JPH10292020A - グラフト共重合体及び塗料 - Google Patents

グラフト共重合体及び塗料

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JPH10292020A
JPH10292020A JP10281697A JP10281697A JPH10292020A JP H10292020 A JPH10292020 A JP H10292020A JP 10281697 A JP10281697 A JP 10281697A JP 10281697 A JP10281697 A JP 10281697A JP H10292020 A JPH10292020 A JP H10292020A
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JP
Japan
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fluorine
graft copolymer
resin
weight
monomer
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Pending
Application number
JP10281697A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Mamiya
勉 間宮
Tomoyuki Takihara
知之 滝原
Terumasa Kondou
輝優 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性及び耐汚染性に優れ、且つ塗装作業性
に優れた塗料に適したグラフト共重合体並びに初期光
沢、顔料分散性、外観、耐候性、汚染性、耐薬品性等に
優れた塗料を提供する。 【解決手段】 エステル結合を介して不飽和二重結合を
有するフッ素含有樹脂(A)の存在下に、一般式(I) 【化1】 (但し、式中R1は水素またはメチル基であり、R2は1
価の有機基であり、mは1以上の整数を示す)で表され
るエチレン性不飽和単量体(B)を含む単量体を重合し
てなるグラフト共重合体及びこのグラフト共重合体を溶
媒又は分散媒に溶解又は分散してなる塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料等に有用なグ
ラフト共重合体及びそのグラフト共重合体を含有してな
る塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、塗料業界でも省資源、省エネルギ
ーという観点から塗膜のメンテナンスフリー、即ち、高
耐候性である塗料が強く要望されている。高耐候性塗料
とするためには、高耐候性の顔料と共に高耐候性の樹脂
が必要である。近年、フルオロオレフィン、ヒドロキシ
アルキルビニルエーテル、アルキルビニルエーテル及び
シクロヘキシルビニルエーテルを必須成分とする、溶剤
可溶型フッ素含有共重合体が用いられている。従来の四
フッ化エチレンを主成分とする樹脂に比べ、溶剤に可溶
ということで、塗装作業性が良好であるため、常温硬化
可能な塗料用樹脂として使用されている。これは、従来
のアクリル樹脂に比べ、耐候性は良好であるものの、耐
汚染性、顔料分散性及び初期光沢等に劣るという問題が
あった。
【0003】このような問題を改良するために、水酸基
含有フッ素重合体に反応性炭素−炭素二重結合を導入
し、その存在下にエチレン性不飽和単量体を重合させて
グラフト共重合体を製造する方法(特公昭59−469
64公報)や、水酸基含有フッ素重合体にイソシアナト
基含有不飽和化合物を反応させて不飽和基を導入し、次
いでエチレン性不飽和単量体を重合してグラフト共重合
体を製造する方法(特開平6−199937公報)等が
知られている。これらの方法は顔料分散性や初期光沢の
改良には効果があるが、溶剤可溶型フッ素樹脂の耐汚染
性の改善効果は不十分であるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、以上の課題を解決するものであり、耐候性及び耐汚
染性に優れ、且つ塗装作業性に優れた塗料に適したグラ
フト共重合体を提供するものである。請求項2記載の発
明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、樹脂の外
観、顔料分散性に優れたグラフト共重合体を提供するも
のである。請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載
の発明の効果に加えて、さらに、透明性及び顔料分散性
により優れるグラフト共重合体を提供するものである。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加
えて、さらに、耐水性、顔料分散性等に優れるグラフト
共重合体を提供するものである。請求項5記載の発明
は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明の効果に加え
て、さらに、耐水性、顔料分散性、耐薬品性、乾燥性等
により優れるグラフト共重合体を提供するものである。
請求項6記載の発明は、初期光沢、顔料分散性、外観、
耐候性、汚染性、耐薬品性等に優れた塗料を提供するも
のである。請求項7及び8記載の発明は、初期光沢、顔
料分散性、外観、耐候性、汚染性、耐薬品性等に優れた
硬化性塗料を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、エステル結合
を介して不飽和二重結合を有するフッ素含有樹脂(A)
の存在下に、一般式(I)
【化2】 (但し、式中、R1は水素またはメチル基であり、R2
1価の有機基であり、mは1以上の整数を示す)で表さ
れるエチレン性不飽和単量体(B)を含む単量体を重合
してなるグラフト共重合体に関する。
【0006】また本発明は、フッ素含有樹脂(A)の不
飽和二重結合の量が、樹脂(A)100g当り0.00
1〜0.055モルである前記グラフト共重合体に関す
る。また本発明は、不飽和二重結合を有するフッ素含有
樹脂が、水酸基を有するフッ素含有共重合体とα,β−
不飽和カルボン酸又はそれらの酸無水物との反応生成物
である前記グラフト共重合体に関する。また本発明は、
水酸基を有するフッ素含有共重合体が、水酸基価0.5
7〜250、フッ素含有率が1〜60重量%のものであ
る前記グラフト共重合体に関する。また本発明は、フッ
素含有樹脂(A)10〜90重量%の存在下に、一般式
(I)で表わされるエチレン性不飽和単量体(B)0.
01〜20重量%及びその他のエチレン性不飽和単量体
(C)0〜89.99重量%からなる単量体混合物を重
合するものである前記グラフト共重合体に関する。
【0007】また本発明は、前記グラフト共重合体を溶
媒又は分散媒に溶解又は分散してなる塗料に関する。ま
た本発明は、さらに硬化剤を組み合わせてなる前記塗料
に関する。また本発明は、硬化剤がアミノ樹脂及びイソ
シアネート含有化合物である前記塗料に関する。
【0008】本発明におけるエステル結合を介して不飽
和二重結合を有するフッ素含有樹脂(A)としては、水
酸基を有するフッ素含有共重合体と、α,β−不飽和カ
ルボン酸又はそれらの酸無水物の反応生成物であるもの
が好ましい。この反応生成物は、両者を有機溶媒中で混
合し、好ましくは50〜200℃、より好ましくは10
0〜150℃で、好ましくは30分間〜50時間加熱す
る方法を利用して得ることができる。その際、エステル
重合触媒、重合禁止剤等を使用しても良い。
【0009】α,β−不飽和カルボン酸又はそれらの酸
無水物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、それらの酸クロライド、モノアルキルエス
テル等、それらの酸無水物等が挙げられる。前記有機溶
媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチ
ケトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、セロソルブアセテー
ト等が挙げられる。水酸基を有するフッ素含有共重合体
とα,β−不飽和カルボン酸又はそれらの酸無水物の配
合比は、得られるフッ素含有樹脂(A)100g当たり
不飽和二重結合を0.001〜0.055モル有するよ
うに調整することが好ましい。
【0010】フッ素含有樹脂(A)に使用する、前記水
酸基を有するフッ素含有共重合体は、水酸基価が0.5
7〜250のものが好ましく、3〜120のものがより
好ましい。水酸基価が0.57未満であると二重結合の
導入が不充分になる傾向にあり、一方250を超えると
溶媒に溶解したときに濁りが発生し、塗膜の耐水性が低
下しやすくなる傾向にある。また、この共重合体はフッ
素含有率が1〜60重量%のものが顔料分散性等の点か
ら好ましい。
【0011】前記水酸基を有するフッ素含有共重合体と
しては、フルオロオレフィン、ヒドロキシルアルキルビ
ニルエーテル並びにアルキルビニルエーテル及び/又は
シクロアルキルビニルエーテルを含む単量体混合物から
得られる共重合体が好ましい。フルオロオレフィンとし
ては、モノフルオロエチレン、ジフルオロエチレン、ク
ロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、
1,1−ビス(トリフルオロメチル)エチレン等のフル
オロエチレンなどが挙げられる。また、ヒドロキシルア
ルキルビニルエーテルとしては、ヒドロキシルエチルビ
ニルエーテル、ヒドロキシルプロピルビニルエーテル、
ヒドロキシルブチルビニルエーテル、ヒドロキシルペン
チルビニルエーテル、ヒドロキシルヘキシルビニルエー
テル等及びこれらのアルキル基又はビニル基の水素をフ
ッ素で置換したものなどが挙げられる。また、アルキル
ビニルエーテル及びシクロアルキルビニルエーテルとし
ては、シクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
【0012】ヒドロキシアルキルビニルエーテルのう
ち、アルキル基又はビニル基の水素がフッ素で置換され
たヒドロキシアルキルビニルエーテルとしては、例え
ば、
【化3】 等が挙げられる。
【0013】水酸基を有するフッ素含有共重合体は、そ
の他の成分として、エチレン、プロピレン、イソブチレ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、n−酢
酸ビニル、メタクリル酸メチル、マレイン酸、フマル
酸、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和酸、カルボキ
シエチルビニルエーテル、カルボキシプロピルビニルエ
ーテル等のカルボキシアルキルビニルエーテル、それら
のフッ素置換化合物、カルボキシアルキルオキシアルキ
ルビニルエーテル、そのフッ素置換化合物等のカルボキ
シル基を有するエチレン性不飽和単量体などを共重合成
分として含んでいてもよい。
【0014】水酸基を有するフッ素含有共重合体におい
て、フルオロオレフィンは構成成分として40〜60モ
ル%含まれるのが好ましく、ヒドロキシアルキルビニル
エーテルは共重合体の水酸基価が0.57〜250とな
るように含まれるのが好ましく、3〜120となるよう
に含まれるのがより好ましい。ここで、フルオロオレフ
ィンが40モル%未満であると、耐候性改善の効果が低
下しやすくなる傾向にあり、また、60モル%を超える
と製造が困難になる傾向にある。また、水酸基価が0.
57未満では二重結合の導入が不充分になる傾向にあ
り、250を超えるとヒドロキシアルキルビニルエーテ
ルの使用量が増えるため有機溶剤への溶解性が限られる
傾向にある。有機溶剤への溶解性の点では、ヒドロキシ
アルキルビニルエーテルは、共重合体中に構成成分とし
て15モル%以下であるのが好ましい。
【0015】また、シクロアルキルビニルエーテル及び
アルキルビニルエーテルは、前記フッ素含有共重合体中
に、合わせて5〜60モル%になるように使用するのが
好ましい。シクロアルキルビニルエーテル及びアルキル
ビニルエーテルが5モル%未満であると上記の共重合体
が有機溶剤に溶解しにくくなる傾向があり、60モル%
を超えるとフルオロオレフィン又はヒドロキシアルキル
ビニルエーテルの使用量が低下して耐候性等の効果が低
下する傾向にある。また、シクロアルキルビニルエーテ
ル及びアルキルビニルエーテルは、それぞれが該共重合
体中に5〜45モル%になるように使用するのが特性上
さらに好ましい。前記その他の成分は、該共重合体中に
30モル%以下で使用されるのが好ましい。その他の成
分のうち、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単
量体は、共重合体の酸価が0〜20、さらには1.0〜
10になるように含まれるのが好ましい。ここで、酸価
が20を超えると有機溶剤への溶解性が限られる傾向に
ある。なお、水酸基を有するフッ素含有共重合体として
は、市販されているルミフロンLF−400、同LF−
200(いずれも旭硝子株式会社製)等が好ましいもの
として使用できる。
【0016】以上により得られるフッ素含有樹脂(A)
は、100g当たり不飽和二重結合を0.001〜0.
055モル有するように調整するのが好ましく、0.0
02〜0.035モル有するように調整するのがより好
ましい。0.001モル未満では、単量体混合物を重合
させる際にグラフト重合が困難となる傾向にあり、0.
055モルを超えると重合させる際にゲル化が起こりや
すくなる傾向にある。前記不飽和二重結合は、フッ素含
有樹脂(A)中にエステル結合を介して存在しているこ
とが必要であり、その結果、透明性及び顔料分散性に優
れる。なお、不飽和二重結合は、具体的にはビニル基、
アクリロイル基、メタクリロイル基等が好ましい。
【0017】また、フッ素含有樹脂(A)は、重量平均
分子量が1,000〜200,000であるのが好まし
く、10,000〜100,000であるのがより好ま
しい。この分子量が1,000未満であると耐候性及び
耐薬品性が低下する傾向があり、200,000を超え
ると単量体混合物を重合させる際にゲル化しやすくなる
傾向がある。なお、本発明における重量平均分子量と
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によっ
て測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて求めた値で
ある。
【0018】前記一般式(I)で表されるエチレン性不
飽和単量体(B)において、R2は1価の有機基である
が、アルキル基、フェニル基又は置換フェニル基が好ま
しく、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数が1
〜15のアルキル基、フェニル基、メチルフェニル基、
エチルフェニル基等のアルキル置換フェニル基(全体の
炭素数は7〜15)等がより好ましく、炭素数1〜3の
アルキル基が特に好ましい。また、mは1以上である
が、好ましくは2〜30の整数であり、塗膜強度の点か
らより好ましくは2〜10である。
【0019】グラフト共重合体の製造に際し、(B)成
分の使用量は、(A)、(B)及び(C)成分の総量に
対して、0.01〜20重量%が好ましく、0.1〜1
0重量%がより好ましく、1〜7重量%が特に好まし
い。0.01重量%未満では耐汚染性改善の効果が低下
する傾向にあり、20重量%を超えると塗膜の耐水性が
低下する傾向がある。
【0020】その他のエチレン性不飽和単量体(C)
は、任意成分であり必要に応じて使用される。(C)成
分としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ヘキシ
ル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸セチル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸アル
キルエステル、同様のメタクリル酸アルキルエステル、
スチレン若しくはビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン、クロロスチレン等の置換スチレン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニル、マ
イレン酸ジアルキルエステル等を使用することができ
る。さらにアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシ
ブチル等のアクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、メ
タクリル酸の同様のヒドロキシアルキルエステル、グリ
セリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコールの
モノアクリル酸エステル又はモノメタクリル酸エステ
ル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド又はそのアルキルエーテル化合物等の水
酸基を有する不飽和単量体などを用いることもできる。
また、必要に応じて、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド等の不飽和アミド、グリシジルメタクリレート、グリ
シジルアクリレート等のオキシラン基を有する重合性単
量体などを用いることもできる。(C)成分は、
(A)、(B)及び(C)成分の総量に対して0〜8
9.99重量%とするのが、他の成分を前記の範囲で用
いることができるので好ましい。なお、不飽和アミド及
び/又はオキシラン基を有する不飽和単量体を併用する
場合は、多すぎると塗膜の耐水性が低下したり、反応溶
剤が限定されたりする傾向が生じるため、(A)、
(B)及び(C)成分の総量に対して30重量%以下で
使用するのが好ましい。
【0021】グラフト共重合体は、上記(A)成分の存
在下に(B)成分及び必要に応じて(C)成分を配合し
重合させて得られる。ここで(A)成分は10〜90重
量%配合するのが好ましく、30〜80重量%配合する
のがより好ましく、(B)成分及び(C)成分の合計
(以下、「(BC)成分」と略す)を90〜10重量%
配合するのが好ましく、70〜20重量%配合するのが
より好ましい。ここで(A)成分と(BC)成分の比
が、(A)成分/(BC)成分(重量比)で、10/9
0未満になると、塗膜の耐候性、耐薬品性等が低下する
傾向にあり、90/10を超えると、初期光沢、顔料の
分散性、乾燥性、他の樹脂との相溶性等が低下する傾向
にある。
【0022】(A)成分の存在下での(BC)成分の重
合は、必要に応じてトルエン、キシレン、メチルイソブ
チルケトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸セロソル
ブ、ブチルセロソルブ、1−ブタノール、2−ブタノー
ル、1−プロパノール、2−プロパノール等の有機溶剤
を反応溶媒とすることができる。重合触媒として、ベン
ゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ビス−
3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキシド、t
−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキ
シド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシ−トリメチルアジ
ペート、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロ
パーオキシド等の有機過酸価物、アゾビスイソブチロニ
トリル、ジメチルアゾジイソブチレート等のアゾ系化合
物があり、これらの一種又は二種以上が使用でき、この
使用量は、好ましくは全単量体に対して0.1〜10重
量%、より好ましくは0.2〜4重量%であり、反応条
件は50〜200℃で1〜10時間加熱させることが好
ましい。前記重合触媒は、重合温度、目的とする分子量
及び分子量分布を得るため、また重合の完結、即ち残存
モノマー減少のために、適宜選択される。
【0023】以上により得られるグラフト共重合体をさ
らに溶媒又は分散媒に溶解又は分散して、必要に応じて
その他の成分を混合して塗料を製造することができる。
溶媒又は分散媒としては、トルエン、キシレン、アルコ
ール等の各種有機溶剤、水などが用いられる。グラフト
共重合体の製造において用いられた溶媒をそのまま残存
させてもよい。ラッカー塗料とする場合、有機溶媒に溶
解させることができる。溶媒又は分散媒の量は特に制限
されず、用途により適宜選択されるが、固形分が20〜
50重量%となるように溶媒又は分散媒を混合すること
が好ましい。
【0024】塗料として使用する場合、必要に応じてチ
タン白、カドミウムイエロー、カーボンブラック等の無
機顔料、フタロシアニン系、アゾ系等の有機顔料などを
添加することができる。これらを用いる場合、得られる
グラフト共重合体に対して1〜200重量%が好まし
い。また必要に応じて、酸化防止剤、顔料分散剤、紫外
線吸収剤等の添加剤を使用してもよい。このような顔料
は、予め、グラフト共重合体と良く混練して使用するの
が好ましい。
【0025】また、アクリル樹脂塗料の硬化剤として知
られている硬化剤、例えばアミノ樹脂、イソシアネート
基含有化合物等と適宜組み合わせて硬化系塗料とするこ
とができる。硬化剤を用いる場合、硬化剤の種類により
適した量は異なるが、グラフト共重合体に対して5〜1
00重量%とするのが硬化性に優れ好ましい。硬化は、
室温硬化型の場合、グラフト共重合体を含む成分と、硬
化剤を混合し、室温で放置乾燥することにより行うこと
ができる。また、熱硬化型とした場合は、焼付等により
硬化することができる。
【0026】以上のようにして得られる塗料は、特に、
木材、金属、スレート、瓦、自動車等の耐候性を必要と
されるものの塗装用に適している。
【0027】
【実施例】次に、実施例により本発明を詳述する。な
お、例中「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び
「重量%」を意味する。
【0028】合成例1 水酸基を有するフッ素含有共重合体としてルミフロンL
F−400(旭硝子(株)製商品名、水酸基価47、酸価
5、フッ素含有率約27%、重量平均分子量約80,0
00(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析:
標準ポリスチレン換算)、クロロトリフルオロエチレン
及びヒドロキシブチルビニルエーテルを含む単量体から
得られた共重合体でありクロロトリフルオロエチレンは
約50モル%含まれる)のキシレン溶液(加熱残分50
%、比重1.4(g/cc)、粘度約800cps(常温))
100部、無水マレイン酸0.25部及びキシレン1部
を温度計、攪拌機及び環流冷却器を備えたフラスコに仕
込み、50℃、1時間加熱し、さらに、120℃、2時
間加熱し、エステル結合を介して不飽和二重結合を樹脂
100g中に0.005モル有するフッ素含有樹脂溶液
(加熱残分50%)を得た。この樹脂溶液は水酸基価2
3、酸価は5であった。
【0029】合成例2 水酸基を有するフッ素含有共重合体としてルミフロンL
F−200(旭硝子(株)製商品名、フッ素含有率28
%、水酸基価53、酸価0、重量平均分子量40,00
0(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析:標
準ポリスチレン換算)、クロロトリフルオロエチレン及
びヒドロキシブチルビニルエーテルの共重合体)のキシ
レン溶液(加熱残分60%、比重、1.13(g/cc)、
粘度約2500cps(常温))83部、無水マレイン酸
0.25部及びキレシン1部を用いて、合成例1に記載
された方法に従い、エステル結合を介して不飽和二重結
合を樹脂100g中に0.004モル有するフッ素含有
樹脂溶液(キシレンで加熱残分50%に調整)を得た。
この樹脂溶液は水酸基価26、酸価は2であった。
【0030】実施例1〜6及び比較例1〜3 表1及び表2に示す配合物を温度計、攪拌機、窒素ガス
吹き込み管及び環流冷却器を備えたフラスコに仕込み、
攪拌しつつ窒素気流下に100℃で6時間加熱し、次い
で、過酸化ベンゾイル0.5部を添加した後、110℃
で2時間加熱反応させ、共重合体を得た。その後キシレ
ンを加え、適当な加熱残分に調整した。得られた共重合
体の溶液の加熱残分、酸価及び水酸基価を表1及び表2
に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】評価 実施例1〜6及び比較例1〜3で得られたグラフト共重
合体の溶液、合成例1で使用した水酸基を有するフッ素
含有共重合体のキシレン溶液(比較例4とする)及び合
成例2で使用した水酸基を有するフッ素含有共重合体の
キシレン溶液(比較例5とする)を使用してイソシアネ
ート硬化系塗料を製造し、試験を行った。共重合体の水
酸基と硬化剤であるコロネートEH(イソシアネートプ
レポリマー、日本ポリウレタン(株)製)のイソシアナト
基が当モルになるように配合した。ボンデライト#14
4処理鋼板(日本テストパネル社製)バーコータ#60
で膜厚が30μmになるように塗布し、室温で1週間放
置乾燥し、その塗膜性能を評価した。結果を表3及び表
4に示す。
【0034】試験条件 (1)樹脂外観 溶液状態 300ccのガラスビーカーにグラフト共重合体を取り、
23℃における樹脂溶液の状態(透明性)を目視で観察
し、下記の基準で評価した。 ○…透明である ×…濁っている フィルム状態 各溶液をガラス板に流し塗りして、20分間セッティン
グした後、108℃で3時間乾燥し、23℃における樹
脂フィルムの状態(透明性)を目視で観察し、下記の基
準で評価した。 ○…透明である ×…濁っている
【0035】(2)初期光沢 作製した試験板の初期光沢(60度鏡面反射率)を光沢
計で測定した。 (3)促進耐候性 作製した試験板をQ−UV促進耐候性試験機(米国、Q-
Panel社製)を使用し、50℃で4時間−結露50℃で
4時間のサイクル条件下に表3に示した所定時間紫外線
に暴露した後、60度鏡面反射率を測定し、以下の式で
光沢保持率を求めた。
【数1】
【0036】(4)顔料分散性 各溶液100部(固形分)と各顔料3部を混合し、三本
ロールで混練して、粒ゲージで粒径が5μm以下になる
まで混練した。続いて、調整した塗料を室温で7日間静
置し、顔料の分離(沈降性)性を調べた。顔料分散性に
ついては、下記の基準で評価した。 ○…分離がない △…若干分離がみられる ×…明確に分離している
【0037】(5)耐薬品性(耐酸性) 作製した試験板を5%硫酸に浸漬し、240時間放置
し、塗膜外観(ふくれ、艶消え)を目視観察した。耐薬
品性については、下記の基準で評価した。 ○…塗膜に異常なし ×…塗膜に異常発生 (6)耐汚染性 1ケ月屋外曝露した後に、塗膜を水洗し、汚れの落ち具
合を目視観察した。 ○…塗膜の汚れがおちる △…塗膜の汚れが少し残る ×…塗膜の汚れが落ちない
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】請求項1記載のグラフト共重合体は、耐
候性及び耐汚染性に優れ、且つ塗装作業性に優れた塗料
に適したグラフト共重合体である。請求項2記載のグラ
フト共重合体は、請求項1記載の発明の効果を奏し、さ
らに、樹脂の外観、顔料分散性に優れる。請求項3記載
のグラフト共重合体は、請求項1又は2記載の発明の効
果を奏し、さらに、透明性及び顔料分散性により優れ
る。請求項4記載のグラフト共重合体は、請求項3記載
の発明の効果を奏し、さらに、耐水性、顔料分散性等に
優れる。請求項5記載のグラフト共重合体は、請求項1
〜4のいずれかに記載の発明の効果を奏し、さらに、耐
水性、顔料分散性、耐薬品性、乾燥性等により優れる。
請求項6記載の塗料は、初期光沢、顔料分散性、外観、
耐候性、汚染性、耐薬品性等に優れる。請求項7及び8
記載の硬化性塗料は、初期光沢、顔料分散性、外観、耐
候性、汚染性、耐薬品性等に優れる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エステル結合を介して不飽和二重結合を
    有するフッ素含有樹脂(A)の存在下に、一般式(I) 【化1】 (但し、式中R1は水素またはメチル基であり、R2は1
    価の有機基であり、mは1以上の整数を示す)で表され
    るエチレン性不飽和単量体(B)を含む単量体を重合し
    てなるグラフト共重合体。
  2. 【請求項2】 フッ素含有樹脂(A)の不飽和二重結合
    の量が、樹脂(A)100g当り0.001〜0.05
    5モルである請求項1記載のグラフト共重合体。
  3. 【請求項3】 不飽和二重結合を有するフッ素含有樹脂
    (A)が、水酸基を有するフッ素含有共重合体とα,β
    −不飽和カルボン酸又はそれらの酸無水物との反応生成
    物である請求項1又は2記載のグラフト共重合体。
  4. 【請求項4】 水酸基を有するフッ素含有共重合体が、
    水酸基価0.57〜250、フッ素含有率が1〜60重
    量%のものである請求項3記載のグラフト共重合体。
  5. 【請求項5】 フッ素含有樹脂(A)10〜90重量%
    の存在下に、一般式(I)で表わされるエチレン性不飽
    和単量体(B)0.01〜20重量%及びその他のエチ
    レン性不飽和単量体(C)0〜89.99重量%からな
    る単量体混合物を重合するものである請求項1〜4のい
    ずれかに記載のグラフト共重合体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のグラフ
    ト共重合体を溶媒又は分散媒に溶解又は分散してなる塗
    料。
  7. 【請求項7】 さらに硬化剤を組み合わせてなる請求項
    6記載の塗料。
  8. 【請求項8】 硬化剤がアミノ樹脂及びイソシアネート
    含有化合物である請求項7記載の塗料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001019884A1 (fr) * 1999-09-14 2001-03-22 Daikin Industries, Ltd. Polymere greffe, procede de production dudit polymere, et compositions hydrofuges et oleofuges solubles contenant ledit polymere

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001019884A1 (fr) * 1999-09-14 2001-03-22 Daikin Industries, Ltd. Polymere greffe, procede de production dudit polymere, et compositions hydrofuges et oleofuges solubles contenant ledit polymere
US6734255B1 (en) 1999-09-14 2004-05-11 Daikin Industries, Ltd. Graft polymer, process for the production thereof and solution-type water-and oil-repellent compositions containing the polymer

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