JPH10290186A - Icカードシステム - Google Patents

Icカードシステム

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JPH10290186A
JPH10290186A JP9114472A JP11447297A JPH10290186A JP H10290186 A JPH10290186 A JP H10290186A JP 9114472 A JP9114472 A JP 9114472A JP 11447297 A JP11447297 A JP 11447297A JP H10290186 A JPH10290186 A JP H10290186A
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JP
Japan
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loop antenna
information communication
power transmission
card
reader
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Application number
JP9114472A
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English (en)
Inventor
Keisuke Igarashi
啓介 五十嵐
Manabu Nakamura
学 中村
Takahiro Watanabe
高洋 渡辺
Mitsuhiro Okada
充弘 岡田
Shinichi Miyashita
信一 宮下
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Kokusai Electric Corp
Original Assignee
Kokusai Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ICカード及びリーダ・ライタ装置におい
て、電力伝送用と情報通信用との2つのループアンテナ
を略同一平面内に配置しても、両ループアンテナ間の干
渉を抑制して効率的な電力伝送及び高品質な情報通信を
実現する。 【解決手段】 電力伝送用ループアンテナ22を用いて
リーダ・ライタ装置11から電力を受電するとともに、
情報通信用ループアンテナ23を用いてリーダ・ライタ
装置11との間で情報の通信を行うICカード21であ
って、電力伝送用ループアンテナ22と情報通信用ルー
プアンテナ23とを互いに平行且つずれた位置に重ねて
配置して、一方のループアンテナによって発生する磁束
φが他方のループアンテナに与える影響を相殺させた。
また、リーダ・ライタ装置11においての同様な配置関
係で、電力伝送用ループアンテナ14と情報通信用ルー
プアンテナ15とを配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リーダ・ライタ装
置からICカードに対して情報通信用ループアンテナと
電力伝送用ループアンテナとを用いて非接触方式で情報
の通信及び電力の送電を行うICカードシステムに関
し、特に、これらのループアンテナ間で発生する電磁結
合を抑制する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】クレジットカード等と同様な大きさのカ
ード基板にマイクロコンピュータチップとメモリチップ
とを埋設して構成したICカードは、金融、流通、交
通、医療等の種々な分野において実用化が図られてい
る。このようなICカードを用いたICカードシステム
では、リーダ・ライタ装置からICカードに対して電力
を伝送供給し、リーダ・ライタ装置とICカードとの間
で制御コードやデータ等といった情報を通信させてい
る。
【0003】リーダ・ライタ装置とICカードとの間の
電力伝送や情報通信では、端子同士を接触させて行う接
触方式の他に、電磁波を用いて行う非接触方式も採用さ
れている。非接触方式においても種々な態様が検討され
ているが、ICカードの表面積を利用して薄型小型化や
電力伝送の効率化を容易に実現できる態様として、図9
や図10に示すように、電力の伝送に用いる電力伝送用
ループアンテナ1と情報の通信に用いる情報通信用ルー
プアンテナ2とを略同一な平面内に配置する態様が検討
されている。すなわち、ICカードとリーダ・ライタ装
置とにそれぞれ電力伝送用ループアンテナ1と情報通信
用ループアンテナ2とを間隔をもって略同一平面内に配
置して設け、リーダ・ライタ装置とICカードとの間の
電力伝送は電力伝送用ループアンテナ1間の電磁結合で
行い、リーダ・ライタ装置とICカードとの間の情報通
信は情報通信用ループアンテナ2間の電磁結合で行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9に
示したように電力伝送用ループアンテナ1と情報通信用
ループアンテナ2とを単純に重ねて配置した場合、及
び、図10に示したように電力伝送用ループアンテナ1
と情報通信用ループアンテナ2とを重なり無く隣接して
配置した場合には、これら両者のループアンテナが相互
に干渉して、電力伝送の効率低下や情報通信の品質低下
が生じてしまうという問題があった。
【0005】すなわち、リーダ・ライタ装置において
は、例えば、電力伝送用ループアンテナ1に高周波電流
iを流すことによって生ずる磁束φが自己の情報通信用
ループアンテナ2に干渉し、電力伝送用ループアンテナ
1から放出する磁界により送電する電力が自己の情報通
信用ループアンテナ2によって消費されてしまうばかり
か、この情報通信用ループアンテナ2での通信に誘導障
害を生じさせてしまう。また、ICカードにおいても同
様に、例えば、リーダ・ライタ装置へ情報を送信するた
めに情報通信用ループアンテナ2から放出する磁界が自
己の電力伝送用ループアンテナ1に干渉し、情報通信に
用いるアンテナとしての効率が低下して通信品質が低下
してしまう。
【0006】本発明は、上記従来の事情に鑑みなされた
もので、電力伝送用ループアンテナと情報通信用ループ
アンテナとを、両ループアンテナ間での干渉を抑制して
効率的な電力伝送及び高品質な情報通信を実現するよう
に配置したICカードを提供することを目的とする。ま
た、本発明は、電力伝送用ループアンテナと情報通信用
ループアンテナとを、両ループアンテナ間での干渉を抑
制して効率的な電力伝送及び高品質な情報通信を実現す
るように配置したリーダ・ライタ装置を提供することを
目的とする。また、本発明は、このようなICカードと
リーダ・ライタ装置を利用したICカードシステムを提
供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、効率的な電力伝送及び高
品質な情報通信を実現しつつ、電力伝送用ループアンテ
ナと情報通信用ループアンテナとの配置に必要なスペー
スを縮小化し、ICカードやリーダ・ライタ装置の小型
化や薄型化を実現するICカードシステムを提供するこ
とを目的とする。また、本発明は、効率的な電力伝送及
び高品質な情報通信を実現させるための、電力伝送用ル
ープアンテナと情報通信用ループアンテナとの配置につ
いて、ICカードにおいて好適な態様を提供することを
目的とする。また、本発明は、効率的な電力伝送及び高
品質な情報通信を実現させるための、電力伝送用ループ
アンテナと情報通信用ループアンテナとの配置につい
て、リーダ・ライタ装置において好適な態様を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係るICカードでは、リーダ・ライタ装置
から電力を受電する電力伝送用ループアンテナと、リー
ダ・ライタ装置との間で情報の通信を行う情報通信用ル
ープアンテナとを互いに非接触な状態で一部を重ねて配
置して、一方のループアンテナによって発生する磁束が
他方のループアンテナに与える影響を相殺させる。
【0009】また、本発明に係るリーダ・ライタ装置で
は、ICカードへ電力を送電する電力伝送用ループアン
テナと、ICカードとの間で情報の通信を行う情報通信
用ループアンテナとを互いに非接触な状態で一部を重ね
て配置して、一方のループアンテナによって発生する磁
束が他方のループアンテナに与える影響を相殺させる。
また、本発明に係るICカードシステムでは、上記した
構成のICカードとリーダ・ライタ装置を用いて、リー
ダ・ライタ装置からICカードに対して非接触方式によ
って情報の通信及び電力の送電を行う。
【0010】ここで、電力伝送用ループアンテナと情報
通信用ループアンテナとは、その一部が重なり合うこと
により、一方のループアンテナで発生する磁束は他方の
ループアンテナに与える影響を相殺させる。すなわち、
一方のループアンテナによって発生する磁界の、他方の
ループアンテナ内を下から上へ貫く磁束量と、他方のル
ープアンテナ内を上から下へ貫く磁束量と、が打ち消し
あって相殺され、総じて他方のループアンテナが被る影
響が低減される。更に、本発明では、両ループアンテナ
の重なり具合を調整することにより、一方のループアン
テナによって発生する磁界の、他方のループアンテナ内
を下から上へ貫く磁束量と、他方のループアンテナ内を
上から下へ貫く磁束量と、を同量として完全に相殺させ
ることもでき、他方のループアンテナが被る影響を防止
することができる。
【0011】本発明には、他方のループアンテナが被る
影響を完全に相殺させる態様のみならず、或る程度相殺
させて他方のループアンテナが被る影響を低減させる態
様も包含されており、後者の態様にあっても、例えば実
用上で問題とならない程度に電磁結合を低減することが
できる。また、本発明は、電力伝送用ループアンテナで
発生した磁界が情報通信用ループアンテナへ与える影響
を低減或いは解消する場合のみならず、情報通信用ルー
プアンテナで発生した磁界が電力伝送用ループアンテナ
へ与える影響を低減或いは解消する場合も含まれ、これ
ら両者の場合を共に実現する態様とすることができる。
なお、空間に非直線性透磁率をもつ強磁性体や非対称誘
電率をもつ媒体などが存在する場合等を除いて、一方の
ループアンテナで発生した磁界が他方のループアンテナ
へ与える影響を低減或いは解消するように、これら両ル
ープアンテナを一部を重ねて配置すれば、公知のように
相反定理によりこの逆も成り立って、他方のループアン
テナで発生した磁界が一方のループアンテナへ与える影
響も低減或いは解消される。
【0012】本発明を、2つのループアンテナA、Bを
微少な間隔を隔てて一部を重ねて配置した状態を示す図
6、そのX−X矢視断面を示す図7、そのY−Y矢視断
面を示す図8を参照して、更に詳しく説明する。ループ
アンテナAに電流iが流されると、このループアンテナ
Aには右ネジ方向への磁束が発生する。なお、図中に
は、他のループアンテナBへ影響する方向を区別して示
すために、この磁束を便宜上からφ1とφ2として示して
あるが、これら磁束φ1、φ2はループアンテナAで発生
する同一の磁束である。
【0013】この磁束φ1、φ2は、ループアンテナAの
ループ内では磁束密度が高く、ループアンテナAのルー
プ外では外側へ離れるに従って磁束密度が低くなってい
る。また、この磁束φ1、φ2は、図7及び図8に示すよ
うに他方のループアンテナBを貫通するが、図7に示す
ように他のループアンテナBはループアンテナAと一部
においてのみ重なっているため、磁束φ1については、
他のループアンテナBのループ内を下から上へ貫くもの
と上から下へ貫くものとが生ずる。なお、磁束φ2側に
ついては、図8に示すように、ループアンテナBはルー
プアンテナAに完全に重なっているため、磁束φ2はル
ープアンテナBのループ内を全て上から下へ貫くものと
なっている。
【0014】このような状態において、図7に示す方向
では、ループアンテナAに対してループアンテナBの重
なっている部分の面積と重なっていない部分の面積との
差、及び、位置の相違による磁束密度の差によって、ル
ープアンテナBのループ内を下から上へ貫く磁束量の方
が上から下へ貫く磁束量より多くなっている。一方、図
8に示す方向では、ループアンテナBのループ内を上か
ら下へ貫く磁束のみであるので、この磁束φ2の量と上
記の磁束φ1の残差量とが完全に打ち消し合えば、ルー
プアンテナAとループアンテナBとの電磁結合が全くな
い状態となる。なお、相反定理により、ループアンテナ
Bに電流を流した場合にも同様なことが成り立つ。
【0015】本発明では、最も好ましい態様として、上
記のように他方のループアンテナのループ内を下から上
へ貫く磁束量と上から下へ貫く磁束量とが完全に打ち消
し合うように、一方のループアンテナと他方のループア
ンテナとをその一部を重ねて配置する。また、本発明は
このように完全な打ち消し合いを生ずる配置関係に限定
されるものではなく、一方のループアンテナと他方のル
ープアンテナとをその一部を重ねて配置さえすれば、ル
ープ内を下から上へ貫く磁束量と上から下へ貫く磁束量
との打ち消し合い効果をその設定に応じた程度で得るこ
とができ、実用上で必要な範囲の効果を実現することが
できる。
【0016】また、本発明では、好ましい態様の一例と
して、ICカードとリーダ・ライタ装置との少なくとも
一方において、電力伝送用ループアンテナと情報通信用
ループアンテナとは互いに略平行な状態で間隔を隔てて
一部を重ねて配置される。上記の説明から明らかなよう
に、本発明では、両ループアンテナが平行でなくとも一
部を重ねることによって、一方のループアンテナによっ
て発生する磁束の、他方のループアンテナ内を下から上
へ貫く磁束量と、他方のループアンテナ内を上から下へ
貫く磁束量と、が一部でも打ち消しあって相殺されるよ
うにすればよい。このことからすれば、本発明では、両
ループアンテナの配置関係は種々な態様が可能である
が、ICカードやリーダ・ライタ装置を薄型化するとい
う観点から、両ループアンテナを接近させた状態で互い
に略平行に配置(すなわち、略同一面内に位置するよう
に配置)するのが好ましい。
【0017】また、本発明に係るICカードでは、好ま
しい態様の一例として、電力伝送用ループアンテナと情
報通信用ループアンテナとがカード基板の表面側と裏面
側とに分離して設けられ、これらループアンテナが樹脂
等の絶縁材料から成るカード基板によって互いに平行な
状態で間隔を隔てて一部を重ねて配置される。これによ
って、カードの薄型化が図られるとともに、両ループア
ンテナが接触することなく配設される。
【0018】また、本発明に係るリーダ・ライタ装置で
は、好ましい態様の一例として、比較的高電流が通じる
電力伝送用ループアンテナを情報通信用ループアンテナ
より装置の内部側に配置する。電力伝送用ループアンテ
ナや情報通信用ループアンテナは、アンテナとしての必
要性から一般的に装置の表面側位置に配設され、場合に
よっては装置の表面に露呈して配置される。しかしなが
ら、比較的高電流が通じる電力伝送用ループアンテナを
装置の表面に露呈させて配置する態様は、場合によって
は好ましくないので、電力伝送用ループアンテナは表面
部に露呈しないように情報通信用ループアンテナより装
置の内部側へ後退した位置に配置する。
【0019】また、本発明に係るICカードシステムで
は、電力伝送用の周波数と情報通信用の周波数とを異な
らせた2周波方式が実現され、電力伝送用ループアンテ
ナと情報通信用ループアンテナとには互いに異なる周波
数の電流が流される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面を参照
して説明する。図1に示すように、本実施形態のICカ
ードシステムは、金融、流通、交通、医療等のデータ処
理を行う情報端末装置10に接続されたリーダ・ライタ
装置11と、リーダ・ライタ装置11との間で非接触方
式によって情報の通信及び電力の伝送を行うICカード
21と、を備えている。
【0021】このシステムでは、後述するようにリーダ
・ライタ装置11のループアンテナが配設されている部
位の上方(例えば、20cm以内)にICカード21を
かざすことにより、リーダ・ライタ装置11とICカー
ド21との間でループアンテナを用いた電力伝送及び情
報通信を行う。すなわち、ICカード21はリーダ・ラ
イタ装置11から無線によって供給された電力で動作
し、ICカード11への制御コマンドや書き込みデータ
等といった情報がリーダ・ライタ装置11からICカー
ド21へ無線によって通信されるとともに、ICカード
からの読み出しデータ等といった情報がICカード21
からリーダ・ライタ装置11へ無線によって通信され
る。
【0022】図2に示すように、リーダ・ライタ装置1
1は、情報端末装置10との間で情報の通信を行うイン
タフェース12と、図外の外部電源から電力を受電する
電源回路13と、ICカード21へ電力を送電する電力
伝送用ループアンテナ14と、ICカード21との間で
情報の通信を行う情報通信用ループアンテナ15と、こ
れら各手段12〜15を機能させて制御する制御送受信
部16と、を備えている。
【0023】制御送受信部16は、一例として、制御プ
ログラムを格納したメモリと当該プログラムを実行する
CPUとを有したマイクロコンピュータ及び送受信回路
により構成されており、電源回路13から受電した電力
を高周波電流に変換して電力伝送用ループアンテナ14
から送電させ、また、情報端末装置10からインタフェ
ース12を介して受信した情報を無線通信に適した形に
変換して情報通信用ループアンテナ15から送信させ、
また、情報通信用ループアンテナ15で受信した情報を
復調してインタフェース12を介して情報端末装置10
へ送信させる等といった機能を有している。
【0024】また、電力伝送用ループアンテナ14と情
報通信用ループアンテナ15とは、図3に示すように、
装置11の表面に近い部分で、互いに平行で微少な間隔
を隔てた位置で一部を重ねて配置されており、電力伝送
用ループアンテナ14に高周波電流iを流すことによっ
て発生する磁束φは情報通信用ループアンテナ15に影
響を与えず、また相反定理により、情報通信用ループア
ンテナ15に高周波電流を流すことによって発生する磁
束も電力伝送用ループアンテナ14に影響を与えないよ
うになっている。なお、図3(b)に示すように、電力
伝送用ループアンテナ14は比較的大きなパワーの伝送
するために比較的大きな電流が流されることから、本例
では好ましい態様として、リーダ・ライタ装置11の情
報通信用ループアンテナ15より装置の奥側位置に配置
されている。
【0025】すなわち、電力伝送用ループアンテナ14
と情報通信用ループアンテナ15とは、互いに接触しな
いように微少な隙間をもって略同一平面内にずれた位置
関係で配置されている。これによって、図3に示す例で
電力電送用ループアンテナ14に高周波電流iを流した
場合には、電力伝送用ループアンテナ14によって発生
する磁界φで情報通信用ループアンテナ15内を下から
上へ貫く磁束量と上から下へ貫く磁束量とが同量となっ
て、磁束φが情報通信用ループアンテナ15に与える影
響が相殺されている。なお、図3に示す例で情報通信用
ループアンテナ15に高周波電流を流した場合には、相
反定理により、情報通信用ループアンテナ15によって
発生する磁界で電力伝送用ループアンテナ14内を下か
ら上へ貫く磁束量と上から下へ貫く磁束量とが同量とな
って、磁束が電力伝送用ループアンテナ14に与える影
響が相殺されている。
【0026】この作用を更に説明すると、上記した電力
伝送用ループアンテナ14と情報通信用ループアンテナ
15とのずれ位置関係は、図9及び図10に示したルー
プアンテナ1とループアンテナ2との位置関係の中間と
なっている。すなわち、図9に示すようにループアンテ
ナ1とループアンテナ2とを完全に重ねて配置した場合
には、ループアンテナ1(本例では、電力伝送用ループ
アンテナ14に該当)に高周波電流iを流すことによっ
て生ずる磁束φがループアンテナ2内を上から下へ貫く
状態となる。一方、図10に示すようにループアンテナ
1に対してループアンテナ2を重なることなく隣接して
配置した場合には、ループアンテナ1に高周波電流iを
流すことによって生ずる磁束φがループアンテナ2内を
下から上へ貫く状態となる。
【0027】したがって、図3に示すように、電力伝送
用ループアンテナ14に対して情報通信用ループアンテ
ナ15が例えばほぼ半分と言ったようにその一部で重な
るように、ループアンテナ14に対してループアンテナ
15をずらせて重ねた状態として、ループアンテナ15
内を上から下へ貫く磁束量と下から上へ貫く磁束量とを
等しくさせており、これによって、両ループアンテナ1
4、15間の電磁結合がない状態が実現される。本例の
電力伝送用ループアンテナ14と情報通信用ループアン
テナ15とはこの配置関係で配設されており、電力伝送
用ループアンテナ14に高周波電流iを流すことによっ
て生ずる磁束φが情報通信用ループアンテナ15に干渉
してしまうことが回避されて、送電する電力が情報通信
用ループアンテナ15によって消費されてしまう事態が
防止されるとともに、情報通信用ループアンテナ15で
の通信においても電力伝送用ループアンテナ14への電
磁結合がない状態となっているので良好な通信が確保さ
れる。
【0028】なお、本例では、ループアンテナ15内を
上から下へ貫く磁束量と下から上へ貫く磁束量とが等し
くなるように両ループアンテナ14、15を互いに一部
を重ねて配置したが、本発明は特にこの態様に限定され
るものではなく、両ループアンテナ14、15間の電磁
結合を低減させるだけでもよい。すなわち、上から下へ
貫く磁束量と下から上へ貫く磁束量とを完全に相殺させ
ずとも、ループアンテナ14に対してループアンテナ1
5を例えば1/4重ねる或いは3/5重ねると言ったよ
うに、両ループアンテナ14、15を少なくとのその一
部において互いに重ねて配置するだけで、ループアンテ
ナ15内を上から下へ貫く磁束と下から上へ貫く磁束と
の或る程度の相殺を実現することができ、これによっ
て、両ループアンテナ14、15間の電磁結合を低減さ
せることができる。
【0029】図4に示すように、ICカード21は、リ
ーダ・ライタ装置11から送電された電力を受信する電
力伝送用ループアンテナ22と、リーダ・ライタ装置1
1との間で情報の通信を行う情報通信用ループアンテナ
23と、金融、流通、交通、医療等のデータを読み書き
自在に格納するメモリ24と、これら各手段22〜24
を機能させて制御する制御送受信部25と、を備えてい
る。
【0030】制御送受信部25は、一例として、制御プ
ログラムを格納したメモリと当該プログラムを実行する
CPUとを有したマイクロコンピュータ及び送受信回路
により構成されており、電力伝送用ループアンテナ22
で受信した磁束の変化を電力に変換させ、また、メモリ
24から読み出した情報を無線通信に適した形に変換し
て情報通信用ループアンテナ23から送信させ、また、
情報通信用ループアンテナ23で受信した情報を復調し
てメモリ24に書き込ませる等といった機能を有してい
る。
【0031】図5に示すように、これら電力伝送用ルー
プアンテナ22と情報通信用ループアンテナ23とは、
リーダ・ライタ装置11の場合と同様に、互いに接触し
ないように微少な隙間をもって互いに平行且つずれた位
置に重ねて配置されており、情報通信用ループアンテナ
23に高周波電流iが流れることによって発生する磁束
φが電力伝送用ループアンテナ22内で相殺しあって、
情報通信用ループアンテナ23が電力伝送用ループアン
テナ22に結合してしまわないようになっている。
【0032】すなわち、電力伝送用ループアンテナ22
と情報通信用ループアンテナ23とは、カード基板21
の表面側と裏面側とに分離して埋設されており、プラス
チック等の絶縁材から成るカード基板21が介在するこ
とによって、互いに接触しないように微少な隙間をもっ
て略同一平面内にずれた位置関係で配置されている。そ
して、情報通信用ループアンテナ23によって発生する
磁束φで電力伝送用ループアンテナ22内を下から上へ
貫く磁束量と上から下へ貫く磁束量とが同量となって、
情報通信用ループアンテナ23が電力伝送用ループアン
テナ22に電磁結合してしまうことが防止されている。
【0033】このように、電力伝送用ループアンテナ2
2と情報通信用ループアンテナ23とを互いに一部を重
ねて配置した状態では、磁束の相殺効果が生じて、情報
通信用ループアンテナ23に高周波電流iが流れること
によって生ずる磁束φが電力伝送用ループアンテナ22
に干渉してしまうことが回避されて、情報通信用ループ
アンテナ23での通信エネルギーが電力伝送用ループア
ンテナ22によって消費され通信品質が低下してしまう
事態が防止されている。なお、本例では、ループアンテ
ナ22内を上から下へ貫く磁束量と下から上へ貫く磁束
量とが等しくなるように両ループアンテナ22、23を
互いに一部を重ねて配置したが、本発明は特にこの態様
に限定されるものではなく、上から下へ貫く磁束量と下
から上へ貫く磁束量とを完全に相殺させずとも、両ルー
プアンテナ22、23を少なくともその一部において互
いに重ねて配置するだけで、ループアンテナ22内を上
から下へ貫く磁束と下から上へ貫く磁束との或る程度の
相殺を実現させて、これによって、両ループアンテナ2
2、23間の電磁結合を低減させるようにしてもよい。
【0034】なお、上記したICカードシステムでは、
ICカード21とリーダ・ライタ装置11とがそれぞれ
電力伝送用ループアンテナと情報通信用ループアンテナ
とを備えた構成としたが、ICカードとリーダ・ライタ
装置とのいずれか一方を1つのアンテナによって電力伝
送と情報通信を行う形態とすることもできる。また、上
記したICカード及びリーダ・ライタ装置では、電力伝
送用ループアンテナと情報通信用ループアンテナとを大
きさを異ならせて示したが、本発明では、例えば、電力
伝送用ループアンテナと情報通信用ループアンテナとを
ほぼ同じ大きさのループとして互いにほぼ半分ずつ重な
り合った構成としてもよい。
【0035】また、上記したICカードシステムでは、
一方のループアンテナに対して他方のループアンテナを
ほぼ半分重ねることにより磁束の影響を相殺させたが、
どの程度の重なり具合をもって設定するかは種々な設計
上の要因によって設定されるものであり、要は、できる
だけ電磁結合を少なくするためには、一方のループアン
テナによって発生する磁束で、他方のループアンテナ内
を下から上へ貫く磁束量と、他方のループアンテナ内を
上から下へ貫く磁束量と、がほぼ同量となる位置関係と
なればよい。なお、このような配置関係を検証する方法
としては、例えば、一方のループアンテナに電流を流
し、他方のループアンテナで電磁結合により生ずる電圧
を計測するようにすればよい。
【0036】また、上記したICカードシステムでは、
電力伝送用ループアンテナと情報通信用ループアンテナ
とを互いに平行に配置してこれらループアンテナの配置
スペースを薄くしたが、電磁結合を少なくすることを主
眼とすれば、電力伝送用ループアンテナと情報通信用ル
ープアンテナとは厳密に平行でなくとも3次元空間で重
なりをもった配置であればよく、要は、一方のループア
ンテナによって発生する磁界で、他方のループアンテナ
内を下から上へ貫く磁束量と、他方のループアンテナ内
を上から下へ貫く磁束量と、が相殺される配置関係であ
ればよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
ICカード及びリーダ・ライタ装置において、電力伝送
用ループアンテナと情報通信用ループアンテナとの電磁
結合を防止或いは低減することができ、効率的な電力伝
送及び高品質な情報通信を実現することができる。ま
た、電力伝送用ループアンテナと情報通信用ループアン
テナとを略同一平面内に配置した場合に、両ループアン
テナ間の干渉を抑制して効率的な電力伝送及び高品質な
情報通信を実現することができる。したがって、2つの
ループアンテナを極めて接近させて、その配置面積を小
さく抑えることができ、ICカードとリーダ・ライタ装
置を薄型にして小型にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るICカードシステ
ムを示す構成図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係るリーダ・ライタ装
置の概略構成を示す図である。
【図3】 本発明の一実施形態に係るリーダ・ライタ装
置のアンテナ配置を示す図であり、(a)は斜視図、
(b)は側面図である。
【図4】 本発明の一実施形態に係るICカードの概略
構成を示す図である。
【図5】 本発明の一実施形態に係るICカードのアン
テナ配置を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側
面図である。
【図6】 本発明のアンテナ配置を説明する斜視図であ
る。
【図7】 図6中のX−X断面で磁束の状態を説明する
図である。
【図8】 図6中のY−Y断面で磁束の状態を説明する
図である。
【図9】 アンテナ配置の比較例を示す図である。
【図10】 アンテナ配置の比較例を示す図である。
【符号の説明】
11・・・リーダ・ライタ装置、 14、22・・・電力伝送用ループアンテナ、 15、23・・・情報通信用ループアンテナ、 21・・・ICカード、 φ、φ1、φ2・・・磁束、 i・・・電流、 A、B・・・ループアンテナ、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 充弘 東京都中野区東中野三丁目14番20号 国際 電気株式会社内 (72)発明者 宮下 信一 東京都中野区東中野三丁目14番20号 国際 電気株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力伝送用ループアンテナを用いてリー
    ダ・ライタ装置から電力を受電するとともに、情報通信
    用ループアンテナを用いて前記リーダ・ライタ装置との
    間で情報の通信を行うICカードであって、 前記電力伝送用ループアンテナと前記情報通信用ループ
    アンテナとを互いに非接触な状態で一部を重ねて配置
    し、一方のループアンテナによって発生する磁束が他方
    のループアンテナに与える影響を相殺させたことを特徴
    とするICカード。
  2. 【請求項2】 電力伝送用ループアンテナを用いてIC
    カードへ電力を送電するとともに、情報通信用ループア
    ンテナを用いて前記ICカードとの間で情報の通信を行
    うリーダ・ライタ装置であって、 前記電力伝送用ループアンテナと前記情報通信用ループ
    アンテナとを互いに非接触な状態で一部を重ねて配置
    し、一方のループアンテナによって発生する磁束が他方
    のループアンテナに与える影響を相殺させたことを特徴
    とするリーダ・ライタ装置。
  3. 【請求項3】 リーダ・ライタ装置からICカードに対
    して非接触方式によって情報の通信及び電力の送電を行
    うICカードシステムにおいて、 前記リーダ・ライタ装置と前記ICカードとの少なくと
    も一方において、電力の伝送に用いる電力伝送用ループ
    アンテナと情報の通信に用いる情報通信用ループアンテ
    ナとを互いに非接触な状態で一部を重ねて配置し、一方
    のループアンテナによって発生する磁束が他方のループ
    アンテナに与える影響を相殺させたことを特徴とするI
    Cカードシステム。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のICカードシステムに
    おいて、 前記電力伝送用ループアンテナと前記情報通信用ループ
    アンテナとは相反定理により、双方のループアンテナに
    よって発生する磁束によって他方のループアンテナに与
    えられる影響が相殺されていることを特徴とするICカ
    ードシステム。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載のICカー
    ドシステムにおいて、 前記電力伝送用ループアンテナと前記情報通信用ループ
    アンテナとは互いに略平行な状態で間隔を隔てて一部を
    重ねて配置されていることを特徴とするICカードシス
    テム。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のICカードにおいて、 前記電力伝送用ループアンテナと前記情報通信用ループ
    アンテナとはカード基板の表面側と裏面側とに分離して
    設けられ、これらループアンテナがカード基板によって
    互いに略平行な状態で間隔を隔てられて一部を重ねて配
    置されていることを特徴とするICカード。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載のリーダ・ライタ装置に
    おいて、 前記電力伝送用ループアンテナは前記情報通信用ループ
    アンテナより装置の内部側の位置に設けられていること
    を特徴とするリーダ・ライタ装置。
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