JP2014128064A - 無線通信システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】情報の信号の送受信を行う基地局側アンテナと、前記基地局側アンテナを通じて電力の信号を送信する電力送信部と、を有する基地局無線通信装置と、前記基地局側アンテナとの間で情報の信号の送受信を行う端末側アンテナと、前記端末側アンテナを通じて前記電力の信号を受信する電力受信部と、を有する端末無線通信装置と、を備えることを特徴とする無線通信システム。
【選択図】図1
Description
近年、実用化が進展している近距離無線伝送においては、1ギガビット毎秒を超える高速データ伝送が実現されつつある。こうした高速データ伝送における信号処理を行うためには多くの電力量が必要となる。しかし、上記の無線タグでの方式、すなわちタグ読み取り機から送信された無線信号そのものから電力を取り出して信号処理にそれを利用する方式では、十分な電力量を得ることができなかった。
これに対して、特許文献1に示すような電力の無線伝送方法において高効率な電力伝送が実証されたのを発端とし、マイクロ波方式、電界結合方式、磁界結合方式、磁界共鳴方式などの無線電力伝送方式が提案されつつある。これらの電界結合型や磁界結合型などの無線電力伝送を用いることで高速データ伝送における信号処理に必要となる電力量を無線により伝送することが可能となってきている。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態による基地局無線通信装置1と端末無線通信装置2を備えた無線通信システムを示したブロック図である。無線通信システムは、例えば、アレーアンテナを用いた近距離MIMO(Multiple Input Multiple Output)システムなどの近距離無線通信システムである。基地局無線通信装置1において、電力送信部10は、外部の電源等から供給される電力を無線周波数を有する交流電流に変換して出力する。情報入出力部11は、外部から入力する情報を分割して情報送受信部12−1、12−2、…に出力し、また、情報送受信部12−1、12−2、…から出力される情報を合成して外部に出力する。情報送受信部12−1、12−2、…は、情報入出力部11から出力される情報を電力送信部10が使用する周波数とは異なる無線周波数を有する信号に変換してアンテナ共用器13−1、13−2、…に出力する。また、情報送受信部12−1、12−2、…は、アンテナ共用器13−1、13−2、…から出力される信号を情報に変換して情報入出力部11に出力する。アンテナ共用器13−1、13−2、…は、例えば、周波数フィルタ(濾波器)を用いた分波器であり、電力送信部10が出力する信号と、情報送受信部12−1、12−2、…が出力する信号を合成してアレーアンテナ14に出力する。また、アンテナ共用器13−1、13−2、…は、アレーアンテナ14が受信する信号から情報を含んだ無線周波数以外の周波数をフィルタリングして情報送受信部12−1、12−2、…に出力する。アレーアンテナ14は、複数のアンテナ15−1、15−2、…を備えており、端末無線通信装置2のアレーアンテナ24との間で無線信号の送受信を行う。
上記の構成において、一般に、情報の送受信は高速であることが望ましく、電力の送信では必要な周波数帯域幅が小さくてもよく低エネルギー損失での送信が望ましいため、情報送受信部12−1、12−2、…、及び情報送受信部22−1、22−2、…が使用する無線周波数は、電力送信部10が使用する無線周波数よりも高い周波数に設定される。情報の送受信と電力の送信で使用される無線周波数の設定については、以降の第2実施形態から第4実施形態においても同様であるとする。
基地局無線通信装置1において、電力送信部10に外部の電源等から電力が供給されると、電力送信部10は、供給された電力を、無線周波数を有する交流電流に変換し、アンテナ共用器13−1、13−2、…に出力してアンテナ15−1、15−2、…を通じて送信を行う。端末無線通信装置2は、アンテナ25−1、25−2、…を通じて無線周波数を有する電力を受信する。アンテナ共用器23−1、23−2、…は、電力を含む信号を周波数フィルタにより振り分け、電力を含む信号を電力受信部20に出力する。電力受信部20は、アンテナ共用器23−1、23−2、…から出力された無線周波数を有する交流電流を整流器により直流電流のエネルギーに変換する。電力受信部20は、得られた直流の電力を情報送受信部22−1、22−2、…、情報入出力部21、及び図示しない内部の機能部に対して供給する。
なお、内部の機能部等に対して電力を供給するだけでなく、端末無線通信装置2に、電池を備え、この電池に蓄電するようにしてもよい。
上記の第1実施形態の構成により、アレーアンテナ14及び24で情報の送受信を無線で行うことに加えて、これらを共用して基地局無線通信装置1から端末無線通信装置2へ電力を無線で送信することが可能となる。これにより、端末無線通信装置2は、基地局無線通信装置1から無線送信により供給される電力だけで駆動することが可能となる。
また、アンテナ共用器13−1、13−2、…及びアンテナ共用器23−1、23−2、…という構成を加えることのみで、アレーアンテナ14及び24を情報の送受信と電力の送信で共用していることから、基地局無線通信装置1及び端末無線通信装置2のサイズや重量を大きく変えることなく無線による電力の送信が可能となる。
1つ目は、アンテナ共用器13−1、13−2、…及びアンテナ共用器23−1、23−2、…を時間切り替えスイッチとし、情報を送受信する時間と電力を送信する時間を予め設定し、情報送受信部12−1、12−2、…と電力送信部10を切り替えてアンテナ15−1、15−2、…に接続させる。このようにすることで、アンテナ15−1、15−2、…及びアンテナ25−1、25−2、…を共用して基地局無線通信装置1側が電力を送信し、また、端末無線通信装置2側で電力を受信することが可能となる。
2つ目は、電力の信号と情報の信号で異なる偏波を使用し、アンテナ共用器13−1、13−2、…及びアンテナ共用器23−1、23−2、…に、これらを振り分けることができる偏波フィルタを用いる構成である。なお、無線伝送路によっては、偏波面が回転することが多いため、この方式を用いる場合には、偏波回転が十分に小さい必要がある。
また、これら3つの方式を組み合わせてアレーアンテナ14及び24を情報の送受信と電力の送信で共用する構成を実現することも可能である。
図3は、第2実施形態による基地局無線通信装置1a及び端末無線通信装置2aを備えた無線通信システムの構成を示したブロック図である。第2実施形態の無線通信システムは、例えば、平面アンテナを用いて近距離MIMO等の近距離無線通信を行うシステムである。図3において、第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、以下、異なる構成について説明する。
基地局無線通信装置1aにおいて、電力送信部10aは、大地に接地されており、外部の電源等から供給される電力を情報送受信部12−1、12−2が使用する無線周波数と異なる無線電力送信用の無線周波数を有する交流電流に変換して出力する。フィルタ13aは、電力送信部10aに接続し、情報の送受信に使用される無線周波数を遮断する。フィルタ16aは、基地局無線通信装置1aの接地に接続し、電力の送信に使用される無線周波数を遮断する。アレーアンテナ14aは、マイクロストリップアンテナを素子とする平面アレーアンテナであり、アンテナ素子33−1、33−2、…、誘電体基板32、及びアンテナ用接地導体(グラウンド導体)31を有する。アンテナ素子33−1、33−2…は、誘電体基板32の表面に設置され、情報送受信部12−1、12−2、…に接続される。アンテナ用接地導体31は、誘電体基板32の裏面に設置され、フィルタ13aとフィルタ16aに接続される。
なお、基地局無線通信装置1aに備えられた情報送受信部12−1および情報送受信部12−2の各入力部に、電力の伝送に使用される無線周波数を遮断するためのフィルタを設けてもよい。これにより、電力の伝送に使用される無線周波数による例えばアンプ等の歪みが通信に与える影響を抑制することができ、通信を安定化させることができる。端末無線通信装置2aに備えられた情報送受信部22−1および情報送受信部22−2についても同様に、その入力部に、電力の伝送に使用される無線周波数を遮断するフィルタを設けてもよい。
また、上述の通り、アンテナ用接地導体31及び41は、電力の送信に使用される無線周波数を遮断し、情報の送受信に使用される無線周波数を通過させるフィルタ16a及び26aに接続されている。フィルタ16a及び26aは、それぞれ基地局無線通信装置1aの接地及び端末無線通信装置2aの接地に接続している。そのため、アンテナ用接地導体31及び41は、情報の送受信に使用する無線周波数に対して、基地局無線通信装置1a及び端末無線通信装置2aの接地と同電位となる。一方、アンテナ用接地導体31及び41は、電力送信に使用する無線周波数に対しては基地局無線通信装置1a及び端末無線通信装置2aの接地とは電気的に絶縁されている。
したがって、情報を含んだ信号の影響を受けずに、電力送信に使用する無線周波数についてアンテナ用接地導体31及び41が平行平板型キャパシタを形成し、電解結合型の電力の送信を行うことが可能となる。
基地局無線通信装置1aの電力送信部10aに外部の電源等から電力が供給されると、供給された電力を無線周波数を有する交流電流に変換してフィルタ13aに出力する。フィルタ13aは、情報の送受信に使用される無線周波数を遮断するが、電力の送信に使用される無線周波数は通過させるフィルタであるため、電力送信部10aが出力した交流電流をアンテナ用接地導体31に供給する。アンテナ用接地導体31とアンテナ用接地導体41は、上述の通りキャパシタを形成しているため、アンテナ用接地導体31への交流電流の供給に伴いアンテナ用接地導体41に交流電流が発生することになる。この場合、フィルタ16aは、電力の送信に使用される無線周波数を遮断するため、アンテナ接地導体31は、基地局無線通信装置1aの接地電位から電気的に絶縁される。アンテナ用接地導体41において発生した交流電流は、フィルタ23aを介して電力受信部20aに供給される。電力受信部20aは、供給された交流電流を整流して直流電流に変換し、得られた電力を情報送受信部22−1、22−2、…、図示しない内部の機能部に供給する。
なお、内部の機能部等に対して電力を供給するだけでなく、端末無線通信装置2aに、電池を備え、この電池に蓄電するようにしてもよい。
情報の送受信については、情報送受信部12−1、12−2、…は、それぞれが接続するアンテナ素子33−1、33−2、…を通じて送信を行う。端末無線通信装置2aのアンテナ素子43−1、43−2、…は、基地局無線通信装置1aから無線信号を受信し、それぞれ情報送受信部22−1、22−2に出力する。この場合、フィルタ16aを介してアンテナ用接地導体31が基地局無線通信装置1aの接地電位に接地される。これにより、アンテナ用接地導体31は、アンテナ素子33−1、33−2、…に対して接地導体として機能する。なお、外部との情報の入出力については、第1実施形態と同様に情報入出力部を備え、入力する情報を情報入出力部に分割させて情報送受信部に出力させ、情報送受信部が受信した情報を合成して外部に出力するものとする。また、端末無線通信装置2aから基地局無線通信装置1aに情報を送信する場合は、各々の構成において送信と受信が入れ替わった構成で、上記の手順が行われることになる。
図5及び図6は、第3実施形態による基地局無線通信装置1b及び端末無線通信装置2bを備えた無線通信システムの構成を示した図である。図5は、第3実施形態の無線通信システムの内部構成を示したブロック図であり、図6は、アンテナ用接地導体とアンテナ素子の配置を分かりやすく概略的に示した図である。第3実施形態の構成は、第2実施形態の構成においてアンテナ用接地導体31及び41を2つに分割し、各々にアンテナ素子が8個ずつ対応するように配置した構成となっている。図5において、第1及び第2実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、以下、異なる構成について説明する。基地局無線通信装置1bにおいて、電力送信部10bは、外部の電源等に接続され、正極と負極の2つの出力端子を有している。電力送信部10bは、交流電流を出力するため、正極と負極の電圧の高低は時間的に入れ替わることになる。フィルタ13b−1及び13b−2は、それぞれ電力送信部10bの正極と負極の出力端子に接続し、情報の送受信に使用される無線周波数を遮断する。フィルタ16b−1及び16b−2は、基地局無線通信装置1bの接地に接続し、電力の送信に使用される無線周波数を遮断する。アレーアンテナ14bは、マイクロストリップアンテナを素子とする平面アレーアンテナであり、2個のアンテナ用接地導体(グラウンド導体)31−1及び31−2、16個のアンテナ素子33−1〜33−16、及び誘電体基板32を有する。誘電体基板32の裏面に、2つのアンテナ用接地導体31−1及び31−2が配置される。アンテナ用接地導体31−1に対応する誘電体基板32の表面には、アンテナ素子33−1〜33−8が配置され、アンテナ用接地導体31−2に対応する誘電体基板32の表面には、アンテナ素子33−9〜33−16が配置される。なお、図5では、平面的に示しているため、アンテナ素子は、端の4個しか示されていない。実際には、図6に示すように、アンテナ用接地導体31−1及び31−2には、誘電体基板32を挟んでそれぞれ8個のアンテナ素子が並べられている。各々のアンテナ素子33−1〜33−16は、情報送受信部12−1〜12−16に接続される。アンテナ用接地導体31−1は、フィルタ13b−1及びフィルタ16b−1に接続され、アンテナ用接地導体31−2は、フィルタ13b−2及びフィルタ16b−2に接続される。
また、第2実施形態と同様に、アンテナ用接地導体31−1及び31−2並びにアンテナ用接地導体41−1及び41−2は、電力の送信に使用される無線周波数を遮断し、情報の送受信に使用される無線周波数を通過させるフィルタ16b−1及び16b−2並びにフィルタ26b−1及び26b−2に接続されている。これらのフィルタ16b−1及び16b−2並びに26b−1及び26b−2は、それぞれ基地局無線通信装置1bの接地及び端末無線通信装置2bの接地に接続している。そのため、アンテナ用接地導体31−1及び31−2並びにアンテナ用接地導体41−1及び41−2は、情報の送受信に使用する無線周波数に対して、基地局無線通信装置1b及び端末無線通信装置2bの接地と同電位となる。一方、アンテナ用接地導体31−1及び31−2並びにアンテナ用接地導体41−1及び41−2は、電力送信に使用する無線周波数に対しては基地局無線通信装置1b及び端末無線通信装置2bの接地とは絶縁されている。
したがって、上記のようにアレーアンテナ14b及び24bを配置することで、アンテナ用接地導体31−1及び41−1と、アンテナ用接地導体31−2及び41−2の2組の平行平板型キャパシタを形成することができ、電解結合型でかつ平衡型で電力を送信することが可能となる。
なお、上述の第2実施形態と同様に、基地局無線通信装置1bに備えられた情報送受信部12−1,12−2,12−9,12−10の各入力部と、端末無線通信装置2bに備えられた情報送受信部22−1,22−2,22−9,22−10の各入力部に、電力の伝送に使用される無線周波数を遮断するフィルタを設けてもよい。
基地局無線通信装置1bの電力送信部10bに外部の電源等から電力が供給されると、供給された電力を無線周波数を有する交流電流に変換して正極と負極の出力端子からフィルタ13b−1及び13b−2に対して出力する。フィルタ13b−1及び13b−2は、情報の送受信に使用される無線周波数を遮断するが、電力の送信に使用される無線周波数は通過させるフィルタであるため、交流電流がアンテナ用接地導体31−1及び31−2に供給される。アンテナ用接地導体31−1及び31−2とアンテナ用接地導体41−1及び41−2は、上述の通りキャパシタを形成しているため、アンテナ用接地導体31−1及び31−2への交流電流の供給に伴いアンテナ用接地導体41−1及び41−2に交流電流が発生することになる。アンテナ用接地導体41−1及び41−2において発生した交流電流は、フィルタ23b−1及び23b−2を介してそれぞれ電力受信部20bの正極と負極の入力端子に供給される。電力受信部20bは、供給された交流電流を整流して直流電流に変換し、得られた電力を情報送受信部22−1〜22−16及び図示しない内部の機能部に供給する。
なお、内部の機能部等に対して電力を供給するだけでなく、端末無線通信装置2bに、電池を備え、この電池に蓄電するようにしてもよい。
また、等価ブロック図では、情報の送受信と電力の送信は別系統であるが、実際には、図5及び図6に示すようにアレーアンテナ14b及び24bを共用した構成となっている。これにより、基地局無線通信装置1b及び端末無線通信装置2bのサイズや重量を大きく変えることなく無線による電力の送信が可能となり、端末無線通信装置2bは、基地局無線通信装置1bから供給された電力だけで駆動することが可能となる。
なお、上記の第3実施形態では、キャパシタの数を2個としたが、アンテナ用接地導体をさらに分割して3個以上のキャパシタが形成されてもよく、3個の場合に三相交流電流を送るようにしてもよい。また、アンテナ素子の個数も1つのアンテナ用接地導体に対して8個としているが、8個以上の数であっても、8個以下の数であってもよい。
図8は、第4実施形態による基地局無線通信装置1c及び端末無線通信装置2cを備えた無線通信システムの構成を示したブロック図である。第4実施形態の構成は、電力の送信にアンテナ用接地導体ではなく、アンテナ素子を用いる点で第2及び第3実施形態と異なる。図8において、第1、第2、及び第3実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、以下、異なる構成について説明する。基地局無線通信装置1cにおいて、電力送信部10cは、第3実施形態の電力送信部10bと同じ構成であり、外部の電源等に接続され、正極と負極の2つの出力端子から交流電流を出力する。出力される電流は交流電流であるため正極と負極の電圧の高低は時間的に入れ替わる。フィルタ13c−1及び13c−2は、それぞれ電力送信部10cの正極と負極の出力端子に接続し、情報の送受信に使用される無線周波数を遮断する。アレーアンテナ14cは、マイクロストリップアンテナを素子とする平面アレーアンテナであり、第2実施形態のアレーアンテナ14aと同じ構成でアンテナ用接地導体(グラウンド導体)31、アンテナ素子33−1、33−2、及び誘電体基板32を有する。アンテナ素子33−1は、フィルタ13c−1及び情報送受信部12−1に接続され、アンテナ素子33−2は、フィルタ13c−2及び情報送受信部12−2に接続される。
上記の構成において、アンテナ素子31−1及び43−1と、アンテナ素子31−2及び43−2は、平行に配置された2つの導体平板であるため、2つのキャパシタが形成されていることになり、このキャパシタを通じて、電解結合型でかつ平衡型で電力を送信することが可能となる。
なお、前述の第2実施形態と同様に、基地局無線通信装置1cに備えられた情報送受信部12−1,12−2の各入力部と、端末無線通信装置2cに備えられた情報送受信部22−1,22−2の各入力部に、電力の伝送に使用される無線周波数を遮断するフィルタを設けてもよい。
基地局無線通信装置1cの電力送信部10cに外部の電源等から電力が供給されると、供給された電力を、無線周波数を有する交流電流に変換して正極と負極の出力端子からフィルタ13c−1及び13c−2に対して出力する。フィルタ13c−1及び13c−2は、情報の送受信に使用される無線周波数を遮断するが、電力の送信に使用される無線周波数は通過させるフィルタであるため、交流電流がアンテナ素子33−1及び33−2に供給される。アンテナ素子33−1及び33−2とアンテナ素子43−1及び43−2は、上述の通りキャパシタを形成しているため、アンテナ素子33−1及び33−2への交流電流の供給に伴いアンテナ素子43−1及び43−2に交流電流が発生することになる。アンテナ素子43−1及び43−2において発生した交流電流は、フィルタ23c−1及び23c−2を介してそれぞれ電力受信部20cの正極と負極の入力端子に供給される。電力受信部20cは、供給された交流電流を整流して直流電流に変換し、得られた電力を情報送受信部22−1及び22−2及び図示しない内部の機能部に供給する。
なお、内部の機能部等に対して電力を供給するだけでなく、端末無線通信装置2cに、電池を備え、この電池に蓄電するようにしてもよい。
また、等価ブロック図では、情報の送受信と電力の送信は別系統であるが、実際には、図8に示すようにアレーアンテナ14c及び24cを共用した構成となっている。これにより、基地局無線通信装置1c及び端末無線通信装置2cのサイズや重量を大きく変えることなく無線による電力の送信が可能となり、端末無線通信装置2cは、基地局無線通信装置1cから供給された電力だけで駆動することが可能となる。
なお、上記の第4実施形態では、キャパシタの数を2個としたが、アンテナ素子をさらに増やして3個以上のキャパシタが形成されてもよく、3個の場合に三相交流電流を送るようにしてもよい。
また、上記の第4実施形態では、2つのアンテナ素子を使用して平衡モードでの電力の送信を行うようにしているが、電力送信部10c及び電力受信部20cにおいて大地への接地を行い、アンテナ素子を1つ、あるいは複数個にして等価的に1つのキャパシタを形成して電力の送信を行うようにしてもよい。
図10は、第5実施形態による基地局無線通信装置1dと端末無線通信装置2dを備えた無線通信システムの構成を示した図である。上記の実施形態と同じく、第5実施形態の無線通信システムもアレーアンテナが正面で対向する近距離無線通信を行う。第5実施形態の無線通信システムでは、基地局無線通信装置1dと端末無線通信装置2dのアレーアンテナ14d及び24dの周囲に、それぞれ送電コイル及び受電コイルを設置する。送電コイルと受電コイルは磁界結合するように設計されている。送電コイルには基地局無線通信装置1dの電力送信部10dが接続されており、受電コイルには端末無線通信装置2dの電力受信部20dが接続されている。この構成により、送電コイルに交流電流を流すことで、受電コイルに交流電流が誘導され、基地局無線通信装置1dから端末無線通信装置2dへ電力を送ることが可能となる。一般に、アレーアンテナの周囲にある細い隙間に送電コイルまたは受電コイルの導線部分を配置することが可能であるので、コイルの配置面積を新たに確保する必要がなく、基地局無線通信装置1dと端末無線通信装置2dのサイズや重量を大きく変えることなく無線による電力の送信が可能となる。
図11は、第6実施形態による基地局無線通信装置1eと端末無線通信装置2eを備えた無線通信システムの構成を示したブロック図である。上記の実施形態と同じく、第6実施形態の無線通信システムもアレーアンテナが正面で対向する近距離無線通信を行う。第1実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、以下、異なる構成について説明する。基地局無線通信装置1eにおいて、アレーアンテナ14eは、複数のアンテナ素子15e−1、15e−2、…を備える。これらのアンテナ素子のうち、電力送信部10eに接続されるアンテナ素子15e−1、15e−3、…(以下、符号の枝番が奇数)は、垂直偏波を送受信する。また、情報送受信部12−1、12−2、…に接続されるアンテナ素子15e−2、15e−4、…(以下、符号の枝番が偶数)は、水平偏波を送受信する。これに対応するように、端末無線通信装置2eにおいて、アレーアンテナ24eは、複数のアンテナ素子25e−1、25e−2、…を備えており、これらのアンテナ素子のうち、電力受信部20eに接続されるアンテナ素子25e−1、25e−3、…(以下、符号の枝番が奇数)は、垂直偏波を送受信する。また、情報送受信部22−1、22−2、…に接続されるアンテナ素子25e−2、25e−4、…(以下、符号の枝番が偶数)は、水平偏波を送受信する。アンテナ素子25e−1、25e−2、…は、アンテナ素子15e−1、15e−2、…と正面で対向するように配置される。これにより、電力の送信は、垂直偏波で行われ、情報の送受信は、水平偏波で行われることになる。電力の送信と情報の送受信に使用される無線周波数は、同一でも異なっていてもよい。また、水平偏波と垂直偏波の関係は逆であってもよく、電力の送信と情報の送受信が交差する偏波が適用されていればよい。
なお、上記の構成では、異なる偏波にはそれぞれ個別のアンテナ素子を適用する例を示したが、アンテナ素子が偏波共用アンテナで構成されていても同様の動作を行うことが可能である。
2 端末無線通信装置
10 電力送信部
11 情報入出力部
12−1、12−2 情報送受信部
13−1、13−2 アンテナ共用器
14 アレーアンテナ
15−1、15−2 アンテナ
20 電力受信部
21 情報入出力部
22−1、22−2 情報送受信部
23−1、23−2 アンテナ共用器
24 アレーアンテナ
25−1、25−2 アンテナ
Claims (8)
- 情報の信号の送受信を行う基地局側アンテナと、
前記基地局側アンテナを通じて電力の信号を送信する電力送信部と、
を有する基地局無線通信装置と、
前記基地局側アンテナとの間で情報の信号の送受信を行う端末側アンテナと、
前記端末側アンテナを通じて前記電力の信号を受信する電力受信部と、
を有する端末無線通信装置と、
を備えることを特徴とする無線通信システム。 - 前記情報の信号の送受信は、前記基地局側アンテナ及び前記端末側アンテナのアンテナ素子を通じて行われ、
前記電力送信部は、前記アンテナ素子以外の前記基地局側アンテナの構造部材を通じて電力の信号を送信し、
前記電力受信部は、前記アンテナ素子以外の前記端末側アンテナの構造部材を通じて電力の信号を受信する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記基地局側アンテナ及び前記端末側アンテナは、平面アンテナであり、
前記アンテナ素子以外の前記基地局側アンテナの構造部材は、前記基地局側アンテナのグラウンド導体であり、
前記アンテナ素子以外の前記端末側アンテナの構造部材は、前記端末側アンテナのグラウンド導体であり、
前記基地局側アンテナのグラウンド導体面と、前記端末側アンテナのグラウンド導体面とが対向して配置される
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。 - 前記基地局側アンテナのグラウンド導体及び前記端末側アンテナのグラウンド導体は、それぞれ少なくとも2つ存在し、
基地局側の第1のグラウンド導体面は、端末側の第1のグラウンド導体面に対向して配置され、
基地局側の第2のグラウンド導体面は、端末側の第2のグラウンド導体面に対向して配置され、
前記電力送信部は、交流を出力する2つの出力端子を有し、
前記電力受信部は、交流が供給される2つの入力端子を有し、
前記電力送信部の第1の出力端子及び第2の出力端子は、それぞれ基地局側の前記第1のグラウンド導体及び前記第2のグラウンド導体に接続され、
前記電力受信部の第1の入力端子及び第2の入力端子は、それぞれ端末側の前記第1のグラウンド導体及び前記第2のグラウンド導体に接続される
ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。 - 前記基地局側アンテナ及び前記端末側アンテナは、平面アンテナであり、
前記基地局側アンテナのアンテナ素子面と、前記端末側アンテナのアンテナ素子面が対向して配置され、
前記情報の信号の送受信は、前記基地局側アンテナ及び前記端末側アンテナのアンテナ素子が用いて行われ、
前記電力送信部は、前記アンテナ素子を通じて電力の信号を送信し、
前記電力受信部は、前記アンテナ素子を通じて電力の信号を受信する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記基地局側アンテナのアンテナ素子及び前記端末側アンテナのアンテナ素子は、それぞれ少なくとも2つ存在し、
基地局側の第1のアンテナ素子面は、端末側の第1のアンテナ素子面に対向して配置され、
基地局側の第2のアンテナ素子面は、端末側の第2のアンテナ素子面に対向して配置され、
前記電力送信部は、交流を出力する2つの出力端子を有し、
前記電力受信部は、交流が供給される2つの入力端子を有し、
前記電力送信部の第1の出力端子及び第2の出力端子は、それぞれ基地局側の前記第1のアンテナ素子及び前記第2のアンテナ素子に接続され、
前記電力受信部の第1の入力端子及び第2の入力端子は、それぞれ端末側の前記第1のアンテナ素子及び前記第2のアンテナ素子に接続される
ことを特徴とする請求項5に記載の無線通信システム。 - 基地局側において前記情報を送受信する基地局側情報送受信部と、
端末側において前記情報を送受信する端末側情報送受信部と、
前記基地局側アンテナと前記電力送信部と前記基地局側情報送受信部に接続され、前記電力送信部が出力する電力の信号及び前記基地局側情報送受信部が出力する情報の信号を前記基地局側アンテナに出力し、前記基地局側アンテナが受信した信号を前記電力送信部と前記基地局側情報送受信部とに振り分けて出力する基地局側アンテナ共用器と、
前記端末側アンテナと前記電力受信部と前記端末側情報送受信部に接続され、前記端末側アンテナが受信した信号を前記電力受信部と前記基地局側情報送受信部とに振り分けて出力し、前記端末側情報送受信部が出力する信号を前記端末側アンテナに出力する端末側アンテナ共用器と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記基地局側アンテナ共用器及び前記端末側アンテナ共用器は、
前記情報の信号と前記電力の信号に異なる無線周波数が適用されている場合、前記異なる無線周波数を分波する無線周波数フィルタであり、前記情報の信号と前記電力の信号が時間を区切って送受信される場合、前記区切られた時間ごとに切り替えを行う時間切り替えスイッチであり、前記情報の信号と前記電力の信号に異なる偏波が適用されている場合、前記異なる偏波を分波する偏波フィルタである
ことを特徴とする請求項7に記載の無線通信システム。
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