JPH10290688A - ε−ポリ−L−リジンを著量に生産する菌株及びそれを用いたε−ポリ−L−リジンの製造法 - Google Patents

ε−ポリ−L−リジンを著量に生産する菌株及びそれを用いたε−ポリ−L−リジンの製造法

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JPH10290688A
JPH10290688A JP26873897A JP26873897A JPH10290688A JP H10290688 A JPH10290688 A JP H10290688A JP 26873897 A JP26873897 A JP 26873897A JP 26873897 A JP26873897 A JP 26873897A JP H10290688 A JPH10290688 A JP H10290688A
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lysine
poly
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isoleucine
producing
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JP26873897A
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Shinji Shiraishi
慎治 白石
Toshiharu Iwata
敏治 岩田
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JNC Corp
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のε−ポリ−L−リジン(εPL)生産
株またはその改良株に比べてさらにεPLの対原料生産
性が高く、εPLの生産量を向上させることの出来る変
異株及びそれを用いたεPLの製造法を提供すること。 【解決手段】 ε−ポリ−L−リジンの生産能を有する
ストレプトマイセス・アルブラス(Streptomyces albulu
s)種の微生物を変異処理して得られた、イソロイシン、
又はバリンとイソロイシンを生育に必須とするε−ポリ
−L−リジンを著量に生産する菌株。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ε−ポリ−L−リ
ジン(以下、εPLと言う)を著量に生産する変異株、
及びそれを利用してεPLを製造する方法に関する。ε
PLは、必須アミノ酸であるL−リジンのポリマーであ
るため安全性が高く、かつ、カチオン含量が高いので、
特異な物性を有する。従ってトイレタリー用品、化粧
品、飼料添加物、医薬、農薬、食品添加物、電子材料等
の用途が期待できる。特に食品添加物の分野では、天然
物系の添加物として注目されている。
【0002】
【従来の技術】従来、培養法によるεPLの製造法とし
ては、自然界から分離されたストレプトマイセス属に属
するεPL生産株であるストレプトマイセス・アルブラ
ス・サブスピーシズ・リジノポリメラス(Streptomyces
albulus subsp. lysinopolymerus)No.346-D株(微工研
菌奇第3834号)を培地に培養し、得られる培養物からε
PLを分離、精製して得る方法が知られている(特公昭
59-20359号公報)。また、該ストレプトマイセス・アル
ブラス・サブスピーシズ・リジノポリメラスNo.346-D株
を、L−リジンのアナログ物質であるS−(2−アミノ
エチル)−L−システインに耐性を有する変異株に変異
処理して、得られた菌株であるストレプトマイセス・ア
ルブラス・サブスピーシズ・リジノポリメラス11011A-1
株(微工研条寄第1109号)を培地に培養して、得られる
培養物から分離、精製して得る方法も知られている(特
公平3-42070 号公報、特公平3-78998 号公報)。しかし
ながら、種々の用途に対応し得る安価なεPLを製造す
るには、該11011A-1株を用いても、εPLの生産量及び
対糖収率は未だ充分ではないと言う問題点があった。そ
こでεPL生産能を高めた改良株を用いることによる、
安価で効率的なεPLの製造法の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のεPL生産株またはその改良株に比べてさらにεPL
の対原料生産性が高く、εPLの生産量を向上させるこ
との出来る変異株及びそれを用いたεPLの製造法を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のε
PL生産株またはその変異株に比べて、εPL生産能を
さらに高めたεPL生産株を得るべく鋭意研究を重ね
た。その結果、イソロイシンを生育に必須とする変異
株、並びに、バリン及びイソロイシンを生育に必須とす
る変異株がεPLを著量に生産する事を見いだし、この
知見に基づき、本発明を完成した。本発明は、ε−ポリ
−L−リジンの生産能を有するストレプトマイセス・ア
ルブラス(Streptomyces albulus)種の微生物を変異処理
して得られた、イソロイシンを生育に必須とするε−ポ
リ−L−リジンを著量に生産する菌株を提供するもので
ある。この菌株として好ましいものは、ストレプトマイ
セス・アルブラス・サブスピーシズ・リジノポリメラス
(Streptomyces albulus subsp. lysinopolymerus)1101
1A-1株(微工研条寄第1109号)を変異処理して得られ
た、イソロイシンを生育に必須とするε−ポリ−L−リ
ジンを著量に生産する菌株であり、さらに好ましいもの
は、ストレプトマイセス・アルブラス・サブスピーシズ
・リジノポリメラス11011A-1株を変異処理して得られ
た、イソロイシンを生育に必須とするε−ポリ−L−リ
ジンを著量に生産するB15208株(FERM P-15782)である。
本発明はまた、ε−ポリ−L−リジンの生産能を有する
ストレプトマイセス・アルブラス(Streptomyces albulu
s)種の微生物を変異処理して得られた、バリン及びイソ
ロイシンを生育に必須とするε−ポリ−L−リジンを著
量に生産する菌株を提供するものである。この菌株とし
て好ましいものは、ストレプトマイセス・アルブラス・
サブスピーシズ・リジノポリメラス(Streptomyces alb
ulus subsp. lysinopolymerus)11011A-1株(微工研条寄
第1109号)を変異処理して得られた、バリン及びイソロ
イシンを生育に必須とするε−ポリ−L−リジンを著量
に生産する菌株であり、さらに好ましいものは、ストレ
プトマイセス・アルブラス・サブスピーシズ・リジノポ
リメラス11011A-1株を変異処理して得られた、バリン及
びイソロイシンを生育に必須とするε−ポリ−L−リジ
ンを著量に生産するB16206株(FERM P-15781)である。本
発明はさらに、上記微生物を、好気的に培養し、培養液
中に生成蓄積したε−ポリ−L−リジンを採取すること
を特徴とするε−ポリ−L−リジンの製造法を提供する
ものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、特定物質要求性
株(すなわち、イソロイシン、又はバリンとイソロイシ
ンを生育において必須とする株)を得る際に使用される
親株としては、εPLを生産するストレプトマイセス・
アルブラス種の微生物が挙げられ、その具体例として
は、ストレプトマイセス・アルブラス・リジノポリメラ
ス 11011A-1株(微工研条寄第1109号)が挙げられる。
【0006】本発明において、変異処理とは、εPLを
生産するストレプトマイセス・アルブラス種の微生物
(菌株)を、イソロイシン(又はバリンとイソロイシ
ン)を生育の際に必須とする要求性株に変異させる処理
のことを言う。このような変異処理の方法としては、N
−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(以
下、NTGと言う)を緩衝液1ml当たり0.1mg 〜3mg の
濃度になるように添加して、10分間〜2時間該菌株と
該NTGを接触させる方法や、紫外線を照射線量100
〜1000J/cm2 で該菌株に照射する方法、5−ブ
ロモウラシル等の薬剤で処理する方法、その他慣用の化
学的もしくは物理的変異処理方法を挙げることが出来
る。
【0007】目的のイソロイシン要求性変異株を得るた
めのスクリーニング法としては、以下のような方法があ
る。すなわち変異処理した菌株を、イソロイシンを含む
最少寒天培地上に塗布し、コロニーを形成させる。その
後、培地上に形成されたコロニーを、レプリカ法により
イソロイシンを含まない最少寒天培地上に転写して培養
する。培養後、イソロイシンを含む培地と含まない培地
を比較して、イソロイシンを含む培地でのみ生育する株
を選択、分離する。分離した株について、最少培地及び
イソロイシンを添加した最少培地でそれぞれ培養し、イ
ソロイシンを添加した培地でのみ生育した株がイソロイ
シン要求性株である。
【0008】また、目的のバリン及びイソロイシン要求
性変異株を得るためのスクリーニング法としては、以下
のような方法がある。すなわち変異処理した菌株を、バ
リンとイソロイシンを含む最少寒天培地上に塗布し、コ
ロニーを形成させる。その後、培地上に形成されたコロ
ニーを、レプリカ法によりバリンとイソロイシンを含ま
ない最少寒天培地上に転写して培養する。培養後、バリ
ンとイソロイシンを含む培地と含まない培地を比較し
て、バリンとイソロイシンを含む培地でのみ生育する株
を、バリン要求性株あるいはイソロイシン要求性株ある
いはバリン及びイソロイシン要求性株として選択、分離
する。分離した株について、バリンのみ添加、イソロイ
シンのみ添加、バリン及びイソロイシンを添加した最少
培地でそれぞれ培養し、バリン及びイソロイシンを添加
した培地でのみ生育した株がバリン及びイソロイシン要
求性株である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。イソロイ
シン要求性変異株の具体的な取得方法の一つは次の方法
である。εPL生産株であるストレプトマイセス・アル
ブラス・リジノポリメラス 11011A-1株の胞子をトリス
−マレイン酸緩衝液(pH6.0)に懸濁し、NTGを該緩
衝液1ml当たり1.5mg となるように該緩衝液に添加し
て、37℃で60分間接触させる。その後、遠心分離に
より胞子を集め、リン酸緩衝液(0.5 M、pH7.0)で洗
浄した後、培地1ml当たりイソロイシンを1mg含む液体
栄養培地(グルコース5%、硫酸アンモニウム1%、酵
母エキス0.5%、K2 HPO4 0.08%、KH2PO
4 0.136%、MgSO4 ・7H2 O 0.05%、Z
nSO4 ・7H2 O0.004%、FeSO4 ・7H2
0.003%、pH6.8、ただし、%とはg/dl%を
言う)中で一夜培養する。培養後、遠心分離により胞子
を集め、リン酸緩衝液(0.05M、pH7.0)で洗浄した
後、培地1ml当たりイソロイシンを1mg含む最少寒天培
地(グルコース5%、硫酸アンモニウム1%、K2 HP
40.08%、KH2 PO4 0.136%、MgSO4
・7H2 O 0.05%、ZnSO4 ・7H2 O 0.00
4%、FeSO4 ・7H2 O 0.003%、pH6.8、
ただし、%とはg/dl%を言う)上に塗布し、30℃
で6〜7日間培養し、コロニーを生育させる。コロニー
生育後、これをイソロイシンを含まない最少寒天培地上
にレプリカ後培養し、イソロイシンを含む最少寒天培地
上では生育するが、最少寒天培地上では生育しないコロ
ニーを採取する。こうして得られた株は、イソロイシン
要求性株である。
【0010】得られた要求性株におけるイソロイシンに
対する要求性は、次のようにして確認する。液体最少培
地及びイソロイシンを1ml当たり1mg含む液体最少培地
のそれぞれに該要求性株を植菌して、30℃、140rp
m で3日間振とう培養を行う。その結果、イソロイシン
を含む最少液体培地のみで生育する株がイソロイシン要
求性株である。こうして得られたイソロイシン要求性株
について、εPLの生産性の評価を行い、最も生産性の
高い菌がストレプトマイセス・アルブラス・サブスピー
シズ・リジノポリメラスB15208株(寄託番号 FERM P-15
782)である。本発明の要求性株は、イソロイシンが生育
に必須であるという点で、親株と明確に区別することが
出来る。
【0011】また、バリン及びイソロイシン要求性株の
具体的な取得方法の一つは次の方法である。εPL生産
株であるストレプトマイセス・アルブラス・リジノポリ
メラス 11011A-1株の胞子をトリス−マレイン酸緩衝液
(pH6.0)に懸濁し、NTGを該緩衝液1ml当たり1.5m
g となるように該緩衝液に添加して、37℃で60分間
接触させる。その後、遠心分離により胞子を集め、リン
酸緩衝液(0.05M、pH7.0)で洗浄した後、バリン、
イソロイシンの2種類のアミノ酸を各1g/l含む液体栄養
培地(グルコース5%、硫酸アンモニウム1%、酵母エ
キス0.5%、K 2 HPO4 0.08%、KH2 PO4 0.
136%、MgSO4 ・7H2 O 0.05%、ZnSO
4 ・7H2 O 0.004%、FeSO4 ・7H2 O 0.
003%、pH6.8、ただし、%とはg/dl%を言
う)中で一夜培養する。培養後、遠心分離により菌体を
集め、リン酸緩衝液(0.05M、pH7.0)で洗浄した後、
培地1ml当たりバリン、イソロイシンの2種類のアミノ
酸を各1mg含む最少寒天培地(グルコース5%、硫酸ア
ンモニウム1%、K2 HPO4 0.08%、KH2 PO
4 0.136%、MgSO4 ・7H2 O 0.05%、Z
nSO4 ・7H2 O0.004%、FeSO4 ・7H2
0.003%、pH6.8、ただし、%とはg/dl%を
言う)上に塗布し、30℃で6〜7日間培養し、コロニ
ーを生育させる。コロニー生育後、これをアミノ酸を含
まない最少寒天培地上にレプリカ後培養し、バリン、イ
ソロイシンを含む最少寒天培地上では生育するが、最少
寒天培地上では生育しないコロニーを採取する。こうし
て得られた株は、バリン要求性株あるいは、イソロイシ
ン要求性株あるいは、バリン及びイソロイシン要求性株
のいずれかである。
【0012】得られた要求性株におけるバリン及びイソ
ロイシンに対する要求性は、次のようにして確認する。
すなわちバリンを1ml当たり1mg含む液体最少培地及び
イソロイシンを1ml当たり1mg含む液体最少培地、及び
バリンとイソロイシンの両方をそれぞれ1ml当たり1mg
含む液体最少培地のそれぞれに該要求性株を植菌して、
30℃、140rpm で3日間振とう培養を行う。その結
果、バリン及びイソロイシンを含む最少液体培地のみで
生育する株がバリン及びイソロイシン要求性株である。
こうして得られたバリン及びイソロイシン要求性株につ
いて、εPLの生産性の評価を行い、最も生産性の高い
菌がストレプトマイセス・アルブラス・サブスピーシズ
・リジノポリメラスB16206株(寄託番号 FERM P-15781)
である。本発明の要求性株は、バリン及びイソロイシン
が生育に必須であるという点で、親株と明確に区別する
ことが出来る。こうして得られる本発明のイソロイシン
要求性株、バリン及びイソロイシン要求性株の要求性を
以下の表1に示す。
【0013】
【表1】 B15208 B16206 11011A−1 最少培地 − − + 最少培地+Ile + − + 最少培地+Val − + 最少培地+Ile +Val + + Ile :イソロイシン Val :バリン −:生育しない +:生育する
【0014】(1)形態学的性質は、B15208株及
びB16206株とも以下のとおりである。 1 胞子形成菌糸の分枝法及び形態:単純分岐、閉鎖螺
旋状(closed spiral) 2 胞子の数:数10個 3 胞子の表面構造及び大きさ:胞子は円ないし楕円形
で、大きさは約1.2〜1.5μm であり、その表面構造は
スパイニー(spiny)である 4 鞭毛、菌核、胞子のうの有無:認められない 5 胞子柄の着生位置:気菌糸上
【0015】(2)各種培地上における培養性状は、B
15208株及びB16206株とも以下の表2に示す
とおりである。表2の各種培地上における性状はそれぞ
れ30℃で10〜14日間培養後の観察結果である。
【0016】
【表2】 培地 基生菌糸 気菌糸 溶解性色素 シュクロース・硝酸塩培地 生育無し 生育無し 無し グルコース・アスパラギン酸培地 淡白色〜淡黄色 灰褐色 無し グリセロール・アスパラギン酸培地 淡黄色 白色 無し チロシン寒天培地 黄褐色 白色 褐色 栄養寒天培地 黄色 白色 無し イースト・麦芽寒天培地 黄褐色 灰褐色 無し オートミール寒天培地 黄褐色 白色 無し
【0017】(3)生理的性質は、B15208株及び
B16206株とも以下に示すとおりである。 1 生育範囲温度:約15〜40℃、最適生育温度:3
0℃付近 2 ゼラチンの液化、でんぷんの加水分解及び脱脂牛乳
のペプトン化:全て陽性 3 脱脂牛乳の凝固:陰性 4 メラニン様色素の生成:チロシン寒天培地上では褐
色の色素を生成する。 5 細胞液組成:細胞壁組成成分中のジアミノピメリン
酸の型について、ベッカー(Becker)らの方法〔アプラ
イド・マイクロバイオロジー第13巻、p236(19
65年)〕により分析した結果、L,L型であった。 (4)炭素源の利用性(プリドハム・ゴットリーブ寒天
培地)は、B15208株及びB16206株とも以下
に示すとおりである。 L−アラビノース − D−キシロース − D−グルコース + D−フラクトース + L−ラムノース − D−ガラクトース − シュークロース − ラフィノース − D−マンニトール + イノシトール + サリシン + +:利用する、−:利用しない
【0018】得られた要求性株を用いてεPLを生産す
るには、該要求性株を培地に接種して培養し、培養液か
ら生成蓄積したεPLを分離、精製する。培地として
は、炭素源、窒素源、無機物及びその他の栄養物を適当
に含有する培地ならばいずれも使用できる。炭素源とし
ては、グルコース、フラクトース、スターチ等の要求性
株が資化可能なものなら制限されず、その含有量は1〜
5%(%はg/dl%)が好ましい。窒素源としては、ペプ
トン、カゼイン加水分解物、アミノ酸、無機アンモニウ
ム塩等いずれでも構わないが、好ましくは硫酸アンモニ
ウムである。窒素源の含有量は、0.2〜2%(%はg/dl
%)が好ましい。無機物としてはリン酸イオン、カリウ
ムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、亜
鉛イオン、鉄イオン、マンガンイオン、ニッケルイオン
等が挙げられる。また酵母エキスを0.1〜0.5%(%は
g/dl%)含有させると、菌の生育を良好にし、εPLの
生産においても好ましい結果を与える。また、生育に必
須であるイソロイシンを、0.05〜0.2%になるよう
に、あるいは生育に必須であるバリン及びイソロイシン
を、0.05〜0.2%になるように含有させる。
【0019】培養は、好気的条件下で振とう培養で行
う。培養温度は25〜35℃が好ましい。培地のpHは
中性付近(pH6〜8)が好ましい。通常、培養1〜7
日間でεPLが培養液中に蓄積される。
【0020】上記発酵液から遠心分離あるいはフィルタ
ーで菌体を除いたのち、菌体除去液を精製、脱色し、こ
れを濃縮する。濃縮液からアセトン、エタノール等の有
機溶媒で晶析する事により、εPLが得られる。
【0021】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。培養液中のεPL生産量の測定は、イツアキ(Itzh
aki)らのアナリティカルバイオケミストリ(Analytical
Biochemistry),50,569 、(1972)に記載の方法により
測定した。すなわち、培養液を遠心分離して菌体を除い
た後、上澄液(εPL:0〜200μg)2mlと1mM
メチルオレンジ水溶液2mlとを混合し、室温で30分放
置後、生じたεPL−メチルオレンジコンプレックスを
遠心分離で除き、その上澄液の465nmにおける吸光度
を測定し、培養液中のεPL量を求める。また、実施例
中、比較例中の%は特に断らない限り重量(g)/容量
(dl)%である。
【0022】実施例1 グルコース5%、硫酸アンモニウム1%、酵母エキス0.
5%、K2 HPO40.08%、KH2 PO4 0.136
%、MgSO4 ・7H2 O 0.05%、ZnSO4 ・7
2 O 0.004%、FeSO4 ・7H2 O 0.003
%、イソロイシン0.1%、pH6.8の培地100mlを
調製し、500mlフラスコに入れ、これに取得した要求
性株であるB15208株を接種し、30℃、140rpm で7
2時間好気培養を行なった。72時間後培養後のεPL
生産量を表3に示す。
【0023】実施例2 グルコース5%、硫酸アンモニウム1%、酵母エキス0.
5%、K2 HPO40.08%、KH2 PO4 0.136
%、MgSO4 ・7H2 O 0.05%、ZnSO4 ・7
2 O 0.004%、FeSO4 ・7H2 O 0.003
%、バリン0.1%、イソロイシン0.1%、pH6.8の培
地100mlを調製し、500mlフラスコに入れ、これに
取得した要求性株であるB16206株を接種し、30℃、1
40rpm で72時間好気培養を行なった。72時間後培
養後のεPL生産量を表3に示す。
【0024】比較例1及び2 ストレプトマイセス・アルブラス・サブスピーシズ・リ
ジノポリメラスB16206株の代わりに、親株であるストレ
プトマイセス・アルブラス・サブスピーシズ・リジノポ
リメラス11011A-1株を用いること以外は実施例1及び2
に準拠して行った。72時間培養後のεPL生産量を表
3に示した。
【0025】
【表3】 菌 株 εPL生産量(g/l) 実施例1 B15208 0.24 比較例1 11011A−1 0.19 実施例2 B16206 0.32 比較例2 11011A−1 0.19
【0026】表3の結果から明らかなように、B15208株
及びB16206株のεPL生産能は、親株である11011A-1株
のそれに比べて顕著に増大していることが分かる。
【0027】
【発明の効果】本発明のイソロイシン要求性を有するε
PL生産株、並びにバリン及びイソロイシン要求性を有
するεPL生産株は、εPLに対する高い生産能を有
し、該生産株を用いることにより、高い生産性でεPL
を製造することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 13/00 C12R 1:465)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ε−ポリ−L−リジンの生産能を有する
    ストレプトマイセス・アルブラス(Streptomyces albulu
    s)種の微生物を変異処理して得られた、イソロイシンを
    生育に必須とするε−ポリ−L−リジンを著量に生産す
    る菌株。
  2. 【請求項2】 ストレプトマイセス・アルブラス・サブ
    スピーシズ・リジノポリメラス(Streptomyces albulus
    subsp. lysinopolymerus)11011A-1株(微工研条寄第11
    09号)を変異処理して得られた、イソロイシンを生育に
    必須とするε−ポリ−L−リジンを著量に生産する菌
    株。
  3. 【請求項3】 ストレプトマイセス・アルブラス・サブ
    スピーシズ・リジノポリメラス11011A-1株を変異処理し
    て得られた、イソロイシンを生育に必須とするε−ポリ
    −L−リジンを著量に生産するB15208株(FERM P-1578
    2)。
  4. 【請求項4】 ε−ポリ−L−リジンの生産能を有する
    ストレプトマイセス・アルブラス(Streptomyces albulu
    s)種の微生物を変異処理して得られた、バリン及びイソ
    ロイシンを生育に必須とするε−ポリ−L−リジンを著
    量に生産する菌株。
  5. 【請求項5】 ストレプトマイセス・アルブラス・サブ
    スピーシズ・リジノポリメラス(Streptomyces albulus
    subsp. lysinopolymerus)11011A-1株(微工研条寄第11
    09号)を変異処理して得られた、バリン及びイソロイシ
    ンを生育に必須とするε−ポリ−L−リジンを著量に生
    産する菌株。
  6. 【請求項6】 ストレプトマイセス・アルブラス・サブ
    スピーシズ・リジノポリメラス11011A-1株を変異処理し
    て得られた、バリン及びイソロイシンを生育に必須とす
    るε−ポリ−L−リジンを著量に生産するB16206株(FER
    M P-15781)。
  7. 【請求項7】 イソロイシンを生育に必須とし、かつε
    −ポリ−L−リジン生産能を有するストレプトマイセス
    属に属する微生物を、好気的に培養し、培養液中に生成
    蓄積したε−ポリ−L−リジンを採取することを特徴と
    するε−ポリ−L−リジンの製造法。
  8. 【請求項8】 請求項3記載のB15208株(FERM P-15782)
    を好気的に培養し、培養液中に生成蓄積したε−ポリ−
    L−リジンを採取することを特徴とするε−ポリ−L−
    リジンの製造法。
  9. 【請求項9】 バリン及びイソロイシンを生育に必須と
    し、かつε−ポリ−L−リジン生産能を有するストレプ
    トマイセス属に属する微生物を、好気的に培養し、培養
    液中に生成蓄積したε−ポリ−L−リジンを採取するこ
    とを特徴とするε−ポリ−L−リジンの製造法。
  10. 【請求項10】 請求項6記載のB16206株(FERM P-1578
    1)を好気的に培養し、培養液中に生成蓄積したε−ポリ
    −L−リジンを採取することを特徴とするε−ポリ−L
    −リジンの製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019039544A1 (ja) 2017-08-23 2019-02-28 公立大学法人福井県立大学 クリック官能基をもつε-ポリ-L-リジン誘導体、その製法、及びその用途

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