JPH11189127A - エアバッグ装置の作動制御装置 - Google Patents

エアバッグ装置の作動制御装置

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JPH11189127A
JPH11189127A JP9337809A JP33780997A JPH11189127A JP H11189127 A JPH11189127 A JP H11189127A JP 9337809 A JP9337809 A JP 9337809A JP 33780997 A JP33780997 A JP 33780997A JP H11189127 A JPH11189127 A JP H11189127A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ラフロードやハンマリング等においても、適
正に作動する作動制御装置を提供する。 【解決手段】 1つのエアバッグに対して複数のインフ
レータを備え、車室内設置部の加速度Gを常時検出する
第一加速度センサ1と、車体の前部クラッシュゾーンに
設置されて、設置部の加速度G’を常時検出する第二加
速度センサ2とを有し、第一加速度センサ1からの加速
度信号に基づいて時間積分された第一時間積分値Vと第
二加速度センサ2からの加速度信号に基づいて時間積分
された第二時間積分値V’及び該第二時間積分値と第一
積分値との積分値差(Vd=V’−V)、或いはこれら
と前記積分値差の変化量Gd=d(Vd)/dt)の各
種衝突形態における特性の差異に基づき、これらを適宜
組み合わせて、複数のインフレータの作動要否の判断と
インフレータの作動形態の判断とを行う様にしてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の衝突を検知
してエアバッグ装置を作動させるためのエアバッグ装置
の作動制御装置に関するものであり、特に、複数のイン
フレータで1つのエアバッグを展開させる方式のエアバ
ッグ装置において、衝突の程度に対応して適正なインフ
レータの作動形態と作動要否の判断を行える様にした新
規なエアバッグの展開制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より一般に使用されているエアバッ
グ装置は、1つのインフレータで1つのエアバッグを展
開させる方式である。この方式においては、車室内に設
置された加速度センサによって、車両の加速度変化を常
時検知し、この加速度信号を1回積分或いは2回積分等
の適宜の演算処理を行い、所定の閾値と比較して該閾値
を越えた場合には、インフレータの点火回路に作動信号
を発してインフレータを作動させ、エアバッグを展開さ
せるものである。
【0003】この方式では、安全規格に基づき、50k
m/hの速度で正面衝突した場合に最高の能力を発揮す
る様に設計されているので、衝突の激しさや乗員の位置
或いは姿勢に拘らず、前記閾値さえ越えれば、エアバッ
グは一定の特性で展開する様になっている。従って、中
低速の衝突の場合には、乗員を保護するには過剰な展開
エネルギでエアバッグが展開する事になり、乗員の位置
がエアバッグに近かったり、乗員の体格が小さい場合に
は、乗員が展開したエアバッグによって傷害を受けるお
それがあった。
【0004】又、前記インフレータの作動の要否を判断
するための加速度センサの取付位置には、該センサをエ
アバッグモジュールと一体的に組み込んでステアリング
ホイールに装着する一体型と、車室内の運転席側部に配
置する分離型との2つのタイプがあり、一体型の場合に
は、ステアリングシャフトを通して伝えられる衝突の衝
撃を加速度センサで感知するものであり、分離型の場合
には、車体本体部に配置された取付金具に加速度センサ
を設置し、該車体本体を通して車室内に伝達される衝突
の衝撃を加速度センサで感知するものであるが、いずれ
の場合にも、剛性の高い、即ち、衝突の際に変形の少な
い車室内に設置された加速度センサを通して感知された
加速度の変化に基づいてエアバッグ展開の要否の判断を
行う様になっている。
【0005】又、車両前部の衝撃が車室内に伝わり難い
一部の車両では、車室内に電子式加速度センサを設置
し、車体前部のエンジンルーム等のクラッシュゾーンに
機械式センサを配置したシステムが採用されているが、
機械式センサの役割は、その特性上、オン/オフ判断し
かできず、車室内の加速度センサによる衝突判断システ
ムと並行判断のため、該機械式センサに対するハンマリ
ング等の局所的な衝撃が入力された場合には、誤作動の
可能性もあった。
【0006】又、最近では、複数のインフレータを設置
し、衝突の形態や乗員の状態に対応してインフレータの
出力を適正に制御する事により、エアバッグの展開形態
を最適形態に制御する所謂「スマートエアバッグシステ
ム」と呼ばれる方式が提案されているが、この方式を実
現するためには、インフレータの出力制御の演算のため
に、従来の点火判断タイミングよりも早いタイミングで
の点火判断が必要となるが、係る早期判断方式について
の提案はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、係る問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的とする処は、こ
れまでのシステムよりも早い適正なタイミングで点火判
断が行える様にすると共に、車室内加速度センサのみに
よる判断では誤作動を生じる可能性のあるラフロードや
ハンマリング等の誤った使用方法(以下、『アブユー
ス』という)においても、適正な判断を行って誤作動の
可能性を著しく低減させた新規なエアバッグの作動制御
装置を提供する事を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、係る観点の元
になされたものであって、その特徴とする処は、従来の
車室内に設置された電子式の第一加速度センサに加え
て、車体前部のクラッシュゾーンにも電子式の第二加速
度センサを設置し、両加速度センサで検知された夫々の
加速度信号の各種衝突形態における特性の差異に基づい
て、エアバッグの展開の要否(インフレータの作動の要
否)とエアバッグの展開形態(インフレータの作動形
態)の判断を行う様にした点にあり、具体的な演算方式
としては、前記第一加速度センサからの加速度信号に基
づいて時間積分された第一時間積分値及び前記第二加速
度センサからの加速度信号に基づいて時間積分された第
二時間積分値並びに該第一時間積分値と第二時間積分値
との積分値差、若しくはこれらと前記積分値差の変化量
の各種衝突形態における特性の差異に基づき、これらを
適宜組み合わせて、複数のインフレータの作動要否の判
断と該インフレータの作動形態の判断を行う様にしてな
るものである。
【0009】インフレータの作動形態の判断方式として
は、前記第一時間積分値と第二時間積分値との差を所定
の時間関数の閾値と比較し、その大小によってインフレ
ータの作動形態を判断する方式と、前記第二時間積分値
を所定の時間関数の閾値と比較し、その大小によってイ
ンフレータの作動形態を判断する方式とがあり、インフ
レータの作動形態には、エアバッグを急速に展開させる
急展開形態と、エアバッグを緩やかに展開させる緩展開
形態とがある。
【0010】又、インフレータ作動要否の判断方式とし
ては、次の8通りの方式がある。 (a)前記第一時間積分値と第二時間積分値との積分値
差を、所定の時間関数の閾値と比較し、インフレータの
作動の要否を判断する方式 (b)前記積分値差の変化量(該積分値の差の時間微分
値)を、所定の時間関数の閾値と比較し、インフレータ
の作動の要否を判断する方式 (c)上記(a),(b)の方式を並列配置し、少なく
ともいずれか一方が作動条件を満足するか否かによっ
て、インフレータの作動の要否を判断する方式 (d)上記(a),(b)の方式に加えて、前記第一時
間積分値を、所定の時間関数の閾値と比較し、(a),
(b)の少なくともいずれか一方が作動条件を満足し、
且つ前記第一時間積分値が所定の時間関数の閾値以上か
否かによってインフレータの作動の要否を判断する方式 (e)前記時間積分値差を、前記第一時間積分値の関数
として設定された所定の閾値と比較し、インフレータの
作動の要否を判断する方式 (f)上記(b),(e)の方式を並列配置し、少なく
ともいずれか一方が作動条件を満足するか否かによっ
て、インフレータの作動の要否を判断する方式 (g)前記第二時間積分値を、前記第一時間積分値の関
数として設定された所定の閾値と比較し、インフレータ
の作動の要否を判断する方式 (h)上記(b),(g)の方式を並列配置し、少なく
ともいずれか一方が作動条件を満足するか否かによっ
て、インフレータの作動の要否を判断する方式
【0011】上記方式を採用する事によって、インフレ
ータの作動の不要なラフロードやアブユース或いは鹿突
(鹿等の動物との衝突。以下同じ。)等における誤作動
を防止し、且つ高速正突(高速度での正面衝突。以下同
じ。)や高速斜突(高速度での斜め前方からの衝突。以
下同じ。)における点火タイミングを適正になす事を可
能にしている。
【0012】又、これらの方式において、前記インフレ
ータの作動形態モードが緩展開モードの状態でインフレ
ータの作動指令がなされると、先ず、緩展開モードでの
インフレータの作動を行うと共に、インフレータの作動
形態の演算を継続させ、その結果、急展開モードに移行
すると残部のインフレータを作動させる様になす事もイ
ンフレータの作動適正化の観点からは、好ましい態様で
ある。
【0013】又、上記方式において、前記第二加速度セ
ンサによる演算を開始した後、所定の時間が経過するま
では、前記インフレータの作動形態の内、緩展開の判断
を保留して演算を継続する事により、インフレータの作
動形態の判断の精度を高める方式も好ましい態様であ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。先ず図1は、本発明のエアバッグ
作動制御装置の第一実施例を示すブロック図であり、同
図において、加速度センサ1は、車室内に通常通り設置
されている第一加速度センサであり、加速度センサ2
は、クラッシュゾーンに設置された第二加速度センサで
ある。ここで、クラッシュゾーンとは、車体の車室前方
の車体内空間を言い、衝突時には車室の変形に先行して
変形し、車室の変形を軽減する作用を有する部分であ
り、一般的にはエンジンルーム前部がこれに該当する。
【0015】上記両加速度センサ1,2で検出された加
速度信号G,G’は、演算回路6を経て、リセット回路
20及び2つのインフレータの各トリガ回路21,22
に接続されており、各トリガ回路は、各インフレータ
(図示せず)を点火してエアバッグ23を展開させる様
に構成されている。
【0016】次に、演算回路6についてを説明すると、
車室内の第一加速度センサ1で検出された加速度信号G
は、演算開始判断回路であるブロック3に送信され、該
加速度値Gが所定の加速度G1を越えた時点t0 が検出
されると、この時点から該加速度Gに基づく所定の演算
を開始する。次に、ブロック4は減算手段であり、該演
算開始時点t0 以降の加速度値Gより、所定の加速度G
2を減算して加速度値Gをオフセットする事により、ノ
イズや微小加速度変化をカットする様にしている。次い
で、該減算手段4から出力された減算加速度G3を、積
分手段5において時間積分を行い、第一時間積分値Vを
算出する。一方、クラッシュゾーンに設置された前記第
二加速度センサ2で検出された加速度信号G’は、演算
開始判断回路であるブロック3’に送信され、ここで加
速度センサ2による検出加速度値G’が所定の加速度G
1’を越えた時点t0 ’が検出されると、この時点から
該加速度値G’に基づく所定の演算を開始し、次の減算
手段であるブロック4’で前記演算開始時点t0 ’以降
の加速度値G’より所定の加速度G2’を減算して減算
加速度G3’を算出し、次いで積分手段5’において、
加速度G3’の時間積分を行って第二時間積分値V’を
算出する。
【0017】ここで、上記車室内に設置した第一加速度
センサ1からの加速度信号に基づいて時間積分した第一
時間積分値Vと、クラッシュゾーンに設置した第二加速
度センサ2からの加速度信号に基づいて時間積分した第
二時間積分値V’との差異について説明する。図12
(A),(B)は、上記VとV’との経時変化を示す線
図であり、(A)はV−t線図,(B)はV’−t線図
であり、時間軸tは同一スケールで示している。両図か
ら明らかな様に、全ての衝突形態において、クラッシュ
ゾーンの第二加速度センサ2に基づく第二時間積分値
V’の方が、車室内の第一加速度センサ1に基づく第一
時間積分値Vよりも、早い時点で大きな値に達している
事が分かる。
【0018】又、特に重大な衝突1つである高速正突で
は、V’は、速やかに大きな値を示し、又、同様に重大
な衝突の1つである高速斜突においても、V’は、高速
正突と同様に初期の段階で急激に増加しているが、一
方、Vの方は、初期に緩やかに増加して途中から急に増
加している。更に、中速センタポール突(中速度での鉄
柱等の柱状体への正面衝突。以下同じ。)の場合には、
ポール衝突部分を中心とした小面積部分が深く圧壊する
ので、Vの値は、衝突後暫くはバンパー或いは更に車体
最前部のみが変形する程度で、基本的にはエアバッグの
展開を要しない低速正突よりも低い値を示し、相当時間
経過後に、やっと低速衝突よりも高くなっている。この
ため、Vで判断したのでは、エアバッグが展開しないか
或いは展開しても時期を逸した遅い時期に展開するおそ
れがあるが、V’の場合には、当初から低速正突よりも
高い値を示している。又、鹿突の場合には、Vの場合に
は僅かな変化しか表れないが、V’の場合には、低速衝
突の最大値並みの大きな数値を示している。これは、鹿
等に衝突しても、これを瞬時に撥ね飛ばすため、クラッ
シュゾーンには多少の変形を伴って比較的大きな加速度
の変化が現れるが、車室内では、クラッシュゾーンで衝
撃が吸収されるため、殆ど変化が現れない事による。更
に、ラフロードの場合には、VとV’は同様な波形を示
している。これは、ラフロードでは車体自体には何等の
変形が生じないので、加速度センサの設置場所による差
異が生じない事による。以上の様に、衝突初期に車両前
部のクラッシュゾーンが局所的に圧壊或いは変形する中
・高速衝突では、Vに比べてV’の方が早期に立ち上が
り、クラッシュゾーンに変形の生じないラフロード等で
はVもV’も略同一の波形を示す。又、クラッシュゾー
ンの変形の少ない低速衝突では、V’はVよりも早期に
立ち上がる傾向を示しているが、変形の少ない分だけ、
その差は少なくなっている。
【0019】これらの現象から、本発明で用いるクラッ
シュゾーンに設置した第二加速度センサ2に基づく第二
時間積分値V’と、従来使用されていた車室内に設置し
た第一加速度センサ1に基づく第一時間積分値Vとの間
には、衝突形態に応じて特異な差異が存在している事が
分かる。従って、両積分値の差を求めると、クラッシュ
ゾーンの変形の度合いに応じて、即ち衝突の重大性の度
合の差が一層明確になる。本発明は、この特性を利用し
て、適正な衝突判断とエアバッグの展開形態の判断を行
う様にしている点に最大の特徴が存する。
【0020】次に、本発明の具体的なインフレータの作
動の要否及び作動形態の判断方式について説明する。図
1に示している様に、先ず減算手段7において、第二加
速度センサ2に基づいて時間積分した第二時間積分値
V’から、第一加速度センサ1に基づいて時間積分した
第一時間積分値Vを減算(V’−V)し、その積分値差
Vdを求める。得られた積分値差Vdを、比較器13に
おいて、予めブロック12にて時間関数の閾値として設
定されている第二速度閾値Vs2と比較し、Vd<Vs
2の場合には、衝突の程度は大きくないと判断して、エ
アバッグを緩展開させる様なインフレータの作動形態信
号(K=1)をブロック18からブロック15に送信す
る。一方、Vd≧Vs2の場合には、衝突の程度は重大
と判断し、エアバッグを急展開させる様なインフレータ
の作動形態(K=2)を、ブロック19からブロック1
5に送信する。
【0021】ここで、上記積分値差Vdと第二時間閾値
Vs2との関係について図13によって説明する。図1
3は、各種衝突形態における前記積分値差Vdと時間t
との関係を示した線図である。同図から明らかな様に、
図12(A)に示した第一時間積分値Vの時間的変化に
比べて、衝突後の早い段階で、重大衝突である高速正突
や高速斜突は高い値を示しており、しかもこれらは、他
のエアバッグの展開を要する中速センターポール突に比
べて、明確に判断できる様な時間的差異をおいて立ち上
がっている。又、第二速度閾値Vs2を、図示の如く初
期の段階では時間に関係なく一定値を示すTh4と、所
定時間後は漸増するTh5と、後段の高い一定値を示す
Th6とから構成する事により、重大な衝突である高速
正突や高速斜突では、衝突後の早い時期にインフレータ
の作動形態の判断を行う事が可能となる。
【0022】次にインフレータの作動形態について説明
する。エアバッグの展開形態には、エアバッグを穏やか
に展開させる緩展開と、急速に展開させる急展開との2
種類があり、緩展開と急展開とを、インフレータの作動
数によって決定する方式と、インフレータの作動タイミ
ングによって決定する方式及びこれらの組み合わせがあ
る。この組み合わせを例示すると、次の通りである。 (a)第1の方式は、インフレータの作動数によりエア
バッグを緩展開と急展開とに制御する方式であり、緩展
開では、前記第1インフレータのみを点火し、急展開で
は、第1インフレータと第2インフレータの両方を点火
する方式である。この場合の急展開においては、第1イ
ンフレータと第2インフレータの点火タイミングに差
(同時を含む)を設ける事により、更に微妙な制御も可
能である。 (b)第2の方式は、第1インフレータと第2インフレ
ータの点火タイミングを調整する事によって、エアバッ
グの緩展開と急展開とを制御する方式であり、この場合
の緩展開では、第1インフレータと第2インフレータの
点火タイミング差を長くする事によってエアバッグを緩
やかに展開させ、急展開では、両インフレータの点火タ
イミング差を短くして(同時点火を含む)エアバッグを
急速に点火する方式である。
【0023】次に、インフレータの作動要否の判断方式
について説明する。前記積分値差Vdは比較器10に送
信され、ここで、ブロック11にて時間関数の閾値とし
て予め設定されている第一時間関数閾値Vs1と比較さ
れ、Vd≧Vs1の場合にはインフレータの作動の
“要”ありと判断して、インフレータの作動指示信号を
ブロック15に送信する。該ブロック15では、前記ブ
ロック18又は19から送られているインフレータの作
動形態信号(K=1,2)に従って、インフレータトリ
ガ回路21,22にトリガ信号の出力を指示し、このト
リガ信号によってインフレータ(図示せず)を作動さ
せ、エアバッグ23を展開させる。尚、図1において、
緩展開信号(K=1)は、ブロック15から第1インフ
レータトリガ回路21に直接入力されるラインがある
が、これは、緩展開の場合には第1インフレータのみを
作動させるケースを示しており、ブロック15から両イ
ンフレータトリガ回路21,22に、緩展開信号(K=
1)と急展開信号(K=2)の両方が入力されるライン
は、各インフレータの点火時期をずらして作動させるケ
ースを示している。
【0024】又、前記積分値差が第一時間閾値未満(V
d<Vs1)の場合には、比較手段14にて、Vdを、
予め設定されているゼロ(0)又はその近傍の値と比較
し、その設定値以下(例えばゼロ以下)の場合には、シ
ステムリセット回路20によってシステムをリセット
し、その設定値以上(例えばゼロ以上)の場合には、演
算回路6内での演算を継続する。
【0025】次に、上記Vdと第一時間閾値Vs1との
関係について図13によって説明すると、同図に示す様
に、衝突初期の段階では、該閾値Vs1は、鹿突のレベ
ルよりも高い値Th1に設定され、これによって、高速
正突や高速斜突の様な重大な衝突を早い時期に判断し
て、インフレータの作動指令を発する様になっている。
又、これに続く衝突中期の段階では、衝突後段の低い閾
値Th3に至る右下がりの漸減閾値Th2(時間と共に
低下する閾値)となっており、この漸減閾値Th2で中
速センターポール突の様な中程度の衝突を判断してイン
フレータに作動指令を発する様になっている。尚、後段
の低い閾値Th3は、低速正突におけるインフレータの
作動の要否を判断するもので、所定の速度以下の正突で
は展開しない様な値に設定されている。
【0026】本図の時間軸も、図12(A)のV−t線
図の時間軸と同一スケールで示しており、両図の比較か
ら明らかな様に、高速正突や高速斜突の様な重大な衝突
においては、衝突後の極めて早い段階でインフレータに
作動指示を発する事ができるので、速やかにエアバッグ
を展開できる様になるのみならず、前記各インフレータ
の点火形態を判断するための時間的余裕が長くなるの
で、展開形態制御のための演算時間に余裕ができ、精密
な演算でエアバッグ展開形態制御を行う事が可能となる
事が分かる。
【0027】因みに、ラフロードの場合は、図12
(A),(B)に示している通り、VとV’とが殆ど同
じ波形であるので、その差Vdは極めて小さな値とな
る。この事から、Vdで判断すればラフロードによるエ
アバッグの誤作動は完全に防止する事ができる様にな
る。更に、車体変形の小さな軽度の衝突においても、両
加速度センサによる時間積分値差は小さな値となるの
で、これによる誤作動も確実に防止できる効果がある。
この意味から、第二加速度センサ2の設置位置を、低速
正突等の軽度の衝突では変形を生じないクラッシュゾー
ンの部分となす事により、低速正突においても、Vと
V’の波形が殆ど同一となり、その差Vdも小さな値と
する事ができるので、低速正突における誤作動を、より
確実に防止する事が可能となる。
【0028】次に、図2は、図1に示した第一実施例の
変形例を示したもので、図1との相違点は、比較器13
における前記積分値差Vdと第二速度閾値Vs2との比
較の結果、Vd<Vs2の場合には、緩展開信号出力器
18に送信する前に、時間比較器8にて、前記第二加速
度センサ2の演算開始時点t0'からの経過時間t’と予
め設定された所定の時間閾値tsとを比較し、t’≧t
sの場合、即ち、所定時間が経過している場合にのみ、
ブロック18から緩展開信号をブロック15に送信し、
前記所定時間未満(t’<ts)の場合には、K値判断
を保留して演算を継続する様にしている点で異なってお
り、その他の構成は同位置であるので、同一符号を付し
て詳細説明は省略する。
【0029】即ち、図2の例では、比較器13による前
記積分値差Vdと第二速度閾値Vs2との比較の結果、
Vd<Vs2の場合には、ブロック8にて、前記第二加
速度センサ2による演算が開始された後の経過時間t’
を、所定の時間閾値tsと比較し、t’<tsの場合に
は、K値判断を保留して、ブロック24より、K値未確
定の信号(K=0)を、ブロック15に送信し、該ブロ
ック15では、K=0の信号が入力されると、更に演算
を継続する様にしている。一方、所定時間が経過し、
t’≧tsとなると、K値判断の保留を解除してブロッ
ク18にその信号を送信し、該ブロック18から前述の
場合と同様に緩展開信号(K=1)をブロック15に送
信する様にしている。これは、高速正突や高速斜突等の
重大な衝突の場合においても、衝突後の早すぎる時点で
は、判断のために比較すべきVdも小さな値であるの
で、この時点で拙速に判断すると、本来急展開と判断す
べきところを緩展開と判断するおそれがあるので、緩展
開判断とすべきVd<Vs2の場合には、所定時間が経
過するまで、その判断を保留して演算を継続する様にな
し、これによって、インフレータの作動形態判断に確実
性を高める様にしたものである。
【0030】尚、比較器13による前記積分値差Vdと
第二速度閾値Vs2との比較の結果がVd≧Vs2の場
合、即ち、エアバッグの展開形態を急展開(K=2)と
判断した場合には、上記時間比較器8による経過時間判
断を行う事なく、直ちにブロック15に送信される様に
なっている。
【0031】次に、図3は、第一実施例の他の変形例を
示したもので、インフレータの作動形態の他の判断方式
を示すものである。図2とは、インフレータの展開形態
判断を、前記積分値差Vdと第二速度閾値Vs2との比
較に代えて、前記第二加速度センサ2による第二時間積
分値V’と、予め時間関数の閾値として設定されている
第三速度閾値Vs3とを比較して判断する様にしている
点で相違しており、他の構成は同一であるので、同一符
号を付して詳細説明は省略する。
【0032】即ち、図3において、比較器17には第二
時間積分値V’が送信され、一方、ブロック16から
は、時間関数の閾値として予め定められている第三速度
閾値Vs3が送信され、ここで、両者を比較してインフ
レータの作動形態を選定する。第二時間積分値が前記第
三速度閾値以上(V’≧Vs3)の場合には、ブロック
19に急展開のインフレータ作動形態信号(K=2)の
出力を指示し、前記第二時間積分値が前記第三速度閾値
未満(V’<Vs3)の場合には、時間比較器8に送信
して、所定時間tsが経過するまで、緩展開判断を保留
する点は前記図2の場合と同様である。
【0033】これらの作動形態信号は、ブロック15に
送信され、該ブロック15に前記比較器10からインフ
レータの作動信号が入力されると、第1インフレータト
リガ回路21及び第2インフレータトリガ回路22に夫
々作動形態信号が送信され、その作動形態に従ってイン
フレータを作動させエアバッグ23を展開させる点は図
2の場合と同一である。
【0034】上記第二時間積分値V’を用いたインフレ
ータ作動形態の判断について図12(A),(B)によ
って説明すると、同図から明らかな様に、全ての衝突形
態において、V’の方がVよりも衝突後の早い段階で高
い値を示している。従って、前記第三速度閾値Vs3
を、図(B)に示している様に、初期の段階では比較的
低いTh7とし、中間段階では漸増するTh8とし、後
段は高い値のTh9とすれば、重大な衝突である高速衝
突や高速斜突とは、衝突後の極めて早い段階である時間
t1及びt2の段階で、インフレータの作動形態をエア
バッグを急展開させる形態(K=2)選定するが、前記
時間比較器8における時間閾値tsを、図示の如くt
1,t2よりも大きな値に設定しておくと、時間tsの
時点までは、前記緩展開の形態選定は保留される事にな
る。尚、同一時間スケールで表されている図(A)と比
較しても明らかな様に、時間tsの時点では、車室内加
速度センサ1のみによる判断では、高速正突も高速斜突
も、やっと積分値が立ち上がりかけたところであり、こ
の時点で正確な判断を下す事は困難であるが、V’によ
れば、明らかに判別可能な状態にある事が分かる。この
事からも、Vのみによってインフレータの作動の要否と
展開形態の両方を判断するには、相当に時間が掛かり、
適正な時期に適正な判断を行う事が困難である事が理解
されよう。
【0035】図4は、本発明の他の実施例を示すもの
で、前述の図1との相違点は、前記積分値差Vdを微分
器30で時間微分(d(Vd)/dt)してVdの変化
量Gdを演算し、この差分変化量Gdを、インフレータ
の作動の要否の判断に用いるものであって、該差分変化
量Gdを比較器34に送信し、該比較器34にて、予め
ブロック32にて時間関数の閾値として設定されている
差分変化閾値Gsと比較してエアバッグ作動要否の判断
を行う。該差分変化量が差分変化閾値以上(Gd≧G
s)の場合には、インフレータ作動の“要”ありと判断
し、ブロック15にインフレータの作動指令信号を送信
し、前記比較器13にて前記積分値差Vdと前記第二速
度閾値Vs2との比較によって選択されたインフレータ
の展開形態信号(K=1,2)に従って、夫々第1イン
フレータトリガ回路21及び第2インフレータトリガ回
路22にトリガ信号の出力を指示する点は、前述の場合
と同一である。一方、前記差分変化量が差分変化閾値未
満(Gd<Gs)の場合には、比較器14にて、Vdを
予め設定されているゼロ(0)又はその近傍の値と比較
し、その設定値以下(例えばゼロ以下)の場合には、シ
ステムリセット回路20によってシステムをリセット
し、その設定値以上(例えばゼロ以上)の場合には演算
回路6内での演算を継続する点も、前述の場合と同一で
ある。
【0036】次に、上記Gdと、時間関数の前記差分変
化閾値Gsとの関係について図14によって説明する。
図14は、各種衝突形態における前記差分変化量Gdと
時間tとの関係を示した線図であり、同図に示す様に、
衝突初期の段階では、該閾値Gsは、鹿突のレベルより
も高い値Th10に設定され、これによって鹿突による
エアバッグの誤作動を防止し、前記高い閾値Th10に
続いて、低い閾値Th12に至る右下がりの急勾配の閾
値Th11で、高速正突や高速斜突の様な重大な衝突を
早い時期に判断し、インフレータの作動指令を発する様
になっている。又、低い閾値Th12近傍で中速センタ
ポール突を検知できる様にして中速センタポール突も早
い時期に検知できる様にしている。尚、後段の低い閾値
Th12は、低速正突におけるエアバッグ展開の要否を
判断するもので、所定の速度以下の衝突では展開しない
様な値に設定されている。
【0037】この図14の時間軸も、図13のVd−t
線図の時間軸と同一スケールで示しており、両図の比較
から明らかな様に、Gdに基づいて判断する方が、更に
一層早い時期に、エアバッグ作動指示を発する事ができ
るので、重大な衝突において速やかなインフレータの展
開要否判断が可能となって、作動要否判断からインフレ
ータの点火時期までに充分な時間的余裕がとれる様にな
り、エアバッグ展開形態判断のための複雑な演算の実行
をも可能とする利点がある。尚、ラフロードの場合は、
前述のVdの場合と同様に極めて小さな値となるので、
Gdで判断すれば、ラフロードによるエアバッグの誤作
動を完全に防止できる事は、Vdの場合と同様である。
【0038】尚、図4の例においては、インフレータの
作動形態の判断を、Vdと第二速度閾値Vs2との比較
によって行っているが、これは、図3の例の如く、第二
時間積分値V’と時間関数の第三速度閾値Vs3との比
較によって行う事が出来る事はいうまでもない。又、こ
のインフレータの作動形態判断が、緩展開(K=1)の
場合であっても、これを直ちにブロック15に送信する
様にしているが、これも、図2,3に示した様に、第二
加速度センサ2による演算開始時点t0'から所定時間t
s経過するまでは、緩展開の判断を保留となす様に、時
間比較器8及びその時間閾値設定器9を配置する事も可
能である事は言うまでもない。
【0039】次に、図5は、本発明の他の実施例を示す
ブロック図であり、前記図4に示した方式に、Vdによ
るインフレータの作動要否判断を付加したものであっ
て、比較器35では、前記積分値差Vdとその変化量G
dとが入力され、夫々が前記時間関数の第一速度閾値V
s1及び差分変化閾値Gsと比較され、Vd≧Vs1,
Gd≧Gsのいずれか一方又は双方の条件を満足する場
合に、インフレータの作動が必要と判断し、前記ブロッ
ク15に、インフレータの作動指示信号が送信され、前
述のインフレータ作動形態判断回路である比較器13に
おけるVdと第二速度閾値Vs2との比較によって決定
されたインフレータの作動形態信号(K=1,2)が入
力されると、第1,第2インフレータトリガ回路21,
22に、その作動形態に従ってトリガ指示信号を出力す
る様になっている。尚、比較器35における比較の結
果、Vd<Vs1の場合には、比較器14にてVdが所
定の値と比較され、その結果によってシステムをリセッ
トするか演算を継続するかが判断される点は、前述の場
合と同一である。
【0040】ここで、Vd≧Vs1とGd≧Gsの条件
のいずれか一方を満足する場合にインフレータの作動が
必要と判断する点は、前述の図3又は図4ケースと同一
であるが、多様な感度設定が可能となる利点があり、
又、両者を共に満足する場合にのみインフレータを作動
させる方式では、二重判断となるので、確実性が向上す
る効果がある。
【0041】次に、図6は、本発明の他の実施例を示す
ブロック図であり、インフレータ作動の要否判断とし
て、前記図5の積分値差Vdによる判断と該積分値差の
変化量Gdによる判断に加えて、前記車室内の第一加速
度センサ1に基づく第一時間積分値Vによる判断を加え
たものである。即ち、比較手段36では、前記Vdとそ
の閾値Vs1との比較及びGdとその閾値Gsとの比較
に加えて、前記第一時間積分値Vとその時間関数の閾値
として予めブロック35にて設定された第四速度閾値V
s4との比較がなされ、Vd≧Vs1とGd≧Gsの少
なくともいずれか一方の条件が満足され、且つ、V≧V
s4の条件を満足する場合にのみ、ブロック15にイン
フレータの作動許可信号を出力する様にしている。ブロ
ック15では、前述の作動形態信号(K=1,2)と、
この作動許可信号が入力されると、インフレータトリガ
回路にトリガ信号を発する事は前述の通りである。尚、
Vd<Vs1の場合は、前述の場合と同一であるので説
明は省略する。
【0042】ここで、第一時間積分値Vに基づく判断を
併用したのは、図12(A)に示している様に、該第一
時間積分値Vに対する第四速度閾値Vs4の値を比較的
低い値に設定しておく事により、実質的に前記VdとG
dによって判断がなされる様になすと共に、これらV
d,Gdによる誤作動を防止する意味がある。
【0043】次に、図7は、本発明の他の実施例を示す
ブロック図であり、インフレータ作動要否判断の他の例
を示すものであって、上述の図1〜6の例では、Vdを
時間関数の閾値と比較していたが、本例では、第一時間
積分値Vの関数として定められた速度関数の閾値と比較
する点に特徴がある。即ち、図7において、減算手段7
で得られた前記V’とVとの差Vdを、比較器40に送
信し、一方、ブロック41には、前記第一時間積分値V
が入力されて該第一時間積分値Vの関数として予め定め
られている第五速度閾値Vs5(=f(V))を演算
し、この第五速度閾値Vs5を比較器40に送信する。
この比較器40で両者を比較し、前記積分値差が該第五
速度閾値以上(Vd≧Vs5)の場合には、インフレー
タのトリガ許可信号をブロック15に送信する。尚、前
記積分値差が前記第五速度閾値未満の場合(Vd<Vs
5)には、Vdは比較手段14に送信されて、ゼロ
(0)或いはその近傍の数値に予め設定されている値と
比較され、Vd<0(又はゼロ近傍の設定値)の場合に
は、システムリセット回路20に信号が送られてシステ
ムはリセットされ、Vd≧0(又はゼロ近傍の設定値)
の場合には、演算が継続される点は前述の場合と同一で
ある。
【0044】次に、本実施例における上記速度関数の閾
値Vs5とVdとの比較について以下に述べる。図15
は、各衝突形態におけるVdとVとの関係を示した線図
であり、前記速度関数の第五速度閾値Vs5は、双曲線
状の形をしており、Vd軸側に立ち上がった曲線部a
は、鹿突を判別できる様に設定されると共に、そのVの
最小値は、図12(A)に一定値で示した閾値Vs4と
同一レベルの値に設定されている。一方、V軸側の漸減
曲線bは、低速正突を判別できる様に設定されている。
この判断方式によると、閾値を時間関数ではなく第一時
間積分値の関数とする事により、時間に関係なく安定し
た判断結果を得る事ができる様になる。
【0045】次に、図8は、本発明の他の実施例を示す
ブロック図であり、インフレータ作動要否の判断とし
て、図7の積分値差Vdと速度関数の第五速度閾値Vs
5との比較に加えて、前述の積分値差の変化量Gdと前
記差分変化閾値Gsとの比較を加えたものである。即
ち、図8において、比較器43には、前記積分値差Vd
と第五速度閾値Vs5及び前記差分変化量Gdと差分変
化閾値Gsとが夫々入力され、ここで夫々の比較がなさ
れて、Vd≧Vs5及びGd≧Gsの条件のいずれか一
方又は双方の条件を満足する場合に、ブロック15にイ
ンフレータのトリガ許可信号を送信する様にしたもので
ある。尚、Vd<Vs5の場合には、そのときのVdの
値に応じてシステムリセット回路20を作動させてシス
テムをリセットしたり、演算を継続させる事は前述の場
合と同一である。
【0046】この様に、時間に依存しない安定性を有す
る速度関数の第五速度閾値Vs5による判断に加えて、
前記時間関数の差分変化閾値GsとGdとの比較を併用
するのは、その判断の幅を広げて信頼性を高めるもので
あるが、一方、両者の条件を共に満足する場合にのみイ
ンフレータの作動を許可する様になすと、前記図14に
示した様に、Gdとその差分変化閾値Gsとの比較の場
合には、高速正突や高速斜突の様な重大な衝突を早期に
判断できるので、衝突の重大性の早期判断に加えて、速
度関数閾値による確実性が加味され、一層信頼性の高い
衝突判定が可能となる。
【0047】次に、図9は、本発明の他の実施例を示す
ブロック図であり、インフレータの作動要否判断の更に
他の例を示すものであって、図8に示した前記積分値差
Vdと速度関数の第五速度閾値Vs5との比較に代え
て、前記第二時間積分値V’を第一時間積分値Vの関数
として設定された第六速度閾値Vs6(f=(V))を
用いたものである。即ち、時間積分値5で時間積分され
た第一時間積分値Vをブロック44に送信して該第一時
間積分値Vの関数として予め設定されている第六速度閾
値Vs6を演算し、比較器45に送信する。一方、比較
器45には、前記積分器5’から第二時間積分値V’
が、又、ブロック30からは前記差分変化量Gdが、
又、ブロック32からは差分変化閾値Gsが夫々入力さ
れており、ここで、第二時間積分値V’と速度関数の前
記第六閾値Vs6との比較及び前記積分値差の変化量G
dとその時間関数の閾値Gsとの比較とがなされ、Gd
≧Gs及びV’≧Vs6の2つの条件の内、いずれか一
方又は双方の条件を満足した場合に、インフレータの作
動許可信号をブロック15に出力する様になっている。
この意味から、V’とVs6との比較のみでインフレー
タの作動要否の判断を行う事も可能であるが、本例で
は、GdとGsとの比較及びV’とVs6との比較の2
種類の比較を行う場合について記載している。
【0048】前記比較器45の比較の結果、V’<Vs
6の場合には、V’の値が比較器46に送信され、V’
は、ゼロ(0)或いはその近傍の数値に予め設定されて
いる値と比較され、V’<0(又はゼロ近傍の設定値)
の場合には、システムリセット回路20に信号が送られ
てシステムはリセットされ、V’≧0(又はゼロ近傍の
設定値)の場合には、演算が継続される。即ち、図1〜
8においては、システムをリセットするか演算を継続す
るかを、その時のVdの値で判断していたが、本例で
は、V’の値で判断する様にしている。この判断に、V
dを用いるかV’を用いるかは任意であり、システム設
計上、容易な方を選定すればよい。この意味から、その
時のGdの値を以て、システムをリセットするか演算を
継続するかを判断する様になす事も可能である。
【0049】次に、本実施例におけるV’とその速度関
数の閾値であるVs6との関係について図16によって
説明する。図16は、各種衝突形態におけるV’とVの
関係を示す線図であり、図中45度の角度の点線は、
V’=Vを意味し、いずれの衝突形態においても、最終
的にはV’=Vになっている。図12(A),(B)か
らも分かる様に、如何なる衝突形態においても、衝突時
点からV’はVよりも高い値を示し、時間の経過と共に
Vに近づく特性を有しているので、全ての線は、45度
の線よりも上方に存在している。そしてVの関数として
設定された第六速度閾値Vs6も、45度の線とV’軸
の間で双曲線状のVの関数として設定されており、V’
軸側の曲線cの最小のV値は、図12(A)に一定値と
して示された閾値Vs4と同等レベルに設定され、同時
に、鹿突を判別できる様に設定されている。一方、45
度の線に沿った曲線部分dは、低速衝突を判別できる様
に設定されている。この場合にも、閾値を時間関数では
なく、第一時間積分値Vの速度関数にしているので時間
に依存しない安定した判定が行える様になる事は、前述
の第五速度閾値Vs5を用いた場合と同様である。
【0050】この図9の場合も、図8の場合と同様に、
時間に依存しない安定性を有する速度関数の閾値Vs6
による判断に加えて時間関数の差分変化閾値GsとGd
との比較を併用しているので、判断領域が広がって判断
能力が高くなる効果がある。又、両者の条件を共に満足
する場合にのみインフレータに作動許可信号を発する様
になすと、高速正突や高速斜突の様な重大な衝突を早期
に判断できると共に、その衝突の重大性の早期判断に加
えて速度関数閾値による確実性が加味されるので、一層
信頼性の高い衝突判定が可能と効果が期待できる。
【0051】次に、図10は、本発明の他の実施例を示
すブロック図であり、インフレータの作動要否判断と作
動形態判断の更に他の例を示すものである。上記図1〜
9に示した例では、ブロック15からインフレータトリ
ガ回路21,22に、インフレータの作動形態(K=
1,2)に従ってトリガ指示がなされると、その後の作
動形態変更は不可能である。一方、作動形態の最適化に
重点を置き過ぎると、インフレータの作動タイミングを
逸してしまうおそれが生じる。そこで本例では、インフ
レータの作動形態判断が緩展開信号K=1を出力してい
る過程で、インフレータの作動要否判断の結果、作動
“要”と判断された場合には、直ちに第1インフレータ
を作動させると共にインフレータ作動形態判断の為の演
算を継続し、その結果、作動形態判断が急展開に移行す
ると、直ちに第2インフレータを作動させる様にしたも
のである。
【0052】即ち、図10において、ブロック13にお
ける前記積分値差Vdと前記第二速度閾値Vs2との比
較の結果、Vd<Vs2の場合には、所定の時間tsが
経過するまでは緩展開判断を保留し、所定時間tsが経
過すると、ブロック18で緩展開信号K=1を出力し、
この緩展開信号K=1をブロック15に送信する。t<
tsの場合には、ブロック24からK値未確定の信号
(K=0)をブロック15に送信し、該ブロック15に
K=0が入力されると、演算を継続する様になっている
点は、図2,3の場合と同様である。一方、このブロッ
ク15に緩展開信号K=1が入力されている状態で、即
ち、緩展開モードの状態において、インフレータの作動
要否判断系統では、先ず、ブロック51で第1インフレ
ータの作動状態が確認され、該インフレータが未作動の
場合には、ブロック10で前記積分値差Vdと第一速度
閾値Vs1との比較によるインフレータの作動要否判断
がなされ、その結果、作動“要”と判断されると、その
信号がブロック15に送信される。すると、インフレー
タの作動形態モードは緩展開モードにあるから、この緩
展開信号に基づいて、第1インフレータのみを作動させ
ると共に、前記インフレータの作動形態判断の演算は継
続して行う様にしている。この演算の結果、ブロック1
3において、Vd≧Vs2になると、ブロック19から
急展開信号(K=2)が出力され、ブロック50におい
て第1インフレータの作動状態を確認するが、既に第1
インフレータは作動しているから、直ちに第2インフレ
ータを作動させる様にしている。
【0053】一方、第1インフレータを作動させる前に
Vd≧Vs2となり、ブロック19から急展開信号K=
2が出力されると、ブロック50における第1インフレ
ータの作動状態確認は“未作動”であるから、前述の場
合と同様にブロック15に、急展開信号K=2が送信さ
れ、インフレータの作動要否判断回路におても、ブロッ
ク51における第1インフレータの作動状態確認は“未
作動”であるから、ブロック10において前記積分値差
Vdと第一速度閾値Vs1とが比較されてVd≧Vs1
となると、インフレータの作動信号をブロック15に送
信し、既に送信されている急展開信号に従って、第1,
第2インフレータの双方を前述の要領で作動させる事に
なる。
【0054】以上の説明から明らかな様に、図1〜9の
方式では、インフレータの作動形態判断の完了時期がイ
ンフレータの作動要否判断時期よりも先行する様に、各
種閾値を選定する事が必要となるが、全ての車体構造と
衝突形態において、係る条件を全て満足させる事は困難
であり、予想外の事態が生じる事を前提にすると、緩展
開によるインフレータの作動後もインフレータの作動形
態を固定するのではなく、急展開に移行するかしないか
を最後まで見極める様にした本方式は、広範な車体構造
と衝突形態に対応し得る普遍化した方式と言える。
【0055】次に、図11は、図10の実施例の変形例
を示すブロック図であり、インフレータの作動要否判断
を、前記積分値差の変化量Gdとその閾値Gsとの比較
によって行い、且つ、前記第二加速度センサによる演算
開始後所定時間経過するまでは緩展開判断を保留する前
記図10におけるブロック8,9を省略した点で相違し
ているが、その他の構成は図10と同一であり、図10
と同様に、緩展開モードでインフレータの作動“要”の
判断がなされると直ちに第1インフレータのみを作動さ
せると共にインフレータ作動形態判断のための演算は継
続し、その結果インフレータの作動形態が急展開に移行
すると、直ちに第2インフレータを作動させる様にして
いる点では、同一である。
【0056】以上説明した通り、本発明は、従来の車室
内に設置した第一加速度センサ加えてクラッシュゾーン
にも第二加速度センサを設置し、各衝突形態における両
センサの加速度値の差異に基づいて生じるその積分値と
両積分値の差或いは積分値差の変化量等の特性の差異に
基づいて、インフレータの作動の要否とインフレータの
作動形態を判断する点に最大の特徴があり、その具体的
な手法としては、図1乃至図11に示した如き種々の方
式が存在するが、本発明は、これらに図示された方式に
限定されるものではなく、本発明の趣旨に沿って、更に
種々の変形例が存在する事はいうまでもない。
【0057】例えば、時間関数の閾値として示した前記
第一速度閾値Vs1〜第四速度閾値Vs4には、時間関
数の特殊なケースとして一定値の閾値も含まれ、更に時
間関数の閾値として記載した差分変化閾値Gsも、同様
に一定値の閾値も含まれる。又、図12(B),図13
及び図14に、各3本の直線として示した時間関数の閾
値Vs3,Vs1及びGsも、時間関数の曲線となす事
も可能であり、逆に、図15,16に第一時間積分値V
の関数曲線として示した速度閾値Vs5及びVs6を、
Vの関数の直線の組み合わせで置き換える事も可能であ
る。
【0058】又、図4〜11の例では、インフレータの
作動形態判断をVdとその時間関数の閾値であるVs2
との比較において行っているが、これも、図3の例の如
く第二時間積分値V’と時間関数の第三速度閾値Vs3
との比較によって行う事も可能である又、同様に、図4
〜9及び図11の例では、インフレータの作動形態判断
結果が、緩展開(K=1)であっても、直ちにその信号
をブロック15に送信する様にしているが、これは、図
2,3及び図10に示した様に、インフレータの作動形
態判断の結果が緩展開条件の場合には、前記第二加速度
センサ2による演算開始時点t0'から所定時間tsが経
過するまでは、その判断を保留して演算を継続し、所定
時間が経過すると、緩展開信号(K=1)を出力する様
にしてインフレータの作動形態判断の確実性を向上させ
る様になす事も可能である。又、この時間判断回路を、
図2,3,10の様に、インフレータ作動形態判定手段
13,17と緩展開設定器18との間に設置するものの
他、例えば、K値判断回路15と第1インフレータトリ
ガ回路21との間に設置し、所定時間経過するまでは緩
展開における第1インフレータのトリガ信号の出力を保
留する様になす事も可能であり、要は、緩展開信号での
インフレータの作動を、所定時間ts経過するまでは保
留できる様にしたものであれば、同効である。
【0059】又、図1〜11の実施例では、2つのイン
フレータを用いた場合について説明したが、3つ以上の
インフレータを用いる場合においても、同様に本発明を
適用できる事はいうまでもない。この場合に、緩展開の
作動形態では、一部のインフレータのみを作動させる様
になす事も可能である。
【0060】更に、本発明で使用するインフレータは、
独立した複数のインフレータを用いる場合もあるが、1
つのインフレータのハウジング内を複数の独立した燃焼
室に画成し、各燃焼室内に夫々点火装置を配置する事に
より、各燃焼室を独立して作動させる事のできるインフ
レータであってもよく、本発明でいう複数のインフレー
タとは、これら全ての形態を包含し、独立して点火可能
なガス発生部を複数有するインフレータであれば、その
形態が1つに纏められているかいないかに拘らず、本発
明で使用し得る事は言うまでもない。
【0061】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によれば、車
室内とクラッシュゾーンの両方に加速度センサを設置
し、各種衝突形態等において両センサで検出される加速
度信号の特性の差異に基づき、これらの演算値に生じる
特性の差異によって、インフレータの作動の要否とその
作動形態の判断を行う様にしているので、車室内に設置
した従来の加速度センサのみによる衝突検知方式では、
判断が困難な場合があったラフロード,低速衝突に代表
されるソフトクラッシュも、容易に判別が可能となる。
特に、クラッシュゾーンに変形が生じないラフロードや
アブユースの場合、或いは車体変形の少ない低速衝突の
場合には、両加速度センサの波形は略同一波形となるの
で、両者の時間積分値の差は極めて小さな値となる。従
って、この時間積分値の差を、直接的或いは間接的にエ
アバッグの作動の要否判断に用いる事によって、ラフロ
ードや低速衝突等の車体変形の少ないソフトクラッシュ
におけるエアバッグの誤作動は完全に防止する事が可能
となる。
【0062】又、クラッシュゾーンに設置した第二加速
度センサからの加速度信号に基づく第二時間積分値V’
は、車室内に設置した第一加速度センサからの加速度信
号に基づく第一時間積分値Vに比べて、衝突後の早い時
期に大きな値になるので、このV’自体或いはV’とV
との差又はこの差の変化量Gdを用いて、これを対応す
る時間関数の閾値と比較する事により、高速正突や高速
斜突の如き重大な衝突及び車室内加速度センサでは検知
が遅れがちな中速センターポール突も、衝突後の極めて
早い時期に検知可能となるので、エアバッグの展開の要
否(インフレータの作動の要否)のみならずエアバッグ
の展開形態(インフレータの作動形態)をも、作動遅れ
の心配のない適正なタイミングで判断する事が可能とな
る。
【0063】又、衝突後の極めて早い時期に衝突が検知
できる事から、複数のインフレータを用い、その作動に
時期差を設けてインフレータの作動形態を制御するため
の演算時間として、衝突検知からインフレータ作動時期
までに充分な時間的余裕が得られるので、インフレータ
作動形態制御のための複雑な演算を行う事も可能とな
り、エアバッグ展開形態を、衝突形態に応じた最適な形
態に制御する事が容易となる。
【0064】更に、閾値を、前記第一時間積分値Vの関
数となす事により、時間に依存しないため、安定した判
断性能をうることが可能となり、前記時間関数の閾値と
併用する事により、早い判断と確実な判断を併せ持った
エアバッグの展開判断システムとなす事が可能となる。
【0065】又、インフレータの作動形態が緩展開の場
合には、所定時間経過するまでその判断を保留して演算
を継続する様になす事により、拙速な緩展開判断を避け
て作動形態の適正化の精度を高める事が可能となる。
【0066】又、同様に、インフレータの作動形態が緩
展開と判断されている状態で、インフレータの作動要否
判断回路より、作動“要”の指示がなされた場合には、
直ちに緩展開に対応して一部のインフレータを作動させ
ると共に作動形態判断の演算を継続し、その結果、急展
開に移行すると、直ちに残部のインフレータを作動する
様にすると、エアバッグの展開を早い時期に開始させ、
その後の状況の変化に応じてエアバッグの展開速度を急
展開に調整可能となるので、作動形態の精度の向上と共
に、乗員の安全性確保を一層確実なものとなす事ができ
る効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグ装置の作動制御装置の一実
施例を示すブロック図である。
【図2】図1の変形例を示すブロック図である。
【図3】図1の他の変形例を示すブロック図であり、イ
ンフレータ作動形態判断の他の例を示すものである。
【図4】本発明の他の実施例を示すブロック図であり、
インフレータの作動要否判断の他の例を示すものであ
る。
【図5】本発明の更に他の実施例を示すブロック図であ
り、インフレータの作動要否判断の他の例を示すもので
ある。
【図6】本発明の更に他の実施例を示すブロック図であ
り、インフレータの作動要否判断の更に他の例を示すも
のである。
【図7】本発明の更に他の実施例を示すブロック図であ
り、インフレータの作動要否判断の更に他の例を示すも
のである。
【図8】本発明の更に他の実施例を示すブロック図であ
り、インフレータの作動要否判断の更に他の例を示すも
のである。
【図9】本発明の更に他の実施例を示すブロック図であ
り、インフレータの作動要否判断の更に他の例を示すも
のである。
【図10】本発明の更に他の実施例を示すブロック図で
あり、インフレータの作動形態判断と作動要否判断の更
に他の例を示すものである。
【図11】図11の変形例を示すブロック図である。
【図12】加速度センサで検出された加速度値の時間積
分値の時間的変化を示す線図であり、(A)は車室内に
設置した加速度センサからの加速度値に基づく時間積分
値の変化を示す線図,(B)はクラッシュゾーンに設置
した加速度センサからの加速度値に基づく時間積分値の
変化を示す線図である。
【図13】車室内に設置した加速度センサからの加速度
値に基づく時間積分値と、クラッシュゾーンに設置した
加速度センサからの加速度値に基づく時間積分値との差
の時間的変化を示す線図である。
【図14】車室内に設置した加速度センサからの加速度
値に基づく時間積分値と、クラッシュゾーンに設置した
加速度センサからの加速度値に基づく時間積分値との差
の変化量の時間的変化を示す線図である。
【図15】車室内に設置した加速度センサからの加速度
値に基づく時間積分値とクラッシュゾーンに設置した加
速度センサからの加速度値に基づく時間積分値との差
の、車室内に設置した加速度センサからの加速度値に基
づく時間積分値との関係を示す線図である。
【図16】クラッシュゾーンに設置した加速度センサか
らの加速度値に基づく時間積分値と、車室内に設置した
加速度センサからの加速度値に基づく時間積分値との関
係を示す線図である。
【符号の説明】
1 車室内加速度センサ(第一加速度センサ) 2 クラッシュゾーン加速度センサ(第二加速度セン
サ) 4,4’ 減算手段 5,5’ 積分手段 6 演算回路 10,34,35,36,40,43,45 インフレ
ータ作動要否判断のための比較器 13,17 インフレータの展開形態判断のための比較
器 20 リセット回路 21 第1インフレータトリガー回路 22 第2インフレータトリガー回路 23 エアバッグ V 第一時間積分値 V’ 第二時間積分値 Vd 第二時間積分値と第一時間積分値との差 Gd Vdの時間変化量 Vs1 時間関数の第一速度閾値 Vs2 時間関数の第二速度閾値 Vs3 時間関数の第三速度閾値 Vs4 時間関数の第四速度閾値 Vs5 第一時間積分値Vの関数の第五速度閾値 Vs6 第一時間積分値Vの関数の第六速度閾値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐田 裕之 茨城県新治郡千代田町上稲吉向原1764−1 センサー・テクノロジー株式会社筑波事 業所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つのエアバッグに対して複数のインフ
    レータを備え、車両の衝突を検知すると、その衝突の程
    度に応じて前記インフレータの作動を制御する様にして
    なるエアバッグ装置の作動制御装置において、 車室内に設置されて、該設置部の加速度(G)を常時検
    出する第一加速度センサ(1)と、 車体の前部クラッシュゾーンに設置されて、該設置部の
    加速度(G’)を常時検出する第二加速度センサ(2)
    とを有し、 該第一加速度センサ(1)からの加速度信号に基づいて
    時間積分された第一時間積分値(V)と前記第二加速度
    センサ(2)からの加速度信号に基づいて時間積分され
    た第二時間積分値(V’)及び該第二時間積分値と第一
    積分値との積分値差(Vd=V’−V)、或いはこれら
    と前記積分値差の変化量(Gd=d(Vd)/dt)の
    各種衝突形態における特性の差異に基づき、これらを適
    宜組み合わせて、前記複数のインフレータの作動要否の
    判断と該インフレータの作動形態の判断とを行う様にし
    てなる事を特徴とするエアバッグ装置の作動制御装置
  2. 【請求項2】 前記積分値差(Vd)を、時間関数の所
    定の第一速度閾値(Vs1)と比較し、該積分値差が該
    閾値以上の場合(Vd≧Vs1)には、別途選定された
    インフレータの作動形態に基づいて、該インフレータを
    作動させる様にしてなる請求項1に記載のエアバッグ装
    置の作動制御装置
  3. 【請求項3】 前記積分値差の変化量(Gd)を、時間
    関数の所定の差分変化閾値(Gs)と比較し、該変化量
    が該閾値以上の場合(Gd≧Gs)には、別途選定され
    たインフレータの作動形態に基づいて、該インフレータ
    を作動させる様にしてなる請求項1に記載のエアバッグ
    装置の作動制御装置
  4. 【請求項4】 前記積分値差(Vd)を、前記第一速度
    閾値(Vs1)と比較し、 前記積分値差の変化量(Gd)を、前記差分変化閾値
    (Gs)と比較し、 前記積分値差が前記第一速度閾値以上(Vd≧Vs1)
    及び前記積分値差の変化量が前記差分変化閾値以上(G
    d≧Gs(t))のいずれか一方又は両方の条件を満足
    した場合には、別途選定されたインフレータの作動形態
    に基づいて、該インフレータを作動させる様にしてなる
    請求項1に記載のエアバッグ装置の作動制御装置
  5. 【請求項5】 前記積分値差(Vd)を、前記第一速度
    閾値(Vs1)と比較し、 前記積分値差の変化量(Gd)を、前記差分変化閾値
    (Gs)と比較し、 更に前記第一時間積分値(V)を、時間関数の所定の第
    四速度閾値(Vs4)と比較し、 前記積分値差が前記第一速度閾値以上(Vd≧Vs1)
    及び前記積分値差の変化量が前記差分変化閾値以上(G
    d≧Gs)のいずれか一方又は両方の条件を満足し、且
    つ、前記第一時間積分値が前記第四速度閾値以上(V≧
    Vs4)の場合に、別途選定されたインフレータの作動
    形態に基づいて、該インフレータを作動させる様にして
    なる請求項1に記載のエアバッグ装置の作動制御装置
  6. 【請求項6】 前記積分値差(Vd)を、前記第一時間
    積分値(V)の関数として設定された所定の第五速度閾
    値(Vs5)と比較し、 該積分値差が該第五速度閾値以上(Vd≧Vs5)の場
    合に、別途選定されたインフレータの作動形態に基づい
    て、該インフレータを作動させる様にしてなる請求項1
    に記載のエアバッグ装置の作動制御装置
  7. 【請求項7】 前記積分値差(Vd)を、前記第五速度
    閾値(Vs5)と比較し、 前記積分値差の変化量(Gd)を、前記差分変化閾値
    (Gs)と比較し、 前記積分値差が前記第五速度閾値以上(Vd≧Vs5)
    及び前記積分値差の変化量が前記差分変化閾値以上(G
    d≧Gs)のいずれか一方又は両方の条件を満足した場
    合に、別途選定されたインフレータの作動形態に基づい
    て該インフレータを作動させる様にしてなる請求項1に
    記載のエアバッグ装置の作動制御装置
  8. 【請求項8】 前記第二時間積分値(V’)を前記第一
    時間積分値(V)の関数として設定された所定の第六速
    度閾値(Vs6)とを比較し、 前記第二時間積分値が前記第六速度閾値以上(V’≧V
    s6)の場合に、別途選定されたインフレータの作動形
    態に基づいて、該インフレータを作動させる様にしてな
    る請求項1に記載のエアバッグ装置の作動制御装置
  9. 【請求項9】 前記第二時間積分値(V’)を、前記第
    一時間積分値(V)の関数として設定された所定の第六
    速度閾値(Vs6)とを比較し、 前記積分値差の変化量(Gd)を、前記差分変化閾値
    (Gs)と比較し、 前記第二時間積分値が前記第六速度閾値以上(V’≧V
    s6)及び前記積分値差の変化量が前記差分変化閾値以
    上(Gd≧Gs)のいずれか一方又は両方の条件を満足
    した場合に、別途選定されたインフレータの作動形態に
    基づいて、該インフレータを作動させる様にしてなる請
    求項1に記載のエアバッグ装置の作動制御装置
  10. 【請求項10】 前記積分値差(Vd)を、時間関数の
    所定の第二速度閾値(Vs2)と比較し、その大小によ
    って、前記インフレータの作動形態を決定する様にして
    なる請求項1乃至9のいずれかに記載のエアバッグ装置
    の作動制御装置
  11. 【請求項11】 前記第二時間積分値(V’)を、時間
    関数の所定の第三速度閾値(Vs3)と比較し、その大
    小によって、前記インフレータの作動形態を決定する様
    にしてなる請求項1乃至9のいずれかに記載のエアバッ
    グ装置の作動制御装置
  12. 【請求項12】 前記インフレータの作動形態は、前記
    エアバッグを穏やかに展開させる緩展開と、該エアバッ
    グを急速に展開させる急展開の2種類からなり、前記閾
    値以上の場合には急展開の作動形態を選択し、前記閾値
    未満の場合には緩展開を選択する様にしてなる請求項1
    0又は11に記載のエアバッグ装置の作動制御装置
  13. 【請求項13】 前記緩展開は、前記複数のインフレー
    タのうち一部のインフレータのみを作動させて前記エア
    バッグを穏やかに展開させ、前記急展開は、全てのイン
    フレータを同時に又は点火タイミングを微小時間ずらし
    て点火する事により前記エアバッグを急速に展開する様
    にしたものである請求項12に記載のエアバッグ装置の
    作動制御装置
  14. 【請求項14】 前記緩展開は、前記複数のインフレー
    タの点火タイミングをずらす事によってエアバッグを穏
    やかに展開させ、前記急展開は、該複数のインフレータ
    の全てを同時に点火してエアバッグを急速に展開する様
    にしたものである請求項12に記載のエアバッグ装置の
    作動制御装置
  15. 【請求項15】 前記緩展開は、前記複数のインフレー
    タの各点火タイミング差を長くする事によってエアバッ
    グを穏やかに展開させ、前記急展開は、該各インフレー
    タの点火タイミング差を短くする事によってエアバッグ
    を急速に展開する様にしたものである請求項12に記載
    のエアバッグ装置の作動制御装置
  16. 【請求項16】 前記インフレータの作動形態判断にお
    いて前記緩展開が選択されている状態で、前記インフレ
    ータの作動要否判断において作動“要”の判断がなされ
    ると、直ちに前記緩展開に対応して一部のインフレータ
    のみを作動させると共に演算を継続し、該演算の結果、
    前記インフレータの作動形態判断が前記急展開に移行し
    た場合には、直ちに残部のインフレータを作動させる様
    にしてなる請求項12に記載のエアバッグ装置の作動制
    御装置
  17. 【請求項17】 前記インフレータは、第1インフレー
    タと第2インフレータの2つからなり、 前記第1インフレータが未作動の場合に、前記インフレ
    ータの作動要否判断のための演算を行い、 前記インフレータの作動形態判断の演算において前記緩
    展開が選択されている状態で、前記インフレータの作動
    要否判断において作動“要”と判断されると、直ちに前
    記第1インフレータのみを作動させると共に、前記イン
    フレータ作動形態判断の演算を継続し、 該演算の結果、該インフレータの作動形態が急展開に移
    行すると、直ちに前記第2インフレータを作動させる様
    にしてなる請求項16に記載のエアバッグ装置の作動制
    御装置
  18. 【請求項18】 前記第一加速度センサ(1)の加速度
    値(G)が予め設定された加速度値(G1)を越えた時
    点(t0 )から、又、前記第二加速度センサ(2)の加
    速度値(G’)が予め設定された加速度値(G1’)を
    越えた時点(t0')から、夫々演算を開始する様にして
    なる請求項1乃至17のいずれかに記載のエアバッグ装
    置の作動制御装置
  19. 【請求項19】 前記第一加速度センサ(1)で検出さ
    れた加速度値(G)から予め設定された所定の加速度値
    (G2)を減算し、該減算された値(G3)を時間積分
    して第一時間積分値(V)を演算し、前記第二加速度セ
    ンサ(2)で検出された加速度値(G’)から予め設定
    された所定の加速度値(G2’)を減算し、該減算され
    た値(G3’)を時間積分して第二時間積分値(V’)
    を演算する様にしてなる請求項18に記載のエアバッグ
    装置の作動制御装置
  20. 【請求項20】 前記第二加速度センサ(2)に基づく
    演算を開始した時点(t0')から、予め設定された所定
    時間(ts)を経過するまでは、前記インフレータの作
    動形態の内、前記緩展開の判断を保留して演算を継続す
    る様にしてなる請求項18又は19に記載のエアバッグ
    装置の作動制御装置
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WO2001070545A1 (fr) * 2000-03-17 2001-09-27 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Methode d'evaluation de choc et dispositif de protection des passagers
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CN111845495A (zh) * 2020-07-30 2020-10-30 吉林大学 一种座椅调节方法、装置、计算机设备及可存储介质

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