JP3374273B2 - 強磁場低温物性測定装置 - Google Patents

強磁場低温物性測定装置

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JP3374273B2 JP15682598A JP15682598A JP3374273B2 JP 3374273 B2 JP3374273 B2 JP 3374273B2 JP 15682598 A JP15682598 A JP 15682598A JP 15682598 A JP15682598 A JP 15682598A JP 3374273 B2 JP3374273 B2 JP 3374273B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強磁場低温物性測定
装置にかかるもので、とくに磁場源として超電導マグネ
ット装置を用いて、この磁場内における各種物質(試
料)の物性を測定するための強磁場低温物性測定装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、強磁場下において、各種物質
の、電気伝導度、ホール効果、あるいは超電導特性など
の諸物性を測定することが行われている。こうした物性
測定装置の磁場源として、液体ヘリウムを用いずに冷凍
機(たとえばGM冷凍機など)により超電導コイルを冷
却する、いわゆるヘリウムフリー超電導マグネット装置
があるが、このヘリウムフリー超電導マグネット装置を
用いれば、そのアクセスが容易な常温の磁場利用空間を
得ることができる特長があり、さまざまな磁場応用に利
用されている。たとえば、強磁場下における固体の物性
(電気伝導度、ホール効果、超電導特性)の評価装置と
して、ヘリウムフリー超電導マグネット装置は広く適用
されている。ただしこれらの測定実験では、試験片(試
料)を極低温に冷却する必要があることが多く、従来の
低温物性測定装置では、この試料を冷却するための機構
に各種の問題があった。
【0003】たとえば図3は、液体窒素を用いて冷却す
る、強磁場低温物性測定装置1を示す断面図であって、
強磁場低温物性測定装置1は、超電導マグネット装置2
による強磁場とした磁場利用空間3と、液体窒素容器4
と、試料取付け部兼測定部5と、を有する。
【0004】超電導マグネット装置2は、真空容器6
と、GM冷凍機7と、熱シールド板8と、超電導コイル
9と、電流リード10と、を有し、超電導コイル9の中
心ボア部を上記磁場利用空間3としてある。
【0005】真空容器6は、GM冷凍機7の第一段冷却
ステージ7A(たとえば温度60Kレベルの高温側冷却
冷却ステージ)および第二段冷却ステージ7B(たとえ
ば温度4Kレベルの低温側冷却ステージ)、熱シールド
板8、超電導コイル9ならびに電流リード10を真空断
熱状態に保持する。
【0006】GM冷凍機7は、その第一段冷却ステージ
7Aを熱シールド板8に、その第二段冷却ステージ7B
を超電導コイル9にそれぞれ熱的に接続し、液体ヘリウ
ムを用いることなく、超電導コイル9を極低温に冷却可
能であってこれを超電導状態とすることができる。
【0007】熱シールド板8は、第二段冷却ステージ7
Bおよび超電導コイル9などを収容し、外部からの熱輻
射による熱侵入を防止する。
【0008】前記液体窒素容器4には液体窒素注入口1
1から液体窒素12を充填し、試料取付け部兼測定部5
の先端部に取り付けた試料13を所定の低温に冷却す
る。
【0009】こうした構成の強磁場低温物性測定装置1
においては、低温を生成および維持するために液体窒素
12を用いるので、温度調節が困難であること、液体窒
素12を補充する必要があることなどの問題点がある。
【0010】図4は、液体ヘリウムを利用して冷却す
る、強磁場低温物性測定装置20の断面図であって、強
磁場低温物性測定装置20は、上述の超電導マグネット
装置2による磁場利用空間3内に、液体ヘリウム循環用
容器21を配置し、液体ヘリウム容器22からヘリウム
循環配管23を介して液体ヘリウム24を試料13に熱
的に接触させ、試料13を所定の低温に冷却可能とす
る。
【0011】こうした構成の強磁場低温物性測定装置2
0においては、ヘリウム循環配管23内を液体ヘリウム
24を循環させて試料13を冷却するが、高価な液体ヘ
リウム24を使用しなければならないという問題があ
る。
【0012】図5は、液体ヘリウムを利用して冷却す
る、他のタイプの強磁場低温物性測定装置25の断面図
であって、強磁場低温物性測定装置25においては、液
体ヘリウム容器26に液体ヘリウム24をヘリウム供給
管27から供給し、蒸発ガスを循環させて、試料13を
冷却するものである。
【0013】こうした構成の強磁場低温物性測定装置2
5においては、液体ヘリウム24の補充が必要であると
ともに、高価な液体ヘリウム24を使用しなければなら
ないという問題がある。
【0014】図6は、他のタイプの強磁場低温物性測定
装置30の断面図であって、強磁場低温物性測定装置3
0においては、超電導マグネット装置2の磁場利用空間
3の上方に、もうひとつの他の冷凍機(第2のGM冷凍
機31)と、この第2のGM冷凍機31を超電導マグネ
ット装置2の磁場利用空間3に向かって移動可能に保持
する保持移動機構32と、を設けてある。
【0015】第2のGM冷凍機31は、真空容器33内
に位置させたその第一段冷却ステージ31Aに熱シール
ド板34を熱的に接続し、その第二段冷却ステージ31
Bにサンプルホルダー35を熱的に接続してある。サン
プルホルダー35の先端部には、試料13(測温抵抗
体)および抵抗加熱ヒーター36を取り付け、抵抗加熱
ヒーター36を制御することによって、サンプルホルダ
ー35および試料13の温度を任意に設定および変更可
能としてある。
【0016】こうした構成の強磁場低温物性測定装置3
0においては、保持移動機構32を操作することにより
第2のGM冷凍機31全体を超電導マグネット装置2の
磁場利用空間3に向かって上下させ、磁場利用空間3に
試料13を位置させて低温物性測定を行うものであり、
強磁場低温物性測定装置1(図3)、強磁場低温物性測
定装置20(図4)あるいは強磁場低温物性測定装置2
5(図5)のような冷媒の補充その他の諸問題は解消さ
れるが、第2のGM冷凍機31の初期コストおよびその
ランニングコストの増加が大きな問題である。また、超
電導マグネット装置2の磁場利用空間3内に、さらに別
の真空容器33を収容する必要があるため、磁場利用空
間3に占めるサンプルホルダー35の空間が小さくなっ
てしまうという問題がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
諸問題にかんがみなされたもので、測定用の試料の温度
を任意の低温に設定可能な強磁場低温物性測定装置を提
供することを課題とする。
【0018】また本発明は、液体窒素あるいは液体ヘリ
ウムなどの冷媒の充填および補充を必要とせず、操作が
簡単かつ容易な強磁場低温物性測定装置を提供すること
を課題とする。
【0019】また本発明は、試料を冷却するための初期
コストあるいはランニングコストを低減することができ
る強磁場低温物性測定装置を提供することを課題とす
る。
【0020】また本発明は、試料を載置するための磁場
利用空間をより大きく取ることができる強磁場低温物性
測定装置を提供することを課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、超電
導コイルを冷却するための冷凍機により試料をも冷却す
るようにすることに着目したもので、真空容器内に設け
るとともに冷凍機により冷却する超電導コイルによって
強磁場とした磁場利用空間を形成し、この磁場利用空間
における試料の物性を測定するための強磁場低温物性測
定装置であって、上記冷凍機は、第一段冷却ステージお
よびこの第一段冷却ステージより低温となる第二段冷却
ステージを有し、上記超電導コイルをこの第二段冷却ス
テージに熱的に接続するとともに、上記超電導コイルに
よる上記磁場利用空間内に上記超電導コイルの上記真空
容器とは別に独立した真空の試料室を形成し、この試料
室内に設けるとともに上記試料を取り付ける試料ホルダ
ーを、上記冷凍機の上記第二段冷却ステージに熱的に接
続したことを特徴とする強磁場低温物性測定装置であ
る。
【0022】上記試料室をその外蓋側の試料室前室と試
料室本体とのふたつに分割するとともに、この試料室本
体とこの試料室前室との間に外部から操作可能なゲート
弁を設け、上記試料室本体を真空状態に維持したまま、
上記試料室前室を大気にさらすことができるようにする
ことができる。
【0023】上記試料室内の上記試料を上記試料ホルダ
ーに取り付ける操作を外部から行うための試料用マニピ
ュレーターを備え、上記試料室の外蓋に、この取付け操
作を行うためののぞき窓を備えることができる。
【0024】上記試料ホルダーを熱スイッチを介して上
記冷凍機の冷却ステージに熱的に接触させることができ
る。
【0025】上記熱スイッチは、銅などの良熱伝導性の
相対する第1の伝熱部材および第2の伝熱部材、ならび
にこの第1および第2の伝熱部材の間を連結するステン
レス製あるいはGFRP製などの低熱伝導性の筒部材、
により形成した気密容器と、この気密容器に接続してそ
の内部にヘリウムガスを充填可能とするとともに、好ま
しくは内部の圧力を調整するためにその外部と連通する
ヘリウムガス配管と、を有することができる。
【0026】上記試料に接続する測定用電線は、上記試
料室の外蓋に設けた真空気密導入端子を介してこれを外
部の測定機器に接続することができる。
【0027】上記試料室内の上記試料に接続した測定用
電線と、上記超電導コイルを有する超電導マグネット装
置内にあらかじめ配線するとともに外部の測定機器と接
続した電線と、を接続するためのコネクターを、上記試
料室内の上記試料ホルダーの部分に設置することができ
る。
【0028】上記コネクターの接続操作を外部から行う
ためのマニピュレーターを上記試料室の外蓋に設けるこ
とができる。
【0029】本発明による強磁場低温物性測定装置にお
いては、超電導マグネット装置のGM冷凍機などの冷凍
機により超電導コイルと同時に試料もこれを冷却するよ
うにしたので、操作が簡単かつ容易であるとともに、液
体窒素あるいは液来ヘリウムなど特別の専用の寒剤を使
用することなく、コスト低く測定可能である。
【0030】さらに、超電導マグネット装置の磁場利用
空間をそのまま試料の収容セット部とすることができる
ので、磁場利用空間を縮小する必要がなく、任意の大き
さの試料の低温物性測定が可能である。また、試料と冷
却ステージとの間に熱スイッチを介在させることによ
り、試料を任意の温度に冷却可能であるとともに、試料
の交換時などにおいても超電導コイルの超電導状態を解
除しなくてすむもので、再度の冷却運転の効率を良好な
ものとすることができる。また、試料室を試料室前室と
試料室本体とに分割するとともにその間にゲート弁を設
ければ、試料室の真空状態を維持するとともに試料室前
室のみを真空解除ないし大気開放可能として、試料の交
換時の熱侵入を極力低減するとともに、真空排気操作を
効率よく行うことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態によ
る強磁場低温物性測定装置40を図1および図2にもと
づき説明する。ただし、図3ないし図6と同様の部分に
は同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。図1
は、強磁場低温物性測定装置40の断面図であって、強
磁場低温物性測定装置40は、前記超電導マグネット装
置2により強磁場とした磁場利用空間3から構成した試
料室41と、熱スイッチ42と、試料ホルダー43と、
真空シールゲート弁その他のゲート弁44およびその弁
操作用マニピュレーター45と、試料用マニピュレータ
46と、外蓋47と、真空気密導入端子48と、開閉
弁49と、を有する。
【0032】試料室41は、超電導マグネット装置2に
おける前記真空容器6および外蓋47によりこれを真空
断熱状態に保持するとともに、隔壁50によって、内側
の試料室本体51と、外蓋47側の試料室前室52との
二室に分割形成してある。試料室本体51の内部に熱ス
イッチ42および試料ホルダー43を収容し、試料室前
室52の内部にゲート弁44および弁操作用マニピュレ
ーター45を収容する。なお試料室41は、GM冷凍機
7の真空容器6とは分離独立した真空断熱槽とされてい
る。すなわち、真空容器6の真空容器内筒53を試料室
41の外壁としており、その材質としては、熱伝導度が
低いとともに磁性のない、たとえばステンレス(SUS
304)やGFRP(ガラス強化繊維樹脂)などを用い
る。
【0033】熱スイッチ42は、被冷却物(試料13)
とGM冷凍機7の第二段冷却ステージ7Bとの間の熱接
触を接続したり、切り離したりするものである。熱スイ
ッチ42は、たとえば銅などにより構成した伝熱部材を
機械的に移動させて熱接触を調節する機械的熱スイッチ
や、ガス式熱スイッチなどがある。
【0034】たとえば図2は、本発明において、より好
ましいガス式の熱スイッチ42を示す概略断面図で、熱
スイッチ42は、気密容器54と、ヘリウムガス配管5
5と、を有する。
【0035】気密容器54は、ステンレス製あるいはG
FRP製などの低熱伝導性の筒部材56と、銅などによ
る良熱伝導性の相対する第1の伝熱部材57および第2
の伝熱部材58と、からこれを構成する。すなわち筒部
材56は、第1の伝熱部材57および第2の伝熱部材5
8の間に閉鎖空間59を形成するとともに、第1の伝熱
部材57および第2の伝熱部材58からそれぞれ複数本
の銅などの良熱伝導性のフィン60(板材)を閉鎖空間
59に臨ませて、ガス充填時の熱交換の効率を良好にし
ている。
【0036】外部のヘリウムガス供給源(図示せず)か
らヘリウムガス配管55および開閉弁61を介して閉鎖
空間59にヘリウムガスを供給可能とし、ヘリウムガス
の量により、内部の圧力つまり熱交換の効率を制御可能
としている。すなわち熱スイッチ42において、第二段
冷却ステージ7Bと試料ホルダー43との間にごく微弱
な熱接触が必要なときには、数十Pa程度のガス圧力に
すればよいし、より強固な熱接触が必要なときには、よ
り圧力を上げればよい。
【0037】試料ホルダー43は、とくに図2に示すよ
うに、ここに試料13および任意の物性測定用センサー
62をセットするもので、熱スイッチ42を介してGM
冷凍機7の第二段冷却ステージ7Bに熱接触している。
試料ホルダー43には、温度センサー63や抵抗加熱ヒ
ーター64を設置し、外部の温度表示器および温度調節
器(図示せず)に接続されている。なお、ゲート弁44
を真空容器6(真空容器内筒53)に取り付ける部分、
あるいはゲート弁44にも同様に、温度センサーや抵抗
加熱ヒーター(ともに図示せず)を取り付けることによ
り、外部からの温度計測および温度制御を可能としてい
る。
【0038】この試料ホルダー43内の物性測定用セン
サー62からの測定用電線65は、隔壁50を経て、真
空気密導入端子48から外部の測定制御機器(図示せ
ず)にこれを接続する。本発明におけるこの測定用電線
65の接続構造としては、この他に、外部の測定制御機
器と超電導マグネット装置2との間にあらかじめ配線さ
れている電線と、この電線の先端部が接続されているコ
ネクター(ともに図示せず)と、を採用することができ
る。このコネクターを試料ホルダー43に設置してお
き、コネクターに測定用電線65を接続する。ただし、
この接続構造の場合には、外部から試料用マニピュレー
ター46により試料13に取り付けた測定用電線65を
試料ホルダー43の当該コネクターに接続する必要があ
る。
【0039】ゲート弁44は、隔壁50に形成した貫通
窓66を開閉するもので、外部から操作可能な弁操作用
マニピュレーター45によりこれを操作することにより
試料室41を試料室本体51および試料室前室52に二
分割可能、あるいは試料室本体51および試料室前室5
2を連通可能としている。
【0040】試料用マニピュレーター46は、外蓋47
に形成したのぞき窓67から操作して試料ホルダー43
に試料13をセットするためのものである。
【0041】外蓋47には、のぞき窓67以外に真空排
気口68を形成し、開閉弁49を介して、真空排気装置
(図示せず)により試料室41(試料室本体51、試料
室前室52)内を真空排気するとともに、試料室前室5
2を大気開放可能とする。
【0042】こうした構成の強磁場低温物性測定装置4
0において、まず、試料13が試料室41(試料室本体
51)に設置された状態で、試料室41は外蓋47によ
り真空シールされ、ゲート弁44は開いており、外蓋4
7上の真空排気口68から真空排気することにより試料
室41(試料室本体51および試料室前室52)全体が
真空排気されている。熱スイッチ42内にはヘリウムガ
スが充填されており、試料ホルダー43はGM冷凍機7
の第二段冷却ステージ7Bによって温度4Kレベルに冷
却されている。
【0043】この状態で試料13の任意の物性を測定す
るものであるが、この測定状態で第二段冷却ステージ7
Bへの侵入熱のうち、磁場利用空間3が空芯状態である
従来の超電導マグネット装置2(図3)と比較して増加
しているのは、超電導マグネット装置2の真空容器6と
試料室41とを隔てている隔壁50の熱伝導による侵入
熱、および試料ホルダー43から熱スイッチ42を通し
ての侵入熱である。これらの侵入熱は微量であり、GM
冷凍機7を冷却機能を上げて運転することにより、対処
可能である。
【0044】試料13を交換する手順と、そのときの各
部の状態および作用を以下に説明する。まず熱スイッチ
42内のヘリウムガスを排気し、熱スイッチ42をオフ
状態にする。このオフ状態により、試料13の交換時に
発生する超電導コイル9への熱侵入を低減し、再冷却時
間の短縮を図る。
【0045】外蓋47を通して試料用マニピュレーター
46を操作することにより試料13を試料ホルダー43
から取り外し、ゲート弁44より外方の試料室前室52
に引き出したのち、ゲート弁44を閉じる。また、ゲー
ト弁44に取り付けてある温度調節器および抵抗加熱ヒ
ーターによりゲート弁44の温度を常温まで加熱するこ
とにより、ゲート弁44の氷結ないし汚染を防止する。
この際、第二段冷却ステージ7Bへの侵入熱が増加し、
超電導コイル9の温度が上昇するが、試料13交換中
は、超電導コイル9による強磁場発生の必要はないの
で、特別な問題はない。
【0046】上述のように試料13を試料室前室52ま
で引き出してゲート弁44を閉じ、ゲート弁44の温度
が上昇したならば、外蓋47の真空排気口68から大気
あるいは窒素ガスなどの乾燥ガスを試料室前室52に導
入し、外蓋47を開ける。
【0047】新しい試料13の設置手順は、上述の取外
し手順とは逆手順で、試料用マニピュレーター46に取
り付けた試料13を試料室前室52に入れ、外蓋47を
閉じる。外蓋47の真空排気口68から真空排気を行
い、所定の真空度(試料室本体51と同等)になった時
点で、ゲート弁44の温度調節を停止し、ゲート弁44
を開く。試料用マニピュレーター46により試料13を
試料ホルダー43に設置し、試料用マニピュレーター
6を試料13から切り離す。ついで、熱スイッチ42内
にヘリウムガスを充填してオン状態とし、第二段冷却ス
テージ7Bにより試料13を冷却する。
【0048】なお本発明による強磁場低温物性測定装置
40においては、従来の強磁場低温物性測定装置30
(図6)において、超電導コイル9と試料室41との間
に存在することになる第2のGM冷凍機31の真空容器
33および熱シールド板34を省略可能であり、結果と
して、同じ内径の超電導マグネット装置2に対して試料
ホルダー43を大きくすることができる。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、超電導マ
グネット装置における冷凍機の冷却ステージにより試料
を所定の低温に冷却するようにしたので、構造および操
作が簡単で、導入時および運転時におけるコストの低減
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による強磁場低温物性測定
装置40の断面図である。
【図2】同、ガス式の熱スイッチ42を示す概略断面図
である。
【図3】液体窒素を用いて冷却する、従来の強磁場低温
物性測定装置1を示す断面図である。
【図4】液体ヘリウムを利用して冷却する、従来の強磁
場低温物性測定装置20の断面図である。
【図5】液体ヘリウムを利用して冷却する、従来の強磁
場低温物性測定装置25の断面図である。
【図6】他の冷凍機(第2のGM冷凍機31)を利用し
て冷却する、従来の強磁場低温物性測定装置30の断面
図である。
【符号の説明】
1 液体窒素を用いて冷却する、強磁場低温物性測定装
置(図3) 2 超電導マグネット装置 3 強磁場とした磁場利用空間 4 液体窒素容器 5 試料取付け部兼測定部 6 真空容器 7 GM冷凍機(ギフォード・マクマホン冷凍機) 7A GM冷凍機7の第一段冷却ステージ 7B GM冷凍機7の第二段冷却ステージ 8 熱シールド板 9 超電導コイル 10 電流リード 11 液体窒素注入口 12 液体窒素(図3) 13 試料 20 液体ヘリウムを利用して冷却する、強磁場低温物
性測定装置(図4) 21 液体ヘリウム循環用容器 22 液体ヘリウム容器 23 ヘリウム循環配管 24 液体ヘリウム(図4、図5) 25 液体ヘリウムを利用して冷却する、強磁場低温物
性測定装置(図6) 26 液体ヘリウム容器 27 ヘリウム供給管 30 他の冷凍機(第2のGM冷凍機31)を利用して
冷却する、強磁場低温物性測定装置(図6) 31 第2のGM冷凍機 31A 第2のGM冷凍機31の第一段冷却ステージ 31B 第2のGM冷凍機31の第二段冷却ステージ 32 保持移動機構 33 真空容器 34 熱シールド板 35 サンプルホルダー 36 抵抗加熱ヒーター 40 強磁場低温物性測定装置(実施の形態、図1) 41 試料室 42 ガス式の熱スイッチ(図1、図2) 43 試料ホルダー 44 ゲート弁(真空シールゲート弁) 45 弁操作用マニピュレーター 46 試料用マニピュレーター 47 外蓋 48 真空気密導入端子 49 開閉弁 50 隔壁 51 試料室本体 52 試料室前室 53 真空容器6の真空容器内筒 54 気密容器 55 ヘリウムガス配管 56 ステンレス製あるいはGFRP製などによる低熱
伝導性の筒部材 57 銅などによる第1の伝熱部材 58 銅などによる第2の伝熱部材 59 閉鎖空間 60 フィン 61 開閉弁 62 物性測定用センサー 63 温度センサー 64 抵抗加熱ヒーター 65 測定用電線 66 貫通窓 67 のぞき窓 68 真空排気口

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内に設けるとともに冷凍機に
    より冷却する超電導コイルによって強磁場とした磁場利
    用空間を形成し、この磁場利用空間における試料の物性
    を測定するための強磁場低温物性測定装置であって、前記冷凍機は、第一段冷却ステージおよびこの第一段冷
    却ステージより低温となる第二段冷却ステージを有し、
    前記超電導コイルをこの第二段冷却ステージに熱的に接
    続するとともに、 前記超電導コイルによる前記磁場利用空間内に前記超電
    導コイルの前記真空容器とは別に独立した真空の試料室
    を形成し、 この試料室内に設けるとともに前記試料を取り付ける試
    料ホルダーを、前記冷凍機の前記第二段冷却ステージに
    熱的に接続したことを特徴とする強磁場低温物性測定装
    置。
  2. 【請求項2】 前記試料室をその外蓋側の試料室前室
    と試料室本体とのふたつに分割するとともに、 この試料室本体とこの試料室前室との間に外部から操作
    可能なゲート弁を設け、 前記試料室本体を真空状態に維持したまま、前記試料室
    前室を大気にさらすことができるようにしたことを特徴
    とする請求項1記載の強磁場低温物性測定装置。
  3. 【請求項3】 前記試料室内の前記試料を前記試料ホ
    ルダーに取り付ける操作を外部から行うための試料用
    ニピュレーターを備え、 前記試料室の外蓋に、この取付け操作を行うためののぞ
    き窓を備えたことを特徴とする請求項1記載の強磁場低
    温物性測定装置。
  4. 【請求項4】 前記試料ホルダーを熱スイッチを介し
    て前記冷凍機の前記第二段冷却ステージに熱的に接触さ
    せることを特徴とする請求項1記載の強磁場低温物性測
    定装置。
  5. 【請求項5】 前記熱スイッチは、 良熱伝導性の相対する第1の伝熱部材および第2の伝熱
    部材、ならびにこの第1および第2の伝熱部材の間を連
    結する低熱伝導性の筒部材、により形成した気密容器
    と、 この気密容器に接続してその内部にヘリウムガスを充填
    可能とするとともに、その外部と連通するヘリウムガス
    配管と、を有することを特徴とする請求項4記載の強磁
    場低温物性測定装置。
  6. 【請求項6】 前記試料に接続する測定用電線は、前
    記試料室の外蓋に設けた真空気密導入端子を介してこれ
    を外部の測定機器に接続することを特徴とする請求項1
    記載の強磁場低温物性測定装置。
  7. 【請求項7】 前記試料室内の前記試料に接続した測
    定用電線と、 前記超電導コイルを有する超電導マグネット装置内にあ
    らかじめ配線するとともに外部の測定機器と接続した電
    線と、を接続するためのコネクターを、 前記試料室内の前記試料ホルダーの部分に設置すること
    を特徴とする請求項1記載の強磁場低温物性測定装置。
  8. 【請求項8】 前記コネクターと前記測定用電線との
    接続操作を外部から行うためのマニピュレーターを前記
    試料室の外蓋に設けることを特徴とする請求項7記載の
    強磁場低温物性測定装置。
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