JPH10293167A - 電子スピン共鳴装置用デュワー - Google Patents
電子スピン共鳴装置用デュワーInfo
- Publication number
- JPH10293167A JPH10293167A JP9099950A JP9995097A JPH10293167A JP H10293167 A JPH10293167 A JP H10293167A JP 9099950 A JP9099950 A JP 9099950A JP 9995097 A JP9995097 A JP 9995097A JP H10293167 A JPH10293167 A JP H10293167A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dewar
- sample
- spin resonance
- heat transfer
- electron spin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 冷媒または熱媒に試料を直接漬けることな
く、伝熱棒を介して試料温度を冷却または加熱するよう
にした電子スピン共鳴用デュワーを提供する。 【解決手段】 真空槽によって断熱された媒体溜めと、
一端が媒体溜めの中に露出すると共に他端が媒体溜めの
底部を貫いて下方向に延びた伝熱棒と、媒体溜めの下に
突き出た伝熱棒の周りを真空引きするために設けられた
取り外し可能で前記真空槽の一部をなす有底筒状の覆い
と、前記真空槽及び有底筒状の覆いの内側を真空引きす
るためのバルブと、前記真空槽及び有底筒状の覆いの内
側の真空を常圧に戻すためのバルブとを備えたデュワー
を用いる。そして、前記伝熱棒の下端に試料を設置し
て、前記媒体溜めからの熱伝導によって試料の冷却また
は加熱を行なわせるようにする。
く、伝熱棒を介して試料温度を冷却または加熱するよう
にした電子スピン共鳴用デュワーを提供する。 【解決手段】 真空槽によって断熱された媒体溜めと、
一端が媒体溜めの中に露出すると共に他端が媒体溜めの
底部を貫いて下方向に延びた伝熱棒と、媒体溜めの下に
突き出た伝熱棒の周りを真空引きするために設けられた
取り外し可能で前記真空槽の一部をなす有底筒状の覆い
と、前記真空槽及び有底筒状の覆いの内側を真空引きす
るためのバルブと、前記真空槽及び有底筒状の覆いの内
側の真空を常圧に戻すためのバルブとを備えたデュワー
を用いる。そして、前記伝熱棒の下端に試料を設置し
て、前記媒体溜めからの熱伝導によって試料の冷却また
は加熱を行なわせるようにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子スピン共鳴の
測定において試料を冷却または加熱するために用いられ
るデュワーに関する。
測定において試料を冷却または加熱するために用いられ
るデュワーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子スピン共鳴の測定においては、試料
温度が低温であるほど測定感度が高まることが期待でき
るため、さまざまなタイプの試料温度可変装置や低温測
定用デュワーが工夫されている。とりわけ、低温測定用
デュワーは、試料温度可変装置よりも低価格であるため
需要が高く、用途や冷媒の種類に応じていくつかのタイ
プの製品が市販されている。
温度が低温であるほど測定感度が高まることが期待でき
るため、さまざまなタイプの試料温度可変装置や低温測
定用デュワーが工夫されている。とりわけ、低温測定用
デュワーは、試料温度可変装置よりも低価格であるため
需要が高く、用途や冷媒の種類に応じていくつかのタイ
プの製品が市販されている。
【0003】液体ちっ素を冷媒とする低温測定用デュワ
ーとしては、例えば実開昭54-51588号や特開平3-100481
号に示された構造を持つものが知られている。図1は特
開平3-100481号に掲載されているデュワーの断面図であ
る。図中1はデュワー本体である。デュワー本体1は真
空槽2によって周囲から断熱されている。デュワー本体
1の内側には液体ちっ素3を溜める溜部4が設けられて
いる。溜部4の底部には有底筒状の突出部5があって、
そこに試料の入った試料管6が挿入される。電子スピン
共鳴の測定は、試料管6を挿入後、突出部5を空胴共振
器中に挿入することにより行なわれる。
ーとしては、例えば実開昭54-51588号や特開平3-100481
号に示された構造を持つものが知られている。図1は特
開平3-100481号に掲載されているデュワーの断面図であ
る。図中1はデュワー本体である。デュワー本体1は真
空槽2によって周囲から断熱されている。デュワー本体
1の内側には液体ちっ素3を溜める溜部4が設けられて
いる。溜部4の底部には有底筒状の突出部5があって、
そこに試料の入った試料管6が挿入される。電子スピン
共鳴の測定は、試料管6を挿入後、突出部5を空胴共振
器中に挿入することにより行なわれる。
【0004】電子スピン共鳴の測定中、液体ちっ素3に
大きな気泡が発生すると、試料管6が振動してノイズに
なるため、該デュワーにおいては、気泡の大きさを小さ
くするための工夫として、有底筒状の突出部5と試料管
6との隙間7を狭くしてある。また、突沸防止用の沸石
8を突出部5の底部に設けることにより、小さな気泡を
連続的に発生させて、熱エネルギーを徐々に逃がす工夫
が施されている。
大きな気泡が発生すると、試料管6が振動してノイズに
なるため、該デュワーにおいては、気泡の大きさを小さ
くするための工夫として、有底筒状の突出部5と試料管
6との隙間7を狭くしてある。また、突沸防止用の沸石
8を突出部5の底部に設けることにより、小さな気泡を
連続的に発生させて、熱エネルギーを徐々に逃がす工夫
が施されている。
【0005】このような低温測定用デュワーは、一般的
に、電子スピン共鳴のバックグラウンド信号を持たない
合成石英ガラスのような素材を用いて一体加工されてい
るのが通例である。そのため、真空槽2の真空度は、デ
ュワー製造時における真空引きの度合いによって決定さ
れる。真空槽熔封後は、ガラスに吸蔵されていた気体が
発生するため、長期に渡ってデュワーを使用している
と、真空槽2の真空度が徐々に低下することは避けられ
なかった。
に、電子スピン共鳴のバックグラウンド信号を持たない
合成石英ガラスのような素材を用いて一体加工されてい
るのが通例である。そのため、真空槽2の真空度は、デ
ュワー製造時における真空引きの度合いによって決定さ
れる。真空槽熔封後は、ガラスに吸蔵されていた気体が
発生するため、長期に渡ってデュワーを使用している
と、真空槽2の真空度が徐々に低下することは避けられ
なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、低温測定用デュ
ワーとしては、図1に示すような構造のものが用いられ
てきた。しかしながら、図1のように試料を液体ちっ素
中に直接漬け込んで冷やす方法は、例えば、冷却された
試料に外部から軟X線を照射しようとすると、液体ちっ
素自身が軟X線を吸収してしまい、照射エネルギーのロ
スを生じるという問題がある。また、軟X線が低温測定
用デュワーに照射されると、デュワーの素材である合成
石英ガラスの結晶格子がダメージを受けて電子スピン共
鳴のバックグラウンド信号を生じ、繰り返しの使用に耐
えなくなるという問題が起きる。また、長期間の使用に
よってデュワーの真空槽の真空度が劣化すると、断熱の
度合いが悪くなって液体ちっ素の消費量が増え、デュワ
ーの外壁が結露を起こしたり、突沸が起こりやすくなる
といった問題を生じる。
ワーとしては、図1に示すような構造のものが用いられ
てきた。しかしながら、図1のように試料を液体ちっ素
中に直接漬け込んで冷やす方法は、例えば、冷却された
試料に外部から軟X線を照射しようとすると、液体ちっ
素自身が軟X線を吸収してしまい、照射エネルギーのロ
スを生じるという問題がある。また、軟X線が低温測定
用デュワーに照射されると、デュワーの素材である合成
石英ガラスの結晶格子がダメージを受けて電子スピン共
鳴のバックグラウンド信号を生じ、繰り返しの使用に耐
えなくなるという問題が起きる。また、長期間の使用に
よってデュワーの真空槽の真空度が劣化すると、断熱の
度合いが悪くなって液体ちっ素の消費量が増え、デュワ
ーの外壁が結露を起こしたり、突沸が起こりやすくなる
といった問題を生じる。
【0007】本発明の目的は、上述した諸点に鑑み、
(1)軟X線を照射しても媒体の吸収による照射エネル
ギーのロスがなく、(2)軟X線の照射によって合成石
英ガラスにバックグラウンド信号が発生しても、デュワ
ーのごく一部分の交換のみによって再使用できるような
構造を持ち、かつ、(3)真空槽における真空度の劣化
が少ない電子スピン共鳴装置用デュワーを提供すること
にある。
(1)軟X線を照射しても媒体の吸収による照射エネル
ギーのロスがなく、(2)軟X線の照射によって合成石
英ガラスにバックグラウンド信号が発生しても、デュワ
ーのごく一部分の交換のみによって再使用できるような
構造を持ち、かつ、(3)真空槽における真空度の劣化
が少ない電子スピン共鳴装置用デュワーを提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の電子スピン共鳴装置用デュワーは、真空槽
によって断熱された、低温媒体または高温媒体を溜める
ための媒体溜めと、一端が媒体溜めの中に露出すると共
に他端が媒体溜めの底部を貫いて下方向に延びた伝熱棒
と、媒体溜めの下に突き出た伝熱棒の周りを真空引きす
るために設けられた取り外し可能で前記真空槽の一部を
なす有底筒状の覆いと、前記真空槽及び有底筒状の覆い
の内側を真空引きするためのバルブと、前記真空槽及び
有底筒状の覆いの内側の真空を常圧に戻すためのバルブ
とを備え、かつ、前記伝熱棒の下端に試料を設置して、
前記媒体溜めからの熱伝導によって試料を冷却または加
熱するようにしたことを特徴としている。
め、本発明の電子スピン共鳴装置用デュワーは、真空槽
によって断熱された、低温媒体または高温媒体を溜める
ための媒体溜めと、一端が媒体溜めの中に露出すると共
に他端が媒体溜めの底部を貫いて下方向に延びた伝熱棒
と、媒体溜めの下に突き出た伝熱棒の周りを真空引きす
るために設けられた取り外し可能で前記真空槽の一部を
なす有底筒状の覆いと、前記真空槽及び有底筒状の覆い
の内側を真空引きするためのバルブと、前記真空槽及び
有底筒状の覆いの内側の真空を常圧に戻すためのバルブ
とを備え、かつ、前記伝熱棒の下端に試料を設置して、
前記媒体溜めからの熱伝導によって試料を冷却または加
熱するようにしたことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図2(a)は、本発明にかかる電
子スピン共鳴用デュワーの一実施例である。図中9は非
磁性のステンレス材で作られたデュワー本体である。こ
のデュワーは二重壁になっていて、内側の壁と外側の壁
との間は真空槽10により断熱されている。デュワー9
の内側には、液体を溜めることのできる溜部11が設け
られていて、溜部11には冷媒の液体ちっ素12が入っ
ている。また、溜部11には銅製の伝熱棒13が露出し
ていて、熔接によって固定されている。伝熱棒13は溜
部11の底部を貫いて下方に延び、その下端に試料収容
部14が設けられている。伝熱棒13の上部が液体ちっ
素12で冷却されると、伝熱棒13の下端に設けられた
試料収容部14が熱伝導によって冷却され、その結果、
試料収容部14に設置された試料15も冷却される仕組
みになっている。冷却された伝熱棒13の温度は、試料
収容部14の近傍に設けられた温度センサー16(例え
ば、銅・コンスタンタン熱電対)によって正確に検知さ
れる。
施の形態を説明する。図2(a)は、本発明にかかる電
子スピン共鳴用デュワーの一実施例である。図中9は非
磁性のステンレス材で作られたデュワー本体である。こ
のデュワーは二重壁になっていて、内側の壁と外側の壁
との間は真空槽10により断熱されている。デュワー9
の内側には、液体を溜めることのできる溜部11が設け
られていて、溜部11には冷媒の液体ちっ素12が入っ
ている。また、溜部11には銅製の伝熱棒13が露出し
ていて、熔接によって固定されている。伝熱棒13は溜
部11の底部を貫いて下方に延び、その下端に試料収容
部14が設けられている。伝熱棒13の上部が液体ちっ
素12で冷却されると、伝熱棒13の下端に設けられた
試料収容部14が熱伝導によって冷却され、その結果、
試料収容部14に設置された試料15も冷却される仕組
みになっている。冷却された伝熱棒13の温度は、試料
収容部14の近傍に設けられた温度センサー16(例え
ば、銅・コンスタンタン熱電対)によって正確に検知さ
れる。
【0010】伝熱棒13の下部は、合成石英ガラスで作
られた有底筒状の覆い17で覆われている。デュワー9
と覆い17の嵌合部18は、耐真空性のOリング19に
よって真空シールされている。デュワー9には真空引き
用のバルブ20が設けられている。バルブ20には、外
部から真空ポンプ(ロータリーポンプ及び油拡散ポン
プ)が接続され、真空槽10を10-3〜10-4トールま
で排気する。排気後、バルブ20を閉じることにより、
真空槽10の真空度を高い状態に維持することができ
る。なお、本図には示していないが、もし必要があれ
ば、デュワー9に真空計を設けて、真空槽10の真空度
の変化をモニターすることも可能である。
られた有底筒状の覆い17で覆われている。デュワー9
と覆い17の嵌合部18は、耐真空性のOリング19に
よって真空シールされている。デュワー9には真空引き
用のバルブ20が設けられている。バルブ20には、外
部から真空ポンプ(ロータリーポンプ及び油拡散ポン
プ)が接続され、真空槽10を10-3〜10-4トールま
で排気する。排気後、バルブ20を閉じることにより、
真空槽10の真空度を高い状態に維持することができ
る。なお、本図には示していないが、もし必要があれ
ば、デュワー9に真空計を設けて、真空槽10の真空度
の変化をモニターすることも可能である。
【0011】図2(b)は、試料交換時におけるデュワ
ーの構造を示している。真空バルブ20を開放して真空
槽10を常圧に戻すことにより、嵌合されていた有底筒
状の覆い17をデュワー本体9の底部から取り外すこと
ができる。覆い17を取り外すことができれば、伝熱棒
13の下端の試料収容部14に設置された試料15を別
の試料と交換することは容易である。
ーの構造を示している。真空バルブ20を開放して真空
槽10を常圧に戻すことにより、嵌合されていた有底筒
状の覆い17をデュワー本体9の底部から取り外すこと
ができる。覆い17を取り外すことができれば、伝熱棒
13の下端の試料収容部14に設置された試料15を別
の試料と交換することは容易である。
【0012】図3は、有底筒状の覆いの一例を示してい
る。図中17は、合成石英ガラスで作られた覆いであ
る。覆い17の上部には、デュワーとの嵌合部18が設
けられている。この嵌合部18には、耐真空性のOリン
グ19が備えられている。一般に合成石英ガラスは、軟
X線の照射によって結晶構造がダメージを受け、電子ス
ピン共鳴のバックグラウンド信号を持つようになる。そ
のため、図1で示されるような、従来の一体加工型の低
温測定用デュワーの場合、軟X線の照射実験を行なうた
びにデュワーにバックグラウンド信号が発生し、デュワ
ーを丸ごと新品と交換するしか方法がなかった。これは
極めて不経済なことである。本発明のデュワーでは、デ
ュワー本体から覆い部分のみを取り外すことができるの
で、バックグラウンド信号が検出された場合は、該覆い
17のみを新品と交換するだけで済む。また、軟X線の
照射範囲が覆い17の局部に限定される場合は、予め覆
い17の被照射部分に小窓21を設けておけば、軟X線
が照射される小窓部分のみを新品と交換するだけで済ま
せることが可能である。それにより、低温測定用デュワ
ーの極めて経済的な利用が可能になる。
る。図中17は、合成石英ガラスで作られた覆いであ
る。覆い17の上部には、デュワーとの嵌合部18が設
けられている。この嵌合部18には、耐真空性のOリン
グ19が備えられている。一般に合成石英ガラスは、軟
X線の照射によって結晶構造がダメージを受け、電子ス
ピン共鳴のバックグラウンド信号を持つようになる。そ
のため、図1で示されるような、従来の一体加工型の低
温測定用デュワーの場合、軟X線の照射実験を行なうた
びにデュワーにバックグラウンド信号が発生し、デュワ
ーを丸ごと新品と交換するしか方法がなかった。これは
極めて不経済なことである。本発明のデュワーでは、デ
ュワー本体から覆い部分のみを取り外すことができるの
で、バックグラウンド信号が検出された場合は、該覆い
17のみを新品と交換するだけで済む。また、軟X線の
照射範囲が覆い17の局部に限定される場合は、予め覆
い17の被照射部分に小窓21を設けておけば、軟X線
が照射される小窓部分のみを新品と交換するだけで済ま
せることが可能である。それにより、低温測定用デュワ
ーの極めて経済的な利用が可能になる。
【0013】なお、上記の実施例では、液体ちっ素を冷
媒として用いた場合について述べたが、本デュワーで
は、媒体溜めと電子スピン共鳴の測定部とが完全に分離
されているため、使用可能な媒体は液体ちっ素だけには
限られない。例えばドライアイス−アセトンのような冷
媒、あるいは温湯や熱い油のような熱媒による試料温度
の制御も可能である。
媒として用いた場合について述べたが、本デュワーで
は、媒体溜めと電子スピン共鳴の測定部とが完全に分離
されているため、使用可能な媒体は液体ちっ素だけには
限られない。例えばドライアイス−アセトンのような冷
媒、あるいは温湯や熱い油のような熱媒による試料温度
の制御も可能である。
【0014】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明のデュワーを
用いれば、電子スピン共鳴を測定する際、試料は真空中
に置かれることになり、軟X線の照射エネルギーが媒体
によって吸収される心配がない。また、軟X線の照射に
よってデュワーが電子スピン共鳴のバックグラウンド信
号を生じても、それは有底筒状の覆い部分のみのことで
あるから、該覆いを新しい覆いと交換すれば、何度でも
繰り返してデュワー本体を軟X線の照射実験に用いるこ
とができる。また、真空槽の真空引きは試料交換の都度
真空ポンプによって行なうので、長期間に渡る実験にお
いても、真空槽の真空度が劣化して断熱度が悪くなると
いうことはない。
用いれば、電子スピン共鳴を測定する際、試料は真空中
に置かれることになり、軟X線の照射エネルギーが媒体
によって吸収される心配がない。また、軟X線の照射に
よってデュワーが電子スピン共鳴のバックグラウンド信
号を生じても、それは有底筒状の覆い部分のみのことで
あるから、該覆いを新しい覆いと交換すれば、何度でも
繰り返してデュワー本体を軟X線の照射実験に用いるこ
とができる。また、真空槽の真空引きは試料交換の都度
真空ポンプによって行なうので、長期間に渡る実験にお
いても、真空槽の真空度が劣化して断熱度が悪くなると
いうことはない。
【図1】従来の実施例を示す図である。
【図2】本発明の一実施例を示す図である。
【図3】本発明の一実施例を示す図である。
9・・・デュワー本体、10・・・真空槽、11・・・溜部、1
2・・・液体ちっ素、13・・・伝熱棒、14・・・試料収容
部、15・・・試料、16・・・温度センサー、17・・・覆
い、18・・・嵌合部、19・・・Oリング、20・・・バル
ブ、21・・・小窓。
2・・・液体ちっ素、13・・・伝熱棒、14・・・試料収容
部、15・・・試料、16・・・温度センサー、17・・・覆
い、18・・・嵌合部、19・・・Oリング、20・・・バル
ブ、21・・・小窓。
Claims (6)
- 【請求項1】真空槽によって断熱された、低温媒体また
は高温媒体を溜めるための媒体溜めと、一端が媒体溜め
の中に露出すると共に他端が媒体溜めの底部を貫いて下
方向に延びた伝熱棒と、媒体溜めの下に突き出た伝熱棒
の周りを真空引きするために設けられた取り外し可能で
前記真空槽の一部をなす有底筒状の覆いと、前記真空槽
及び有底筒状の覆いの内側を真空引きするためのバルブ
と、前記真空槽及び有底筒状の覆いの内側の真空を常圧
に戻すためのバルブとを備え、かつ、前記伝熱棒の下端
に試料を設置して、前記媒体溜めからの熱伝導によって
試料を冷却または加熱するようにしたことを特徴とする
電子スピン共鳴装置用デュワー。 - 【請求項2】前記低温媒体が液体ちっ素からなる請求項
1記載の電子スピン共鳴装置用デュワー。 - 【請求項3】前記伝熱棒が金属及び熱伝導性物質からな
る請求項1記載の電子スピン共鳴装置用デュワー。 - 【請求項4】前記有底筒状の覆いが電子スピン共鳴のバ
ックグラウンド信号を持たない材質からなる請求項1記
載の電子スピン共鳴装置用デュワー。 - 【請求項5】前記有底筒状の覆いに、交換可能な窓材で
作られた電磁波照射用窓を設けたことを特徴とする請求
項1または請求項4記載の電子スピン共鳴装置用デュワ
ー。 - 【請求項6】前記窓材が電子スピン共鳴のバックグラウ
ンド信号を持たない材質からなる請求項5記載の電子ス
ピン共鳴装置用デュワー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9099950A JPH10293167A (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | 電子スピン共鳴装置用デュワー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9099950A JPH10293167A (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | 電子スピン共鳴装置用デュワー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10293167A true JPH10293167A (ja) | 1998-11-04 |
Family
ID=14260990
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9099950A Withdrawn JPH10293167A (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | 電子スピン共鳴装置用デュワー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10293167A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014176663A1 (en) | 2013-05-03 | 2014-11-06 | Quantum Valley Investment Fund LP | Polarizing a spin ensemble for magnetic resonance imaging |
US10197643B2 (en) | 2013-05-03 | 2019-02-05 | Quantum Valley Investment Fund LP | Transferring spin polarization |
CN113410332A (zh) * | 2021-05-27 | 2021-09-17 | 中国电子科技集团公司第十一研究所 | 芯片粘接加热装置及其方法 |
-
1997
- 1997-04-17 JP JP9099950A patent/JPH10293167A/ja not_active Withdrawn
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014176663A1 (en) | 2013-05-03 | 2014-11-06 | Quantum Valley Investment Fund LP | Polarizing a spin ensemble for magnetic resonance imaging |
EP2992348A4 (en) * | 2013-05-03 | 2017-06-28 | Quantum Valley Investment Fund LP | Polarizing a spin ensemble for magnetic resonance imaging |
EP2992345A4 (en) * | 2013-05-03 | 2017-06-28 | Quantum Valley Investment Fund LP | Using a thermally-isolated cavity to polarize a spin ensemble |
US10184994B2 (en) | 2013-05-03 | 2019-01-22 | Quantum Valley Investment Fund LP | Polarizing a spin ensemble for magnetic resonance imaging |
US10197641B2 (en) | 2013-05-03 | 2019-02-05 | Quantum Valley Investment Fund LP | Using a cavity to polarize a spin ensemble |
US10197643B2 (en) | 2013-05-03 | 2019-02-05 | Quantum Valley Investment Fund LP | Transferring spin polarization |
US10197642B2 (en) | 2013-05-03 | 2019-02-05 | Quantum Valley Investment Fund LP | Using a thermally-isolated cavity to polarize a spin ensemble |
US10371767B2 (en) | 2013-05-03 | 2019-08-06 | Quantum Valley Investment Fund LP | Efficient spin polarization |
CN113410332A (zh) * | 2021-05-27 | 2021-09-17 | 中国电子科技集团公司第十一研究所 | 芯片粘接加热装置及其方法 |
CN113410332B (zh) * | 2021-05-27 | 2022-08-19 | 中国电子科技集团公司第十一研究所 | 芯片粘接加热装置及其方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040706 |