JPH10288793A - 空間光変調素子 - Google Patents

空間光変調素子

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JPH10288793A
JPH10288793A JP9612497A JP9612497A JPH10288793A JP H10288793 A JPH10288793 A JP H10288793A JP 9612497 A JP9612497 A JP 9612497A JP 9612497 A JP9612497 A JP 9612497A JP H10288793 A JPH10288793 A JP H10288793A
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JP
Japan
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layer
light
dielectric mirror
cdte
photoconductor
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JP9612497A
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Inventor
Yasuhiro Tomita
康弘 富田
Narihiro Yoshida
成浩 吉田
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Hamamatsu Photonics KK
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Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導電体層と遮光層、及び遮光層と誘電体ミ
ラー層との間に良好な接合性を有する遮光層を提供す
る。 【解決手段】 入射した書込光によって情報が書き込ま
れる光導電体層3と、光導電体層の書込光が入射する側
の反対側に設けられ、書込光の入射方向と反対方向より
入射する読出光を反射する誘電体ミラー層5と、誘電体
ミラー層5の読出光が入射する側に設けられ、読出光を
光導電体層3に書き込まれた情報に応じて変調させる光
変調体層8と、を備えている空間光変調素子100にお
いて、光導電体層3と誘電体ミラー層5との間に、酸素
原子数比が2〜30%であり、所定の厚さ以上の酸化C
dTeの単層膜で構成され、且つ光導電体層3と誘電体
ミラー層5と直接接している遮光層4を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投射型液晶表示装
置等に用いられる光書込型の空間光変調素子に関する。
【0002】
【従来の技術】空間光変調素子は、プロジェクタ等の投
射型液晶表示装置の表示デバイスとして広く用いられて
いる。このような空間光変調素子は、光導電体層、遮光
層、誘電体ミラー層、光変調層を順に重ねた積層状の構
造になっており、書込光によって光導電体層に画像を投
影することにより、画像の明暗に対応した電圧を光変調
層に加えて、読出光を変調して外部に投射することで拡
大映像を得るものである。
【0003】ここで、遮光層は、読出光が光導電体層側
に入射するのを防ぐために十分な遮光性が必要である。
また、遮光層の抵抗率が低いと界面に電荷が発生し、光
導電体層の導電率変化を損失なく液晶に伝えることがで
きず、投射する拡大画像の解像度が劣化するため、高い
抵抗率も要求される。これらの観点より、従来は特許2
567078号公報等に記載のようにCdTe(テルル
化カドミウム)が遮光層として使用されていた。また、
特開平8ー76140号では、CdTeの抵抗率を更に
向上させるために、I族又はV族元素が添加されたCd
Teが遮光層として使用されていた。
【0004】しかし、CdTe(I族又はV族元素が添
加されたCdTeを含む)は、アモルファスシリコン等
が用いられている光導電体層や、SiO2及びTiO2
ラー層に対して、熱膨張係数の違いなどの理由により、
良好な接合性を有しておらず、接合不良や剥離が生じや
すかった。
【0005】このため、上記従来技術では、光導電体層
と遮光層の間に、接合性向上のために多層構造の接合層
が設けられていた。この接合層は、特許2567078
号公報においては、光導電体層から順に二酸化シリコン
層、酸素を豊富に含んだ二酸化シリコン層、酸素を豊富
に含んだテルル化カドミウム層を積層した構造になって
いる。また、特開平8ー76140号では、光導電体層
側から順に二酸化シリコン層、CdTeにI族元素が添
加されたO2リッチな層及びCdTeにI族元素が添加
された層が積層された構造になっている。また、上記特
開平8ー76140号では、遮光層と誘電体ミラー層と
の間にも、遮光層側から順にCdTeにI族元素が添加
された層、CdTeにI族元素が添加されたO2リッチ
な層及び二酸化シリコン層を積層した多層構造の接合層
が設けられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
においては、多層構造の接合層を製造するためにプロセ
スが複雑化し、素子の生産性及び歩留りを低下させると
いう問題があった。
【0007】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、光導電体層と遮光層、及び遮光層と誘電
体ミラー層との間に良好な接合性を有する遮光層を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の空間光変調素子は、入射した書込光によっ
て情報が書き込まれる光導電体層と、光導電体層の書込
光が入射する側と反対側に設けられ、書込光の入射方向
と反対方向より入射する読出光を反射する誘電体ミラー
層と、誘電体ミラー層の読出光が入射する側に設けら
れ、前読出光を光導電体層に書き込まれた情報に応じて
変調させる光変調体層と、を備えている空間光変調素子
において、光導電体層と誘電体ミラー層との間には、酸
化CdTe(酸化テルル化カドミウム)の単層膜で構成
され、且つ光導電体層と誘電体ミラー層と直接接してい
る遮光層が設けられていることを特徴としている。
【0009】本発明によれば、遮光層として酸化CdT
e用いているため、光導電体層及び誘電体ミラー層と遮
光層とが、直接接した状態で良好に接合する。これは、
酸化CdTeが、酸素濃度の増加に伴い優位配向性を消
失し、非晶質的な配向特性を示し、結晶構造がフレキシ
ブルな状態となるため、酸素濃度を調節することにより
相手材料に合せた熱膨張係数を得ることができるからで
ある。更に本発明によると、高抵抗の遮光層が得られ
る。これは、酸化CdTeのバンドギャップが、CdT
eと比較して広いことによる。また、本発明の空間光変
調素子の遮光層は、その単層膜の酸素原子数比が2〜3
0%であることを特徴としてもよい。
【0010】上記構成によると、更に良好な接合性及び
実用的な成膜速度を有する遮光層が得られる。すなわ
ち、酸化CdTe単層膜が、酸素原子数比が2%以上に
なると非晶質的な配向特性を顕著に示し、光導電体層と
して一般に用いられている水素化アモルファスシリコン
及びTiO2とSiO2の積層層から構成される誘電体ミ
ラー層との間に優れた接合性が得られる。一方、酸素原
子数比は30%以上になると酸化CdTeの成膜速度が
極端に低下するが、30%以下であれば実用的な成膜速
度が得られる。なお、単層膜の酸素原子数比が5〜15
%の範囲であれば、一層良好な接合性を有する遮光層が
得られるので、より好ましい。
【0011】更に、本発明の空間光変調素子は、単層膜
の厚さが、酸素原子数比に対して、横軸に酸化CdTe
の酸素原子数比(単位は%)をとり縦軸に酸化CdTe
の単層膜の厚さ(単位はμm)をとった座標系におい
て、座標 (0.0,0.9),(1.4,1.0),(4.3,1.2),(8.
6,1.7),(15.8,2.7),(24.8,6.9)で表される点を結
んだ曲線で示される厚さ以上であり、且つ20μm以下
であることを特徴としてもよい。
【0012】上記構成によると、遮光層を透過して書込
側の光導電体層を変調してしまう光の透過率は1.0%
以下となる。
【0013】更に、本発明の空間光変調素子は、遮光層
の結晶構造が、配向が消失している状態、あるいは非晶
質状態であることを特徴としてもよい。上記構成による
と、結晶構造がフレキシブルな状態となり、酸素濃度の
調節により相手材料に合せた熱膨張係数を得ることがで
きる。従って光導電体層あるいは誘電体ミラー層と遮光
層との間に、優れた接合性が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
添付図面に基づいて説明する。
【0015】図1は本実施形態による空間光変調素子の
断面構造図である。最初に図1を用いて本実施形態によ
る空間光変調素子100の構造について説明する。な
お、図中矢印10は書込光の入射方向、矢印20は読出
光の入射及び出射方向を示す。
【0016】ガラス基板1の、書込光が入射する入射面
と反対側の面には、第1の透明導電層2aが設けられて
いる。この第1の透明導電層2a上には、更にアモルフ
ァスシリコンの光導電層3が形成されている。この光導
電層3は、入射した書込光に応じて内部のインピーダン
スが変化するものである。光導電層3上には光導電層3
に書込光と反対の面から入射する読出光を遮る遮光層4
が形成されている。この遮光層4は、単層酸化CdTe
膜である。遮光層4上にはTiO2、SiO2から成る誘
電体ミラー層5が形成されている。更に誘電体ミラー層
5上には、液晶の配列を一定に保つために第1の配向層
6aが形成されている。
【0017】一方、空間光変調素子100の読出光が入
射する面にはガラス基板7が設けられ、ガラス基板7の
入射面と反対側の面には読出光を透過する第2の透明導
電膜2bが形成され、更に第2の配向層6bが形成され
ている。
【0018】また、第1及び第2の配向層6a、6bの
間には液晶が注入され、光変調層8を形成している。
【0019】ここで、本実施形態による遮光層4につい
てさらに詳細に説明する。本実施形態による酸化CdT
e単層膜の遮光層4は、酸素原子数比が約5〜15%で
あり、その厚さは後述する所定の厚さ以上である。従っ
て以下のような特性を有している。
【0020】まず、接合性について説明する。酸化Cd
Teにおいては、酸素原子数比が増大するとそれに伴っ
て結晶構造における優位配向性が消失する。図2は格子
間隔が一定であるかを調べるために、X線回折を行なっ
た結果を示すグラフである。X線回折では、格子間隔が
一定の場合、ブラッグ角2θがピークとなって現れるこ
とが知られている。図2(a)は、CdTe層(酸素原
子数比0%)のX線回折の結果であり、図2(b)は、
酸化CdTe層(酸素原子数比10%)のX線回折結果
である。酸素を含有していない図2(a)は、一定の角
度にピーク31がみられ、格子間隔が一定であることが
わかる。酸素を含む図2(b)は、一定のピークはみら
れず、格子間隔が定まっていないことがわかる。
【0021】図2(a)のように、格子間隔が一定の場
合は、熱膨張係数も一定となり、光導電層又は誘電体ミ
ラー層と接合の際、双方の格子間隔、熱膨張係数等の相
違のため十分な接合強度が得られない。一方、図2
(b)のように、格子間隔が定まっていない場合は、適
当に酸素原子数比を調整することにより相手材料に合わ
せて熱膨張係数等を調節することができる。酸化CdT
eは、酸素原子数比が約2%以上で優位配向性が無くな
り、非晶質的な配向特性を示す。そして特に酸化CdT
e中の酸素原子数比が5〜15%の場合に、空間光変調
素子の光導電体として一般に用いられる水素化アモルフ
ァスシリコン(a−Si:H)、及びTiO2、SiO2
の積層層からなる誘電体ミラー層5との熱膨張係数の整
合性がよく、優れた接合性を得ることができる。本実施
形態の遮光層4は、5〜15%であるので、優れた接合
性を有する。
【0022】一方、酸素濃度と成膜速度の関係について
は、酸化CdTe層中における酸素原子数比が30%を
越えると、酸化CdTeの形成速度は極端に低下する。
本実施形態の酸化CdTe膜は、酸素原子数比が15%
以下であるので実用的な成膜速度の範囲である。
【0023】次に、膜厚に関して説明する。空間光変調
素子において読出光は、理想的には遮光層で完全に遮光
されることが好ましい。図3は10%の酸化CdTe単
層膜の分光透過率特性を示したグラフである。このグラ
フより、約700nmより短い波長の光の透過率はほぼ
0%であるので、これらの光はこの膜ではほぼ100%
遮光されることが判る。しかし、実際には、プロジェク
タに空間光変調素子を使用する場合、空間光変調素子に
入射する読出光(波長400〜700nm)は非常に強
力であるため読出光の透過が僅かに生じる。その一部は
遮光層を透過して書込側の光導電層を変調してしまう。
特に酸化CdTeは酸素原子数比の増加によりバンドギ
ャップが広がるため、この透過現象が生じやすい。良好
な映像を得るにためには、この透過率は最大でも1%で
あり、好ましくはそれ以下である。
【0024】図4は、波長700nmの光に対する透過
率がそれぞれ1%,0.1%,0.01%である酸化C
dTe単層膜の、膜厚と酸素原子数比の関係を調べたグ
ラフである。曲線51,52,53はそれぞれ1%,
0.1%,0.01%に対応している。このグラフよ
り、酸素原子数比が増加するに従い、それぞれの透過率
において、その透過率を示す膜厚は厚くなることがわか
る。また曲線51,52,53を比較すると、同じ酸素
原子数比において透過率を低くするには膜厚を厚くすれ
ばよいことがわかる。
【0025】従って、最大でも1%であり、好ましくは
それ以下である透過率を得るためには、曲線51で示さ
れる厚さ以上の膜厚が必要であることがわかる。本実施
形態による遮光層4の膜厚は、それぞれの酸素原子数比
に対して曲線51で示されるよりも厚い膜厚である。よ
って、透過率は1%以下である。
【0026】更に、抵抗率について説明する。本実施形
態の遮光層である酸化CdTe膜は、カドミウム(C
d)、テルル(Te)、酸素(O)を含み、各元素の原
子数比により光学バンドギャップEgが変化する。図5
は、酸素を含まないCdTe試料A及びそれぞれ原子数
比の異なる酸化CdTe試料B〜Fについてバンドギャ
ップ及び抵抗率を測定した結果である。図5に示されて
いるように、酸素原子数比が高くなるとバンドギャップ
Egも大きくなり、また、これに伴って抵抗率も増大す
る。この図より、遮光層として好ましい1×109Ωc
m以上の抵抗率を得るには、酸素原子数比が試料BとC
の間の、約2%以上の値であることが必要なことがわか
る。本実施形態の遮光層は、酸素原子数比は約5%以上
であるので、抵抗率は約3×109Ωcm以上である。
【0027】次に、本実施形態による空間変調素子の動
作を図1を用いて説明する。空間光変調素子100の第
1及び第2の透明電極層2a、2b間には、常時一定の
バイアス電圧が加えられている。入射した書込光によ
り、光導電層3内に画像が投影されると、この画像の明
暗に応じて、光導電層3のインピーダンスが局部的に変
化する。このインピーダンスが低下した部分に対応する
光変調層8には電解が加わる。この結果、液晶の配列の
傾きが変わり、光変調層8には書込光に含まれる画像情
報に応じた映像が書き込まれる。一方読出光は、光変調
層8を経て誘電体ミラー層5で反射され、光変調層8を
再度通過して光変調層8に書き込まれた映像に対応して
偏光し、画像情報が書き込まれた投射光として空間光変
調素子100の外部へと出ていく。
【0028】以上説明した本実施形態による空間光変調
素子100を実際に製造した結果について図1を用いて
説明する。
【0029】まず、5mm厚のガラス(或はファイバー
オプチィクプレート:FOP)基板1上に透明導電膜2
であるITO(Indium-Tin-Oxide)をスパッタ法により約
1000オングストローム成膜した。この透明導電膜2
上に光導電層3として水素化アモルファスシリコンを3
〜30μm形成した。更に、光導電層3が堆積されたガ
ラス基板1をスパッタ装置にセットし、遮光層4である
酸化CdTeを堆積する。具体的にはスパッタ装置の真
空チャンバ内を高真空排気した後、チャンバ内の真空度
が8mTorr程度になるようにスパッタガスであるア
ルゴン(Ar)ガスを導入し、次いで約8.1mTor
r程度になるように酸素(O2)ガスを導入し、その雰
囲気内で高純度CdTeスパッタターゲット(6N)を
0.5時間スパッタした。このようにして酸素原子数比
が約10%であり、膜の抵抗率が約3×1010Ωcmで
ある酸化CdTe膜を形成した。
【0030】次に遮光層4上にTiO2、SiO2からな
る誘電体多層膜ミラー層5(厚さ〜1μm、総膜数〜2
4層)を電子ビーム蒸着法あるいはスパッタ法により形
成した。更に誘電体ミラー層5の上には、液晶を配向さ
せるための第1の配向層6(a)を形成した。この第1
の配向層6(a)は、PVA(ポリビニールアルコー
ル)コーティングした後、ラビングを施したものを用い
たが、ポリイミドをコーティングした後、ラビングを施
したもの、SiOを斜方蒸着したもの、又はLB膜等で
もよい。
【0031】一方、上記ガラス基板1とは別に、厚さ5
mmのガラス基板7に第2の透明導電膜2(b)と第2
の配向層6(b)を順次形成した。そしてガラス基板1
とガラス基板7とをシール材及びスペーサを介して張り
合わせ(間隔約8μm)、両基板間に液晶8を注入し、
プロセスを終了した。
【0032】上記方法で作製された光変調素子100に
おいて、光導電層3と遮光層4の接合状態は良好であ
り、光導電層3からの遮光層4の膜の剥がれは全く生じ
なかった。また、遮光層4と誘電体ミラー層5の間でも
接合力は強く、膜の剥がれは生じなかった。
【0033】以上の通り本実施形態によると、遮光層は
光導電層及び誘電体ミラー層との間に良好な接合性を有
し、各膜間で膜剥がれが生じない。よって光導電層及び
誘電体ミラー層と遮光層との間に接合層が不要であり、
この接合層の製造に関わるプロセスを省くことができ
る。従って製造プロセスの生産性、再現性を向上ができ
る。
【0034】また、酸化CdTeを空間光変調素子の遮
光層に用いているが、酸素原子(VI族)とテルル原子
(VI族)は、同族であるため、特開平8ー76140
号のようにI族、V族元素を添加した場合と異なり、バ
ンドギャップ内に捕獲準位を形成することが非常に少な
い。その結果、捕獲キャリアによる不均一な電界分布、
焼き付き現象は生じずに、従来技術と同等又はそれ以上
の高抵抗率を得ることができる。
【0035】また、遮光層の厚さは、遮光層に対する光
の透過率が1%以下であるので、遮光層を透過して書込
側の光導電体層を変調してしまう光を十分に遮光するこ
とができ、強力な読出光を用いるプロジェクタなどに使
用可能であり、高いコントラスト比を得ることができ
る。
【0036】また、製造プロセスにおいて、CdTeと
酸素を気相状態で反応させるため、均一な膜形成が可能
であり、また、製造プロセスが簡便で再現性に富む。
【0037】
【発明の効果】以上の通り本発明によると、遮光層とし
て酸化CdTe用いているため、結晶構造がフレキシブ
ルな状態であり、酸素濃度の調節により相手材料に合せ
た熱膨張係数を得ることができる。従って、光導電体層
あるいは誘電体ミラー層と遮光層との間に優れた接合強
度が得られる。
【0038】また、遮光層は、光の透過率が十分に小さ
くなるような厚さであるので、遮光層を透過して書込側
の光導電体層を変調してしまう光を十分に遮光すること
ができ、強力な読出光のプロジェクタなどに使用可能で
あり、高いコントラスト比を得ることができる。
【0039】更に、酸化CdTeは、酸素添加量の増加
に伴いバンドギャップが広がり、抵抗率が増加するの
で、高解像度の要請に即した抵抗値を有する遮光層が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る空間光変調素子の断面
構造図である。
【図2】X線回折を行なった結果の、ブラッグ角の存否
を示すグラフであり、(a)はCdTe膜(酸素原子数
比0%)の場合、(b)は酸化CdTe膜(酸素原子数
比10%)の場合を示す。
【図3】10%の酸化CdTe単層膜の分光透過率特性
を示したグラフである。
【図4】酸素原子数比に対して、透過率0.01%、
0.1%、1.0%である膜厚を示すグラフである。
【図5】酸化CdTe中の各元素の原子数比による酸化
CdTeのバンドギャップ及び抵抗率を示す図である。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2a…第1の透明導電膜、2b…第2
の透明導電膜、3…光導電層、4…遮光層、5…誘電体
ミラー層、6a…第1の配向層、6b…第2の配向層、
7…ガラス基板、8…光変調層、10…書込光の入射方
向、20…読出光の入出射方向、31…ピーク。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射した書込光によって情報が書き込ま
    れる光導電体層と、 該光導電体層の書込光が入射する側の反対側に設けら
    れ、前記書込光の入射方向と反対方向より入射する読出
    光を反射する誘電体ミラー層と、 該誘電体ミラー層の前記読出光が入射する側に設けら
    れ、前記読出光を前記光導電体層に書き込まれた情報に
    応じて変調させる光変調体層と、を備えている空間光変
    調素子において、 前記光導電体層と前記誘電体ミラー層との間には、酸化
    CdTe(酸化テルル化カドミウム)の単層膜で構成さ
    れ、且つ前記光導電体層と前記誘電体ミラー層と直接接
    している遮光層が設けられていることを特徴とする空間
    光変調素子。
  2. 【請求項2】 前記単層膜の酸素原子数比が、2〜30
    %であることを特徴とする請求項1に記載の空間光変調
    素子。
  3. 【請求項3】 前記単層膜の厚さが、酸素原子数比に対
    して、横軸に酸化CdTeの酸素原子数比(単位は%)
    をとり縦軸に酸化CdTeの単層膜の厚さ(単位はμ
    m)をとった座標系において、座標 (0.0,0.9),(1.
    4,1.0),(4.3,1.2),(8.6,1.7),(15.8,2.7),(24.
    8,6.9)で表される点を結んだ曲線で示される厚さ以上
    であり、且つ20μm以下であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の空間光変調素子。
  4. 【請求項4】 前記単層膜の結晶構造が、配向が消失し
    ている状態あるいは非晶質状態であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の空間光変調素子。
JP9612497A 1997-04-14 1997-04-14 空間光変調素子 Pending JPH10288793A (ja)

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