JPH10287666A - 化合物crp−2504−1 - Google Patents

化合物crp−2504−1

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JPH10287666A
JPH10287666A JP9885497A JP9885497A JPH10287666A JP H10287666 A JPH10287666 A JP H10287666A JP 9885497 A JP9885497 A JP 9885497A JP 9885497 A JP9885497 A JP 9885497A JP H10287666 A JPH10287666 A JP H10287666A
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JP
Japan
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crp
compound
formula
methanol
medium
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JP9885497A
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English (en)
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Shinichiro Toki
眞一郎 土岐
Ritsuko Katahira
律子 片平
Mayumi Koda
真由美 好田
Keiko Ochiai
恵子 落合
Katsuhiko Ando
勝彦 安藤
Satoshi Nakanishi
聡 中西
Yuzuru Matsuda
譲 松田
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KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、抗菌活性を有する新規生理
活性物質を提供することにある。 【解決手段】 式(I) で表される化合物CRP−2504−1またはその薬理
学的に許容される塩を提供すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストレプトマイセ
ス(Streptomyces)属に属する微生物により生産され、
抗菌活性を有する新規化合物CRP−2504−1また
はその薬理学的に許容される塩に関する。
【0002】
【従来の技術】式(II)
【0003】
【化2】
【0004】で表されるアクチノピロンA、BおよびC
が、冠動脈拡張剤としてジャーナル・オブ・アンチバイ
オチックス誌(Journal of Antibitics)39巻、32
頁(1986年)および同誌39巻、38頁(1986
年)に報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、抗菌
活性を有する新規生理活性物質を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、式
(I)
【0007】
【化3】
【0008】で表される化合物CRP−2504−1ま
たはその薬理学的に許容される塩が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。式(I)で表される化合物CRP−2504−1の
うち、式(Ia)
【0010】
【化4】
【0011】で表される化合物を化合物CRP−250
4−1a、式(Ib)
【0012】
【化5】
【0013】で表される化合物を化合物CRP−250
4−1bと称する。化合物CRP−2504−1aおよ
びCRP−2504−1bの理化学的性質は以下に示す
とおりである。なお、理化学的性質は以下の機器により
測定した。 融点:柳本製作所 ミクロ融点測定装置 旋光度:日本分光 DIP-370 デジタル旋光計 紫外部吸収スペクトル:島津製作所 UV-2200 分光計 赤外部吸収スペクトル:日本電子 JIR-RFX3001 分光計 マススペクトル、高分解能マススペクトル:日本電子
JMS-HX110/100A質量分析計13 Cおよび1H NMR スペクトル:Bruker DMX500 核磁気
共鳴装置
【0014】CRP−2504−1aの理化学的データ 性状:黄色固体 融点:65.0-70.0℃ 旋光度:[α]D 25 = -5.7 (c=0.255, CH3OH) FABマススペクトル:m/z 417 M-H- 高分解能FABマススペクトル:m/z (実測値)417.2066
M-H-, Δ=0.0 mmu (理論値)417.2066(C27H29O4として) 分子式:C27H30O4 紫外部吸収スペクトル:λmax(CH3OH)nm(ε) 204 (2460
0), 258 (9200), 326(28000) ;1N HCl添加で変化な
し;1N NaOH添加で変化なし 赤外部吸収スペクトル:νmax(CHCl3)cm-1 3010, 2927,
1653, 1558, 1419, 1232, 997 溶解性:クロロホルム、メタノールに易溶、水に不溶1 H NMR スペクトル(500MHz, CDCl3, 10℃) :δppm
[積分、多重度、結合定数J (Hz)] 7.33(1H, d, J=1.
7), 7.18(1H, d, J=7.7), 7.11(1H, dd, J=1.7, 7.7),
6.57(1H, d, J=11.1), 6.49(1H, m), 6.40(1H, m), 6.3
7(1H, m), 6.27(1H, m), 6.26(1H, m), 6.02(1H, ddd,
J=5.4, 10.4, 17.1), 5.55(1H, t, J=7.4),5.40(1H, dd
d, J=1.5, 1.5, 5.4), 5.31(1H, ddd, J=1.5, 1.5, 17.
1), 5.18(1H, ddd, J=1.5, 1.5, 10.4), 3.38(2H, d, J
=7.4), 2.38(3H, s), 1.98(3H, s),1.97(3H, s), 1.82
(3H, s)13 C NMRスペクトル(125MHz, CDCl3, 10℃):δppm
(多重度) 165.6(s), 164.3(s), 156.9(s), 140.2(s),
139.3(d), 137.6(s), 137.3(d), 136.3(s), 135.2(d),
132.5(s), 131.3(d), 130.2(d), 129.0(d), 128.14
(d), 128.07(d), 127.9(d), 126.6(d), 125.8(d), 115.
0(t), 106.5(s), 98.3(s), 72.0(d), 30.6(t), 21.4
(q), 12.6(q), 9.7(q), 8.4(q) 呈色反応:アニスアルデヒド、硫酸、ヨウ素による各呈
色に陽性、ニンヒドリン反応に陰性
【0015】CRP−2504−1bの理化学的データ 性状:黄色固体 融点:139.0-141.5℃ 旋光度:[α]D 25 = +37.1 (c=0.06, CH3OH) FABマススペクトル: m/z 417 M-H- 高分解能FABマススペクトル: m/z(実測値)417.2061
M-H-, Δ=-0.5 mmu (理論値)417.2066(C27H29O4として) 分子式:C27H30O4 紫外部吸収スペクトル:λmax(CH3OH) nm (ε) 235 (11
100), 335 (49500), 349(56600), 366(36900);1N HCl
添加で変化なし;1N NaOH添加で変化なし 赤外部吸収スペクトル:νmax(CHCl3) cm-1 3018, 292
5, 1653, 1581, 1227, 995 溶解性:クロロホルム、メタノールに易溶、水に不溶1 H NMR スペクトル(500MHz, CDCl3, 10℃) :δppm
[積分、多重度、結合定数J (Hz)]7.46(1H, d, J=8.
0), 7.26( 1H, d, J=1.7), 7.10(1H, dd, J=1.7, 8.0),
6.90(1H, d, J=15.3), 6.75(1H, dd, J=15.3, 10.1),
6.44(1H, m), 6.44(1H, m), 6.31(1H, m), 6.30(1H,
m), 6.09(1H, ddd, J=5.0, 10.4, 17.2), 5.82(1H, s),
5.58(1H, t, J=7.1), 5.53(1H, ddd, J=1.4, 1.4, 5.
0), 5.36(1H, ddd, J=1.4, 1.4, 17.2), 5.24(1H, ddd,
J=1.4, 1.4, 10.4), 3.41(2H, d, J=7.1), 2.35(3H,
s), 2.00(3H, s), 1.99(3H, s), 1.89(3H,s)13 C NMRスペクトル(125MHz, CDCl3, 10℃):δppm
(多重度)165.2(s), 163.8(s), 157.1(s), 139.4(d),
138.9(s), 137.7(s), 137.0(d), 136.3(s), 133.7(d),
133.2(d), 132.6(s), 130.6(d), 128.8(d), 128.6(d),
128.1(d), 127.1(d), 125.7(d), 125.6(d), 115.2(t),
106.0(s), 98.2(s), 71.8(d), 30.6(t), 21.3(q), 12.7
(q), 9.7(q), 8.3(q) 呈色反応:アニスアルデヒド、硫酸、ヨウ素による各呈
色に陽性、ニンヒドリン反応に陰性
【0016】化合物CRP−2504−1の薬理学的に
許容される塩は、薬理学的に許容される金属塩、アンモ
ニウム塩、有機アミン付加塩等を包含する。金属塩とし
てはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカ
リ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ
土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられ、有
機アミン付加塩としてはモルホリン、ピペリジン等の付
加塩があげられる。
【0017】本発明は、化学的に等価な立体異性体が存
在し得るが、それら異性体またはそれら異性体のいかな
る比率の混合物も本発明に包含される。CRP−250
4−1aおよびCRP−2504−1bのようなピロン
環を有する化合物には、通常、式(Ia)で示されるよ
うなα−ピロン環と式(Ia’)で示されるようなγ−
ピロン環の間の互変異性が存在することが知られている
[テトラヘドロン(Tetrahedron)、49巻、3203
頁〜3210頁(1993年)]。
【0018】
【化6】
【0019】各種展開溶媒による化合物CRP−250
4−1の薄層クロマトグラフィーのRf値を第1表に示
す。検出はヨウ素反応もしくは253.7nmの紫外線照
射法により行った。
【0020】
【表1】
【0021】実験1 展開溶媒:クロロホルム:メタノール=9:1 薄層:キーゼルゲル60F254(メルク社製、Art.5628) 展開方法:室温、上昇法、15〜30分 実験2 展開溶媒:70%メタノール水 薄層:RP−18WF254s (メルク社製、Art.13124) 展開方法:室温、上昇法、15〜60分 化合物CRP−2504−1aおよび化合物CRP−2
504−1bの生物活性について、以下の試験例で説明
する。
【0022】試験例 各種細菌に対する抗菌活性 化合物CRP−2504−1aおよびCRP−2504
−1bの各種細菌に対する抗菌活性を測定した。抗菌活
性はバクトトリプトン(Difco社製)3g/L 、肉エキス
3g/L 、酵母エキス1g/L 、グルコース1g/L 、寒天1
6g/L の組成からなる培地(pH7.0)を用いて寒天希釈法
により測定した。各種細菌に対する最少生育阻害濃度
(MIC)で示した。
【0023】結果を第2表に示す。
【0024】
【表2】
【0025】次に化合物CRP−2504−1の製造法
について説明する。化合物CRP−2504−1は、ス
トレプトマイセス(Streptomyces)属に属し、CRP−
2504−1の生産能を有する微生物を培地に培養し、
培養物中にCRP−2504−1を生成蓄積させ、該培
養物からCRP−2504−1を採取することによって
製造される。
【0026】CRP−2504−1生産能を有する微生
物としては、ストレプトマイセス属に属し、CRP−2
504−1生産能を有する菌株であればいずれの菌株で
も用いることができる。また、これらの菌株を人工的変
異方法、たとえば紫外線照射、X線照射、変異誘発剤処
理などによって変異させた変異株あるいは自然的に変異
した変異株などでもCRP−2504−1生産能を有す
るものであれば本発明に用いることができる。
【0027】具体的に好適な例としては、ストレプトマ
イセス・エスピー(Streptomyces sp.)CRP−250
4株があげられる。CRP−2504株の形態、培養性
状および生理学的性質における特徴を記述する。本発明
者らは兵庫県の土壌より新たに分離したストレプトマイ
セス属に属する放線菌CRP−2504株が新規抗菌化
合物CRP−2504−1を生産することを見いだし
た。
【0028】上記の放線菌CRP−2504株の形態、
培養性状および生理的性質における特徴を記述する。 1.形態的性質 1)菌糸 気菌糸形成;有 気菌糸の分断および運動性;無 基生菌糸の分断および運動性;無 2)胞子 胞子の形成の有無および着生位置;気菌糸に形成 胞子嚢の形成の有無および着生位置;無 胞子柄上で連鎖する胞子の数;10個以上 多数の胞子が連鎖する場合の形状;直状 胞子の特徴 表面構造;平滑 形状および大きさ;短桿形、約0.7〜0.8μm × 0.7〜0.
9μm 運動性および鞭毛の存在;無 3)その他 厚膜胞子;無 集束菌糸;無 疑似胞子嚢;無 菌糸の分裂様式;単純分岐 2.培養的性質 CRP−2504株は、一般に使用されている合成およ
び天然培地で普通もしくは旺盛な生育を示し、基生菌糸
は薄黄色から茶色系を示す。培地により茶色系の可溶性
色素が産生されることもある。
【0029】各種培地上での28℃、14日間培養した
時の生育および色の特徴を下記に示す。なお、色の表示
は Color Harmony Manual (Container Corporation of
America)による色の分類に従った。 1)シュクロース・硝酸塩寒天培地 生育状態;普通 基生菌糸の色調;ナチュラル(3dc) 気菌糸の着生状態とその色調;普通、シルバーグレー(3
fe) 可溶性色素;無 2)グルコース・アスパラギン寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ダスティーイエロー(1 1/2gc)〜ライ
トゴールド(2ic) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ペールイエロー(1
ca)〜ナチュラル(3dc) 可溶性色素;無 3)グリセリン・アスパラギン寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;バンブー(2gc)〜ブライトゴールド(2n
c) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ライトアイボリー
(2ca)〜シルバーグレー(3fe) 可溶性色素;わずかに産生(黄色) 4)スターチ・無機塩寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ライトマスタードタン(2ie) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、シルバーグレー(3
fe) 可溶性色素;産生(黄土色) 5)チロシン寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ライトゴールド(2ic) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ライトアイボリー
(2ca)〜シルバーグレー(3fe) 可溶性色素;無 6)栄養寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;マスタードタン(2lg)〜マスタード(2l
e) 気菌糸の着生状態とその色調;ホワイト(a)〜アシェス
(5fe) 可溶性色素;無 7)イースト・麦芽寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ライトマスタードタン(2ie)〜ダーク
ブラウン(2pn) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、アシェス(5fe) 可溶性色素;無 8)オートミール寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ライトマスタードタン(2ie)〜マスタ
ードブラウン(2ni) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、アシェス(5fe) 可溶性色素;わずかに産生(黄土色) 3.生理学的性質 CRP−2504株の生理的諸性質を以下に示す。生育
温度範囲は14日間培養後、その他は28℃、2〜3週
間培養後の結果を記述する。
【0030】1)生育温度範囲;11℃〜38℃ 2)ゼラチンの液化;有 3)スターチの加水分解;有 4)脱脂粉乳の凝固およびペプトン化;無 5)メラニン様色素の生成 (1) ペプトン・イースト・鉄寒天培地;無 (2) チロシン寒天培地;無 6)炭素源の利用性 基礎培地はプリードハム・ゴトリーブ寒天培地を使用し
た。以下、+は利用することを、−は利用しないことを
示す。
【0031】 L-アラビノース;+ D-キシロース ;+ D-グルコース ;+ シュクロース ;− ラフィノース ;− D-フルクトース;− ラムノース ;+ イノシトール ;− D-マンニトール;− 4.化学分類的性質 1)菌体中のジアミノピメリン酸の光学異性体;LL型 2)菌体脂質の主要キノン;MK-9(H6),MK-9(H8) 以上、形態的には気中菌糸に胞子鎖が形成されること、
化学分類的には細胞壁がI型(LL−ジアミノピメリン
酸)であること、および、主要キノンがメナキノン9の
3飽和型(MK-9(H6))及び4飽和型(MK-9(H8))であることか
ら、本菌株は放線菌の中でストレプトマイセス属に分類
される。
【0032】従って、本菌株をストレプトマイセス・エ
スピーCRP−2504 (Streptomyces sp. CRP-2504)
と命名し、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究
所(日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号)に受託番
号FERM BP−5824として平成9年2月19日
付けで寄託した。本発明の化合物CRP−2504−1
生産菌の培養に際しては、放線菌の培養に用いられる通
常の培養方法が適用される。培地としては、菌の資化し
得る炭素源、窒素源、無機物などを程よく含有する培地
であれば天然培地、合成培地いずれでも使用可能であ
る。
【0033】炭素源としては、グルコース、澱粉、デキ
ストリン、マンノース、マルトースなどの炭水化物、ク
エン酸、リンゴ酸、酢酸、フマール酸などの有機酸、メ
タノール、エタノールなどのアルコール、メタン、エタ
ン、プロパン、n−パラフィンなどの炭化水素、グルタ
ミン酸などのアミノ酸あるいはグリセロールなどが用い
られる。
【0034】窒素源としては、塩化アンモニウム、硫酸
アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム
などのアンモニウム塩、アスパラギン酸、グルタミン、
シスチン、アラニンなどのアミノ酸、尿素、ペプトン、
肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、コーン・スチープ・
リカー、ソルブル・ベジタブル・プロテイン、ソイ・ビ
ーン・ミール、トリプトン、綿実粕、大豆カゼイン、カ
ザミノ酸、ファーマメディア、バクトトリプトンなどが
用いられる。
【0035】無機物としては、リン酸一水素カリウム、
リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン
酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸
マンガン、硫酸銅、硫酸コバルト、硫酸亜鉛、パントテ
ン酸カルシウム、モリブデン酸アンモニウム、硫酸アル
ミニウムカリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、塩
化コバルト、硫酸ニッケル、食塩などが用いられる。
【0036】その他必要に応じて、培地にビタミン、た
とえばサイアミンなど菌体の増殖あるいは化合物CRP
−2504−1の生産を促進する物質を加える。また、
用いる微生物が特定の物質を要求する場合は、該物質を
加える。培養は振盪培養法、通気撹拌培養法などによ
り、15〜35℃で、中性付近のpHで行われる。通常
3〜15日の培養によって、化合物CRP−2504−
1の蓄積は最大に達し、培養は完了する。
【0037】培養液中に蓄積した化合物CRP−250
4−1を培養液から単離採取するに際しては、培養液か
ら微生物代謝産物を採取する通常の方法が適用される。
すなわち、アセトン、メタノールなどの有機溶媒による
菌体成分の抽出、ろ過、遠心分離などによる菌体除去、
吸着樹脂、シリカゲル、シラナイズドシリカゲル、逆相
シリカゲル、アルミニウム、セルロース、ケイ藻土、ケ
イ酸マグネシウム、ゲルろ過剤、イオン交換樹脂などを
用いるカラムクロマトグラフィーもしくは薄層クロマト
グラフィーによる活性物質の吸脱着処理、適当な溶媒系
による分配などによって化合物CRP−2504−1は
単離される。
【0038】上記精製工程中の化合物CRP−2504
−1の検出は、蛍光剤入りシリカゲル(キーゲルゼルF
254 、メルク社製)を用いた薄層クロマトグラフィー、
ついでヨウ素反応または253.7nmの紫外線照射法に
より行うことができる。以下に本発明の実施例を示す。
【0039】
【実施例】
実施例 ストレプトマイセス・エスピー(Streptomyces
sp.)CRP−2504株による化合物CRP−250
4−1aおよびCRP−2504−1bの製造 種菌として、ストレプトマイセス・エスピー(Streptom
yces sp.)CRP−2504株を用い、第一種培地とし
てグルコース10g/L 、可溶性デンプン10g/L 、バク
トトリプトン5g/L 、酵母エキス5g/L 、肉エキス5g/
L 、リン酸二水素カリウム5g/L 、硫酸マグネシウム・
7水和物0.5g/L 、リン酸マグネシウム・8水和物
0.5g/L (pH7.0)の組成からなる培地を用い
た。種菌1白金耳を太型試験管に入れた第一種培地10
mlに植菌し、28℃で5日間振盪培養した(第一種培
養)。
【0040】この第一種培養液5mlを300ml容三角フ
ラスコに入った50mlの第二種培地に植菌した。第二種
培地の組成は第一種培地の組成と同じである。第二種培
養は28℃で2日間行った。得られた第二種培養液50
mlを2L 容三角フラスコに入った500mlの第三種培地
に植菌した。第三種培地の組成は第一種培地の組成と同
じである。第三種培養は28℃で3日間行った。
【0041】得られた第三種培養液500mlを30L 容
培養タンクに入った15L の主発酵培地に植菌した。主
発酵培地としては、可溶性デンプン40g/L 、ソイ・ビ
ーン・ミール10g/L 、コーン・スチープ・リカー5g/
L 、乾燥酵母5g/L 、リン酸二水素カリウム0.5g/L
、硫酸亜鉛・7水和物10mg/L、塩化コバルト・6水
和物1mg/L、硫酸ニッケル1mg/L、ダイアイオンHP−
20(三菱化成社製)10%容、リン酸マグネシウム・
8水和物0.5g/L を組成とする培地(pH7.0)を
用いた。この主発酵培養は28℃、通気量1vvm 、撹拌
回転数200rpmで4日間通気撹拌培養することにより
行った。
【0042】得られた主発酵培養液15L に濾過助剤
(ラヂオライト#600、昭和化学社製)を添加後、遠
心分離器(回転数:1,800rpm )を用いて分別し
た。分別した菌体に15L のメタノールを加え撹拌後ろ
過した。ろ液に6.4L の脱イオン水および214mlの
酢酸を添加し、1%酢酸を含む70%メタノール水を用
いて充填した2L のダイヤイオンHP−20カラム(三
菱化成社製)に通筒した。カラムを6L の80%メタノ
ール水溶液で洗浄後、6L のメタノールで溶出した。溶
出液を減圧下で濃縮乾固し、さらに少量のメタノールに
溶解し、ラヂオライト#600を少量添加した後、減圧
下で乾固した。得られた粉末をクロロホルム−メタノー
ル混液(100:1)で充填した1L のシリカゲルカラ
ム(メルク社製、Art.7738)の上端にのせ、3
L のクロロホルム−メタノール混液(100:1)およ
び6L のクロロホルム−メタノール混液(100:2)
で順次溶出した。溶出液を400mlずつ分取すると、C
RP−2504−1aおよびCRP−2504−1bは
フラクション番号11から22に溶出された。これらの
画分を集め、濃縮乾固すると黄色粉末が1.2g得られ
た。得られた粉末を100mg/ml の濃度となるようにメ
タノールに溶解し、0.5mlを逆相HPLCカラム(Y
MC SH−343−5AQ、YMC社製)に導入した
後、室温で0.1%の酢酸を含む65%アセトニトリル
水溶液で毎分10mlずつ溶出すると、CRP−2504
−1aおよびCRP−2504−1bは20分から23
分の間に溶出された。溶出液に等量の脱イオン水を添加
し、脱イオン水を用いて充填した20mlのダイヤイオン
HP−20(三菱化成社製)カラムに通筒後、60mlの
脱イオン水で洗浄し、メタノールで溶出した。以上の操
作を黄色粉末全量に対して行った。溶出液を減圧下で濃
縮、乾固し、400mgのCRP−2504−1aおよび
CRP−2504−1bの混合物の黄色粉末を得た。得
られたCRP−2504−1aおよびCRP−2504
−1bの混合物の黄色粉末を60mgとり、3mlのメタノ
ールに溶解後、0.5mlを逆相HPLCカラム(Cap
cell pak C18 UG120Å、20mm×25
0mm、資生堂社製)に導入した後、室温で0.1%の酢
酸を含む75%メタノール水溶液で毎分10mlずつ溶出
すると、CRP−2504−1aは40分から43分の
間に溶出され、CRP−2504−1bは43分から4
6分の間に溶出された。この操作を、得られたCRP−
2504−1aおよびCRP−2504−1bの混合物
の黄色粉末60mgについて行った。CRP−2504−
1aおよびCRP−2504−1bのそれぞれの溶出液
を集め、等量の脱イオン水を添加し、メタノールであら
かじめ洗浄したSep−Pak Plus(登録商標)
C18カートリッジ(ウォーターズ社製)に通筒後、3
mlの脱イオン水で洗浄し、3mlのメタノールで溶出し
た。溶出液をそれぞれ減圧下で濃縮乾固し、CRP−2
504−1aの黄色粉末を25.2mg、CRP−250
4−1bの黄色粉末を5.6mg得た。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、抗菌活性を有する化合
物CRP−2504−1またはその薬理学的に許容され
る塩を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 聡 東京都町田市中町3−9−11 (72)発明者 松田 譲 東京都小金井市貫井南町1−22−7

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 で表される化合物CRP−2504−1またはその薬理
    学的に許容される塩。
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