JP3579624B2 - カード送り出し機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カード送り出し機構に関する。さらに詳述すると、本発明はカード発行機などにおいて積層したカードを1枚ずつ発行する際の送り出しの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カード発行機として、積層したカードのうちもっとも下に位置するものからキャリッジで搬送して発行するカード送り出し機構が利用されている。例えば図23に示すようなカード送り出し機構101では、積層したカードのうち、ホッパー102内の最下段に位置するカード103の後端にキャリッジ105に取り付けた送り爪106を引っ掛けてゲート部104から送り出している(図では最下段のカードのみ表示)。
【0003】
このようなカード送り出し機構101としては、図23に示すようにゲート部104を常時開いておくようにしたものがあり、この機構においては、カード103を移動させることでゲート部104から送り出すことが可能である。また、キャリッジ105の上部には突起状のカードガイド107を設け、キャリッジ105の往復移動時に次のカード103を下側から揺することでホッパー102の壁面に引っ掛かってしまうのを防止するようにしている。
【0004】
ただし、このようなカード送り出し機構101においては、開いたままのゲート部104からカード103の一部が飛び出してしまうことがあるという問題があった。つまり、カード詰まりを防ぐためキャリッジ105に設けたカードガイド107が、カード103のセット時やキャリッジ105の逆送時にカード103を揺動反転させてしまうことがあり、このとき、図中実線で示すように前下がり状態となったカード103が自重で飛び出してしまうことがあった。そうすると、キャリッジ105が所定位置まで戻ったときカード103の後端が送り爪106の先端からずれ落ちてしまうため、カード103をこの送り爪106に引っ掛けることができなくなる。
【0005】
そこで、このような問題に対処し得るカード送り出し機構101として、図24に示すようにゲート部104を塞ぐカードストッパ108を設けるとともに、コイルスプリングなどの付勢手段109を利用してこのカードストッパ108を常時付勢するようにしたものが利用されている。この機構では、カード103の先端を押し付けることでカードストッパ108を押し下げ、開いたゲート部104からカード103を搬出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カード103の先端でカードストッパ108を押し開いたときの反動により、カード103の後端が送り爪106から外れてしまうことがあった。しかも、カード103の積層枚数が少なくなるとカード103上の荷重が少なくなることからこのような事態が生じやすい。
【0007】
本発明は、カードがゲート部から飛び出したりしないようにし、これによりカード送り爪をカードに確実に引っ掛けて送り出すことができるようにしたカード送り出し機構を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ホッパー内にカードを積層しておき、該ホッパーの底部に設けたゲート部からカード送り出しキャリッジ機構に取り付けたカード送り爪部材によりカードを1枚ずつ送り出すようにしたカード送り出し機構において、カード送り出しキャリッジ機構を駆動源によりカード送り出し方向に往復移動可能に設けるとともに、カード送り出しキャリッジ機構にカード後端と係合可能なカード送り爪部材を設け、更に、ゲート口に該ゲート口を塞ぐカードストッパ部材を設け、カード送り爪部材が少なくともカードの先端部分をゲート口を通過させるときにカードストッパ部材を移動させてゲート口を開放するカードストッパ移動機構を設け、かつ、カードストッパ部材は、そのカード係止部がゲート口に突出してカードの通過を阻止する阻止位置と該阻止位置より移動してカードの通過を許容する開放位置との間を移動可能に設けられており、カード送り出しキャリッジ機構がカード送り出し開始位置にあるときにカードストッパ部材のカード係止部を開放位置とするように、カード送り出しキャリッジ機構とカードストッパ部材とを係合させ、また、カードストッパ部材を回動可能に設けるとともにカードストッパ部材を阻止位置側に付勢部材により付勢しておき、更に、カードストッパ部材とカード送り出しキャリッジ機構のいずれか一方にカードストッパ部材を開放方向に回動させる傾斜部を設けてなるものである。
【0009】
したがって、カードを送り出すまでの間はゲート口を塞いでカードの動きを規制しておくことができ、カードを送り出すとき以外はカードが不意に飛び出すようなことがない。このため、カード送り爪部材をカード後端に確実に係合させて送り出すことができる。また、カードにカード送り爪部材を引っ掛けて送り出すときは開状態とすることによってカードへ外力や反動が生じるのを防ぐことも可能となる。
また、カードストッパ部材のカード係止部は、カードが送り出されるときとき以外はゲート口を塞ぐことでカードの不要な飛び出しを防いでいる。したがって常に同様の位置でカード送り爪をカード後端に係合させることができ、確実に係合することが可能となっている。また、カードストッパ部材をカード送り出しキャリッジ機構に連動させるようにしているので動作が確実である。
加えて、カードストッパ部材は回動させる力が作用していなければ付勢部材による付勢力によってゲート口を塞ぎ、回動力が作用したときのみゲート口を開放する。しかも、この回動力はカードストッパ部材とカード送り出しキャリッジ機構のいずれか一方に設けた傾斜部が生じるものであるため、カード送り出し動作中、常に同じ位置でカードストッパ部材を開放しあるいは阻止位置側に戻すことができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のカード送り出し機構において、カード送り爪部材はその先端側にカード底面受部を有するとともに、カード底面受部より後側にカード後端と係合するカード係合部を有しており、カードストッパ移動機構はカードの先端部分をゲート口を通過させるときのみカードストッパ部材を開放方向に移動させるものである。したがって、このカード送り爪部材によればカード後端をカード底面受部でカード係合部に案内することができるので、カードにカード送り爪を確実に係合させて送り出すことが担保されている。また、ゲート口通過時のみカードストッパ機構を開放させているので、送り出し以外のときにカードが飛び出してしまうようなことがない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1〜図22に、本発明の一実施形態を示す。このカード送り出し機構1は、ホッパー2内に多数のカード3,…,3を積層しておき、該ホッパー2の底部2bに設けたゲート部4からカード送り出しキャリッジ機構5に取り付けたカード送り爪部材6によりカード3を1枚ずつ送り出すようにしたものである。
【0017】
なお、カード送り出し機構1は図1〜図3に示すようなカード発行機40においてカード3を1枚ずつホッピングする機構として用いられる。例えばこのカード発行機40は、このカード送り出し機構1、カード保持機構20、カード3を積層するホッパー2,…,2、カードリーダ部41、カード廃券受け部42、インデント/エンボス機構43、トッパー機構44、制御部45などを備えて構成されている。また、図1〜図3中に示した主な部材の符号は、26,27がカード送り出し方向のガイド軸、46がカード供給部、47がY駆動軸、48がY軸駆動モータ、49がカード発行口、50がカード搬送用ローラ、51がカード姿勢検出用センサ、52がY軸回転用プーリである。
【0018】
まず、ホッパー2は発行前の複数のカード3,…,3を積層してストックする装置で、図7などに示すように側壁2cでカード3の縁を揃えて貯留している。ホッパー2の上部に図6に示すように切り欠き部2a,…,2aが設けられいる。このホッパー2は上部の切り欠き部2a,…,2a間を漏斗状に広げることでカード3,…,3の補充を容易にしている。
【0019】
このホッパー2の底部2bの一方側にはカード3を送り出すためのゲート部4が設けられている。ゲート部4は、ゲート口10と、カード3をこのゲート口10に案内するカード案内部材11とを有し、カード3を所定位置まで搬送した後このゲート口10から排出している。ゲート部4は、カード送り出しキャリッジ機構5によって搬送されるカード3の通過路となる。
【0020】
カード送り出しキャリッジ機構5はカード3の送り出し方向Xと同方向へ往復移動可能に設けられた機構で、図7などに示すようにカード後端3bにカード送り爪部材6のカード係合部8を引っ掛けながら移動することで送り出されたカード3をカード保持機構20に受け渡す所定位置まで搬送する。本実施形態では、このカード送り出しキャリッジ機構5をカード送り出し方向Xへ延びるガイド軸26,27とこの軸上を摺動するキャリッジ19、そしてキャリッジ19上に設けたカード送り爪部材6とで構成している。このカード送り爪部材6は図15に示すようにねじ34によってタイミングベルト35に締結され、カード送り出しキャリッジ機構5の全体を特に図示していない駆動源によって駆動している。駆動源には例えば移動させる距離をステップ数で管理することのできるステッピングモータを使用し、キャリッジ19を往復移動させるようにする。
【0021】
このカード送り出しキャリッジ機構5には、カード3の後端3bと係合可能なカード送り爪部材6が図7などに示すように2カ所に設けられている。カード送り爪部材6はその先端側にカード底面受部7を有するとともに、このカード底面受部7より後側にカード後端3bと係合するカード係合部8を有するように構成されている。本実施形態では、カード送り爪部材6の前端付近に図5などに示すように凹部を設け、この凹部をカード3の後端3bに引っ掛けるカード係合部8として機能させている。ただし、凹部はカード3の後端3bに確実に引っ掛けることが可能であれば形状は限定されないし、また特に大きくする必要もない。
【0022】
このようにカード送り爪部材6を2カ所に設けたカード送り出し機構1においては、各カード送り爪部材6,6は図8に示すように適宜幅を有して配置され、かつそれぞれがねじりコイルばね12によって独自に付勢されているため、例えば図8に示すようにカード3が反っているような場合でも後端3bの少なくとも1カ所に爪を係合させて送り出すことが可能である。カード送り爪部材6の少なくとも一方がカード3の後端3bに引っ掛かっていればキャリッジ19、即ちカード送り爪部材6を一旦戻して再度移動させればカード送り爪部材6とカード後端3bとを確実に係合させることができる。
【0023】
また、このカード送り爪部材6はカード3の後端3bと確実に係合するように回動付勢されている。本実施形態では、付勢手段として図5などに示すようなねじりコイルばね12を採用しこれをカード送り爪部材6の回動中心に巻き付けて付勢させているが、例えば圧縮コイルばねを利用して上側に付勢するなど、他の手段を採用しても構わない。
【0024】
更に本実施形態では、ゲート部4についても、以下のように構成することによってカード3の後端3bが搬送中にカード送り爪部材6から外れないようにしている。すなわち、本実施形態ではこのゲート部4を、カード3がゲート部4よりも一部送り出された状態でその後端3bがカード送り爪部材6に圧接するように構成している。
【0025】
具体的には、ホッパー2の下部に形成されたゲート口10より外側にカード受け台9を設けるとともにこのカード受け台9には図示するように仮止め部材13を設けている。仮止め部材13は、通常は図5に示すようにカード受け台9の上面に押圧された状態にあるが、その下側をカード3が通過するときは図4に示すように当該カード3を上から抑えつつカード3とほぼ等しい程度に傾斜可能に設けられている。
【0026】
カード受け台9の手前側(ゲート口10側)は傾斜部9aであり、また仮止め部材13の手前側はこの傾斜部9aに対応した折り曲げ部13aであり、傾斜部9aと折り曲げ部13aとでカード先端3aを誘導する広口形状の誘導部が形成されている。この誘導部は、カード先端3aがゲート口10を出たあと傾斜部9aと当接したカード3の全体が斜めとなるよう、図4や図5などに示すようにゲート口10よりも高い位置に設けられている。したがって、カード3は先端3aが傾斜部9aに当接して誘導されると図4に示すように斜め状態となる。
【0027】
また、カード支持部材36の上面とによりゲート口10を構成する上側ゲート部10aは、ホッパー2を用いてカード搬送路にカード3が通過し得る高さに構成され、かつ、カード3が斜め状態となったとき当該カード3の上面に当接して下向き荷重を与え得るように設けられている。つまり、カード3がゲート口10を通過し、先端3aが誘導されて図4に示すように斜めとなるとゲート口10の上側縁部がカード3の上面に接触し、カード中央部が下に撓むように荷重を与える。このように荷重が与えられると、カード3の先端3a側はカード受け台9に圧接される一方でカード後端3b側は図4に示すようにカード送り爪部材6に圧接される。したがって、カード後端3bは搬送途中でカード送り爪部材6のカード係合部8に押し付けられた状態となるので、カード3が斜めに反った状態となっても係合部8から外れ難い。
【0028】
また、カード送り爪部材6の移動の形態(速さなど)は特に限定されず、例えばほぼ等速で移動させるようにしてもよいが、本実施形態ではカード送り出しキャリッジ機構5を制御する移動制御部(図示省略)を設け、このカード送り出しキャリッジ機構5を一旦後退させてから再度送り出すようにしている。移動制御部は例えば基板に記憶されたプログラムであるが、これに特に限られないのはもちろんである。
【0029】
カード送り出しキャリッジ機構5のキャリッジ19をこのように一旦後退させるのをカード先端3aがカード受け台9に当接した後とし、より好ましくはカード先端3aの一部がカード受け台9と仮止め部材13の間に挟み込まれた後となっている。このようにすると、カード先端3aがゲート部4に当接したときやその一部が挟み込まれるときの衝撃でカード後端3bとカード送り爪部材6との係合が図4に示すように仮に解けてしまったとしても、カード後端3bは下向きの力を受けているから、キャリッジ機構5のカード送り爪部材6を一旦後退させることによって図6に示すようにカード後端3bに凹部を再び引っ掛けることが可能となり、両方のカード送り爪部材6,6により確実にカード3を送り出すことができる。また、カード3がカード受け台9と仮止め部材13の間に挟まれていれば、この挟まれた状態を維持しながらカード送り出しキャリッジ機構5を一旦後退させることができる。
【0030】
なお、このときのカード送り出しキャリッジ機構5の後退量は必要範囲内でできるだけ少なくすることが好ましい。例えば本実施形態では、カード送り出しキャリッジ機構5の後退量はカード送り爪部材6のカード底面受部7の先端からカード係合部8間の間隔以内に設定している。したがって、カード3が強い下向き荷重を受けていてもその後端3bはカード底面受部7の先端から外れるようなことがない。
【0031】
また、本実施形態ではカード送り爪部材6がカード3に係合しているか否かにかかわらずカード送り出しキャリッジ機構5のキャリッジ19を一旦後退させているが、例えばカード3がカード送り爪部材6のカード係合部8と係合しているかどうかの検出が可能なセンサなどを設置して係合していないときだけ後退させるようにしてもよい。
【0032】
このカード送り出しキャリッジ機構5は、カード3の下面は図20に示すa〜dの4点で受けている。ここで、例えばカード積層状態ではなく最後の1枚のみの場合にあっては、図22に示すようにカード3の後端3bを上方に押し付けるねじりコイルばね12の力はカード3の重量以上である。したがってカード受部となる点eとカード3は浮いた状態にある。
【0033】
このためカード送り出しキャリッジ機構5はa、b、c、dの4点支持となるところ、例えば反ったカード3をセットすると点dはカード3と接触せずに浮いた状態となる。図22に示すようにストッパ53によりカード送り爪部材6の回転可能範囲は規制され、両側のカード送り爪部材6a,6bは同一高さとなり図7に示すカード送り爪部材6bはカード3の捻れ分だけ浮いた状態となる。
【0034】
なお、カード送り爪部材6の引っ掛け高さは積層されたカード3,…,3のうち下段から2番目のものを引っ掛けないようにするためカード厚よりも低く設定されている。よって、カード3の僅かな捻れでカード送り爪部材6bはカード3を引っ掛けることができない状態となる(図21、図22参照)。しかし、カード送り爪部材6aは上述の3点a、b、cによる3点支持となるため確実にカード3を引っ掛けることができる状態となっている。
【0035】
次にカード送り出しについて説明すると、図24に示すような状態ではカード3による下方への付勢力は作用していないが、この状態でカード3を送り出すとこのカードは図7に示すようにカード送り出し方向Xに対して斜めの状態となる。
【0036】
一方、カード送り出し方向Xの負荷点は仮止め部材13上の2点13a,13bであり、両側のカード送り爪部材6a,6bの内側となっている。このため、一方のカード送り爪部材6aのみで送り出した場合、カード3への回転モーメントが作用して図7に示すようなカード姿勢となる場合がある。
【0037】
この場合、図4に示すようにカード受け台9と仮止め部材13とにより既にカード3によるカード送り爪部材6への下側への付勢力が作用している。このようにカード後端3bがホッパー2の幅のほぼ中央に位置している状態で、キャリッジ19を一旦後退させてから再度送り出すスイッチバック動作を行えば他方のカード送り爪部材6bのカード係合部8をカード後端3bに確実に引っ掛けることができる。両方のカード送り爪部材6a,6bが引っ掛かった状態で再びカード3を送り出すとカード負荷点13a,13bはカード送り爪部材6a,6bの内側に配置されているためカード3の斜め姿勢を修正しながら送り出すことができる。
【0038】
なお、許容スペースがあるならホッパー2の側壁2cはカード送り出し方向X側へ十分に延長するようにしてもよい。この場合はカード送り爪部材6は2つ形成してもよいし、いずれか一方でも足りる。ただし、いずれか一方とする場合はカード3の幅方向中央付近とすることが好ましい。
【0039】
以上のようなカード送り出し機構1によってカード3を送り出すには、まず、カード送り出しキャリッジ機構5を駆動し、ホッパー2に積層されたカード3,…,3のうち最下段に位置するものの後端3bに図5や図20に示すようにカード送り爪部材6のカード係合部8を引っ掛け、当該カード3を送り出し方向Xに搬送する。カード3の先端3aは搬送途中でカード案内部材11の上面に沿ってゲート口10に導かれ、更に先へと搬送される。
【0040】
ここで、カード先端3aはゲート部4の後段のカード受け台9の傾斜部9aに当接し、誘導されてカード受け台9と仮止め部材13との間に滑り込む。このとき、カード先端3aが上昇するのに伴いカード上面が図4に示すようにゲート口10の上端縁に接触し、この結果、カード3は後端3bを下側に押し付けるような下向きの荷重を受ける。したがって、カード後端3bはカード送り爪部材6のカード係合部8と十分に係合するように押圧され、搬送途中でカード3がカード係合部8から外れるようなことが発生し難い。
【0041】
また、このカード送り出し機構1では、搬送途中でカード送り出しキャリッジ機構5を一旦後退させ再度送り出すようにしているので、仮にカード後端3bが図4に示すようにカード係合部8から外れそうになっても再びカード係合部8をカード後端3bに引っ掛けさせることができる。このとき、カード3は上述したように下向きの荷重を受けているので、カード後端3bを係合部8に落ち込ませるようにしてカード送り爪部材6と係合する。
【0042】
そして、このとき、カード3は仮止め部材13によって図6に示すように仮止めされているので、キャリッジ19が所定位置まで押し出してから元の位置まで戻っても仮止めされたままの状態で維持されている。
【0043】
以下では、本発明のカード送り出し機構1において別の部分の構成を変更した実施形態について説明する。このカード送り出し機構1は、図9に示すようにゲート口10にこのゲート口10を塞ぐためのカードストッパ部材14と、このカードストッパ部材14の状態を適宜変更するためのカードストッパ移動機構15を備えている。
【0044】
カードストッパ部材14は、図9に示すようにカード送り出し方向Xに沿って形成された部材で、ホッパー2の下側に支点18を中心として回動可能に設けられている。このカードストッパ部材14は、そのカード送り出し方向Xにおける端部がゲート口10を覆うカード係止部14aとされ、このカード係止部14aがゲート口10に突出してカード3の通過を阻止する阻止位置(図10に表示)と、この阻止位置より移動してカード3の通過を許容する開放位置(図9に表示)との間を移動可能に設けられてカードストッパ部材14の回動に伴い位置を変化させる。
【0045】
カードストッパ移動機構15は、カード3の先端部分をゲート口10を通過させるときカードストッパ部材14を開放方向に移動させるように設けられている。したがって、カードストッパ移動機構15はカード送り爪部材6が少なくともカード3の先端部分をゲート口10を通過させるときにこのカードストッパ部材14を移動させてゲート口10を開放する。
【0046】
また、カードストッパ部材14は、カード3の通過時以外はカード係止部14aが図10に示す阻止位置に位置するように設けられている。本実施形態では図9に示すようにカードストッパ部材14の基端側を圧縮コイルばねからなる付勢部材16によって阻止位置側に位置するように付勢している。また、本実施形態のカード送り出し機構1においては、カード送り出しキャリッジ機構5のイニシャルポジション(当初位置)は図10中において右方向に設定している。したがって、カード送り出しキャリッジ機構5が後退していないときのカードストッパ部材14は支点18を中心として図中反時計回りに付勢され、カード係止部14aでゲート口10を閉鎖している。
【0047】
更に、カード送り出しキャリッジ機構5がカード送り出し開始位置にあるときにカードストッパ部材14のカード係止部14aを開放位置とするように、カード送り出しキャリッジ機構5とカードストッパ部材14とを係合させるようにする。本実施形態では、カードストッパ部材14とカード送り出しキャリッジ機構5のいずれか一方にカードストッパ部材14を開放方向に回動させる傾斜部17を設け、これらの間で係合させ合うようにしている。この場合は、例えば図10に示すようにカードストッパ部材14の後端近傍下面に傾斜部17を設けかつカード送り出しキャリッジ機構5の後端部にこの傾斜部17に当接する当接部19aを設けるようにしてもよいし、あるいはこれとは逆、つまり図11に示すようにカード送り出しキャリッジ機構5のキャリッジ19の後端部に傾斜部17を設け、カードストッパ部14のうちこの傾斜部17と対応する部分を当接部14bとしてもよい。
【0048】
図10のようにした場合は、カード送り出しキャリッジ機構5が後端側へ移動すると当接部19aが傾斜部17に当接し、付勢部材16の付勢力に抗してカードストッパ部材14が時計回りに回動する。そして、これに伴いカード係止部14aがゲート口10からゲート開放位置まで退避する。したがって、カード送り出しキャリッジ機構5が後退している限りは図9に示すようにカード係止部14aがゲート口10から後退した開放位置にあるのでカード3の送り出しが可能な状態となる。
【0049】
また、本実施形態におけるキャリッジ19の初期位置は図10に示す右側位置であり、この位置ではカードストッパ部材14は閉状態でありオペレータのカードセットもこの位置で行われる。カードストッパ部材14の開状態では最下段のカード3がゲート口10から飛び出して設置されるおそれがあり正常な送り出し動作ができない(カードジャム)ので取扱説明書等で注意書きが必要となるが、上述のようにゲート口10を閉じて行う本実施形態では特に注意を促す必要がない。
【0050】
なお、カードストッパ移動機構15は、カード送り出しキャリッジ機構5が少なくとも図9に示すようなカード送り出し開始位置にあるときにはカード係止部14aを開放位置に位置させるように設けられている。また、カード3を送り出す途中においてはカード係止部14aが閉まるように作用しても構わない。カード3の送り出しに伴い傾斜部17から当接部19aが離れるとカードストッパ部材14は阻止位置に戻ろうとするが、カード3がゲート口10から一部でも突出していればカード3をカード係止部14aに摺接させながら送り出すことができる。
【0051】
また、ここでは上述のように回動可能に設けたカードストッパ部材14をカード送り出しキャリッジ機構5の位置に応じて位置変化させるようにした場合について説明したが、カードストッパ移動機構15は特にこのような機構に限られることはない。例えば、ゲート口10を開放する位置と閉鎖してカード3の送り出しを阻止する阻止位置との間で移動可能な開閉部材を設けるとともに、この開閉部材をソレノイドなどによって往復動させ必要時のみゲート口10を開放するようにしても構わない。要するに、上述したカードストッパ移動機構15は一例にすぎず、カード3の先端部分をゲート口10を通過させるときにのみゲート口10を開放することができるものであればよい。
【0052】
更に本実施形態では、カード送り爪部材6により1枚ずつ送り出したカード3はカード保持機構20に取り付けたカード保持部材により保持するようにしている。そこで、以下においてはカード3を保持するためにカード送り出し機構1と併設したカード保持機構20の構成について説明する。なお、本明細書ではこれら両機構を併せてカード送り出し・保持機構という場合もある。
【0053】
カード保持機構20は、上述のカード送り出しキャリッジ機構5よりカード送り出し方向Xの後段に設けられ、ホッパー2から送り出されたカード3をクランプして保持したまま所定の水平移動動作を行うことでカード3のエンボス加工などを実施するものである。したがって、カード保持機構20は、カード送り出し方向Xに往復移動可能であるとともに、ホッパー2から離間した位置でカード送り出し方向Xと直交する方向(本明細書ではこれをY方向と示す場合もある)にも往復移動自在に配置されている。
【0054】
本実施形態ではカード保持機構20のこのような機能を確保するため、図12に示すようにカード送り出し方向Xに平行な2本のガイド軸26,27及び図16に示すようにガイド軸26,27と直交するガイド軸39を設けている。このガイド軸39は、特に図示はしていないが例えばDカット軸としこれにD型のブシュ28を摺動可能に組み付けることで傾きの精度を高めるようにすることが好ましい。このブシュ28は図示しない駆動手段によって駆動されることでX−Y駆動機構を構成し、カード送り出しキャリッジ機構5とカード保持機構20とを一体的にカード搬送する。なお、本実施形態では詳しく図示していないが、カード送り出し機構1のカード送り出しキャリッジ機構5についてもカード送り出し方向X及びこれと直交する方向Yへ往復移動自在に配置することができる。
【0055】
このカード保持機構20は、カード3を上下から確実にクランプした状態で水平移動し得るようにカード保持部材を備えている。本実施形態におけるこのカード保持部材は、図16に示すようにカード受け台23とカード押圧部材24によって構成されている。カード受け台23はカード3を載置する部材であり、図16に示すようにカード3の下面を支持する。このカード受け台23はガイド軸26,27に沿ってカード送り出し方向Xに移動可能である。一方、カード押圧部材24はカード受け台23と対向するように上側に設けられ、上下動することでカード3の圧接保持を行う部材である。
【0056】
このようなカード保持部材を備えたカード保持機構20は、図15に一点鎖線で示すようなホッパー2に隣接する隣接位置でホッパー2から送り出されるカード3を図4などに示すようにカード受け台9と仮止め部材13とにより仮保持し、更に、この隣接位置から移動し、図15に実線で示すようなホッパー2から離間した離間位置でカード受け台23及びカード押圧部材24によりカード3を圧接保持する。ここで、本実施形態では上述したようにカード受け台9の上面に押圧された仮止め部材13によって仮保持しているが、カード3を仮保持するための構成は特に限定されない。例えば、カード受け台9あるいは仮止め部材13から突出しカード3に軽く圧接する板状部材を設け、カード3を弱い力で押圧する仮保持手段として用いるようにしてもよい。
【0057】
このように設けられたカード保持機構20は、カード3に対し仮保持(仮クランプ)と本保持(本クランプ)とを行い得る。ここでいう仮保持はこの仮保持手段による弱い力での押圧状態のことであり、カード3は板状部材が圧接された状態のまま移動することが可能である。一方、本保持はカード受け台23とカード押圧部材24とによる保持押圧状態のことであり、トグル機構を利用して押圧される結果カード3はクランプされた状態から容易にずれることがない。
【0058】
また、このカード保持部材はトグル機構を利用してカード3を圧接保持するように設けられている。本実施形態では、図14、図16などに示すようにカード受け台23の下部に回動可能に設けられたレバー29と、このレバー29と重なり合った状態で回動可能に設けられた第2レバー30と、図16に示すようにこの第2レバー30の動きに伴い揺動運動するクランプレバー31などによってこのカード保持部材が構成されている。クランプレバー31は、図16に示すようにその他端がカード押圧部材24に接続され、第2レバー30の運動に伴い揺動運動してカード押圧部材24を上下動させる。
【0059】
レバー29は、図13、図16などに示すようにカード受け台23の下側に回動可能に取り付けられている。また、レバー29はその下面にカムフォロア32を備えている。カムフォロア32は図14などに示すようにカム面25に係合し、このカム形状どおりに案内されてレバー29を回動させる。
【0060】
カム面25は、図示するようにカード保持機構20の裏面に対向して設けられた溝によって形成されている。溝は、2本の平行な直線部とこれら両直線を結ぶ傾斜部分25aからなり、カムフォロア32を途中でY方向へ移動させるように設けられている。2本の直線部はカード送り出し方向Xと平行であり、したがってこのカム面25に沿って案内されるカムフォロア32は傾斜部分25aにおいてカード送り出し方向Xと直交する横方向(Y方向)に移動し、レバー29を回動させるように作用する。
【0061】
また、このカード保持機構20は図15に示すようにばね部材21によってカード送り出しキャリッジ機構5と互いに引き合うように図の左方に付勢されている。したがって、カード保持機構20はこのばね部材21によって常にカード送り出し方向Xと反対側に付勢されていて、カード3をクランプしながら所定の動きをした後は図15に一点鎖線で示すホッパー2に隣接した位置まで移動する。
【0062】
更に、カード送り出しキャリッジ機構5とカード保持機構20とは、係止部材22により連結された状態で一体的に移動するように設けられている。例えばこのカード送り出し機構1では、カード送り出しキャリッジ機構5とカード保持機構20とを連結することが可能な鉤状の突起を係止部材22としてカード保持機構20側に設け、これをカード送り出しキャリッジ機構5の下面に設けられたピン33に係合させることで一体的に係合させるようにしている。
【0063】
このように、本実施形態では回動するレバー29に係止部材22を一体的に設けているため、このレバー29が回動するタイミングによってカード送り出しキャリッジ機構5とカード保持機構20が係合し合うタイミング及びトグル機構が作用してカード保持機構20が機能するタイミングが異なる。そこで本実施形態では、係止部材22をカム面25によってその位置が移動するように構成し、カム面25の変化位置を過ぎるまでカード送り出しキャリッジ機構5とカード保持機構20とをこの係止部材22により連結させるようにしている。
【0064】
ここで、本実施形態では、上述の変化位置をカム面25の傾斜部分25aの3分の2程度の位置に設定している。したがって、カード保持機構20が、カード3を平行移動させた後ホッパー2に隣接する位置まで帰還するとき、傾斜部分25aのうち3分の2程度までは係止部材22によってカード送り出しキャリッジ機構5と係合しているが、図13に示すように変化位置を過ぎるところで係止部材22がカード送り出しキャリッジ機構5のピン33から外れ、カード送り出しキャリッジ機構5とカード保持機構20とが切り離される。
【0065】
したがって、このカード送り出し・保持機構では、カード保持機構20は図15に実線であるいは図12に示す離間位置から図14、図15に示す隣接位置に帰還するまでばね部材21によって戻り付勢されていることに加え、少なくともカム面25の傾斜部分25aの3分の2を過ぎるまでは係止部材22によって係合し合うカード送り出しキャリッジ機構5によって連結状態のまま引っ張られる。つまり、カード送り出しキャリッジ機構5のカード送り爪部材6は図示しないモータなどによりタイミングベルト35を介して駆動されるため、連結されたカード保持機構20も一体となって隣接位置側に移動する。
【0066】
また、図13に示す変化位置を過ぎて係止部材22がピン33から退避するとカード保持機構20はカード送り出しキャリッジ機構5から切り離されるが、このときのカード保持機構20はすでに慣性を有しておりしかもばね部材21によって引き続き戻り付勢されていることから、カムフォロア32とカム面25の間に生ずる負荷つまりトグル機構のクランプ状態を維持するための反力に屈することなく傾斜部分25aを乗り越えて隣接位置に戻る。
【0067】
即ち、このカード送り出し・保持機構ではカード送り出しキャリッジ機構5を駆動するための駆動力を利用してカード保持機構20を必要範囲内で一体的に移動させるようにしているため、カムフォロア32がカム面25に当接したときに生じる摩擦負荷にかかわらずカード保持機構2を所定位置に帰還させることができる。
【0068】
しかも、傾斜部分25aの途中に設定された変化位置で係止部材22はピン33から外れるだけでなく、レバー29が傾斜部分25aの残りを案内される間更に回動するため係止部材22はピン33から十分に退避する。このため、カード送り出しキャリッジ機構5とカード保持機構20とが再び離間位置側に移動するときも係止部材22は図14に示すようにピン33の通過軌跡から十分に退避して衝突することなく係合することができる。
【0069】
また、レバー29は係止部材22を一体的に揺動させるとともに、トグル機構を作用させることでカード保持機構20を機能させてカード3を保持しあるいは保持を解除する役割も有する。本実施形態では、カード3を上面からクランプするカード押圧部材24はカム面25内におけるレバー29の位置に対応させ、このカム面25によりその位置が制御されるように構成している。例えば、カード3をカード送り出しキャリッジ機構5からカード保持機構20に送り出すとき、カード3のほぼ全部が上述した仮保持手段を通過し終える時点でカード押圧部材24を作用させてカード3の後端縁をクランプできるようにしている。また、カードの圧接保持位置ではカード送り出しキャリッジ機構5とカード保持機構20とを係止部材22により連結させている。
【0070】
以上、カード保持機構20を確実に移動させるための構成について説明したが、さらにこのカード送り出し機構1は、あらかじめエンボス加工されたプリエンボスカードを1枚ずつ確実にホッピングするための構成を備えている。以下において、この構成について説明する。なお、ここでいうホッピングとは、すでに説明したように、ホッパー2内に積層されたカード3,…,3を分離して1枚ずつ送り出す動作のことである。
【0071】
このカード送り出し機構1では、カード送り出し方向Xの両側出口にゲート部4を構成し、これによってプリエンボスカードのようにあらかじめエンボスが形成されているかどうかにかかわらずホッピングすることを可能としている。
【0072】
まず、ホッパー2のカード送り出し方向Xに関して両側面であってホッパー2の出口には、図18に示すようにカード3の下面を支持する2つのカード支持部材36,36が取り付けられている。このカード支持部材36,36は、図19に示すようにカード3のプリエンボスエリアを避けた両側においてカード3の下側を支持する部材で、下側ゲート口として機能する。
【0073】
また、2つのカード支持部材36,36とそれぞれ対向する位置には図17、図18に示すように上側ゲート口10a,10aが設けられている。本実施形態では、ホッパー側板の前側の両側2カ所を利用し、これらを図示するように下側に突出した形状とすることでカード3の上面を規制する部材として機能させている。ただし、一体化されていない別部材を上側ゲート口10a,10aとして設けても構わない。
【0074】
さらにこのカード送り出し機構1では、カード送り爪部材6により送り出されたカード3をカード保持機構20に取り付けたカード受け台9とカード保持部材(図示せず)により保持するように構成し、カード受け台9の位置を2つのカード支持部材36,36の支持面よりも高く形成するようにしている。このように配置した場合、カード3がプリエンボス型であっても、上側ゲート口10a、カード支持部材36、カード受け台9そしてカード送り爪部材6及びその一部であるカード底面受部7の作用により、上述したようにカード3に下向きの加重を与え、その底面基端側をカード底面受部7に押し付けるようにすることができる。
【0075】
したがって、ゲート部4がこのように両側に配置されたゲート口10,10によって構成された場合であっても、カード3の先端3aがカード受け台9に当接した時点で図6などに示したように上側ゲート口10a,10aによってカード3に対し下向き加重を与えることができる。
【0076】
さらにこのカード送り出し機構1には、カード3を下面から受け支えホッパー2の底部2bから落下するのを防止するカード受け部材37,37が設けられている。例えば本実施形態では、図19に示すように、ホッパー2の下方にカード3の両側を受け支えるブロック状部材をカード受け部材37,37として設けている。なお、このカード受け部材37と上述のカード支持部材36とを一体的に設けるようにすれば部品コストの削減や取付動作の簡便化などを図ることが可能となる。また、このカード受け部材37は例えばホッパー側壁の一部を折り曲げ形成してもよい。
【0077】
また、このカード受け部材37はホッパー2内のカードセット時におけるカード落下を防止する機能も有し、さらに、変形カード(例えば反っているカード)が最下段に位置してもゲート部4に確実に入るよう図18などに示すようにカード支持位置よりも一段低く設定されている。
【0078】
カード仮支持部材38は、カード送り出しキャリッジ機構5が前進しホッパー2の外へ移動したときホッパー2内のカード3の落下を防止するように設けられている。例えば本実施形態では、図19に示すように、ホッパー2の底部2bであってカード長手方向ほぼ中央の基端側にカード3の下面を支持するように配置されている。
【0079】
また、プリエンボスエリアと仮止め部材13のカード負荷点13a,13bは重なっているが仮止め部材13は十分な可撓性を有しているためエンボス凸部と接触しても動作上、また凸部に傷などの問題は発生しない。カード3の送り出し完了時は凸部以外を保持することになるので非エンボスカードと一連動作において差がない。
【0080】
以上説明したように、本実施形態のカード送り出し機構1では、ホッパー2の下部のゲート部4をカード3の長手方向端部2カ所に設けてプリエンボスエリアを規制しないようにしたため、このようなプリエンボスカード3であっても問題なく発行することができる。しかも、ホッパー2を構成する側壁の一部を利用して形成しているためゲート部4の剛性を上がることができるし、ゲート4,4間の正確な寸法も実現しやすい。
【0081】
さらには、カード受け部材37,37を同じく端部2カ所に設けるようにしたため、ホッパー2の底部2bからカード3が落下するのを十分に防止することができる。例えばカード3が長手方向に大きく傾いたとしても、上述したようにカード受け部材37,37が形成されたカード送り出し機構1においてはカード3の落下を未然に防ぐことができる。
【0082】
また、上述したカード送り出し機構1ではカード送り爪部材6を2つ設けるようにしていることから、カード3の下面を両端のカード支持部材36,36で支持しつつ、ホッパー2の側壁に沿って安定した平行状態を保ちながらカード3を1枚ずつ送り出すことができるし、図8に示すように反ったカードであっても確実に送り出すことを可能としている。
【0083】
なお、上述のようにゲート口10,10を両側に設けたカード送り出し機構1によっても、送り出したカード3の先端がカード受け台9及びゲート口10,10と当接していればゲート口10,10によって図6に示したように下向きに押圧することができることはいうまでもない。したがって、カード3の後端をカード送り爪部材6のカード係合部8に確実に係合させることができる。
【0084】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述した実施形態では図9などに示したようにゲート部4にカードストッパ移動機構15を1カ所配置した場合について説明したが、ゲート部4が2カ所の場合、カードストッパ移動機構15を各ゲート口10,10へ計2カ所に配置してより確実なカードストップ機能を発揮させるようにしてもよい。
【0085】
また、上述した実施形態ではカード送り出しキャリッジ機構5とカード保持機構20とを回動運動する係止部材22を利用して連結させるようにした場合について説明したが、要は、カード保持機構20を、タイミングベルト35を介して駆動されるカード送り出しキャリッジ機構5に必要時に連結させ一体化させることができればよく、これを実現するための機構は特に上述のものには限られない。例えば、特に図示していないが、両機構の一方に配置したソレノイドの心棒を移動させることによって連結・切り離しを制御するようにしてもよいし、あるいは同じ電磁力を利用した装置であっても、電磁石そのものを機構の一方に取り付けて必要時のみ両機構を連結するようにしてもよい。
【0086】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、請求項1記載のカード送り出し機構によると、カードを送り出すまでの間はゲート口を塞いでカードの動きを規制しておくことができるので、カードを送り出すとき以外はカードが例えば揺動反転したときの勢いなどによって不意に飛び出すことがない。
【0087】
したがって、カード送り爪部材をカード後端に確実に係合させて送り出すことができる。また、カードにカード送り爪部材を引っ掛けるときにこのカードストッパ部材を開放状態とすることによってカードへ外力や反動が生じるのを防ぐこともできる。一方、ホッパー内にカードをセットするときはカードストッパ部材が閉じた状態にあるので作業に特別な注意を払わなくて済む。
さらに、カードストッパ部材のカード係止部が、カードが送り出されるとき以外はゲート口を塞ぐことでカードの不要な飛び出しを防いでいる。したがって常に同様の位置でカード送り爪をカード後端に係合させることができ、確実に係合させることが可能となっている。また、カードストッパ部材をカード送り出しキャリッジ機構に連動させるようにしているので動作が確実である。
また、このカード送り出し機構では、カードストッパ部材を開放方向に回動させる傾斜部の作用により、カードストッパ部材は回動させる力が作用していなければゲート口を塞ぎ、回動力が作用したときのみゲート口を開放する。しかも、この回動力はカードストッパ部材とカード送り出しキャリッジ機構のいずれか一方に設けた傾斜部が生じるものであるため、カード送り出し動作中、常に同じ位置でカードストッパ部材を開放しあるいは阻止位置側に戻すことができる。
【0088】
また請求項2記載のカード送り出し機構によると、カード後端をカード底面受部でカード係合部に案内することができるので、カードにカード送り爪を確実に係合させて送り出すことができる。また、ゲート口通過時のみカードストッパ機構を開放させているので送り出し以外のときにカードが飛び出してしまうようなことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカード送り出し機構を備えたカード発行機を示す側面図である。
【図2】図1に示すカード発行機の正面図である。
【図3】図1に示すカード発行機の平面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示すカード送り出し機構の側面図である。
【図5】カード送り出し機構の側面図である。
【図6】カード送り出し機構の側面図である。
【図7】カード送り出し機構の平面図である。
【図8】カード送り出し機構の正面図である。
【図9】他の実施形態におけるカード送り出し機構の構成を示す側面図である。
【図10】カード送り出し機構の側面図である。
【図11】カード送り出し機構におけるカードストッパ移動機構の別の構成を示す部分側面図である。
【図12】カード送り出し・保持機構の平面図である。
【図13】カード送り出し・保持機構の平面図である。
【図14】カード送り出し・保持機構の平面図である。
【図15】カード送り出し・保持機構の側面図である。
【図16】カード送り出し・保持機構の正面図である。
【図17】他の実施形態におけるカード送り出し機構の構成を示す側面図である。
【図18】カード送り出し機構の正面図である。
【図19】カード送り出し機構の側平面図である。
【図20】カード送り出し機構の平面図である。
【図21】カード送り出し機構の正面図である。
【図22】カード送り出し機構の側面図である。
【図23】従来のカード送り出し機構を示す側面図である。
【図24】ゲート部を塞ぐカードストッパを備えた従来のカード送り出し機構を示す側面図である。
【符号の説明】
1 カード送り出し機構
2 ホッパー
2a ホッパーの底部
3 カード
3a 先端
3b 後端
4 ゲート部
5 カード送り出しキャリッジ機構
6 カード送り爪部材
7 カード底面受部
8 カード係合部
9 カード受け台
9a 傾斜部
10 ゲート口
11 カード案内部材
13 仮止め部材
13a 折り曲げ部
14 カードストッパ部材
14a カード係止部
15 カードストッパ移動機構
16 付勢部材
17 傾斜部
20 カード保持機構
21 ばね部材
22 係止部材
23 カード受け台
24 カード押圧部材
25 カム面
36 カード支持部材
37 カード受け部材
38 カード仮支持部材
Claims (2)
- ホッパー内にカードを積層しておき、該ホッパーの底部に設けたゲート部からカード送り出しキャリッジ機構に取り付けたカード送り爪部材によりカードを1枚ずつ送り出すようにしたカード送り出し機構において、上記カード送り出しキャリッジ機構を駆動源によりカード送り出し方向に往復移動可能に設けるとともに、上記カード送り出しキャリッジ機構にカード後端と係合可能な上記カード送り爪部材を設け、更に、上記ゲート口に該ゲート口を塞ぐカードストッパ部材を設け、上記カード送り爪部材が少なくともカードの先端部分を上記ゲート口を通過させるときに上記カードストッパ部材を移動させて上記ゲート口を開放するカードストッパ移動機構を設け、かつ、上記カードストッパ部材は、そのカード係止部が上記ゲート口に突出してカードの通過を阻止する阻止位置と該阻止位置より移動してカードの通過を許容する開放位置との間を移動可能に設けられており、上記カード送り出しキャリッジ機構がカード送り出し開始位置にあるときに上記カードストッパ部材のカード係止部を上記開放位置とするように、上記カード送り出しキャリッジ機構と上記カードストッパ部材とを係合させ、また、上記カードストッパ部材を回動可能に設けるとともに上記カードストッパ部材を上記阻止位置側に付勢部材により付勢しておき、更に、上記カードストッパ部材とカード送り出しキャリッジ機構のいずれか一方に上記カードストッパ部材を開放方向に回動させる傾斜部を設けてなることを特徴とするカード送り出し機構。
- 上記カード送り爪部材はその先端側にカード底面受部を有するとともに、上記カード底面受部より後側にカード後端と係合するカード係合部を有しており、上記カードストッパ移動機構は上記カードの先端部分を上記ゲート口を通過させるときのみ上記カードストッパ部材を開放方向に移動させるものであることを特徴とする請求項1記載のカード送り出し機構。
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