JPH10287602A - オレフィンの水和方法 - Google Patents

オレフィンの水和方法

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JPH10287602A
JPH10287602A JP9106607A JP10660797A JPH10287602A JP H10287602 A JPH10287602 A JP H10287602A JP 9106607 A JP9106607 A JP 9106607A JP 10660797 A JP10660797 A JP 10660797A JP H10287602 A JPH10287602 A JP H10287602A
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JP
Japan
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olefin
exchange resin
catalyst
alcohol
reaction
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JP9106607A
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English (en)
Inventor
Nobuto Kobayashi
伸人 小林
Mitsunori Shimura
光則 志村
Sachio Asaoka
佐知夫 浅岡
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱水の存在下において安定に酸性質を発現し
得、水和反応中、触媒の高活性を維持することができる
と共に、反応生成物への酸の混入の問題を生ずることの
ないオレフィン転化率の高い触媒を開発することによっ
て、高価な材料からなる装置の使用や、水和反応終了後
における複雑な中和工程を必要としない経済性に優れた
工業的に有用なオレフィンの水和方法を提供すること。 【解決手段】 オレフィンと水とを、強酸性イオン交換
樹脂と耐熱性塩基性ピリジン交換樹脂との混合物が充填
された固定床反応器に供給し、該混合物を触媒として用
いてアルコールを製造することを特徴とするオレフィン
の水和方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィンの水和
方法に関し、特に、ガソリン添加用オキシジエネートと
して需要の拡大が予想されるジイソプロピルエーテルの
中間体であるイソプロピルアルコールの製造に最適なオ
レフィンの水和方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、エチレン、プロピレン等のオ
レフィンを触媒を用いて水と反応させてアルコールを直
接水和法によって製造することはよく知られている。こ
の直接水和法には、気相法、液相法、気液混相法があ
り、液相法や気液混相法は、気相法に比べてオレフィン
転化率が高いという利点がある。又、水和反応に使用さ
れる触媒としては、例えば、不均一系触媒として、多孔
質担体にリン酸を含浸させたリン酸担持触媒や、強酸性
イオン交換樹脂等の固体酸触媒が知られており、均一系
触媒としては、りん酸や硫酸といった鉱酸や、ヘテロポ
リ酸等が知られている。例えば、イソプロピルアルコー
ルは、これらの触媒を用い、プロピレンの水和反応によ
って製造される。
【0003】しかし、上記に挙げた各種触媒をオレフィ
ンの水和反応に用いた場合には、下記に挙げるような解
決されるべき種々の課題がある。即ち、均一系触媒に
は、反応後の触媒分離に問題があり、特に、ヘテロポリ
酸は触媒の分離回収が困難であり、水和反応後に生成物
と触媒との分離工程が必要となる。又、鉱酸を使用する
場合には、更に、装置の腐蝕の問題が生じ、耐酸性の材
料で装置を構成したり、廃酸処理の必要となる等の問題
がある。これに対し、不均一系触媒を用いる場合は、反
応後における触媒の分離回収は容易であるが、例えば、
リン酸担持触媒を用いた場合には、気相で反応を行うた
め、オレフィン転化率が低く、生産効率に劣るという問
題がある。更に、気液混相、液相で反応を行う強酸性イ
オン交換樹脂を用いた場合にも、強酸性イオン交換樹脂
から酸性物質が遊離し、反応系へ流出することによる触
媒の劣化と、酸性物質の流出に伴って生じる装置の腐蝕
の問題がある。更に、反応系への酸性物質の流出により
生じる反応生成物中への酸の混入を防止するため、流出
した酸性物質を除去する必要があり、反応生成物中に苛
性ソーダや水酸化カルシウム等の塩基性物質を添加して
中和処理する必要がある。そして、この際に分離が困難
な塩類が生成するため、複雑な中和工程が必要となり、
そのために多大な費用がかかり、経済性に劣るという実
用上の大きな問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、オレフ
ィンの直接水和反応においては、一般的には酸触媒が用
いられており、一方、オレフィンの水和反応では必然的
に水が存在することになる。従って、熱水の存在下、長
期間にわたり触媒劣化を生じることがなく、安定に活性
を維持することができ、且つ、反応生成物への酸の混入
が生じない酸触媒が望まれる。又、オレフィンのアルコ
ールへの転化率が高く、特殊な材料を要する反応装置
や、水和反応後の触媒分離、或いは酸の中和工程を必要
としない経済性にも優れた触媒の開発が望まれる。しか
しながら、前述したように、従来より提案されているオ
レフィンの水和反応用の各種触媒には、実用上これらの
全ての条件を十分に満足するものは得られていない。従
って、本発明の目的は、上記したオレフィンの水和反応
用触媒の現状に鑑み、熱水の存在下において安定に酸性
質を発現し得、水和反応中、高活性を維持することがで
きると共に、反応生成物への酸の混入の問題を生ずるこ
とのないオレフィン転化率の高い触媒を開発することに
よって、工業的に有用な経済性に優れたオレフィンの水
和方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、オレフィン
と水とを、強酸性イオン交換樹脂と耐熱性塩基性ピリジ
ン交換樹脂との混合物が充填された固定床反応器に供給
し、該混合物を触媒として用いてアルコールを製造する
ことを特徴とするオレフィンの水和方法である。上記の
本発明によれば、オレフィンの直接水和反応によるアル
コールの製造において、オレフィン転化率の高く、且つ
高価な材料を使用した装置の使用や、水和反応終了後に
おける複雑な中和工程を必要としない経済性に優れたオ
レフィンの水和方法の技術が確立する。
【0006】
【発明の実施の形態】発明者らは、上記した従来技術の
課題を解決すべく鋭意検討の結果、オレフィンの直接水
和反応において、触媒として、強酸性イオン交換樹脂と
耐熱性塩基性ピリジン交換樹脂とを併用することによっ
て、触媒として高活性が維持され、触媒に起因する反応
生成物中への酸の混入が有効に防止されたオレフィンの
直接水和反応を実現することができる結果、高い転化率
で、安定して効率よく経済的にアルコールを製造するこ
とが可能となることを知見して本発明に至った。
【0007】即ち、本発明のオレフィンの水和方法で
は、先ず、直接水和反応において、高活性を示す物質と
して従来より知られている強酸性イオン交換樹脂を用い
ることにより、オレフィンのアルコールへの高転化率を
達成し、アルコールの製造に対する高収率を実現する。
更に、この強酸性イオン交換樹脂と、耐熱性塩基性ピリ
ジン交換樹脂を混合することによって、強酸性イオン交
換樹脂から遊離して反応系へと流出されてくる酸性物質
を塩基性ピリジン交換樹脂によって捉える。この結果、
強酸性イオン交換樹脂から遊離された酸性物質が、触媒
層内に長く存在することがなくなるので強酸性イオン交
換樹脂自身の分解が抑制され、触媒として高活性を維持
することが可能となる。又、強酸性イオン交換樹脂から
流出する酸性物質が、速やかに塩基性ピリジン交換樹脂
によって捉えられるので、流出した酸性物質によって、
水和反応用の装置や、その後の処理装置に対して腐蝕等
の問題が生じることがないため、これらの装置に耐酸性
の高価な材料を使用する必要がなくなる。加えて、本発
明において使用する耐熱性塩基性ピリジン交換樹脂は、
苛性ソーダ等による再生処理が可能であるため、くり返
し使用が可能で、工業的に非常に有利な材料であり、生
産コストの削減に寄与し得る。
【0008】次に、本発明のオレフィンの水和方法で使
用する材料及び水和条件について説明する。先ず、本発
明のオレフィンの水和方法では、触媒として、強酸性イ
オン交換樹脂と耐熱性塩基性ピリジン交換樹脂との混合
物を使用する。この際に使用する強酸性イオン交換樹脂
としては、従来よりオレフィンの水和反応の触媒として
好適に使用されているオレフィン転化率の高い粒状触媒
をいずれも使用することができる。具体的には、例え
ば、スチレン系スルホン酸型樹脂、フェノールスルホン
酸型樹脂等が挙げられる。
【0009】又、上記の強酸性イオン交換樹脂と併用さ
れる耐熱性塩基性ピリジン交換樹脂としては、水和反応
の温度に耐え得る、通常の塩基性ピリジン交換樹脂より
も耐熱性の高い粒状触媒を使用する。本発明において
は、耐熱温度が100〜160℃程度のものが好まし
い。このようなものとしては、例えば、ピリジン・ジビ
ニルベンゼン共重合体等が挙げられる。本発明のオレフ
ィン水和反応においては、触媒層内に、強酸性イオン交
換樹脂にと共に、上記したような耐熱性塩基性ピリジン
交換樹脂が存在しているため、強酸性イオン交換樹脂か
ら遊離して流出してくる酸性物質が、この塩基性のピリ
ジン交換樹脂に速やかに捉えられるので、生成物中に酸
性物質が混入することが有効に防止される。又、触媒層
内に酸性物質が長く存在することがなくなるので、強酸
性イオン交換樹脂自身の分解が抑制され、触媒としての
高活性が長期間維持される。更に、水和反応装置等に、
耐酸性を有する特殊な材料からなる装置を使用する必要
がなくなる。
【0010】本発明においては、上記に挙げたような陽
イオン交換樹脂粒子と耐熱性の塩基性ピリジン交換樹脂
粒子とをよく混合し、これを固定床反応器に充填してオ
レフィンの水和反応用触媒として使用する。本発明にお
いては、これらの樹脂粒子の混合割合が、強酸性陽イオ
ン交換樹脂:耐熱性塩基性ピリジン交換樹脂=3:7〜
7:3の範囲のものを用いることが好ましい。即ち、混
合触媒中の塩基性ピリジン交換樹脂の割合がこれよりも
少ないと、流出する酸性物質を十分に捉えることができ
なくなる一方、陽イオン交換樹脂の割合が少な過ぎる
と、オレフィンのアルコールへの高転化率が達成できな
い。尚、これらの樹脂粒子の粒径としては、通常の水和
反応の場合の触媒と同様に、0.2mm〜1mm程度と
するとよい。
【0011】次に、上記したような強酸性イオン交換樹
脂と塩基性ピリジン交換樹脂とを併用する本発明のオレ
フィンの水和方法における水和反応条件について説明す
る。本発明のオレフィンの水和方法では、反応系中に、
水を、気液混相として、又は液相として存在させること
が好ましい。例えば、プロピレンの水和反応における反
応条件としては、強酸性イオン交換樹脂と耐熱性塩基性
ピリジン交換樹脂とを3:7〜7:3の割合でよく混合
した混合物を固定床反応器に充填し、反応温度100〜
160℃、圧力20〜70kg/cm2 Gで、液空間速
度が0.1〜3(l/hr)となる範囲で行う。
【0012】本発明のオレフィンの水和方法を適用し、
以上説明したような反応条件等で水和反応を行ってアル
コールを効率よく製造する場合に用いられるオレフィン
原料としては、炭素数3〜5のオレフィンが好ましい。
特に、本発明のオレフィンの水和方法によって、プロピ
レンからイソプロピルアルコールを経済的に製造するこ
とができる。
【0013】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定され
るものでない。実施例1 スチレン系スルホン酸型陽イオン交換樹脂(ロームアン
ドハース社製 アンバーリスト−15)5ccと、耐熱
性塩基性ピリジン樹脂(ライリーアンドタール社製、R
eillex−425)5ccとをよく混合し、得られ
た混合物を固定床反応器に充填した固定床反応装置を用
い、該混合物を触媒としてプロピレンの直接水和反応を
行った。反応条件としては、反応温度:150℃、圧
力:70(kg/cm2 G)、液空間速度:1(l/h
r)、H2 O/C36 =15(mol/mol)の条
件下でプロピレンの直接水和反応を行った。以上の結
果、得られたイソプロピルアルコールの収率は40%で
あった。又、生成物中への酸の混入は認められなかっ
た。
【0014】比較例1 耐熱性塩基性ピリジン樹脂を使用しない以外は実施例1
と同様にして、プロピレンの直接水和反応を行った。そ
の結果、得られたイソプロピルアルコールの収率は、実
施例1と同様に40%であったが、生成物のpHを測定
したところpH2.0であり、生成物中への酸の混入が
認められた。
【0015】実施例3 陽イオン交換樹脂3ccと、耐熱性塩基性ピリジン樹脂
7ccとを混合した、両樹脂の混合比を変えた混合物を
触媒として使用する以外は実施例1と同様にして、プロ
ピレンの直接水和反応を行った。その結果、得られたイ
ソプロピルアルコールの収率は35%であり、又、生成
物中の酸の混入も認められなかった。
【0016】実施例4 実施例1で行った水和反応の終了後、固定床反応器から
混合触媒を取り出しその中のピリジン樹脂を分離して、
2Nの水酸化ナトリウム溶液で取り出したピリジン樹脂
を洗浄し、その後、これを固定床反応器に充填して戻
し、再び実施例1と同様にしてプロピレンの直接水和反
応を行った。その結果、得られたイソプロピルアルコー
ルの収率は40%であり、又、生成物中への酸の混入も
認められなかった。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
触媒として強酸性イオン交換樹脂と塩基性ピリジン交換
樹脂とを併用することによって、長期間安定して高い収
率を維持してアルコールを製造することができ、且つ、
得られる生成物についてその後に中和工程を設ける必要
がなく、更に、水和反応装置等についても耐酸性を有す
る特殊な材料を必要としない経済性に優れた工業的に有
用なオレフィンの直接水和反応方法が提供される。又、
本発明によれば、特に、直接水和反応によって、プロピ
レンからイソプロピルアルコールを効率よく製造するこ
とが可能となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィンと水とを、強酸性イオン交換
    樹脂と耐熱性塩基性ピリジン交換樹脂との混合物が充填
    された固定床反応器に供給し、該混合物を触媒として用
    いてアルコールを製造することを特徴とするオレフィン
    の水和方法。
  2. 【請求項2】 オレフィンが、炭素数3〜5のものであ
    る請求項1に記載のオレフィンの水和方法。
  3. 【請求項3】 アルコールが、イソプロピルアルコール
    である請求項1に記載のオレフィンの水和方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007153762A (ja) * 2005-12-01 2007-06-21 Nippon Oil Corp オレフィンの水和方法
CN103586075A (zh) * 2013-11-26 2014-02-19 凯瑞化工股份有限公司 一种轻汽油醚化催化剂及其制备方法

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