JPH10291459A - 乗員保護装置の起動制御方法及び乗員保護装置の起動制御装置並びに乗員保護装置の起動制御プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

乗員保護装置の起動制御方法及び乗員保護装置の起動制御装置並びに乗員保護装置の起動制御プログラムを記録した記録媒体

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JPH10291459A
JPH10291459A JP10054152A JP5415298A JPH10291459A JP H10291459 A JPH10291459 A JP H10291459A JP 10054152 A JP10054152 A JP 10054152A JP 5415298 A JP5415298 A JP 5415298A JP H10291459 A JPH10291459 A JP H10291459A
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JP
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predetermined
acceleration
collision
protection device
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JP10054152A
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English (en)
Inventor
Yasumasa Yota
康正 要田
Koichi Miyaguchi
浩一 宮口
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Asco KK
Original Assignee
Asco KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いわゆる高速オフセット衝突の際のエアバッ
ク装置の起動を遅れなく確実にしつつ、しかも、他の衝
突形態においても的確、かつ、確実にエアバック装置の
起動を可能とする。 【解決手段】 高速オフセット衝突の特徴である、衝突
初期における所定の衝突加速度の発生と、その後の速度
積分値ΔVの所定範囲(−V1乃至−V2)における所定
時間t1以上の停滞が検出されると(図1のステップ1
12,126参照)、速度積分値ΔVに所定値αを加え
た値の絶対値が所定の閾値ΔVG1の絶対値を越えるか否
かが判定され(図1のステップ132参照)、閾値を越
えると判定されると、高速オフセット衝突の発生として
エアバックの展開がなされる(図1のステップ134参
照)ようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の衝突時に乗
員の保護を図る乗員保護装置の制御に係り、特に、いわ
ゆる高速オフセット衝突の際の乗員保護保護装置の起動
制御の方法及びその装置並びに起動制御プログラムを記
録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の衝突の形態は、車両の走行速度と
衝突する部位とから、低速状態で車両の正面側全面が対
象物に衝突する低速正面衝突や、高速状態で車両の正面
側全面が対象物に衝突する高速正面衝突、さらには、高
速状態で車両の正面側の一部が対象物に衝突する高速オ
フセット衝突などに分類されることは既によく知られた
ことである。このような衝突の際に乗員の身体の保護を
図る、例えば、エアバック装置に代表される乗員保護装
置は、一般に衝突時における車両の加速度が通常の走行
時と異なることに着目してその起動制御が行われるよう
になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うな各衝突形態において、衝突時の加速度の変化は、そ
れぞれ異なり、同一の基準の下で、何れの衝突形態にお
いてもエアバック装置を適切に起動させることは難し
い。特に、高速オフセット衝突においては、精々車両の
約半分しかいわゆるバリアに当たらないために、他の衝
突形態に比して、エアバック装置の起動を判定する基準
となる衝突初期におけるいわゆる衝突加速度が大きくな
り難いという問題がある。
【0004】本発明は、上記実状に鑑みてなされたもの
で、いわゆる高速オフセット衝突の際のエアバック装置
の起動を確保しつつ、しかも、他の衝突形態においても
的確、かつ、確実にエアバック装置を起動することので
きる乗員保護装置の起動制御方法及びその装置並びにそ
のような起動制御プログラムを記録した記録媒体を提供
するものである。本発明の他の目的は、高速オフセット
衝突の際に確実にエアバック装置を起動することのでき
る乗員保護装置の起動制御方法及びその装置並びにその
ような起動制御プログラムを記録した記録媒体を提供す
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る乗員保護装置の起動制御方法は、外部からの起動信号
に応じて車両の乗員を保護するための保護装置が起動さ
れるよう構成されてなる乗員保護装置の起動を制御する
乗員保護装置の起動制御方法であって、車両の加速度が
所定の大きさを越えた後、再び前記所定の大きさを下回
ったことを検出し、この衝突加速度の変化が検出された
後の、衝突加速度の積分値の所定範囲における変化が所
定時間以上要するものであることが検出された際に、前
記衝突加速度の積分値の所定範囲における変化が始まる
時点における当該積分値に所定値を加算し、当該値が所
定の閾値を越えるものと判定された場合に、高速オフセ
ット衝突の発生として、前記乗員保護装置を起動するよ
うにしてなるものである。
【0006】この起動制御方法は、特に、いわゆる高速
オフセット衝突における衝突加速度の変化とその積分値
として求められる速度変化との間に一定の相関関係があ
ることに着目してなされたものである。すなわち、いわ
ゆる高速オフセット衝突の場合、衝突加速度は、一旦あ
る程度の大きさのピークを生じ、その後、そのピーク値
を越えない大きさで変化する一方、この間の衝突加速度
の積分値は、所定の範囲での変化に所定以上の時間を要
する。そこで、このような状態が検出された場合に、衝
突加速度の積分値に所定値を加算することによって、そ
の積分値の変化に所定時間以上要したことによる積分値
のいわゆる停滞を補償し、その後、所定の閾値を越えた
か否かの判定を行うことによって、高速オフセット衝突
以外の他の衝突モードにおいても適用され得る閾値を用
いての乗員保護装置の起動の有無の判定を可能としたも
のである。
【0007】請求項2記載の発明に係る乗員保護装置の
起動制御装置は、外部からの起動信号に応じて車両の乗
員を保護するための保護装置が起動されるよう構成され
てなる乗員保護装置の起動を制御する乗員保護装置の起
動制御装置であって、車両の加速度を検出する加速度検
出手段と、前記加速度検出手段により検出された前記車
両の衝突加速度についての時間積分値を算出する積分手
段と、前記加速度検出手段により検出された衝突加速度
が所定の大きさを一旦越え、その後、前記所定の大きさ
を下回る状態となったか否かを判定する加速度判定手段
と、前記積分手段により算出された積分値の所定範囲に
おける変化が所定時間以上を要するものであるか否かを
判定する積分値変化判定手段と、前記加速度判定手段に
より衝突加速度が前記所定の状態であると判定され、か
つ、前記積分値変化判定手段により前記積分手段による
積分値の変化が前記所定の状態となったと判定された際
に、前記積分手段により算出された積分値に所定値を加
算した値が所定の閾値を越えたか否かを判定する閾値判
定手段と、前記閾値判定手段により積分手段による積分
値に所定値を加算した値が所定の閾値を越えたと判定さ
れた際に、前記乗員保護装置の起動信号を発生する起動
信号発生手段と、を具備してなるものである。
【0008】かかる構成の乗員保護装置の起動制御装置
は、特に、請求項1記載の発明に係る乗員保護装置の起
動制御方法により乗員保護装置の起動を制御できるよう
にしたもので、例えば、加速度検出手段は、いわゆる公
知・周知の加速度センサを用いて実現することができ、
また、積分手段、加速度判定手段、積分値変化判定手
段、閾値判定手段及び起動信号発生手段は、例えば、い
わゆるCPUに所定のプログラムを実行させることによ
って実現することができるものである。
【0009】さらに、請求項3記載の発明に係る乗員保
護装置の起動制御装置のように、請求項1記載の構成
に、加速度検出手段により検出された衝突加速度が所定
の大きさを越える場合にあって、積分値変化判定手段に
より積分値の変化が所定の状態ではないと判定された
際、積分手段により算出された積分値が所定の閾値を越
えるか否かを判定する第2の閾値判定手段を設け、起動
信号発生手段は、前記第2の閾値判定手段により積分手
段による積分値が所定の閾値を越えると判定された場合
にも、起動信号を発生するようにしても好適である。
【0010】かかる構成において、第2の閾値判定手段
及び起動信号発生手段は、例えば、いわゆるCPUに所
定のプログラムを実行させるようにすることで実現され
得るものである。そして、この構成においては、第2の
閾値判定手段により、衝突加速度が時間の経過と共に比
較的大きな変化率で変化してゆくようないわゆる高速ま
たは中速正面衝突が生じたことが実質的に判定されるこ
ととなり、このような高速または中速正面衝突の場合に
も乗員保護装置の起動が可能となるものである。
【0011】またさらに、請求項4記載の発明に係る乗
員保護装置の起動制御装置のように、請求項1記載の構
成に、衝突加速度が所定の大きさを越えた状態におい
て、積分値判定手段により積分手段による積分値の所定
範囲における変化が所定時間以上を要するものであると
判定された場合において、積分手段による積分値が所定
の閾値を越えるか否かを判定する第3の閾値判定手段を
設け、起動信号発生手段は、前記第3の閾値判定手段に
より、積分手段による積分値が所定の閾値を越えると判
定された場合にも起動信号を発生するように構成しても
好適である。
【0012】かかる構成において、第3の閾値判定手段
及び起動信号発生手段は、例えば、いわゆるCPUに所
定のプログラムを実行させるようにすることで実現され
得るものである。そして、この構成においては、第3の
閾値判定手段により、衝突加速度の積分値の変化に所定
の停滞が生じつつも、いわゆる高速オフセット衝突の場
合と異なり、衝突加速度のいわゆる伸びがあるような、
いわゆる高速斜め衝突やポール衝突の発生が実質的に判
定されることとなり、このような衝突の際にも、乗員保
護装置の起動が可能となるものである。
【0013】請求項5記載の発明に係る乗員保護装置の
起動制御方法は、外部からの起動信号に応じて車両の乗
員を保護するための保護装置が起動されるよう構成され
てなる乗員保護装置の起動を制御する乗員保護装置の起
動制御方法であって、車両の加速度が所定の大きさを越
えた後、再び前記所定の大きさを下回ったことを検出
し、この衝突加速度の変化が検出された後の衝突加速度
の積分値の所定範囲における変化が所定時間以上要する
ものであることが検出された場合、それ以降において、
衝突加速度に応じて所定の関係式に基づいて算出される
暫定的な閾値に、時間関数の定数を加算すると共に、所
定の衝突加速度に対する前記所定の関係式に基づいて算
出される暫定的な閾値を加算したものを閾値とし、検出
された衝突加速度の積分値が当該閾値を越えると判定さ
れた場合に、高速オフセット衝突の発生として、前記乗
員保護装置を起動する
【0014】この起動制御方法は、特に、いわゆる高速
オフセット衝突における衝突加速度の変化とその積分値
として求められる速度変化との間に一定の相関関係があ
ることに着目してなされたものである。すなわち、いわ
ゆる高速オフセット衝突の場合、衝突加速度は、一旦あ
る程度の大きさのピークを生じ、その後、そのピーク値
を越えない大きさで変化する一方、この間の衝突加速度
の積分値は、所定の範囲での変化に所定以上の時間を要
する。そこで、このような状態が検出された場合には、
正面衝突の際における乗員保護装置の起動の判定基準と
なる衝突加速度のレベルに、所定の定数を加算すると共
に、所定の衝突加速度、例えば、正面衝突の際における
乗員保護装置の起動の判定基準の最低値を加算すること
で、高速オフセット衝突における乗員保護装置の起動が
できるうようにしたものである。
【0015】請求項7記載の発明に係る乗員保護装置の
起動制御装置は、外部からの起動信号に応じて車両の乗
員を保護するための保護装置が起動されるよう構成され
てなる乗員保護装置の起動を制御する乗員保護装置の起
動制御装置であって、車両の加速度を検出する加速度検
出手段と、前記加速度検出手段により検出された前記車
両の衝突加速度についての時間積分値を算出する積分手
段と、前記加速度検出手段により検出された衝突加速度
が所定の大きさを一旦越え、その後、前記所定の大きさ
を下回る状態となったか否かを判定する加速度判定手段
と、前記積分手段により算出された積分値の所定範囲に
おける変化が所定時間以上を要するものであるか否かを
判定する積分値変化判定手段と、前記加速度判定手段に
より衝突加速度が前記所定の状態であると判定され、か
つ、前記積分値変化判定手段により前記積分手段による
積分値の変化が前記所定の状態となったと判定された際
に、衝突加速度の関数として予め定められた所定の関係
式に基づいて暫定的な閾値を算出し、さらに、所定の定
数を加算する暫定閾値演算手段と、前記暫定閾値演算手
段により算出された値に、前記所定の関係式に基づいて
所定の衝突加速度に対して算出される値を加算して閾値
とする最終閾値演算手段と、前記積分手段により算出さ
れた値が前記最終閾値演算手段により算出された値を越
えるか否かを判定する閾値判定手段と、前記閾値判定手
段により、前記積分手段による算出値が前記最終閾値演
算手段により算出された値を越えると判定された際に、
前記乗員保護装置の起動信号を発生する起動信号発生手
段と、を具備してなるものである。
【0016】かかる構成の乗員保護装置の起動制御装置
は、特に、請求項5記載の発明に係る乗員保護装置の起
動制御方法により乗員保護装置の起動を制御できるよう
にしたもので、例えば、加速度検出手段は、いわゆる公
知・周知の加速度センサを用いて実現することができ、
また、積分手段、加速度判定手段、積分値変化判定手
段、暫定閾値演算手段、最終閾値演算手段、閾値判定手
段及び起動信号発生手段は、例えば、いわゆるCPUに
所定のプログラムを実行させることによって実現するこ
とができるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1乃至図9を参照しつつ説明する。まず、図1を
参照しつつこの発明の実施の形態における乗員保護装置
の起動制御装置(以下「本装置」と言う)の第1の実施
例について説明すれば、本装置は、車両の加速度を検出
する加速度センサ1と、この加速度センサ1の出力信号
を所定のディジタル信号に変換するアナログ・ディジタ
ル変換器(図2においては「A/D」と表記)2と、ア
ナログ・ディジタル変換器(以下「A/D変換器」と言
う)2を介して入力された加速度センサ1の検出信号に
基づいて、乗員保護装置としてのエアバック装置(図2
においては「ABS」と表記)4の起動制御を後述する
ような手順により行うCPU3とを具備してなるもので
ある。加速度センサ1は、公知・周知の構成を有するも
ので、車両の適宜な位置に設けられているものである。
CPU3は、公知・周知の構成を有するIC化されたい
わゆるマイクロコンピュータであり、後述するような手
順のプログラムが記憶されており、これを実行すること
によりエアバック装置4の起動制御が実行されるように
なっているものである。エアバック装置4は、公知・周
知の構成を有してなるものであり、CPU3からの起動
信号が入力されると、それをトリガとして車両のステア
リングホイール(図示せず)に収納されたエアバックが
展開されるようになっているものである。
【0018】図1には、CPU3によって実行される起
動制御の手順を示すフローチャートが示されており、以
下、同図を参照しつつCPU3によるエアバック装置4
の起動制御について説明する。CPU3の動作が開始さ
れると、最初に、各変数等の初期設定が行われる(図1
のステップ100参照)。具体的には、停滞フラグP、
積分フラグQ及び速度積分値ΔVが共に零に設定される
と共に、変数ΔVG1が所定値Aに設定される。なお、各
変数の意味については、以下の動作説明の中で明らかに
することとする。
【0019】上述の初期設定に次いで、加速度センサ1
により検知された車両加速度がA/D変換器2を介して
CPU3に入力され(図1のステップ102参照)、検
出された加速度Gが所定値G0以上であるか否かが判定
されることとなる(図1のステップ104参照)。ここ
で、所定値G0は、通常の走行状態では、発生しないよ
うな加速度の値であって、実験的にまたは実験データに
経験的な他の条件を加味して定められるものである。ま
た、衝突の際に発生する加速度、いわゆる衝突加速度
は、負の値を採るものであるので、「加速度Gが所定値
0以上」という意味は、衝突加速度が負の所定値G0
越えて、より負側の値となることを意味するものであ
る。したがって、「衝突加速度が大きくなる」というこ
とは、衝突加速度の絶対値が大となることを意味するも
のである。そして、所定値G0以上であると判定された
場合(YESの場合)には、入力された加速度Gについ
て積分が行われ、速度積分値ΔVが算出されると共に、
積分が開始されたことを示すためのフラグとして積分フ
ラグQが「1」に設定されることとなる(図1のステッ
プ112参照)。
【0020】一方、ステップ104の判定において、加
速度Gは所定値G0を越えていないと判定された場合
(NOの場合)には、積分フラグQが「1」に設定され
ているか否か、すなわち、ステップ112で説明したよ
うな積分が開始された状態であるか否かが判定されるこ
ととなる(図1のステップ106参照)。このような判
定を行うのは、衝突加速度の積分(図1のステップ11
2参照)が開始された場合であっても、その後、速度積
分値ΔVが所定のレベルに達しないために、再びステッ
プ102から処理が繰り返されステップ106が行われ
ることがあるためである。そして、Q=1ではないと判
定された場合(NOの場合)には、車両は、エアバック
装置4を起動するような状態ではなく、通常の走行状態
であるとして先のステップ102へ戻り一連の処理が繰
り返されることとなる。
【0021】また一方、Q=1であると判定された場合
(YESの場合)には、この時点における速度積分値Δ
Vが所定値−V3より大であるか否かが判定され(図2
のステップ108参照)、速度積分値ΔVが所定値−V
3より大であると判定された場合(YESの場合)に
は、車両は、エアバック装置4を起動するような状態で
はなく、通常の走行状態であるとして、初期設定(図1
のステップ100参照)の場合と同様に、停滞フラグ
P、積分フラグQ及び速度積分値ΔVが共に零に設定さ
れると共に、変数ΔVG1が所定値Aに設定されて、先の
ステップ102へ戻ることとなる(図1のステップ11
0参照)。その一方、速度積分値ΔVが所定値−V3
り大ではない、すなわち、所定値−V3を越えてより負
側の値であると判定された場合(NOの場合)には、引
き続き加速度の積分が行われることとなる(図1のステ
ップ112参照)。ここで、所定値−V3は、車両がエ
アバック装置4を起動するような状態ではなく、通常の
走行状態であると判断し得る程度の値であり、実験的に
算定されたり、また、実験データに種々の条件を加味し
て設定等されるものである。
【0022】次いで、ステップ114において、速度積
分値ΔVが所定の範囲、すなわち所定値−V1乃至−V2
の範囲に所定時間t1以上の間に渡ってあるか否かが判
定されることとなる。換言すれば、速度積分値の停滞の
有無が判定されることとなる。このような速度積分値の
停滞の有無を判定する意味について説明すれば、まず、
いわゆる高速オフセット衝突の際に生ずる衝突加速度の
時間変化の典型的な例は、例えば、図3に示されたよう
なものとなることが知られている。すなわち、衝突発生
の初期においては、ある値(例えばG1)を越えるよう
な衝突加速度のピークが発生し、その後、このある値G
1を下回る程度の比較的小さな衝突加速度が連続的に生
じ、さらに、衝突中期から後期に掛けて先の衝突加速度
1を越える比較的大きな衝突加速度のピークを生じ、
その後、同程度のピークが2乃至3生ずるようなものと
なっている(図3参照)。
【0023】本願発明者らは、上述のような衝突加速度
の変化において、特に、最初に現れる衝突加速度のピー
クと、その後に続く比較的小さな衝突加速度の連続部分
に着目し、鋭意研究の結果、この現象を捉えることで高
速オフセット衝突と判定し、エアバック装置4を適切な
タイミングで確実に起動し得るという結論を得ることが
できた。すなわち、衝突加速度が図3に示されたように
変化する場合、その衝突加速度を時間積分することによ
り得られる速度積分値ΔVは、図4に示されたように、
衝突加速度が比較的小さな値で連続する状態(図3参
照)となるまでの衝突初期においては、比較的大きな変
化率で変化してゆくが(図4においてΔVが0乃至−V
2付近までの間)、衝突加速度が比較的小さな値で連続
する間(図3参照)、速度積分値ΔVは、比較的時間を
掛けて(換言すれば比較的小さな変化率で)−V2から
−V1へと変化してゆき、その後は、比較的大きな衝突
加速度が生ずる(図3参照)と共に、速度積分値ΔVも
それまでに比して大きな変化率でより大きな負の値へ変
化するものとなっている。なお、先の図1のステップ1
08において判定の基準とされた所定値−V3は、この
ような速度積分値の変化特性において、図4に示された
ような箇所における値であり、衝突か否かのいわば境界
値としての意義を有する値である。
【0024】一方、他の衝突形態、例えば、低速正面衝
突の場合について見ると、衝突加速度及び速度積分値の
変化は、それぞれ図5及び図6に示されたようなものと
なる。すなわち、まず、衝突加速度について見れば、衝
突の比較的初期に、ある程度の大きさのピークを生じ
(図5参照)、その後、若干小さくなり、再び比較的小
さい変化率で先のピークよりも若干大のピーク(図5参
照)を生じて、その後、徐々に減少してゆくようなもの
となっており、全体としては、下側に凸となるような比
較的なだらかな山形の特性曲線を生ずるようなものとな
っている(図5参照)。
【0025】これに対応して、速度積分値は、先の衝突
加速度の第2のピークまで、略同一の変化率で負側へ増
加してゆき、その後、減少するような変化となっている
(図6参照)。特に、速度積分値が−V2から−V1へ変
化するに要する時間を、先の高速オフセット衝突の場合
と比較して見ると、この低速正面衝突の場合には、時間
1より短いのに対して、高速オフセット衝突の場合に
は、時間t1よりも長い時間を要している(図4参
照)。換言すれば、高速オフセット衝突における速度積
分値の変化において、所定値−V2乃至−V1間の停滞時
間が比較的長いということができる。
【0026】ここで、再び図1の説明に戻ると、ステッ
プ114における、速度積分値ΔVが所定の範囲、すな
わち所定値−V1乃至−V2の範囲に所定時間t1以上の
間に渡ってあるか否かの判定は、高速オフセット衝突の
状態にあるか否かを判定することを意味するものであ
る。そして、速度積分値ΔVが所定時間t1以上の時間
に渡って所定の範囲にあると判定された場合(YESの
場合)には、この時点で算出されている速度積分値ΔV
に定数αが加算される(図1のステップ118参照)と
共に、速度積分値が停滞状態にあることを表すフラグで
ある停滞フラグPが「1」に設定されることとなり(図
1のステップ120参照)、その後、後述するステップ
116へ進むこととなる。
【0027】ここで、定数αは、後述する速度積分値の
大きさの判定における基準となる閾値が、高速オフセッ
ト衝突以外の衝突形態を基準としたものであっても、当
該閾値を越え得るようにするために加算されるもので、
予め車種によって実験的に求められ、設定されたもの
で、時間によって変化するものである。すなわち、この
定数αは、速度積分値ΔVの停滞が始まり、それが所定
時間t1を越えたと判定された場合、換言すれば、先の
ステップ114においてYESの判定がなされた時点を
基準として、例えば図9に示されたように、予め定めた
時間間隔で階段状に変えられるように定められたもので
ある。実際には、このような特性曲線に基づいて、時刻
t1からの経過時間とそれに対するαの値をいわゆる変
換テーブル化し、それをCPU3内部のROM等の記憶
領域に予め記憶させておき、それをステップ118にお
いて用いるようにしてあるものである。なお、図4にお
いては、速度積分値ΔVが所定値−V2を越え所定時間
1を経過した際に、上述のようにして定数αが加算さ
れた後の速度積分値の変化が二点鎖線によって表されて
いる。
【0028】一方、ステップ114において、速度積分
値ΔVが所定の範囲に所定時間以上に渡って存在してい
ないと判定された場合(NOの場合)には、速度積分値
の大きさ判定の基準となる閾値VTHが、この時点におけ
る衝突加速度の大きさに基づいて、予め設定された関係
式を用いて演算され、もしくは、予め記憶された衝突加
速度Gと閾値VTHとの関係を規定したテーブルから求め
られて、設定されることとなる(図1のステップ116
参照)。ここで、ステップ116において、ΔVTH=Δ
V(G)は、ΔVTHがGの関数であることを意味するも
のである。なお、GとΔVTHとの具体的な関係式は、こ
こでは省略するが、概略を言えば、この関係式は、例え
ば、正面衝突の際にエアバック装置4を起動させるべき
衝突加速度Gのレベルを、実験や計算機によるシュミレ
ーションデータを基にして設定したものであり、車種に
よってGの生じ方が異なることを考慮して、車種毎に適
切なものが設定されるようになっている。
【0029】次に、ステップ122においては、加速度
センサ1によって検出された衝突加速度Gが、所定値G
1を越え、より負側へ変化したか否かが判定され、所定
値G1を越え、より負側へ変化したと判定された場合
(YESの場合)には、この時点における閾値ΔVTH
値が、変数ΔVG1に代入されて記憶されることとなり
(図1のステップ124参照)、ステップ126へ進む
こととなる。一方、先のステップ122において、衝突
加速度Gが所定値G1を未だ越えていないと判定された
場合(NOの場合)には、ステップ124を実行するこ
となくステップ126へ進むこととなる。
【0030】ステップ126においては、停滞フラグP
が「1」に設定されているか否かが判定され、停滞フラ
グPが「1」に設定されていると判定された場合(YE
Sの場合)には、この時点における閾値ΔVTHの絶対値
が変数ΔVG1に記憶されている値の絶対値より大きいか
否かが判定されることとなる(図1のステップ128参
照)。そして、ステップ128において、閾値ΔVTH
絶対値が変数ΔVG1に記憶されている値の絶対値より大
きいと判定された場合(YESの場合)には、この時点
における速度積分値ΔVの絶対値が変数ΔVG1に記憶さ
れている閾値の絶対値より大であるか否かが判定され
(図1のステップ132参照)、速度積分値ΔVの絶対
値が変数ΔVG1に記憶されている閾値の絶対値より大で
あると判定された場合(YESの場合)には、エアバッ
ク装置4の起動が必要であるとして、CPU3から所定
の起動信号がエアバック装置4へ出力されて、エアバッ
クの展開がなされることとなる(図1のステップ134
参照)。
【0031】すなわち、先のステップ104でYESと
判定され、次いで、ステップ114でYESと判定さ
れ、また、ステップ122でYESと判定され、さら
に、ステップ126,128,132で各々YESと判
定されてエアバックの展開に至るのは、先に図3及び図
4を用いて説明した高速オフセット衝突が生じた場合で
ある。
【0032】一方、先のステップ126において、停滞
フラグPは「1」に設定されていない、すなわち、P=
0と判定された場合(NOの場合)には、ステップ13
0へ進み、速度積分値ΔVの絶対値が閾値ΔVTHの絶対
値より大であるか否かが判定され、ΔVの絶対値がΔV
THの絶対値より大であると判定された場合(YESの場
合)には、エアバック装置4の起動が必要であるとし
て、CPU3から所定の起動信号がエアバック装置4へ
出力されて、エアバックの展開がなされることとなる
(図1のステップ134参照)。このように、停滞フラ
グPが「1」ではない、換言すれば、図3で説明したよ
うに、比較的小さな衝突加速度が連続して発生して、速
度積分値ΔVが所定の範囲で所定時間t1以上に渡って
停滞している(図4参照)状態ではないにも関わらず、
速度積分値ΔVの絶対値が閾値ΔVTHの絶対値を越えて
エアバックが展開されるのは、衝突加速度が時間の経過
と共に比較的単純に増加してゆくような高速または中速
でのいわゆる正面衝突の場合である。なお、ステップ1
30において、速度積分値ΔVの絶対値が閾値ΔVTH
絶対値より大ではないと判定された場合(NOの場合)
には、ステップ102へ戻り一連の処理が再度繰り返さ
れることとなる。
【0033】また、先のステップ128において、この
時点の閾値ΔVTHの絶対値は、変数ΔVG1に記憶されて
いる閾値の絶対値より大ではないと判定された場合(N
Oの場合)は、ステップ130へ進み、速度積分値ΔV
の絶対値が閾値ΔVTHの絶対値より大であると判定され
る(YESの場合)と、やはり、エアバックの展開がな
されることとなる(図1のステップ134参照)。この
ように、停滞フラグPが「1」であると判定されて(図
1のステップ126参照)、この時点の閾値ΔVTHの絶
対値が変数ΔVG1に記憶されている閾値の絶対値より大
ではないと判定され(図1のステップ128参照)、さ
らに、速度積分値ΔVの絶対値が閾値ΔVTHの絶対値よ
り大であると判定されて(図1のステップ130)、エ
アバックが展開されるのは、いわゆる高速斜め衝突やポ
ール衝突のような場合である。
【0034】なお、上述した発明の実施の形態において
は、加速度センサ1により加速度検出手段が、CPU3
による図1に示されたステップ112の実行により積分
手段が、また、CPU3によるステップ122,128
の実行により加速度判定手段が、さらに、CPU3によ
るステップ114の実行により積分値変化判定手段が、
またさらに、CPU3によるステップ118,132の
実行により閾値判定手段が、さらに、CPU3によるス
テップ134の実行により起動信号発生手段が、それぞ
れ実現されたものとなっている。また、CPU3による
ステップ126,130の実行により第2の閾値判定手
段が実現され、CPU3によるステップ126,12
8,130の実行により第3の閾値判定手段が実現され
ている。
【0035】次に、第2の実施例について図7乃至図9
を参照しつつ説明する。まず、この第2の実施例におけ
る乗員保護装置の起動制御装置のいわゆるハードウェア
構成は、図2に示された先の第1の実施例におけるもの
と同一であり、特に、変わるところはないのでその詳細
な説明は省略することとする。この第2の実施例の特徴
を、先の第1の実施例との対比において概括的に言え
ば、まず、先の第1の実施例は、高速オフセット衝突に
おける速度積分値ΔVの停滞が生じた際、速度積分値Δ
Vに所定値αを加算することで、閾値を越え易くし、高
速オフセット衝突においても、エアバック装置4が適切
に起動できるようにしたものであるということができ
る。これに対して、この第2の実施例は、高速オフセッ
ト衝突による速度積分値ΔVの停滞が発生した際に、エ
アバック装置4の起動を行うか否かを判定する際の閾値
を、エアバック装置4の起動が生じ易くするように変え
るようにしたものということができるものである。
【0036】以下、具体的な動作について、図7に示さ
れたフローチャートを参照しつつ説明する。なお、先の
図1に示されたフローチャートにおける処理と同一の処
理を行うステップについては、図1に示されたステップ
番号と同一の番号を付すこととする。CPU3の動作が
開始されると、最初に、各変数等の初期設定が行われる
(図7のステップ100参照)。具体的には、停滞フラ
グP、積分フラグQ及び速度積分値ΔVが共に零に設定
される。なお、各変数の意味については、以下の動作説
明の中で明らかにすることとする。
【0037】上述の初期設定に次いで、加速度センサ1
により検知された車両加速度がA/D変換器2を介して
CPU3に入力され(図7のステップ102参照)、検
出された加速度Gが所定値G0以上であるか否かが判定
されることとなる(図7のステップ104参照)。ここ
で、所定値G0は、通常の走行状態では、発生しないよ
うな加速度の値であって、実験的にまたは実験データに
経験的な他の条件を加味して定められるものである。ま
た、衝突の際に発生する加速度、いわゆる衝突加速度
は、負の値を採るものであるので、「加速度Gが所定値
0以上」という意味は、衝突加速度が負の所定値G0
越えて、より負側の値となることを意味するものであ
る。したがって、「衝突加速度が大きくなる」というこ
とは、衝突加速度の絶対値が大となることを意味するも
のである。そして、所定値G0以上であると判定された
場合(YESの場合)には、入力された加速度Gについ
て積分が行われ、速度積分値ΔVが算出されると共に、
積分が開始されたことを示すためのフラグとして積分フ
ラグQが「1」に設定されることとなる(図7のステッ
プ112参照)。
【0038】一方、ステップ104の判定において、加
速度Gは所定値G0を越えていないと判定された場合
(NOの場合)には、積分フラグQが「1」に設定され
ているか否か、すなわち、ステップ112で説明したよ
うな積分が開始された状態であるか否かが判定されるこ
ととなる(図7のステップ106参照)。このような判
定を行うのは、衝突加速度の積分(図7のステップ11
2参照)が開始された場合であっても、その後、速度積
分値ΔVが所定のレベルに達しないために、再びステッ
プ102から処理が繰り返されステップ106が行われ
ることがあるためである。そして、Q=1ではないと判
定された場合(NOの場合)には、車両は、エアバック
装置4を起動するような状態ではなく、通常の走行状態
であるとして先のステップ102へ戻り一連の処理が繰
り返されることとなる。
【0039】また一方、Q=1であると判定された場合
(YESの場合)には、この時点における速度積分値Δ
Vが所定値−V3より大であるか否かが判定され(図2
のステップ108参照)、速度積分値ΔVが所定値−V
3より大であると判定された場合(YESの場合)に
は、車両は、エアバック装置4を起動するような状態で
はなく、通常の走行状態であるとして、初期設定(図7
のステップ100参照)の場合と同様に、停滞フラグ
P、積分フラグQ及び速度積分値ΔVが共に零に設定さ
れ.て、先のステップ102へ戻ることとなる(図7の
ステップ110参照)。その一方、速度積分値ΔVが所
定値−V3より大ではない、すなわち、所定値−V3を越
えてより負側の値であると判定された場合(NOの場
合)には、引き続き加速度の積分が行われることとなる
(図7のステップ112参照)。ここで、所定値−V3
は、車両がエアバック装置4を起動するような状態では
なく、通常の走行状態であると判断し得る程度の値であ
り、実験的に算定されたり、また、実験データに種々の
条件を加味して設定等されるものである。
【0040】次いで、ステップ114において、速度積
分値ΔVが所定の範囲、すなわち所定値−V1乃至−V2
の範囲に所定時間t1以上の間に渡ってあるか否かが判
定されることとなる。換言すれば、速度積分値の停滞の
有無が判定されることとなる。このような速度積分値の
停滞の有無を判定する意味について説明すれば、まず、
いわゆる高速オフセット衝突の際に生ずる衝突加速度の
時間変化の典型的な例は、例えば、図3に示されたよう
なものとなることが知られている。すなわち、衝突発生
の初期においては、ある値(例えばG1)を越えるよう
な衝突加速度のピークが発生し、その後、このある値G
1を下回る程度の比較的小さな衝突加速度が連続的に生
じ、さらに、衝突中期から後期に掛けて先の衝突加速度
1を越える比較的大きな衝突加速度のピークを生じ、
その後、同程度のピークが2乃至3生ずるようなものと
なっている(図3参照)。
【0041】本願発明者らは、上述のような衝突加速度
の変化において、特に、最初に現れる衝突加速度のピー
クと、その後に続く比較的小さな衝突加速度の連続部分
に着目し、鋭意研究の結果、この現象を捉えることで高
速オフセット衝突と判定し、エアバック装置4を適切な
タイミングで確実に起動し得るという結論を得ることが
できた。すなわち、衝突加速度が図3に示されたように
変化する場合、その衝突加速度を時間積分することによ
り得られる速度積分値ΔVは、図8に示されたように、
衝突加速度が比較的小さな値で連続する状態(図3参
照)となるまでの衝突初期においては、比較的大きな変
化率で変化してゆくが(図8においてΔVが0乃至−V
2付近までの間)、衝突加速度が比較的小さな値で連続
する間(図3参照)、速度積分値ΔVは、比較的時間を
掛けて(換言すれば比較的小さな変化率で)−V2から
−V1へと変化してゆき、その後は、比較的大きな衝突
加速度が生ずる(図3参照)と共に、速度積分値ΔVも
それまでに比して大きな変化率でより大きな負の値へ変
化するものとなっている。なお、先の図7のステップ1
08において判定の基準とされた所定値−V3は、この
ような速度積分値の変化特性において、図8に示された
ような箇所における値であり、衝突か否かのいわば境界
値としての意義を有する値である。
【0042】一方、他の衝突形態、例えば、低速正面衝
突の場合について見ると、衝突加速度及び速度積分値の
変化は、それぞれ図5及び図6に示されたようなものと
なる。すなわち、まず、衝突加速度について見れば、衝
突の比較的初期に、ある程度の大きさのピークを生じ
(図5参照)、その後、若干小さくなり、再び比較的小
さい変化率で先のピークよりも若干大のピーク(図5参
照)を生じて、その後、徐々に減少してゆくようなもの
となっており、全体としては、下側に凸となるような比
較的なだらかな山形の特性曲線を生ずるようなものとな
っている(図5参照)。
【0043】これに対応して、速度積分値は、先の衝突
加速度の第2のピークまで、略同一の変化率で負側へ増
加してゆき、その後、減少するような変化となっている
(図6参照)。特に、速度積分値が−V2から−V1へ変
化するに要する時間を、先の高速オフセット衝突の場合
と比較して見ると、この低速正面衝突の場合には、時間
1より短いのに対して、高速オフセット衝突の場合に
は、時間t1よりも長い時間を要している(図8参
照)。換言すれば、高速オフセット衝突における速度積
分値の変化において、所定値−V2乃至−V1間の停滞時
間が比較的長いということができる。
【0044】ここで、再び図7の説明に戻ると、ステッ
プ114における、速度積分値ΔVが所定の範囲、すな
わち所定値−V1乃至−V2の範囲に所定時間t1以上の
間に渡ってあるか否かの判定は、高速オフセット衝突の
状態にあるか否かを判定することを意味するものであ
る。そして、速度積分値ΔVが所定時間t1以上の時間
に渡って所定の範囲にあると判定された場合(YESの
場合)には、まず、この時点の衝突加速度Gの大きさに
対して所定の関係式(または、いわゆる変換テーブル)
より定まる暫定的な閾値ΔVTHが求められる。この所定
の関係式(または、いわゆる変換テーブル)は、詳細は
後述のステップ116Aの説明で述べるが、いわゆる正
面衝突の際におけるエアバック装置4の起動を判定する
基準を定めたものである。次いで、この閾値ΔVTHに、
時間によって変化する定数αが加算され、これがこの時
点の新たな閾値ΔVTHとされる(図7のステップ119
参照)。そして、この後、速度積分値が停滞状態にある
ことを表すフラグである停滞フラグPが「1」に設定さ
れることとなり(図7のステップ120参照)、その
後、後述するステップ122へ進むこととなる。
【0045】ここで、定数αは、後述する速度積分値の
大きさの判定における基準となる閾値が、高速オフセッ
ト衝突以外の衝突形態を基準としたものであっても、当
該閾値を越え得るようにするために加算されるもので、
予め車種によって実験的に求められ、設定されたもの
で、時間によって変化するものである。すなわち、この
定数αは、速度積分値ΔVの停滞が始まり、それが所定
時間t1を越えたと判定された場合、換言すれば、先の
ステップ114においてYESの判定がなされた時点を
基準として、例えば図9に示されたように、予め定めた
時間間隔で階段状に変えられるように定められたもので
ある。実際には、このような特性曲線に基づいて、時刻
t1からの経過時間とそれに対するαの値をいわゆる変
換テーブル化し、それをCPU3内部のROM等の記憶
領域に予め記憶させておき、それをステップ119にお
いて用いるようしてあるものである。
【0046】一方、ステップ114において、速度積分
値ΔVが所定の範囲に所定時間以上に渡って存在してい
ないと判定された場合(NOの場合)には、ステップ1
16Aへ進み、暫定的に閾値算出が行われるこことな
る。すなわち、このステップにおいては、このときの衝
突加速度Gに対して、予め定められている関係式(また
は、いわゆる変換テーブル)を用いて暫定的な閾値ΔV
THが求められる。ここで、予め定められた関係式または
変換テーブルとは、正面衝突について、衝突加速度G
と、エアバック装置4の起動の有無を判定する閾値との
関係を規定したもので、例えば、実験や計算機によるシ
ュミレーションデータ等を基にして、エアバック装置4
を起動させる際の衝撃加速度Gのレベルを暫定的な閾値
ΔVTHとして規定したものである。
【0047】次に、ステップ122においては、加速度
センサ1によって検出された衝突加速度Gが、所定値G
1を越え、より負側へ変化したか否かが判定され、所定
値G1を越え、より負側へ変化したと判定された場合
(YESの場合)には、この時点における衝突加速度G
に対して先のステップ116Aで述べた所定の関係式
(または変換テーブル)により定まる暫定的な閾値ΔV
THから、この暫定的な閾値の最低値を減算した値が変数
ΔVTHG1に代入されて、記憶されることとなり(図7の
ステップ124A参照)、ステップ126へ進むことと
なる。ここで、閾値の最低値としては、より具体的に
は、先のステップ104において、エアバック装置4の
起動制御を行うか否かの判定基準とされた衝突加速度G
0に対して上述した所定の関係式(または変換テーブ
ル)より定まる暫定的な閾値ΔVTH(G0)とするのが好適
である。なお、図8においては、このΔVTHG1のレベル
が符号イが付されて模式的に表されている。
【0048】一方、先のステップ122において、衝突
加速度Gが所定値G1を未だ越えていないと判定された
場合(NOの場合)には、ステップ124Aを実行する
ことなくステップ126へ進むこととなる。
【0049】ステップ126においては、停滞フラグP
が「1」に設定されているか否かが判定され、停滞フラ
グPが「1」に設定されていると判定された場合(YE
Sの場合)には、この時点における閾値ΔVTHに、先に
ステップ124Aにおいて変数ΔVTHG1に記憶された値
が加算されて、この時点における最終的な閾値ΔVTH
される(図7のステップ129参照)。このように、ス
テップ129の演算処理がなされることによって、ステ
ップ114でYESと判定された以降における閾値ΔV
THの変化は、図8において二点鎖線の特性曲線で示され
たようなものとなる。なお、図8において、点線で表さ
れた階段状に変化する部分は、従来装置における閾値Δ
THの変化を表したものである。そして、ステップ13
0へ進み、速度積分値ΔVの絶対値が閾値ΔVTHの絶対
値より大であるか否かが判定され、大ではないと判定さ
れた場合(NOの場合)には、先のステップ102へ戻
り、上述したような一連の処理が繰り返されることとな
る。
【0050】一方、ステップ130において、速度積分
値ΔVの絶対値が、ステップ129で求められた最終的
な閾値ΔVTHの絶対値より大であると判定された場合
(YESの場合)は、エアバックの展開がなされること
となる(図7のステップ134参照)。このエアバック
の展開がなされる時点は、図8において説明すれば、二
点鎖線で表された閾値ΔVTHの変化を示す特性線と、速
度積分値ΔVの変化を示す実線で表された特性線とが交
差する時点であり、図8においては、「Fire」と表記さ
れた箇所である。なお、図8において、一点鎖線で表さ
れた特性線は、先の図3において、小さなGが継続した
後に、大きなGが発生した以後における従来装置におけ
る閾値ΔVTHのレベルを示すものである。このように、
この第2の実施例においては、エアバック装置4の起動
を行うか否かの判定基準となる閾値ΔVTHを、ステップ
119で算出された閾値ΔVTHにさらに、所定値ΔV
THG1を加算したものとすることで(図7のステップ12
4A,129参照)、速度積分値ΔVの停滞が生じた以
後において、速度積分値ΔVがより越え易くなるような
値とし、高速オフセット衝突の際に遅延なく、確実にエ
アバック装置4が起動されることとなるものである。
【0051】なお、上述した第2の実施例においては、
加速度センサ1により加速度検出手段が、CPU3によ
る図7に示されたステップ112の実行により積分手段
が、また、CPU3によるステップ122の実行により
加速度判定手段が、さらに、CPU3によるステップ1
14の実行により積分値変化判定手段が、またさらに、
CPU3によるステップ119の実行により暫定閾値演
算手段が、CPU3によるステップ124A,129の
実行により最終閾値演算手段が、CPU3によるステッ
プ130の実行により閾値判定手段が、さらに、CPU
3によるステップ134の実行により起動信号発生手段
が、それぞれ実現されたものとなっている。
【0052】上述の何れの実施例の説明においても、図
1または図7に示された起動制御を行うためのプログラ
ムがCPU3に予め記憶されているとの前提の下で、上
述のような起動制御が行われるとして説明したが、この
プログラムは必ずしもCPU3に予め記憶されている必
要はないものである。すなわち、公知・周知の外部の記
憶手段に記憶させておき、起動制御の実行の際に、この
記憶手段からCPU3が読み込むようにしてもよいもの
である。このような記憶手段としては、例えば、フロッ
ピィー・ディスク、ハード・ディスク、磁気テープ等に
代表されるいわゆる磁気記録媒体のようなものを挙げる
ことができる。勿論、このような記録媒体を用いる場合
には、それぞれに適した読み取り装置(フロッピィー・
ディスクドライブやハード・ディスクドライブ等)が必
要となることは言うまでもないことである。
【0053】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明によれば、
所定以上の衝突加速度のピークが衝突初期に検出された
後に、所定条件の下で、衝突加速度の積分値の停滞の有
無を判定していわゆる高速オフセット衝突の発生を検出
できるような構成とすることにより、的確、かつ、確実
に高速オフセット衝突の発生を検出することができ、そ
のため、信頼性の高い乗員保護装置の起動を行うことが
可能となるものである。特に、請求項1乃至4並びに9
記載の発明においては、高速オフセット衝突において、
その速度積分値に所定値を加算することによって、他の
衝突形態の判断基準ともなる閾値を越え易くすること
で、高速オフセット衝突以外の衝突形態の判定も可能と
なり、汎用性のある起動制御を提供することができる。
また、請求項5乃至8並びに10記載の発明において
は、高速オフセット衝突が生じたと判定された際、正面
衝突の場合を基に定められた閾値に対していわば補正を
加え、高速オフセット衝突における乗員保護装置の起動
の判定が行えるようにしたことで、高速オフセット衝突
での乗員保護装置の起動を確保して、より安全性の向上
を果たすことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における乗員保護装置の起
動制御装置の第1の実施例の動作を説明するフローチャ
ートである。
【図2】本発明の実施の形態における乗員保護装置の起
動制御装置の第1の実施例を示す構成図である。
【図3】高速オフセット衝突における衝突加速度の時間
変化の一例を示す特性線図である。
【図4】高速オフセット衝突における速度積分値の時間
変化の一例を示す特性線図である。
【図5】低速正面衝突における衝突加速度の時間変化の
一例を示す特性線図である。
【図6】低速正面衝突における速度積分値の時間変化の
一例を示す特性線図である。
【図7】乗員保護装置の起動制御装置の第2の実施例の
動作を説明するフローチャートである。
【図8】高速オフセット衝突における速度積分値の変化
特性の一例を閾値の変化特性と共に示す特性線図であ
る。
【図9】定数αの変化特性の一例を示す特性線図であ
る。
【符号の説明】
1…加速度センサ 2…アナログ・ディジタル変換器 3…CPU 4…エアバック装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部からの起動信号に応じて車両の乗員
    を保護するための保護装置が起動されるよう構成されて
    なる乗員保護装置の起動を制御する乗員保護装置の起動
    制御方法であって、 車両の加速度が所定の大きさを越えた後、再び前記所定
    の大きさを下回ったことを検出し、この衝突加速度の変
    化が検出された後の、衝突加速度の積分値の所定範囲に
    おける変化が所定時間以上要するものであることが検出
    された際に、前記衝突加速度の積分値の所定範囲におけ
    る変化が始まる時点における当該積分値に所定値を加算
    し、当該値が所定の閾値を越えるものと判定された場合
    に、高速オフセット衝突の発生として、前記乗員保護装
    置を起動することを特徴とする乗員保護装置の起動制御
    方法。
  2. 【請求項2】 外部からの起動信号に応じて車両の乗員
    を保護するための保護装置が起動されるよう構成されて
    なる乗員保護装置の起動を制御する乗員保護装置の起動
    制御装置であって、 車両の加速度を検出する加速度検出手段と、 前記加速度検出手段により検出された前記車両の衝突加
    速度についての時間積分値を算出する積分手段と、 前記加速度検出手段により検出された衝突加速度が所定
    の大きさを一旦越え、その後、前記所定の大きさを下回
    る状態となったか否かを判定する加速度判定手段と、 前記積分手段により算出された積分値の所定範囲におけ
    る変化が所定時間以上を要するものであるか否かを判定
    する積分値変化判定手段と、 前記加速度判定手段により衝突加速度が前記所定の状態
    であると判定され、かつ、前記積分値変化判定手段によ
    り前記積分手段による積分値の変化が前記所定の状態と
    なったと判定された際に、前記積分手段により算出され
    た積分値に所定値を加算した値が所定の閾値を越えたか
    否かを判定する閾値判定手段と、 前記閾値判定手段により積分手段による積分値に所定値
    を加算した値が所定の閾値を越えたと判定された際に、
    前記乗員保護装置の起動信号を発生する起動信号発生手
    段と、 を具備してなることを特徴とする乗員保護装置の起動制
    御装置。
  3. 【請求項3】 加速度検出手段により検出された衝突加
    速度が所定の大きさを越える場合にあって、積分値変化
    判定手段により積分値の変化が所定の状態ではないと判
    定された際、積分手段により算出された積分値が所定の
    閾値を越えるか否かを判定する第2の閾値判定手段を設
    け、 起動信号発生手段は、前記第2の閾値判定手段により積
    分手段による積分値が所定の閾値を越えると判定された
    場合にも、起動信号を発生することを特徴とする請求項
    2記載の乗員保護装置の起動制御装置。
  4. 【請求項4】 衝突加速度が所定の大きさを越えた状態
    において、積分値判定手段により積分手段による積分値
    の所定範囲における変化が所定時間以上を要するもので
    あると判定された場合において、積分手段による積分値
    が所定の閾値を越えるか否かを判定する第3の閾値判定
    手段を設け、 起動信号発生手段は、前記第3の閾値判定手段により、
    積分手段による積分値が所定の閾値を越えると判定され
    た場合にも起動信号を発生することを特徴とする請求項
    2又は3記載の乗員保護装置の起動制御装置。
  5. 【請求項5】 外部からの起動信号に応じて車両の乗員
    を保護するための保護装置が起動されるよう構成されて
    なる乗員保護装置の起動を制御する乗員保護装置の起動
    制御方法であって、 車両の加速度が所定の大きさを越えた後、再び前記所定
    の大きさを下回ったことを検出し、この衝突加速度の変
    化が検出された後の衝突加速度の積分値の所定範囲にお
    ける変化が所定時間以上要するものであることが検出さ
    れた場合、それ以降において、衝突加速度に応じて所定
    の関係式に基づいて算出される暫定的な閾値に、時間関
    数の定数を加算すると共に、所定の衝突加速度に対する
    前記所定の関係式に基づいて算出される暫定的な閾値を
    加算したものを閾値とし、検出された衝突加速度の積分
    値が当該閾値を越えると判定された場合に、高速オフセ
    ット衝突の発生として、前記乗員保護装置を起動するこ
    とを特徴とする乗員保護装置の起動制御方法。
  6. 【請求項6】 所定の関係式は、正面衝突において、乗
    員保護装置の起動を行う際の衝突加速度を定めたもので
    あることを特徴とする請求項5記載の乗員保護装置の起
    動制御方法。
  7. 【請求項7】 外部からの起動信号に応じて車両の乗員
    を保護するための保護装置が起動されるよう構成されて
    なる乗員保護装置の起動を制御する乗員保護装置の起動
    制御装置であって、 車両の加速度を検出する加速度検出手段と、 前記加速度検出手段により検出された前記車両の衝突加
    速度についての時間積分値を算出する積分手段と、 前記加速度検出手段により検出された衝突加速度が所定
    の大きさを一旦越え、その後、前記所定の大きさを下回
    る状態となったか否かを判定する加速度判定手段と、 前記積分手段により算出された積分値の所定範囲におけ
    る変化が所定時間以上を要するものであるか否かを判定
    する積分値変化判定手段と、 前記加速度判定手段により衝突加速度が前記所定の状態
    であると判定され、かつ、前記積分値変化判定手段によ
    り前記積分手段による積分値の変化が前記所定の状態と
    なったと判定された際に、衝突加速度の関数として予め
    定められた所定の関係式に基づいて暫定的な閾値を算出
    し、さらに、所定の定数を加算する暫定閾値演算手段
    と、 前記暫定閾値演算手段により算出された値に、前記所定
    の関係式に基づいて所定の衝突加速度に対して算出され
    る値を加算して閾値とする最終閾値演算手段と、 前記積分手段により算出された値が前記最終閾値演算手
    段により算出された値を越えるか否かを判定する閾値判
    定手段と、 前記閾値判定手段により、前記積分手段による算出値が
    前記最終閾値演算手段により算出された値を越えると判
    定された際に、前記乗員保護装置の起動信号を発生する
    起動信号発生手段と、 を具備してなることを特徴とする乗員保護装置の起動制
    御装置。
  8. 【請求項8】 所定の関係式は、正面衝突において、乗
    員保護装置の起動を行う際の衝突加速度を定めたもので
    あることを特徴とする請求項7記載の乗員保護装置の起
    動制御装置。
  9. 【請求項9】 コンピュータによって乗員保護装置の起
    動を制御するための起動制御プログラムを記憶した記録
    媒体であって、 当該起動制御プログラムはコンピュータに、車両の加速
    度が所定の大きさを越えたことを判断させ、その後、再
    び前記所定の大きさを下回ったことを判断させ、この衝
    突加速度の変化が検出された後の衝突加速度の積分値を
    算出させ、このの衝突加速度の積分値の所定範囲におけ
    る変化が所定時間以上要するものであることを判断さ
    せ、衝突加速度の積分値の所定範囲における変化が所定
    時間以上要するものであると判断された際、前記衝突加
    速度の積分値の所定範囲における変化が始まる時点にお
    ける当該積分値に所定値を加算させ、当該値が所定の閾
    値を越えるものか否か判定させ、当該値が所定の閾値を
    越えるものと判断された場合に、高速オフセット衝突の
    発生として、前記乗員保護装置を起動するための制御信
    号を出力させることを特徴とする乗員保護装置の起動を
    制御するための起動制御プログラムを記憶した記録媒
    体。
  10. 【請求項10】 コンピュータによって乗員保護装置の
    起動を制御するための起動制御プログラムを記憶した記
    録媒体であって、 当該起動制御プログラムはコンピュータに、車両の加速
    度が所定の大きさを越えたことを判断させ、衝突加速度
    の積分値の所定範囲における変化が所定時間以上要する
    ものであると判断された際、その後、再び前記所定の大
    きさを下回ったことを判断させ、この衝突加速度の変化
    が検出された後の衝突加速度の積分値を算出させ、この
    衝突加速度の積分値の所定範囲における変化が所定時間
    以上要するものであることを判断された際、それ以降、
    衝突加速度に応じて所定の関係式に基づいて定まる暫定
    的な閾値を算出させ、その算出結果に時間関数の定数を
    加算させ、所定の衝突加速度に対する前記所定の関係式
    に基づいて算出される暫定的な閾値を加算させたものを
    最終的な閾値とさせ、検出された衝突加速度の積分値が
    当該閾値を越える否かを判定させ、当該閾値を越えると
    判定された場合に、高速オフセット衝突の発生として、
    前記乗員保護装置を起動するための制御信号を出力させ
    ることを特徴とする乗員保護装置の起動を制御するため
    の起動制御プログラムを記憶した記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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