JPH09100290A - 新規物質gt35およびその製造法 - Google Patents
新規物質gt35およびその製造法Info
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- JPH09100290A JPH09100290A JP8163952A JP16395296A JPH09100290A JP H09100290 A JPH09100290 A JP H09100290A JP 8163952 A JP8163952 A JP 8163952A JP 16395296 A JP16395296 A JP 16395296A JP H09100290 A JPH09100290 A JP H09100290A
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- JP
- Japan
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- culture
- antifungal
- medium
- anticellular
- streptomyces
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 抗真菌、抗細胞および免疫抑制活性を有し、
抗真菌、抗腫瘍および免疫抑制剤として有用な新規物質
GT35並びにその製造方法に関する。 【解決手段】 一般式(I)
抗真菌、抗腫瘍および免疫抑制剤として有用な新規物質
GT35並びにその製造方法に関する。 【解決手段】 一般式(I)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗真菌、抗細胞およ
び免疫抑制活性を有し、抗真菌、抗腫瘍および免疫抑制
剤として有用な新規物質GT35およびその製造方法に
関する。
び免疫抑制活性を有し、抗真菌、抗腫瘍および免疫抑制
剤として有用な新規物質GT35およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】紫外部吸収スペクトル、赤外部吸収スペ
クトル、および分子量など、GT35と類似の理化学的
性質を有する物質としては、アクセノマイシンA、B、
D、F、およびX(Axenomycins A, B, D, F and
X)が知られている。アクセノマイシンBは、分子式C78
H126O30、分子量1542であることが報告されている[ジ
ャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー
(J. Amer. Chem. Soc.), 95, 2008-2011(197
3)]。アクセノマイシンAはアクセノマイシンBのケ
トン基が一か所還元されたもので、分子式 C78H
128O30、分子量1544、アクセノマイシンDは分子量157
4、アクセノマイシンXは分子量1558、アクセノマイシ
ンFの水酸基が一カ所硫酸エステル化されたものがアク
セノマイシンDであり、13C核磁気共鳴スペクトルから
アクセノマイシンDの炭素原子の総数は75個、種類別内
訳は、4級炭素11個、メチン炭素38個、メチレン炭素14
個、メチル炭素12個であると推定されている[ファイト
ケミストリー(Phytochemistry), 32, 613-622(199
3)]。
クトル、および分子量など、GT35と類似の理化学的
性質を有する物質としては、アクセノマイシンA、B、
D、F、およびX(Axenomycins A, B, D, F and
X)が知られている。アクセノマイシンBは、分子式C78
H126O30、分子量1542であることが報告されている[ジ
ャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー
(J. Amer. Chem. Soc.), 95, 2008-2011(197
3)]。アクセノマイシンAはアクセノマイシンBのケ
トン基が一か所還元されたもので、分子式 C78H
128O30、分子量1544、アクセノマイシンDは分子量157
4、アクセノマイシンXは分子量1558、アクセノマイシ
ンFの水酸基が一カ所硫酸エステル化されたものがアク
セノマイシンDであり、13C核磁気共鳴スペクトルから
アクセノマイシンDの炭素原子の総数は75個、種類別内
訳は、4級炭素11個、メチン炭素38個、メチレン炭素14
個、メチル炭素12個であると推定されている[ファイト
ケミストリー(Phytochemistry), 32, 613-622(199
3)]。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た抗真菌、抗細胞および免疫抑制活性を有する化合物を
提供することにある。さらに本発明は、その化合物を製
造する方法を提供することも目的とする。
た抗真菌、抗細胞および免疫抑制活性を有する化合物を
提供することにある。さらに本発明は、その化合物を製
造する方法を提供することも目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは北海道の土
壌から分離した微生物(以下、GT35株という)を培
地に培養して得られる培養物中に抗真菌、抗細胞および
免疫抑制活性を有する物質が生産されることを見出し
た。この物質を単離、精製し、理化学的性質を調べた結
果、新規物質であることがわかり、一般式(I)で表さ
れる化合物をGT35と命名した。
壌から分離した微生物(以下、GT35株という)を培
地に培養して得られる培養物中に抗真菌、抗細胞および
免疫抑制活性を有する物質が生産されることを見出し
た。この物質を単離、精製し、理化学的性質を調べた結
果、新規物質であることがわかり、一般式(I)で表さ
れる化合物をGT35と命名した。
【0005】本発明によれば、一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】で表される新規物質GT35が提供され
る。該化合物は、ストレプトマイセス属に属し、GT3
5を生産する能力を有する微生物を培地に培養し、培養
物中にGT35を生成蓄積させ、該培養物からGT35
を採取することによって得ることができる。
る。該化合物は、ストレプトマイセス属に属し、GT3
5を生産する能力を有する微生物を培地に培養し、培養
物中にGT35を生成蓄積させ、該培養物からGT35
を採取することによって得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】GT35の理化学的性質は以下に
示すとおりである。 GT35の理化学的性質 (1)性状:薄茶色の粉末 (2)融点:126〜129℃ (3)分子量:1494(ノミナル) (4)分子式:C77H122O28 (5)FABマススペクトル:m/z amu ポジティブモード(マトリックス:NBA);1517 (M+Na)
+, 1003, 371 ネガティブモード(マトリックス:NBA);1494 (M)- ,
1292, 1221, 1219, 979, 961, 758, 717, 688, 658, 6
30, 530, 514, 428, 417 (6)高分解能FABマススペクトル:m/z amu ポジティブモード(マトリックス:NBA); 測定値;1517.7971(M+Na)+ C77H122O28+Naとして
の計算値;1517.8020 ネガティブモード(マトリックス:NBA); 測定値;1494.8097(M)- C77H122O28としての計算
値;1494.8123 (7)紫外部吸収スペクトル:λmax(CH3OH) nm(
ε);333(2,200), 266(sh 8,900), 253(13,400), 248(1
3,600) (8)赤外部吸収スペクトル:νmax(KBr) cm-1;343
1, 2935, 1745, 1668, 1653, 1456, 1383, 1227, 1082,
1001 (9)核磁気共鳴スペクトル:13 C (125 MHz, CD3OD) δ ppm(多重度);208.69(s),
186.36(s), 186.31(s), 175.60(s), 168.71(s), 154.05
(d), 150.40(s), 149.90(s), 136.53(d), 133.60(s), 1
33.26(d), 133.04(s), 127.61(d), 125.30(d), 122.28
(d), 104.10(d),99.72(s), 96.59(d), 81.82(d), 80.73
(d), 79.51(d), 78.12(d), 76.47(d), 75.58(d), 75.36
(d), 75.30(d), 74.59(d), 74.50(d), 74.22(d), 72.86
(d), 71.91(d), 71.74(d), 71.21(s), 71.11(d), 69.69
(d), 68.67(d), 67.58(d), 65.70(d), 64.80(d), 63.73
(d), 60.62(d), 49.00(d), 46.27(t), 45.57(t), 45.09
(t), 43.41(d), 41.68(t), 40.96(t), 40.46(d), 38.77
(t), 38.69(t), 38.65(d),38.61(d), 38.49(t), 38.02
(t), 36.74(d), 36.26(t), 36.15(d), 33.87(t), 31.66
(t), 31.38(t), 28.6(t), 27.51(q), 23.07(t), 22.91
(t), 22.48(t), 18.5(q), 17.31(q), 16.31(q), 14.39
(q), 14.24(q), 13.84(q), 13.63(q), 11.46(q), 10.69
(q), 9.47(q), 4.90(q)1 H (500 MHz, CD3OD) δ ppm(積分、多重度、結合定数
Hz);8.07(1H, d, 8.1), 8.01(1H, d, 1.7), 7.78(1
H, dd, 8.1,1.7), 7.08(1H, dd, 15.8,7.0), 6.87(1H,
q, 1.5), 5.91(1H, dd, 15.8,1.3), 5.32(1H, dd, 10.
4,1.4), 4.99(1H,d, 3.8), 4.85(1H, d, 8.5), 4.58(1
H, d, 3.7), 4.57(1H, dd, 8.5,1.7), 4.43(1H, m), 4.
43(1H, m), 4.24(1H, m ), 4.03(1H, m), 4.00(1H, m),
3.86(1H,m), 3.86(1H, m), 3.82(1H, m), 3.79(1H,
m), 3.76(1H, m), 3.52(1H, m), 3.51(1H, m), 3.50(1
H, m), 3.48(1H, m), 3.41(1H, m), 3.37(1H, dd, 9.6,
1.7),3.30(1H, m), 2.78(1H, m), 2.77(1H, m), 2.72(1
H, dd, 8.4,2.1), 2.49(1H, m), 2.18(1H, m), 2.16(3
H, d, 1.5), 2.08(1H, m), 1.99(1H, m), 1.98(1H, m),
1.97(1H, m), 1.93(1H, m), 1.91(1H, dd, 14.3,4.2),
1.80(1H, m), 1.64(1H,m), 1.63(1H, m), 1.63(1H, m),
1.62(1H, m), 1.62(1H, m), 1.59(2H, m), 1.59(1H,
m), 1.57(2H, m), 1.56(1H, m), 1.55(1H, m), 1.55(1
H, m), 1.55(1H,m), 1.53(1H, m), 1.52(1H, m), 1.50
(2H, m), 1.50〜1.37(2H, m), 1.46(2H, m), 1.43(1H,
m), 1.42(1H, m), 1.40(1H, m), 1.38(1H, m), 1.38(2
H, m), 1.36(1H, m), 1.35(1H, m), 1.24(1H, m), 1.23
(3H, s), 1.19(3H, d, 6.8), 1.18(3H, d, 6.2), 1.10
(3H, d, 6.8), 1.06(3H, d, 6.8), 0.98(3H, t, 7.3),
0.94(3H, d, 7.1), 0.89(3H, d, 7.0), 0.86(3H, d, 6.
9), 0.83(3H, d, 6.8), 0.77(3H, d, 6.9) 。
示すとおりである。 GT35の理化学的性質 (1)性状:薄茶色の粉末 (2)融点:126〜129℃ (3)分子量:1494(ノミナル) (4)分子式:C77H122O28 (5)FABマススペクトル:m/z amu ポジティブモード(マトリックス:NBA);1517 (M+Na)
+, 1003, 371 ネガティブモード(マトリックス:NBA);1494 (M)- ,
1292, 1221, 1219, 979, 961, 758, 717, 688, 658, 6
30, 530, 514, 428, 417 (6)高分解能FABマススペクトル:m/z amu ポジティブモード(マトリックス:NBA); 測定値;1517.7971(M+Na)+ C77H122O28+Naとして
の計算値;1517.8020 ネガティブモード(マトリックス:NBA); 測定値;1494.8097(M)- C77H122O28としての計算
値;1494.8123 (7)紫外部吸収スペクトル:λmax(CH3OH) nm(
ε);333(2,200), 266(sh 8,900), 253(13,400), 248(1
3,600) (8)赤外部吸収スペクトル:νmax(KBr) cm-1;343
1, 2935, 1745, 1668, 1653, 1456, 1383, 1227, 1082,
1001 (9)核磁気共鳴スペクトル:13 C (125 MHz, CD3OD) δ ppm(多重度);208.69(s),
186.36(s), 186.31(s), 175.60(s), 168.71(s), 154.05
(d), 150.40(s), 149.90(s), 136.53(d), 133.60(s), 1
33.26(d), 133.04(s), 127.61(d), 125.30(d), 122.28
(d), 104.10(d),99.72(s), 96.59(d), 81.82(d), 80.73
(d), 79.51(d), 78.12(d), 76.47(d), 75.58(d), 75.36
(d), 75.30(d), 74.59(d), 74.50(d), 74.22(d), 72.86
(d), 71.91(d), 71.74(d), 71.21(s), 71.11(d), 69.69
(d), 68.67(d), 67.58(d), 65.70(d), 64.80(d), 63.73
(d), 60.62(d), 49.00(d), 46.27(t), 45.57(t), 45.09
(t), 43.41(d), 41.68(t), 40.96(t), 40.46(d), 38.77
(t), 38.69(t), 38.65(d),38.61(d), 38.49(t), 38.02
(t), 36.74(d), 36.26(t), 36.15(d), 33.87(t), 31.66
(t), 31.38(t), 28.6(t), 27.51(q), 23.07(t), 22.91
(t), 22.48(t), 18.5(q), 17.31(q), 16.31(q), 14.39
(q), 14.24(q), 13.84(q), 13.63(q), 11.46(q), 10.69
(q), 9.47(q), 4.90(q)1 H (500 MHz, CD3OD) δ ppm(積分、多重度、結合定数
Hz);8.07(1H, d, 8.1), 8.01(1H, d, 1.7), 7.78(1
H, dd, 8.1,1.7), 7.08(1H, dd, 15.8,7.0), 6.87(1H,
q, 1.5), 5.91(1H, dd, 15.8,1.3), 5.32(1H, dd, 10.
4,1.4), 4.99(1H,d, 3.8), 4.85(1H, d, 8.5), 4.58(1
H, d, 3.7), 4.57(1H, dd, 8.5,1.7), 4.43(1H, m), 4.
43(1H, m), 4.24(1H, m ), 4.03(1H, m), 4.00(1H, m),
3.86(1H,m), 3.86(1H, m), 3.82(1H, m), 3.79(1H,
m), 3.76(1H, m), 3.52(1H, m), 3.51(1H, m), 3.50(1
H, m), 3.48(1H, m), 3.41(1H, m), 3.37(1H, dd, 9.6,
1.7),3.30(1H, m), 2.78(1H, m), 2.77(1H, m), 2.72(1
H, dd, 8.4,2.1), 2.49(1H, m), 2.18(1H, m), 2.16(3
H, d, 1.5), 2.08(1H, m), 1.99(1H, m), 1.98(1H, m),
1.97(1H, m), 1.93(1H, m), 1.91(1H, dd, 14.3,4.2),
1.80(1H, m), 1.64(1H,m), 1.63(1H, m), 1.63(1H, m),
1.62(1H, m), 1.62(1H, m), 1.59(2H, m), 1.59(1H,
m), 1.57(2H, m), 1.56(1H, m), 1.55(1H, m), 1.55(1
H, m), 1.55(1H,m), 1.53(1H, m), 1.52(1H, m), 1.50
(2H, m), 1.50〜1.37(2H, m), 1.46(2H, m), 1.43(1H,
m), 1.42(1H, m), 1.40(1H, m), 1.38(1H, m), 1.38(2
H, m), 1.36(1H, m), 1.35(1H, m), 1.24(1H, m), 1.23
(3H, s), 1.19(3H, d, 6.8), 1.18(3H, d, 6.2), 1.10
(3H, d, 6.8), 1.06(3H, d, 6.8), 0.98(3H, t, 7.3),
0.94(3H, d, 7.1), 0.89(3H, d, 7.0), 0.86(3H, d, 6.
9), 0.83(3H, d, 6.8), 0.77(3H, d, 6.9) 。
【0009】以上のデータよりGT35は新規化合物で
あることが判明した。次にGT35の製造方法について
説明する。GT35は、ストレプトマイセス属に属し、
GT35を生産する能力を有する微生物を培地に培養
し、培養物中にGT35を生成蓄積させ、該培養物から
GT35を採取することによって得ることができる。
あることが判明した。次にGT35の製造方法について
説明する。GT35は、ストレプトマイセス属に属し、
GT35を生産する能力を有する微生物を培地に培養
し、培養物中にGT35を生成蓄積させ、該培養物から
GT35を採取することによって得ることができる。
【0010】GT35の生産能を有する微生物として
は、ストレプトマイセス属に属し、GT35生産能を有
する菌株であればいずれの菌株でも用いることができ
る。またこれらの菌株を人工的変異方法、たとえば紫外
線照射、X線照射、変異誘起剤処理などによって変異さ
せて得られた変異株あるいは自然的に変異した変異株で
も、GT35を生産するものであれば本発明に用いるこ
とができる。具体的に好適な菌株としてストレプトマイ
セス・エスピー GT35( Streptomyces sp.GT35があ
げられる。
は、ストレプトマイセス属に属し、GT35生産能を有
する菌株であればいずれの菌株でも用いることができ
る。またこれらの菌株を人工的変異方法、たとえば紫外
線照射、X線照射、変異誘起剤処理などによって変異さ
せて得られた変異株あるいは自然的に変異した変異株で
も、GT35を生産するものであれば本発明に用いるこ
とができる。具体的に好適な菌株としてストレプトマイ
セス・エスピー GT35( Streptomyces sp.GT35があ
げられる。
【0011】ストレプトマイセス・エスピー GT35
株の菌学的性質について以下に述べる。該性質の決定
は、国際ストレプトマイセス(Streptomyces)プロジェ
クト(ISP)がストレプトマイセス種の特性決定のため
に推奨する方法 [E.B.シェリング(E.B. Shirling)お
よび D.ゴットリーブ(D.Gottlieb)、インターナショ
ナル・ジャーナル・システマティック・バクテリオロジ
ー(Int. J. Syst. Bacteriol.)16, 313-340(1966)]
に従った。全細胞の加水分解物中のジアミノピメリン
酸の異性体はビー・ベッカー(B.Becker)らの方式 [ア
プライド・ミクロバイオロジー(Appl. Microbiol.)12,
421-423(1964)] によって確認した。形態学的検討
は、光学顕微鏡を用いて行い、特に胞子表面の形態につ
いては走査型電子顕微鏡を用いて行った。色の名称の割
当てには、カラー・ハーモニー・マニュアル(Color Ha
rmony Manual)[コンティナー・コーポレーション・オ
ブ・アメリカ(Container Corporation of America)、
第4版(1958)] を使用した。
株の菌学的性質について以下に述べる。該性質の決定
は、国際ストレプトマイセス(Streptomyces)プロジェ
クト(ISP)がストレプトマイセス種の特性決定のため
に推奨する方法 [E.B.シェリング(E.B. Shirling)お
よび D.ゴットリーブ(D.Gottlieb)、インターナショ
ナル・ジャーナル・システマティック・バクテリオロジ
ー(Int. J. Syst. Bacteriol.)16, 313-340(1966)]
に従った。全細胞の加水分解物中のジアミノピメリン
酸の異性体はビー・ベッカー(B.Becker)らの方式 [ア
プライド・ミクロバイオロジー(Appl. Microbiol.)12,
421-423(1964)] によって確認した。形態学的検討
は、光学顕微鏡を用いて行い、特に胞子表面の形態につ
いては走査型電子顕微鏡を用いて行った。色の名称の割
当てには、カラー・ハーモニー・マニュアル(Color Ha
rmony Manual)[コンティナー・コーポレーション・オ
ブ・アメリカ(Container Corporation of America)、
第4版(1958)] を使用した。
【0012】GT35株の菌学的性質は次の通りであ
る。 1.形態学的性質 1)菌糸 気菌糸形成;有 気菌糸の分断および運動性;無 基生菌糸の分断および運動性;無 2)胞子 胞子の形成の有無および着生位置;気菌糸に形成 胞子嚢の形成の有無および着生位置;無 胞子柄上で連鎖する胞子の数;10個以上 多数の胞子が連鎖する場合の形状;螺旋状 胞子の特徴 表面構造;平滑 形状および大きさ;桿形、約0.5〜0.6μm ×0.8 〜0.9
μm 運動性および鞭毛の存在;無 3)その他 厚膜胞子;無 集束菌糸;無 疑似胞子嚢;無 菌糸の分裂様式;単純分枝 2.培養学的性質 GT35株は、一般に使用されている合成および天然培
地で普通もしくは旺盛な成育を示し、基生菌糸は黄色か
ら茶色系を示す。培地により茶色系統の可溶性色素が産
生されることもある。
る。 1.形態学的性質 1)菌糸 気菌糸形成;有 気菌糸の分断および運動性;無 基生菌糸の分断および運動性;無 2)胞子 胞子の形成の有無および着生位置;気菌糸に形成 胞子嚢の形成の有無および着生位置;無 胞子柄上で連鎖する胞子の数;10個以上 多数の胞子が連鎖する場合の形状;螺旋状 胞子の特徴 表面構造;平滑 形状および大きさ;桿形、約0.5〜0.6μm ×0.8 〜0.9
μm 運動性および鞭毛の存在;無 3)その他 厚膜胞子;無 集束菌糸;無 疑似胞子嚢;無 菌糸の分裂様式;単純分枝 2.培養学的性質 GT35株は、一般に使用されている合成および天然培
地で普通もしくは旺盛な成育を示し、基生菌糸は黄色か
ら茶色系を示す。培地により茶色系統の可溶性色素が産
生されることもある。
【0013】各種培地上での28℃、14日間培養したとき
の生育および色の特徴を下記に示す。 1)シュクロース・硝酸塩寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ライトメイズ(2ea)〜ライトゴールド
(2ic) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a)〜カ
バートタン(2ge) 可溶性色素;産生(黄色) 2)グルコース・アスパラギン寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ライトシトロングレー(1ec) 気菌糸の着生状態とその色調;普通、ホワイト(a) 可溶性色素;無 3)グリセリン・アスパラギン寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ライトゴールド(2ic)〜マスタード(2l
e) 気菌糸の着生状態とその色調;普通、ホワイト(a) 可溶性色素;産生(黄土色) 4)スターチ・無機塩寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;カバートタン(2ge)〜マスタード(2le) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、シルバーグレー(3
fe)〜カバートブラウン(2li) 可溶性色素;産生(黄土色) 5)チロシン寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;バンブー(2gc)〜ダルゴールド(2ng) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a) 可溶性色素;産生(茶色) 6)栄養寒天培地 生育状態;普通 基生菌糸の色調;ライトゴールド(2ic) 気菌糸の着生状態とその色調;普通、ホワイト(a) 可溶性色素;無 7)イースト・麦芽寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ゴールド(2lc)〜マスタードゴールド
(2ne) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a)〜シ
ルバーグレー(3fe) 可溶性色素;産生(茶色) 8)オートミール寒天培地 生育状態;普通 基生菌糸の色調;ライトゴールド(2ic)〜マスタード(2l
e) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a)〜ラ
ンプブラック(p) 可溶性色素;産生(黄色) 3.生理学的性質 GT35株の生理学的諸性質を以下に示す。生育温度範
囲は14日後、その他は28℃、2〜3週間後の結果を記述す
る。
の生育および色の特徴を下記に示す。 1)シュクロース・硝酸塩寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ライトメイズ(2ea)〜ライトゴールド
(2ic) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a)〜カ
バートタン(2ge) 可溶性色素;産生(黄色) 2)グルコース・アスパラギン寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ライトシトロングレー(1ec) 気菌糸の着生状態とその色調;普通、ホワイト(a) 可溶性色素;無 3)グリセリン・アスパラギン寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ライトゴールド(2ic)〜マスタード(2l
e) 気菌糸の着生状態とその色調;普通、ホワイト(a) 可溶性色素;産生(黄土色) 4)スターチ・無機塩寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;カバートタン(2ge)〜マスタード(2le) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、シルバーグレー(3
fe)〜カバートブラウン(2li) 可溶性色素;産生(黄土色) 5)チロシン寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;バンブー(2gc)〜ダルゴールド(2ng) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a) 可溶性色素;産生(茶色) 6)栄養寒天培地 生育状態;普通 基生菌糸の色調;ライトゴールド(2ic) 気菌糸の着生状態とその色調;普通、ホワイト(a) 可溶性色素;無 7)イースト・麦芽寒天培地 生育状態;旺盛 基生菌糸の色調;ゴールド(2lc)〜マスタードゴールド
(2ne) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a)〜シ
ルバーグレー(3fe) 可溶性色素;産生(茶色) 8)オートミール寒天培地 生育状態;普通 基生菌糸の色調;ライトゴールド(2ic)〜マスタード(2l
e) 気菌糸の着生状態とその色調;旺盛、ホワイト(a)〜ラ
ンプブラック(p) 可溶性色素;産生(黄色) 3.生理学的性質 GT35株の生理学的諸性質を以下に示す。生育温度範
囲は14日後、その他は28℃、2〜3週間後の結果を記述す
る。
【0014】 1)生育温度範囲;5℃〜 41℃ 2)ゼラチンの液化;無 3)スターチの加水分解;有 4)脱脂粉乳の凝固およびペプトン化;無 5)メラニン様色素の生成 (1) ペプトン・イースト・鉄寒天培地;無 (2) チロシン寒天培地;有 6)炭素源の利用性 基礎培地はプリードハム・ゴトリーブ寒天培地を使用し
た。以下、+は利用することを、−は利用しないことを
示す。
た。以下、+は利用することを、−は利用しないことを
示す。
【0015】 L-アラビノース ;− D-キシロース ;+ D-グルコース ;+ シュクロース ;+ ラフィノース ;+ D-フルクトース ;+ ラムノース ;− イノシトール ;+ D-マンニトール ;+ 4.化学分類学的性質 1)菌体中のジアミノピメリン酸の光学異性体;LL型 2)菌体脂質の主要キノン;MK-9(H6) 以上、形態学的には気中菌糸に胞子鎖が形成されるこ
と、化学分類学的には細胞壁がI型(LL−ジアミノピメ
リン酸、グリシン)であること、および、主要キノンが
メナキノン9の3飽和型(MK-9(H6))であることから、本
菌株は放線菌の中でストレプトマイセス属に分類され
る。
と、化学分類学的には細胞壁がI型(LL−ジアミノピメ
リン酸、グリシン)であること、および、主要キノンが
メナキノン9の3飽和型(MK-9(H6))であることから、本
菌株は放線菌の中でストレプトマイセス属に分類され
る。
【0016】従って、本菌株をストレプトマイセス・エ
スピーGT35( Streptomyces sp.GT35) と命名し、平
成7年5月18日付けで工業技術院生命工学工業技術研
究所にFERM BP−5104として寄託した。本発
明のGT35の生産菌株の培養においては通常の放線菌
の培養法が一般に用いられる。培地としては放線菌が資
化可能な炭素源、窒素源、無機塩類および必要に応じて
その他微量成分を含む培地であれば合成培地または天然
培地いずれでもよい。
スピーGT35( Streptomyces sp.GT35) と命名し、平
成7年5月18日付けで工業技術院生命工学工業技術研
究所にFERM BP−5104として寄託した。本発
明のGT35の生産菌株の培養においては通常の放線菌
の培養法が一般に用いられる。培地としては放線菌が資
化可能な炭素源、窒素源、無機塩類および必要に応じて
その他微量成分を含む培地であれば合成培地または天然
培地いずれでもよい。
【0017】炭素源としてはグルコース、澱粉、デキス
トリン、マンノース、フラクトース、シュクロース、ラ
クトース、キシロース、マンニトール、糖蜜などがあげ
られこれらを単独または組合せて用いることができる。
さらに、菌の資化能によっては炭化水素、アルコール
類、有機酸などを用いてもよい。窒素源としては塩化ア
ンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝
酸ナトリウム、尿素、ペプトン、肉エキス、酵母エキ
ス、乾燥酵母、コーン・スチープ・リカー、大豆粉、カ
ザミノ酸などがあげられこれらを単独または組合せて用
いることができる。
トリン、マンノース、フラクトース、シュクロース、ラ
クトース、キシロース、マンニトール、糖蜜などがあげ
られこれらを単独または組合せて用いることができる。
さらに、菌の資化能によっては炭化水素、アルコール
類、有機酸などを用いてもよい。窒素源としては塩化ア
ンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝
酸ナトリウム、尿素、ペプトン、肉エキス、酵母エキ
ス、乾燥酵母、コーン・スチープ・リカー、大豆粉、カ
ザミノ酸などがあげられこれらを単独または組合せて用
いることができる。
【0018】無機塩類としては、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸
二水素カリウム、硫酸第一鉄、塩化カルシウム、硫酸マ
ンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅などがあげられこれらを単独
または組合せて用いることができる。微量成分として
は、ビオチン、サイアミン、ニコチン酸またはβ−アラ
ニンなどのビタミン類やグルタミン酸などのアミノ酸類
などがあげられこれらを単独または組合せて用いること
ができる。
カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸
二水素カリウム、硫酸第一鉄、塩化カルシウム、硫酸マ
ンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅などがあげられこれらを単独
または組合せて用いることができる。微量成分として
は、ビオチン、サイアミン、ニコチン酸またはβ−アラ
ニンなどのビタミン類やグルタミン酸などのアミノ酸類
などがあげられこれらを単独または組合せて用いること
ができる。
【0019】培養法としては、液体培養法、特に深部攪
拌培養法が適している。培養は温度16〜37℃、好ましく
は 25〜32℃、pH 4〜10、好ましくは 6〜8 で行われ、
通常1〜7 日で終了し、目的物質GT35が培養液中お
よび菌体中に生成蓄積される。培地の pH 調整にはアン
モニア水や炭酸アンモニウム溶液などが用いられる。培
養物からGT35の単離精製は、微生物代謝生産物をそ
の培養物から単離精製するために常用される方法に従っ
て行われる。例えば培養物を濾過により培養濾液と菌体
に分け、菌体をクロロホルム、アセトンなどで抽出す
る。ついで、抽出液と培養濾液とを併せて、ポリスチレ
ン系吸着剤、例えばダイヤイオン HP20(三菱化成社
製)などに通塔して活性成分を吸着させ、ついで酢酸エ
チル、アセトン、メタノールなどで溶出する。溶出液を
濃縮し、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー、
高速液体クロマトグラフィーなどにより、GT35を得
る。なお、培養および精製操作中のGT35は、薄層ク
ロマトグラフィーまたは、高速液体クロマトグラフィー
により紫外部吸収を目安として追跡することができる。
拌培養法が適している。培養は温度16〜37℃、好ましく
は 25〜32℃、pH 4〜10、好ましくは 6〜8 で行われ、
通常1〜7 日で終了し、目的物質GT35が培養液中お
よび菌体中に生成蓄積される。培地の pH 調整にはアン
モニア水や炭酸アンモニウム溶液などが用いられる。培
養物からGT35の単離精製は、微生物代謝生産物をそ
の培養物から単離精製するために常用される方法に従っ
て行われる。例えば培養物を濾過により培養濾液と菌体
に分け、菌体をクロロホルム、アセトンなどで抽出す
る。ついで、抽出液と培養濾液とを併せて、ポリスチレ
ン系吸着剤、例えばダイヤイオン HP20(三菱化成社
製)などに通塔して活性成分を吸着させ、ついで酢酸エ
チル、アセトン、メタノールなどで溶出する。溶出液を
濃縮し、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー、
高速液体クロマトグラフィーなどにより、GT35を得
る。なお、培養および精製操作中のGT35は、薄層ク
ロマトグラフィーまたは、高速液体クロマトグラフィー
により紫外部吸収を目安として追跡することができる。
【0020】次にGT35の生理活性について試験例で
説明する。 試験例1 細菌に対する抗菌試験 キャンディダ・アルビカンスに対する最小生育阻止濃度
を表1に示す。抗菌活性はバクトトリプトン(Difco 社
製)3 g /リットル 、肉エキス 3 g /リットル、酵母
エキス 1 g /リットル、グルコース 1 g /リットル、寒
天 16g /リットルの組成からなる培地(pH 7)を用いて
寒天希釈法により測定した。
説明する。 試験例1 細菌に対する抗菌試験 キャンディダ・アルビカンスに対する最小生育阻止濃度
を表1に示す。抗菌活性はバクトトリプトン(Difco 社
製)3 g /リットル 、肉エキス 3 g /リットル、酵母
エキス 1 g /リットル、グルコース 1 g /リットル、寒
天 16g /リットルの組成からなる培地(pH 7)を用いて
寒天希釈法により測定した。
【0021】
【表1】
【0022】第1表によれば、GT35は抗真菌活性を
示した。 試験例2 BALB3T3/H-ras 細胞に対する生育阻害試験 96穴マイクロタイタープレートに 10 %牛胎児血清およ
び 2 mM グルタミンを含む MEM培地(日本製薬社製;以
下、培地Aと称す)で 1.5× 104個 / ml に調製した H
eLaS3 細胞(ATCC HTB22)を0.1 mlずつ該プレートの各
穴に分注した。該プレートを炭酸ガスインキュベーター
内で 37 ℃、20時間培養後、これに培地Aにより適宜希
釈した試験化合物 0.1 ml ずつを各穴に加え、炭酸ガス
インキュベーター内で 37 ℃、1 時間培養した。培養終
了後培養上清を除去した後、細胞を染色する目的で 0.0
2 %ニュートラルレッドを含む培地Aを0.1 mlずつ各穴
に加え、37℃で 1時間炭酸ガスインキュベーター内で培
養した。培養終了後、培養上清を除去し、細胞を生理食
塩水で 1回洗浄した。ついで 0.001 N塩酸を含む 30 %
エタノールで色素を抽出した後、細胞の吸光度をマイク
ロプレートリーダーにより 550 nm の波長で測定した。
無処理細胞の吸光度と既知濃度の試験化合物で処理した
細胞の吸光度を比較することにより、細胞の増殖を 50
%阻害する試験化合物濃度(IC50)を算出した。その結
果を第2表に示す。
示した。 試験例2 BALB3T3/H-ras 細胞に対する生育阻害試験 96穴マイクロタイタープレートに 10 %牛胎児血清およ
び 2 mM グルタミンを含む MEM培地(日本製薬社製;以
下、培地Aと称す)で 1.5× 104個 / ml に調製した H
eLaS3 細胞(ATCC HTB22)を0.1 mlずつ該プレートの各
穴に分注した。該プレートを炭酸ガスインキュベーター
内で 37 ℃、20時間培養後、これに培地Aにより適宜希
釈した試験化合物 0.1 ml ずつを各穴に加え、炭酸ガス
インキュベーター内で 37 ℃、1 時間培養した。培養終
了後培養上清を除去した後、細胞を染色する目的で 0.0
2 %ニュートラルレッドを含む培地Aを0.1 mlずつ各穴
に加え、37℃で 1時間炭酸ガスインキュベーター内で培
養した。培養終了後、培養上清を除去し、細胞を生理食
塩水で 1回洗浄した。ついで 0.001 N塩酸を含む 30 %
エタノールで色素を抽出した後、細胞の吸光度をマイク
ロプレートリーダーにより 550 nm の波長で測定した。
無処理細胞の吸光度と既知濃度の試験化合物で処理した
細胞の吸光度を比較することにより、細胞の増殖を 50
%阻害する試験化合物濃度(IC50)を算出した。その結
果を第2表に示す。
【0023】
【表2】
【0024】第2表によれば、GT35はBALB3T3/H-ra
s 細胞の生育を阻害した。 試験例3 マウスリンパ球混合反応におけるT細胞増殖
抑制試験 無菌的にAKRマウス [日本エス・エル・シー(株)]よ
り脾臓を摘出し、単細胞浮遊液とした。この浮遊液にマ
イトマイシンC(MMC)[協和発酵工業 (株)]を添加し(終
濃度50μg/ml)、37℃で30分間培養した。培養後、ハン
クスの平衡塩溶液(HBSS 、ギブコ社) 中に2.5%の牛胎児
血清(FCS、ギブコ社) を加えた溶液で3回洗浄を行な
い、1 ×107 細胞/mlに調製した。
s 細胞の生育を阻害した。 試験例3 マウスリンパ球混合反応におけるT細胞増殖
抑制試験 無菌的にAKRマウス [日本エス・エル・シー(株)]よ
り脾臓を摘出し、単細胞浮遊液とした。この浮遊液にマ
イトマイシンC(MMC)[協和発酵工業 (株)]を添加し(終
濃度50μg/ml)、37℃で30分間培養した。培養後、ハン
クスの平衡塩溶液(HBSS 、ギブコ社) 中に2.5%の牛胎児
血清(FCS、ギブコ社) を加えた溶液で3回洗浄を行な
い、1 ×107 細胞/mlに調製した。
【0025】96穴マイクロタイタープレートの各ウエル
にB10.BRマウス[ 日本エス・エル・シー(株)]のリン
パ節細胞浮遊液 50 μl (1.5 ×105 細胞を含有す
る)、AKRマウスの脾臓細胞浮遊液 50μl(5 x 105
細胞を含有する)および各試験濃度のGT35を含む培
養液 100μlを添加し、37℃の炭酸ガスインキュベータ
ー内で72時間培養した。尚、培養終了18時間前に[3H]-
チミジン1.0μCiを添加した。培養終了後、セルハーベ
スターで濾紙上に細胞を補集し、乾燥後トルエン系シン
チレーターを加え、液体シンチレーションカウンターで
細胞に取り込まれた[3H]-チミジンの放射能量を測定し
た(試験群)。
にB10.BRマウス[ 日本エス・エル・シー(株)]のリン
パ節細胞浮遊液 50 μl (1.5 ×105 細胞を含有す
る)、AKRマウスの脾臓細胞浮遊液 50μl(5 x 105
細胞を含有する)および各試験濃度のGT35を含む培
養液 100μlを添加し、37℃の炭酸ガスインキュベータ
ー内で72時間培養した。尚、培養終了18時間前に[3H]-
チミジン1.0μCiを添加した。培養終了後、セルハーベ
スターで濾紙上に細胞を補集し、乾燥後トルエン系シン
チレーターを加え、液体シンチレーションカウンターで
細胞に取り込まれた[3H]-チミジンの放射能量を測定し
た(試験群)。
【0026】対照群としてGT35を含まない培養液を
添加し、以下上記と同様に培養を行い細胞に取り込まれ
た[3H]-チミジンの放射能量を測定した。T細胞増殖抑
制率は、次式に従って算出した。
添加し、以下上記と同様に培養を行い細胞に取り込まれ
た[3H]-チミジンの放射能量を測定した。T細胞増殖抑
制率は、次式に従って算出した。
【0027】
【数1】
【0028】GT35によるマウスリンパ球混合反応に
おけるT細胞増殖抑制試験結果を第3表に示す。
おけるT細胞増殖抑制試験結果を第3表に示す。
【0029】
【表3】
【0030】第3表によればGT35はマウスリンパ球
混合反応におけるT細胞増殖を抑制した。以下に本発明
の実施例を示す。
混合反応におけるT細胞増殖を抑制した。以下に本発明
の実施例を示す。
【0031】
実施例1 種菌としてストレプトマイセス・エスピーGT35株
(FERM BP-5104 )を用いる。該菌株を、バクトトリプ
トン(Difco 社製)5 g / リットル 、酵母エキス 5 g
/リットル、肉エキス 3 g /リットル、可溶性澱粉 10 g
/ リットル 、グルコース 10 g / リットル 、炭酸カ
ルシウム 5 g /リットルの組成からなる種培地(殺菌前
pH 7.2)300 mlを含む 2リットル容量の三角フラスコ
に植菌し、30℃で毎分200 回転の振盪培養を 72 時間行
い種培養液を得た。次いで、下記組成の発酵培地 15 リ
ットルを含む 30 リットル容量のジャーファーメンター
に該種培養液450 mlを移した後、28℃で毎分15リットル
の空気を通気し毎分300 回転で攪拌培養を行った。
(FERM BP-5104 )を用いる。該菌株を、バクトトリプ
トン(Difco 社製)5 g / リットル 、酵母エキス 5 g
/リットル、肉エキス 3 g /リットル、可溶性澱粉 10 g
/ リットル 、グルコース 10 g / リットル 、炭酸カ
ルシウム 5 g /リットルの組成からなる種培地(殺菌前
pH 7.2)300 mlを含む 2リットル容量の三角フラスコ
に植菌し、30℃で毎分200 回転の振盪培養を 72 時間行
い種培養液を得た。次いで、下記組成の発酵培地 15 リ
ットルを含む 30 リットル容量のジャーファーメンター
に該種培養液450 mlを移した後、28℃で毎分15リットル
の空気を通気し毎分300 回転で攪拌培養を行った。
【0032】発酵培地組成:可溶性澱粉 40 g / リット
ル 、大豆粉 10 g / リットル 、乾燥酵母 50 g / リッ
トル、 コーン・スチープ・リカー 5 g/ リットル, リン
酸二水素カリウム 0.5 g /リットル、硫酸亜鉛 10 mg/
リットル 、塩化コバルト 10mg/リットル、硫酸ニッケ
ル 10 mg/ リットル、リン酸マグネシウム0.5 g/リット
ル(殺菌前水酸化ナトリウムで pH 7.0 に調整) 培養中、培地の pH は特に制御しないで、106 時間培養
した。培養液から菌体を分離し、菌体にイソプロパノー
ル 10 リットルを添加し攪拌した後、濾液 15リットル
を得た。濾液を濃縮後、水で希釈しポリスチレン系吸着
ダイヤイオン HP20(2 リットル )のカラムに通塔して
活性物質を吸着させた。脱イオン水および 60 %メタノ
ールで不純物を溶出させた後、100%メタノールで活性物
質を溶出した。活性画分を濃縮し、シリカゲルカラム
(WKO GEL C-200,和光純薬社製)を用い、クロロホル
ム:酢酸エチル:メタノール(60:10:5 v/v)で展開し
た。溶出された活性画分を濃縮し、 分取高速液体クロマ
トグラフィー(YMC-Pack SH363YMC社製)を用い、80%
メタノールで展開した。活性画分を濃縮することにより
GT35の白色粉末 10 mgが得られた。
ル 、大豆粉 10 g / リットル 、乾燥酵母 50 g / リッ
トル、 コーン・スチープ・リカー 5 g/ リットル, リン
酸二水素カリウム 0.5 g /リットル、硫酸亜鉛 10 mg/
リットル 、塩化コバルト 10mg/リットル、硫酸ニッケ
ル 10 mg/ リットル、リン酸マグネシウム0.5 g/リット
ル(殺菌前水酸化ナトリウムで pH 7.0 に調整) 培養中、培地の pH は特に制御しないで、106 時間培養
した。培養液から菌体を分離し、菌体にイソプロパノー
ル 10 リットルを添加し攪拌した後、濾液 15リットル
を得た。濾液を濃縮後、水で希釈しポリスチレン系吸着
ダイヤイオン HP20(2 リットル )のカラムに通塔して
活性物質を吸着させた。脱イオン水および 60 %メタノ
ールで不純物を溶出させた後、100%メタノールで活性物
質を溶出した。活性画分を濃縮し、シリカゲルカラム
(WKO GEL C-200,和光純薬社製)を用い、クロロホル
ム:酢酸エチル:メタノール(60:10:5 v/v)で展開し
た。溶出された活性画分を濃縮し、 分取高速液体クロマ
トグラフィー(YMC-Pack SH363YMC社製)を用い、80%
メタノールで展開した。活性画分を濃縮することにより
GT35の白色粉末 10 mgが得られた。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、抗真菌、抗細胞および
免疫抑制活性を有するGT35を提供することができ
る。
免疫抑制活性を有するGT35を提供することができ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 17/18 C12R 1:465)
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 で表される新規物質GT35。
- 【請求項2】 ストレプトマイセス属に属し、GT35
を生産する能力を有する微生物を培地に培養し、培養物
中にGT35を生成蓄積させ、該培養物からGT35を
採取することを特徴とするGT35の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8163952A JPH09100290A (ja) | 1995-08-01 | 1996-06-25 | 新規物質gt35およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-196261 | 1995-08-01 | ||
JP19626195 | 1995-08-01 | ||
JP8163952A JPH09100290A (ja) | 1995-08-01 | 1996-06-25 | 新規物質gt35およびその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09100290A true JPH09100290A (ja) | 1997-04-15 |
Family
ID=26489247
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8163952A Withdrawn JPH09100290A (ja) | 1995-08-01 | 1996-06-25 | 新規物質gt35およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09100290A (ja) |
-
1996
- 1996-06-25 JP JP8163952A patent/JPH09100290A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030902 |