JPH10293143A - Fftロックインアンプ - Google Patents

Fftロックインアンプ

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JPH10293143A
JPH10293143A JP10220397A JP10220397A JPH10293143A JP H10293143 A JPH10293143 A JP H10293143A JP 10220397 A JP10220397 A JP 10220397A JP 10220397 A JP10220397 A JP 10220397A JP H10293143 A JPH10293143 A JP H10293143A
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JP
Japan
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reference signal
signal
frequency
fourier transform
amplitude
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP10220397A
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English (en)
Inventor
Yoshio Nagai
慶郎 長井
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期位相cosφの影響を受けることなく、測
定信号における信号周波数成分の振幅を精度良く得る。 【解決手段】 光源1の光はチョッパ2を経て測定対象
Pを透過し、角周波数ωrefで変調された測定信号s(t)
としてセンサ3で受光される。チョッパ2の回転は回転
センサ5でパルス状の参照信号r(t)として得られる。
基準信号r(t)はマルチプレクサ62に入力され、角周
波数ωref、振幅2・Vrefなる定レベルの矩形波の基準
信号a(t)に変換される。測定信号s(t)と基準信号a
(t)はA/Dコンバータ64を経て演算部(DSP)6
5に入力され、高速フーリエ変換及び所要のデジタル信
号処理を施される。DSP65では、基準信号a(t)の
フーリエ変換後の最大振幅値を有する周波数と等しい周
波数における測定信号s(t)のフーリエ変換後の結果と
上記基準信号のフーリエ変換後の結果とから測定信号s
(t)の振幅を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測定対象から検出
された時系的な検出信号にフーリエ変換を施して検出デ
ータを得るFFTロックインアンプに関する。
【0002】
【従来技術】従来、近似する周波数成分ノイズに埋もれ
た被測定光から測定対象の物性(反射分光特性や透過分
光特性等)を計測する装置にロックインアンプが適用さ
れることが知られている。図14,図15は、かかる反
射分光特性や透過分光特性等を計測する分光計の全体構
成図及びその信号波形図を示している。測定対象Pの分
光特性は、光源101からの光束をチョッパ102を介
して照射し、この照射(透過)後の光成分を光電変換素
子等のセンサ103で受光することで取り込まれる。セ
ンサ103に取り込まれた角周波数ωref(チョッパ周
波数)で変調された測定信号は、所要のゲインを有する
アンプ104で増幅されて、測定信号s(t)を得るよう
にしている。
【0003】チョッパ102は、測定光軸上にスリット
102aが臨むように軸を有する回転円板からなり、ス
リット102aは円板の等半径上で周方向に4個設けら
れた構成を有する。このチョッパ102は図略の駆動部
により回転駆動され、この回転状態は、フォトインタラ
プラ等の回転センサ105でスリット102aの通過を
監視することで行われ、参照信号r(t)を得るようにし
ている。
【0004】アンプ104から出力される測定信号s
(t)は、ロックインアンプに導かれる。この測定信号s
(t)は、まずロックインアンプ内の、所要のゲインが設
定されたアンプ106で信号s'(t)に増幅された後、分
岐され、一方は、そのままマルチプレクサ107に導か
れ、他方は、インバータ108でレベル反転された後に
マルチプレクサ107に導かれる。マルチプレクサ10
7は、入力される信号s'(t)と反転信号−s'(t)とを、
フォトインタラプタ105からの参照信号r(t)で交互
に切換えて通過させ、いわゆる測定信号と参照信号との
積を取る。次いで、通過信号z(t)は、抵抗Rとコンデ
ンサCとから構成されるローパスフィルタ109によっ
て、測定信号s(t)の角周波数ωrefの振幅成分を検出す
るための信号z'(t)に平滑される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のロックインアン
プでは、測定信号s(t)と参照信号r(t)との間に、位相
ずれ、すなわち初期位相φが存在する場合、ロックイン
アンプの出力z'(t)の振幅にcosφの項が関与すること
となり、信号z'(t)の正確な振幅を得ることが困難とな
る。
【0006】また、ロックインアンプの出力z'(t)に、
参照信号r(t)の角周波数ωrefの成分以外に奇数次の周
波数成分である3ωref,5ωref,…の信号が同時に存
在してしまうという問題があった。
【0007】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
初期位相cosφの影響を受けることなく、測定信号にお
ける信号周波数信号中に含まれる被測定物の種々の物性
情報を精度良く得ることのできるロックインアンプを提
供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
るFFTロックインアンプは、チョッパを介して得られ
る測定信号の取り込み周期と関連する参照信号を生成す
る参照信号生成手段と、上記参照信号から、測定信号の
検出角周波数と同一の角周波数で、かつ振幅が一定の基
準信号を作成する手段と、上記測定信号及び基準信号を
それぞれデジタル信号に変換するA/D変換手段と、両
デジタル信号をそれぞれフーリエ変換する手段と、上記
基準信号のフーリエ変換後の最大振幅値を有する周波数
と等しい周波数における上記測定信号のフーリエ変換後
の結果と上記基準信号のフーリエ変換後の結果とから上
記測定信号の振幅を求める演算手段とを備えてなるもの
である。
【0009】この構成によれば、測定信号はチョッパを
介して取り込まれる。この測定信号の取り込み周期と関
連する参照信号が生成され、上記参照信号から、測定信
号の検出角周波数と同一の角周波数で、かつ振幅が一定
の基準信号が作成される。次いで、測定信号及び基準信
号はそれぞれデジタル信号に変換された後、フーリエ変
換されて演算手段に入力される。演算手段では、上記基
準信号のフーリエ変換後の最大振幅値を有する周波数と
等しい周波数における上記測定信号のフーリエ変換後の
結果と上記基準信号のフーリエ変換後の結果とから上記
測定信号の振幅が求められる。
【0010】請求項2記載の発明に係るFFTロックイ
ンアンプは、チョッパを介して得られる測定信号の取り
込み周期と関連する参照信号を生成する参照信号生成手
段と、上記参照信号から、測定信号の検出周波数と同一
の角周波数で、かつ振幅が一定の基準信号を作成する手
段と、上記測定信号及び基準信号をそれぞれデジタル信
号に変換するA/D変換手段と、両デジタル信号をそれ
ぞれフーリエ変換する手段と、上記基準信号のフーリエ
変換後の最大振幅値を有する周波数の奇数倍の周波数近
辺であって該基準信号のフーリエ変換後の結果が極大値
を持つ周波数において、上記測定信号及び基準信号のフ
ーリエ変換後の結果から、上記測定信号の信号周波数の
上記奇数次での高調波成分の振幅を求める演算手段とを
備えてなるものである。
【0011】この構成によれば、測定信号の取り込み周
期と関連する参照信号が生成され、上記参照信号から、
測定信号の検出周波数と同一の角周波数で、かつ振幅が
一定の基準信号が作成される。次いで、測定信号及び基
準信号はそれぞれデジタル信号に変換された後、フーリ
エ変換されて演算手段に入力される。演算手段では、上
記基準信号のフーリエ変換後の最大振幅値を有する周波
数の奇数倍の周波数近辺であって該基準信号のフーリエ
変換後の結果が極大値を持つ周波数において、上記測定
信号及び基準信号のフーリエ変換後の結果から、上記測
定信号の信号周波数の上記奇数次での高調波成分の振幅
が求められる。
【0012】請求項3記載の発明に係るFFTロックイ
ンアンプは、チョッパを介して得られる測定信号の取り
込み周期と関連する参照信号を生成する参照信号生成手
段と、上記参照信号から周波数がN倍または1/N倍
(N:整数)の周波数に変換する周波数変更手段と、変
更された周波数と同一の角周波数で、かつ振幅が一定の
基準信号を作成する手段と、上記測定信号及び基準信号
をそれぞれデジタル信号に変換するA/D変換手段と、
両デジタル信号をそれぞれフーリエ変換する手段と、上
記基準信号のフーリエ変換後の最大振幅値を有する周波
数と等しい周波数における上記測定信号及び基準信号の
フーリエ変換後の結果から、上記測定信号の信号周波数
のN倍または1/N倍の周波数成分の振幅を求める演算
手段とを備えてなるものである。
【0013】この構成によれば、測定信号の取り込み周
期と関連する参照信号が生成され、上記参照信号から周
波数がN倍または1/N倍(N:整数)の周波数に変換
され、変更された周波数と同一の角周波数で、かつ振幅
が一定の基準信号が作成される。測定信号及び基準信号
はそれぞれデジタル信号に変換された後、フーリエ変換
されて演算手段に入力される。演算手段では、上記基準
信号のフーリエ変換後の最大振幅値を有する周波数と等
しい周波数における上記測定信号及び基準信号のフーリ
エ変換後の結果から、上記測定信号の信号周波数のN倍
または1/N倍の周波数成分の振幅が求められる。
【0014】請求項4記載の発明に係るFFTロックイ
ンアンプは、チョッパを介して得られる測定信号の取り
込み周期と関連する第1の参照信号を生成する第1の参
照信号生成手段と、上記第1の参照信号から、該第1の
参照信号の角周波数と同一の角周波数で、かつ振幅が一
定の第1の基準信号を作成する第1の基準信号作成手段
と、測定信号の取り込み周期と関連する第2の参照信号
を生成する第2の参照信号生成手段と、上記第2の参照
信号から、該第2の参照信号の角周波数と同一の角周波
数で、かつ振幅が一定の第2の基準信号を作成する第2
の基準信号作成手段と、上記測定信号及び第1、第2の
基準信号をそれぞれデジタル信号に変換するA/D変換
手段と、各デジタル信号をそれぞれフーリエ変換する手
段と、上記第1の基準信号のフーリエ変換後の最大振幅
値を有する周波数と等しい周波数における上記測定信号
のフーリエ変換後の結果と第1の基準信号のフーリエ変
換後の結果、及び上記第2の基準信号のフーリエ変換後
の最大振幅値を有する周波数と等しい周波数における上
記測定信号のフーリエ変換後の結果と第2の基準信号の
フーリエ変換後の結果から、上記測定信号に含まれる2
つの異なる信号周波数成分の振幅比を求める演算手段と
を備えてなるものである。
【0015】この構成によれば、測定信号の取り込み周
期と関連する第1の参照信号が生成され、上記第1の参
照信号から、該第1の参照信号の角周波数と同一の角周
波数で、かつ振幅が一定の第1の基準信号が作成され
る。また、測定信号の取り込み周期と関連する第2の参
照信号が生成され、上記第2の参照信号から、該第2の
参照信号の角周波数と同一の角周波数で、かつ振幅が一
定の第2の基準信号が作成される。上記測定信号及び第
1、第2の基準信号はそれぞれデジタル信号に変換すさ
れ、フーリエ変換されて演算手段に入力される。演算手
段では、上記第1の基準信号のフーリエ変換後の最大振
幅値を有する周波数と等しい周波数における上記測定信
号のフーリエ変換後の結果と第1の基準信号のフーリエ
変換後の結果、及び上記第2の基準信号のフーリエ変換
後の最大振幅値を有する周波数と等しい周波数における
上記測定信号のフーリエ変換後の結果と第2の基準信号
のフーリエ変換後の結果から、上記測定信号に含まれる
2つの異なる信号周波数成分の振幅比が求められる。
【0016】請求項5記載の発明に係るFFTロックイ
ンアンプは、チョッパを介して得られる測定信号の取り
込み周期と関連する参照信号を生成する参照信号生成手
段と、上記参照信号から、測定信号の検出角周波数と同
一の角周波数で、かつ振幅が一定の基準信号を作成する
手段と、上記測定信号及び基準信号をそれぞれデジタル
信号に変換するA/D変換手段と、両デジタル信号をそ
れぞれフーリエ変換する手段と、上記基準信号のフーリ
エ変換後の最大振幅値を有する周波数における該基準信
号のフーリエ変換後の結果から、この基準信号の周波数
を含むパラメータを数値計算によって求め、上記基準信
号をフーリエ変換した結果が最大となる周波数のN倍の
周波数における測定信号のフーリエ変換後の結果と上記
パラメータとから、信号周波数のN次高調波成分の振幅
を算出する演算手段とを備えてなるものである。
【0017】この構成によれば、測定信号の取り込み周
期と関連する参照信号が生成され、上記参照信号から、
測定信号の検出角周波数と同一の角周波数で、かつ振幅
が一定の基準信号が作成される。上記測定信号及び基準
信号はそれぞれデジタル信号に変換された後、フーリエ
変換されて演算手段に入力される。演算手段では、上記
基準信号のフーリエ変換後の最大振幅値を有する周波数
における該基準信号のフーリエ変換後の結果から、この
基準信号の周波数を含むパラメータが数値計算によって
求められる。さらに、上記基準信号をフーリエ変換した
結果が最大となる周波数のN倍の周波数における測定信
号のフーリエ変換後の結果と、上記得られたパラメータ
とから、信号周波数のN次高調波成分の振幅が算出され
る。
【0018】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれかに記載のFFTロックインアンプにおいて、周波
数がA/D変換手段のサンプリング周波数の1/(2の
べき乗)で、振幅が上記基準信号の振幅と等しい校正用
信号を作成する手段と、上記校正用信号をデジタル信号
に変換する校正用A/D変換手段と、デジタル信号をそ
れぞれフーリエ変換する校正用フーリエ変換手段と、上
記校正用デジタル信号中の分周周波数成分から基準信号
の振幅と測定時間の積を求める乗算手段とを備えたもの
である。
【0019】この構成によれば、周波数がA/D変換手
段のサンプリング周波数の1/(2のべき乗)で、振幅
が上記基準信号の振幅と等しい校正用信号が作成され、
デジタル信号に変換された後、フーリエ変換されて演算
手段に入力される。演算手段では、上記校正用デジタル
信号中の分周周波数成分から基準信号の振幅と測定時間
の積が求められる。このようにして得られた結果値を用
いれば、測定信号の検出角周波数成分の振幅が求められ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明における第1実施
形態に係るFFTロックインアンプが適用される測定装
置のブロック図を示す。
【0021】図において、測定系は、光源1とセンサ3
が所定距離だけ離間して配設されるとともに、光源1と
センサ3間に介在されたチョッパ2とから構成されてい
る。光源1はキセノンランプ等の白色光を発光するもの
である。チョッパ2は円形の回転板2aを有し、この回
転板2aには、その等半径上で周方向等間隔位置に同一
形状を有する、所要個数の、例えば4個のスリット2b
が形成されている。スリット2bに代えて、duty=50
(%)の周期パルスを生成可能な形状であれば、例えば周
囲に羽根状の遮光片を有するパルス板を採用してもよ
い。回転板2aは図略のモータ等の定速回転駆動手段に
より軸回りに回転可能に支持されているとともに、スリ
ット2bが上記光源1とセンサ3を結ぶ光軸L上に位置
するように配置されている。そして、測定対象Pはチョ
ッパ2とセンサ3間の光軸L上に配置されており、測定
対象Pの透過分光特性を測定する態様に構成されてい
る。なお、測定対象Pの表面からの反射光をセンサ3に
導く構成とすることも可能であり、かかる構成では測定
対象Pの反射分光特性を測定することも可能となる。セ
ンサ3は測定対象Pを通過し、あるいは反射した光成分
を受光し、受光量に応じたレベルの信号を出力するCC
Dなどの光電変換素子から構成されているものである。
4はアンプで、センサ3に取り込まれた角周波数ωref
で変調された測定信号を所定のゲインで増幅し、測定信
号s(t)を得るようにしている。
【0022】また、5はチョッパ2の回転状態を監視す
る光源部と受光部とを有するフォトインタラプタ等の回
転センサで、スリット2aの有無を検出することで、パ
ルス状の参照信号r(t)を得るものである。
【0023】アンプ4から出力される測定信号s(t)
は、後段のFFTロックインアンプ6に導かれる。FF
Tロックインアンプ6は、測定信号s(t)が入力側され
る同調型のアンプ60とアンチエリアジングフィルタ6
1が接続されて構成され、他方、基準信号r(t)が入力
されるマルチプレクサ62とアンチエリアジングフィル
タ63が接続されて構成されるとともに、両アンチエリ
アジングフィルタ61,63がA/Dコンバータ64に
接続された構成となっている。アンチエリアジングフィ
ルタ61,63は、必要周波数成分以外を抑圧するバン
ドパスフィルタである。また、A/Dコンバータ64の
出力側にはFFT(高速フーリエ変換)及び所要のデジ
タル信号処理を実行する演算部65(図中、DSPで示
す)が接続されている。
【0024】図2は、FFTロックインアンプ6におけ
る信号波形図である。
【0025】測定信号s(t)は所定のゲインを有するア
ンプ60で増幅された後、必要周波数成分以外を抑圧す
るアンチエリアジングフィルタ61を経て、信号x(t)
とされた後、A/Dコンバータ64に入力される。一
方、パルス状の基準信号r(t)はマルチプレクサ62に
入力される。このマルチプレクサ62は、一方入力端に
基準電圧Vrefが入力され、他方入力端に−Vrefが入力
されており、基準信号r(t)のパルスの立ち上がり及び
立ち下がりタイミングで交互に入力端子側が切り替わっ
て、電圧Vrefのレベル信号と、電圧−Vrefのレベル信
号とが交互に出力される信号a(t)が得られる。この信
号a(t)は角周波数ωref、振幅2・Vrefなる定レベルの
矩形波である。
【0026】信号x(t)、y(t)はA/Dコンバータ64
で、周波数fsのサンプリングクロックでサンプリング
されてデジタル信号に変換された後、DSP65に取り
込まれる。
【0027】DSP65は取り込まれた信号x(t)、y
(t)のデジタルデータに基づいて以下の演算処理を実行
する。なお、説明を簡単にするため、測定信号s(t)は
角周波数ωrefの成分のみ持つものとする。
【0028】まず、測定信号s(t)は、数1のように表
される。
【0029】
【数1】
【0030】一方、基準信号a(t)は、数2のように表
される。
【0031】
【数2】
【0032】ここで、測定信号s(t)及び基準信号a(t)
を用いて、DSP65で実行される信号処理方法を説明
する。
【0033】今、信号の測定期間を[−T0/2,T0/
2]とし、基本角周波数をω0(=2π/T0)とする
と、測定信号s(t)をフーリエ変換した結果S(n・ω0)
は、数3のようにして求められる。但し、nは整数であ
る。
【0034】
【数3】
【0035】一方、基準信号a(t)をフーリエ変換した
結果A(n・ω0)は、数4のようにして求められる。
【0036】
【数4】
【0037】図3は、信号s(t),a(t)の角周波数領域
におけるスペクトルS(ω),A(ω)、及びこれらの信号
s(t),a(t)をフーリエ変換した角周波数領域における
スペクトルS(n・ω0),A(n・ω0)を示している。
【0038】今、図3に示すように、角周波数ωref
一番近い角周波数をm・ω0(m:整数)とすると、ω=
m・ω0における信号s(t)のフーリエ変換後の振幅は、
数5にように表される。
【0039】
【数5】
【0040】よって、測定信号の初期位相φsig及び振
幅S0は、数6のように求められる。但し、Reは複素関
数の実部を示し、Imはその虚部を示す。
【0041】
【数6】
【0042】一方、ω=m・ω0における信号a(t)のフ
ーリエ変換後の振幅は、数7のように表される。
【0043】
【数7】
【0044】今、角周波数m・ω0<<3・ωref、ないし
はT0>>0とすれば、数7の第2項以降は無視するこ
とができるため、スペクトルA(n・ω0)は、数8のよう
に近似することができる。
【0045】
【数8】
【0046】よって、基準信号a(t)の初期位相φref1
及び振幅a0は、数9のように求められる。
【0047】
【数9】
【0048】ここで、数6の振幅S0と数9の振幅a0
の関係から、振幅S0は、数10として表すことができ
る。
【0049】
【数10】
【0050】ここに、数10中には、角周波数ωref
び初期位相φsig、φrefi(i:整数)は含まれていな
い。そして、基準電圧Vrefは一定であるから、a0(=
k・Vref)も一定である(k:定数)。したがって、測
定信号s(t)の振幅S0は、数10により求められること
となる。
【0051】上記において、フーリエ変換する際に、併
せて、Bartlettウィンドウ、Hanningウィンドウ、Hammi
ngウィンドウ、Blackmannウィンドウ、Blackmann-Harri
sウィンドウ、Kaiserウィンドウ、あるいはRosenfield
ウィンドウのような窓関数を掛ければ(アポタイゼーシ
ョン)、周波数領域の裾の部分を抑圧することができる
ので、数8における近似の精度をさらに上げることが可
能となる。また、同様に、測定時間T0を長くすれば、
数8における近似の精度を上げることができる。
【0052】なお、測定信号における信号周波数の奇数
次の高調波(2N+1)・ωref(N:整数)成分の振幅も、以下
の手順によって求めることができる。
【0053】すなわち、 参照信号r(t)から、角周波数が同一で振幅が一定の
基準信号a(t)を作成する。 測定信号s(t)及び基準信a(t)をアンプ、アンチエリ
アジングフィルタ等の回路を通した後、A/Dコンバー
タでデジタル信号に変換する。 A/D変換されたデジタルデータを、DSP65でフ
ーリエ変換の演算を行う。 基準信号側をフーリエ変換した結果の振幅A(n・ω0)
が最大となる角周波数n・ω0の(2N+1)倍の角周波数近辺
で、振幅A(n・ω0)が極大値を持つ角周波数h・ω0を探
す。 角周波数h・ω0におけるフーリエ変換の結果から測定
信号と基準信号の(2N+1)次高調波成分の各初期位相及び
振幅比を算出する。
【0054】図4は、本発明における第2実施形態に係
るFFTロックインアンプ部分のブロック図を示す。こ
の第2実施形態は、入力信号のN次高調波成分を測定す
るものである。なお、図1と同一番号を付したものは同
一機能を果たすものである。
【0055】図4において、ロックインアンプ16は周
波数逓倍回路66を備えている。この周波数逓倍回路6
6は、一般的なPLL(Phase Locked Loop)回路が採
用され、入力される参照信号r(t)の周波数ωrefをN倍
に逓倍して(N・ωref)、参照信号r'(t)として出力する
ものである。得られた参照信号r'(t)はマルチプレクサ
62に入力され、このマルチプレクサ62から、角周波
数N・ωref、振幅2・Vrefなる定レベルの矩形波である
基準信号a(t)が出力される。
【0056】以下、第1実施形態と同様な手順(ωref
をN・ωrefと置き換えて演算すること)により、測定信
号s(t)から角周波数N・ωref成分の振幅を求めることが
できる。
【0057】一方、周波数逓倍回路66に代えて、周波
数分周回路を用いることもでき、この場合には、測定信
号s(t)から角周波数ωref/N成分の振幅を求めることが
できる。
【0058】次に、第1実施形態に係るFFTロックイ
ンアンプの変形態様について説明する。この変形形態
は、N次高調波であるN・ωref(N:整数)の角周波数
成分の振幅を取り出す場合に必要な周波数逓倍回路を用
いることなく、N次高調波成分を求めるようにしたもの
である。
【0059】図5は、図1に示すロックインアンプの各
部の信号波形図である。但し、信号s(t)の波形として
は、説明の便宜上、2次の高調波成分のみを持つ場合を
示している。
【0060】ここで、測定信号s(t)及び基準信号a(t)
を用いて行われる、DSP65での信号処理について説
明する。
【0061】測定信号s(t)は、角周波数N・ωrefの成
分のみを持つものとすると、数11のように表される。
【0062】
【数11】
【0063】一方、基準信号a(t)は、数12のように
表される。
【0064】
【数12】
【0065】今、信号の測定期間を[−T0/2,T0/
2]とし、基本角周波数をω0(=2π/T0)とする
と、測定信号s(t)をフーリエ変換した結果S(n・ω0)
は、数13のようにして求められる。但し、nは整数で
ある。
【0066】
【数13】
【0067】一方、基準信号a(t)をフーリエ変換した
結果A(n・ω0)は、数14のようにして求められる。
【0068】
【数14】
【0069】図6は、測定信号s(t)、基準信号a(t)の
角周波数領域におけるスペクトルS(ω),A(ω)、及び
これらの信号s(t),a(t)をフーリエ変換した角周波数
領域におけるスペクトルS(n・ω0),A(n・ω0)を示して
いる。
【0070】今、図6に示すように、角周波数ωref
一番近い角周波数をm・ω0(m:整数)とすると、ω=
m・ω0における信号a(t)のフーリエ変換後の振幅は、
数15にように表される。
【0071】
【数15】
【0072】しかも、角周波数m・ω0<<3・ωref、な
いしはT0>>0とすれば、数15の第2項以降は無視
することができるため、スペクトルA(n・ω0)は、数1
6のように近似することができる。
【0073】
【数16】
【0074】よって、基準信号a(t)の初期位相φref1
は、数17のように求めることができる。
【0075】
【数17】
【0076】また、sinc((ωref−m・ω0)・T0/2)
は、数18のように表現される。
【0077】
【数18】
【0078】そして、基準信号a(t)の振幅a0(=k・
ref)及び測定時間T0は、前述したように測定によっ
て得られていて既知である。また、m・ω0はωrefに一
番近い角周波数であることから、数19が成立する。
【0079】
【数19】
【0080】したがって、数20の関係が成立する。
【0081】
【数20】
【0082】数20の制約条件を用いれば、(ωref−m
・ω0)・T0/2の絶対値は、数18から数値計算により一
意的に求めることができ、これをパラメータとする。
【0083】図7は、これを説明するための波形図で、
数20の制約条件内で、数18の値が確定されることが
分かり、計算によって算出可能となる。
【0084】次に、測定信号s(t)において、ω=N・m
・ω0における信号s(t)のフーリエ変換後の振幅S(N・
m・ω0)は、数21のように表される。
【0085】
【数21】
【0086】よって、測定信号s(t)の初期位相φsig
び振幅S0が数22のように求められる。
【0087】
【数22】
【0088】今、(ωref−m・ω0)・T0/2の絶対値は、
数18から数値計算によってパラメータとして求まって
いるので、振幅S0は数22から計算によって求めるこ
とができることとなる。
【0089】フーリエ変換する際に、併せて窓関数を掛
ければ、周波数領域の裾の部分を抑圧することができる
ので、数16における近似の精度をさらに上げることが
可能となる。また、同様に、測定時間T0を長くすれ
ば、数16における近似の精度を上げることができる。
【0090】図8は、本発明における第3実施形態に係
るFFTロックインアンプが適用される測定装置のブロ
ック図を示し、(a)はチョッパの平面図、(b)はA
−A線断面から見たチョッパと光学系の関係及び回路構
成を示す図である。なお、図1と同一番号が付されたも
のは同一機能を果たすものである。
【0091】この第3実施形態は、光源の光量変動や受
光センサの感度変化等による影響を相殺して、精度良い
測定結果を得るためのものであって、光源からの光のう
ち、測定対象を経て入射される光と、直接入光する光と
を取り込むようにしたものである。
【0092】チョッパ22は円形の回転板22aを有
し、この回転板22aには、同心状に第1、第2のスリ
ット22b,22cが形成されている。回転板22aは
図略のモータ等の定速回転駆動手段により軸回りに回転
可能に支持されている。第1のスリット22bは、回転
中心に対して等半径上で周方向等間隔位置に同一形状を
有し、所要個数、例えば8個形成されている。第2のス
リット22cは、第1のスリット22bに対し、所定寸
法だけ更に内側に形成され、第1、第2のスリット22
b,22cからの光束を同時に受光可能にするべく、第
1のスリット22bと周方向で一部重複するように形成
されており、その個数は例えば4個である。
【0093】チョッパ22の回転中心は、第1のスリッ
ト22bが光源1とセンサ3とを結ぶ光軸L上に位置す
るように設けられている。また、この光軸上であって、
チョッパ22を挾んで一対のハーフミラー11,13が
45度傾斜された状態で配設され、さらに、チョッパ2
2を挾む位置であって、第2のスリット22cを通過
し、光軸Lに平行な線上には上記一対のハーフミラー1
1,13と対向してミラー12,14が配設されてい
る。ミラー12は、ハーフミラー11で反射された光束
を光軸Lに平行な光束に変更するもので、45度傾斜し
て配設されている。ミラー14は、ミラー12で反射さ
れ、第2のスリット22cを通過した光束を、ハーフミ
ラー13に向けるべく45度傾斜して配設されている。
このようにミラー12,14を配設することで、光源1
からの光が第1、第2のスリット22b,22cを通過
した後、センサ3に入射されるようになっている。な
お、測定対象Pは光軸L上に配置され、測定対象Pの透
過分光特性を測定する態様に構成されている。また、測
定対象Pの表面からの反射光をセンサ3に導く構成とす
ることも可能であり、かかる構成では測定対象Pの反射
分光特性を測定することも可能となる。
【0094】センサ3は測定対象Pを通過し、あるいは
通過しない光成分を受光し、各受光量に応じたレベルの
信号を出力する光電変換素子から構成されているもので
ある。測定対象Pを通過した角周波数ωref1の変調光
は、他方の角周波数ωref2の変調光と合成されてセンサ
3で受光され、更にアンプ4により所定のゲインで増幅
されて、測定信号s(t)としてロックインアンプ26に
入力される。
【0095】また、第1、第2の回転センサは51,5
2は、チョッパ2の回転状態を監視するフォトインタラ
プタ等からなり、第1、第2のスリット22b,22c
に対向する位置に配設され、これら第1、第2のスリッ
ト22b,22cの有無をそれぞれ検出して、パルス状
の参照信号r1(t)、r2(t)を得るものである。得られた
参照信号r1(t)、r2(t)も同様に、ロックインアンプ2
6に入力される。
【0096】図9は、ロックインアンプの詳細なブロッ
ク図、図10は、各部の信号波形図である。なお、図1
と同一番号が付されたものが同一機能を果たすものであ
る。
【0097】測定信号s(t)はアンプ60で所定のゲイ
ンに増幅され、アンチエリアジングフィルタ61を経て
信号x(t)として、A/Dコンバータ264に入力され
る。
【0098】マルチプレクサ621,622は、それぞ
れの一対の入力端子に基準電圧Vref,−Vrefが入力さ
れており、参照信号r1(t)、r2(t)がそれぞれ入力され
るタイミングで、基準信号を交互に正負に切り替えて、
角周波数ωref1で振幅が一定2・Vrefの基準信号a
1(t)、及び角周波数ωref2で振幅が一定2・Vrefの基準
信号a2(t)として出力されるようになっている。出力さ
れたパルス状の基準信号a1(t)、a2(t)はそれぞれアン
チエリアジングフィルタ631,632で信号y1(t)、
2(t)にされてから、A/Dコンバータ264に入力さ
れる。DSP65は入力された信号x(t)、y1(t)、y2
(t)のデジタルデータに基づいて以下の演算処理を実行
する。なお、説明を簡単にするため、測定信号s(t)は
角周波数ωref1、ωref2の成分のみ持つものとする。
【0099】まず、測定信号s(t)は、数23のように
表される。
【0100】
【数23】
【0101】一方、基準信号a1(t)は、数24のように
表され、
【0102】
【数24】
【0103】基準信号a2(t)は、数25のように表され
る。
【0104】
【数25】
【0105】また、角周波数ωref1と角周波数ωref2
の間には、数26に示す関係が成立するものとする。
【0106】
【数26】
【0107】ここで、測定信号s(t)及び基準信号a
1(t)、a2(t)を用いて、DSP65で実行される信号処
理方法を説明する。
【0108】今、信号の測定期間を[−T0/2,T0/
2]とし、基本角周波数をω0(=2π/T0)とする
と、測定信号s(t)をフーリエ変換した結果S(n・ω0)
は、数27のようにして求められる。但し、nは整数で
ある。
【0109】
【数27】
【0110】一方、基準信号a1(t)をフーリエ変換した
結果A1(n・ω0)は、数28のようにして求められ、
【0111】
【数28】
【0112】同様に、基準信号a2(t)をフーリエ変換し
た結果A2(n・ω0)は、数29のようにして求められる。
【0113】
【数29】
【0114】図11は、信号s(t),a1(t)、a2(t)の
角周波数領域におけるスペクトルS(ω),A1(ω)、A2
(ω)、及びこれらの信号s(t),a1(t),a2(t)をフー
リエ変換した角周波数領域におけるスペクトルS(n・
ω0),A1(n・ω0),A2(n・ω0)を示している。
【0115】今、図11に示すように、角周波数ωref1
に一番近い角周波数をm1・ω0(m1:整数)とすると、
ω=m1・ω0における信号s(t)のフーリエ変換後の振幅
は、数30のように表される。
【0116】
【数30】
【0117】今、角周波数m1・ω0<<ωref2、ないし
はT0>>0とすれば、数30の第2項以降は無視する
ことができるため、スペクトルS(m1・ω0)は、数31
のように近似することができる。
【0118】
【数31】
【0119】よって、測定信号s(t)の角周波数ωref1
成分の初期位相φsig1及び振幅S1は、数32のように
求められる。
【0120】
【数32】
【0121】一方、ω=m1・ω0における信号a1(t)の
フーリエ変換後の振幅は、数33のように表される。
【0122】
【数33】
【0123】今、角周波数m1・ω0<<3・ωref1、ない
しはT0>>0とすれば、数33の第2項以降は無視す
ることができるため、スペクトルA1(n1・ω0)は、数3
4のように近似することができる。
【0124】
【数34】
【0125】よって、基準信号a1(t)の初期位相φref1
及び振幅a1は、数35のように近似することができ
る。
【0126】
【数35】
【0127】ここで、数32の振幅S1、数35の振幅
1との関係から、振幅S1は、数36のように表すこと
ができる。
【0128】
【数36】
【0129】次に、角周波数ωref2に一番近い角周波数
をm2・ω0(m2:整数)とする。このとき、(2N-1)・ω
ref1<<ωref2<<(2N+1)・ωref1(N:正の整数)、
ないしはT0>>0とすると、上述したのと同様に、測
定信号s(t)の角周波数ωref2成分の初期位相φsig2
び振幅S2は、数37のように近似することができる。
【0130】
【数37】
【0131】また、角周波数m2・ω0<<3・ωref2、な
いしはT0>>0とすれば、上述したのと同様に、基準
信号a2(t)の初期位相φref2及び振幅a2は、数38の
ように近似することができる。
【0132】
【数38】
【0133】そして、数37の測定信号s(t)の振幅
2、及び数38の基準信号a2(t)の振幅a2より、振幅
2は数39のように表される。
【0134】
【数39】
【0135】したがって、数36と数39とから、振幅
比S1/S2は、数40のように表される。
【0136】
【数40】
【0137】このように、数40には、未知数である角
周波数ωref1,ωref2及び初期位相φsig1,φsig2,φ
ref1i,φref2i(i:整数)は含まれていない。しか
も、基準信号Vref=一定であることから、a1=a2
k・Vrefのように、振幅a1,a2も一定である。従っ
て、振幅比S1/S2は、数40から求めることができ
る。
【0138】なお、フーリエ変換を行う際、窓関数を掛
けることで、周波数領域の裾の部分を小さくすることが
でき、数40の近似精度を高めることが可能となる。ま
た、測定時間T0が長いほど、数40の近似精度を高め
ることが可能である。
【0139】次に、基準信号a(t)の振幅a0と測定時間
0との積a0・T0を測定によって求める手法について説
明する。これは、基準信号a(t)の振幅a0を校正するた
めに行われるものである。
【0140】今、信号a(t)を高速フーリエ変換(FF
T)する場合、高速フーリエ変換演算(FFT演算)の
性格上、測定時間T0において測定するデータの点数
は、2のν0乗である。そこで、信号をサンプリングす
るクロックを分周することにより、数41に示す角周波
数をもつ分周信号d(t)を作成する。
【0141】
【数41】
【0142】図12は、校正信号作成手段の一例を示す
構成図で、図13は、分周信号d(t)及び校正用信号c
(t)を示す波形図である。なお、図12において、図1
と同一番号が付されたものは同一の機能を果たすもので
ある。
【0143】分周回路67は、サンプリングクロックφ
Sを所要の分周比で分周して、同じくパルス状の分周信
号d(t)を作成し、スイッチ68に出力するものであ
る。スイッチ68は、測定時には参照信号r(t)側に、
校正時には分周信号d(t)側に切り替えてマルチプレク
サ62に導くものである。
【0144】スイッチ68を分周信号d(t)側に切り替
えた校正時には、マルチプレクサ62からは、参照信号
r(t)に代えて、図13に示すような、振幅2・Vref
かつ数41で示す角周波数を有する校正用信号c(t)が
出力されることになる。
【0145】次いで、校正用信号c(t)からa0・T0を求
める手法について説明すると、まず、校正用信号c(t)
は、数42のように表すことができる。
【0146】
【数42】
【0147】この校正用信号c(t)は、アンチエリアジ
ングフィルタ63などを通過した後、A/Dコンバータ
64でデジタル信号に変換され、DSP65で信号処理
されるのであるが、ここでは、簡単のため、校正用信号
c(t)を用いてDSP65で行う信号処理法を説明す
る。信号の測定期間は[−T0/2,T0/2]とする。
【0148】校正用信号c(t)をフーリエ変換した結果
を、C(n・ω0)とする(n:整数)と、このC(n・ω0)
は、数43のように表される。
【0149】
【数43】
【0150】ここに、nが2のν乗における、数43の
値は、数44のように表される。
【0151】
【数44】
【0152】よって、校正用信号c(t)の初期位相φ
calib1及び振幅と測定時間の積a0・T0は、数45のよ
うに求められる。
【0153】
【数45】
【0154】このようにして求められたa0・T0の値
は、第1〜第3実施形態において利用することができ
る。
【0155】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、測定信号
に対する参照信号の初期位相cosφの影響を受けること
なく、測定信号の振幅を精度良く求めることができる。
【0156】請求項2記載の発明によれば、測定信号の
信号周波数の所定の奇数次での高調波成分の振幅を精度
良く求めることができる。これにより、PLLのような
周波数逓倍回路を用いずに、計算のみで求めることが可
能となる。
【0157】請求項3記載の発明によれば、測定信号の
信号周波数のN倍または1/N倍の周波数成分の振幅を
精度良く求めることができる。これにより、例えば2次
高調波成分の測定が可能となり、オージェ電子分光測定
や超電導素子の2次微分抵抗の測定等に用いることがで
きる(2Fモード)。
【0158】請求項4記載の発明によれば、測定信号に
含まれる2つの異なる信号周波数成分の振幅比を同時に
精度良く求めることができる。これにより、センサの感
度や光源の光量の変動によらない測定が可能となる。
【0159】請求項5記載の発明によれば、測定信号の
信号周波数のN次高調波成分の振幅を精度良く算出する
ことができる。これにより、PLLのような周波数逓倍
回路を用いずに、計算のみで求めることが可能となる。
【0160】請求項6記載の発明によれば、基準信号の
振幅と測定時間の積を精度よく求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1実施形態に係るFFTロッ
クインアンプが適用される測定装置のブロック図であ
る。
【図2】FFTロックインアンプにおける信号波形図で
ある。
【図3】信号s(t),a(t)の角周波数領域におけるスペ
クトルS(ω),A(ω)、及びこれらの信号s(t),a(t)
をフーリエ変換した角周波数領域におけるスペクトルS
(n・ω0),A(n・ω0)を示す図である。
【図4】本発明における第2実施形態に係るFFTロッ
クインアンプ部分のブロック図である。
【図5】図4に示すロックインアンプの各部の信号波形
図である。
【図6】測定信号s(t)、基準信号a(t)の角周波数領域
におけるスペクトルS(ω),A(ω)、及びこれらの信号
s(t),a(t)をフーリエ変換した角周波数領域における
スペクトルS(n・ω0),A(n・ω0)を示す図である。
【図7】制約条件を説明するための波形図である。
【図8】本発明における第3実施形態に係るFFTロッ
クインアンプが適用される測定装置のブロック図を示
し、(a)はチョッパの平面図、(b)はA−A線断面
から見たチョッパと光学系の関係及び回路構成を示す図
である。
【図9】FFTロックインアンプの詳細なブロック図で
ある。
【図10】図9に示すロックインアンプの各部の信号波
形図である。
【図11】信号s(t),a1(t)、a2(t)の角周波数領域
におけるスペクトルS(ω),A1(ω)、A2(ω)、及びこ
れらの信号s(t),a1(t),a2(t)をフーリエ変換した
角周波数領域におけるスペクトルS(n・ω0),A1(n・
ω0),A2(n・ω0)を示す図である。
【図12】校正信号作成手段の一例を示す構成図であ
る。
【図13】分周信号d(t)及び校正用信号c(t)を示す波
形図である。
【図14】従来の分光計の全体構成図である。
【図15】従来の分光計における各部の信号波形図であ
る。
【符号の説明】
1 光源 11,13 ハーフミラー 12,14 ミラー 2,22 チョッパ 2a,22a 回転板 2b,22b,22c スリット 3 センサ 4,60 アンプ 5,51,52 回転センサ 6,16,26 ロックインアンプ 61,63,631,632 アンチエリアジングフィ
ルタ 62,621,622 マルチプレクサ 64,264 A/Dコンバータ 65 演算部 66 逓倍回路 67 分周回路 68 スイッチ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョッパを介して得られる測定信号の取
    り込み周期と関連する参照信号を生成する参照信号生成
    手段と、上記参照信号から、測定信号の検出角周波数と
    同一の角周波数で、かつ振幅が一定の基準信号を作成す
    る手段と、上記測定信号及び基準信号をそれぞれデジタ
    ル信号に変換するA/D変換手段と、両デジタル信号を
    それぞれフーリエ変換する手段と、上記基準信号のフー
    リエ変換後の最大振幅値を有する周波数と等しい周波数
    における上記測定信号のフーリエ変換後の結果と上記基
    準信号のフーリエ変換後の結果とから上記測定信号の振
    幅を求める演算手段とを備えてなるFFTロックインア
    ンプ。
  2. 【請求項2】 チョッパを介して得られる測定信号の取
    り込み周期と関連する参照信号を生成する参照信号生成
    手段と、上記参照信号から、測定信号の検出周波数と同
    一の角周波数で、かつ振幅が一定の基準信号を作成する
    手段と、上記測定信号及び基準信号をそれぞれデジタル
    信号に変換するA/D変換手段と、両デジタル信号をそ
    れぞれフーリエ変換する手段と、上記基準信号のフーリ
    エ変換後の最大振幅値を有する周波数の奇数倍の周波数
    近辺であって該基準信号のフーリエ変換後の結果が極大
    値を持つ周波数において、上記測定信号及び基準信号の
    フーリエ変換後の結果から、上記測定信号の信号周波数
    の上記奇数次での高調波成分の振幅を求める演算手段と
    を備えてなるFFTロックインアンプ。
  3. 【請求項3】 チョッパを介して得られる測定信号の取
    り込み周期と関連する参照信号を生成する参照信号生成
    手段と、上記参照信号から周波数がN倍または1/N倍
    (N:整数)の周波数に変換する周波数変更手段と、変
    更された周波数と同一の角周波数で、かつ振幅が一定の
    基準信号を作成する手段と、上記測定信号及び基準信号
    をそれぞれデジタル信号に変換するA/D変換手段と、
    両デジタル信号をそれぞれフーリエ変換する手段と、上
    記基準信号のフーリエ変換後の最大振幅値を有する周波
    数と等しい周波数における上記測定信号及び基準信号の
    フーリエ変換後の結果から、上記測定信号の信号周波数
    のN倍または1/N倍の周波数成分の振幅を求める演算
    手段とを備えてなるFFTロックインアンプ。
  4. 【請求項4】 チョッパを介して得られる測定信号の取
    り込み周期と関連する第1の参照信号を生成する第1の
    参照信号生成手段と、上記第1の参照信号から、該第1
    の参照信号の角周波数と同一の角周波数で、かつ振幅が
    一定の第1の基準信号を作成する第1の基準信号作成手
    段と、測定信号の取り込み周期と関連する第2の参照信
    号を生成する第2の参照信号生成手段と、上記第2の参
    照信号から、該第2の参照信号の角周波数と同一の角周
    波数で、かつ振幅が一定の第2の基準信号を作成する第
    2の基準信号作成手段と、上記測定信号及び第1、第2
    の基準信号をそれぞれデジタル信号に変換するA/D変
    換手段と、各デジタル信号をそれぞれフーリエ変換する
    手段と、上記第1の基準信号のフーリエ変換後の最大振
    幅値を有する周波数と等しい周波数における上記測定信
    号のフーリエ変換後の結果と第1の基準信号のフーリエ
    変換後の結果、及び上記第2の基準信号のフーリエ変換
    後の最大振幅値を有する周波数と等しい周波数における
    上記測定信号のフーリエ変換後の結果と第2の基準信号
    のフーリエ変換後の結果から、上記測定信号に含まれる
    2つの異なる信号周波数成分の振幅比を求める演算手段
    とを備えてなるFFTロックインアンプ。
  5. 【請求項5】 チョッパを介して得られる測定信号の取
    り込み周期と関連する参照信号を生成する参照信号生成
    手段と、上記参照信号から、測定信号の検出角周波数と
    同一の角周波数で、かつ振幅が一定の基準信号を作成す
    る手段と、上記測定信号及び基準信号をそれぞれデジタ
    ル信号に変換するA/D変換手段と、両デジタル信号を
    それぞれフーリエ変換する手段と、上記基準信号のフー
    リエ変換後の最大振幅値を有する周波数における該基準
    信号のフーリエ変換後の結果から、この基準信号の周波
    数を含むパラメータを数値計算によって求め、上記基準
    信号をフーリエ変換した結果が最大となる周波数のN倍
    の周波数における測定信号のフーリエ変換後の結果と上
    記パラメータとから、信号周波数のN次高調波成分の振
    幅を算出する演算手段とを備えてなるFFTロックイン
    アンプ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のFFT
    ロックインアンプにおいて、周波数がA/D変換手段の
    サンプリング周波数の1/(2のべき乗)で、振幅が上
    記基準信号の振幅と等しい校正用信号を作成する手段
    と、上記校正用信号をデジタル信号に変換する校正用A
    /D変換手段と、デジタル信号をそれぞれフーリエ変換
    する校正用フーリエ変換手段と、上記校正用デジタル信
    号中の分周周波数成分から基準信号の振幅と測定時間の
    積を求める乗算手段とを備えたことを特徴とするFFT
    ロックインアンプ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101065180B1 (ko) * 2008-08-18 2011-09-19 숭실대학교산학협력단 디지털 록인 앰프를 이용한 대용량 전기화학기기의 임피던스 측정 방법 및 측정 장치
KR20150054673A (ko) * 2013-11-12 2015-05-20 하마마츠 포토닉스 가부시키가이샤 계측 대상물의 주파수 해석 장치 및 계측 대상물의 주파수 해석 방법
JP2016105095A (ja) * 2015-12-24 2016-06-09 パイオニア株式会社 信号周期検出装置及び信号周期検出方法

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