変化するので、その検出信号に基づき、図示
せぬ制御装置はスライド駆動手段26の第1の駆動モー
タ40の駆動を停止させ、さらに制御装置は第1の検出
手段の検出信号がONからOFFに変化してから時間T
4後、図示せぬ電源の投入を停止する。
【0113】そして以降は、図示せぬ制御装置に対する
カード払出信号に応じて上述した動作が繰り返されるこ
ととなる。
【0114】なお、図27は上述したカード払出手順を
示すタイムチャートである。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係わる
カード払出装置では、カード排出手段を、外周に摩擦係
数の大きい弾性体が巻回され、その一部に大径化した突
出部が形成された駆動ローラと、この駆動ローラの周面
に圧接する従動ローラとにより構成したため、幅方向に
沿って反り等の変形が生じたカードが駆動および従動ロ
ーラ間に押し込まれ、その反りの部分によって従動ロー
ラが上動した際にも、スリップ等を発生させることなく
カードを駆動ローラと従動ローラとの間に確実に把持し
て搬送力を与えるため、搬送されるカードに対しスキュ
ー(斜行)等の発生が可及的に低減し、このためカード
詰りの発生を可及的に防止して常に安定したカードの払
出が行われるカード払出し装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明に関わるカード払出装置の側面
図。
【図2】図2はこの発明に関わるカード払出装置の正面
図。
【図3】図3はカード収容部の側面図。
【図4】図4はカード収容部の側面図。
【図5】図5はカード収容部の分解側面図。
【図6】図6はカード収容部の分解側面図。
【図7】図7はカード収容部の側面図。
【図8】図8はカード収容部の側面図。
【図9】図9はカード収容部の拡大断面図。
【図10】図10はカード収容部の拡大断面図。
【図11】図11はカード収容部の拡大断面図。
【図12】図12はカード収容部の拡大断面図。
【図13】図13はカード払出部の上面図。
【図14】図14はスライドの拡大上面図
【図15】図15は図14のBB断面図
【図16】図16は図13のCC概念断面図。
【図17】図17は図13のEE概念断面図。
【図18】図18は図13のFF概念断面図。
【図19】図19はスライド姿勢変更手段の概念断面
図。
【図20】図20はカード払出部の作用を示す概念断面
図。
【図21】図21はカード払出部の作用を示す概念断面
図。
【図22】図22はカード払出部の作用を示す概念断面
図。
【図23】図23はカード払出部の作用を示す概念断面
図。
【図24】図24はカード払出部の作用を示す概念断面
図。
【図25】図25はカード払出部の作用を示す概念断面
図。
【図26】図26は図25のHH概念断面図である。
【図27】図27はカード払出しのタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
1…カード払出し装置 2…カード収容部 3…カード払出部 21…カード分離搬送手段 22…カード排出手段 63…駆動ローラ 63a…弾性体 63b…突出部 64…従動ローラ 65…軸 66…カード払出口 66a…付勢手段(コイルバネ)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数枚のカードを積載収容するカード収容
    部と、該カード収容部に積載収容された多数枚のカード
    を、その最下面から一枚ずつ分離搬送するカード分離搬
    送手段と、該カード分離搬送手段を介し分離搬送された
    カードをその上下面から把持し、当該カードをカード払
    出口から排出するカード排出手段とを具えたカード払出
    し装置において、 前記カード排出手段は、 外周に摩擦係数の大きい弾性体が巻回され、その一部に
    大径化した突出部が形成された駆動ローラと、 該駆動ローラの周面に圧接する従動ローラとからなるこ
    とを特徴とするカード払出し装置。
  2. 【請求項2】前記従動ローラは上下動自在にガイドされ
    た軸に支承され、該軸は付勢手段を介し前記駆動ローラ
    側へ常時付勢されていることを特徴とする請求項(1)記
    載のカード払出し装置。
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