JPH09100290A - 新規物質gt35およびその製造法 - Google Patents

新規物質gt35およびその製造法

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JPH09100290A
JPH09100290A JP8163952A JP16395296A JPH09100290A JP H09100290 A JPH09100290 A JP H09100290A JP 8163952 A JP8163952 A JP 8163952A JP 16395296 A JP16395296 A JP 16395296A JP H09100290 A JPH09100290 A JP H09100290A
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culture
antifungal
medium
anticellular
streptomyces
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Application number
JP8163952A
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English (en)
Inventor
Isami Takahashi
勇美 高橋
Yasushi Nishiie
靖 西家
Yoichi Uosaki
洋一 宇於崎
Keiko Ochiai
恵子 落合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗真菌、抗細胞および免疫抑制活性を有し、
抗真菌、抗腫瘍および免疫抑制剤として有用な新規物質
GT35並びにその製造方法に関する。 【解決手段】 一般式(I)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗真菌、抗細胞およ
び免疫抑制活性を有し、抗真菌、抗腫瘍および免疫抑制
剤として有用な新規物質GT35およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】紫外部吸収スペクトル、赤外部吸収スペ
クトル、および分子量など、GT35と類似の理化学的
性質を有する物質としては、アクセノマイシンA、B、
D、F、およびX(Axenomycins A, B, D, F and
X)が知られている。アクセノマイシンBは、分子式C78
H126O30、分子量1542であることが報告されている[ジ
ャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー
(J. Amer. Chem. Soc.), 95, 2008-2011(197
3)]。アクセノマイシンAはアクセノマイシンBのケ
トン基が一か所還元されたもので、分子式 C78H
128O30、分子量1544、アクセノマイシンDは分子量157
4、アクセノマイシンXは分子量1558、アクセノマイシ
ンFの水酸基が一カ所硫酸エステル化されたものがアク
セノマイシンDであり、13C核磁気共鳴スペクトルから
アクセノマイシンDの炭素原子の総数は75個、種類別内
訳は、4級炭素11個、メチン炭素38個、メチレン炭素14
個、メチル炭素12個であると推定されている[ファイト
ケミストリー(Phytochemistry), 32, 613-622(199
3)]。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た抗真菌、抗細胞および免疫抑制活性を有する化合物を
提供することにある。さらに本発明は、その化合物を製
造する方法を提供することも目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは北海道の土
壌から分離した微生物(以下、GT35株という)を培
地に培養して得られる培養物中に抗真菌、抗細胞および
免疫抑制活性を有する物質が生産されることを見出し
た。この物質を単離、精製し、理化学的性質を調べた結
果、新規物質であることがわかり、一般式(I)で表さ
れる化合物をGT35と命名した。
【0005】本発明によれば、一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】で表される新規物質GT35が提供され
る。該化合物は、ストレプトマイセス属に属し、GT3
5を生産する能力を有する微生物を培地に培養し、培養
物中にGT35を生成蓄積させ、該培養物からGT35
を採取することによって得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】GT35の理化学的性質は以下に
示すとおりである。 GT35の理化学的性質 (1)性状:薄茶色の粉末 (2)融点:126〜129℃ (3)分子量:1494(ノミナル) (4)分子式:C7712228 (5)FABマススペクトル:m/z amu ポジティブモード(マトリックス:NBA);1517 (M+Na)
+, 1003, 371 ネガティブモード(マトリックス:NBA);1494 (M)- ,
1292, 1221, 1219, 979, 961, 758, 717, 688, 658, 6
30, 530, 514, 428, 417 (6)高分解能FABマススペクトル:m/z amu ポジティブモード(マトリックス:NBA); 測定値;1517.7971(M+Na)+ 7712228+Naとして
の計算値;1517.8020 ネガティブモード(マトリックス:NBA); 測定値;1494.8097(M)- 7712228としての計算
値;1494.8123 (7)紫外部吸収スペクトル:λmax(CH3OH) nm(
ε);333(2,200), 266(sh 8,900), 253(13,400), 248(1
3,600) (8)赤外部吸収スペクトル:νmax(KBr) cm-1;343
1, 2935, 1745, 1668, 1653, 1456, 1383, 1227, 1082,
1001 (9)核磁気共鳴スペクトル:13 C (125 MHz, CD3OD) δ ppm(多重度);208.69(s),
186.36(s), 186.31(s), 175.60(s), 168.71(s), 154.05
(d), 150.40(s), 149.90(s), 136.53(d), 133.60(s), 1
33.26(d), 133.04(s), 127.61(d), 125.30(d), 122.28
(d), 104.10(d),99.72(s), 96.59(d), 81.82(d), 80.73
(d), 79.51(d), 78.12(d), 76.47(d), 75.58(d), 75.36
(d), 75.30(d), 74.59(d), 74.50(d), 74.22(d), 72.86
(d), 71.91(d), 71.74(d), 71.21(s), 71.11(d), 69.69
(d), 68.67(d), 67.58(d), 65.70(d), 64.80(d), 63.73
(d), 60.62(d), 49.00(d), 46.27(t), 45.57(t), 45.09
(t), 43.41(d), 41.68(t), 40.96(t), 40.46(d), 38.77
(t), 38.69(t), 38.65(d),38.61(d), 38.49(t), 38.02
(t), 36.74(d), 36.26(t), 36.15(d), 33.87(t), 31.66
(t), 31.38(t), 28.6(t), 27.51(q), 23.07(t), 22.91
(t), 22.48(t), 18.5(q), 17.31(q), 16.31(q), 14.39
(q), 14.24(q), 13.84(q), 13.63(q), 11.46(q), 10.69
(q), 9.47(q), 4.90(q)1 H (500 MHz, CD3OD) δ ppm(積分、多重度、結合定数
Hz);8.07(1H, d, 8.1), 8.01(1H, d, 1.7), 7.78(1
H, dd, 8.1,1.7), 7.08(1H, dd, 15.8,7.0), 6.87(1H,
q, 1.5), 5.91(1H, dd, 15.8,1.3), 5.32(1H, dd, 10.
4,1.4), 4.99(1H,d, 3.8), 4.85(1H, d, 8.5), 4.58(1
H, d, 3.7), 4.57(1H, dd, 8.5,1.7), 4.43(1H, m), 4.
43(1H, m), 4.24(1H, m ), 4.03(1H, m), 4.00(1H, m),
3.86(1H,m), 3.86(1H, m), 3.82(1H, m), 3.79(1H,
m), 3.76(1H, m), 3.52(1H, m), 3.51(1H, m), 3.50(1
H, m), 3.48(1H, m), 3.41(1H, m), 3.37(1H, dd, 9.6,
1.7),3.30(1H, m), 2.78(1H, m), 2.77(1H, m), 2.72(1
H, dd, 8.4,2.1), 2.49(1H, m), 2.18(1H, m), 2.16(3
H, d, 1.5), 2.08(1H, m), 1.99(1H, m), 1.98(1H, m),
1.97(1H, m), 1.93(1H, m), 1.91(1H, dd, 14.3,4.2),
1.80(1H, m), 1.64(1H,m), 1.63(1H, m), 1.63(1H, m),
1.62(1H, m), 1.62(1H, m), 1.59(2H, m), 1.59(1H,
m), 1.57(2H, m), 1.56(1H, m), 1.55(1H, m), 1.55(1
H, m), 1.55(1H,m), 1.53(1H, m), 1.52(1H, m), 1.50
(2H, m), 1.50〜1.37(2H, m), 1.46(2H, m), 1.43(1H,
m), 1.42(1H, m), 1.40(1H, m), 1.38(1H, m), 1.38(2
H, m), 1.36(1H, m), 1.35(1H, m), 1.24(1H, m), 1.23
(3H, s), 1.19(3H, d, 6.8), 1.18(3H, d, 6.2), 1.10
(3H, d, 6.8), 1.06(3H, d, 6.8), 0.98(3H, t, 7.3),
0.94(3H, d, 7.1), 0.89(3H, d, 7.0), 0.86(3H, d, 6.
9), 0.83(3H, d, 6.8), 0.77(3H, d, 6.9) 。
【0009】以上のデータよりGT35は新規化合物で
あることが判明した。次にGT35の製造方法について
説明する。GT35は、ストレプトマイセス属に属し、
GT35を生産する能力を有する微生物を培地に培養
し、培養物中にGT35を生成蓄積させ、該培養物から
GT35を採取することによって得ることができる。
【0010】GT35の生産能を有する微生物として
は、ストレプトマイセス属に属し、GT35生産能を有
する菌株であればいずれの菌株でも用いることができ
る。またこれらの菌株を人工的変異方法、たとえば紫外
線照射、X線照射、変異誘起剤処理などによって変異さ
せて得られた変異株あるいは自然的に変異した変異株で
も、GT35を生産するものであれば本発明に用いるこ
とができる。具体的に好適な菌株としてストレプトマイ
セス・エスピー GT35( Streptomyces sp.GT35があ
げられる。
【0011】ストレプトマイセス・エスピー GT35
株の菌学的性質について以下に述べる。該性質の決定
は、国際ストレプトマイセス(Streptomyces)プロジェ
クト(ISP)がストレプトマイセス種の特性決定のため
に推奨する方法 [E.B.シェリング(E.B. Shirling)お
よび D.ゴットリーブ(D.Gottlieb)、インターナショ
ナル・ジャーナル・システマティック・バクテリオロジ
ー(Int. J. Syst. Bacteriol.)16, 313-340(1966)]
に従った。全細胞の加水分解物中のジアミノピメリン
酸の異性体はビー・ベッカー(B.Becker)らの方式 [ア
プライド・ミクロバイオロジー(Appl. Microbiol.)12,
421-423(1964)] によって確認した。形態学的検討
は、光学顕微鏡を用いて行い、特に胞子表面の形態につ
いては走査型電子顕微鏡を用いて行った。色の名称の割
当てには、カラー・ハーモニー・マニュアル(Color Ha
rmony Manual)[コンティナー・コーポレーション・オ
ブ・アメリカ(Container Corporation of America)、
第4版(1958)] を使用した。
【0012】GT35株の菌学的性質は次の通りであ
る。 1.形態学的性質 1)菌糸 気菌糸形成;有 気菌糸の分断および運動性;無 基生菌糸の分断および運動性;無 2)胞子 胞子の形成の有無および着生位置;気菌糸に形成 胞子嚢の形成の有無および着生位置;無 胞子柄上で連鎖する胞子の数;10個以上 多数の胞子が連鎖する場合の形状;螺旋状 胞子の特徴 表面構造;平滑 形状および大きさ;桿形、約0.5〜0.6μm ×0.8 〜0.9
μm 運動性および鞭毛の存在;無 3)その他 厚膜胞子;無 集束菌糸;無 疑似胞子嚢;無 菌糸の分裂様式;単純分枝 2.培養学的性質 GT35株は、一般に使用されている合成および天然培
地で普通もしくは旺盛な成育を示し、基生菌糸は黄色か
ら茶色系を示す。培地により茶色系統の可溶性色素が産
生されることもある。
【0013】各種培地上での28℃、14日間培養したとき
の生育および色の特徴を下記に示す。 1)シュクロース・硝酸塩寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ライトメイズ(2ea)〜ライトゴールド
(2ic) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a)〜カ
バートタン(2ge) 可溶性色素;産生(黄色) 2)グルコース・アスパラギン寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ライトシトロングレー(1ec) 気菌糸の着生状態とその色調;普通、ホワイト(a) 可溶性色素;無 3)グリセリン・アスパラギン寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ライトゴールド(2ic)〜マスタード(2l
e) 気菌糸の着生状態とその色調;普通、ホワイト(a) 可溶性色素;産生(黄土色) 4)スターチ・無機塩寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;カバートタン(2ge)〜マスタード(2le) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、シルバーグレー(3
fe)〜カバートブラウン(2li) 可溶性色素;産生(黄土色) 5)チロシン寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;バンブー(2gc)〜ダルゴールド(2ng) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a) 可溶性色素;産生(茶色) 6)栄養寒天培地 生育状態;普通 基生菌糸の色調;ライトゴールド(2ic) 気菌糸の着生状態とその色調;普通、ホワイト(a) 可溶性色素;無 7)イースト・麦芽寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ゴールド(2lc)〜マスタードゴールド
(2ne) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a)〜シ
ルバーグレー(3fe) 可溶性色素;産生(茶色) 8)オートミール寒天培地 生育状態;普通 基生菌糸の色調;ライトゴールド(2ic)〜マスタード(2l
e) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a)〜ラ
ンプブラック(p) 可溶性色素;産生(黄色) 3.生理学的性質 GT35株の生理学的諸性質を以下に示す。生育温度範
囲は14日後、その他は28℃、2〜3週間後の結果を記述す
る。
【0014】 1)生育温度範囲;5℃〜 41℃ 2)ゼラチンの液化;無 3)スターチの加水分解;有 4)脱脂粉乳の凝固およびペプトン化;無 5)メラニン様色素の生成 (1) ペプトン・イースト・鉄寒天培地;無 (2) チロシン寒天培地;有 6)炭素源の利用性 基礎培地はプリードハム・ゴトリーブ寒天培地を使用し
た。以下、+は利用することを、−は利用しないことを
示す。
【0015】 L-アラビノース ;− D-キシロース ;+ D-グルコース ;+ シュクロース ;+ ラフィノース ;+ D-フルクトース ;+ ラムノース ;− イノシトール ;+ D-マンニトール ;+ 4.化学分類学的性質 1)菌体中のジアミノピメリン酸の光学異性体;LL型 2)菌体脂質の主要キノン;MK-9(H6) 以上、形態学的には気中菌糸に胞子鎖が形成されるこ
と、化学分類学的には細胞壁がI型(LL−ジアミノピメ
リン酸、グリシン)であること、および、主要キノンが
メナキノン9の3飽和型(MK-9(H6))であることから、本
菌株は放線菌の中でストレプトマイセス属に分類され
る。
【0016】従って、本菌株をストレプトマイセス・エ
スピーGT35( Streptomyces sp.GT35) と命名し、平
成7年5月18日付けで工業技術院生命工学工業技術研
究所にFERM BP−5104として寄託した。本発
明のGT35の生産菌株の培養においては通常の放線菌
の培養法が一般に用いられる。培地としては放線菌が資
化可能な炭素源、窒素源、無機塩類および必要に応じて
その他微量成分を含む培地であれば合成培地または天然
培地いずれでもよい。
【0017】炭素源としてはグルコース、澱粉、デキス
トリン、マンノース、フラクトース、シュクロース、ラ
クトース、キシロース、マンニトール、糖蜜などがあげ
られこれらを単独または組合せて用いることができる。
さらに、菌の資化能によっては炭化水素、アルコール
類、有機酸などを用いてもよい。窒素源としては塩化ア
ンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝
酸ナトリウム、尿素、ペプトン、肉エキス、酵母エキ
ス、乾燥酵母、コーン・スチープ・リカー、大豆粉、カ
ザミノ酸などがあげられこれらを単独または組合せて用
いることができる。
【0018】無機塩類としては、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸
二水素カリウム、硫酸第一鉄、塩化カルシウム、硫酸マ
ンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅などがあげられこれらを単独
または組合せて用いることができる。微量成分として
は、ビオチン、サイアミン、ニコチン酸またはβ−アラ
ニンなどのビタミン類やグルタミン酸などのアミノ酸類
などがあげられこれらを単独または組合せて用いること
ができる。
【0019】培養法としては、液体培養法、特に深部攪
拌培養法が適している。培養は温度16〜37℃、好ましく
は 25〜32℃、pH 4〜10、好ましくは 6〜8 で行われ、
通常1〜7 日で終了し、目的物質GT35が培養液中お
よび菌体中に生成蓄積される。培地の pH 調整にはアン
モニア水や炭酸アンモニウム溶液などが用いられる。培
養物からGT35の単離精製は、微生物代謝生産物をそ
の培養物から単離精製するために常用される方法に従っ
て行われる。例えば培養物を濾過により培養濾液と菌体
に分け、菌体をクロロホルム、アセトンなどで抽出す
る。ついで、抽出液と培養濾液とを併せて、ポリスチレ
ン系吸着剤、例えばダイヤイオン HP20(三菱化成社
製)などに通塔して活性成分を吸着させ、ついで酢酸エ
チル、アセトン、メタノールなどで溶出する。溶出液を
濃縮し、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー、
高速液体クロマトグラフィーなどにより、GT35を得
る。なお、培養および精製操作中のGT35は、薄層ク
ロマトグラフィーまたは、高速液体クロマトグラフィー
により紫外部吸収を目安として追跡することができる。
【0020】次にGT35の生理活性について試験例で
説明する。 試験例1 細菌に対する抗菌試験 キャンディダ・アルビカンスに対する最小生育阻止濃度
を表1に示す。抗菌活性はバクトトリプトン(Difco 社
製)3 g /リットル 、肉エキス 3 g /リットル、酵母
エキス 1 g /リットル、グルコース 1 g /リットル、寒
天 16g /リットルの組成からなる培地(pH 7)を用いて
寒天希釈法により測定した。
【0021】
【表1】
【0022】第1表によれば、GT35は抗真菌活性を
示した。 試験例2 BALB3T3/H-ras 細胞に対する生育阻害試験 96穴マイクロタイタープレートに 10 %牛胎児血清およ
び 2 mM グルタミンを含む MEM培地(日本製薬社製;以
下、培地Aと称す)で 1.5× 104個 / ml に調製した H
eLaS3 細胞(ATCC HTB22)を0.1 mlずつ該プレートの各
穴に分注した。該プレートを炭酸ガスインキュベーター
内で 37 ℃、20時間培養後、これに培地Aにより適宜希
釈した試験化合物 0.1 ml ずつを各穴に加え、炭酸ガス
インキュベーター内で 37 ℃、1 時間培養した。培養終
了後培養上清を除去した後、細胞を染色する目的で 0.0
2 %ニュートラルレッドを含む培地Aを0.1 mlずつ各穴
に加え、37℃で 1時間炭酸ガスインキュベーター内で培
養した。培養終了後、培養上清を除去し、細胞を生理食
塩水で 1回洗浄した。ついで 0.001 N塩酸を含む 30 %
エタノールで色素を抽出した後、細胞の吸光度をマイク
ロプレートリーダーにより 550 nm の波長で測定した。
無処理細胞の吸光度と既知濃度の試験化合物で処理した
細胞の吸光度を比較することにより、細胞の増殖を 50
%阻害する試験化合物濃度(IC50)を算出した。その結
果を第2表に示す。
【0023】
【表2】
【0024】第2表によれば、GT35はBALB3T3/H-ra
s 細胞の生育を阻害した。 試験例3 マウスリンパ球混合反応におけるT細胞増殖
抑制試験 無菌的にAKRマウス [日本エス・エル・シー(株)]よ
り脾臓を摘出し、単細胞浮遊液とした。この浮遊液にマ
イトマイシンC(MMC)[協和発酵工業 (株)]を添加し(終
濃度50μg/ml)、37℃で30分間培養した。培養後、ハン
クスの平衡塩溶液(HBSS 、ギブコ社) 中に2.5%の牛胎児
血清(FCS、ギブコ社) を加えた溶液で3回洗浄を行な
い、1 ×107 細胞/mlに調製した。
【0025】96穴マイクロタイタープレートの各ウエル
にB10.BRマウス[ 日本エス・エル・シー(株)]のリン
パ節細胞浮遊液 50 μl (1.5 ×105 細胞を含有す
る)、AKRマウスの脾臓細胞浮遊液 50μl(5 x 105
細胞を含有する)および各試験濃度のGT35を含む培
養液 100μlを添加し、37℃の炭酸ガスインキュベータ
ー内で72時間培養した。尚、培養終了18時間前に[3H]-
チミジン1.0μCiを添加した。培養終了後、セルハーベ
スターで濾紙上に細胞を補集し、乾燥後トルエン系シン
チレーターを加え、液体シンチレーションカウンターで
細胞に取り込まれた[3H]-チミジンの放射能量を測定し
た(試験群)。
【0026】対照群としてGT35を含まない培養液を
添加し、以下上記と同様に培養を行い細胞に取り込まれ
た[3H]-チミジンの放射能量を測定した。T細胞増殖抑
制率は、次式に従って算出した。
【0027】
【数1】
【0028】GT35によるマウスリンパ球混合反応に
おけるT細胞増殖抑制試験結果を第3表に示す。
【0029】
【表3】
【0030】第3表によればGT35はマウスリンパ球
混合反応におけるT細胞増殖を抑制した。以下に本発明
の実施例を示す。
【0031】
【実施例】
実施例1 種菌としてストレプトマイセス・エスピーGT35株
(FERM BP-5104 )を用いる。該菌株を、バクトトリプ
トン(Difco 社製)5 g / リットル 、酵母エキス 5 g
/リットル、肉エキス 3 g /リットル、可溶性澱粉 10 g
/ リットル 、グルコース 10 g / リットル 、炭酸カ
ルシウム 5 g /リットルの組成からなる種培地(殺菌前
pH 7.2)300 mlを含む 2リットル容量の三角フラスコ
に植菌し、30℃で毎分200 回転の振盪培養を 72 時間行
い種培養液を得た。次いで、下記組成の発酵培地 15 リ
ットルを含む 30 リットル容量のジャーファーメンター
に該種培養液450 mlを移した後、28℃で毎分15リットル
の空気を通気し毎分300 回転で攪拌培養を行った。
【0032】発酵培地組成:可溶性澱粉 40 g / リット
ル 、大豆粉 10 g / リットル 、乾燥酵母 50 g / リッ
トル、 コーン・スチープ・リカー 5 g/ リットル, リン
酸二水素カリウム 0.5 g /リットル、硫酸亜鉛 10 mg/
リットル 、塩化コバルト 10mg/リットル、硫酸ニッケ
ル 10 mg/ リットル、リン酸マグネシウム0.5 g/リット
ル(殺菌前水酸化ナトリウムで pH 7.0 に調整) 培養中、培地の pH は特に制御しないで、106 時間培養
した。培養液から菌体を分離し、菌体にイソプロパノー
ル 10 リットルを添加し攪拌した後、濾液 15リットル
を得た。濾液を濃縮後、水で希釈しポリスチレン系吸着
ダイヤイオン HP20(2 リットル )のカラムに通塔して
活性物質を吸着させた。脱イオン水および 60 %メタノ
ールで不純物を溶出させた後、100%メタノールで活性物
質を溶出した。活性画分を濃縮し、シリカゲルカラム
(WKO GEL C-200,和光純薬社製)を用い、クロロホル
ム:酢酸エチル:メタノール(60:10:5 v/v)で展開し
た。溶出された活性画分を濃縮し、 分取高速液体クロマ
トグラフィー(YMC-Pack SH363YMC社製)を用い、80%
メタノールで展開した。活性画分を濃縮することにより
GT35の白色粉末 10 mgが得られた。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、抗真菌、抗細胞および
免疫抑制活性を有するGT35を提供することができ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 17/18 C12R 1:465)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 で表される新規物質GT35。
  2. 【請求項2】 ストレプトマイセス属に属し、GT35
    を生産する能力を有する微生物を培地に培養し、培養物
    中にGT35を生成蓄積させ、該培養物からGT35を
    採取することを特徴とするGT35の製造方法。
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