JPH10287704A - イソブテン重合方法 - Google Patents
イソブテン重合方法Info
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Abstract
応器系を用いた場合のイソブテン含有供給原料のカチオ
ン重合化によりポリイソブテンを製造する改良方法を提
供する。 【解決手段】 電子供与体を液体反応液体より高い位置
で反応器に導入し、例えば遊離の三フッ化ホウ素気体が
コンデンサーに達するのを防ぐことにより、コンデンサ
ー内での所望しないポリマーの生成を実質的に減少もし
くは完全に削除され、これにより分散指数が狭いポリマ
ー生成物の製造が可能となる。
Description
材触媒系並びに液体沸騰反応器系を用いた場合のイソブ
テン含有供給原料のカチオン重合化によりポリイソブテ
ンを製造する改良方法に関する。
なイソブテンもしくはC4ラフィネート流等の異性体混
合物中のイソブテンの重合化方法は、周知でありかつ先
行技術において広く開示されている。そのような触媒の
典型は、アルミニウム、鉄、チタン、錫、水銀並びにホ
ウ素のハロゲン化物である。これらの触媒は、随意に
水、アルコール、エーテル、有機酸、鉱酸並びにハロゲ
ン化アルキルなどの助触媒と組み合わせて使用し、触媒
活性を高めることができる。重合化反応は、液相におい
て、バッチ又は連続的に、−100℃〜+100℃の範
囲の温度で実施するのが典型的である。
の重合化過程における連鎖停止工程[chain termination
step]は、一般的に「最終[final] 」二重結合を生じさ
せ、結果として起きる機能化反応[functionalisation r
eaction]、例えばエポキシ化反応によって対応するエポ
キシドを生成する又は無水マレイン酸とのエン[ene]付
加反応によって対応するポリイソブテニルスクシネート
無水物を生成させることは公知である。しかし、停止工
程は、正確に制御されない場合、下記するような相対的
に反応性の低い内部位置、例えば1,2,2−3置換の
位置又はより望ましい位置、高い反応性の末端1,1−
2置換の位置(以後、末端ビニリデン基)ある最終二重
結合を結果として生じさせる; CH2=C(CH3)R 1,1−二置換 (CH3)2C=CHR 三置換 (CH3)2C=C(CH3)R 四置換 [Rは各々アルキル基]。
端ビニリデン基の数を最大にするような方法でイソブテ
ンを重合化し得る触媒を特定することにより、ポリイソ
ブテンの反応性を向上させることは、長い間の当業界に
おける研究の課題であった。今日まで、この課題を達成
するために特定された最も有効な触媒が三フッ化ホウ素
である。三フッ化ホウ素を用いた方法は、例えばUS-A-4
605808、US-A-5068490、DE-A-4033196並びにEP-A-06285
75に記載されている。例えば1種以上のアルコール又は
エーテル並びにこれらの複合体と複合した三フッ化ホウ
素よりなる、これらの刊行物における触媒系の全ては、
反応器に添加する前に生成させ得るもしくは反応器内の
現場で調製し得ることは注目すべきことである。
応器の1つは、沸騰液体系[boilingliquid system] で
ある。反応器は、一般的に液体重合化反応媒体及びこの
液体媒体の上方の蒸気空間[vapour space]を包含し、液
体媒体は炭化水素供給原料、生成したポリマー並びに触
媒からなり、重合化反応の発熱性により沸騰する。蒸気
空間は、凝縮し得る気体を含む。一般的に、これらの気
体は、コンデンサーにおいて液体の形態に凝縮する。こ
の型の反応器は、絶えず少なくとも1つのコンデンサー
を接続させ、反応温度及び圧力を制御する。このコンデ
ンサーは、普通反応器の頂部[top] 又は反応器の上に配
置させ、1本以上のパイプを介して反応器と接続する。
コンデンサーの主な目的は、反応器中で生成する気化し
たC4モノマーを液化させることである。液化したC4
モノマーを包含する凝縮物は、コンデンサーの底部にあ
るパイプ又はラインを介して反応器に戻すことができ
る。三フッ化ホウ素基材触媒を用いた場合にこの反応器
系により生じる主な不利益は、バルク[bulk]反応液体か
ら若干の三フッ化ホウ素気体が蒸気相に逃げ、反応器と
接続したコンデンサー(以後、「コンデンサー」とい
う)に達することである。これらのコンデンサーに達す
ると直ぐ、凝縮するイソブテン(及び存在する他の任意
のC4オレフィンモノマー)の少なくとも一部が触媒さ
れ、結果として所望されかつ反応器内で生成するポリマ
ーとは分子量が異なる、所望しないポリマーがコンデン
サー中で生成する。コンデンサー中で生成した所望しな
いポリマーは、通常は次に未反応の液化したC4モノマ
ーと一緒に反応器に戻され、反応器内で製造される所望
のポリマーと混合される。コンデンサー中で生成するポ
リマーと反応器内で生成するポリマーの分子量における
相違は、コンデンサーからの所望しないポリマーが無い
場合より、全反応器ポリマー生成物の分子量分散(以
後、「分散指数」という)を極めて広範囲なものにす
る。最終生成物の分散指数が広範囲になることは、生成
物の品質の不一致が生じる、例えば最終生成物の分子量
/粘度の相関関係が低くなる(即ち、最終生成物ポリマ
ーがコンデンサーからの混入ポリマーが無いものと比較
して、与えられた分子量に対してより高い粘度を有す
る)との理由から所望し得ない。
の水位より高い位置で反応器に導入し、例えば遊離した
三フッ化ホウ素気体がコンデンサーに達するのを防ぐこ
とにより、コンデンサー内での所望しないポリマーの生
成を実質的に減少もしくは完全に削除し、これにより分
散指数が狭いポリマー生成物の製造が可能となる。
したコンデンサーを備える反応器中の液相中における三
フッ化ホウ素を含む触媒の存在下でのイソブテンからな
る炭化水素供給原料の液相カチオン重合化過程中に生成
されるポリマーの分散指数の制御方法であって、前記方
法は、反応器中の液体の水位より高い位置で電子供与体
を導入してコンデンサー中でのイソブテンと遊離した三
フッ化ホウ素気体との反応を最小限に抑え、これにより
所望しないポリマーの形成を最小限に抑えることからな
るポリマーの分散指数の制御方法を提供する。
炭化水素供給原料は、純粋なイソブテンもしくはイソブ
テンを含むC4ラフィネート流とすることができる。炭
化水素供給原料中のイソブテンの量は、少なくとも10
重量%が適しており、少なくとも25重量%が好適であ
る。炭化水素供給原料は、随意に1種以上のアルカン又
はシクロアルカンを包含し得る。典型的な供給原料は、
蒸気分解法[steam cracking process]又は1,3−ブタ
ジエンの選択的分離後の液体触媒分解法[fluid-catalyt
ic cracking process]からのブタジエンラフィネート流
(以後、「ラフィネートI」)である。イソブテンの供
給源として用いる炭化水素供給原料は、主に触媒的分解
装置からのブタン及びブテン(以後、「製油所B−B」
という)からなる粗製油の精製過程で得られる炭化水素
流とすることができる。これらの供給原料の同定の一部
は、例えば「C4−炭化水素及び誘導体、資源、製造、
市場取引」、シュルツとホーマン [Schulze & Homann]
著、スプリンガーバーラグ[Springer-Verlag] 出版(19
89年)に見い出すことができる。全組成物の重量当たり
の適する組成を表1に示す。
存在する遊離した三フッ化ホウ素気体触媒とイソブテン
との接触を完全に抑制することが所望される。これは、
電子供与体をコンデンサーの表面にできるだけ均等に供
与体が分配するような量で反応器の液体の水位より高い
位置において導入し、コンデンサーに入る全ての遊離の
三フッ化ホウ素気体の作用を阻害することにより達成す
ることができる。従って、電子供与体を反応器の液体の
水位より高い位置において導入し、コンデンサーの表面
に分配させることができる。従って、電子供与体は、反
応器の液体の水位より高い任意の位置において、液体及
び/又は気化状態で1個以上のノズルを介して導入し、
コンデンサーの脆弱な部分、例えばその表面における電
子供与体の均一な分配を促進させ、これによりコンデン
サー及び接続するラインに入る三フッ化ホウ素の触媒活
性を最小限にすることができる。コンデンサーの脆弱な
部分に達する電子供与体の量を最大にする為に、電子供
与体を反応液体の水位より高い位置で十分な数のノズル
を通じて反応器に噴霧するのが好適である。ノズルは十
分に小さい開口部(口径)を有しているものが適してお
り、コンデンサーへ達する前に電子供与体の完全な気化
を促進させるもしくは反応体及び/又は生成物の蒸気が
反応混合物の上方に上昇することにより、小滴の全てを
コンデンサーに到達させるような大きさになるように、
電子供与体の小滴を制御する。電子供与体は、小滴及び
/又は蒸気の形態で、反応液体の水位より高い任意の位
置で反応器に導入するのが適している。本発明の特徴
は、反応器からの最終生成物の分散指数に対する悪影響
を及ぼす所望しないポリマーの形成を少なくともある程
度抑制する最小限の量で電子供与体を添加することであ
る。しかし、そのような所望しないポリマーの形成を実
質的に完全に阻害するためには、コンデンサー及び接続
するパイプで生じることが予期される遊離の三フッ化ホ
ウ素気体1モル当たり少なくとも2モルの電子供与体を
反応器の液体の水位より高い位置で反応器に添加する、
好ましくはコンデンサー及び接続するパイプで生じるこ
とが予期される遊離の三フッ化ホウ素気体1モル当たり
少なくとも3モルの電子供与体を反応器の液体の水位よ
り高い位置で反応器に添加する。電子供与体は、その小
滴及び/又は蒸気がコンデンサー及び接続するパイプに
達してそれらの表面を完全に被覆し、電子供与体自体が
コンデンサーに達する前に凝縮しかつ反応液体中に滴下
することがないようなノズルを通じて反応器に導入す
る。電子供与体が重合化反応に悪影響を有し、これを凝
縮物と一緒に反応器に戻す場合、この悪影響が許容し得
るような少量で電子供与体を用いることができる。
種以上のアルコール、中でも1〜20個の炭素原子を有
する第1又は第2アルコールが適しており、特にメタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプ
ロパノール、2−ブタノール、シクロヘキサノール、2
−メトキシエタノール等のエーテルアルコール;(b)
1種以上の直鎖−枝分かれ鎖又は環状エーテル、ヒドロ
カルビル基がエーテルと結合している1〜20個の炭素
原子を有するものが適しており、特にアルキル第3ブチ
ルエーテル、例えばメチル第3ブチルエーテル、エチル
第3ブチルエーテル、プロピル第3ブチルエーテル、ブ
チル第3ブチルエーテル、イソプロピル第3ブチルエー
テル又は第2ブチル−第3ブチルエーテル;(c)1種
以上のエステル、特に脂肪族エステル;(d)1種以上
の酸、特に酢酸並びにプロピオン酸等のカルボン酸;
(e)1種以上のアルデヒド;(f)1種以上のケト
ン;(g)1種以上のアミン;(h)1種以上のアミ
ド;(i)1種以上のアミノアルコール等から選択され
る1種以上が包含される。
意の触媒系に適用することができる。適する触媒系は、
第1及び/又は第2アルコール及び/又はエーテル等の
複合体生成剤と複合した三フッ化ホウ素を含むものであ
る。特に適するアルコールは、1〜20個の炭素原子を
有するものであり、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノー
ル、第2ブタノールである。適するエーテルは、エーテ
ルと結合しているヒドロカルビル基が1〜20個の炭素
原子を有する直鎖、枝分かれ鎖又は環状エーテルであ
り、特にアルキル第3ブチルエーテル、例えばメチル第
3ブチルエーテル、エチル第3ブチルエーテル、プロピ
ル第3ブチルエーテル、ブチル第3ブチルエーテル、イ
ソプロピル第3ブチルエーテル又は第2ブチル−第3ブ
チルエーテルである。
又は現場で生成させることができ、後者の場合は三フッ
化ホウ素と複合体生成剤とを別々に反応器に添加する。
実施することができる。反応は、沸騰液体中において−
40℃から+40℃の範囲の温度で実施するのが適して
いる。反応器内の圧力は、0.2〜4.0バールの絶対
[absolute]圧力が好適である。
00の数平均分子量、更に好ましくは500〜3000
の数平均分子量を有するポリイソブテンの製造に適す
る。
合、分子量分布(重量平均分子量を数平均分子量で割
る)は1.2〜2.5の範囲であり、好ましくは1.0
〜2.0の範囲であり、更に好ましくは1.2〜1.5
の範囲である。
説明する。
使用し、三フッ化ホウ素とエタノールの1:1のモル比
の複合体を用いて、混合炭素−4ヒドロ異性化[carbon-
4 hydroisomerised]ラフィネートI供給原料(1,3−
ブタジエンの選択的分離後の蒸気分解装置から得られ、
約36〜42%の範囲のイソブテン及び約3〜5%の範
囲のブテン−1を含有する)の連続カチオン重合化を−
10℃の反応温度及び15〜25分の典型的な反応滞留
時間で実施した。反応器に添加する生成前の1:1の三
フッ化ホウ素/エタノール複合体の量は、ヒドロ異性化
ラフィネートI供給原料1トン当たり1.6〜1.9k
gの範囲である。これと同時に、エタノールを、コンデ
ンサーに通じる反応器オーバーヘッドラインに噴霧系を
介して添加した。添加したエタノールをコンデンサーの
有効な表面にできるだけ均等に分配させるために、噴霧
ノズルは十分に小さいものでありかつ噴霧ノズルの位置
は噴霧ノズルを介して反応器オーバーヘッドラインに適
切に添加されたエタノールのほとんど全てが気化し、コ
ンデンサーに送られると予測される程度にコンデンサー
から十分に離間させた。反応器に添加したエタノールの
量は、ヒドロ異性化ラフィネートI供給原料1トン当た
り0.45〜0.6kgの範囲である。
化し、これにより重合化反応を停止させるアルカリ塩基
[alkaline base] を粗製反応器生成物に添加した。反応
停止に続いて、粗製不活化生成物を水洗浄により洗浄
し、不活化三フッ化ホウ素触媒残留物及び過剰のアルカ
リ塩基残留物を除去した。最後に、粗製生成物を蒸留
し、軽いポリマーを除去した。上記の反応条件で調製さ
れたポリマー生成物に対して、幾つかの典型的数平均分
子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)(蒸気圧浸透
圧法[vapour pressure osmometry] によってキャリブレ
ーションしたポリイソブテン標準を用いたガスクロマト
グラフィーにより決定)が得られ、これらを表2に示
す。
し、三フッ化ホウ素とエタノールの1:1のモル比の複
合体を用いて、混合炭素−4ヒドロ異性化[carbon-4 hy
droisomerised]ラフィネートI供給原料(1,3−ブタ
ジエンの選択的分離後の蒸気分解装置から得られ、約3
6〜42%の範囲のイソブテン及び約3〜5%の範囲の
ブテン−1を含有する)の連続カチオン重合化を−10
℃の反応温度及び15〜25分の典型的な反応滞留時間
で実施した。反応器に添加する生成前の1:1の三フッ
化ホウ素/エタノール複合体の量は、ヒドロ異性化ラフ
ィネートI供給原料1トン当たり1.6〜1.9kgの
範囲である。これと同時に、反応液体の水位より高い位
置で噴霧系を介して適切に添加するのではなく、ヒドロ
異性化ラフィネートI供給原料を反応液体の水位より低
い位置で反応器に導入する前に、エタノールをヒドロ異
性化ラフィネートI供給原料に添加した。反応器に添加
したエタノールの量は、ヒドロ異性化ラフィネートI供
給原料1トン当たり0.45〜0.6kgの範囲であ
る。
条件において、重合化反応を停止させ、次いで処理し
た。上記の反応条件で調製したポリマー生成物に対し
て、幾つかの典型的数平均分子量(Mn)及び重量平均
分子量(Mw)(蒸気圧浸透圧法[vapour pressure osm
ometry] によってキャリブレーションしたポリイソブテ
ン標準を用いたガスクロマトグラフィーにより決定)が
得られ、これらを表3に示す。
コンデンサーの有効な表面を被覆し得るような方法で反
応液体の水位より高い位置で反応器に導入した場合に製
造された生成物に対して、生成物の分子量分布は顕著に
狭いものであることを示している。この発見は、図1
(a)並びに図1(b)において更に示されている。図
1(a)は、実施例1の試料の1つ、即ちエタノールを
反応液体の水位より高い位置で噴霧系を介して反応器に
添加した場合に調製されるポリマーに対するGPCトレ
ース[trace] である。図1(b)は、比較試験例1の試
料の1つ、即ち供給原料を反応液体の水位より低い位置
で反応器に導入する前に、エタノールを供給原料に添加
した場合に調製されるポリマーに対するGPCトレース
である。図1(a)において、Mnは966、Mwは1
392であり、Mw/Mn(生成物の分子量分布)は
1.44である。図1(b)において、Mnは925、
Mwは1635であり、Mw/Mn(生成物の分子量分
布)は1.77である。図1(b)において、エタノー
ルを供給原料に添加した場合に製造されるポリマー生成
物が「高分子量テール[high molecular weight tail]」
を有する[A]ことが示唆され、図1(a)において、
エタノールがコンデンサーの有効な表面を被覆し得るよ
うな方法で反応液体の水位より高い位置で反応器に導入
した場合に調製されるポリマー試料ではこの特徴は存在
しないことが示唆され得る。
使用し、三フッ化ホウ素とエタノールの1:1のモル比
の複合体を用いて、混合炭素−4ヒドロ異性化[carbon-
4 hydroisomerised]ラフィネートI供給原料(1,3−
ブタジエンの選択的分離後の蒸気分解装置から得られ、
約36〜42%の範囲のイソブテン及び約3〜5%の範
囲のブテン−1を含有する)の連続カチオン重合化を−
5℃の反応温度及び15〜25分の典型的な反応滞留時
間で実施した。反応器に添加する生成前の1:1の三フ
ッ化ホウ素/エタノール複合体の量は、ヒドロ異性化ラ
フィネートI供給原料1トン当たり1.5〜2.1kg
の範囲である。これと同時に、2−プロパノールを、コ
ンデンサーに通じる反応器オーバーヘッドラインに噴霧
系を介して添加した。添加した2−プロパノールをコン
デンサーの有効な表面にできるだけ均等に分配させるた
めに、噴霧ノズルは十分に小さいものでありかつ噴霧ノ
ズルの位置は噴霧ノズルを介して反応器オーバーヘッド
ラインに適切に添加された2−プロパノールのほとんど
全てが気化し、コンデンサーに送られると予測される程
度にコンデンサーから十分に離間させた。反応器に添加
した2−プロパノールの量は、ヒドロ異性化ラフィネー
トI供給原料1トン当たり0.24〜0.34kgの範
囲である。
化し、これにより重合化反応を停止させるアルカリ塩基
[alkaline base] を粗製反応器生成物に添加した。反応
停止に続いて、粗製不活化生成物を水洗浄により洗浄
し、不活化三フッ化ホウ素触媒残留物及び過剰のアルカ
リ塩基残留物を除去した。最後に、粗製生成物を蒸留
し、軽いポリマーを除去した。上記の反応条件で調製さ
れたポリマー生成物に対して、幾つかの典型的数平均分
子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)(蒸気圧浸透
圧法[vapour pressure osmometry] によってキャリブレ
ーションしたポリイソブテン標準を用いたガスクロマト
グラフィーにより決定)が得られ、これらを下記の表4
に示す。
し、三フッ化ホウ素とエタノールの1:1のモル比の複
合体を用いて、混合炭素−4ヒドロ異性化[carbon-4 hy
droisomerised]ラフィネートI供給原料(1,3−ブタ
ジエンの選択的分離後の蒸気分解装置から得られ、約3
6〜42%の範囲のイソブテン及び約3〜5%の範囲の
ブテン−1を含有する)の連続カチオン重合化を−5℃
の反応温度及び15〜25分の典型的な反応滞留時間で
実施した。反応器に添加する生成前の1:1の三フッ化
ホウ素/エタノール複合体の量は、ヒドロ異性化ラフィ
ネートI供給原料1トン当たり2.1kgである。これ
と同時に、反応液体の水位より高い位置で噴霧系を介し
て適切に添加するのではなく、ヒドロ異性化ラフィネー
トI供給原料を反応液体の水位より低い位置で反応器に
導入する前に、2−プロパノールをヒドロ異性化ラフィ
ネートI供給原料に添加した。反応器に添加した2−プ
ロパノールの量は、ヒドロ異性化ラフィネートI供給原
料1トン当たり0.4kgである。
条件において、重合化反応を停止させ、次いで処理し
た。上記の反応条件で調製したポリマー生成物に対し
て、幾つかの典型的数平均分子量(Mn)及び重量平均
分子量(Mw)(蒸気圧浸透圧法[vapour pressure osm
ometry] によってキャリブレーションしたポリイソブテ
ン標準を用いたガスクロマトグラフィーにより決定)が
得られ、これらを表5に示す。
噴霧がコンデンサーの有効な表面を被覆し得るような方
法で反応液体の水位より高い位置で反応器に導入した場
合に製造される生成物に対して、生成物の分子量分布は
顕著に狭くなることを示している。この発見は、図2
(a)並びに図2(b)において更に示されている。図
2(a)は、実施例1の試料の1つ、即ち2−プロパノ
ールが反応液体の水位より高い位置で噴霧系を介して反
応器に添加した場合に調製されるポリマーに対するGP
Cトレース[trace] である。図2(b)は、比較試験例
1の試料の1つ、即ち供給原料を反応液体の水位より低
い位置で反応器に導入する前に、2−プロパノールを供
給原料に添加した場合に調製されるポリマーに対するG
PCトレースである。図2(a)において、Mnは10
39、Mwは1517であり、Mw/Mn(生成物の分
子量分布)は1.46である。図2(b)において、M
nは1027、Mwは1981であり、Mw/Mnは
1.93である。図2(b)において、2−プロパノー
ルが供給原料に添加した場合に製造されるポリマー生成
物が「高分子量テール[high molecular weight tail]」
を有する[B]ことが示唆され、図1(a)において、
コンデンサーの有効な表面を被覆し得るような方法で2
−プロパノールを反応液体の水位より高い位置で反応器
に導入した場合に調製されるポリマー試料ではこの特徴
は存在しないことが示唆され得る。
使用し、三フッ化ホウ素とエタノールの1:1のモル比
の複合体を用いて、混合炭素−4ヒドロ異性化[carbon-
4 hydroisomerised]ラフィネートI供給原料(1,3−
ブタジエンの選択的分離後の蒸気分解装置から得られ、
約36〜42%の範囲のイソブテン及び約3〜5%の範
囲のブテン−1を含有する)の連続カチオン重合化を−
12℃の反応温度及び15〜25分の典型的な反応滞留
時間で実施した。反応器に添加する生成前の1:1の三
フッ化ホウ素/エタノール複合体の量は、ヒドロ異性化
ラフィネートI供給原料1トン当たり1.6kgであ
る。これと同時に、2−プロパノールを、コンデンサー
に通じる反応器オーバーヘッドラインに噴霧系を介して
添加した。添加した2−プロパノールをコンデンサーの
有効な表面にできるだけ均等に分配させるために、噴霧
ノズルは十分に小さいものでありかつ噴霧ノズルの位置
は噴霧ノズルを介して反応器オーバーヘッドラインに適
切に添加された2−プロパノールのほとんど全てが気化
し、コンデンサーに送られると予測される程度にコンデ
ンサーから十分に離間させた。反応器に添加した2−プ
ロパノールの量は、ヒドロ異性化ラフィネートI供給原
料1トン当たり0.34kgである。
化し、これにより重合化反応を停止させるアルカリ塩基
[alkaline base] を粗製反応器生成物に添加した。反応
停止に続いて、粗製不活化生成物を水洗浄により洗浄
し、不活化三フッ化ホウ素触媒残留物及び過剰のアルカ
リ塩基残留物を除去した。最後に、粗製生成物を蒸留し
て未反応C4モノマーを除去し、次いで減圧蒸留して軽
いポリマーを除去した。上記の反応条件で調製されたポ
リマー生成物に対して、幾つかの典型的数平均分子量
(Mn)及び重量平均分子量(Mw)(蒸気圧浸透圧法
[vapour pressure osmometry] によってキャリブレーシ
ョンしたポリイソブテン標準を用いたガスクロマトグラ
フィーにより決定)が得られ、これらを表6に示す。
し、三フッ化ホウ素とエタノールの1:1のモル比の複
合体を用いて、混合炭素−4ヒドロ異性化[carbon-4 hy
droisomerised]ラフィネートI供給原料(1,3−ブタ
ジエンの選択的分離後の蒸気分解装置から、約36〜4
2%の範囲のイソブテン及び約3〜5%の範囲のブテン
−1を含有)の連続カチオン重合化を−12℃の反応温
度及び15〜25分の典型的な反応滞留時間で実施し
た。反応器に添加する生成前の1:1の三フッ化ホウ素
/エタノール複合体の量は、ヒドロ異性化ラフィネート
I供給原料1トン当たり1.4kgである。これと同時
に、ヒドロ異性化ラフィネートI供給原料を反応液体の
水位より低い位置で反応器に導入する前に、2−プロパ
ノールをヒドロ異性化ラフィネートI供給原料に添加し
た。反応器に添加した2−プロパノールの量は、ヒドロ
異性化ラフィネートI供給原料1トン当たり0.3kg
である。
条件において、重合化反応を停止させ、次いで処理し
た。上記の反応条件で調製したポリマー生成物に対し
て、幾つかの典型的数平均分子量(Mn)及び重量平均
分子量(Mw)(蒸気圧浸透圧法[vapour pressure osm
ometry] によってキャリブレーションしたポリイソブテ
ン標準を用いたガスクロマトグラフィーにより決定)が
得られ、これらを表7に示す。
噴霧がコンデンサーの有効な表面を被覆し得るような方
法で反応液体の水位より高い位置で反応器に導入される
場合に製造された生成物に対して、生成物の分子量分布
は顕著に狭くなることを示している。この発見は、図3
(a)並びに図3(b)において更に示されている。図
3(a)は、実施例3の試料の1つ、即ち2−プロパノ
ールを反応液体の水位より高い位置で噴霧系を介して反
応器に添加した場合に調製されるポリマーに対するGP
Cトレース[trace] である。図3(b)は、比較試験例
1の試料の1つ、即ち供給原料を反応液体の水位より低
い位置で反応器に導入する前に、2−プロパノールを供
給原料に添加した場合に調製されるポリマーに対するG
PCトレースである。図3(a)において、Mnは15
58、Mwは2243であり、Mw/Mn(生成物の分
子量分布)は1.44である。図3(b)において、M
nは1520、Mwは2376であり、Mw/Mnは
1.56である。図2(b)において、2−プロパノー
ルが供給原料に添加される場合に製造されるポリマー生
成物が「高分子量テール[high molecular weight tai
l]」を有する[C]ことが示唆され、図3(a)におい
て、2−プロパノールがコンデンサーの有効な表面を被
覆し得るような方法で反応液体の水位より高い位置で反
応器に導入した場合に調製されるポリマー試料ではこの
特徴は存在しないことが示唆され得る。
分子量の分布を示すグラフである。
分子量の分布を示すグラフである。
分子量の分布を示すグラフである。
Claims (13)
- 【請求項1】 接続したコンデンサーを備える反応器中
の液相中における三フッ化ホウ素からなる触媒の存在下
でのイソブテンを含む炭化水素供給原料の液相カチオン
重合化過程中に生成されるポリマーの分散指数の制御方
法であって、前記方法は、反応器中の液体の水位より高
い位置で電子供与体を導入してコンデンサー中でのイソ
ブテンと遊離した三フッ化ホウ素気体との反応を最小限
に抑え、これにより所望しないポリマーの形成を最小限
に抑えることからなるポリマーの分散指数の制御方法。 - 【請求項2】 電子供与体を反応器の液体の水位より高
い位置で導入してコンデンサーの表面に分配させること
を特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 炭化水素供給原料中のイソブテンの量が
少なくとも10重量%であることを特徴とする請求項1
又は2記載の方法。 - 【請求項4】 電子供与体を1個以上のノズルを介して
反応器の液体の水位より高い位置で導入することを特徴
とする請求項1〜3のいずれか一つの項に記載の方法。 - 【請求項5】 コンデンサー及びこれに接続したパイプ
中で発生すると考えられる遊離した三フッ化ホウ素気体
1モル当たり少なくとも2モルの電子供与体を液体の水
位より高い位置で反応器に導入することを特徴とする請
求項1〜4のいずれか一つの項に記載の方法。 - 【請求項6】 コンデンサー及びこれに接続したパイプ
中で発生すると考えられる遊離した三フッ化ホウ素気体
1モル当たり少なくとも3モルの電子供与体を液体の水
位より高い位置で反応器に導入することを特徴とする請
求項1〜5のいずれか一つの項に記載の方法。 - 【請求項7】 電子供与体をノズルを通じて反応器に導
入し、電子供与体の小滴及び/又は蒸気を与えかつコン
デンサー及びこれに接続するパイプの表面を完全に被覆
し、コンデンサーに達する前に凝縮して反応液体中に滴
下させないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一
つの項に記載の方法。 - 【請求項8】 電子供与体が、アルコール、直鎖、枝分
かれ鎖又は環状エーテル、エステル、酸、アルデヒド、
ケトン、アミン、アミド及びアミノ−アルコールよりな
る群から選択される1種以上であることを特徴とする請
求項1〜7のいずれか一つの項に記載の方法。 - 【請求項9】 電子供与体が第1もしくは第2アルコー
ルであることを特徴とする請求項8記載の方法。 - 【請求項10】 電子供与体が、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール又は
2−ブタノールから選択されることを特徴とする請求項
9記載の方法。 - 【請求項11】 電子供与体がアルキル第3ブチルエー
テルであることを特徴とする請求項8記載の方法。 - 【請求項12】 電子供与体が、メチル第3ブチルエー
テル、エチル第3ブチルエーテル、プロピル第3ブチル
エーテル、ブチル第3ブチルエーテル、イソプロピル第
3ブチルエーテル又は第2ブチル−第3ブチルエーテル
から選択されることを特徴とする請求項11記載の方
法。 - 【請求項13】 生成されるポリマーが350〜500
0の範囲の数平均分子量を有することを特徴とする請求
項1〜12のいずれか一つの項に記載の方法。
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